○受田
委員 災害をよく受ける日本としては、できれば低気圧の
進行方向はどうな
つておるというようなこと、また原子爆弾のようなものがあ
つて、低気圧を爆砕するとか、あるいは
進行方向をかえるとかいうところまで行
つて災害を防止できれば、これは何ものにもかえがたい大きな喜びなんですが、そういう研究機関な
ども大いにひ
とつ——これは文部省所管の中に火山研究所とか、地震研究所とか、気象台などがあるわけですが、こういうようなものをもつとよく研究さしてもらう。この間阿蘇火山が爆発したときにも、京大の地震研究所は、事前に予知することがなくて、何ら役に立たないで、地元民の憤激を買
つておる事実がある。こういうことによ
つて、一つの研究機関と地元の連絡調整を十分はかるように、
政府としてはおやりになる必要はないかと考えるのであります。この点、文部省の一部門に研究機関があ
つて、それが
災害に実際に役に立
つておらないという現実を
はつきりつかんでおりますので、その点を特に副
総理としてお考えを願いたい。
もう一つは、保安隊の問題ですが、保安隊が今回の
災害に非常に協力してくれたことは、私は現地派遣代表の一人としても感謝しました。ところが、これが軍隊的訓練に終始して、こうした
災害に対する救助訓練というようなものにどうも円滑でなかつた。これは現地の人の大きな声です。
従つて、人命を救助する舟艇な
ども用意されてないというようなことで、川を流れて救いを求めておる人を見のがしていたという事実を幾つも聞いたのですが、大砲を一つつくるかわりに舟艇をつく
つて、平素から人命救助訓練をして、保安隊は、国内の治安確保、秩序の保持というような点からいつたならば、人民の生命財産を保護するという重大な役割がある以上は、こういう
災害に対する訓練も平素からや
つておかなければならぬと思うのです。
従つて、軍事訓練でなくして、そういう訓練を平素からやるように、副
総理としてはお考えになるべきであると思うのでありますが、保安隊の性格を、今回の
災害に対する場合の非常な貢献にさらにプラスするような保安隊の訓練を考えて行く必要はないか。装備についても、そういう
災害対策に対する装備をさせるように努力する必要はないか。この点保安隊のほんとうの性格が、人民の生命財産の保護という
意味であり、国内の治安確保という
意味であるならば、そういう点について副
総理としてごく全体の総合政策から見たところの保安隊のあり方について、一考を要するのではないかと思うのでありますが、御所見を伺いたいのであります。