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1953-07-16 第16回国会 衆議院 水害地緊急対策特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月十六日(木曜日)     午前十一時五十七分開議  出席委員    委員長 村上  勇君    理事 綱島 正興君 理事 平井 義一君    理事 中島 茂喜君 理事 滝井 義高君    理事 池田 禎治君 理事 加藤常太郎君       上塚  司君    大久保武雄君       徳安 實藏君    熊谷 憲一君       赤澤 正道君    吉田  安君       井谷 正吉君    井手 以誠君       田中 稔男君    受田 新吉君       稲富 稜人君    辻  文雄君       松前 重義君    松永  東君       中村 英男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 緒方 竹虎君        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君  出席政府委員         総理府事務官         (大臣官房審議         室統括参事官) 久田 富治君         大蔵事務官         (大臣官房長) 森永貞一郎君         文部政務次官  福井  勇君         文部事務官         (管理局長)  近藤 直人君  委員外出席者         議     員 伊藤卯四郎君         文部事務官         (管理局教育用         品室長)    三浦 勇助君         専  門  員 難波 理平君     ————————————— 七月十六日  委員逢澤寛君、高橋英吉君及び木下郁君辞任に  つき、その補欠として山本友一君、三池信君及  び稲富稜人君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長補欠選任の件  台風第二号による農作物等救済対策に関する  件  水害地対策に関する件     —————————————
  2. 村上勇

    村上委員長 これより水害地緊急対策特別委員会を開会いたします。  まず、小委員補欠選任についてお諮りいたします。本日、西日本風水害地対策小委員木下郁君が委員を辞任いたしましたので、その補欠任を行いたいのでありますが、これは、先例によりまして、委員長において御指名いたすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。それでは、委員長におきましては、稲富稜人君を小委員に指名いたします。  次に、小委員長補欠選任についてお諮りいたします。木下郁君は西日本風水害地対策小委員長でありましたので、同小委員長補欠選任を行いたいのでありますが、これも、先例によりまして、委員長において御指名いたすことに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  4. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。それでは、委員長において、西日本風水害地対策小委員長稲富稜人君を指名いたします。  この際暫時休憩いたします。     午前十一時五十九分休憩      ————◇—————     午後二時三十五分開議
  5. 村上勇

    村上委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  水害地対策に関する件につきまして質疑を継続いたします。滝井義高君。
  6. 滝井義高

    滝井委員 文部関係の御質問を二、三いたしたいと思います。まず、今度の九州の水害において、相当程度の学校並びに学童被害並びに罹災があると思うのでありますが、現在学童罹災はどの程度であるか、お知らせ願いたい。
  7. 福井勇

    福井政府委員 お答えいたします。今お尋ねになりましたような点についてのただいままでの数字を申し上げたいと思います。これは西日本水害罹災学童生徒数ということでまとめております。福岡県から申しますが、福岡県が罹災学童数十八万六千九百十七でございます。佐賀県が五万一千三百九十五、長崎県一万三千五百十九、態本県八万六千二十六、大分県一万五千二百四十七、山口県一万三千六百五十二、計三十六万六千七百五十六という数字になつておるのでございます。
  8. 村上勇

    村上委員長 ちよつと滝井君留保してください     —————————————
  9. 村上勇

    村上委員長 ちよつと滝井君留保してください
  10. 村上勇

    村上委員長 台風第二号による西日本風水害地対策につきまして、小委員長より小委員会における調査の結果を御報告願います。西日本水害地対策小委員長稲富稜人君
  11. 稲富稜人

    稲富委員 御報告申し上げます。本小委員会におきましては台風二号による農作物等救済対策につき討議を重ねましたが、おおむね左記項目につき融資または助成を必要とする結論に達しました。  一、営農資金等融資約五十億円  (1)融資は凍霜害対策の例にならい、原則として五分の利子補給を行うこととし、そのうちの半額につき政府補助すること。  (2)損失補償の四割のうち半額を国の負担とすること。  二、補助等約七億五千万円とし、そのおもなる項目は次の通りであります。  (1)麦種子購入費補助。  (2)種苗輸送費補助。  (3)苗しろ再仕立て補助。  (4)開拓地麦肥料農薬補助。  (5)菜種補助。   菜種については本田用肥料代金の四分の一を見ることといたしました。  (6)蚕豆種子及び肥料代補助。  (7)たまねぎ補助。  (8)特用作物肥料代補助。   苧麻、除虫菊藺草等であります。  (9)除虫菊委託加工補助。  (10)果樹類樹勢回復用肥料代補助。  (11)蔬菜類種子代及び農薬代補助。  (12)種苗確保対策費補助。  (13)家畜衛生対策費補助。  (14)水産養殖補助。  (15)農作物災害対策指導費補助。  (16)損害額評価事務費負担金。  (17)国の行う災害調査費。  なお本件の融資及び補助等台風第二号によるものであつて、六月末の水害対策に要する費用等は別途これを決定するものとし、計数については政府において再調査することとするも、総金額は七億円ないし八億円とすること。  以上で報告を終りますが、本委員会におきましては、本報告を御承認の上、委員会として決議を行つていただきたいと思います。右動議を提出いたす次第であります。
  12. 村上勇

    村上委員長 小委員長報告は終りましたが、報告のうちに、当委員会においてただいまの報告の内容を決議されたい旨の動議があわせて提出されておりますので、この動議について採決いたします。稻富君の動議に御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく当委員会において決議することと決定いたしました。  この際大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。小笠原大蔵大臣
  14. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ただいま御決議の御趣意はよくわかりました。政府といたしましても、先般の凍霜害の際の先例もございまするので、今後十分検討して、できるだけのことをいたしたいと存じまするが、何分財源の問題もございますので、必ずしも御要望全部その通りには参らないことを御賢察を願いたいと存じます。     —————————————
  15. 村上勇

    村上委員長 緒方国務大臣並びに小笠原大蔵大臣に対して質疑の通告がありますので、これを許します。綱島正興君。
  16. 綱島正興

    綱島委員 まず大蔵大臣お尋ねをいたしますが、このたびの六月上旬の風水害、引続いて下旬の降雨、それこそ何十年ぶりの大降雨がございまして、ある部分についてはこれが二重に相なつておりますために、被害は一層著しく相なつたのでありますが、これについては特にただいま予算審議進行中でもございますし、途中においてこれに対する修正等を申し立つることはいかがと存じて、当委員会においても、皆さんその点は差控えられておるわけであります。大体、このたびの災害に対しては、国費処置を伴わなければならぬと存ずるのでありますが、それに対する財政的御処置の主要な荒筋を承りたいと存じます。
  17. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 私どもといたしましては、一方にはいわゆる国の補助的な助成金措置をとることをやります。それからまた他方には、営農資金を初めとして、そういつた資金面でのことを考え、さらにそれらに伴つて利子補給等の問題を考えたいと思つております。さらに、ごく一般的に申しますれば、災害救助法関係に基く措置でありますとか、あるいはすでに支出もいたしましたが、直轄河川災害復旧、これによつて締切り、本締切り等をいたしておりますが、さらに湛水農地排水のための排水機等、あるいは直轄港湾災害復旧、こういうものはみな、いわゆるさつき申しました補助金でやつて来たのでありますが、そのほか税の方面におきましても、各種の減免措置をとりたいと考えております。なお資金の面につきましては、すでに十五億の指定預金出しまして、さらに六月末に期限の来る約三億円をそのまま延長いたしておりまするが、これも必要に応じて増額いたしたい、かように考えておる次第であります。とにかく今度の風水害は非常な大洪水でありまして、相当な処置をとらなければならぬことは申すまでもありませんので、政府といたしましては十分善処する考えでおりますが、ただ、何分にも被害状況等金額的にまだはつきりされておりませんので、それらとにらみ合せ、また財政事情ともにらみ合せまして、慎重な措置を講じたい、かように考えておる次第でございます。
  18. 綱島正興

    綱島委員 実はこのたびの災害で特に考え及びますことは、熊本県白川の災害は、大体耕地に対しまして三尺以上の土砂が流れ込んでおり、この面積がたいへん広い面積である。あるいは五、六千町歩を越えるのじやないかという意見さえ出ておるくらいでございまして、その他筑後川の流域でありますとか、遠賀川の流域でありますとか、佐賀県の佐賀平野の一部でございますとか、また地すべりがひどくありました長崎県の北松地区でありますとか、これらの地域は、ただいまやつておいでになります農林省の行政建設省の公共災害等の施設、その他いろいろなものを分離いたしては、復旧にはなはださしさわりが起きはしないか。耕地復旧でもあれば、林野の復旧でもあれば、運輸の復旧でもあれば、いわゆる広い意味における災害復旧建設工事でもあるというようなことが競合いたします。ことに熊本の地帯におきましては、これはほとんど一種の開墾事業でございます。そこで、これを補助という形でやつていただきますことは、実は従来のわれわれが持つおる経験からいたしますと、どうもただいままでの農林に対する補助等の経緯を見てみますると、府県営もございまするし、団体営もございます。会計検査院の検査を受けてみますると、工事の七、八十パーセント、多いときは九〇%が不正工事であるというような指摘を受けた例もたくさんあるようでございます。これらに、かてて加えてこのたびは、町村その他の団体資金に欠乏しておりますので、これは何といつて国家から補助をされた上に、起債で受けられる部分を加えた範囲で、いろいろな資金獲得運動に要する費用までを差加えて工事をするということに事実上なりはしないか、こういうことが私どもは非常に心配でならない。そうなりますると、工事がことごとく不十分な工事になつて、せつかく多額な費用国家がかけてくださつても、結果の上においては実に憂慮すべき問題が出て来る。そこでこの基本の大きな工事については、どうしての国営的な立場から、総合建設立場をとつていただかぬ限りは、このことはある意味においては不可能ではないか。そこで、ただいまやつていただくことは、この委員会でももちろん努めましようが、政府におかれても、どの範囲のことは国営でやる、どの範囲から先は府県営でやる、それからまた小さい部分団体営でやるというような部分を、大よそ目安を立てていただくことが必要であり、この委員会においてもそのことをすることが、これは将来のため及び国費を尊重する意味からも非常に必要だと思う。ましも貴重な大工事を非能率な団体営にいたしますと、この際失業者があつて人手が多いのでありますから、それらの人手に金を払うということになつて現代科学の助けを借りることが薄くなる、工費はずつとかさんで来る、こういうことになつて、実は建設が結果的に遅れると存じますので、この点につきましては、緒方総理及び大蔵大臣のお二人の御意見を承りたいと存じます。
  19. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 ただいまの綱島さんの御意見は、実は私自身まだ現地を見ておりませんが、実態を把握した上にそういう区分をつけることは、なかなか困難ではないかと思います。できればそういうことをやつて、この際に今のようなむだのないようにはつきりした成果をあげたいと考えておりますが、まだそこまで正直のところ決定に行つておりません。御意見のほどを体しまして、十分研究したいと思つております。
  20. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今特に綱島さんが言われた、どうも総合的にいろいろなものをやらなければいかぬということは、私どもまことにその通りと思います。ところが、そういうふうに——実は私どもの方でも資料等がそろつておりませんので、ただいまお話になつた分で言いますと、たとえば熊本県の火山炭のことも、これが農地の場合でありますと、国庫補助が約五割ということになつておるのであります。道路の場合は三分の二の補助ができるということになつておりますが、宅地だとかそのほかのものになりますと、これは今のところ全然道が立つておりません。従いまして、聞くところによれば、これは非常な大きな費用を要して、とうてい一地方負担しきれるものでもないし、個人で負担しきれるものでもないというふうに、ただいままで私どもつておるのであります。価らか特殊の措置を要するだろうと思いますが、これらの事柄は、ひとつ実情に即して、私どもの方もどういうふうにこれを実際に運用して参るか、そうして実効があがるようにして参るかということに、十分な検討をいたしてみたいと思つております。かように考えておりますので、御了承を願いたいと存じます。
  21. 綱島正興

    綱島委員 たいへんよい御返答を伺いまして、満足するわけでありますが、これは、ただいま申し上げました趣旨も、今大蔵大臣が申されましたように、実は補助率等においてもいろいろ困難なものがございます。それから土砂の排除にいたしましても、手まわしのいい人は、自分の屋敷、自分の田畑だけを、ちようど東京都の戦災の跡のごとくによその土を持つて来る。そうすると、そこは二重の手間がいつて、この人は経済的にはよそよりは二重にかかる。補助をもらつても、よそに比較すれば半額もらつたことになる。非常な不公平が起ります。なおまた海岸から近いところの方は早くできる。海岸から離れておる遠いところは非常に縁遠い。もしもこれを川底の中にほうり込んだといたしますと、これはゆゆしい問題に相なりますので、かような点を総合して、税制の考え方補助考え方、実際の工事進行考え方等からお考えくださつて、この際はぜひともこれは総合計画を立ててもらいたい。そういうことを切望にたえないのであります。このことこそは、このたびの災害基本的に片づける基本線の確立である。従つて、あらためて役所をお持ちになること等は御困難かもしれませんが、他の役所からのそれぞれの方に御出向を願つて、そうして総合的の活動をこの委員会においてもいたすというようなことでやれば、やれぬことはない、また事務員等は専属の人をやはり相当お置きになれば、これはできるのじやないか、こういうふうに考えておる次第でございます。  なお、さしあたつてのことを伺つておきたいと思うのでございますが、それは共済の問題でございます。これは実は厚生省の御担当でございいすけれども府県で大体百分の一までは自己支弁、百分の一を越える分のみ、少額のときは半額補助してやるというようなことでは、とうてい府県財政が持たぬ。百分の一どころではない、全然共済費用も持たないような実情でございますので、この点についても特に大蔵省においては御考慮願いまして、百分の一を越えたものは給付の対象にするとかいうような特別な御配慮をお願いしたいと思うのでありますが、何らかそれについて御構想がございましようか、お伺いしたい。
  22. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 政府委員より御答弁いたさせます。
  23. 森永貞一郎

    森永政府委員 災害救助法国庫負担の基準の問題でございますが、これは地方財政全般計画にも関連した問題でございまして、災害救助費負担関係だけで即断することができない事情にあるということを御了察いただきたいと思います。今後厚生省自治庁と十分この問題を検討いたしたいと存じますが、何分にも地方財政全般の問題として考慮する必要がございますので、即時に結論が出にくいことを御了解願いたいと思います。
  24. 綱島正興

    綱島委員 ごく簡単に申し上げます。実はいろいろお伺いしたいのですけれども大臣はお急ぎのようですから、なるべく簡単にして皆さんにお譲りいたしたいと思います。  私大蔵大臣に伺つておきたいのでありますが、指定預金の件でございます。たまたま指定預金を増加していただいたりいたしましても、災害地の方では、今日の新聞なんかを見ますと、銀行にストライキができた、いろいろな問題ができておりまして、そうでなくても、どうしても銀行は貸惜しみをいたしますし、貸すとすれば特殊な筋だけにするということになつて、どうしてもうまく参りませんので、この点はひとつ、できる限り行政機構を御活用願う、その方を御信用願つて、特殊なたとえば中小企業金融公庫が成立いたしますれば、それをうんと御利用いただく、あるいは開銀の中小企業に対するわくを拡大していただくとか、あるいは農村金融公庫——これはもうすでに運用中でございますから、このわくを特に広げていただいて、特殊な指定をしていただく、こういうような線で——どうも私ども考えますのには、商業銀行というものは、どうもこういう設備は非常に手がたく引締めますことで、実は火急の間に合いかねる。また商業銀行がこういうことを一つもかまわずやられても、また困る問題で、応急処置応急処置として、特殊なお考え方をいただきたいと考えるわけでございます。
  25. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 綱島さんのお説の点はごもつともであります。そういう点を考えまして、過日十五億円を出しますときも、相互銀行とか、あるいは信用組合とか、あるいは商工中金等を経て出しておるのでありますが、今後さらに今の中小企業金融公庫ができますれば、これも近くできることでございますから、これも今後の分については利用いたしたいと考えております。なお住宅の分につきましては、特に四億円ですか、今別わくで住宅金融公庫に出しておりますから、そういう御趣意をよくくみまして、今後実際に適するように措置いたしたいと考えております。
  26. 稲富稜人

    稲富委員 大臣がお急ぎのようでありますから、簡単に二、三お尋ねいたします。  まず大蔵大臣お尋ねいたしますが先刻西日本風水害に対する対策について小委員会報告をいたし、本会の議決を得たのでありますが、これに対し大蔵大臣から、財政上の関係があるから非常に困難であるかもわからないというような御答弁があつたように思いますが、これは私は実に遺憾に存ずるのであります。私たち委員会におきましても、西日本水害実情について十分なる調査検討の結果慎重なる結論を得まして、各党の決定に基きまして本委員会決議したのでございまして、これに対しましては万難を排して、しかもそのくらいの金額は当然予備金等残り等もありますので、ぜひ応じていただくようにしていただかなければ、これに対して応ずることができないというごときは、実に委員会を軽視することだと思います。その点についてあらためて大蔵大臣から承りたいと思います。
  27. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 御趣旨の点はよくわかります。私ども委員会の御意向を十分尊重いたしております。しかしながら、財源の問題もありまして、さつき申した御要望には全部が全部応じかねるのであります。それからまた財政的にいろいろ従来の例もあつて——さつき凍霜害の例を申しておいたのでありますが、凍霜害のときは多少従来の線を乗り越えてやつたことは御承知通りでありまして、その程度のことはやりたいと思つておりますけれども、全部が全部はたしてそれをやり得るかどうかは、今検討中でございますけれども、その意味をひとつ了解願つた次第であります。
  28. 稲富稜人

    稲富委員 では、大蔵大臣にひとつ善処方を重ねて要望いたしまして、質問を打切ります。  さらに、緒方総理お尋ねいたしたいと思いますが、今度の水害対策に対しまして、すでに大野国務大臣報告の中にも、緊急措置法によつて特別法の制定の必要であることも承つております。先日来緒方総理の御報告の中にも、かような緊急の措置の必要があるということを承つております。すでに本会期も終らんとしておるときでございますので、この緊急特別措置法でも制定されるとするならば、いつそれをお出しになるかということと、さらにいかようなる種類の緊急措置法でもお出しになろうという腹案があるか、政府の御方針を承りたいと思います。
  29. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 実は特別立法を何かしなければならぬと考えておりますけれども、まだ検討中でございまして、どういう立法をするかというところまで参つておりません。
  30. 稲富稜人

    稲富委員 それでは会期中にその本法措置もおやりになるという方針でありますか、その点伺います。
  31. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 検討は急いでおりまするが、会期中に出すようになるかどうか、ここではちよつとはつきり申し上げかねます。
  32. 稲富稜人

    稲富委員 私はくどく申し上げるわけではございませんが、このたびのような非常な緊急な、しかも多くの罹災民はとほうに暮れているような状態でありますので、こういう場合におきましては、一日も早く羅災者に対して希望を与えるということが、政府としての重大なる責任であると私は思うのであります。それで、できるだけ早く、政府はいかなる方針をもつてこれに向うんだ、いかなる緊急措置によつてこれを救済するんだ、こういうような方針をおきめになることが最も必要であると思うのでありまして、私たちもまた、毎日会議をやることよりも、一日も早くそういうことを決定すること自体が必要だと思うのであります。しかも今日災害後すでに一箇月にもなろうとするようなこの期間にあたりましても、それを終らないで会期を終るというようなことでは、私は罹災者に対して非常に失望の念を生ぜしめるのではないかと思うのでありまして、こういう点に対しましては政府方針をお示しになることを重ねて希望いたしまして、これに対する政府の誠意ある立場を国民の前にはつきりしていただきたいと思うのであります。
  33. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 お話通りでございまして、羅災者がとほうに暮れるようなことのないように、緊急措置だけはできるだけ敏速に手を打つて参つたつもりでございますが、さらに特別立法としてどういうものを立法するかということにつきましては、先ほど申し上げましたように検討を進めております。ただその際に、たとえば営農資金の問題これはその中でも特に解決を急ぐ問題ではないかと思いますが、この立法をどういうふうにするかということにつきましては、今対策本部で各政党との間にいろいろ意見を伺つてまわつておる次第でございまして、これはなるべく早く措置いたしたいと考えております。
  34. 稲富稜人

    稲富委員 たとえば、ただいま緒方総理のおつしやつた営農資金の問題もそうでございますが、従来の営農資金につきましては、御承知のように政府が二分五厘であるし、農民負担が六分五厘になりますが、今度のような非常の際におきましては、農民に六分五厘の負担をさせるというがごときは不可能であると同時に、かえつて農民失望に陥れる結果になると思うのでございまして、こういうことに対しましても政府が特別なる措置をとつて、次の生産に廷身させるのだ、こういうような方向を示すことが最も必要である、かようなことも考えまして、ただいま申し上げましたようなお尋ねをしたわけであります。  さらにまた、先刻緊急措置に対しても遺憾なきを期してやつておるというような御答弁もあつたのでございますが、実は私たちは最近こういうような情報を聞くのであります。たとえば被害地の久留米でありますが、最近久留米のデパートで非常に万引が多い。その万引を調べてみますと、その盗難品というものは、零細なる食糧であるとか、あるいは零細なる肌着であるとか、子供の着物であるとか、こういうようなものが万引にかかる。その犯人を調べれば気の毒なる罹災者であつて、責むるにも責められないような人が万引をやつておるような実情であるということを聞いておるのであります。私たちは、かような実情は、これは政府を責めるのはどうかしらんと思いますが、完全なる救済方法が行われていない結果が、そういうような気の毒な結果を生み出しているのではないかということに対しましては、われわれはやはり一応考慮する必要があるのではないかと思うのであります。ただ、われわれといたしましては、そういう報告のみをもつて政府は緊急対策に対して十分の措置をやつておるのだ、これでみんなが満足しているのだというように、そう感ずべきときではないと思うのでありまして、緊急対策においても、今日行われているものにまだ足らざるものはないか、さらに将来の農業に対してどういうふうにして希望を持たせるかというように、こういうことについては早くする必要があると思うのでありまして、そういう点から申しましても、私は営農資金などの問題に対しましても、すみやかに政府方針を示していただきたい。これは次の生産に影響することでございますので、その点に対する政府の所信を重ねて承りたいと思います。
  35. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 今の営農資金立法につきましては、農林省で研究いたしておりますし、今日多分各派の政調と意見を交換しておることと思いますので、これは割合に急速に運びはしないかと思つております。
  36. 稲富稜人

    稲富委員 それから、先日大野国務大臣報告の中にも、今度の災害はやはり山林の濫伐等がその大きな原因の一つであるということをはつきり言われておるのであります。これに対しましては、現在の山林法の弱体であることに対しまして、何とかこれを強化して森林に対する計画をなさろうとする意思が政府にあるかどうか、この点を承りたいと思います。
  37. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 農林省の方でむろん研究いたしておると思いますが、私ここでちよつとお答えをする準備を持つておりません。
  38. 稲富稜人

    稲富委員 どうもお答えすることができないということですが、この際早く何とか方法を立ててもらいたいということを希望いたしまして、最後にいま一つお尋ねいたします。今度の災害の一つの原因で、御承知通りあの筑後川の大分県と福岡県の境に夜明ダムができております。夜明ダムの決壊が非常に被害を大きくしたのだということを巷間伝えておるのでありますが、これはもしもそういうことがあるといたしますと、将来のダム計画等に対する非常な支障になると思うのでありまして、これに対しましては政府がすみやかなる調査と、その原因等に対してこれを確かめてやられることが必要であると思うのでありますが、これに対して政府はいかなる見解を持たれておるか。この点をひとつお尋ねしておきたいと思います。
  39. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 夜明ダムのことにつきましては、私どものところにもただいまお話なつたような情報が参つております。しかし、これは将来関係が非常に重大でありますので、十分に研究するつもりで今調査しておることと思います。
  40. 赤澤正道

    赤澤委員 緒方総理に一言お願いを申し上げまして、御所見を承りたいと思います。なおたいへんお急ぎのようでございますので、大蔵大臣にもあわせてこのお願いをいたして、なお御所見をお伺いいたします。ただいま冒頭に、二号台風による二十八府県被害について案がまとまりまして、一応決議が行われました。なお別に、九州のあの大被害に対しましては、つとに対策本部がつくられまして、先般大野国務大臣に私質問いたしましたところ、自分の所管は北九州と山口県であるというふうにはつきり申されました。ところが、あのときの梅雨前線は、九州にあの大降雨をいたしまして、さらに五日の後には山陰方面を襲つて、さらに九州に引返しております。そのために、対策本部ができました後において、鳥取、島根両県に甚大な被害を及ぼしております。この鳥取、島根両県は、被害がむしろ九州よりは小さいのです。けれども貧弱な県でありまするがゆえに、同じ小さい被害であつても、県の財政面には非常な影響が来ておるわけであります。副総理にお願いいたしたいことは、こういうように北九州という大きな災害の陰にかくれて、あとで七月四日以降に二日間降りました雨によつて非常な被害を受けた鳥取県等が忘れられないように、ひとつぜひ善処をお願いいたしたいと思います。  それから大蔵大臣には、やはり資金の問題になります。つなぎ資金でございますが、ただいま申しましたように非常に貧弱な県で、県税収入もわずか三億であります。これは一月にでなくして年三億。福岡県は非常な災害を受けられましたけれども福岡は県税収入も年に六十七、八億もあるという非常に強力な県であります。こういうみじめな県にありましては、非常に災害が小さくてもこたえるわけであります。そういうことから血の叫びをあげて、先般も当委員会に知事も出て来て陳情いたしました。さらに本日も県会議長以下出て来て非常に陳情をしておられるわけでございますが、このつなぎ資金の面においても十分ひとつ御勘案をいただきまして九州で二十億、あるいは十億追加三十億というふうな声を始終この委員会でも聞いておる。また政府でもたいへん御心配になつて手厚く援護なすつておるのでございますけれども、こういうあとで来た県につきましても十分ひとつお考えを願いたい。さらに、この査定ができなければといつたようなことも聞くのでございます。このことについても、本委員会でたびたびあの九州の災害の直後に論ぜられた問題でございます。こういう財政の非常にみじめな県でございますから、やはり九州に準じまして、とりあえずいる資金だけはぜひお考えいただくように、切にお願いをいたす次第でございます。これにつきましてもひとつ御所見をお伺いいたします。
  41. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 大野現地本部長の仕事の所管はただいま御指摘の通りでございますが、中央にあります西日本災害対策総合本部というものは、名前はそのままになつておりますけれども、鳥取、島根両県下の災害のことについても取扱つておりまして、刻々に県庁との連絡もいたしております。それから、まだ災害救助法が発動になつていないかとも思いますが、すべての災害に対する見方につきましては、西日本の場合と少しも不公平な扱いはしていないつもりであります。
  42. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今お話のつなぎ資金の問題でございますが、まだ十分私どもは資料が整つておりません。鳥取、島根、愛媛の三県が、やはり同様つなぎ資金の問題が生じていることを承知いたしておりますので、これはつなぎ資金の性質上なるべく早く処置いたしたい。かように考えている次第でございます。
  43. 赤澤正道

    赤澤委員 ただいまの私のお願いに対しまして、御同情あるお答えをいただいたことをたいへん感謝いたします。この窮乏せる置き忘れられた県でございますから、どうか将来もあたたかき御同情のもとに御考慮くださいますようお願いをいたします。
  44. 井手以誠

    ○井手委員 今日まで私どもは連日委員会を開いて緊急対策を練つておりますが、かんじんの副総理大蔵大臣が見えませんので、対策が立たないで非常に弱つておりました。それに加えて大野国務相は、万事金だ、従来のわくは突き破つて特別の対策をしなければならぬ、おれにまかせておけということで、罹災者も非常にこれを力強く感じておつたのでありますが、さてこの委員会に臨みますと、災害救助法は改正する意思はないかのごとき答弁もありますし、あるいは予算措置においても、現在の百億の災害費をもつてやり、足りないところを補正するというような御答弁もあつたのであります。非常に失望を感じておつたのであります。そこで、幸い副総理大蔵大臣もお見えにつておりますので、政府のまとまつた御意見をこの機会に承りたいと思います。  政府は、今日までの地元の切なる要望によつて、三十億の緊急融資を行つておるのであります。ところが、それで足りないことは申すまでもないことであります。被害各県の要望として、本年度中には三百五十数億の復旧資金がいる、その中で、特に台風前に復旧工事をするためにはどうしても百五十億の金がいる、現在まで三十億のつなぎ資金が融通されておるので、あと百二十億はどうしてもほしいという切実な訴えがあるのであります。この残り百二十億が正しい必要な数字であるかどうかの点については別といたしまして、とにかくあの大水害に対する緊急措置としては相当額の緊急資金が必要だと考えるのであります。この緊急融資につきまして、政府はどのくらいいつごろお出しになる予定であるか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
  45. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 いわゆるつなぎ資金は、三十億円出したことは御承知通りであります。そのうち二十億円がすでに各県に配分を終つております。十億円は近く配分を了するものと思います。その場合さらに相当不足するのではないかというお話でございますが、これは私ども、まだ正確な数字に接しておりませんので、何とも申し上げかねるのでありますけれども、先般大蔵省から行つた者の見方によりますと、大体つなぎ資金はこの程度じやないかというようなことを申しておりました。しかし、さらに実情に即して考えることにいたしたいと存じております。災害対策の予備費は今年百億だけではとても足らぬのではないか。百億という金は実は国の金ですから、相当いろいろ査定も加えまするので、今申し上げた通り、凍霜害等のような場合にもよほどわくを広げておりまするけれども、かなりな金額であります。従いまして、調査の結果どう不足するかということは、まだ私ども見きわめかねておるのでありまして、もしもこれが不足するようなことがございますれば、これは財政措置を講じなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
  46. 井手以誠

    ○井手委員 災害が発生してからすでに二十日近くになつておりまするし、現地から大野国務大臣もお帰りになつて報告があつたことと思います。また罹災地の代表者から切実な御要望があることと思うのです。すでにかなりの対策が立つていることと思います。災害対策について正確な数字がつかめないという、そういうゆるやかな事態ではないのであります。三十億では足らないこともはつきりいたしております。そこで私は、緊急融資の点についてさらにお尋ねしたいのでありますが、これに関連いたしまするので、予算のことについてお尋ねいたします。政府は、この大災害に対して、二十八年度予算に——ただいま自由党、改進党の予算修正が進んでおるようでありますが、もし政府が熱意をもつてやるとするならば、私はその修正案に災害対策費を盛るべきではないかと考えるのであります。この点について緒方総理はいかにお考えになつておりますか、お尋ねをいたします。
  47. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 改進党と自由党の間に予算の修正について協議を進めておりますことは、今お話通りであります。災害対策予備費につきましては百億ありますので、まずそれで処理がつくのじやないかという見当で、その場合に新たにそれをふやす措置はとられていないようでございます。
  48. 井手以誠

    ○井手委員 ただいまの御答弁は何かお聞き違いかと思います。この災害を受けた福岡県出身の緒方総理のお言葉としては受取りかねる。二十八年度予算に計上された百億というのは、あのかつてない被害を受けた水害のことについては考慮していないはずです。これは平年度の場合に備えた費用だと考えるのであります。そこで私がお尋ねいたしまするのは、もし緊急融資も簡単に行かなかつたら、しかし行かないといたしましてもあの災害に対して何とか緊急に処置しなくてはならないという考えであるならば、せつかくの予算修正の機会でありまするので、それに盛るのがほんとうじやないか、つまりその御意思があるかどうかということをお尋ね申し上げているのであります。
  49. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 災害対策予備費は、今御批評がありましたが、凍霜害対策の五億でございましたか、あれ以外にまだあまり使つていないと思います。それで将来あらためて措置をせねばならぬ場合が出て来るかもしれませんが、今までのところはそれで一応の手当がつくと考えております。
  50. 井手以誠

    ○井手委員 そういたしますと、六月、七月の暫定予算にありまする約二十億くらいのあの予備金、あれから凍霜害の五億何千万円出してありまして、二十何億円残つている。それに今度の災害対策の予備金百億を加えまして、大体そのくらいの金が残つておると思う。それでは、この大水害に対しまして、一応その金でこの夏の応急工事をやるのにまかないがつくというお考えでありますかどうか、お伺いいたします。
  51. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 足りなければまたあとで考えて措置をしなければなりません。それから金融面において、融資の面においてやり得ることも相当多いと考えております。
  52. 井手以誠

    ○井手委員 きわめて重大な発言だと思う。私は何かのお考え違いじやないかと思う。あれだけの大水害を受け、六十年ぶりとか二百年ぶりとか申しますし、また政府もわざわざ九州に現地本部を設けられるという熱意を示されておるのに、平年度を考えて計上されたあの災害対策の予備費でまかなおうというお気持は私はわからない。おそらく何かの考え違いじやないかと思う。ひとつこれは重大な点だと思いますから、もし今のような御答弁がこのまま伝えられるならば、罹災者は、大きな失望を感ずるどころか、憤激を覚えるだろうと思う。そういう答弁については慎重にやつてもらいたい。私はそれを何も責めるつもりはありませんが、もつと慎重な親切な御答弁を求めたい。
  53. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 副総理のお答えは、大体差向きいるものとしては百億計上しておるからという意味だと存じます。また従来は、災害に対してそう大きな百億というものを計上したこともなく、また入り用になつたこともありません。たとえば今お示しになつたように四、五、六、七に三十億円計上しましたけれども、しかしわずかに五億円ちよつとしか使つておらぬというのが実情であります。従いまして、今度の風水害は非常に大きいことは私どもよく承知いたしておりますが、これで足りません場合には、適当な財政措置をとる、このことは当然の含みとして緒方総理は御返事に相なつておる次第でございます。
  54. 井手以誠

    ○井手委員 もうすでに現地各機関からの報告があつたことと思いますが、その報告によりますと、大体まかないがつくかもしれない、しかし足りない場合には補正予算を提出するというお考えのようでありますが、私は根本的な考えの違いになりはしないかと思う。台風前にまたあのような大災害を阻止するために、ある程度応急工事をやらなければならぬという場合に、足りなければ何だというお考えは、あまりあの風水害に対して認識が足りないのではないか。あるいは、百億というものはあの大水害を予想しなかつたものだ、またさらに考えれば、今後また起るかもしれない。——現に起つておる。起つてから二十日も過ぎておるこの災害に対しては、当然予算的措置をしなければならぬ。足りなければ補正予算を提出する、というお考えは間違いだと思うが、ほんとうにさようでございますか。私は重大な点でございますので、繰返しお尋ね申し上げます。
  55. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これは、あなたもよく御承知のように、たとえば凍霜害というものは百億以上を越すと言われておりましたが、実際問題としたは五億で済んでおるということも御承知通りであります。国としてもやり得る限度というものがやはりございます。従いまして、まだ正確な資料はそろつておりませんが、百億という金でいろいろな処置がとれるのでありますから、それでとり得る道が立ちますれば、それはそうすると申しておるのでありまして、百億に限るということを毛頭申し上げておるのではないということは、よくおわかりがいただけると思うのでおります。
  56. 井手以誠

    ○井手委員 それでは、あの水書に対して、予算的には特別に対策を講ずるというのではなしに、あの予備費をもつてまかない、足りなければ補正予算を提出するというお考えでありますか。くどいようですけれども、重ねてこの点を確かめておきたい。
  57. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 特別に考えるものはもちろん特別に考えなければなりません。しかし、普通の措置で足るものは普通の措置で行くのが、これが普通でございます。しかしそれが、今申し上げる通り、どういうものかという原案ができておりません。それについて、たとえば河川についてどうしてくれとか言つて出たものは、すぐ処理しております。たとえば、直轄河川について仮締切りをするから金を出してくれというので、予備費から六億円出しました。さらに本締切りをしるから出してくれというので、四億円出したことは御承知通りであります。そういいぐあいに実際問題が起つて参りませんと、ただ非常に大きなものだ、それに対してはどうかということではちよつと御返事できかねるのでありまして、たとえば金の面で今の営農資金で足りる分もございましよう。また補助金で行かなければならぬ場合もありましよう。そういうことですべてが一体としてものを考えなければなりませんので、私の申し上げておる意味は、その点の御了解を願つておる次第であります。
  58. 井手以誠

    ○井手委員 もうずいぶん日にちもたつておりますので、私は資料も相当できておると思います。なるほど一々各河川や道路について査定した金額がまとまるとは考えておりませんけれども、あの惨状を見ますときに、またおそらく九月には台風も予想される。その前には、やはり応急工事はどうしてもやらなくちやならぬ。また耕地関係において、井堰その他はこれを完成しなくては、無理算段して移植した水稲についても水がかかるということになる。だから井堰その他については、工事をどうしても八月までにやらなければならない。それには、各府県要望によりますと百五十億いる。それに対して三十億もらつてありますから、あと百二十億はどうしてもいるというぎりぎりの数字が出ておるのであります。この数字は何日か前に出ておる、政府においても当然これを検討されておることだと思うのであります。まだ研究しなくちやわからないというようなことではいけない。どのくらいの数字政府でそろつておるか、各省別にいろいろな被害調査ができて参つております。ここに私持つております。農林省は農林省で本年度はどのくらいいるという数字がある。従つて本部としては、すでに各省から集まつた復旧費、本年度三割なら三割という復旧費というものが集まつておるはずだと思う。従つて、大体本年度はこのくらいを要するという見当はつけねばならぬ。またついておらねば私は怠慢だと言いたい。目の前に戦々きようきようとして、いつ豪雨が降るか、あるいは台風が来るかわからぬという不安な状態において、かような数字もまだつかめないということでは私は怠慢だと思う。
  59. 村上勇

    村上委員長 ちよつと井手君に申し上げます。両大臣とも参議院から数回交渉に来ております。四時十分前までしかおられませんので、あと通告が七人ばかりありますから、ぜひ要点だけ……。
  60. 井手以誠

    ○井手委員 簡単に申し上げます。それでは百歩を譲つて、現在提出されておる百億くらいの予備費をもつてまかないきれないということが近々の機会にわかるといたしますれば、補正予算を今国会中に提出なさる御用意があるかどうか、そのお考えがあるかどうか承つておきたい。
  61. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これはただいまのところ御即答いたしかねますが、必要がある場合には補正予算を何ときでも組まなければならぬ、かように考えております。但し、今ちよつとお話を伺つておると、百五十億ここに金がいるから、すぐ百五十億出さぬかというようにうかがえる。これは私が耳が悪いからそううかがえるのかもしれませんが、国としましては、その百五十億いる金のうち、地方でいわゆる起債をするとか、いろいろなものもありましよう。また国として一時的に融通をするものもありましようと思いますけれども、いわゆるつなぎ資金的に将来補助金出し得るものは、これはよほど非常の措置をとつてもきまつております。百五十億金がいるから百五十億全部金を出すというわけでありませんので、百五十億のうち国が幾ら出すかということなんです。その国の出し得るものに対して、将来もとしてもらうということでつなぎ資金を出すわけなんですから、このことはよく御了解を願わぬといけません。向うの方で言つておるのはその通りだと思います。百五十億いる。それはその通りと思います。それは地方の方でも調達し、いろいろやるのであります。国の方でもいろいろな措置をとりますけれども、いわゆるつなぎ資金と申しまして、補助金を出すときに返つて来る、もとしてもらう、それがつなぎ資金でありますから、この点に誤りないように——百億出すということは、百億の金は予備費にございます。ございますけれども、それで全部足りるかどうか、これは、今申し上げた通り、よく実情を見なければわかりませんけれども、もし足りぬようなことがございますれば出しますが、ただ私がちよつと考えましたところでは、百億の国が出す補助金が実際いるかどうかということについては、私はまだ自分の胸にはしつくりと来かねます。
  62. 井手以誠

    ○井手委員 もちろん私もつなぎ資金の性質についてはおぼろげながら承知しておるのであります。さらにまた、地方が言つて来たからその金額をそつくり出してくれということは私は申しませんが、あの水害応急工事には相当な資金がいる。各県の財政はからつぽのように私は承つております。一銭もないとは思つておりませんけそども、からつぽのような状態であると聞いております。その場合に、地元に金がない、あの三〇億ではどうしても足りないと言つておる。その場合に、御答弁のようになりますと、幸い七月末までに予算が成立いたしましても、それまでの必要な費用に非常に困るわけであります。何よりも今のところつなぎ資金の追加が必要であると考えますが、その必要なつなぎ資金について今後追加されるお考えがあるか、地方のこの切実な要求に対してただちに検討を加えて、ここ何日かのうちにさらに追加しようという考えがあるか、その点を重ねてお伺いいたします。
  63. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 検討は十分加えます。検討は十分加えて適当な措置をとりたく考えておりますが、さつきちようと申し上げた通り、ただいままで配分てしおるのは二十億。これは配分したあとまだ現実に使われていない。使われておる部分は、そのうち若干だろうと思います。さらに十億あります。これは近く配分を了します。そうしてなお二週間のうちに足らぬことが起つて来るかどうか、こういう問題なのでありますが、私はどうもさようなふうには考えません。しかしそういうことが起つて参りますれば、これはまた適当な措置をとることにいたします。
  64. 井手以誠

    ○井手委員 もう一点お伺いいたします。お答弁によりますと、空腹な者にうどんを一筋ずつ与えるようなかつこうであります。非常に困つておる点につきまして、さらに御調査を願い、必要な融資をいたされますように希望いたします。御答弁にいろいろ不滿はございますが、今日はお急ぎのようでございますから、明日また委員会があればさらに御出席を願いまして、さらに御相談をいたします。  最後にお尋ねいたしますのは、大蔵大臣がお考えになつている以上に地方実情はひどくて、どうしても緊急百億なり、それ以上の金がいるという場合に、財源について御用意があるかどうか、この点をお尋ねいたします。
  65. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 国家財源はきわめて緊迫しておる際でございますけれども、一方そういつた緊急の事態でございますれば、さらに財源検討してみます。ただいまのところ、ここに財源ありと申し上げるような手持ちの財源はございません。
  66. 井手以誠

    ○井手委員 ただいまのところ、どこからどうということはないけれども、見つければあるというふうに解釈してよろしゆうございますか。
  67. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 それは検討してみなければわかりません。
  68. 滝井義高

    滝井委員 ただいまの大蔵大臣と井手委員との応答の状態を聞いてみますと、政府は、大体二十八年度の本予算が通るならば、百億の災害予備費があるので、現在の山口並びに九州の災害の状態から考えて、大体この災害予備費百億でまかない得るだろう。補正予算は現在の段階においては組まなくてもいい。自由党並びに改進党の予算の折衝の過程においても、従つてこの百億を修正する必要はない。こう一応現在は考えられるが、こう理解してさしつかえないですか。
  69. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 自由党と改進党との折衝は、まだ詳しく私知つておりません。私が聞くところによれば、別にこの災害予備費を増額する、こういうことには聞いておりません。また今まで新聞に出ておるところも、そうなつておらぬことは御承知通りであります。  補正予算については、ただいまのところは、その必要はないと思いまするが、しかし検討の上、その必要が生じましたとすれば、これは補正予算を組む以外になかろう、こう申し上げておるのであります。
  70. 滝井義高

    滝井委員 必要が生ずれば、という仮定でなくして、現実にいろいろ統計が集まつておるわけなんですから、その集まつておる現実の統計のもとにおいては大蔵大臣としては必要がない、こう断じておるのかどうかということなのでございます。百億でまかない得るという一応の認定に立つておるか、こういうことなのです。
  71. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ただいままで私どもの聞いておるところでは、大体これで行けるんじやないか、大体と申しますが、大体行けるんじやないかというふうに考えております。
  72. 滝井義高

    滝井委員 次に、緒方総理にお伺いしますが、先般来、私はこの問題については緒方総理お尋ねしたことがあるのですが、現在、たとえば熊本における中小商工業者、あるいは福岡、山口における労使双方の責めに帰せずして休業しておる炭鉱、これらの人々の生活の問題でございます。何らこれらの人々は生活の道がなくて困つておるのであります。先般私はこの問題について、厚生大臣にも、通産当局の方にも、大蔵の方にもいろいろお尋ねをいたしたのでございます。ところが、各省ともこれに対して明確な答弁がないのでございます。当然これは、現在災害救助を現実に望んでおる学校あるいはお宮、お寺等へ同居しておる人も相当あるのでございますが、これらの人並びに中小以下の炭鉱の企業、こういう人たち対策は大体どうするつもりなのか。これらの者は生活扶助の対象にもならないし、あるいは失業保険の対象にもならないのでございますが、これらの人々には何ら国家救済の手が差延べられていない。でありますから、それらの所管に関係のあるであろうと推定せられる省に尋ねても明確な答弁が得られない。ひとつこれは、当然東京における総合本部長の緒方総理に、責任ある答弁をここでぜひお願いをいたしたいと思います。
  73. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 政府で今の中小炭鉱の被害状況を調べさせましたところでは、現地から参つておる情報とちよつと違うところがあるかもしれませんが、水没した炭鉱が九十八、労務者が一万一千二百六十人ということになつておりますが、この賃金を一人一万二千円といたしまして一箇月の労賃が一億三千五百万円余になります。今お話がありましたように、中には銀行の取引がないとか、あるいは中金等の融資対象にもなつていないというものがありまして、これに対して特別金融措置を講じなければならないので、これは今どういうふうにすればいいかを大蔵省との間に研究中でございます。  それから、いろいろな住宅問題等につきましては、仮設住宅単位一万円を一万二千円にふやすとか、あるいは全壊、流失家屋数の市では一割を二割に、町村では二割を三割にふやして補助をする、あるいは第二種の公営住宅千六百戸の国庫補助二、三億円を支出する、あるいは住宅金融公庫の特別のわく四億円を設定いたしまして、これはすでに申込み受付を開始していると思いますが、そういう方面におきましても、できるだけ災害者の救助に敏活な対策を講じたいと思つておる次第でございます。
  74. 滝井義高

    滝井委員 どうも緒方総理の御答弁はピントが狂つておるので、問題は今言われた中小炭鉱の一億三千五百万円ですか、こういうものは現在大蔵省と研究中だ、どこに尋ねても研究中だと言われる。どこかで責任を持つてそういう問題はこうやるのだということをやつてもらわなければならぬ。こういう災害勢常時ですから、非常時には非常時の対策がなくてはならない。ところが、どこの省に尋ねても研究中研究中ということなのです。もうすでに災害が起つてから二十日になります。ところが、それが二十日にもなるのに、まだ研究中だ研究中だと言われるわけなんです。あるいは今の副総理の言われた住宅の一万を一万二千にする、全壊流失の引上げをやるということは、災害救助法の改正でわれわれはちやんとわかつているわけなんです。わかつているわけですが、研究中のものを早く手を打たなければ——国民は生きておりますから、生きておるものは食わなければならぬ。食うためには当然やはり食わせるだけの処置を講じてもらわなければならぬ。この問題は一週間も前に副総理に説明を求めたのです。ところがそのときは、いずれこれは研究してお答えしますということだつたが、きようはまた大蔵省と研究中だということで、政府のこの九州の災害に対する怠慢ぶりというものは、まつたく驚くにたえたりと言わなければならぬと思います。これはどうもはつきりした御答弁をもらわなくちや、われわれは満足することができません。
  75. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 政府委員から答弁いたさせます。
  76. 久田富治

    ○久田政府委員 ただいまの御質問の旨につ趣きまして、あるいは補足できるんじやないかと思いまして、私から答弁申し上げます。  炭鉱の問題につきましては、現在では通産省の石炭局で中心になりまして検討を進めております。比較的具体的になつて参りまして、現在の状態では炭鉱融資をいかにして借りやすくするかという条件の問題にまで入つて来ております。ただ、予算的措置を伴いますので、この点を突き進めて行きますと立法措置にかかりますので、先ほど緒方総理から申し上まげした通り、その立法措置につきまして技術的にどうするかという点について、本部と各政党の皆さん方との間でただいま緊急に打合せ中でございまして、了解ができましたら、その立法措置ができるんじやないかというように考えております。
  77. 滝井義高

    滝井委員 どうもそれは見当違いであつて政府の考える石炭対策というものは主として大手筋の炭鉱、たとえば縦坑を掘る融資というようなものが政府基本対策であると思う。現在われわれが問題にしなければならないもので、今度の豪雨によつてやられているのは大手筋というのは少いわけである。主として租鉱権者が多く、中小以下のところが多い。これが二百九十ある。それの労務者が二万人以上ある。ところが、それらは現在政府融資の対象にならないものであつて政府がつなぎ融資しようとしても、財力が悪くて銀行と取引もないという非常に零細なもので、政府融資の対象にするようなものではないわけである。そういうものが二万も勤労者をかかえてどうしようかと迷つているのであつて従つて、これはこのままほうつておけば、それらの炭鉱というものは坑木代も払えない、労務者の賃金も支払えません。あるいは借りておつた金も一切払わないでどこかへ行つてしまう。そうすると、困るのはその炭住に住んでいる労務者たちで、そこから社会不安が起つて来る。こういう問題をどうするかということを、私は一週間ばかり前から御質問している。熊本あたりの中小商工業者は、商品など水に流されてしまつてどうにもならない。商売も何もできない。あるいはサラリーマンでも、会社が流れてなくなつてしまつて、勤めをしようと思つても勤め場所もない。これをどうするかということである。これは生活保護法にも失業保険にもどつちにもかからないので、これをどうするかというので、これは数にすればおそらく三万かそこらの少数のものだと思うのです。そういうものに対する対策政府に早くとつてもらわなければならない。ところが厚生省も通産省も——農林省はきのうはこういう答弁をしておりました。農家で田も流され家も流されてどうにもならぬ人は、優先的に失業救済の事業に持つて行こう、こう保利さんは答弁しましたが、そういう答弁でお茶を濁している。ところが、炭鉱あたりやあるいは中小商工業者について、政府はまつたくここで明確に答弁をしていない。これはこれ以上つつ込んでも何でしようから、ぜひ緒方総理の方で、内閣として、これは積極的な責任ある対策をひとつ立てていただきたい。これをまず要望して、次の質問に移ります。  次は、政府の統計の資料の問題でございます。現在政府はいろいろな対策を立てるには、大体どこの統計を主眼にしていろいろの予算上の措置を講ぜられるか、これをまずお聞きいたしたい。
  78. 森永貞一郎

    森永政府委員 予算上の措置につきまして目下使つております資料は、農林省と建設省が各府県から集めました被害報告補助河川の災害等についても被害報告がありますが、それを基礎にいたしております。被害の総額は五百四十億ということでございますが、これは従来の経験に徴しまして、今後行われます実地調査の結果相当減少するわけでございますが、この減少歩合等も考慮に入れ、また初年度にどの程度工事を施工するかという点についての考慮も加え、国と地方負担との配分も考えまして、とりあえずの点といたしましては、つなぎ資金出して行くという段取りになつております。
  79. 滝井義高

    滝井委員 いろいろの予算上の措置をする場合の災害統計というものは、府県から出て来たものを大体尊重してやつておる、こういうことに理解してさしつかえありませんか。
  80. 森永貞一郎

    森永政府委員 被害調査につきましては今後査定をすべきものでございますので、つなぎ資金等を出す場合には若干査定を加えておりますが、もとの調査といたしましては、農林省の報告建設省の報告そのものを一応見ております。
  81. 滝井義高

    滝井委員 次に、大蔵大臣お尋ねしますが、現在平衡交付金が千二百五十億今年の予算に組まれておる。今度の災害によつて山口県並びに九州の五県で財政負担が増加するであろう額が百三十三億円、これは自治庁が正確に昨日報告したものであります。そうしますと、その千二百五十億円の平衡交付金の中で、特別平衡交付金というものは、災害県に行くものは十億しかありません。そうしますと、現在十億のうちもう五億が行つておりますから、残るところは五億なんでございます。そうしますと、九州においては、国税局その他においても今度相当の減税をやる、税の払いもどしをやる、炭鉱その他がつぶれることによつて、市町村の鉱山税も減る、あるいは府県においても、有力な財源である入場税とか遊興飲食税というものも減つて来るというような可能性が非常に出て来るわけです。そうしますと、現在の段階で、これを常識的に考えて、あと残り五億だけの特別平衡交付金で、いわゆる北九州の今度の水害をまかなうということは、これは少し私は酷ではないかと思うのです。この点について、さいぜん百億の予備費のときにはなかなかがんばられましたが、この平衡交付金も、その十億というもので行くと言われますかどうか、この点についてこの際はつきり言つておいてもらわぬと、地方の自治体では、もうあと平衡交付金がもらえぬということになると、災害復旧その他に非常に金を出し渋る。出し渋るとなると、一番不幸を見るのはその災害を受けたところの県民であり市町村民でございますから、この点ひとつある程度の見通しと申しますか、もうすでに自治庁は百三十三億の財政負担が増加すると言つておられるわけなんですから、そこの点を伺いたい。
  82. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 実はまだ調べておるところで、結論を出すところまで参つておりません。今官房長の方で検討しておられるのではないかと思いますので、そういうものが出ればお答え申し上げます。地方自治庁が一応算出されました百三十億の数字につきましては、本委員会に出席しておりますときに、自治庁長官がお述べになりましたのを伺つたのでございますが、事務的にはまだ連絡がございません。大蔵省といたしましては、まだ検討するいとまがございません。しかし、この前伺いましたところによりますと、百三十億のうち五十億が収入減、残りが支出の増でございましたが、この支出の増に見合うものといたしましては、災害国庫補助並びにそれの裏打ちになる地方起債が見込まれるわけでございまして、それらを考慮に入れました場合に、地方財政計画全体としていかなる数字になりますか、これは十分検討しなくてはならないと思います。百三十億の数字そのものが、あるいは五億円引きましたそのままが赤字になるということではないのではないかと考えております。
  83. 滝井義高

    滝井委員 どうも大蔵省がさいふのひもを絶えず締めるので、地方自治体の財政赤字というものは永遠に続いておるわけであります。こういう災害のときはひとつ思い切つて——地方財政平衝交付金というものは特殊なものでございますので、大蔵省としてもある程度の総力を持たせて考えていただくことを要望いたすと同時に、大蔵省としての正確な数字を的確に打出していただきたいと思います。その点を要望して私の質問を終ります。
  84. 中村英男

    ○中村(英)委員 私も三点ほどお伺いしたいと思つておりましたが、すでに第一点は赤澤員員から質問されましたので、重ねては質問いたしません。また梅雨前線の移動によつて起つた地域についても、つなぎ融資その他についても同様に取扱うという非常に御同情ある御答弁をいただきましたので、その問題もお尋ねいたしません、ただ一点お願いをいたしておきたい点は、事務当局の方でつなぎ融資の問題をかれこれ計つておられる点があるそうですからその点につきましては、大臣から事務当局の方へ御伝達を顔いたいと思います。  次に伺いたい点はは過年度災害が毎年異積しまして、今度の災害を大きくしておる点も見逃のがすわけには行きません。そこで、今度の災害を機会に、国におきましてもおそらく今の財政規模ではこういうような大きな災害はなかなか取扱いにくく思つておるから非常な議論が起ると思うのです。これはやはり国の財政規模をかえるか、あるいは何か特殊な措置を講じないと、なかなか先行きうまく行かないのです。そこでお聞きしたいのは、公債その他何か違つた方法をもつて、今度の災害に対する基本的な対策を立てる用意があるかどうか、その点を伺います。
  85. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 公債によつてやるというようなことは、いまのところ考えておりません。さつきお話申した通り、鳥取、島根等については、今つなぎ融資を特に考えますから御了承願つておきます。それで私どもは、あるいは風水害地帯に対する災害保険。これが現在百二十八億ぐらいの程度に達しておるかと思うのでありますが、これをももう少し普及さすようなことに持つて行くことが割合にやりやすいのじやないか、こういうふうにも考えております。しかし、それだけでも足らぬでございましようから、一ぺん総合的に、——こういう問題が起るごとに考えるのでございますか、なお、この大きな災害が起つたあとでございますから、各省とも打合せまして、総合的な対策を立ててみたい、かように考えておる次第でございます。
  86. 中村英男

    ○中村(英)委員 今度の災害もすでに二十日になんなんとしております。私ども現地に調査に出まして緊急災害対策法による程度緊急措置では、万遺漏ないとは申し上げませんが、政府も相当強力に推し進めておいでになり、その地方における治安も相当確保されておりまするが、今滝井氏が指摘されましたように、炭鉱の問題におきましても、おそらく現状では、大手筋の方でも操短して行きたいという時期であるから、中小の炭鉱は非常に困つてつて、これ幸いだというような気配もないではない。そういうような問題から派生して来る労働者のいろんな問題もございますし、さらに平坦地における災害、これは当面の苗を段取りするという手はつきましたけれども、さてそれではこれから早魃に対して井堰を流すというような問題は、これは将来の基本的なものと関連させながらやつて行かなければならぬ問題もなろう。さらに山岳地帯の災害におきましては、御承知のように土地もろとも持つて行かれておるという状態でございますから、これは、農林大臣が申しましたように災害復旧に関連させながら生活を維持改善して行へということが基本的な対策でありましようが、そのことも十分なされておりません。九州における災害は、私どもの見るところでは、政府が十分誠意を持つてつておられるにもかかわらず、持たれないように見える点があるのは、その災害が起きてかわからぬのですから、やはりをつくつたことに基因しておる。そのことはいつどこてこういうような災害が起るかわからぬのですから、やはりこの機会に総合的な機関を設けて、これに対する基本的な対策も立てなければならぬ、こう思つております。特に今度の災害におきましても、測候所にしても災害そのものに直結しておりません。そういう点から考えても、すべてのものが災害に直結して速急にこういう基本的な対策が講ぜられるようにするためには、どうしてもそういう総合機関が必要と思いますが、そういう点についてもしお考えがあれば、お漏らし願いたいと思います。
  87. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 今回の災害が前例のまれな非常に大規模なものであるので、何か総合機関を設ける気はないかという御質問のように承つたのでありまするが、総合機関をつくりますと非常にいい点もありまするが、また各省との連絡を悪くする点も、従来の例にかんがみましてないとは言えないのでありまして、今のところは、現在の対策本部で、現地からの要請、情報等に応じまして、時期を失わないように各省の間の意見を交換し、結論を得ることで、さしあたり不都合を感じていないので、ただいまのところはまだ総合機関をつくるまでの考えになつておりません。
  88. 徳安實藏

    徳安委員 九州の災害が非常に多かつたので、今月に入りましてから被害をこうむりました各府県では、先ほど赤澤委員が申されたように、多少まま子扱いを受けるのではないかというひがみ根性を持つておつたのでありますが、先ほど緒方総理から政府の所信を伺いまして、おそらくは各関係県民ともに、そうしたひがみ根性の当らなかつたことをさとつて非常に喜ぶだろうと思います。それにつきましても私は大蔵大臣にこの際伺いたいと思いますが、先ほどつなぎ融資お話もありましたけれども、鳥取、島根のごときは非常に貧乏県であります。同じ県であつても、金のある県と、その日暮しで、きよう失職すればあしたから食うに困る、首をつらなくちやならぬ、こういうような県とは、同日に論じてはならぬと思います。鳥取県のごときはほんとうに貧乏な県で、明日の財政にも困つているような状態であります。災害をこうむりましてからすでに十日になります。つなぎ資金に対して県から申出をしておるようでありますが、まだ快い御返事をちようだいしていないそうであります。本日も心配をして御返事をいただきに県の方から出て来ておるわけでありますが、こういう問題に対しては長い時間を要さぬと思いますので、今伺いました緒方総理のお気持並びに大蔵大臣のお気持によりますれば、きようにでも鳥取、島根のごとき貧乏な県については最大の御考慮を願つて、そうして御返事をいたがければどんなに喜ぶかと思うのであります。鳥取県のごときも、農林関係は、ちようど田植の終了しました直後のことでありますので、貧乏な県といたしましては、あのつなぎ資金を受ければすぐ助かるので、今か今かとその電報を待つているような次第であります。願わくは本日この席で、きようにでもあすにでも考慮を払つてやるという御言明をいただければ非常にけつこうだと思います。
  89. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 実はまだ大蔵省の方に対しては、率直に申し上げますが、向うからの数字がそろつておりません。しかし、御事情はよくわかりまして、およそのことは見当がつきますし、つなぎ資金もありますので、早急の措置をとりたいと思つております。
  90. 受田新吉

    ○受田委員 緒方さんに先にお尋ねして、あとから大蔵大臣にお伺いします。今まで質問されたことに少々関係することでありますが、この災害対策の総合的国家機関を設けるということに対しては、私も強力にこれを主張したいのであります。何となれば気象の速報というような問題が非常に等閑に付されておつて災害地の山奥の村などは、ここへいつ大量の雨が降るというようなことの連絡がとれない。その村が孤立して非常な災害を受けているのが中央へ報告できないというような事態が、九州の山奥には各地に起つておりました。その際携帯無電機のようならば、ここに何名孤立している、この村はこういうふうな状況だという連絡がとれるのであるがという、悲惨なる報告を私たちはしばしば受けたのでありますが、こういう気象の速報機関というようなものまでも、災害対策に十分これは動員しなければならぬと思います。従つて、そうした測候所、気象台、あるいは今回の災害には関係ないのですが、火山とか地震とかいうような研究所、そういうようなものも動員をして、災害対策の機関の一部とする。さらに保安隊、警察・消防というような機関を人命救助等に最大限に動員するという方面、あるいはこれは一例で、遠賀川の一番大きな決壊箇所は、その底を坑道が通つてつて、それが上の建設省の河川改修とは関係なく仕事が進められておつたというようなことを、地建の代表からも聞いたのですが、こうした建設省と通産省との関係を密接につないで行つて災害を防止するというような対策と同時に、災害復旧対策を立てるような機関を設けたらどうか。今大臣の御答弁の中には、かえつて害もあるというお言葉があつたのですが、もつと大きな角度から災害対策総合機関を設けたらどうか。特に戦争以来数年間というものは、盛んに濫伐をやつたためにはげ山が多くなつて、その切つた木の根もようやく腐つて、土地が非常に軟弱になつておるというような関係から、今後いつどこへ災害が起るかわからぬ状態なんですから、あとを追つかけて行くのではなしに、当面に起る重大な災害に対する対策を立てるためにも、応急の予算措置と同時に、そうした組織的な国家機関を設ける必要があると思うのですが、大臣としてはどういうお考えを持つておられるか、重ねてお伺いいたしたいのであります。
  91. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 台風第二号のときに、天気予報が間違つて、そのために被害が一層大きくなつたというようなことも、実は現地からの情報として承つておりますので、災害を未然に予知してそれに対する対策を講ずるというようなことにつきましては、今お話なつたような総合的な対策機関と申しますか、研究機関というものが必要なように感ぜられます。ただ私、総合機関ですぐ思い浮びますのは、同じような災害でありましたためにつくられましたあの関東大震災後の復興院のことであります。これは、関係各省庁からその必要な部門を集めて、震災復興に関する一つの大きな機関として、たとえば当時の後藤内務大臣等の案によつてつくられたものでありますが、最初に対策を研究し検討する間は非常によかつたのでございますけたども、しばらくたつというと、その親元の機関との連絡がどうもうまく行かなくなつて、後にはあまり能率がよくなかつたような記憶が浮んで参るのであります。今後の恒久対策検討するにつきましては、今の対策本部のようなもの、これはさらに強化の必要はあるかもしれませんが、そういうものによつて十分に検討する必要があります。けれども、それをそのまま一つの総合機関として残すことがよいかどうかということにつきましては、よほど研究の余地がありはしないかと、さように考えておるのでございます。
  92. 受田新吉

    ○受田委員 災害をよく受ける日本としては、できれば低気圧の進行方向はどうなつておるというようなこと、また原子爆弾のようなものがあつて、低気圧を爆砕するとか、あるいは進行方向をかえるとかいうところまで行つて災害を防止できれば、これは何ものにもかえがたい大きな喜びなんですが、そういう研究機関なども大いにひとつ——これは文部省所管の中に火山研究所とか、地震研究所とか、気象台などがあるわけですが、こういうようなものをもつとよく研究さしてもらう。この間阿蘇火山が爆発したときにも、京大の地震研究所は、事前に予知することがなくて、何ら役に立たないで、地元民の憤激を買つておる事実がある。こういうことによつて、一つの研究機関と地元の連絡調整を十分はかるように、政府としてはおやりになる必要はないかと考えるのであります。この点、文部省の一部門に研究機関があつて、それが災害に実際に役に立つておらないという現実をはつきりつかんでおりますので、その点を特に副総理としてお考えを願いたい。  もう一つは、保安隊の問題ですが、保安隊が今回の災害に非常に協力してくれたことは、私は現地派遣代表の一人としても感謝しました。ところが、これが軍隊的訓練に終始して、こうした災害に対する救助訓練というようなものにどうも円滑でなかつた。これは現地の人の大きな声です。従つて、人命を救助する舟艇なども用意されてないというようなことで、川を流れて救いを求めておる人を見のがしていたという事実を幾つも聞いたのですが、大砲を一つつくるかわりに舟艇をつくつて、平素から人命救助訓練をして、保安隊は、国内の治安確保、秩序の保持というような点からいつたならば、人民の生命財産を保護するという重大な役割がある以上は、こういう災害に対する訓練も平素からやつておかなければならぬと思うのです。従つて、軍事訓練でなくして、そういう訓練を平素からやるように、副総理としてはお考えになるべきであると思うのでありますが、保安隊の性格を、今回の災害に対する場合の非常な貢献にさらにプラスするような保安隊の訓練を考えて行く必要はないか。装備についても、そういう災害対策に対する装備をさせるように努力する必要はないか。この点保安隊のほんとうの性格が、人民の生命財産の保護という意味であり、国内の治安確保という意味であるならば、そういう点について副総理としてごく全体の総合政策から見たところの保安隊のあり方について、一考を要するのではないかと思うのでありますが、御所見を伺いたいのであります。
  93. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 保安隊の性格につきましては、今おつしやつたこと以外にも、いろないろな角度から検討を要するものがあるように考えております。今回の災害の場合の保安隊の出動につきましては、今お話の中にもありましたが、われわれの方には評判のよい方の情報が入り過ぎているかもしれませんが、現地の保安隊の実際の活動を見られた方々の間に、そういう出動がおそかつたとか、あるいは自分の方に来ずにあつちに行つたとか、多少の御不満もあるようであります。今御指摘になりましたような災害対策に備えて平生から訓練するということも、これはやはり国内の平和秩序を守る上の一つの重要な任務でありますから、そういう点につきましても、今回の災害に際会したことは、保安隊が国民大衆の間に理解を深めます上におきましても、さらにまた保安隊のあり方につきまして今後その性格をきめます上におきましても、よい経験であつたと考えます。そういう点で保安隊の今後の訓練の仕方、それから広い意味の装備についても考究してみたいと考えております。
  94. 大久保武雄

    ○大久保委員 私は一点だけでございます。すでに他の委員からも御質問がありましたから、希望的質疑をいたしておきます。  私もやはり総合対策機関の問題でございますが、先ほど副総理からもお話がありましたように、総合官庁をつくつた場合に親元官庁との権限の争いも若干起つて来るのでありましよう。はたまたばらばらに官庁にまかしておきますと、今度のように総合的に急速に進める場合におきましては、非常に権限のデリケートな場合もあるわけであります。そこで、やはり今度のようにたくさんの国民が非常な被害を受けております場合におきましては、何らか対策本部を強化せられて、各省の行政を推進総合するという機関の存置はぜひとも必要でございます。また現地の各罹災者もこれを望んでおります。そこで何らか、今後におきましても、各省の担当して進めて行くその復興対策を総合調整する本部の強化につきまして、この上とも副総理の御推進を願いたいと考えておりますが、この点につきましての御意見を伺いたい。
  95. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 いましばらく中央対策本部の運営を続けて参りまして、その間にいろいろの経験も得ると思いますが、今回の対策といたしましては、さしあたりあの中央本部で当るといたしまして、将来予想される災害に対しまして、どういう対策を持つかということにつきましては、さらに研究をいたしまして構想を立てたいと考えております。
  96. 田中稔男

    ○田中(稔)委員 大蔵大臣に労働金庫について一点お尋ねいたします。  要望的な質問でございますが、福岡県、佐賀県、山口県、その他関係諸県において、労働者が金を集めてやつておるのですが、今度の水害にあたりまして、家を破壊され、あるいは家をなくし、家財に損害を受けて、非常に生活に困つておる人が多いのでありますので、そういう労働者の諸君が金庫に対して金を融通してくれと申し込んで来るのが非常に多いのであります。農民に対しましてもいろいろやつておりますし、中小企業者に対しましてもいろいろお考えになつておりますので、この際労働金庫に関係しております労働者のためにも、生活再建のために資金の面において政府の御協力をひとつお願いしたいと思います。実は、これは労働委員会の方で同じような質問が先ほど行われたそうでありますが、大野国務大臣承知したというような御返事だつたそうであります。その具体的なことはそういうことなんです。罹災者に対する貸出しの見込額が大体二億三千万円、そのうち全国各都道府県にあります労働金庫が救援の意味で融通する金額が二千万円、あるいはもう少しふえるかもしれませんが、その差額二億一千万円程度政府資金の借入れによつてまかないたい、予託ということになりますか、その期間は三箇年にして、無利息にしてほしいというのであります。そこで、この労働金庫としましては、もちろんやたらに貸し出すのではないのです。非常に厳重な条件をつけて貸し出す。貸し出すにあたりましては焦げつきというようなことが絶対に起らないように責任はとることになつております。たとえば、被害程度に応じまして、最高五万円、その次は二万円、この程度の金を貸し出す。しかもその場合には、その一人の労働者だけでは信用上非常にあぶないので、その労働者の属する組合が、組合として保証する。そうしてその人がほんとうに罹災者であるかどうかということの証明は、市町村その他公共団体の方でちやんと罹災証明書を発行しております。さらにまた、返還の方法につきましては、その労働者の給料の中から差引く、こういうようなことにしまして、労働金庫としても迷惑がかからぬように、また政府に対しましても御迷惑をかけないような方法で、罹災労働者の生活の再建のために役立てたい、こういうようなことであります。これは今ここで大蔵大臣に即答をお願いするわけではありませんが、大野国務大臣も善処しようという御返事だつたそうでありますから、大蔵大臣としましてもひとつよろしく御考慮いただきますようにお願いをいたしておきます。
  97. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今御趣旨の次第もありますから、よく考慮してみますが、実は労働金庫というのはない県もございまするし、労働組合の組合員のみの出資から出ておるような関係等もあつて、過去には実際そういうことをやつた例はございません。従つて、そういうことに全然無利息の金を出すことがほんとうにいいかどうかというような根本問題等もいろいろございます。しかし御趣旨もございますからよく検討してみます。
  98. 田中稔男

    ○田中(稔)委員 実は労働金庫に対しましては、各県が助成意味で県の公金を預託しておる。それで関係者の要望は、政府が直接労働金庫に政府資金を預託するというのでは危険性があるかもしれぬから、まず関係府県に対しまして融資していただいて、その府県の責任において労働金庫へ又貸しする、こうようなことでやりますと政府の御心配もなかろうかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  99. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 承知いたしました。
  100. 村上勇

    村上委員長 この際委員外議員の発言についてお諮りいたします。通商産業委員伊藤卯四郎君より、炭鉱の被害に関しまして簡単に発言したいとの申出がありますが、これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 村上勇

    村上委員長 御異議なしと認めます。同君の発言を許可することにいたします。伊藤卯四郎君。
  102. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 時間の関係もありますから、きわめて要点だけを三、四点お伺いいたします。  実は通産委員会の方へ緒方総理に来ていただくということにしておつたのでありますけれども、こちらの方で委員会が開かれておりますので、最も時間を節約する意味において私が出て参つたのでございます。お伺いしたい一点は、このたび政府西日本水害対策のために中央本部と地方本部をつくられたその意義と使命を、緒方総理から伺いたいと思います。
  103. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 今回の西日本、特に北九州の災害が異常なものであることがわかりましたので、時を移さず現地福岡に西日本災害対策本部をつくつたのでありますが、それは、こういう災害に際しましては、できるだけ現地の事情に即した対策を、しかもできるだけ敏速にやりたいという考えで、特にこういう災害に際しましては人心の不安も想像されますので、有力なる閣僚に現地に行つてもらつて、そうして法規の許す限り、常識の許す限り現地で即決してもらいたい。それが一面におきましては災害を受けた人々の気持を安んずるゆえんにもなるという考えから、現地対策本部をつくつたのであります。それと同時に、中央対策本部をつくりましたのは、先ほど来いろんな方から御質問もありましたが、中央で、この災害対策につきまして関係する各省の係官が現地の情報を刻々に受けまして、それによつて毎日会議を開いて対策をきめて参るということから、この対策本部をほとんど政府の別名かのごとき規模においてつくつたのであります。今までのところは応急対策範囲を出ておりませんが、これは現地の要請に応じまして、機宜を失しないようにやることが主であつたのでございます。
  104. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 今副総理から答弁がございましたが、これは政府も多分そういう意図でつくられたものだと思うのですが、今度は現地に大野国務大臣をやつて現地本部をつくつて関係各省から代表する意味で幕僚を派遣してやらす、そこでまとまつたものは緒方総理のもとにおける中央本部で即決する、こういうことを伺つたのであります。そこで、この点が被害者に非常に期待されておる点であるが、そういうような火急を要する意味でつくられたものであるのにかかわらず、なかなか遅々として進まないような気がするのであります。その意味は、各省が管轄争いをしない、なわ張り争いをしない、セクシヨナリズムにとられない、こういう意味緒方本部長のもとで即決主義でやると聞いておるのであるが、そのような信念でおやりになつておるかどうかをお伺いします。
  105. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 本部をつくりました趣旨は先ほど申しましたところにあるのでありまして、本部長といたしましても、そういう信念のもとにやつておることは間違いでございません。
  106. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 通産大臣のもとに、われわれ通産委員会では、水害炭鉱復旧に対して九箇条の項目をつくりまして、特にそのうちでつなぎ資金の十億円はきわめて至急を要するというので、これを水害対策特別委員長に、あるいは緒方本部長に、あるいは大蔵大臣等にも出して、その具体的解決方を要請していたのでありますが、緒方総理はこれをお読みになつたかどうかをお伺いしておきます。
  107. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 九箇条の対策というのですか、それは私の手元に参つておりません。
  108. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 それではこの問題は、私の方の委員長に強く要請しておつたものでありますから、後日この扱い方についてわれわれは考慮することにいたします。通産大臣は、このつなぎ資金の十億について、どのように解決方を進行さしているかという点について先ほど伺つたところが、大蔵省との関係が、その折衝というか、そういう点の窓口がなかなかあかないような意味答弁をされておりました。そういう役所の管轄的なことにとらわれないで、緊急を要するものは片づけるというところに、この被害者から期待をされておるのであるが、そういう点にとらわれて、これがなかなか解決ができないとするなら、この地方本部、中央本部をつくつたという意義があまりないのじやないか、現地の被害者の期待を裏切ることになるのではないかと思うのですが、こういう点に対して一体どういうようにさばこうとしておられるか、また大蔵大臣は、通産大臣から炭鉱のつなぎ資金のために緊急を要する問題として要請されてあるものに対して、なぜそういうような窓口の問題というか、管轄の問題というか、金の性質の問題というか、そういう点はどういうところになかなか解決のできない難点があるのか、その点をあわせてひとつ伺いたい。
  109. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 さきに十五億の資金を何しておつたのは御承知通りであります。これはひとり炭鉱のみではございません。商工中金を通じましたり、あるいは信用組合等いろいろな方面、地方銀行等に出しております。炭鉱のみではございません。なお十億くらいふやすということでありますれば、これはできますが、炭鉱のみでこれをやり得るということではございません。炭鉱について幾ら金がいるかという問題は、大蔵省としても、まだ事務当局もおそらく受取つていないと思います。私は少くとも見ておりません。通商産業省からどういう石炭に対する金がいるか、どういうふうに出してくれということは何ら——大よその話は、私が通商産業大臣と話をしているときに、石炭の方も少し今度は融資をしてもらわなければいかぬくらいの話は受けておりますが、それを軌道に乗せるような数字的な根拠は何も受取つておりません。今日まで提出がありません。従いまして、私どもが、たとえば開発銀行を通じてどういうふうにするか、あるいはまた普通の地方銀行を通じてどうするかということを、いろいろわけなければならぬと思います。それについてまだ何ら数字に接しておりませんので、実は何も決定していないわけであります。そういうものが出て参りますれば急速に決定したい、かように考えている次第であります。
  110. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 どうも、今大蔵大臣意見を伺いまして、岡野通産大臣はまことにけしからぬということを感じましたが、ここで通産大臣のけしからぬ問題を怒つてみたところで、ここにはおらぬことですから、これはただちに私の方の委員会でひとつ七分に話合いをすることにいたします。  そこで大野国務大臣が、現地の水害炭鉱代表者に、自分が東京に帰つたらただちにさしあたり五億をつなぎ資金として融通するという約束をして帰つておりますが、本部長なり大蔵大臣はこれをお聞きになりましたかどうか。
  111. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これもまだ具体的に聞いておりませんが、おそらく伊藤さんもおわかりになるだろうが、石炭が五億で足らぬことだけは明瞭であろうと思います。もう少し石炭に対する復旧災害対策の金はよけいにいると私ども考えております。しかし、そのうち地方銀行、従来の取引銀行からどう出すか、あるいは開発銀行等で復旧に要する長期の資金をどう出すか、こういうのを、さつきもちよつと話が出ておつたのでありますが、通産省の石炭局で数字を詰めているところではないかと私は思います。その数字が詰まつた上で、それではこういうふうにやつてもらいたいという話を私が受けることになりましよう。受けることになればこれをとりはからうということになるので、まだ今はその数字を詰めている道程であろうと実は考えます。
  112. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 緒方総理は、大野国務大臣の炭鉱業者との間に五億融資をするという約束、つなぎ資金として第一次に融通することを約束して帰つたことをお聞きになりましたか。
  113. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 約束されたかどうか私知りませんが、中小炭鉱の代表者が数日前に見えまして、そのときに中小炭鉱だけのように私受取つたのですが、十五億のつなぎ融資がいるのだという話でありました。それで、ただ中小炭鉱の経営状態では銀行の速絡が悪かつたり、いろいろな問題があるということでありましたから、それは通産省の方に行つてよく話をしてもらいたいということを言うたのでありますが、その後に大野国務大臣から、その問題は現地の方でも非常にやかましく言うておつた。——そのときは、私の記憶違いかもしれませんが、十五億と聞いたのです。それはむろんその前に通産当局には話があつたことという感じを私今持つております。
  114. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 大野国務大臣のそういう約束もあり、それから現地でまとまつたものを中央本部で即決主義でやる、こういうことに相当期待をしていたのに、炭鉱の関係においては一向その問題が具体化しないというので、業を煮やして、今晩から明日にかけて六、七十名の代表者が緒方総理大蔵大臣のところに押しかけて来るそうであります。これらの問題は、やはりあれだけの期待をさせておつたのに、それが解決しないからというので、相当腹をきめて押しかけて来るらしい。ついては、緒方総理の選挙区でありますが、福岡で、二、三日前に通産省の出先機関である石炭部長をこの諸君らが非常なつるし上げをしてしまつているが、いかにつるし上げされたところで、出先部長では何ともしようがないから、そこで今度東京に押しかけて来るのだそうであります。従つて大野国務大臣の現地における約束なり、あるいは中央本部が即決主義で行くことなり、これらの点についてはお茶を濁しておつては事済まぬような状態になつていると私は思うのであります。そこで一体、このつなぎ資金なり復興資金なり、そういうような金の性質は、どういう金をどのくらい炭鉱においては第一次つなぎとして融資されるお考えであるか、大よそ何日くらいの後に具体的にこれらの問題を解決しようとされているか、こういう点を大蔵大臣からひとつ答弁願いたい。
  115. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これは、伊藤さんもよく御承知通り、炭鉱としましても大小規模が非常に違うのであります。従いまして、従来でありますと、大きい炭鉱の方は主として開発銀行が長期の資金をとりはからつております。また各地方銀行等もとりはからつておりますが、主としてはそうなつております。それから運転資金の方は別ですけれども、このいわゆる運転資金の方は性質上そうなるであろうと思います。中小の分は、開発銀行にも中小の貸出しは若干ありますが、これはきわめて僅少でありまして、各地方銀行等でとりはからつているというのが実情であります。それで、そういうものがどのくらいあるかということは、数字が出て参りませんと、どこをどうしてとりはからうかということが私ども決心しかねるのでございます。出て参りまして、その必要性を認めますれば、それはそれぞれの機関を通して何らかの措置をとりたい、かように考えております。
  116. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 数字が出ておらぬ、出ておらぬとさつきからおつしやるが、ここにある中間報告なるものは大野国務大臣がつくつて出したのではないかと思いますが、これを見ると大体三十九億炭鉱のために必要なことを書いているようであります。従つて中小炭鉱の連合会なり大手炭鉱の石炭協会から、それぞれ私は石炭局なり通産省へこのまとめられたものが出ておらぬというばかなことはないと思います。すでに大野国務大臣のも出ているし、これはきわめて具体的に出ているはずであります。また、私ども委員会決定したのも、さつきから見られないようなことを言つておりますが、一体政府のそれぞれの機関というものが、具体的に陳情され要請され、それを取上げたものが中央本部長のところにも行かない、大蔵大臣もこれを聞かないということで、この即決主義であるという本部の対策機関は一体何のためにつくつてあるんですか。そういうことで一体事が済みますか。数字は具体的に出ております。そういうことでお逃げになるということは、中央本部をおつくりになつたことに対する被害者の期待を裏切ることになりはしないか。何のために大野国務大臣はたくさんの役人を連れて現地に行かれたのか。しかもそこでまとめられたものは出て来ているはずではないか。そこで数字が出て来ない、出て来ないと言うけれども、そういうことで役所の機能というものが働いているのですか。現地の中央本部というのは一体何をしているのか。この点を、まだ出ておらぬということを、はつきりおつしやつていただきたい。いついつの日に出たということを私は申し上げるから……。
  117. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 大野国務大臣の三十九億という数字は私ども承知しております。しかしながら、三十九億というのは、今石炭庁の方で調べているのであつて、またこれはちよつと言葉が悪いかもしれませんが、金はやるという性質のものではございません。貸しす出ものなのであります。従いまして、銀行その他から都合してどういうふうにこれが軌道に乗るかということは、金融業者はどうしても調べねばなりません。また石炭庁としても、どれだけのものをこれに対してやつて行くか、また金を借りるには返済計画その他を立てなければ金を借りることはできません。従いまして、三十九億金がいるといつて報告が出ているのになぜ出さぬかと仰せになつても、金融業者も、それはすぐ貸せませんが、と答えるに違いないと思います。これは伊藤さんが金を貸す立場になればよくわかります。だから、三十九億の数字が出ておるからといつて、即時にその金を貸すということにはなりません。だから、石炭庁から調べが来ますれば、政府としてこの措置をいたす、こう申し上げておるわけであります。
  118. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 もうすでに十日前に通産省の方にはそれぞれの具体的な数字が出ておる。通産省から派遣された者が向うに五、六日おつて、その資料を出しております。きわめて具体的なものが出ております。そういうように出ておるものが、あるいは通産省の方の怠慢で遅れておるのかもしれませんが、少くとも現地の事情がわかつたら即決主義でやるという緒方本部長が、これが出て来ないからといつて、いつまでも、二十日もたつてもなお便々と見送つておる。それで即決主義と言えますか。そういうばかなことは私はないと思う。そういう点をひとつ緒方総理はもう少しはつきりしてください。
  119. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 この報告は、大野国務大臣が非常に勉強して、帰りの飛行機の中で書き上げて参つたもので、われわれもその翌日入手いたしたので、その三十九億という数字はよく知つております。しかし、それに対する具体的な数字、どういう手当を必要とするかというものは、私の手元には少くとも今日まで参つておりません。そたが参れば即決——即決というのは、むろん研究を要しますけれども、できるだけ早い機会においてきめることは、初めに申し上げました通りの態度であります。ただ、この三十九億が出ておるのにやらぬじやないかということをいくら言われても、やりようがないのであります。
  120. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 私は大野国務大臣の三十九億のみを言つておるのじやございません。お聞きのように、通産省はすでに十日も前に資料を出している。それを、あなたの方では、通産大臣の方に、石炭関係の方はまだまとまらぬのかと言つて催促されたことがあるかどうかを伺いたい。
  121. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 催促はいたしませんが、通産省の方では、もし出ておれば、むろんまとめておると思います。
  122. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 事務折衝で、すでに石炭局長なり通産省の方の責任者が、大蔵省事務当局の関係の人々と、この問題についてしばしば折衝したことを私は聞いておるが、そういう事実があるかないかを伺いたい。
  123. 森永貞一郎

    森永政府委員 通産省との今回の災害に対する協議の状況でありますが、中小企業関係融資一般の問題といたしましては、つとに通産省の方から要請がございまして、私どもの方もその御相談に応じまして、開発銀行から中小企業に対する融資わくを五億円追加するということについては、両者間においてすでに決定を見たわけでございます。これは将来中小企業金融公庫ができますれば、そちらに引継がるべきものでございますが、とりあえずの措置といたしましては、五億円を開発銀行から特別のものとして出そう、利率も六分五厘ぐらいのところを考えておりますが、そういうことについては意見の一致を見ております。さらにその上に、石炭だけを特別な対象といたしまして、今回の復旧資金どうするかという問題につきましては、抽象的にはいろいろお話もございましたし、あるいは対策本部との会議におきましても、被害報告ないしは復旧所要資金につきましての大まかな御報告は承つておるのでありますが、具体的にいかなるルートで資金を供給するかというような問題につきましては、まだ通産省といたしましても具体的な成案ができていないというのが現状でございまして、私どもといたしましても、今すぐ金を出すにも出せないというような状態でございます。抽象的にはいろいろお話を承つておりますが、具体的にすぐ金が出るようなかつこうでの話合いの段階にはまだ入つておりません。
  124. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 それでは、大蔵大臣も事務当局の方でも待つておるけれども、いまだ金を出してやるような具体的なものを持つて来ないので、実はそれを待つておるのだ、こういうように解釈してよろしゆうございますか、大蔵大臣
  125. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 待つておるのだという言葉が、どういう意味か、ちよつとはつきりいたしませんが、具体的な資料が出て来れば、それを検討して、それに対する適当な処置をとります。
  126. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 緒方総理、お聞きのような事情です。これは、すでにさつきから申し上げるように、代表者が五十人も六十人も押しかけて来るという現状であるから、その事態がそこに爆発してしまつてからということでは、はなはだ怠慢であると思うので、副総理はただちに通産大臣なり石炭関係の責任者を呼んで、そういうものに関する具体的なものをおとりになつて、ただちにこれを大蔵大臣との間に折衝さすような、中央本部長としての処置をとられる意思があるかどうか、この点をひとつ伺いたい。
  127. 緒方竹虎

    緒方国務大臣 通産大臣によく事情を述べて、急ぐように申します。申しますが、今六十人も七十人も大挙して何するということは、そう大勢来られても同じことですから、ひとつとめられるものなら、とめてください。
  128. 村上勇

    村上委員長 伊藤君、この程度でどうですか。
  129. 伊藤卯四郎

    伊藤卯四郎君 もうこれ以上責めてみたところで、しようがない。しかし、現地の人は、中央の即決も待つておれぬというので、怠慢だといつて向うが押しかけて来るのですから、これは私もとめるわけに行かぬ。それはあなたの方で、早く連中が納得するようにして、一言にして帰されるようにされれば、すぐ帰るだろうと私は思う。これは帰するところ本部長の政治力によると思う。なおいろいろまだお伺いしたいこともあるが、私は通産大臣に相当話をせなければならぬ点を感じましたから、いずれ通産大臣とも話合いをした上で、あらためてどつちの方が間違つておるのか、大蔵大臣の方が握つてつておるのか、大蔵当局の方が黙つておるのか、あるいはまた、今大蔵当局が言われるように、資料を出さないので問題の解決にならぬのでおるのか、その辺を明らかにした上で、再度出かけて来て質問することにして、本日はこの程度にしておきます。
  130. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 念のために申し上げておくが、大蔵大臣はうそを言つておりません。
  131. 松前重義

    ○松前委員 文部省の方にお伺いしますが、まず第一に、昨日も私が質問いたしましたように、罹災者の子弟が留学しており、その子弟が帰る旅費もなく非常に弱つている。それには彼らの将来の就学の問題もありましようし、いろいろな問題が彼らにこの災害を通じて襲いかかつておるのでありますが、これらに対して何らかの対策を文部省はおとりであるかどうか伺いたい。
  132. 近藤直人

    ○近藤政府委員 御質問は、罹災学生の帰郷旅費の問題かと思いますので、お答え申し上げます。  罹災学生の帰郷旅費につきましては、これを無料にしてもらいたい、ただいま学生は五割引でありますが、これを無料扱いにしてもらいたいという御要望お話だと思いますが、その点につきまして運輸省と話合いをいたしまして、そのとりはからいをいたすことにほぼ了解はついております。そういたしまして、文部省からその分の旅費相当額を大蔵省に予算要求いたしまして、それを運輸省に支払うという建前にいたしております。
  133. 松前重義

    ○松前委員 まだそうするとそれはまとまつておりませんか。
  134. 近藤直人

    ○近藤政府委員 文部省と運輸省との話合いはほぼ了解できております。具体的に申しますれば、学校が学生割引に証明をいたしまして、その学割をもよりの駅へ出しますと、無料の切符を発行するという扱いにする予定でございます。そしてその証明されました学割を運輸省で計算いたしまして、それを文部省に報告する、文部省はその相当額を予算上大蔵省に要求しまして、それを運輸省に支払う、そういう方法でいたします。その具体的なことにつきましてはほぼ了解に達しておりますが、間もなくこれが実行されることと思います。
  135. 松前重義

    ○松前委員 大至急、帰郷する学生もたくさんおりますので、事務的にお運びを願つておきます。  次の問題は育英資金の問題であります。不慮の災害によつて非常に打撃を受けたところの家庭の子弟に対して、育英資金を特別に従来のわく外に出す、この育英資金の問題をお考えになつていらつしやるかどうかお尋ねいたします。
  136. 近藤直人

    ○近藤政府委員 今度の水害による罹災学生に対する育英資金でございますが、これは生活援護資金といたしましてぜひ支給したいと考えまして、ただいま予算上計算いたしておりますのは、家屋が全壊または流失した場合の罹災学生につきまして一人当り月六千円、家屋が半壊または床上浸水の場合にはその半額の三千円を支給することにいたしまして、これを昭和二十八年の九月から七箇月分、総額約一億四千三百万円の予算要求をいたすつもりであります。この支給の範囲は、今次災害を受けました福岡佐賀長崎熊本、大分、山口の六県の範囲でございまして、現在大学に就学しておる者を対象にいたしたいと考えております。現実の支出は財団法人学徒援護会をしてこの支給事務に当らしめるつもりでございます。
  137. 松前重義

    ○松前委員 ただいまの御処置については、非常に適切なる御処置であると思つて感謝いたします。  次に、授業料の問題でありますが、今後、ただいまの生活資金と同じように、授業料にも当然困ることになるのでありまして、これらに対しましては、ある程度の期間授業料の免除あるいは減額というようなものにつきまして、文部省として御考慮がございますか。
  138. 近藤直人

    ○近藤政府委員 授業料の減免の点でございますが、この点につきましてはすでにその準備をいたしまして、目下その必要人員、その程度、期間等につきましてすでに各教育委員会に対しまして手配をいたしまして、必要な調査を行つておりますので、その調査がまとまりますれば現実に減免をいたしたい。過去にも前例がございますので、この点は割合に簡単にできるのじやないかと、かように考えております。
  139. 松前重義

    ○松前委員 次は、罹災地における学童の学用品その他の問題でありまするが、これらに対しましてはいかなる手をお打ちになつておりますか。
  140. 近藤直人

    ○近藤政府委員 罹災地の学童生徒に対しまして教科書とかあるいは学用品を支給する問題でございますが、この点につきましては災害救助法に基く国庫負担の基準がございますので、御承知と思いますが、この災害救助法によります資金は一億九千万円すでに確定しております。そのうち、学童関係といたしましては四千三百万円が含まれているわけでございます。その基準は、小学生が、全壊流失した場合には、一人当り五百円、中学生の場合は一人当り千百円ということにいたしまして、この旨は関係各教育委員会の方に連絡済みであります。従来災害救助法の学用品の単価は小、中学生一本でございまして一人二百七十五円、それから半壊の場合はこの五分の一でございます。そういう従来の額はあまりに低いと考えられますので、今回これを引上げまして、先ほど申し上げましたように、中学生の場合は一人千百円、小学生の場合は一人五百円ということにいたして、すでに手配を進めております。  それから教科書でございますが、教科書を流失しました児童生徒は相当ございますので、その点につきましてこれは何より先に充足をはからねばならないと考えまして、ただいまとりあえず現地の各教科書の発行会社に手配をいたしまして、その手持ちの数量そのほか災害地以外の地におきまする教科書発行会社の保有量を調査させ、現地からのその要望に即刻応ぜられるように措置をいたしております。ただいまのところは、この供給可能の教科書の部数は二十万部という見当がついておりますが、被害地の教科書の需要はどのくらいでございますか、まだその点につきまして確たる見通しはついておりませんので、とりあえず二十万部を即刻配付して充足に努めたいと考えております。なお、この点につきましては、現地の方に教育委員会あるいは配給会社あるいは発行会社あるいは文部省の係官が参りまして、現地に打合せの協議会を設けて、その方の事務連絡の万全を期しております。
  141. 松前重義

    ○松前委員 非常にお手まわしがよいのに対して感謝をいたします。ただ問題は、全壊の家屋、半壊の家屋について大分差があるようでありますが、全壊とか半壊とかいうようなものでなくて、今回の災害で、ほとんど水を浴びたところは学用品その他を流失さしておる、あるいはどろまみれになつて、もちろん使いものになりませんので、それらの関係については、厳重な全壊、半壊の用語通りに解釈なさらないで、適切な措置を講じていただきたいと思うのでありますが、これに対してどういうような御措置をおとりになり、また今後おとりになろうとしますか。
  142. 近藤直人

    ○近藤政府委員 お話まことにごもつともでございますが、従来の形式としては、半壊の場合は五分の一という開きを設けておりますので、今回もその例にならつてただ単価を引上げたのでございますが、まことにごもつともな御意見でございますので、なおその点は検討さしていただきたいと思います。
  143. 松前重義

    ○松前委員 範囲があまりにも広いのでありますから、特に今回は御考慮願いたいと思います。その次は、災害を受けた私立学校の問題であります。御承知のように、私立学校の経営は、私自身も関係しておりまして、この節非常に困難であります。このような経営困難の中にも、国家の子弟を養うために努力しておる私学というものは、しかもそれが今回の災害罹災された状態においては、再び立ち上ることはなかなか困難じやないかと思われる節があるのであります。私学で罹災したものの二、三の話を聞きましても、相当な被害を受けておるところがあるのでありますが、このようなものに対してどのような援護、助成等をお考えになつておるか伺いたい。
  144. 近藤直人

    ○近藤政府委員 私立学校の災害復旧関係でございますが、これに対しては、御承知と思いますが、現在特殊法人で私学振興会というのがございますが、この私学振興会の貸付金によつてこれを復旧したいと考えております。と申しますのは、これは昨年できたのでありますが、できる前は、政府の方が直接私学の救済のために貸付をしておりました。従来直接政府が貸し付けておつたのを切りかえて、特殊法人私学振興会というものを設けて、今後は私学振興会を通して一元的に私学の救済に当る、その経営の資金を貸し付けるという方向になつております。その資金はただいま債券で十七億、現金で十三億九千万円——今年度十億予算で計上されたので十三億九千万円、なおそのほかにさらに五億程度増額する模様でございますが、ともかくこの十億以上の資金がございますので、この資金によつて私学の振興をはかるというのが建前でございます。従つて、今次の災害で非常に被害をこうむつた学校に対しては、やはり私学振興会の貸付金によつて救済するのが筋であろうかと考えます。従来通常の場合に、私学の経常費の貸付金、あるいは施設費の貸付金の利率は大体六分五厘でございます。そして期間も五箇年になつておりますが、今回の災害復旧資金の場合におきましては、五箇年間のすえ置き期間を置き、その償還期間は三十箇年にする、利率も六分五厘より低利にするというような条件をもつて、私学の救済に当りたいと考えております。ただいまの私学の被害額でございますが、総計して一億九千万円程度で、ここの程度ならば、ただいまの私学振興会の貸付金によつてかなり救済し得るのではないかと考えております。
  145. 松前重義

    ○松前委員 私学振興会によつて助成されるということは、現在の地方の機構を利用する方法であろうと思うのでありますが、しかし、いずれにしても今回の災害はある程度広汎にわたつておるものでありますから、災害私立学校の助成に関する経費について、何らかの予算要求その他をお考えになつていらつしやいますか。
  146. 近藤直人

    ○近藤政府委員 私立学校の復興については、私学振興会からの貸付をもつていたしまするが、その貸付金と申しますのは、結局政府出資の十数億の資金でございまして、それをこの災害のために食うという現状でございます。この点については、御指摘のように、災害復旧関係の分については別途に予算の要求をするのが筋であろうと思いますので、もちろんこの金額については別途に予算要求をするつもりでございます。
  147. 松前重義

    ○松前委員 ぜひひとつ私学に対してあたたかい手を伸ばされんことをお願いいたします。  次に、ただいまの融資の期間の問題でありますが、従来の私学振興会の貸付期間は大体一年であります。このようなことではなかなか私学は振興いたしません。一般的な問題としても、どうしても長期にわたらなければ私学を振興することにはならない。ことに災害に対しては、一年の難問では問題にならないのでありまして、どうしても長期の融資でなければいかぬ。われわれは、みずから学校を経営して、このように痛切に感じます。この点に対して文部省はどうお考えになりますか。
  148. 近藤直人

    ○近藤政府委員 これにはいろいろございまして、一年と申しますのは短期融資の場合の期間でございます。もつぱら経常的経費の貸付金の場合にはこれを一年とすることになつておりまして、普通建築の場合の貸付においては五年を原則としております。そういうふうにわかれておるわけでございます。今度の救済の場合においては、おそらくその期間を三十年くらいにいたさねばならないのではないかと考えられます。また、すえ置き期間も五箇年置き、利子も六分五厘よりはるかに低利なものにしなければならないのではないかと考えております。なお、これらの点については、さらに振興会の役員会におきまして早急に決定いたしたいと考えております。
  149. 松前重義

    ○松前委員 罹災地をまわつてみますると、大体小学校、中学校あたりが罹災者の住宅代用になつておりますために、学校はほとんど休んでおります。最近の模様は、ぼつぼつ学校を始めておるところもあるようでありますが、とにかくそのようで、学校は罹災者の収容所として非常に役に立つておるかわりに、学童は勉強ができないというようなことになつておるのでありますが、これに対して、文部省として、罹災者の問題との関連性において、具体的な処置をとつておられるかどうか。
  150. 近藤直人

    ○近藤政府委員 ただいま学校が、緊急状態におきまして、罹災民の住居に使われておるということは現実でございます。それがために学校はやむなく臨時休業する。しかしながら、ただいまは夏季休暇に入つておりますし、あるいは間もなく入りますので、場合によつては繰上げ休暇をしておるものもあるのではないかと考えられます。もちろん学校を罹災民が占拠するというような状態は、これは緊急状態でありまして、好ましいことではありませんので、これは九月の新学期までにはぜひこれを明けてもらうように、県の教育委員会を通じまして措置をするつもりでございます。
  151. 松前重義

    ○松前委員 公立学校の問題でありますが、私学と同じように相当な被害を受けております。その数は私立に増しておびただしいものでありますが、これに対しては何か平衡交付金その他をもつて特別な考慮を払うべく努力をしておられますか、お伺いいたします。
  152. 近藤直人

    ○近藤政府委員 公立学校の被害と申しますと、校舎が倒壊流失するというような状況、あるいは熊本につきましては、灰土が学校内に埋まつてしまうというような現状でございますので、その被害はまことに甚大なものがございます。これらにつきまして応急的にどういう措置をとるかということでございます。やはりこれは、交通状況がよくなり、また人心が安定して参りました場合に、現地につきまして一々これを調査いたしまして、その被害程度に応じまして復旧をはかるということになろうかと思いますが、さしあたり必要といたしますのは、たとえば山村におきまする分教場などは、全部倒壊してなくなつておるというような状況でございますので、それらの点につきましては、応急に建物を建てまして、これを校舎とするというような措置が必要であろうと思いますので、この公立学校につきましては、応急と恒久に区分いたしまして、相当額を応急対策といたしまして計上いたしまして、予算要求をするつもりでございます。
  153. 松前重義

    ○松前委員 直轄学校すなわち大学、あるいは、学校ではありませんが、大学付属の病院、あるいは研究所、そのような施設の被害も相当にあるのであります。ことに単なる家屋だけでなくて、機械類だとか実験道具だとか、あるいはその他の薬品、いろいろなものが災害を受けておるのであります。これらに対してはもちろん災害復旧の御要求をお出しになり、しかるべき手を打たれると思うのでありますが、今までの見込みのところ、大体どのくらいの被害があつて、どのような措置を講じておられるかお伺いいたしたい。
  154. 近藤直人

    ○近藤政府委員 直轄大学は、九州大学を始めといたしまして、長崎佐賀大分、九州工業大学、福岡大学、熊本大学、熊本電波学校、山口大学、広島大学、鹿児島大学、以上の大学からの被害状況の報告が参つております。その総額が四億三千六百万程度に上つております。これは学校の合計でございますので、そのうちどの部分被害が大きいか、そしてどういうところが主としてやられておるかということにつきましては、これからさらに現地に参りまして調査をいたしまして、その上でさらにこの復旧の予算要求をする手はずになるわけでございます。報告によりますと、実験機械等も相当被害があるようでございます。なお、以上申し上げた金額のほかに、さらに金額が上ることも予想されますが、それらにつきましては、予算要求の上におきまして万全を期したい、かように考えております。
  155. 松前重義

    ○松前委員 教育関係被害が相当にありまして、あるいはまた学生生徒という面にわたつて、非常に多角的な災害に対する措置をとられなければならない。文部省が非常に早く手を打たれたということに対しまして感謝をいたします。しかし、災害復旧に対して、先ほど来の融資やあるいはまた今後における復興の問題等に対しては、非常な努力を払われなければならないと思うのであります。私も、現地を見て、その被害の甚大なのには驚いておりますが、文部省関係ことに先生方はあまり欲をお出しにならない方が多いのでありまして、私は熊本大学が非常にやられておる姿を見て、ことに機械類などはどろ海になつて使いものにならないというような状態、運動場の相当部分が削りとられて川の中に入つてしまつた、このような状態を見まして、思い切つて遠慮なく出さなければいけませんよということを言つて参つたのであります。どうか文部当局が、遠慮がちに出しておられる各機関の要求に対しまして、できるだけ努力を払われまして、すみやかに復旧できるように御尽力をお願いいたしたいと思います。これをもつて私の質問を終ります。
  156. 滝井義高

    滝井委員 松前委員から大分質問がありましたが、一、二文部省の基本的な方針を御説明願いたいと思います。今度災害復旧国庫負担法が提案せられておるわけでございますが、その負担法においては、災害にあたつて国の補助率は二分の一になつておるのです。現在の地方財政の状態から考えまして、今般のような大きな災害が集中的に全県にわたつて発生する、しかも多数の学校がやられるということになりますと、その自治体が残りの二分の一を負担して厖大な学校の復旧をやるということは、ほとんど不可能のように考えられるのでありますが、文部省といたしましては、大体こういう二分の一程度国庫負担で、今後の日本の教育、特に災害を受けた九州五県並びに山口県の教育というものが推進できると考えられるか、この点ひとつ……。
  157. 近藤直人

    ○近藤政府委員 御指摘のように、公立学校の災害復旧費は二分の一の補助でございます。ただいま国会に提出中の公立学校施設費国庫負担法のうちに、その補助率が規定されてございます。それは確かに二分の一でございます。この二分の一は、法律成案前に予算上二分の一の補助率をもつていたしましたので、そのままそれを法律案に盛つたような次第であります。しかしながら、従来われわれの要望といたしまして、この公立学校の災害復旧の場合には、ぜひこれを三分の二にしてもらいたいというのが年来の希望でございましたが、遺憾ながらそれが今日まで実現されなかつたのでございます。そのままに法律案の中にもこれを織り込んだような次第でございますので、今次のような、こういう特別な災害におきましては、ぜひともこの際、法律案とは別に、予算上におきまして三分の二の補助率を要求したいと考えまして、私どもの予算要求はすべて三分の二で、これも大蔵当局と話合いを進めたい、かように考えております。なお、法律案におきましても、これを三分の二にすべく今考えておるのでございますが、遺憾ながら、ただいまのところは、二分の一というような状況になつておる次第でございます。
  158. 滝井義高

    滝井委員 ぜひ文部省もしつかりふんどしを締めて、大蔵省に三分の二の要求をすることを要望いたしておきます。  次に、今度の災害の特徴は、文部当局も御指摘のように、単に校舎がやられたばかりでなく、校庭に土砂の堆積その他の多くの変形が起つておるのでございます。これが復旧については、従来何ら救済の方法がないのでございますが、これらの校地の災害に対する救済を、今後どういうぐあいにお考えになつておるか、校地、設備、工作物、こういうようなものを、どういうぐあいにお考えになつておるか、ひとつ御所見を承りたい。
  159. 近藤直人

    ○近藤政府委員 御指摘のように、今までの災害復旧の場合におきましては、学校の建物のみでございまして、校地、設備等につきましては補助の対象になつておりません。しかしながら、われわれの要望といたしましては、ぜひ校地並びに設備をも補助の対象にいたしたい、かように考えております。先ほど申し上げました公立学校施設費国庫負担法のうちにも、その補助の対象につきましては、これは政令で定めるということになつておりますので、これは政令をつくる際の問題になるわけでございますが、ともかく今回の大災害対しましては、われわれとしてはぜひ校地を補助の対象にいたしたい、かように考えております。また、そういう予算要求をするつもりでございます。ことに熊本の場合におきましては、校舎よりもむしろ校地の被害が非常に多いということでございますので、この際ぜひ校地をその対象にいたしたい、かように考えております。なお、設備等につきましても、たとえて申しもすれば、ピアノとかオルガンというものが全部だめになつてしまつたという現状でございます。これらの点につきましても、今回は従来と違いまして補助の対象にしたい、かように考えております。
  160. 滝井義高

    滝井委員 ぜひ、政令制定の場合において、校地を入れるように御努力をお願いします。  次に、災害を受けた校舎を復旧する場合に、これを鉄筋コンクリートにしておけば、今後の災害の場合に便利がいいのでありますが、従来の法律の建前からいえば、そういうことが不可能でございます。今後文部省は、そういう鉄筋校舎とするようなことに対して、そういうことを認める方針であるかどうか、この点を承りたい。
  161. 近藤直人

    ○近藤政府委員 原則といたしまして、原形復旧という建前になつておりますので、従前木造でありましたものは、これを木造に復旧するという建前でございます。しかしながら、過去の例といたしましては、鳥取の大火の際におきまして、木造の校舎でございましたものを全部鉄筋にいたしたという例がございます。これはもちろん防火地区でございますので、さような方針が認められたのでございますが、今回この災害によりまして倒壊した校舎を復旧する場合に、鉄筋でいたしますことはきわめて好ましいことでございます。この点につきましては、なお大蔵当局とも折衝いたしたい、かように考えております。
  162. 滝井義高

    滝井委員 防火地域を鉄筋コンクリートにするということ、これはわれわれ当然のことだと思いますが、日本における災害の頻発の状態から考えて、鉄筋ということはぜひひとつ今後文部省において考えていただきたい、こう思うのでございます。  次にお尋ねいたしたい点は、学校の防疫の問題でございますが、現在学校には罹災者その他相当入つておると思うのでございます。あるいは入つていないにしても、床上浸水等で、学校は相当荒れておるということが考えられるのでございますが、現在九州における赤痢の発生の状態を考えても、まず赤痢にかかるのは、これは子供から出にかかつて来るのでございます。従つて、あとにお尋ねします給食の問題とも、学校防疫の問題は非常に重大な関連を持つわけでございますが、文部省としては、学校防疫をどういうぐあいにやつたのか、あるいは現在やつておるのを、そういう点をひとつ要点だけ簡単に御説明をお願いいたしたい。
  163. 近藤直人

    ○近藤政府委員 学校防疫の点につきまして御質問でございますが、この点につきましては、まだ現地からこういうことをしたというような報告に接しておりませんので、具体的に申し上げるわけには参りませんが、ただ現地の要望といたしまして、いろいろな消毒薬剤等の無料給付の要望がございます。これらの点につきまして、私どもの方といたしましても、さつそく現地の教育委員会に対しまして、この措置を進めるようにいたしたいと思つております。具体的にどういう防疫薬品を無償で給付したかという点につきましては、詳細まだ申し上げるまでには至つておりません。
  164. 滝井義高

    滝井委員 しからば、防疫のことはいずれ御研究願つて答弁願うとして、次に学校給食の問題ですが、各学校とも相当麦粉のストックあるいは脱脂粉乳のストック等があつたと思います。ところが、今度の災害によつて、学校の浸水等が相当見られたので、これらのものがだめになつているところが多いと思うのでありますが、これらの学校に対する給食の対策をどうやつているのか、同時にまた、当局のさいぜんの御説明では、三十六万の罹災児童があつたということでございますが、当然これらの児童の所属する家庭というものは、今後給食費の二百何十円は払えないと思うのでございます。従つて政府の方においては、それらの給食費というものを、当分の間、たとえば半年とかあるいは本二十八会計年度だけを無料にする、こういうお考えがあるかどうか、こういう二点についてお尋ねいたしたいと思います。
  165. 近藤直人

    ○近藤政府委員 学校給食用の物資につきましては、とりあえず非災害地の在庫量から三十六トン災害地に放出いたしまして、これは各県で適当に操作するように、もちろんこれは私の方から現地に参りまして指示したわけでございますが、各県とも協議の上措置をしたわけでございます。なお、この災害地の給食用物資につきまして、これは小麦粉とミルクでございますが、この点につきましては、さらに赤十字社の方にお願いいたしまして、この災害地用の給食物資を無料で援助を受けるように、これは赤十字社を通じまして手配をいたしております。  それから、将来この災害地の学校給食費を無料にしたらどうかという御意見でございますが、これはまことにごもつともな御意見でございますし、その点につきましては現地からも要望がございますので、ただいまのところ私どもにおきまして、それを検討中でございます。要しますれば、本年の十二月までこれを無償にするというようなことも考慮せねばならないのではないか、考慮することが好ましいと考えております。なお、その金額、物資の量その他につきましては、目下考究いたしております。
  166. 滝井義高

    滝井委員 ぜひ災害地における学童の給食を無料にすることの実現に努力をお願いいたします。  その次に、学校の先生方に対する問題ですが、現在公立学校の職員が相当程度罹災いたしておる。そのために、各共済組合の県支部は、これに対して相当の貸金その他をやつておると思うのです。ところが、県の支部の助成だけでは、相当多く全県にわたつて災害救助法が発動されたような県においては、すぐ罹災職員を満足に救つて、そして再び教壇に立たせるということはなかなか無理だと思うのです。こういう県の共済組合に対し、何か文部省の方でお考えになつておる御方策でもありますれば、御答弁願いたいと思います。     〔委員長退席、綱島委員長代理着   席〕
  167. 近藤直人

    ○近藤政府委員 公立学校の教職員の生活資金でございますが、これは公立学校共済組合に規定がございますので、その生活資金を貸し付けることができます。しかしながら、通常の規定によりまするときわめて少額でございますので、今回は特に被害の甚大なものによりましては一人七千円、それから次に五千円、軽微なものにつきましては三千円の見舞金を贈る計画を立てておりますが、それに先だちまして、生活資金をとにかく貸し付けねばならぬということで、現地の要望もございますので、これを特別増額いたしまして、ただいま福岡県へ三千万、長崎県へ五百万、佐賀県へ二千万、山口県へ百万、熊本県へ一千万、合計六千六百万円をすでに現地の方に発送済みでございます。なお、先ほど申し上げました災害見舞金につきましては、ただいまその程度あるいは人員等につきまして現地の支部に照会中でございまして、これも不日決定すれば送金する手はずになろうかと思つております。
  168. 滝井義高

    滝井委員 次に、社会教育関係についてでございまするが、今度の災害で、公民館や図書館というような社会教育関係の施設が相当やられておると思うのでございます。これらのものは、今まで主として国の補助の対象とされていないものでございます。ところが現在、日本民主主義の推進の上に、これらの施設というものが見のがすことのできない重大な役割を演じておることは、文部当局も御存じの通りでございます。従つて、せつかく地方自治体の乏しい財政の中からどうにか住民の要望をもつて建設されたこれらのものが、今度の災害によつて水泡に帰してしまうということになると、これは九州における民主主義の進展にもやはり重大な支障を来すと思うのでございますが、こういう社会教育関係の施設について、国は英断をもつて何らかの助成策を講ずる所存があるかどうか、お尋ねいたします。
  169. 近藤直人

    ○近藤政府委員 御指摘の社会教育施設と申しますと、公民館とか図書館とか博物館等でございますが、これらにつきましての国の補助と申しますものは、まことに微々たるものでございます。これははなはだ遺憾に存じます。たとえて申しますならば、昭和二十八年度の予算におきましてもわずかに一千万円程度でございまして、これは御指摘のようにはなはだ遺憾に思つております。     〔綱島委員長代理退席、中島(茂)委員長代理着席〕 ところが、今回の災害におきましては、その被害額がここにもございますように四億四千万円というような状況でございますので、これをどういうふうに救済するかということは非常に大きな問題でございます。そこで私どもといたしましては、これに対して国が三分の二の補助をして救済したいというふうに考えまして、予算要求を計画しておりますが、これが見通しといたしましてはなかなか困難でございます。困難ではございますが、しかしながら、従来の経緯から申しましても、ぜひともこれは相当力を入れて復旧いたしたい、かように考えております。
  170. 滝井義高

    滝井委員 ただいま松前委員並びに私から教育に関する重要な問題をお尋ねいたしたのでありますが、文部省の意図せられておるところは、われわれ委員が考え、そして主張するところと大体一致しておるようでございます。従つて文部当局も、今御説明くださいました基本方針を曲げないように、それを貫くべく、しつかりと大蔵省なり関係方面に当つていただくことを切に要望いたします。われわれ委員会においても、できる限り文部当局の方針を支持して参りたいと思います。これをもつて私の質問を打切りたいと思います。
  171. 松前重義

    ○松前委員 福井文部政務次官がおいでになりましたので、特に一つ御質問したいと思います。  今度の災害の一番重大な、一番顕著な現象は、今までにない様相を呈した、ちよつと想像のつかない被害であつたということであります。それで、被害はその結果でありまして、原因は非常な広範囲に多量な雨が降つた、言いかえると、かつて歴史にもありますようなノアの洪水のような態勢をとつて来た、ふだんからこういうことをだれも予想しなかつた、そういうことを予言でもしたならば笑われるような、そのような多量の雨が降つて大洪水が来た、こういうことになつておるのであります。山林を濫伐すれば、当然土砂は崩壊し、あるいは水害の原因をつくつて来ることはもちろんであります。また堤防の問題にしても、あるいは橋梁の問題にいたしましても、態本市の子飼橋のごときは、橋脚が非常に狭いので、そこにいろいろな橋や家がぶつかつて、それがたまりたまつてダムを形式したために、特にあの被害が甚大になつた。強い橋をつくるだけが能ではない、むしろ子飼橋は流れた方がよかつた、このようなことさえも言えるのであります。このように、山を治め、川を治め、橋をかけ、あるいはまた土手を築く等のもろもろの問題におきまして、総合的な科学的な冷静な研究というものが必要であるのであります。すなわち、これからは、天然の大自然との闘いの中にあつて人類が闘うときにおいて、いかなる現象が大自然の中に起つて来るかということをある程度頭に入れながら、災害をいかにして防ぐかということを考えなければならない。すなわち、災害の自然科学的な研究、かくのごときは、このような被害を受けたときにわれわれが着手しなければ、なかなかふだんではこんなことは容易にされない問題であります。文部省はこの際に災害科学研究所のごときものを設立されまして、常に総括的に、山から、川から、土手から、橋から、あるいはまたその他耕地関係におきましても、気象学とともに総合的な研究所の設立、これらの運用により、災害のもろもろの問題に対するわれわれの大自然に対する闘いの計画を進める、このような研究所の設置に対していかなるお考えをお持ちでありまするか。幸いに福井さんはその方面の権威者でありまするので、おそらく私どもよりも前に考えて、文部政務次官に就任されたと思うのでありますが、どうかひとつ希望的な御答弁をお願い申し上げます。
  172. 福井勇

    福井政府委員 お答えいたします。ワイヤレスの方面における世界的の権威であられる松前委員のお説は、日ごろ私たち感銘しておるところでありますが、ちようど先ほど受田委員大蔵大臣並びに副総理に対しての御質問の中に、文部省に対する御質問も含まれておつたやに私は受取つております。ところが、そのとき私は答弁をいたすチヤンスを失いましたので、今一緒にお答えさせていただきたいと思います。  受田委員は、今回のような災害について、今日原子核分裂から起るところの、いわゆるU二三四あたりからの原子研究が世界で進められているが、将来それが平和産業の面に応用されるであろうことを予想して、そういう措置をとるべきではないかというような御意見でありました。これらの点は、私はちようど松前博士と、重点は違いますけれども、ほとんど同様の構想だろうという見解をとつております。ところが、こういうような面について、たとえばワイヤレスの面についても、あるいはアトム・ニユークレアスの面についても、文部省が言及いたしますと、ややもするとすぐ戦力という面に曲げて解釈されるおそれがありますので、今日まで学術会議あたりで研究してもらうようにし、発言したくもなるべく遠慮しておつたような次第であります。そこで、平和場裡における産業の開発、あるいは飛躍のために、あるいはまたこういう災害を未前に防ぐべき科学的の処置につきましては、文部省は今日最も熱心に指導しておるところでございまして、すでに今期の科学研究に対する予算措置も、前年度の率から申しまして大体倍ぐらいな額を承認願う過程にありますし、その金額は大体十五億になつておりますが、これは文部省だけの予算でありまして、他の科学技術に関連する役所も入れますれば相当増加はしておりますが、これとても諸外国の科学研究の面における予算使途の合計から見ますれば、まだ非常に貧弱でございます。そこで、各種の研究所を充実する過程にありまする際、特に今回のような天災に対しましては、私は何とか災害研究所というか、そういうような名前のものもこの際積極的に取上げて検討し、また予算が許せばその実現を期したい、かような所存でおるのでございます。
  173. 松前重義

    ○松前委員 非常にお力強いお話を承りましたが、どうかひとつ災害研究所的なものを、決してそれは金ばかり使うための研究所ではなくて、今日まで非常に欠陥とされておつた——今日までは例の気象台と警察あるいは消防団、各行政機関、こういうものとの連絡は従来ほとんどなかつたのであります。それはそのはずであつて、気象台は運輸省に属し、その他のものはそれぞれの行政機関に所属しておるというのでは、なかなか相互の連絡がつかぬわけで、せつかく気象台が豪雨警報を出し、小学生の退避を説いておつても、それがなかなか現地で実行されない。このような点からいろいろな悲劇を生んでおる実例も多いのであります。ただいまワイヤレスについてのお話がありましたが、この通信連絡、ことに超短波による通信連絡というような問題は、この気象の問題とあわせて、水害には非常に重要な問題であります。こういう点もふだんから準備をしてかかつておるならば、もう少し早く退避の準備もでき、水との闘いもできたのであります。こういういろいろな多方面から考えまして、総合的に災害科学研究所のようなものが設立されますことは、これは単に朝から晩まで研究室で研究するというのではなくて、頭の相当冷静な学者、それもそうたくさんはいらないのですが、そういう人によつて、常に想定されるところのあらゆる自然現象に対して研究を続け、過去の歴史、あるいはまたいろいろな物理現象等について研究を続ける、このような機関の設置は今日非常に必要なことであろうと思うのであります。災害の多い日本でありますので、ことに総合的にそのような機関を連携するいわゆる気象台と行政機関との連絡の万全を期し、あるいはまた通信機関、電電公社の機関も利用さしてもらう。そうしてかりにそういう事態が生じた場合には、決して電話料を払わなければ通話をさせぬというようなことでなくて、このようなものはまつ先に話をさせてもらう。あるいはまた超短波で山奥との通信をやるとか、こういう総合的なことで、津波の襲来、山潮の襲来、あるいは洪水の襲来等に対して、早くそれに対処する道を講ずべきである、こういうことが非常に必要ではないかと思うのでありまして、この点に関しては、われわれの同志としてかつて非常に御尽力になつておられた福井さんが政務次官に御就任になり、特に大臣よりも福井さんの政治力と御熱意に期待いたし、われわれも協力をさせていただきまして、できるだけ一日も早くこれらの実現を期せられんことをお願い申し上げる次第であります。
  174. 福井勇

    福井政府委員 松前博士の御持論にはことごとく同感でございまして、これらの点については特に私も各委員の御指導を賜わりまして、せつかくこれらの科学技術政策の飛躍をはかりたいと存じております。特に無装荷ケーブルの世界的な御発見がノーベル賞にも値するという、こういう高い見解を持たれた方が、本委員会において種々な発言をなされ、そうしてわれわれ日本の土地に与えられた大きな災難を未然に防ぐために御努力くださることに対しては、まことに頭の下るものがございます。  今日は、明治、大正、昭和を通じまして、日本の科学技術を尊重しないこと最も著しいのでございまして、政界においては特にこの点において遺憾な点が非常にあるのでございます。特に文部省において、科学技術者の立場における私が政務次官に任命されたというのは、明治以来私が最初であると聞いております。これは吉田内閣のヒットであろうと存じております。かかる意味合いにおきまして、粉骨砕身、御指摘の点についてせつかく勉強いたし、御趣旨を体して実現に邁進したいと存じております。(拍子)
  175. 受田新吉

    ○受田委員 関連して。文化財の保護の点ですが、古墳とか、あるいは史蹟名勝とか、いろいろ天然記念物が著しく損傷されておるのですが、文部省はこうした歴史の遺物をどういうふうに復活させるかということについて十分御努力を願いたい。ことに先年のルース台風で錦帯橋が流されたのに対して、いち早く文化財保護の立場から復活の措置がなされて、今日非常にりつぱなものができ上つておるが、文部省として、この歴史を後世に伝えるものの保護育成ということについて、どういうお考えを持つておるか。  その次は、今回の災害を通じて、学童、学生諸君の協力した美しい幾多の美談があります。私は、九州の災害の現地において、苗の運搬に従事している学童たちの姿を見ました。それからまた食糧を運んでいる美しい姿を見ました。こういうような美談は当然あり得ることではありますが、しかし、学童において、あるいは教師において、その行動の上に、こういう災害のときに、もつて他の範とする幾多の事績があると思うのです。これは各県に調査を命ぜられたら十分資料が出ると思うのですが、こういう機会においてこそ、文部省はこういう美談の主を表彰するというような措置をとつて、人心をして大いに感奮興起せしめる必要がある。いたずらに災害復旧に力を入れるだけでなく、そうした潤いのある措置をとるということについても、文教行政の責任の府にある皆さんとしては、十分お考えにならなければならぬと思います。この点について特に当局の御答弁をいただき、爾後の点は、時             間が参りましたので、後日の委員会に譲ることにいたします。
  176. 福井勇

    福井政府委員 文化財の保護の点につきましては、今後ときどき災害以外にも災難が非常に多くあると思いますので、格別なる注意を喚起いたしまして善処することといたします。  なお、第二段の学童の今回の美挙につきましては、それぞれの方面から耳にいたしまして、非常に感激しておるものでございますが、御指摘のように、これをあまねく世間に知らしめる何らかのよい方法も、当局としては考えることといたしたいと存じます。
  177. 受田新吉

    ○受田委員 なお、資料の提出を願いたい点があります。それは松前さんも触れておられたことですが、大学の科学研究機関を動員して今後の災害に備えるためにも、私常日ごろから考えていたことですが、一例をあげれば、京都大学の火山研究所が阿蘇山にあるが、これはほとんど部外と関係がない。阿蘇山が噴火しても、阿蘇山の中にある研究所がそれを御存じないというような驚き入つた事態があるのですが、火山がどうして爆発したか、火山から流れたものはどういうふうな内容のものであつたかということについて、そのことが終つて後の歴史を説く機関であるならば、これは実に簡単なことですが、そういうことについて事前の措置をとるための大きな働きをわれわれは期待いたしております。そういう火山、地震等の研究、気象の研究等における大学の研究機関が全国に幾つあり、そういう機関においてはどういうことを研究しておるか、そうしてその研究をなしつつあることは、部外のたとえば地方公共団体とかあるいはそのほかの産業諸機関等とどういう連絡がはかられつつあるか、象牙の塔に立てこもつて、部外と関係なくしてその研究がされてはおらないか、こういうような点についての当局の資料を御提出願いたいと思います。そうして、今回の災害において、あるいは従来の幾つかの災害において、大学の研究機関の学者たちがどのような対外的な協力をしたか、現地に出動しての細菌の研究、あるいは防疫に対する研究、気象の研究、雨量の研究、海流の研究、それから河川の自然の流れに反抗したために堤防が切れたという場合の自然の流水度の研究、そういうふうな公共事業の復活に対して、一つの大きな科学的基礎を与えるための協力をどういうふうにしたか、ただ、大学の先生なり高等学校の先生が、単に机上の空論の研究でなくて、そういうことに飛び込んで研究された事例があるならば、そういうものもひとつつかんで、大学は、ただ学問の蘊奥をきわめるところではなくして、そうした学問の応用の点にもかくかくの努力をしておるのだということを、ひとつお示しいただきたいと思います。福井政務次官のお言葉の中にあつた、災害科学研究所の設置に対する今後の構想についての事前工作としての、こういうような広汎にわたつた資料を御提出いただくことをお願いいたしまして、私の質問を終りたいと思います。
  178. 福井勇

    福井政府委員 御指示の資料は、できるだけ整理いたしまして、お届けすることにいたします。
  179. 中島茂喜

    ○中島(茂)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後五時五十九分散会