○新沢説明員 四、五点御
質問がございましたので、順次お答え申し上げます、米の輸入の問題でございますが、米は確かに小麦等と比べますと、需給は世界的にきゆうくつでございますので、なかなかなまやさしい
考えでは、
計画通り入らないことは御指摘の通りでございますが、幸いにも米の世界における生産
状況は、年々よくな
つて来ておりまして、この四月にシンガポールで開かれました米の国際
会議におきましては、米の生産国が
輸出可能数量を、米の輸入国、消費国が米の輸入希望数量を持ち合
つて会議をしたわけでございますが、その
会議でつき合せた数字の結果は、たいへんうまいことに、昨年ほど
輸出に困難しておるという状態ではございませんで、大体需給のバランスがとれた状態にな
つておつたわけであります。そしてこの
会議におきまして、輸入国と
輸出国との間の大体の大筋の道がここでついたわけでございます。
個々の国との輸入の問題につきましては、それぞれ輸入協定か結んでおるわけでありますが、この中には、
お話の通りもうすでに輸入協定ができて、本年度の輸入協定の中に入
つている
地域もございますし、今後九月以降新たなる協定が結び直されるものもあるわけでありますが、概観いたしまして、先ほど申し上げましたような
事情で、こちらの所要数量に対しましては、
輸出国側としては、大した難色を示すことなく
輸出をしてくれるのじやないか、こういう見通しを持
つておる次第でございます。ただ価格につきましては、需給
事情が昨年に比較しまして非常によく
なつたと申しましても、かつかつにバランスがとれおる状態でございますので、昨年に比較いたしまして、非常に有利な価格で取引できるということはあるいは望めないかもしれませんが、量については、ほぼ私たちの
考えておる数字は確保でるのではないかと
考えております。それから先ほど申しました輸入数量の九十万トンの中に、砕米は込めてございまして、大体
タイから四万トン入れることにな
つております。
それから黄変米につきましては、これは昨年われわれといたしましても苦い経験をなめましたので、今年は慎重の上にも慎重を期している次第でございまして、その
建前といたしましては、これは雨期を過ぎてから買いつけて入れて参りますと、非常に黄変米の発生率が高いわけでございます。雨期前に買いつけたものにつきましては、その懸念がほとんどないということがわか
つておりますので、ビルマから入れる米につきましては、極力雨期前に、若干雨期にかかつたとしましても、八月一ぱいくらいには買付を了するようにということで、指定商社を督励しているわけでございます。幸いにいたしまして、今日まで船積みに
なつたものにつきましては、黄変粒の混入は見ておらないようであります。ただだんだん雨期に入るに従いまして、そういう問題が起きて来ようかと思いますし、商社だけでは
向うの
政府なり
関係機関に対しますのに弱いので、今回はそのうしろだてという意味合いで、本省から係官も出しまして、できるだけ現地でそういうような危険性のある米を船に積み込まないようにということでや
つておる次第でございます。
それから予算面で見ている買付数量が、はたして買えるのかどうかというお問いでございますが、現在のような、作柄もまだかいもく見当のつかないときに、できるできないということも申し上げにくいと思いますけれ
ども、できるだけその方向に向
つて努力するというふうにお答えするほかないと思います。
それからやみが横行しているという
お話でございますが、これはまことに私
どももごもつともであると申すほかはないのであります。私
どもといたしましても、できるだけ
政府がたくさん買
つて、正規のルートに流すというこの
建前につきましては、まつたく御
質問と同じように
考えておる次第でございまして、いろいろ手を尽して、義務供出量以外においても、農家が喜んで売り渡すようなあらゆる手だてを
考えて実施しておるわけでございます。今後もなおくふうを重ねまして、できるだけ
政府の正規のルートに乗
つて参りますよう努力したい、こう
考えております。