○岡崎国務大臣 まずお断りしておかなければなりませんことは、私は日米安全保障
条約がいいか悪いか、これはいろいろ議論はありましようけれども、現在において
アメリカの駐留する軍隊を国内に置く以上は、これに対する飛行場や演習場や試射場は提供しなければならないことと思います。そこで、これを提供しなければならぬということはわか
つてお
つても、自分のところでは困る、よそへ持
つて行
つてくれ、こういう話を
日本中がいたしますれば、それはどこへも持
つて行きようはないのであります。
従つて、もしわれわれが
アメリカの駐留軍はもう不要だからいらぬ、こういうことが決定されない限りは、どこかにこういうものは置かなければならない。そこで、その場合には一体どこへ置くか。それはいろいろの考慮はありましよう。場所においても、またこれは当然補償等が伴いますので、
政府としてはできるだけ補償の額の少くて済むようなところを選ぶのも、これは自然の
考え方であります。そこで、こういう問題や、その他風紀の問題とか、いろいろの点がありますので、これらをまじめにわれわれは
考えておりますけれども、いずれかのところを提供しなければならないという事実は、これをお認め願わなければならないと
考えております。そこで、始終
政府がいいかげんなことを申しておると言われますけれども、
政府としては、いろいろの考慮から、とにかく四月末まで内灘を使おうということになりまして、そうして五月の一日からとにかく試射もやめておるのであります。しかし、
政府として率直に申し上げますれば、他に適当なところがないので、でき得る限り地元の
人々の
了解を得て、これを継続して使用したいという
考えを持
つておるのであります。そこで、今現に交渉をいたしておる最中であることは御承知の
通りでありまして、この交渉がどうなりますかはわかりませんけれども、もし閣議にかける必要がある場合におきましても、この交渉のためにはやはり新しい問題も出て来ております。たとえば、たまの落ちる付近の町村に対する補償の必要の有無等もありますので、こういう点は、もし話を現実に進めるとすれば、やはり閣議の決定を経て、これこれの補償を出すのだということをきめてかからなければ、交渉ができない場合もあるのであります。こういう
意味で、閣議にかけることの必要も一方にはあるのでありますが、しかし、現にきようも
人々が来ていろいろの話がありますので、明日の閣議にそういうものをかけるかかけないかは、まだ時間もありますので最後的に
考えよう、こう
考えておりますが、しかし、
先ほどお話の個人の問題については、私は言及いたしくたくありませんけれども、前国務大臣の林屋さんも、
政府の意を体しまして、その結果がうまく行つたかどうか、それは別としまして、まじめに、円満に解決しようとして努力してくださつたことは事実と、私どもは
考えております。できればひとつ地元の
了解を得て、新たに話をとりきめたいと思
つて、今いろいろ考慮中であります。