○夏堀
委員 今度閉会中に東南アジアへいろいろ
調査団が派遣されるそうである。私も四月前から総理からも言われ、行
つてみようかと
考えておりましたが、そのほかの仕事の面で、別の方へ行かなければならなくなり、今度は遠慮することにな
つておりますが、私の
調査したところだけでも、ある国は
日本の
漁業団を歓迎しておる。そしてそのと
つた魚は、ある国に出して米とかえる。こうすれば
日本の食糧問題の緩和にも非常に役立つであろう。こういう大きな国策的な面をまず
漁業方面から打出してみようということを、ある国の有力者の方々が
考えておるということを聞いておる。
日本が民主主義国家としてこれから進出する場合に、何を前提として
考えなければならないかというと、それは食糧問題である。世界の人口と食糧のアンバランスは何によ
つて解決をつけるか、これは
公海漁業の
資源開発にまたなければならない。しかし、
日本の沿岸、あるいはアメリカでも開発された海区は、よほどむずかしい。今、
日本の
漁業技術の導入を必要とする海区は、未開発なのであるから、
水産庁はむしろこれに対しては積極的に援助すべきであると私は
考えております。
日本の東南アジアの開発は、諸工業及び農業開発の先端を切るべきものである。もし場合によ
つたならば、あちらに供給する魚の一部は、非常に安くとも、あるいはただでも、そういうことは国家の補償によ
つてやり、友好
関係を維持進展さす方向に持
つて行く政策が必要ではないか。これが昨日から私が
質問をしておる
要点であります。そこでこういう計画をいまだお立てにな
つておらないとすれば、これからでも十分に間に合うのではなかろうかと存じますので、この問題については、
水産庁は積極的に各国の
事情を
調査し、最初から完全な計画は立たないでありましようから、第一期の計画を立て、ただちに実施に入る。これは少くとも本年の末ごろまでには実施に入るように持
つて行かなければならないのではないか。これは
先ほど申しました諸工業、農業等の進出に際しての先端を切るという
意味からい
つて、急がなければならないのではないかと私は
考えております。
ここでちよつとつけ加えておきますが、今、
日本の沿岸
漁業は非常に苦境に立
つておる。それは沿岸
漁場の
資源の枯渇である。その根元はどこにあるかと申しますと、機船底びきにあると思います。機船底びきが整理期に来ておることを私は
承知しております。そこで思い切
つてそれに対する補償制度を大蔵省との間に折衝されて、沿岸
漁業の維持
発展のために底びき
漁業の
公海進出を求め、あわせて東南アジアヘの進出をはかるという方向に、国策的に持
つて行くことが最も大切なのではないかと私は
考えております。もしそうした面で大きく政治面を展開して行かなければならぬということであ
つたならば、これは必要によ
つてこれはあとで
意見を申し上げる機会は求めたいと存じてはおりますが、
水産庁は、現在外廓団体と申しますか、中央
漁業調整審議会というものがありますけれ
ども、それ以外にもつと政治力の強い、何か大きな財政面、金融面、及びそうした政策を断行するための
一つの機関を必要とするが、本来ならばそれは本
委員会の活動にまたなければならない。しかし合法的にはたしてそれが望み得るかどうかあとで、
委員諸君と相談をいたしたいと思います。そうした
意味で
水産庁を批判するわけではありませんけれ
ども、
公海漁業と貿易という大きな問題を議する場合に、東南アジアの問題に対してまことに消極的であるという印象を、私は受けたのであります。それであ
つたならば
日本の水産政策は一体どういうことになるのか。国内の小さな島々の沿岸
漁業の取締りとか許可とか、そういうことによ
つてのみ水産行政が行れてお
つたのであ
つたならば、
日本の水産行政は一体どうなるのか。もつと飛躍的に
公海漁業と貿易という点を広く
考えて、
国民の生活に必要な、いわゆる公共のために、経済自立のためにかくしなければならぬ。それは東南アジアの開発を先端にしなければならぬし、あるいは北洋
漁業の問題あるいは東太平洋の
まぐろ母船式もその中に入りましよう、思い切
つた事業計画を立てることによ
つて——本
委員会に提案にな
つております水産加工輸出という法案に対しても、法律によ
つてこういうことを審議すること自体私はおかしいと思う。これはその政策よろしきを得ましたならば、魚をほしい人々に与える方法は商取引によ
つてできることであり、行政面までまたなくてもできることである。これを法律によ
つてどうこうということはちやんちやらおかしいと私は
考えております。こうした面はもつと強力に
水産庁で計画を立てて、そうしてそのためにある水産
委員会は、その上に立
つてこれを十分に批判し——私はこの水産
委員会も十分なる批判力を持
つて、水産行政に対して批判しなければならない。それはあえて監督をするとかいやがらせではなくて、
政府に対するに協力の
意味でそういうことが望ましいと
考えております。私に与えられた時間は十二時までだそうでありますから、きようはこの程度としてあとに譲ることといたしますけれ
ども、
公海漁業の問題については前申し上げたように、大きな国策の面からこれを論じておるのでありまして、業者の利害得失によ
つて云々ということは毛頭
考えておりません。大きな国策として論じておるのでありますから、その御気分で、これからいろいろ議題もございましようし、懇談の機会もありましようから、きようはそのつもりでいろいろ御協力を申し上げたいということを申し述べて、これで終ります。
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