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1953-08-06 第16回国会 衆議院 水害地緊急対策特別委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月六日(木曜日)     午後五時三十八分開議  出席委員    委員長 村上  勇君    理事 生田 宏一君 理事 綱島 正興君    理事 平井 義一君 理事 赤澤 正道君    理事 滝井 義高君       今村 忠助君    大久保武雄君       熊谷 憲一君    田渕 光一君       坊  秀男君    増田甲子七君       松野 頼三君    山本 友一君       岡部 得三君    廣瀬 正雄君       本名  武君    村瀬 宣親君       吉田  安君    井手 以誠君       田中 稔男君    辻原 弘市君       芳賀  貢君    原   茂君       小平  忠君    辻  文雄君       松前 重義君    世耕 弘一君  委員外出席者         建設委員会専門         員       西畑 正倫君     ————————————— 八月六日  委員池信君、白浜仁吉君、井谷正吉君、細迫  兼光君及び杉山元治郎辞任につき、その補欠  として増田甲子七君、松浦周太郎君、原茂君、  芳賀貢君及び小平忠君が議長指名委員に選  任された。 同日  委員松浦周太郎辞任につき、その補欠として  本名武君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 八月六日  北海道における豪雨による被害調査の件 の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害  地域内のたい積土砂排除に関する特別措置法  案(参議院提出参法第一〇号)  水害地対策に関する件     —————————————
  2. 村上勇

    村上委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き、昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害害地域内のたい積土砂排除に関する特別措置法案を議題として審査を進めます。  本案につきましては赤澤正道君より修正案が提出されております。これは印刷物としてお配りいたしてあります。この際本修正案について趣旨弁明を願うことといたします。赤澤正道君。   昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害地域たい積土砂排除に関する特別措置法案に対する修正案   昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害地域内のたい積土砂排除に関する特別措置法案の一部を次のように修正する。   第三條第一項中「道路」を「河川道路」に改める。   第九條第一項中「漁港施設及び漁場」を「漁場漁港及び港湾」に改める。   第九條第二項中『「農林大臣」』を『、港湾については「運輸大臣」、その他のものについては「農林大臣」』に、『「都道府県知事」と読み替えるものとする。』を『、港湾については「運輸大臣」、その他のものについては「都道府県知事」と読み替えるものとする。』に改める。
  3. 赤澤正道

    赤澤委員 参議院において上程されて通過いたしまして本院にまわつております昭和二十八年六月及び七月の大水害による災害地域内のたい積土砂排除に関する特別措置法案につきまして、次のように修正いたしたいと思います。  すなわち、第三條第一項中「道路」云々とありますのを「河川道路」というふうに改め、ここへ「河川」を挿入する。第九條第一項中「漁港施設及び漁場」とありますのを、これに港湾を加えまして「漁場漁港及び港湾」に改めます。第九條第二項中『「農林大臣」』を『港湾については「運輸大臣」、その他のものについては「農林大臣」』に、『「都道府県知事」と読み替えるものとする。』を『港湾については「運輸大臣」、その他のものについては「都道府県知事」と読み替えるものとする。』に改めたいと思うのでございます。  それは、参議院提出法案第三條に河川を挿入いたしまするのは、泥害は単に道路あるいは上下水道、水利施設、学校のみではありませんので、やはり河川の中にも泥害が起つて河床が非常に高くなつております。河川にのみ適用されないということになりますと、法全般にわたつてこの立案の精神がある程度失われるのではないかと考えまするので、特にこれを挿入するというふうに修正をする。さらに漁港施設及び漁場港湾を加えますことにつきましても、実は和歌山県における流木あるいは樹木の根つこ等によつて漁場が非常に荒れて漁ができぬとか、あるいは漁港そのものが使用にたえぬような状況になつておりまするが、さらに航路をも安全にするという観点から、港湾を加えるごとによつて、初めて被害が救済されるというふうに考えますので、以上を修正いたしたいと思う次第でございます。どうか御審議お願いいたします。
  4. 村上勇

    村上委員長 本法律案につきましては、前会質疑が終局いたしておりますが、この際修正案についての質疑を許します。松前重義君。
  5. 松前重義

    松前委員 ただいまの修正案については反対ではおりませんが、確かめる意味においてちよつとお尋ねをいたしておきます。「漁場漁港及び港湾」とありまするが、この港湾というのは、具体的にはどこどこをさすのでおりますか。
  6. 村上勇

    村上委員長 この際暫時休憩いたします。     午後五時四十五分休憩      ————◇—————     午後五時五十二分開議
  7. 村上勇

    村上委員長 休憩前に引続き会議を開きます。赤澤正道君。
  8. 赤澤正道

    赤澤委員 松前委員の御質疑にお答えいたします。これをあとで修正いたしますのは、和歌山地方における水害の当初においては発見されなかつたのでありまするけれども、爾後奥地から流れ出した樹木流木等、推定約二十万石の巨大なる障害物が海へ出たものが、数目後において沿岸ヘ流れ着いた、そのために漁民は網を引くこともできない。さらに港には船も入ることができない。航路の便においても、あるいは漁業の面においても、非常なる障害を与えております。こういつた樹木が流れ出し、これが海岸に寄り着いたものを処理するということに一応これを想定し、限定しておる意味でございます。
  9. 松前重義

    松前委員 ただいまのお答弁で満足いたします。
  10. 村上勇

    村上委員長 これにて修正案に対する質疑は終了いたしました。  次に討論に入る順序でありますが、討論通告がありませんから、討論は省略し、ただちに採決いたします。  まず修正案について採決いたします。本修正案に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて修正案は可決いたした。  次に、ただいま決定いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。修正部分を除いては原案の通り決するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて原案全会一致をもつて修正案の通り修正議決いたしました。  引続き、本案に関する委員会報告書作成の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  13. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように決しました。
  14. 村上勇

    村上委員長 次に、水害地対策に関して議事を進めます。発言通告がありますから順次これを許します。芳賀貢君。
  15. 芳賀貢

    芳賀委員 本日の衆議院会議におきまして、北海道において七月に第一次、第二次、第三次の三回にわたりまして生じた風水害被害に対して、これを本委員会に併託するという議決が成立したわけであります。それで今国会会期もわずかに明日一日を余すだけでありますし、現在北海道において生じた被害状況等も、その最終的な詳報が、政府当局においてもまだ確認せられておらないというような段階であると私は考えるのであります。  しかしながら、中間的に入手した報告によりますと、第一次の被害は七月の七日、八日、九日の三日に及び、第二次の被害は七月の十九日から二十五日に至るまで、第三次の災害は七月三十一日から八月の二日まで、こういうような状態で次々に災害が見舞つたわけでありますけれども、この災害内容を私の知る範囲で申し上げてみますと、人的被害につきましては、幸いにして死者が五名、重軽傷者が十三名ある程度でございます。それから住家屋被害に対しましては、全壊が十八棟、流失五十一棟、半壊百三十八棟というような状態でございます。さらに床上浸水は三千五百九十戸、床下浸水は一万八百五十六戸、合計一万四千六百六十三戸になつております。  次に、農業の被害に対しましては、水田の冠水が二万五千町歩、畑の浸水が五万五千町歩、約八万町歩に及んでおるわけであります。なお、流失は田が千五百町歩、畑が六千五百町歩で八千町歩に及んでおるわけであります。埋没の面積は田が三百町歩、畑が約三千町歩であります。これを合せますと、農作物の被害面積が大体九万町歩余に及んでおりまして、この損害額も大体四十三億二、三千万に及ぶというように承知しておるわけであります。  さらに、水産被害等に対しましては、高潮に襲われまして、これによる漁具類被害あるいは漁船関係、倉庫その他水産関係施設等被害が、三億五千万くらいに及んでおるような状態であります。  そのほか、建設関係は、道路被害、橋梁の被害河川あるいは堤防の決壊、海岸港湾等損害が、これまた十四億程度に及んでおるわけであります。  その他現在進行中の北海道総会開発土地改良の中における災害、あるいは開拓の被害、その他林業の災害等を含めて集計いたしますと、約六十二億六千八百万というふうに、八月三日現在の報告による被害の数字がやや明確になつておるわけでありますけれども、これらは当然当局においてこの災害内容を検討されますと同時に、半委員会におきましても、願わくは北海道災害に対する審議を進められんことを切に要望してやまないわけであります。
  16. 村上勇

    村上委員長 承知いたしました。次は本名武君。
  17. 本名武

    本名委員 ただいま芳賀委員から北海道水害についての御報告を申しますか、何かお願いが出たようでございますが、私は、この際議事進行について委員長希望を申し述べ、その希望を御採択あらんことをお願いいたします。  それは、今芳賀委員からお話がありました通り、北海道水害につきましては、おそらくこの委員会で初めて発言されたことであろうと存じます。ところが、本日の本会議におきまして、この対策委員会になる議決がなされたわけでありますが、本委員会におきましては、この問題を取上げることは当然であろうとは考えますが、今日関係政府委員が見えておりません。従いまして私どもは、この問題を取上げるにつきましても、一応政府当局の所信をただしまして、しかる後に審議を進めて行きたいと存じますので、明日の委員会におきまして関係各省政府委員出席を求めて、議事を進められんことを希望いたします。
  18. 村上勇

    村上委員長 ごもつともであります。さようにとりはからいたいと思います。
  19. 今村忠助

    今村委員 私も併託された長野県に関して初めて発言を申し上げるのでありますが、委員各位の御理解ある態度によりまして、長野県の水害西日本並び和歌山県とともに特別委員会に併託されたことは、まことに感謝のほかございません。  ことに長野県の今回の水害は非常に局地的なものでありまして、従つて一つの山村で被害二億を越え、三億近いというようなのがあります。実に惨状目を当てることができないというようなことがあるのでありまして、これは国会でも閉会になりましたら、委員会各位視察調査等もぜひこの際お願いいたしておきたいと思うのであります。  ことにわが長野県は、電源開発のいろいろな施設がありまして、ダム等施設があるために害をこうむつたというような実例があるのであります。今回の多数の水害に関する法律の中に、このダム被害に関するものが取上げられていないのはまことに遺憾であります。つまりダムがあることによつて、その周囲に害を及ぼすというようなことであります。これは全国各地にもあることでありまして、これに関してはやはり将来はいろいろの角度から御研究願わなければならぬかと思うのであります。実は本日は県知事初め県の県会議長その他等陳情に出ておりまするから、後刻ぜひこれらにつきましてはお聞き取りをいただきたいと思うのであります。どうか委員各位におきましても、西日本和歌山等の大災害から比べますと、小さいものではございますけれども、その被害実情においては局地的にきわめてひどいものがありますから、この際どうかこの点を十分御理解の上、ひとついろいろの点において調査、御審議等をいただきたい、かように要望申し上げておくのであります。
  20. 小平忠

    小平(忠)委員 私は、この際委員長に、特に議事進行、並びに北海道水害に対しましての取扱いに関しましてお願いを申し上げます。さらに委員各位の御努力を仰ぎたいと思うのであります。  今次の北海道水害に関しましては、ただいま同僚の社会党左派並びに改進党の委員から発言がありまして、被害状況なり、あるいはこの審議の方法についての要請があつたわけでありますが、私がきわめて重要な点について特に委員長の御善処方お願いするのは、実は北海道の今次の災害は、中央におきましては新聞その他に比較的報道されておりませんので、水害の実態については把握されていないということであります。先ほど芳賀委員から報告のありました被害内容は、まだ的確なる被害状況が収集されていないという現状であります。非常に遠隔なる地域であります関係上、北海道知事を初めといたしまして、各党の道議会の議員はただちにこの対策のために上京いたしておりますが、毎日無電で連絡をとりまして、現地被害状況なり、あるいはこれに対します対策を講じております。実情につきましては、西日本あるいは南紀の風水害に匹敵するような実に厖大なものであります。北海道は、最近御承知のように年々の定期台風からはずれまして、近年は比較的大きな水害はなかつたのでありますが、今回の石狩川を中心といたしまして天塩川、十勝川あるいは石狩川の支川であります雨竜川の氾濫によります被害というものは、きわめて甚大であります。これに対して、ちようど国会閉会になります直前にこのような事態が惹起いたしましたために、われわれは、委員各位の御協力と同時に、また今後善処につきましても、何分の協力を仰ぎたいと思うのであります。つきましては、会期も明日限りであります。従いまして、できるならば、先ほど改進党の本名委員からは明日ということでありますけれども、本日各関係省大臣諸公政府委員がこの委員会に列席されるならば、その機会に、政府当局に、被害状況なりあるいはこれに対しましてとられた措置等てついて、判明せる範囲においてお伺いし、さらに最後の一日の明日、この問題について、政府当局のいわゆる対策なりあるいは事情についてさらにお伺いを申し上げて、これに対して善処をいたしたい、こういうように考えるのでありますが、しかるべくこの点について委員長の御配慮をお願いいたしたい、こう思うのであります。
  21. 村上勇

    村上委員長 承知いたしました。
  22. 綱島正興

    綱島委員 もはや小委員会もたびを重ねてやりましたし、ことにはたくさんの災害救助に関する立法をいたし、衆議院をすでに通過したものだけでも、十五、六に及んでおるのでありますが、大体本委員会で決定いたしました法案及び参議院で決定されております法案等によつて、このたびの災害に対する大よその予算が大体判明いたしておるはずでありますから、この委員会において明日までに資料を得たいと存じますので、各省ことごとく、関係予算の精密なものでなくても、大体の見通しのものでよろしゆうございますから、その旨のものを各省が提出いたしますように、委員長からおとりはからいを願い、その上明日は各省からなるべくならば官房長が出られて、その予算説明を聴取したいと思いますので、どうかその旨のお手配を願いたいと思います。これはひとり農林小委員長申出ばかりでなく、各小委員長申合せに基いて、各小委員長を代表して希望いたす次第であります。どうぞよろしくおとりはからいを願いたいと思います。
  23. 村上勇

    村上委員長 ちよつと綱島君にお伺いしますが、それは今回の法案についての予算ですか。それとも災害の総予算ですか。
  24. 綱島正興

    綱島委員 できればこういうことを願いたい。災害総額、それからそのうち国費によつて負担すべき現行法による災害額調査、及び新法によるといいますか、本委員会で大体つくり、衆議院を通過しもしくは参議院を通過し、やがて両院を通過するであろうと予測される法案に基く予算、その増額、変更等の表、そういうものをそろえてどうぞ明日わかりやすきようこしらえて、当該省から説明がありますようにおとりはからいを願います。
  25. 吉田安

    吉田(安)委員 ただいまの綱島君の御発言はしごく賛成であります。同時に官房長だけでなく、関係各省大臣も漏れなく出席を私は要求いたします。これはぜひやつてもらいたいと思います。
  26. 井手以誠

    井手委員 妙な御注文ですが、明日は必ず午前十時には開会して、副総理を初め関係大臣関係官出席をされるように、特に申し上げることはないと思いますけれども、今日までの審議状況からいたしましても何回も流れたこともございますし、午前中のものが夕刻になつてちよつと開かれたという事情を考えまして、特にこの点は厳重に励行されますよう、委員長善処方希望申し上げる次第でございます。
  27. 原茂

    ○原(茂)委員 先ほど今村委員から、長野県における台風災害、七月水害が本委員会に併託されたことを心から喜んで発言があつたわけでありますが、私も、同じ見地に立ちまして、今村委員発言に補足して強くぜひお願いしたいわけであります。  最初は、今次長野県の水害におきましては、和歌山、九州と比較しますと、面積その他においては非常に狭いわけでありますが、局部的にはその被害はニュースその他で見ましても、現地を見ましても、まつたくその比を見ないほど非常にさんたんたる有様の場所が、しかも一村あげて行われているというようなところが所々にございまして、いまだにバス等の自由な交通もできませんし、調査なども十二分に行えないというような場所がたくさんにあるわけであります。非常に局地的であり、被害の金額にいたしましても三十億ないし四十億と言われておりますが、その場所における被害惨状は、決して他に比較して軽くないものと見て参りました。ここにぜひとも、先ほども今村委員から発言のありましたように、現地をとくとごらん願うことが必要かと強く考えますので、当委員会からの調査団派遣方を私からもお願い申し上げるわけであります。  なお、長野県におきましては、御承知の四月、五月における凍霜害においてもたくさんにございまして、凍霜害に次ぐこの水害でございますので、他の場合と比較しまして何年に見るまれな災害というものが二つ重なつて本年に行われている、かように申して過言でない状態でございますので、ぜひともこの状態現地において調査願つた上で、特別の御援助をいただきたい。特にお願い申し上げておきます。
  28. 村上勇

    村上委員長 次会は明七日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後六時十七分散会