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1953-07-14 第16回国会 衆議院 大蔵委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十四日(火曜日)     午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 千葉 三郎君    理事 淺香 忠雄君 理事 苫米地英俊君    理事 坊  秀男君 理事 内藤 友明君    理事 佐藤觀次郎君 理事 井上 良二君    理事 島村 一郎君       宇都宮徳馬君    大上  司君       大平 正芳君    黒金 泰美君       藤枝 泉介君    福田 繁芳君       本名  武君    小川 豊明君       木原津與志君    久保田鶴松君       春日 一幸君    平岡忠次郎君       濱地 文平君    福田 赳夫君  出席政府委員         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         国税庁長官   平田敬一郎君         食糧庁長官   前谷 重夫君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   末廣 義一君         大蔵事務官         (管財局閉鎖機         関課長)    岩動 道行君         通商産業事務官         (軽工業局アル         コール第二課         長)      渡邊 五六君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 七月十三日  委員松永東辞任につき、その補欠として濱地  文平君が議長指名委員に選任された。 同月十四日  委員濱地文平辞任につき、その補欠として山  村新治郎君が議長指名委員に選任された。 同月十四日  委員保利茂辞任につき、その補欠としし三和  精一君が議長指名委員に選任された。 七月十一日  公認会計士法の一部を改正する法律案苫米地  英俊君外二十四名提出衆法第二九号) 同月十一日  石油関税減免措置延期に関する請願吉井喜  實君紹介)(第三三三八号)  同(三木武夫紹介)(第三五九二号)  同(山本幸一紹介)(第三五九三号)  同(岡田五郎紹介)(第三五九四号)  同(大野伴睦紹介)(第三五九五号)  同(佐藤善一郎紹介)(第三五九六号)  同(關谷勝利紹介)(第三五九七号) 同月十一日  果実エツセンスに対する物品税撤廃請願(船  田中君紹介)(第三三三九号)  同(本名武君外三名紹介)(第三五九八号)  葉たばこの風水害対策確立に関する請願外一件  (熊谷憲一紹介)(第三三四〇号)  外地財産補償に関する請願大石ヨシエ君紹  介)(第三三四一号)  揮発油税軽減に関する請願三木武夫紹介)  (第三五八八号)  同(大野伴睦紹介)(第三五八九号)  同(佐藤善一郎紹介)(第三五九〇号)  同(關谷勝利紹介)(第三五九一号)  協同組合に対する法人税免除に関する請願(田  口長治郎紹介)(第三五九九号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約  第三条に基く行政協定実施に伴う国有財産  の管理に関する法律の一部を改正する法律案(  岡良一君外二十六名提出衆法第二〇号)  公認会計士法の一部を改正する法律案苫米地  英俊君外二十四名提出衆法第二九号)  塩業組合法案内閣提出第一二号)  信用金庫法の一部を改正する法律案内閣提出  第一三号)  食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八三号)  国民金融公庫法の一部を改正する法律案内閣  提出第八四号)  閉鎖機関令の一部を改正する法律案内閣提出  第九四号)  鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証  に関する法律案内閣提出第九五号)  国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出第  一〇三号)  資産再評価法の一部を改正する法律案内閣提  出第一一〇号)  産業投資特別会計法案内閣提出第一一三号)  厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一一五号)  外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣提出第一一七号)  相互銀行法の一部を改正する法律案内閣提出  第一二四号)  信用保証協会法案内閣提出第一二五号)  旧令による共済組合等からの年金受給者のため  の特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部  を改正する法律案内閣提出第一五五号)  昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じ  た国家公務員共済組合法等規定による年金の  特別措置に関する法律案内閣提出第一五六  号)  昭和二十七年度における給与の改訂に伴う国家  公務員共済組合法等規定による年金の額の改  定に関する法律案内閣提出第一五七号)  日本専売公社法の一部を改正する法律案内閣  提出第一五九号)  国有財産法等の一部を改正する法律案内閣提  出第四五号)(予)  証券取引法の一部を改正する法律案内閣提  出第四九号)(予)  証券投資信託法の一部を改正する法律案内閣  提出第七八号)(予)     —————————————
  2. 千葉三郎

    千葉委員長 これより会議を開きます。  公認会計士法の一部を改正する法律案議題として、提出者から提案趣旨説明を聴取いたします。提出者苫米地英俊君。     —————————————  公認会計士法の一部を改正する法律案  公認会計士法の一部を改正する法律公認会計士法昭和二十三年法律第百三号)の一部を次のように改正する。第五十七条第一項中「五年以内」を「六年以内」に改める。   附 則 この法律は公布の日から施行する。     —————————————
  3. 苫米地英俊

    苫米地委員 ただいま議題となりました公認会計士法の一部を改正する法律案提出理由を御説明申し上げます。  公認会計士制度は、強制監査制度と相まつて、民主的かつ合理的な経済の基礎を確立する上に、多大の期待をかけられているものでありますが、このような目的を達成するには、会計に関する豊富な知識と経験を有しかつ高い社会的信用を有する多数の公認会計士の存在することが必須の前提条件となつて参るのであります。  昭和二十三年に公認会計士法が制定されましたとき、暫定的に特別試験制度を設けて、計理士その他の会計監査専門家公認会計士たるにふさわしい品位と能力を有する者に対しまして、公認会計士となる特別の道を開かれましたゆえんのものも、実はこの間の事情を勘案された結果と考えられるのであります。しこうしてこの特別試験制度は、当初その施行期間が三年間となつてつたのでありますが、その後第十国会におきまして、第三次試験受験資格者がいまだ相当の数に達していないこと、及び特別試験を受験する資格のある優秀な学識経験者が多数存在することを理由として、さらに二箇年延長せられまして、今日に至つたわけであります。従つて特別試験は、いよいよ本年七月末をもつてその期間が満了することとなるのであります。  しかしながら一方受験者側事情を考慮いたしますときは、なお相当数の有能な適格者が存在することが考えられますので、いましばらくこの制度を存続いたしまして、これらの適格者に引続き特別試験を受験する機会を与えることが望ましいと存じまして、今回特別試験施行期間を更に一箇年再延長することといたしたのであります。  以上がこの法律案提出する理由でありますが、何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いいたす次第であります。
  4. 千葉三郎

  5. 千葉三郎

    千葉委員長 次に、本日の日程に掲げました日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定実施に伴う国有財産管理に関する法律の一部を改正する法律案外二十一法案一括議題として質疑を行います。質疑は通告順によつてこれを許します。小川君。
  6. 小川豊明

    小川(豊)委員 それでは忙しいようですから、アルコール第二課長に、ごく簡単ですからお聞きしたいと思います。あなたの方で、昨年の四月二十八日に工業用アルコール原料として日本糧穀という会社から四千百八十一トンを買受けておりますが、これは、あなたの方ではどれだけ申請してこれだけ買い受けられたか、これは申請量だけ来たわけでございますか。同時に、これは日本糧穀から幾らであなたの方は買い受けられたか、これをお聞きしたいと思います。
  7. 渡邊五六

    渡辺説明員 昨年アルコール原料用として、黄変米日本糧穀契約しまして買受けたのでありますが、当初の買受け申請量としては四千トンでございます。それで、日本糧穀との契約数量は四千百八十一トンでございまして、買受け価格は、容器麻袋込めでありまして、トン当り三万五千六百円で日本糧穀契約を結びました。
  8. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたの方では、これを日本糧穀というところへ頼んで払下げをしてもらつたのかどうか、それから農林省の持つている米を、政市機関であるあなたの方が、自分直営工場で使うのにどうして個々工場を通して買わなければならなかつたか、その理由をお尋ねしたいのであります。同時に、日本糧穀へ払い下げておる価格は二万八千六百三十四円で、そのほかに包装代が百八十円となつておるが、あなたの方では、トン当り三万五千六百円で買つているのです。これは直接食糧庁が払い下げれば、二万八千六百三十四円で引取れるものを、あなたの方ではどうしてこういうところをわざわざ通して、しかも三万五千六百円という金を出して買わなければならないのか、その理由をひとつお尋ねしたい。
  9. 渡邊五六

    渡辺説明員 アルコール特別会計が、日本糧穀会社を経由して黄変米を買い受けた理由といたしましては、直接食管特別会計アルコール特別会計契約をしますと、食管特別会計の希望としましては、売却条件が決定次第早急に売却したい、従つて納付代金の延納を認めないというような御意向でありましたが、アルコール特別会計としましては、支払い資金計画上、納付代金をすぐ支払うということは不可能であるというような事情と、それから第二の理由としては、黄変米の売払い場所がきわめて多くて、かつ短期間検収を要するというような関係上、アルコール特別会計が直接買い受けることは、人員その他の関係からいつて不可能であるという点と、第二点としては、従来からこういう特別な食糧払下げつにきましては、食糧事務所荷姿のままで払い下げるというような方針をとつておりましたので、そうしますと、買受けの数量との間に欠減その他の誤差が出るというようなことで、かえつて特別会計としては将来に紛糾の原因を残すというような点も考えられましたことが第三点でございます。第四点としては、食管特別会計は、代金を納付して後に現品を引渡すというような方針でありますが、アルコール特別会計といたしましては、こういう購買にあたつては、検収をして代金を納入するという手続になつておりますので、食管から直接購入することは不可能である。こういう四点から、中間に業者を入れて、相当契約で購入しようということであります。日本糧穀を特に指定したのは、従来とうもろこし、その他のアルコール原料日本糧穀から買い入れまして、非常に成績か良好であつたというような関係から、日本糧穀を指定して、日本糧穀との間に購売契約を結んだわけであります。  次に、黄変米食管からの払下げ代金が二万八千六百三十四円であるのに、アルコール特別会計日本糧穀との契約単価トン当り三万五千六百円である、その差はどういうわけかという御質問と思うのでございますが、そのうちに容器の麻袋代としまして、トン当り千九百七十一円、それから輸送料その他いろいろな取扱料というので、中間経費としまして四千九百九十一円を見込みまして、合計三万五千六百四円でありますが、それを三万五千六百円というふうに端数を切り捨てまして、購売単価をきめたわけでございます。
  10. 小川豊明

    小川(豊)委員 私は前回の委員会でもお尋ねしたのでありますが、いろいろな手続があるかと思いますけれども、いずれにしても、農林省が持つている米を、通産省のあなたの方が、アルコール工場が必要なものを、トン当り七千円の格差をつけてほかの会社を通さなければ払い下げられない、それは手続だというが、そういう手続は改正すればいいことであつて、こういうことは国民の税金が七千円ずつも、—これは七千円が全部とは申しませんけれども、いろいろな経費もかかるでしようが、こういう会社を通じて売らなければならないという考え方自体に対して、非常に遺憾な考えを持つております。これはあとでもまたお聞きしなければならないことが幾つか出て来ると思いますが、あなたの方にお聞きすることはこれだけでけつこうですから、あなたはお忙しいでしようから、お帰りになつてけつこうです。  そこで、今度は食糧庁の方にお尋ねしたいと思いますけれども、政府払下げ事故米については、今までの質疑で、食糧庁の方の態度なり方針なりというものがはつきりして来て、これは私ども非常にけつこうだと思つておりますし、長官答弁の中でも、払下げ実需者に払い下げるのだ、しかもそれが用途や目的をかつてに変更した場合ににはこれを取締る、今後もそういうものに対しては売却を停止する措置をとるということがはつきり打出されておるので、この点についても、自分質問趣旨が大体そこですから、非常にけつこうだと思つているのであります。これは供出農民の立場にもなり、また配給米を受ける者の心持にもなつて、こういう方針は今後厳重に守つて、不明朗な疑惑を持たれないように願いたいこう思うのであります。そこで輸入食糧より生ずる事故米ですが、輸入総量の二%程度だというふうな御答弁でしたが、昨年の払下げ数量が、黄変米だけかもしれませんが、一万二千三百六十九トンあるわけでありまして、これを見ると、輸入総量に対しては非常に少いのであるが、まだ手持ちをされておりますか。
  11. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。黄変米は、お手元に差上げましたように約九千トンであります。事故夫といたしましては、お手元に差上げましたように、五百六十三トンのものがございますが、このほかに、府県で実際上やりましたものが千四百トンございまして、約二千トンございます。全体のトータルといたしまして、私が申し上げました二%は、政府から買い入れまして小売まで行く間のロスとして二%見込んでおるわけであります。その中の一部としてそういうものがあるということでございまして、普通の輸送中のロスとか、保管中のロス、及び配給中のロスというものの全体を含めて二%、かように御了承願います。
  12. 小川豊明

    小川(豊)委員 そこで二十七年度における砕米及び事故米売却にあたつて、非常に値引きをされておるわけですが、その値引き理由として、これはあなたの方からもらつた資料によりますと、船が入つた当初品質が非常に悪かつた従つて買受や割当の辞退が続出して、ついに二年の長きにわたつて倉庫手持ちをした。こういうふうにあなたの方はおつしやつて資料として出ておるのです。そうしますと、二年間も倉庫の中にこれをほうり込んでおいた。従つてこれは国の倉庫かどうか知りませんが、莫大な倉庫料、その他保管管理の費用がかかる、同時に品質も低下することによつて値段を下げなければならないということが出て来ると思うが、どうしてこういうふうに二年間も倉庫の中にほうり込んでおかなければならなかつたか。
  13. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。御承知のように、輸入したもの、及び内地米として買い上げましたものを配給のルートに乗せておるわけであります。これを配給いたします場合に、県別計画従つて配給して参るわけでございますが、黄変米につきましては、御承知のようにわれわれとしましても、昨年度のものも同様でございましたが、黄変米の定義と、あるいはその黄変米の菌の内容等から、配給にまわし得るかどうかという点について検討いたしておつたわけでございます。われわれといたしましては、主食用として購入したものでございますから、できればこれを主食用にまわしたいという気持を持つてつたわけでありますが、その後いろいろ細菌についても検討いたしました結果、一般工業用原料にまわすべきであるということになりましたので、研究過程等におきまして、非常に長くなつたわけであります。
  14. 小川豊明

    小川(豊)委員 今のは砕米等のことで、黄変米ではないと思う。黄変米でもかまいませんが、砕米事故米に対するあなたの方の資料にそう書いてある。いずれにしても、どう研究なさろうとも、置けば置くほど品質が低下し減耗するだろうというものを、二年間も倉庫の中にほうり込んでおいて、研究々々というのは、どうも当を得ない。これはどういうことですか。
  15. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。私が申し上げましたのは、黄変米理由でございます。事故米につきましては、その都度食糧事務所の方からの伺いによつて処理をいたしております。砕米につきましては、御承知のように、みそしようゆ用等配給計画かございまして、年度の砕米輸入見込量に対して、みそ用には幾らということで、時期別に砕米につきましては売却いたしております。
  16. 小川豊明

    小川(豊)委員 私はそのみそ用菓子用しようゆ用、その他に配給なさつたということはわかる。ただ、二年も倉庫の中にほうり込んでおいて、それをどこへまわすことが適当であるかということを研究して行かなければならないという態度が、非常にいけないのじやないかということを言うのです。  そこで次に、食糧庁が提示された資料によりますと、不適食糧としての黄変米は九千三百六十八トンなんですが、そのうちの六割以上にも相当するところの五千六百二十九トンは、日本糧穀株式会社というところへ一括売却している。そうしてあなたの方の別の資料にあるように、競争入札とかなんとか一つもやつていないで、随意契約で一括売却しておる。この会社は、私も調べてみました。あなたの方では、繰返し実需者に払い下げると言つているが、これはひとつも実需者でありません。一商社であるにすぎないのに、長官は私の質問に対して、不適食糧売渡しは、直接実需者に対して行うと答えている。同時に食糧管理法及び付属法規法規にも、実需者に対して、一般競争入札によつて行う旨の規定があるわけです。しかるに悪い言葉だが、単にトンネル会社にすぎない日本糧穀に対して、この過半数の大量なものを随意契約によつて払い下げるというのは、これはどういうわけでここへ払い下げなければならないのか、この点をひとつお尋ねいたします。
  17. 前谷重夫

    前谷政府委員 第一点の時間的な問題は、砕米事故米については、一年、二年ということで置いているわけでございません。私が申し上げましたのは、黄変米についての御説明でございますから、さよう御了承願いたいと思います。  なお黄変米についての売却でございますが、御承知のように、黄変米につきましては、いろいろその混入率によつてグレードがあるわけでございまして、大体その内容によつてA、Bとわけたわけでございます。先ほど工業用アルコールについては、Bクラスでございまして、これは非常にグレードの悪いものでございますから、先ほど通産省からの御説明がございましたように、通産省官営工場代理人として、日本糧穀会社を経由して売却いたしたわけでございまして、行く先はあくまで実需者と考えております。  なお蒸溜酒につきましては、指各競争入札を第一回として実施いたしたわけでございますが、それが一定数量入札になりましたけれども、あとが落ちなかつたという点、それから各地方に散在いたしておりまして、各地方ごと売却するということが非常に困難であるというふうな事情から、各地方のものを一括いたしまして、随意契約によつて酒造会社売却いたしたわけとございまし、やはり実需者代理人として契約をいたしたわけでございます。
  18. 小川豊明

    小川(豊)委員 私は、実需者というのは、酒屋なら酒屋、酒をつくつているものが実需者であり、みそをつくつているものが実需者であつて、それを取次するものは実需者であると考えていないが、今のあなたの答弁のように、そういうものも実需者であるというと、日本中のものはほとんどみな実需者だということになりやしませんか。そういう実需者の解釈でいいですか。
  19. 前谷重夫

    前谷政府委員 実需者と申しましたのは、あくまで、御承知のようにその原料を消費いたしまする工場を考えているわけです。ただ個々工場代理人として、主務官庁の指定したものを売却契約先として契約をいたしたものでございまして、あくまでも、それは代理人という考え方を持つてつたわけでございます。
  20. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうすると、法規にも一般競争入札によつて実需者に払い下げることをうたつてあるけれども、あなたの方は、代岳人というものをすでに認めて、実需者には払い下げていない。ただそれは、実需者の方で、この人に渡せということを言つてあるか知らぬが、実需者でも何でもないところへ渡している。しかもこの問題は、あなたの方で払い下げているものは、ほかでは指名競争入札でやつているのです。ところがあなたの先輩であつたところの社長がやつておられるこの日本糧穀だけは、随意契約をしている、この点が私は不可解だ、こういうことだ。どうしてここへだけ随意契約をやらなければならかつたか、この点を伺いたい。
  21. 前谷重夫

    前谷政府委員 われわれといたしましては、個々工場、あるいはアルコ—ル工場を主管いたしておりまする官庁指定したもので、ございまして、それが工場の委任を受けて、そしてそれを工場配給するということで、配給先はあくまでも、実需者ということになつているわけごでざいます。
  22. 小川豊明

    小川(豊)委員 それからさつき通産省の方の答弁があつたのですが、あなたの方では、通産省官営工場に対して四千百八十一トンを四月二十八日に払い下げているのですが、今度逆に食糧庁長官にお尋ねしたいのは、同じ政府機関にい払下げるのに、通産省官営工場トン七千円高く買つているのです。あなたの方は、日本糧穀という会社へは結局一トン七千円も値引きしたと同じことになるのです。そして四千トンも払い下げて、この会社に非常にもうけさしているのですけれども、どうしてここを通さなければならないか、その真意が私にはわからない。今度は逆にあなたの方にお尋ねしたい。
  23. 前谷重夫

    前谷政府委員 先ほど通産省から御説明のように、各工場に対しまして、通産省の指定したものに対して売却をいたしたわけでございまして、御承知のように、食糧庁といたしましては、この所在地は各方面にわかれておりますし、しかも倉庫のあり姿で売却するわけでありますので、その間に輸送その他の経費がかかるわけでございますが、われわれとしましては、あくまでもこの品物の品質その他によりまして値段をきめて参つたわけであります。
  24. 小川豊明

    小川(豊)委員 倉庫がどこにあろうと、品質によつて価格をどうきめられようと、それはお互い政府機関通産省工場が使うのであつて、四本糧穀を通したら、そのために品質がよくなるわけでもない、日本糧穀を通したら、工場の位置がかわるはずでもないのに、なぜそういうことをやらなければならないかということを聞いておるのであつて、この点をもう一ぺん伺いたい。
  25. 前谷重夫

    前谷政府委員 先ほども申し上げましたように、この場合におきましては、通産省の指定したものと契約を結んだわけでございましたが、その指定された理由は、先ほど通産省からのお話の通りでございます。われわれといたしましては、これを通産省工場渡しでお買いになりまするし、われわれが通産省工場まで持つて行くということではございませんで、やはり倉庫のあり姿のままで渡す、その間にどうして輸送その他の取扱いは必要でございますが、これを食糧特別会計でやるというわけには参らないわけであります。
  26. 小川豊明

    小川(豊)委員 どうもくどいようで申訳ないのですが、二十七年度における黄変米は三回にわかれてやつておる。そのたつた一回だけが指名競争入札で、あと二回は二回とも日本糧穀随意契約でやつておる。そうして、こういうふうなトン七千円ずつの隔たりをつけてやつておる。一つも一般競争入札はしていない。こういうふうに、売却価格においても、あるいは数量においても、またその払下げ契約においても、私に言わせれば、食糧庁日本糧穀という実需者でない、まつたくのトンネル会社に特別の恩恵的な待遇を与えておる。私には明らかにそう考えられるが、どうしてこういうことをしなければならないのか、この点はいくら問答しておつても、おそらくあなたの方がこれはよくなかつたとは言わないでしようから、尽きはしないでしよう。  そこで今度は、蒸溜用としてあなたが三千七百三十九トンを払い下げておりますが、これは国税庁長官の指定書を有するものに対して払い下げたことになつておるのですけれども、——これは国税庁の長官にお伺いした方がいいと思うが、この払下先の三社の指定は、どういう三社を指定したわけですか。あなたがこの三社を指定するにおいては、どこに根拠を置いて指定したのか。それからこれは法規からいつて一般希望者を募られたと思うが、この希望はどのぐらいあつて、その中からこの三社をどういうふうにして指定されたか、その根拠を伺いたい。
  27. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 先般もお答え申し上げたと思いますが、黄変米食糧に向かないので、酒造用に売つてもいいという食糧庁のお話がございましたので、私らといたしましては、実は希望者を募つたわけでございます。そういたしまして、その中からもちろん現実に醸造している状況等を調べまして、こちらとしましては、競争入札に参加し得る適格者だという認定を与えまして、そういう趣旨の指定をいたしたわけでございます。その指定いたしましたのは全部で五社でございまして、ここに落札しました以外では、あと二社でございます。大黒葡萄酒、協和醗酵。但しこの二つの社は、指定いたしましたが、競争入札には参加しなかつたようでございます。
  28. 小川豊明

    小川(豊)委員 五月三十日、指名契約によつて三社に売却しているのですよ。その前に食糧庁ではもう一回入札をやつて、その価格があなたの方の予定価格にくつかないので、再入札されたということを私は調べているんだが、そういうことをあなたの方はやりませんでしたか。
  29. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。この入札につきましては、入札の予定数量はもつと多かつたわけでありますが、五日二十日におきましては、三千七百三十九トンしか落札にならなかつた。かような事情でございます。
  30. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうじやないのです。この三千七百三十九トンを五月三十日に入札する前に、あなたの方はもう一回入札措置をとつて、それがあなたの方の予定価格にくつかないので、落札にならないで、五月三十日にやつた従つてこれは再入札ではないか、そうでないかということを私は聞いている。
  31. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。会計法上再入札という形にはなつておりません。事実問題といたしまして、普通の指名入札として行つたわけでございます。
  32. 小川豊明

    小川(豊)委員 どうもわからない。私は簡単でいいのです。五月三十日の前にもう一回入札をやつて、それがあなたの方の価格にくつかないからとりやめて、次に三十日にやつたかやらないか、それを聞かしていただければいいのです。
  33. 前谷重夫

    前谷政府委員 普通の指名入札として、お説のように前にもやつたわけでありますが、そこに至らないために、三回目にこの数量が落札になつたのであります。
  34. 小川豊明

    小川(豊)委員 数量はいいですが、このときにあなたの方の予定価格にくつつがなかつとたいう価格の問題をお聞きしたい。同時にこういうことがあると聞いているのです。三千七百三十九トンは、この価格にするために、指定を受けた業者が一回入札したのではだめだから、ここでだめにして、一回は予定価格にくつかないようにして、この価格にまで落したんだということを私は業者から聞いているが、そういうことはいいが、再入札をやつたかやらないか。その予定価格幾らであつたかということです。
  35. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。第一回、第二回とも普通の指名競争入札をやりましたが、その際の予定価格は三万三千五百円という価格で、その価格に二回とも落札がありませんので、第三回目にかようなことで落札になつた。
  36. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうすると、あなたの方では三万三千五百円の予定価格であつたけれども、それに入札価格がくつかなかつたので、そのときは落札をしないで、五月三十日にやつて、結局三万二千円あるいは三万三千円程度に引下げて落札した、こういうことですね。
  37. 前谷重夫

    前谷政府委員 さようでございます。
  38. 小川豊明

    小川(豊)委員 次に、不適食糧として売却した後の処理と監督の問題をお尋ねしたいのですが、五月三十日にあなたの方で東洋醸造に払い下げたところの三千一トンは、東洋醸造が実需者である限りにおいて問題はないと思う。ただ東洋醸造だけに三千一トン払い下げていることはちよいとどうかと思いますけれども、これは問題ないところが東洋醸造が千二百トンを協和醗酵という会社に流しておりますね。これは長官の言明とは、そこの点ではなはだ食い違つて来る。あなたは他へ転売することは認めない、こういうことを言つている。ところがここで流れている。こういうことに対する監督の措置をどういうふうにとつたかということ、さらに東洋醸造から別に、この間もお聞きした通り、和歌山県に行つて、これが主食の販売業者に流れているのです。黄変米を、あなたは人間が食つてはいけないということをきめて売つたものが、和歌山県へ行つて、主食の販売業者に流れて、主食として販売されている。しかも政府配給不適食糧処理要領というのを見ますと、黄変米の場合は、売買契約の際に特に用途を記入せしめることになつているのです。そうして、もし買受人が他の用途に売却する場合は、農林大臣の用途変更の承認を要することになつている。あなたの方では農林大臣の承認を得て和歌山県への主食として配給されたのか、あるいは協和醗酵にまわすのも承認を得たのか、この点をお伺います。
  39. 前谷重夫

    前谷政府委員 東洋醸造に処理いたしました黄変米の三千トンのうち、千二百トンは協和醗酵に譲渡をいたしておりますが、これは同じ用途内の譲渡でございます。この点は認めたわけでございます。
  40. 小川豊明

    小川(豊)委員 同じ用途で認めたというと承認を得てやつたわけですね。間違いありませんね。
  41. 前谷重夫

    前谷政府委員 さようでございます。
  42. 小川豊明

    小川(豊)委員 それからその次の東洋醸造に行つたものは——東洋醸造というのは静岡県の大仁にある会社である。その東洋醸造に渡すのに、遠くの和歌山県、兵庫県の倉庫にあるものを渡している。この点からしておかしい。東洋醸造に行くべきものならば、その付近にあるものを渡してやるのが親切であるにもかかわらず、それを和歌山に渡して、調べてみたら、これが主食として配給になつて検挙されているというような問題を起している。こういうものに対して、用途変更の承認をとることは、私はおそらくできないだろうと思う。できないならば、どうしてあつちへ行つたか。どううしてあなたの方では監督をしておられるか。
  43. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げますが、黄変米の所在地は各所にございます。従いまして、各所の所在地において入札実施いたしますので、その入札者の方におきまして、それぞれその品物を見まして、所在地で入札いたしますから、われわれといたしましては、その工場所在地のものをそこの工場に払い下げる、こういうわけには参らないわけであります。倉庫の所在地におきまして、それぞれ入札者が適当に入札をいたすわけでございます。なお和歌山県の卸商に配給されたという問題でございますが、これは御承知のように刑事問題になつているように伺つております。われわれといたしましては、東洋醸造の指定場所のものを引取りまして、東洋醸造がそれぞれ必要な場所になにするということにつきましては、そこまでの行先の監督と申しますか、そこの最終までこれを見きわめるということは、その当時として困難であつたわけであります。
  44. 小川豊明

    小川(豊)委員 それではいけないと思うのです。あなたの方は、非常に厳重な規定をきめてあるけれども、その先の行先は、私の方は見きわめることができないということでは、こういうふうに安く払い下げたものをまたよそへ流してもうけられる。これは一つも実需者に行つてはいない。実需者でなく、ほかにどんどん流れている。ことにこの問題は、問題なんですよ。人間が食つていけないという米を主食に配給さしており、そして、それは私の方では末端のことはわからないという。このさつき申し上げた規定は、売渡し後においても、その使用に至るまで食糧庁は監督をする義務を規定しておるのだ、こういうふうに私は解釈しておる。ところがあなたの方では、そういうことはかまわないのだ、わからないのだということで、実需者々々々とどんどん払い下げて、それがよそへかつてに流れても、私の方では関係ないのだということになつたらおかしいじやないか。そういうことをやつてもいいのですか。
  45. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。御承知のように、われわれとしましては、実需者を相手に売却するわけでございます。ですから、当然そこで原料として消費されるものと思いますが、もちろんその実需者つにつきましては、それぞれの監督官庁がございます。その監督官庁の御協力によりまして、そのものが指定しました用途通りに使用されるものと思います。もちろん今お話のようなことが起りました場合には、先ほど小川委員からお話がありましたように、今後の措置については十分考えなければなりませんが、一々のケースにつきまして、一々そこまで追究して行くことは、現実の問題として困難な場合がありますので、関係官庁の監督にも期待いたしまして、そういう処置をとつてつております。
  46. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたの方は警察ではないのだから、その取締りだけをやるとは思つていませんけれども、少くともこういう尨大な金額になるものを随意契約で払い下げてしまつて、そこからはどこに流れようとも、それは私の方ではわからないのだということでは、われわれ国民は納得が行かない、こういうことなんです。この問題は、明らかに食糧管理法違反じやないですか。食糧管理法違反ならば、これはあなたの方で取締るのではなくて、警察が取締り、あるいは裁判所が決定するでしようけれども、こういうことはたくさん行われておる。私は一つの例をあげたのですよ。きのうあたりは、私の方の県では、たくさんのやみ流しが行われておると新聞半ページに書き立てておる。ことに私の方では、今度供出後自由販売にしたために——それはいいのです。いいのですけれども、その業者が、一店平均二俵しか政府売渡しをしないというのです。横流しをしておる。これは調べなくつたつてはつきりわかでしよう。何百店とあるのに、平均して二俵しか政府に売り渡さないという事実を見たら、あとはどこに流れておるかということがわかるにもかかわらず、こういうことが放棄されておるがゆえに流れておつて、たいへんにみんなが迷惑し切つておる。  それからもう一つの問題は、黄変米食糧に適しない、従つてこれは工業用のアルコール原料に払い下げるわけです。ところが、これが配給業者に渡つて食糧として売り渡されたということになれば、食品衛生法というのがあつて、この問題は食品衛生法の違反でもあると私は思うのですよ。これはそうではありませんか。もしそうであるとしたら、これに対してどういう処置をとるか。
  47. 前谷重夫

    前谷政府委員 食品衛生法の問題は、御承知のように今厚生省で府県においてやつております。もしその点がそういうことに該当することになりますれば、それの方の取締りに該当するかと思います。
  48. 小川豊明

    小川(豊)委員 最後にもう一点お聞きしておきたいのは、要するに、オーダーがなければ輸送証明というものは出ないわけですね。もちろんオーダーは、あなたの方の食糧事務所管理しておる工場から、東洋醸造なら東洋醸造に出て行くわけです。それから先和歌山県に運んだり、あつちに運んだりということですが、百トンや二百トンもの米を輸送証明もオーダーも何もなくて運ぶというようなことが現実にできますか、どうもおかしいのですよ。実はきのうも、私あなたの方の食糧事務所の連中に聞いたのですが、あの輸送証明というのはくせものだ、十五日間の期間があるから、一回運んでまたすぐ運び出せるのだから、そこが抜け道になつておるというようなことをあなたの部下の人が言うんですよ。これは一体どういうことなんですか。一般の人が、一斗か二斗背負い出してもとつかまるのですよ。それを百トンも二百トンもの米をオーダーもなく、輸送証明もなくて、どんどんあつちに行つたりこつちに行つたり、日本国中をかけめぐるということは、まことに奇怪千万、不可解な話ですが、これについてひとつ納得の行くように説明してください。
  49. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。御承知のようにこういう場合においては、倉庫払下げのオーダーをいたします。それ以後の点は、府県の移動証明と食糧事務所輸送証明ということになるわけであります。食糧事務所といたしましては、払下人の移転先に対する移動証明は出しておるわけであります。
  50. 井上良二

    ○井上委員 この問題は、今伺つておりますと非常に重要な問題でありますので、まだ新任されて間もない前谷さんは、この払下げをいたしました時分に長官であられましたか、それともまた就任前でありましたか、そこからまず伺いたいと思います。
  51. 前谷重夫

    前谷政府委員 私は本年三月末に新任いたしました。
  52. 井上良二

    ○井上委員 この問題は、今小川君から申されておりますように、黄変米食糧として不適当であるというような抽象的なものではなしに、この米を食べた場合には、人間の命に関するという非常に危険なものであります。これは厚生省の食品検査の方ではつきりしておる問題であります。それを配給したということになつております以上は、これは非常に重要な問題であります。従つて、ここで長官に対してとやかく論議してみたところでむだで、これは食糧政策の上で非常に大きな問題になつて参りますから、農林大臣の出席を要求いたします。そして農林大臣として、この問題に対する責任ある処置をとられるよう、委員長の方でおとりはからいを願いたい。  そこでこの間の事務的事情でありますが、今申します通り、黄変米として払い下げたその一部が食糧として流れるということは、その黄変米を扱う業者は、これが普通の食糧に供せられた場合は、当然肝臓がんになつて命に関するというくらいの常識は持つておる人だろうと思います。このくらいの常識もない人では、この米は扱えないはずであります。そうすると、そういうことの常識のある人が、これを一般の市販の配給といいますか、やみ米に流したということになりますと、これは実は黄変米というものは表のレソテルであつて、中身はいい米が入つておるのと違いますか。これはどうもおかしいです。下手すると、自分の営業どころじやない、自分みずからが殺人罪に問われる危険性のある仕事です。それほど恐ろしいことを犯してまで金もうけをしても、何ぼももうからぬ仕事でありますから、そうすると、この間には、黄変米というレッテルで、実は良質の米が一緒に払い下げられておるという事実はありませんか、この点をお伺いいたします。
  53. 前谷重夫

    前谷政府委員 そういうう事実はございません。
  54. 井上良二

    ○井上委員 そうしますと、今あなたの方のお手元に、東洋醸造から和歌山県に食糧として配給されて、現に問題になつておりますことについて報告を受けておりますか、そうしてその報告に基いて、実際配給した量はどのくらいでありますか。それと和歌山県に東洋醸造が動かした量はどのくらいになつておりますか。そういうことはまだ全然わかつておりませんか。これをお伺いいたします。
  55. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。御承知のように、この仲につきましては、検察当局の調査の問題となつておるわけでございまして、われわれの方におきましても、その概要につきましては出先から報告を受けております。その事実ついては、われわれが聞いておりますところによりますと、東洋醸造の取扱い代理人のようなものがそちらの方に持つてつたというような話に聞いております。これを配給にまわしたかどうかという点については、まだはつきりした内容は聞いておらないわけでございます。その点については、目下検察当局において調査中のはずだと思います。
  56. 井上良二

    ○井上委員 これは前谷さん、問題が非常に重要な、人の命に関する問題であります。しかもこの問題については、先般小川委員から、和歌山県にやみで流しておるということが抽象的でありますけれども質問をされております。そうしますと、これはあなたの所管としましては、当然その事実を聞いて、至急和歌山県の食糧事務所に対して、これの具体的な事実をすぐ調べ上げて、そうしてあなたの方の手元に、その実情についての報告が来なければならぬはずです。またあなたの方は、そういうことはする必要はないとお考えになつておりますか。これは実際の問題として、あなたとしては責任上重大な問題でありますから、ただちにそれに対する必要な処置ををとらなければならぬし、今小川君も御指摘になつておりますように、完全な食糧管理法違反でありますから、そうなれば食糧管理法守つておるあなたとしては、当然これに対する必要な処置をとらなければならぬ。権察庁が動くだけではなしに、食糧庁長官として必要な処置をとらなければならない、それが全然やらないということになると、長官としての任務が行われていないということになつて行きますから、これはまたあなたの責任になつて来ますので、そこで必要な処置をおとりになつて、それで和歌山県の方からそういう報告を受けておるか、徴してないのか、これを具体的にしておかぬと——あなたの方では、これは食糧じやない、工業用だと言うわ、一方では食糧として配給されておると言うわ、そうすると、和歌山県の警察の方からあなたの方に調べに来たら、あれは工業用アルコール原料でやつておるので、何もわし方は食糧でやつておりはせぬということになつたら、犯罪が犯罪にならぬことになつてしまうのです。そこはあなたの方でよく研究しておきませんと、そういう悪辣な商人をうまくやることはできませんから、その点に対してもう少し具骨的に調査をされたか、される必要があるかどうかということをお伺いしたい。
  57. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答えいたします。われわれの方としましても、その点も事情の報告を求めたわけでございますが、和歌山県卸売協同組合が代理者として荷受けをしておるということになつております。現実にそれが醸造用ではなくして、ほかの方へ入つたかどうかということを調べましたが、これは、現実には警察の取締りの面でないと、われわれの方としてはわかりかねるわけであります。
  58. 小川豊明

    小川(豊)委員 こういう問題なのです。あなたは日本糧穀株式会社というのは、非常にりつぱな、筋の通つた会社である、こうおつしやつていますが、東洋醸造へ払い下げた米は、日本糧穀はその金を払うことができないで、これは全部東洋醸造が代払いをしてとつておる。     〔委員長退席、内藤委員長代理着席〕  あなたは御存じかどうか知らないが、代払いをしておる。そういうような状態であるにもかかわらず、黄変米の大半が日本糧穀に払い下げられておるということは、不可解しごくだということです。  いま一つ大豆を例にとつてみます。あなたの方から資料の出ております大豆は、これは実需者に払い下げないでよいのですか、それとも払い下げる方針ですか。
  59. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げます。大豆は、御承知のように米とは全然違いまして、統制がないのでありまして、一応競争入札で売つております。
  60. 小川豊明

    小川(豊)委員 競争入札で売つておりますが、これはこの資料によると、政府手持ちということになつております。政府手持ちである以上は、あくまで政府のものです。政府のものが、あなたの方では実需者に払い下げるといつて、これはほとんど——ほとんどとは言い切れませんが、見てごらんなさい、東洋棉花、あるいは味の素、丸紅とか、第一通商とか、こういうところへあなたの方ではどんどん売り払つておる。これもまことに奇怪千万であつて、一体味の素と大豆はどういう関係にあるのか私にはわかりませんが、あるいは東洋棉花が実需者かどうか、これもわからないが、これは実需者でなくてもかまわないのだというのかどうか。  それからあなたの方で扱つておる米、麦、大豆、砂糖、こういうものを拾つてみても、麦は農家の身になつてごらんなさい、製粉された粉よりもふすまの方が高かつた。からが高かつた。粉よりも高い。農家が供出をして、今度そのからを買つて牛馬の飼料にする。このふすまは粉よりも高かつた、これはあなたの方の政策でこうなつて来るのです。まことに問題が出て来る。ことに砂糖の問題で申し上げますと、あなたの方では、この間の答弁ではこれは大蔵省の方で日本の有効需要は大体八十万トンだから、今年は八十万トン以上は輸入しない方針だ、こうおつしやつておりますが、今年の計画では、すでに二十八年度の砂糖年度では、百万トン輸入計画ができてしまつておる。こういうふうにうんと砂糖を入れて、砂糖のたくさん入ることは悪いとは言いませんが、そのために日本の澱粉がどんどん下つて、百姓は塗炭の苦しみをしておる。それで八十万トン以上は入れないでと言つていて、百万トン入れる計画がすでにできておる。しかも昨年の十月に、あなたの方では中小企業の救済、あるいは糖価の安定措置として、政府手持ちの砂糖の原料、あるいは精製糖、これは日本再精糖工業協同組合というようなところ、その他へ払い下げておるのですが、あなたの方の当時の手持ちはどのくらいありましたか。
  61. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げますが、大豆におきましては、御承知のように競争入札でございます。資格も限定いたしておりませんし、大豆は御承知のように自由流通でありまして、これにつきましては、政府払下げの方法は、競争入札で払い下げております。なお砂糖の点につきましては、昨年度の輸入は八十万トンでございましたが、ことしの百何万トンというお話の計画は、持つておりません。それから払下げ当時の手持ちは、大体二万トン程度かと思います。
  62. 小川豊明

    小川(豊)委員 この払下げを受けた者は、トン当り大体八千三百円から八千六百円の利益を得させてもらつているのです。この払下げを受けた業者は、こういうことは糖価安定対策になつたのかどうか、こういうことも考えられる。さらに私のお聞きしたいのは、これは、私は言うことは非常にいやなことですが、おそらくこの問題をめぐつて、前のあなたの方の食品課長であつたところの——名前は省きますが、その方が再精糖工業協同組合の専務になつている。そして今度新たに食品課長になられた方は、自殺しております。しかもこの事件が、この再精糖工業協同組合への払下げをめぐつての問題であるということが、一般に流布されているのですが、あなたの方でも、一人の大切な課長が自殺をしたのですから、この間の事情はよくお調べになつていると思うのですが、これはどういうことであつたか。私は、こういう点をもつとはつきりして、いろいろな疑惑に包まれているものを一掃してもらいたいと思うから、お尋ねするのです。
  63. 前谷重夫

    前谷政府委員 お答え申し上げますが、ただいまお話の元食品課長が、再精糖組合の専務理事になつているということは、何かの誤解じやありませんか。そういうことはありません。それから長沢課長の点につきましては、ああいう自殺の問題が起つたということは、非常に遺憾でございますが、本人が死亡いたしましたし、また事実その内容等についても、まだ明確でございません。
  64. 小川豊明

    小川(豊)委員 そういうことをお聞きするのはやめましよう。そこで結論としてこういうことが言えるのです。米の配給は、日本糧穀株式会社を中心とした、実需者でない、私どもの通称トンネル会社をつくつているのが二つばかりあつて、しかもこれは、ほとんどあなたの方の先輩の方が、ここの社長なり何なりをしている。それから大豆もそうです。やはりあなたの方の先輩の方が、社長なり会長なり、理事長をしておられるが、そういうところへ払下げている。しかもこれについては、ある団体へ、あなたの方へこれこれの大豆を払下げるから、これを味噌工業協会の方へまわしてくれと、ひもつきで払下げている。こういうことをあなたは否定しても、私は事実を知つている。さらに、砂糖の問題はやめますけれども、これも私は名前をみな知つている。しかも議会に関係している人です。なぜそういうふうなことをなされなければならないか。私はこういうことはぜひやめてもらいたい、こう思うのです。せつかく百姓が丹精してつくつた米を安く供出している。しかも配給を受ける方では高いと言つている。こういう状態の中で、何万トンもの米がこういうふうに横流しをされたり、あるいは大豆がひもつきでもつて流されたり、粉よりも高いふすまを百姓が家畜のえさに与えなければならないような、こういうことは、私はぜひやめてもらわなければならない。こういう建前で今までお聞きしたのでありまして、実はもつともつと実例をあげてお聞きしたい点が幾多あるのですが、総括的に、あなたは実需者に今後必ず払下げる。そして実需者でないものにそれが横流しされた場合には、これに対しては厳重な取締りをすると同時に、その業務の停止を命ずるということを、この前答弁なさつているが、その点をあなたが今後守つてくださるかどうかということを伺いたい。過ぎてしまつたことをつき出すことよりも、今後こういうことを継続してもらわないということを建前としたいので、あなたが御答弁なさつたから間違いないと思うが、これをここで再確認しておきたいと思う。
  65. 前谷重夫

    前谷政府委員 われわれといたしましては、先ほど事故米の処理につきましては、それぞれの主管官庁の指定したものに対しまして、実需者の代表と考えておりますから、そういう者に対して払下げております。もしその者につきまして、今後または今までにおいて、そういう不正な事実があつたということになりますれば、これは厳重に取締りたいと思います。
  66. 小川豊明

    小川(豊)委員 あなたは実需者である、実需者である、こう言つているが、そういうふうな広汎な解釈を下して行くならば、みな実需者になつてしまう。けれども、この問題をあなたにこれ以上お尋ねしても、あなたは長官になられて日も浅いことだから、これはまつたくむりだと思うけれども、あなたは一つも遺憾であつたということを言つていないので、あなたは妥当なことをやつておられた、正しいことをやつておられたということにならざるを得ないが、そうすると、私は正しいことをやつておられた者に対して、何か言いがかりをつけたというようなことになつて来る。私は言いがかりをつけるのではなくて、もつと材料を出せと言うなら、それは私の方にもあるわけです。ただそんな材料を、ごたく出してやるよりも、今後こういうことをしないということを私ははつきりしてもらいたいために、実は言つておるのです。そのために一例としてあげているのです。この問題について、これ以上あなたに食つてかかるようなことは悪いので、もし大臣が出席されるというなら、これは大臣に伺つた方がいいと思いますので、質問を保留しておきます。
  67. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 小川君に申し上げますが、農林大臣は今ちよつと伺うことができないとの返事がありましたので、この問題については、農林大臣が出ましてからまた質問を続行することにいたしまして、他の案件に移りたいと思います。それでは井上良二君。
  68. 井上良二

    ○井上委員 私は旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案等に関連して質問をいたしますが、これに関係する政府当局は来ておりますか。
  69. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 主計局主計官末廣義一君が来ております。
  70. 井上良二

    ○井上委員 この問題を主管している政府委員は主計局長でしよう。
  71. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  72. 内藤友明

    ○内藤委員長代理 速記を始めてください。  明日は午前十時二十分より開会いたします。本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時五十五分散会