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1953-07-22 第16回国会 衆議院 水害地緊急対策特別委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    七月二十二日(水曜日)委員増員の結果議長の指 名で次の委員選任された。       田渕 光一君    仲川房次郎君       坊  秀男君    廣瀬 正雄君       村瀬 宣親君    足鹿  覺君       辻原 弘市君    伊瀬幸太郎君       杉山元治郎君    世耕 弘一君     ————————————— 昭和二十八年七月二十二日(水曜日)     午前九時四十一分開議  出席委員    委員長 村上  勇君    理事 生田 宏一君 理事 綱島 正興君    理事 平井 義一君 理事 赤澤 正道君    理事 滝井 義高君 理事 稲富 稜人君       上塚  司君    江藤 夏雄君       大久保武雄君    熊谷 憲一君       田中 龍夫君    山本 友一君       舘林三喜男君    吉田  安君       井手 以誠君    井谷 正吉君       細迫 兼光君    田中 稔男君       池田 禎治君    辻  文雄君       松前 重義君    佐藤虎次郎君       中村 英男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 緒方 竹虎君        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君  出席政府委員         内閣官房長官 田中不破三君         大蔵事務官         (大臣官房長) 森永貞一郎君         中小企業庁長官 岡田 秀男君     ————————————— 七月二十二日  委員中島茂喜君、中嶋太郎君及び辻原弘市君辞  任につき、その補欠として岡部得三君、白浜仁  吉君及び八木一男君が議長の指名で委員選任  された。 同日  生田宏一君が理事補欠当選した。 同日  理事中島茂喜君の補欠として赤澤正道君が理事  に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事互選  小委員及び小委員長補欠選任の件  水害地対策に関する件     —————————————
  2. 村上勇

    村上委員長 これより会議を開きます。  水害地対策に関する件について議事を進めます。  この際西日本風水害地対策小委員長より、台風第二号による被害農家及び被害漁家に対する資金の融通に関する特別措置法案の起草に関する小委員会報告を聴取することといたします。稲富稜人君
  3. 稲富稜人

    稲富委員 小委員会の結果を御報告申し上げます。台風第二号による被害農家及び被害漁家に対し、低利の経営資金を融通するため、政府及び都道府県が所要の助成措置を講ずる必要がありますので、この法律案を小委員会において決定したのであります。すでにこの法律案に対しましては、第一条より第七条まででありまして、委員各位のお手元に配付してありますので、内容はそれを御一読願いたいと思う次第であります。すでにこれは先般の本委員会において決議願つておりまする金融措置に対する特別措置法でございますので、小委員会決定いたしましたこの特別措置法に対しまして、本委員会におきまして適当なる措置を講ぜられるようお願いする次第であります。簡単でありますが、御報告申し上げます。
  4. 村上勇

    村上委員長 この際農林対策小委員長よりの報告を求めます。綱島正興君。
  5. 綱島正興

    綱島委員 農林対策小委員会はしばしばこれを開きまして、二号台風に対する小委員会決定をそのまま農林対策小委員会においても承認することに態度をきめましたのが、まず第一の事実でございます。次に、二号台風時における水産被害、この部分につきましては、西日本水害と並行的に同時に審議して行こうという態度をきめましたことが第二でございます。大体ただいま二号台風以外の農村災害農産物災害水産災害等につきましては、二号台風で大体において尽されておりますけれども、その農業施設及び水産施設林野施設等処置に至りましては、二号台風に関しては何らその解決を見ておりませんので、この大水害とあわせてこれもまた審議いたすことに決定いたしました。ただいまその立法措置その他考究中でございますが、予算その他の関係等考慮いたされますので、いまだ結論を出すに至つておりませんが、基本態度といたしましては、以上申し上げるような二つの態度決定いたしたわけであります。以上御報告を申し上げます。
  6. 村上勇

    村上委員長 次に、通商産業対策小委員長より、小委員会審議経過について報告いたさせます。熊谷憲一君。
  7. 熊谷憲一

    熊谷委員 通商産業対策小委員会におきましては、私も非常に遅れてこの小委員長をやりましたので、まだ熟したところまでは行つておりません。ただいまお手元に配付してあるようなことを、関係各省なり各委員意見を聞きまして総合したものをつくつたのであります。この中で一番問題になりますのが、第二番目の利子補給損失補償の問題でありますが、損失補償につきましてはなかなか難色があるようであります。昨日でありましたか、石炭業者と副総理との面会の結果、中小企業その他一般のつなぎ資金というか、預託金が十五億でありましたのをさらに十億増加する、開銀のわくを、従来五億五千万円まで出ておつたのを、さらに炭鉱向けとして特に五億円を追加するというような発表があつたようでありますけれども、この点につきましても、まだもう少し関係大臣につつ込んでみませんと、金は出たがはたしてこれが下の方に流れるかどうか。流すためにはどうしても何らかの方法を講じなくちやならぬ。流す金につきましても、あるいは利子補給の問題もありますし、いろんな問題がありますので、この点は本日大臣となお質疑応答を繰返しまして、もう少しつつ込んだ上で、この点に対する立法措置をやりたいということで、大体の案はただいま法制局の方で用意をさしておるようなわけであります。以上、簡単でありますが、中間報告を申し上げます。
  8. 村上勇

    村上委員長 次に、厚生対策小委員長より、小委員会における調査の経過を御説明願います。滝井義高君。
  9. 滝井義高

    滝井委員 二回ばかり委員会あるいは懇談会を開いたのでございますが、問題点は、現在の災害救助法は非常に多くの欠陥を持つておりまするため、当然これを改正しなければならないというので、種々その改正点について検討いたし、また厚生当局等意見あるいは知事会等から出ておりまするところの参考要望書類を検討いたして、災害救助法というものは改正しなければならぬ、特に今までの標準税収入の百分の一というような低い率ではいけない、これを千分の一というような、地方自治体負担を軽減する方向に向つて行くべきであるという結論にはなつております。それから、学校方面のことでございますが、現在公立学校施設費国庫負担法というのが国会にかかつておりますが、これなどを見てみましても、その補助の率というものは二分の一程度で、今度のような災害にあつたところの地方自治体が、みずからの負担において大きな学校施設を整備して行く、復旧して行くということは非常に困難である。従つて、そういう率を高めなければならないだろうという結論にも達したのでございます。と同時に、また、学校等復旧をやる場合に、できる限りこの期間というものを短縮して行くというようなこと、それから、今度の災害は、単に校舎がやられておるばかりでなくして、非常に多くの地区において校地というものが災害をこうむつておる。現在の法律のもとにおいては校地復旧というものは何ら国の補助がないので、こういう校地復旧についても国が補助をすべきであろう。そういう大ざつぱな話合いが現在まで行われた程度でございます。以上簡単に御報告いたします。
  10. 村上勇

    村上委員長 建設対策小委員長はお見えになつておりませんので、この報告は延期いたします。  次に、田中内閣官房長官がお見えになつておりますので、副長官に対する質疑を許します。
  11. 井手以誠

    井手委員 議事進行について。昨日の申合せでは、大臣の都合によつて早朝に開きたい、こういうことで、本日九時から開会されることになつてつたのです。ところが再三の要望にもかかわらず、まだ大臣出席がないのはどういう理由によるものか、委員長からお答えを願いたいと思います。
  12. 村上勇

    村上委員長 昨日は、九時というのと九時半というのが、事務局の方の間違いというのか、聞き違いか何かで、九時の通知を受けたところと九時半の通知を受けたところがあるようであります。従つて、閣僚の方には九時半に出席を求めた。ところが、それを聞いた秘書官等は、九時半いうことはないだろう、何ぼ早くても十時だろうというので、みな十時にここに来るようになつておるそうであります。もう間もなくお見えになりますから、まことに相済みませんが、しばらくお待ち願いたいと思います。
  13. 井手以誠

    井手委員 どうもおかしな話です。きのうあれだけかたい約束をして、向うは大丈夫だというので、私なんかは九時の開会を承知したのです。ところがまだ見えないし、もうすでに十時にあと四分余すのみだ。この会場は十時半までとかいうことを聞いております。そうするとゆつくりと質問もできぬ。そういうことで緊急対策ができるかどうか、委員長所見を承りたい。
  14. 村上勇

    村上委員長 会場の方は三十分くらいのことは、私遅れた分はあと建設委員長の了解を得て延ばします、大臣は、私もけさ九時前から大臣室の方でいろいろと連絡をとりましたがすでに本省の方には出ておるのでありますし、本省からもう出たということでありますので、先ほどの連絡員の話を聞きますと、十時には必ず来る。あと二、三分のことでありますから、ひとつしばらく御猶予を願います。
  15. 井手以誠

    井手委員 それでは、せつかく委員長お話ですから、あと何分かお待ちします。平井さんも質問をされるそうでありますから、これで何しますが、あとでさらに私は追究することを留保します。
  16. 平井義一

    平井委員 ただいまの綱島委員長報告に対して、質問をいたしたいと思います。綱島委員長は、農林行政にかけては保利現農相にまさるとも劣らぬという確信を持つておられるので、一言お尋ねいたします。先ごろの二号台風並びにその後に起つた台風、この原因はいろいろありましようけれども、一番大きな原因とされておりますのは治山治水である。この治山の問題について、戦時中の濫伐、あるいは戦後においても日本建設のために濫伐をした。それが非常な原因であるというので、すみやかに植林をしなければならぬ、造林計画を立てなければならぬ、これが一点でありますが、この点をどう立法にうたつておられるか。それから、山林土木並びに林道、これは、御承知のごとく今度の場合におきましては、地方の市町村ではとても負担がし切れない。そこで国がすべて山を治めるかどうか。この点を小委員長お尋ねを申し上げまして、小委員長がそれに対して認識が薄い場合は、私も若干山のことは知つておりますから、さらに質問をいたします。
  17. 綱島正興

    綱島委員 第一点の植林をどうするかというお話でありますが、植林をどうするかという問題は、この小委員会といたしましては附帯決議程度のものでございましようし、そういう恒久対策については、この委員会のつかさどる範囲を少し起えておりはしないか、こういう考えがございますので、この植林対策をどうするかということについては、この委員会の権限を少し越えておると存じます。但し、濫伐がこのたびの水害を随所に発生いたしましたる原因の一部をなしておる、こういうことは小委員長においても認むるところでございまするが、このたびの水害降雨量が実に前後に絶する、とは申しませんが、記録ある日本の記録においては絶するほとの降雨量でございましたので、従つて農林施設農林土木等におけるいろいろな処置想像を越えたものでありましたところから発生いたしましたものであります。しかしながら、このたびの降雨量に対して、また来ないとは保証されませんので、再び重ねてこれあるいはこれ以上のものもあり得るという想像のもとに、治山治水対策を立てるべきものだということは、小委員会においても予定して考慮いたして、対策を立てることにいたしたいと存じております。
  18. 稲富稜人

    稲富委員 議事進行。この水害対策に対しましては。実はわれわれは今日まで相当真剣に論議を闘わし、質問をやつて来たと思うのでありますが、先刻井手委員からも発言がありましたように、私はあえて水害対策に対していろいろ申し上げたくないと思うのでありますけれども、政府の熱意がいかほどあるかということさえも疑わなくてはならないような現在の状態であるのであります。すでに現地におきましては、生死の境におる多くの被害者を控えまして、一日も早くこれが決定をすることが必要であると思うのでありますから、本日の委員会におきましても、まだ未解決になつております第二号台風並びに先般本委員会決議いたしましたその決議事項の遂行に対しまして、集中して政府意見を聞きまして、これが結末をつけるように本日の委員会をとりはからわれるように、委員長に希望する次第であります。
  19. 村上勇

    村上委員長 承知いたしました。  ただいま副総理並びに大蔵大臣がお見えになりましたので、質疑を続けます。副総理は十時二十分にはどうしてものつぴきならぬ用事がありますそうですから、どうぞひとつそのつもりで願います。
  20. 滝井義高

    滝井委員 問題を整理する意味において、まず第一に、第二号台風結論を出していただきたい。第二番目には、われわれの委員決議をしておるところの、五十億以上のつなぎ融資に対する政府の回答を求めること。第三には、総合立法で行くか、あるいは昨日田中官房長官が言つた個々別々のもので行くものかというような政府のはつきりした態度。この三つ限つて、まず第一の第二号台風から順次進めて、この三つを片づけるということにいたしていただきたいと思います。
  21. 村上勇

    村上委員長 ごもつともであります。昨日懇談会においてとりまとめましたことを議題といたします。綱島正興君。
  22. 綱島正興

    綱島委員 実は、この委員会においては、今朝は九時半より大体そろつてお待受けをいたしておりましたが、御承知通り事柄が非常に早急にこれを解決しなければならぬ性質のものであり、これが早急に解決せざることによつて国家財政負担等もますます拡大するおそれがあることであり、その他地方罹災者に対する関係においても、特にこの点は慎重に考慮しなければならぬ事態でございますので、特に従来より所管大臣の御出席を求めておつたのでありますが、たまたま予算審議等関係で、御出席を強要することは幾らか遠慮をいたしておつたようなわけでありますし、今日は特にその点については理を尽して申入れをしてあつたのでありますから、御出席が非常に遅れましたことは、はなはだ委員一同遺憾といたしておることを御了承賜わりたいのであります。  まず第二号台風に対する処置について、御所見を承りたいのであります。大体第二号台風におきまして——時間がございませんので、なるべく省略してお尋ねをいたしますが、すでにお手元にも多分書類が参つておるはずだと存じますが、各党委員おのおの議をこらしまして、大体において七億五千百三十二万七千円を——号台風のうち特に漁業損害に対する補助及び利子補給等を除き、かつ農業施設に関する損害に対する部分を除きまして、大体七億五千百三十二万七千円を国家において利子補給その他補助等をいたすべきものと、委員会においては決定をいたしております。そこで、まず第一に伺いたいことは、この数字について大蔵大臣は御承知であるかどうかという点であります。  第二に伺いたいのは、このうちにおいて特に麦の種子購入補助の二億四千五百十万九千円については、大蔵省に疑義ありということを漏れ聞いておりますが、もし疑義あれば、その理由を伺わねばなりません。  第三点は、菜種の苗圃の補助及び各本圃において使います肥料額の四分の一に当る補助、これが総計二十二億一千六百八十七万一千円に相なるのであります。このうちで特に本圃肥料補助一億七千三百二十二万円について、大蔵省において疑義ありと承つておりますが、これに対する御所見を承りたい。  特に伺つておきますことは、凍霜害台風になかつたものが出て来ておるということが、大体において事務当局その他の御意見のように伺うのでありますが、凍霜害と必ずしも一致いたしておりません。今まで特殊な前例がなければやれないということになりますれば、実はこのたびの水害に対する補助の大部分はやれないということに相なるのであります。そこで、これに対する御所見を伺いたい。  特にもう一つこの際伺つておかねばならぬことは、大蔵省の出先の事務当局取扱いがまことに厳重であるために、つなぎ資金等をお出しになつても、実は被害者のところへ参らない。県にも参らない。わずかしかそれが配分されない。そのために、実際は必要がないから配分ができないのだというようなお考えがあるように聞いておりますが、もしこういうことが許されるといたしますれば、およそ予算は関すること、国家財政に関することは、その他の官庁の決定も、国会決定も、ややもすれば空文に帰するおそれがある。これに対する御所見を伺いたいと存じます。
  23. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今の綱島委員の御質問に対してお答え申し上げます。  先般お出しくださいました書類は、私も拝見いたしております。それから、二番目に麦の種子購入費補助の二億四千五百万円をどう認めておるかということでございますが、それは実は、要求はその通りでございますが、私の方で、これは種子代の三分の一補助内容とする要求でございますけれども、査定の方では、生産費補助の性格を帯びるものは不適当だ。そこで保管料とか金利とか、そういつたものに対して全額補助の形式で認めることといたしまして、一応査定した数字は二千七百三十八万六千円であります。しかし、この数字についてはさらに今検討をさせております。  それから、菜種育苗費補助につきましては、これも肥料代の三分の一の補助農薬代の二分の一の補助ということに相なつております。育苗費の分については、これに対してもお認めすることにいたしております。金額については今査定中でありますが、若干違つて来るかと考えております。  なお肥料補助の問題につきましては、農林省の方から何らお申出に接しておりませんので、今日まで菜種に対する肥料補助の問題は、私の方といたしましては、農林省との間にはまだ意見を交換しておりません。  それから、財務局取扱いについてのお話でございますが、これは府県の配分についていろいろ金額の問題があるのではないか。財務局の方といたしましては、お送りしたものをできるだけ急速に配付することに努めておるのでございますが、もし財務局の手続で遅れておるようなことがありますれば、これは十分おしかりを受けてけつこうであり、私もさようなことのないように努力いたしますが、やはり各県と町村等の配付についての話合いがつかないのが、遅れておるもとではないかと私は考えております。  なお、今お話になりました二号台風に関する問題は、農林省としまして出したものは五億七千余万円であります。私の方でも目下査定中でありますが、大体お話にございましたので、この前凍霜害対策がやられましたときに、これは六十年もないことであつて、例外としてやれということで、実は大蔵省の従来の例を破つて、あの凍霜害に対する諸経費を予算化いたした次第でございます。従いまして、今度の分につきましても、できるだけのことはいたしておりますが、大体は凍霜害程度でやる、第二号台風については、大体その方針で進んでおるのでありますけれども、なお御意向等の次第であれば、よく考えておきます。
  24. 綱島正興

    綱島委員 ただいま伺いましたところによりますと、凍霜害ですでに大蔵省の従前の例を破つてやつたというお話でありますが、御承知通り、ただいまは国民の健康についてもほとんど全額国家負担いたしましたり、災害についてもその大部分国家負担してその復旧をいたしたりすることは、近代思想に基くもので、近代政治の必然的の事情でございます。これを大蔵省の従来の前例にかんがみてというお話でございましたならば、その答えは実は政治性を持たない、近代性を持たない、近代思想を加味しないお考えと、遺憾ながら申し上げるほかはないのであります。そこで、この点に対しては、特にそういう観点から御考慮をかえていただかなければならない。問題は、むしろ日本の経済が立つか立たぬかという観点については、他のものより考うべきことに属するものが多いのでありますが、この突発的の災害に対して、前例を基礎となさることは、近代思想及び近代国家近代財政方針に合わないお答えである。この点はむしろ、本委員会の名において、遺憾に存ずると申し上げねばならないだろうと思います。  それから、具体的の問題でございますが、実はここにあげております数字は、非常に努力をいたして、いずれもその分を過ぎたるものでないと思うものをあげたのであります。ただ、遺憾に伺いましたことは、この菜種本圃のわずかな反当り五百円の肥料補助であります。これは実は、御承知通り菜種は、農林委員会におきましても、ただいま農産物価安定物資の中に一両日を出ずして入るものでございます。これは各党に異議がなく、農産物価安定種目の中に入つて参りますし、主食のおもなるものと拮抗するほどのものである。その性質から申せば、わが国民食生活の中に油源が少いということから、これに対して特に考慮を払わねばならぬこと等も加わつておるのであります。さようなことがあつて、これは後日麦に拮抗するほどのものでなければならぬのでありますが、ただいままで法的処置が遅れておりますために、これに対する強制共済の線が打立てられておりませんし、自由共済の線がございますにいたしましても非常に微弱であり、少くとも国家の再保険支出が保証されておりません事情等から、この点については特に考慮して本委員会に取上げたものであります。さようなわけでございますので、他の蔬菜と果実とを取上げるにかかわらず、菜種に対する損害について何ら考慮を払わない。それが季節の農産物であるという、単なる事情にかんがみてその点をチェツクなさるというお考えには、ただいまの国民生活の中で主要なる部分を占める食生活、特に食糧品増産体系等からお考えくださいまして、私は大蔵当局国民生活に対する御理解の不十分なることを、まことに遺憾と存ずるものであります。そこで、この点については特に再び御考慮願つて、必ずこの原案通りに御了承を賜らなければならぬと存じます。  それからなお、ただいま伺いました麦の種子購入に対する考え方を二千七百万円何がしに御決定なつた。農林省はこれを二億四千五百万円といたしておる。これは実は大蔵省農村政策に対する御理解の足らぬところから起ることだと存じます。なぜであるかと申しますと、この種子というものは、非常に選ばなければ明年の収穫に大影響を与えるのであります。これは食糧倉庫の中に入つておるものを何でも持つて来ればよいということではありませぬ。従つて、農民はこれについて選択のために非常な金を使いますし、やがては明年の国民生活の上に至大影響がある問題でございますので、この点については事情を知つておる大蔵当局は、特に最小限度必要なる費額の中の大体二分の一を考えて出しましたる計数が二億四千五百万円でございますが、これを標準価格のものでお考えくださらなければ、これは非常な間違いがあり、明年の耕作の上に至大なる影響がございますので、おのおのその温度もしくは風土一いろいろなことを考慮いたしまして種子は手に入れなければなりませんし、保有麦の中からこれを取上げて買い求めなければならぬのでありますから、この点に対する費用は非常に拡大いたしますので、これをもつてしては半額の補償にはならぬと考えておるのでありますが、農林省がたまたまこれだけの案を出しましたので、われわれはこれをのんだわけであります。これらの点等もどうぞ御了承賜わつて、特に七億五千百万円の本委員会原案をそのまま御了承くださることをお願いいたします。もしもこの委員会でこの決を出し得ないときは、おそらく国会は他の方法によることの原因がここにできるに相違ないという見通しがございますので、特に声をはげまして私が申し上げるわけでございます。どうぞ御了承を賜わりたいと思います。御返答を賜わりたいと存じます。
  25. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今綱島さんが仰せになつたことはよくわかります。ただ、私どもといたしましては、さつき申し上げた通り、やはり国としてこの異常なる災害に対してでき得る最善を尽したいと考えておりますが、しかしながら国がなすべきところにはやはり限界がある、こういうふうに考えるのでありまして、その点は、さつき申した通り、凍霜害のときに、大蔵省としては、一口にいえば、よほど過去の領域を踏み越えてやつたことは皆様御承知通りであります。国庫が負担しないものまでも、初めてあのときいわゆる三万損という考え方で負担をいたしたことも、御承知通りであると存じます。今度の問題につきましても、できるだけのことは私もいたしたいと思つております。この心持においては十分御了解が願えると思うのでありますが、しかしやはり、国としては、どうしてもそこにどうにも越えてはならぬ点があると信じます。従いまして、これはよく今後もお話を伺うことにいたしますけれども、私はやはり、今お話になりました点でも、ただちにそれをお引受することは困難な事情のもとにありはせぬか、しかしながら、できるだけのことをいたしますということを申し上げて、あとはひとつ十分事務当局とも打合せることにいたさせていただきたいと存じます。
  26. 綱島正興

    綱島委員 実はこれはあとから起つた事実でございますが、大体第二号台風における被害地域とほとんど地域をひとしゆうして、あとの大水害が起つておりまするので、実は凍霜害のときに補給を受けました農村の人と、このたび補給を受ける人たちとは、経済事情その他再生産に対する能力等の点からして、これは実に重大な問題でございますので、この点については、特に従来の凍霜害の例などということはお考えにならないようにしていただかなければ納まらないと思いますので、その点も御了承賜わりたいと思います。
  27. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 第二号台風を受けたところも、また今度の異常なる水害等をお受けになつたところについても、この点御同情申し上げたいと思うのであります。それに処置するのには、誠意がなければいかぬと考えております。従いまして、第二号台風から急いでやらなければならないと思つております。この点については今せつかく折衝しておりますが、御趣旨の点もありますので、なおひとつ十分お打合せいたしたいと思つております。
  28. 綱島正興

    綱島委員 それでは……。     〔発言する者多く、聴取不能〕
  29. 村上勇

    村上委員長 静粛に願います。綱島君は代表質問ということですから…。
  30. 綱島正興

    綱島委員 緒方副総理にお伺いいたします。ただいま大蔵大臣質問いたしたのでありますが、今までの諸事情について、大蔵大臣に対する質問のすべての点について、特に副総理対策本部長であられますところから、特に御考慮を賜わる御意思でありますかどうか、その点をお伺いしたい。
  31. 緒方竹虎

    ○緒方国務大臣 ただいま綱島委員の御発言を聞いておりまして、従来政府考え方としては、大蔵大臣から申し上げた通り考え方をいたしておつたのでありますが、さらに考慮をいたして善処するつもりでございます。
  32. 稲富稜人

    稲富委員 私は、ただいま大蔵大臣並びに副総理の御答弁を聞きまして、実に遺憾に存ずるのであります。すでに台風第二号に対する被害がありまして、今日まで二箇月を経過しているのであります。この間にありまして、私たちはしばしばこれに対する協議をして政府要求しておるのに、まだこれに対する考慮中だというような答弁をされまして、いかにこれに対して政府が不熱心なる状態であるか、この被害農民及び被害者の救済に対して熱意が足らないかということを、私は嘆かざるを得ないのであります。ことに私たちは、このたびの第二号台風に対しましても、共同一致の名をもつてこれの一切の討議を進めて参つたのでありまして、私たちは、これに対しても、やはり与党である自由党の意見等も聞きまして、涙をのんでこの案を決定しているのであります。しかるに、政党内閣である内閣が、その与党も入つて、しかも本会議において正式に決議したるこの案に対しまして、これでもまだ考慮中であるというがごときは、私はいかにも政府がこの議院を軽視される結果じやないかと思います。本会議決定したるこの議案に対しまして、しかも決定事項に対しまして、これから考慮するんだ、調査中だというような御答弁でやられるということは、政府の熱意の足らざることを嘆くと同時に、いうことことでは罹災者というものがいかに政府に対して不満の念を持つだろうかということを考え、またこれに対して今後の思想的影響を憂慮するものであります。私たちは、ただいま申し上げましたような経緯をたどつて来ました本案に対しましては、政府は熱意を持つて誠意のある解決をしていただきたいと思う。まだこれから考えなくてはならないということではなくて、幸い本部長と大蔵大臣見えておられるのであります。大蔵大臣は金を出さないようにすることが大蔵大臣の勤めではない。ほんとうに国民が必要とするものは、これをどんどん支出して救済することが、ほんとうの政治であるということをお考えいただきたいと思う。これに対する大蔵大臣並びに本部長の決意をただしたいと思います。
  33. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ちよつと申し上げておきますが、私は、第二号台風につきましても、あるいは必要なるつなぎ資金であるとか、あるいは共済金を前に出すということはすでにやつておるのであります。  なお一応大蔵省といたしまして査定をいたしたものについては話し合つております。これはきまつておりますけれども、その査定では不満であるということでいろいろお票ありますので、その点を考えている次第でありまして、大蔵省はもう一つはどの点で査定できるかということを考えている次第であります。応急措置についてはすでにやつておるのであります。やつておるのでありますが、また査定もいたしております。今申し上げた通り査定では御同意ができないと仰せられるので、それではその点について考慮いたしましようと申し上げている次第でありますから、その点はよくおわかり願えると思うのであります。
  34. 緒方竹虎

    ○緒方国務大臣 先ほど綱島委員にお答えいたしたのでありますが、従来の考え方は私大蔵大臣と同じ考え方を持つておりますけれども、綱島委員の御発言を承りまして、さらに考慮を要するものがあると考えましたので、さらに考慮をいたしますということを申し上げたので、なお考慮中ということではないのであります。今までの政府の判断といたしまして、ある判断をしておりましたが、綱島委員の御発言を承つて、さらに考慮を新たにいたします、そういうことを申し上げた次第であります。
  35. 村上勇

    村上委員長 この際お諮りいたしますが、緒方副総理総理大臣の代理としてどうしても二、三十分ほど退席いたさなければなりませんが、午後から必ず参りまして皆さんの質疑答えたい、こういうことでありますので、(「間違いないでしような」と呼ぶ者あり)間違いございません。
  36. 滝井義高

    滝井委員 午後まで待つてもかまいませんから、ひとつ午後には七億五千万円のイエスかノーかの返事を出して臨むという条件を付して許します。(「そうだ」と呼び、その他発言する者多多し)
  37. 村上勇

    村上委員長 それでは井手君。
  38. 井手以誠

    井手委員 第二号台風で、大蔵大臣は、五億何千万円の案は出ておるが、七億の方はどうこうという話ですが、七億は当委員会決定でございます。あなたの間違いではございませんか。
  39. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 七億の案も当委員会の御決定の分を拝見しております。ただ、農林省から出ている分は五億何千万円で、これで話を進めておつた次第であります。
  40. 井手以誠

    井手委員 第二号台風についてはすでに午後までに返事をするということでございますので、これ以上追究いたしません。  そこで大蔵大臣お尋ねいたしたいと思いますが、大野国務大臣は九州にお立ちになつたようであります。相当おみやげを持つて行かれると信じます。いろいろ各方面で約束されおりますので、多分そうだと思いますが、その具体的内容承知いたしたいと思います。それとともに、つなぎ融資を各府県から切実に要求しておりますが、つなぎ資金についてどういう御措置をなさつたか、この点を承りたいと思います。
  41. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 その後の大蔵省西日本に対する災害復旧金融措置にいたしましてやつたことを申し上げますと、まずつなぎ融資の点でございますが、つなぎ融資はさきに合計三十億円出ておりましたが、さらに十億円を増額することにいたしまして、合計四十億円に相なります。  それから国庫の指定預金でありますが、六月中に期限の到来する三億二千七百万円の引上げを延期いたしましたほかに、十五億円災害地の金融機関に対して指定預金をしておりましたが、そのほかに、災害地の金融機関に対する指定預金のうちで七月中に期限の到来するものにつきましては、さらに三箇月間引揚げを延期いたしました。  それから、現地における観光関係その他の資金の応急の需要に処するために、十五億円の従来実行した指定預金では不足すると考えられますので、この際、商工組合中央金庫等を含めて、災害地の金融機関に新たに十億円の指定預金をすることにいたしました。  なお、中小企業の金融につきましては、開発銀行に対して災害地五億五千万円を決定されておりましたが、その後炭鉱関係等の被害も考慮いたしまして、さらに五億円追加することにいたしました。つまり十億五千万円になるわけであります。もつともこれは別わくでやつておりまして、中小企業金融公庫が発足いたしますれば、中小企業金融公庫に開発銀行から引継ぐ予定であります。  それからさらに、中小企業信用保険料の問題につきまして——なおこれは地方自治庁と意見の調整を要するところはございますが、大体信用保険料については政府が三分の一、都道府県が三分の一、業者が三分の一、こういう割合で負担するわけで、すみやかに政令を制定して実施いたしたいと考えております。  さらに、営農資金につきましては、農林中金において五十億円程度を融通するものといたしまして、この融資については借入金の負担が年六分五厘になるよう利子補給措置を講ずる所存でございます。
  42. 井手以誠

    井手委員 ただいま御説明になつた中に、中小組合というものはどういう方面の中小組合であるか。聞くところによると炭鉱関係のようにも承つておりますが、どういう内容であるか、これを聞きたいのが第一点。次に、開発銀行関係の方の五億円、これも、聞くところによりますと、ほかの中小企業に比べてさほど感じないと思われる大手筋の炭鉱にやられるようにも承つておりますが、その内容をお伺いいたしたいのであります。
  43. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今の開発銀行の中小金融の問題は、これは中小別の別わくでやつておりますので、大きい炭鉱にやるわけではありません。従いまして、さつき申し上げた通りに、五億五千万とさらにその後の五億円は、これは中小別わくになつておりますから、中小企業金融公庫の発足に伴つてこれに引継ぐということを申し上げたのはその関係であります。  それからさらに、一般の指定預金というのは、これは中小企業全般に対するものでありますが、炭鉱等の事情にかんがみて、炭鉱業者等の御希望もありますので、商工組合中央金庫等に主として出すことにいたしまして、指定預金を行つておる次第であります。
  44. 井手以誠

    井手委員 政府の方は、お忙しい中にも、特に大手筋の業者と会われていろいろ懇談されたそうですが一どうもこの五億というのは大手筋に限つたような、あるいは一部にはまわるかもしれませんけれども、そういつたように承つておりますが、そうでないということをもう一ぺん念のため承りたい。
  45. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 先ほども申した通り、これは中小の別わくになつております。全然大手筋のものとは関係はございません。
  46. 井手以誠

    井手委員 そこでお尋ねいたします。本委員会は、先に、地方各県の要望に対しまして、どうしても今まで配分された三十億のほかに、とりあえず五十億以上のつなぎ融資が必要であるという決定をいたしました。政府もすみやかに善処すべき旨の決議をいたしておるのであります。続いて参議院においても、大野国務大臣が九州に行く前に、三十億のつなぎ融資を追加決定すべき旨の決議をいたしまして、政府に申し入れておることは、大臣も御承知通りであります。この両院の慎重に検討した結果決定いたしましたこのつなぎ融資決議に対しまして、どういうふうにお考えになつておるか。わずかに十億円を決定されたようでありますが、あとの二十億ないし四十億という金が必要でないのか、あるいはまた明日か明後日追加決定される御用意があるのか、この点確たる御回答を願いたいと思います。
  47. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 私どもの知つておるところでは、さしあたり十億円でもつて足りるという考えであります。しかし、もし取調べて不足等を生ずることがありますれば、さらにその節考慮いたしたいと存じます。
  48. 井手以誠

    井手委員 私どもは、地方要望があるから、それをうのみにして決議したのでは絶対にないのであります。先般来ここで各省の責任者を呼んで、どうしても合風前に必要な金は幾らいるか、最小限度のところを承り、さらに財源関係その他を考慮して最低の線を出したのであります。そういう決議に対して、それではどういう数字で十億で足りるというお考えであるのか。建設省は四十億ないし六十億ということを言つておりますし、農林省も多くの金がいると申しております。この予算は月末にはいずれかに決定されるでありましようが、それまでにも必要な多くの金がいるのであります。そこで大蔵大臣は、どういう根拠のもとに十億で足りるというお考えであるが、具体的に御説明願いたいと思います。
  49. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 つなぎ融資三十億では足りない、さらに五十億増加したらどうかという御意見につきましても、私どもこの委員会に出ておりまして、御意見は拝聴いたしておつたのでありますが、建設省から私どもの方に対しまして、実は三十億で足りないというようなお話は承つていないのであります。その際河川については少くとも二割とかいつたような数字もあげられまして、それで五十億というようなことも承つたように記憶するのでございますが、私どもが短期融資の対象にいたしております被害総額四百五十億、その中には河川はその一部でありまして、それの本年度における復旧工事に幾らいるかということから考えますと、大体今まで政府決定いたしましたことで十分ではないか、そういう数字的な結論が出て来るわけでありまして、この問題につきましては、事務的には建設省とも十分打合せをいたしておりますが、現在のところはこれで十分ではないかという考え方をいたしておる次第であります。
  50. 井手以誠

    井手委員 はなはだ不満な答弁でありますが、ただいまの官房長の答弁は大臣のお考え承知してさしつかえございませんか。
  51. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 その通りであります。
  52. 井手以誠

    井手委員 あれだけの大水害に対して、また政府もあれだけの対策本部を設けて熱意を示したにかかわらず、三十億で当分は足りるというのは、はなはだけしからぬと私は思う。それでは私は重ねてお尋ねいたしますが、ここにひとつ各省別の最小限度必要とする数字をあげてもらいたい。そうしないと私は納得できない。その上でさらに追究したい。
  53. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 つなぎ融資の問題は、今申したように四十億でありますが、御承知のごとくに、つなぎ融資でなく、公共災害費の予備費でもうすでに正式に出しておるのが、仮締切りで六億円、本締切りで四億円、さらに直轄港湾の災害復旧として二千五百万円、浸水耕地の緊急排水用費として二千万円等を出しておりまするし、また七月に被害地に平衡交付金の方で五億円出ておりまするし、防疫対策費の方で四千四百万円出ておりまするし、また指定預金はさつき申し上げましたが、そういうもの等を合せますると、きのうまでに百三億六千五百二十一万円出ておるのであります。つなぎ資金は今申し上げた通り四十億でありますが、合計いたしましては百三億六千五百二十一万円出ておるのであります。
  54. 井手以誠

    井手委員 六億とか四億とか申されたのは直轄工事のことでありまして、地方要求とは別であります。その点は別にお考えをいただきたい。さらに指定預金その他のことは、直接あの災害——将来効果はあるかもしれませんけれども、府県の要望するものとは別でございます。その点もあわせてお考えを願いたい。私は地方各県が一番要望しておるつなぎ融資の点を申し上げておるのであり、総計して百三億になるからそれで十分だというのは、掛声ばかりで実質が伴わないのであります。私は、通産大臣当時は非常に熱意を示された大蔵大臣が非常に冷淡であるので、これ以上追求いたしません。私は、新たにぽかの機会において政府態度について論議をいたしたいと考えます。
  55. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ちよつとさつきの数字に誤りがありました。合計いたしまして百十八億六千五百二十一万円であります。
  56. 井手以誠

    井手委員 罹災者にすぐに金が渡らないのです。
  57. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 それは先の方としてやるのであつて大蔵省としては全力を尽してやつております。
  58. 平井義一

    平井委員 先ほどの二号台風について、綱島農林小委員長が提出いたしました七億五千万円、これをわれわれは決定をいたしておりまするが、農林省は五億七千九百万円しか出さない。ここで私たちが大蔵大臣を責めることもいいでしようけれども、保利農林大臣は被害地の出身者であります。その農林省が五億七千九百万円しか出しておらぬというに至つては、われわれは、大蔵大臣を責めるよりも、農林大臣を締めなければならないのでありまして、先ほど稲富委員から言いましたように、午後ただちに返事をしろ——これはバナナのたたき売りじやあるまいし、あと一時間か三十分で確答しろということは無理である。この問題を農林大臣と相談して御決定になるのはあと数時間後であるか、あるいは何日後であるか、これを大蔵大臣にお聞きをして、いやでもおうでも本委員会決定通りにお願いしなければならぬと思うのでありますが、子供でありませんから、何時間後にしろというようなことは申しません。私は政府をかばうのではありませんが、大体いつならばお返事がもらえるか伺いたい。
  59. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 やはり私どもは、国の財政をお預かりしている以上は、どの省から御交渉を受けましても、それからまたどこから受けるにしましても、やはりある限度を越してはやれないと存じております。従いまして、私どもの方で査定をいたしまするが、この査定というものは——もしその査定をする必要がなければ大蔵省はなくてよいのであります。私どもは、国の財政をお預かりしている以上は、国の財政をお預かりしている当局者として査定をすることは、国民から課せられた責任と考えております。従いまして、十分な査定をいたしました上すみやかに御返事をする、こういうことにひとつ御了承を願いたいと存じます。
  60. 平井義一

    平井委員 そのすみやかにというのがいつも問題になりますので、大体いつごろならばよいか、これをやはり聞かしてもらいませんと、野党の諸君は承知しません。その点大体あしたならあした、あさつてならあさつてと言つていただきたい。
  61. 佐藤虎次郎

    ○佐藤(虎)委員 ちよつと大蔵大臣に伺つておきますが、災害に対しまして中小企業、農林、水産、炭鉱、建設、すべての部面の要求があります。そこで、ここであまり論議してもしかたがないと思いますが、私どもが、農林は農林、水産は水産、炭鉱は炭鉱というので、各当局と話合いのついたものは大蔵省に認めてもらえるのかどうか。これがぼくは最後の結論だと思う。農林は農林省、河川の問題、道路の問題は建設省、これでこの特別委員会話合いがついたものをあなたの方でのみ込めるかのみ込めないか。あなたのおつしやられた、国家財政とにらみ合して行かなければならないのだ、こういうことになりますと、財源がないならそれでは死んでもしかたがないじやないかということになり、こういうことではまことに困る、また凍霜害の問題を例に引きますが、凍霜害の問題は死活問題ではなかつた。生命に関係はなかつた。この問題は、あすの日に雨一粒降れば死ぬので戦々きようきようとしている。凍霜害で枯れたものはしかたがない。そういうことを考えないで、この問題をどうするかということが結論ですから、各所管省と打合せて妥協がつき話合いがついたものは、大蔵省は認めるか認めないか。それが最後の結論ですから、それだけ伺つておけばよい。
  62. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 各省と当委員会でお打合せになりましたことにつきましても、これを私の方では一応検討いたします。と申しますのは、国全体としての財政事情がありまして、たとえば各省は省の立場があつてお話をおつけになりましても、はたしてそのような国費の配分ができるかどうかという問題は、これは大蔵省予算化その他の措置をとらなければなりません。これは大蔵省に課せられた責務であります。従いまして、各省とお話合いくださることはまことに望ましいのでありますが、しかしそれをそのままのむというわけには参りません。大蔵省の方で査定をいたすことは当然のことであります。
  63. 滝井義高

    滝井委員 ちよつとお尋ねしたいのですが、現在四十億のつなぎ融資が行つているわけであります。ところが、長崎県のごときは、学校には一文も金が来ないと言つて来ておるわけです。これはその地区の責任者はもちろん知事でございます。そうして現在教育委員会と執行機関の知事とわかれているわけです。そうしますと、長崎県は、たとえば自分の方の教育委員会には金が来ない。文部省に尋ねてみると、三十億の融資のうちから二億五千万円くらいは学校にやるように配分をしていると言つている。ところが、地方学校では一文も来てないで困つているという要求がある。これは話が食い違いますので、午後でけつこうですが、大蔵省から各省の要求の緊急な額を出してもらいたいということ、これが第一点。それから第二番目には、島根とか鳥取、和歌山、こういうところにも当然つなぎ融資が行つているはずである。現在和歌山には二億出したというように新聞で見ているが、そういうつなぎ融資をどのくらい出したか。これはここで説明できると思うので説明してもらいたい。  それから、さいぜんの七億五千万円の問題でございますが、これは今の大臣の答弁を聞いてみると、現在の内閣というものは政党内閣である。少くとも各党が寄り、しかも自由党の政務調査会も通して七億五千万円というものはきめたものだ。その政党に基礎を置いておるところの内閣の大蔵大臣が、自分の党の政務調査会の決定をしたものに権威がないと言つてのめないようなら、自由党はすべてからく大蔵大臣を不信任すべきである。しかるに、その大蔵大臣にお願いしますといつておるのは、まつたく政党の権威がなくなつて、しかも官僚独善の状態が議会に現われ、大蔵大臣は官僚によつて操縦されているという結論をわれわれは下さざるを得ない。大蔵大臣は自由党の党員であるかどうか、それをまず明白にしてもらいたい。
  64. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 大蔵大臣はもちろん自由党の党員であります。しかしながら、大蔵大臣としての責任があります。従つて資金配分については、全体の計画から見直さなければならぬという点があるのであるまして、この点については政務調査会の方ともまだ打合せは済んでおりません。政務調査会が御決定になるのなら、私の方はもう一ぺん相談をしなければならぬ点があるのであります。従いまして、私が申し上げることは、われわれとしては仰せになつた諸点は十分検討いたします。特に第二号台風の問題につきましては、それらの点を十分検討いたしました上、さつきお話の次第もありますから、二、三日うちには結論を出して御返事を申し上げたいと思います。
  65. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 島根、鳥取、愛媛の三県にはおのおの四千万円ずつつなぎ融資を出しました。和歌山にはさしあたり二億円、奈良に七千万円のつなぎ融資決定いたしております。なお文部省関係つなぎ融資の要請部分お話がございましたが、つなぎ融資につきましては、文部当局からは何らの要請を受けておりません。
  66. 村上勇

    村上委員長 午前中の議事はこの程度にとどめまして、午後に緒方副総理、大蔵、農林両大臣出席を求め、質疑を継続することといたします。  暫時休憩いたします。     午前十時五十二分休憩      ————◇—————     午後五時二十七分開議
  67. 村上勇

    村上委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  この際理事補欠選任の件についてお諮りいたします。理事たる委員の異動に伴いまして、現在理事が二名欠員となつております。つきましては、この際その補欠選任を行いたいと思いますが、これは、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて     生田 宏一君 赤澤 正道君を理事に御指名申し上げます。     —————————————
  69. 村上勇

    村上委員長 引続き小委員長補欠選任の件についてお諮りいたします。北九州水害建設対策小委員長中島茂喜君が委員を辞任されましたので、同君の補欠選任をいたさなければなりませんが、その補欠選任は、前例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて赤澤正道君を北九州水害地建設対策委員及び同小委員長に御指名いたします。なお、重ねてお諮りいたします。委員異動その他の理由によりまする各小委員会の小委員欠員に対しまする補欠選任につきましては、原則として、補欠委員を前任者の小委員に補充することとし、その整理は委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつてそのように決します。  本日はこの程度にとどめまして、次会は明二十三日午前九時三十分より開会いたします。これにて散会いたします。     午後五時三十分散会