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綱島委員 ただいま伺いましたところによりますと、凍
霜害ですでに
大蔵省の従前の例を破
つてやつたという
お話でありますが、御
承知の
通り、ただいまは
国民の健康についてもほとんど
全額を
国家が
負担いたしましたり、
災害についてもその大
部分を
国家が
負担してその
復旧をいたしたりすることは、
近代思想に基くもので、
近代政治の必然的の
事情でございます。これを
大蔵省の従来の
前例にかんがみてという
お話でございましたならば、その
答えは実は
政治性を持たない、
近代性を持たない、
近代思想を加味しないお
考えと、遺憾ながら申し上げるほかはないのであります。そこで、この点に対しては、特にそういう
観点から御
考慮をかえていただかなければならない。問題は、むしろ
日本の経済が立つか立たぬかという
観点については、他のものより考うべきことに属するものが多いのでありますが、この突発的の
災害に対して、
前例を基礎となさることは、
近代思想及び
近代国家、
近代財政方針に合わないお
答えである。この点はむしろ、本
委員会の名において、遺憾に存ずると申し上げねばならないだろうと思います。
それから、具体的の問題でございますが、実はここにあげております
数字は、非常に努力をいたして、いずれもその分を過ぎたるものでないと思うものをあげたのであります。ただ、遺憾に伺いましたことは、この
菜種の
本圃のわずかな反当り五百円の
肥料の
補助であります。これは実は、御
承知の
通り、
菜種は、
農林委員会におきましても、ただいま
農産物価安定物資の中に一両日を出ずして入るものでございます。これは
各党に異議がなく、
農産物価安定種目の中に入
つて参りますし、主食のおもなるものと拮抗するほどのものである。その
性質から申せば、わが
国民の
食生活の中に
油源が少いということから、これに対して特に
考慮を払わねばならぬこと等も加わ
つておるのであります。さようなことがあ
つて、これは後日麦に拮抗するほどのものでなければならぬのでありますが、ただいままで
法的処置が遅れておりますために、これに対する
強制共済の線が打立てられておりませんし、
自由共済の線がございますにいたしましても非常に微弱であり、少くとも
国家の再
保険支出が保証されておりません
事情等から、この点については特に
考慮して本
委員会に取上げたものであります。さようなわけでございますので、他の蔬菜と果実とを取上げるにかかわらず、
菜種に対する
損害について何ら
考慮を払わない。それが季節の
農産物であるという、単なる
事情にかんがみてその点をチェツクなさるというお
考えには、ただいまの
国民生活の中で主要なる
部分を占める
食生活、特に
食糧品増産体系等からお
考えくださいまして、私は
大蔵当局の
国民生活に対する御
理解の不十分なることを、まことに遺憾と存ずるものであります。そこで、この点については特に再び御
考慮を
願つて、必ずこの
原案通りに御了承を賜らなければならぬと存じます。
それからなお、ただいま伺いました麦の
種子購入に対する
考え方を二千七百万円何がしに御
決定に
なつた。
農林省はこれを二億四千五百万円といたしておる。これは実は
大蔵省が
農村政策に対する御
理解の足らぬところから起ることだと存じます。なぜであるかと申しますと、この
種子というものは、非常に選ばなければ明年の収穫に大
影響を与えるのであります。これは
食糧倉庫の中に入
つておるものを何でも持
つて来ればよいということではありませぬ。
従つて、農民はこれについて選択のために非常な金を使いますし、やがては明年の
国民生活の上に
至大な
影響がある問題でございますので、この点については
事情を知
つておる
大蔵当局は、特に最小限度必要なる
費額の中の大体二分の一を
考えて出しましたる計数が二億四千五百万円でございますが、これを
標準価格のものでお
考えくださらなければ、これは非常な間違いがあり、明年の耕作の上に
至大なる
影響がございますので、おのおのその温度もしくは風土一いろいろなことを
考慮いたしまして
種子は手に入れなければなりませんし、
保有麦の中からこれを取上げて買い求めなければならぬのでありますから、この点に対する費用は非常に拡大いたしますので、これをも
つてしては半額の
補償にはならぬと
考えておるのでありますが、
農林省がたまたまこれだけの案を出しましたので、われわれはこれをのんだわけであります。これらの
点等もどうぞ御了承賜わ
つて、特に七億五千百万円の本
委員会の
原案をそのまま御了承くださることをお願いいたします。もしもこの
委員会でこの決を出し得ないときは、おそらく
国会は他の方法によることの
原因がここにできるに相違ないという見通しがございますので、特に声をはげまして私が申し上げるわけでございます。どうぞ御了承を賜わりたいと思います。御返答を賜わりたいと存じます。