運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-07-23 第16回国会 衆議院 厚生委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十三日(木曜日)     午前十一時二十二分開議  出席委員    委員長 小島 徹三君    理事 青柳 一郎君 理事 中川源一郎君    理事 松永 佛骨君 理事 古屋 菊男君    理事 長谷川 保君 理事 中川 俊思君       越智  茂君    加藤鐐五郎君       助川 良平君    高橋  等君       田中  元君    寺島隆太郎君       降旗 徳弥君    山口六郎次君       中野 四郎君    山下 春江君       萩元たけ子君    柳田 秀一君       岡  良一君    堤 ツルヨ君       亘  四郎君    有田 八郎君  出席政府委員         厚生事務官         (社会局長)  安田  巖君         厚生事務官         (引揚援護庁次         長)      田邊 繁雄君  委員外出席者         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ————————————— 七月二十三日  委員山崎猛君及び西尾末廣君辞任につき、その  補欠として高橋等君及び岡良一君が議長の指名  で委員に選任された。     ————————————— 七月二十二日  戦傷病者に対する終身医療保障に関する請願(  鈴木義男紹介)(第五〇三一号)  未帰還者留守家族援護強化に関する請願(大  矢省三紹介)(第五〇三二号)  同(櫻内義雄紹介)(第五〇三三号)  同(丹羽喬四郎紹介)(第五〇三四号)  インターン制度廃止に関する請願世耕弘一君  紹介)(第五一六三号)  健康保険療養期間延長等に関する請願(楯兼  次郎君紹介)(第五一七五号)  同(横路節雄紹介)(第五一七六号)  簡易水道敷設費国庫補助増額に関する請願(星  島二郎紹介)(第五一八〇号)  母子福祉資金貸付等に関する法律の一部改正  に関する請願星島二郎紹介)(第五一八一  号)  象頭山に薬用植物公園並びに参考館設置に関す  る請願福田繁芳紹介)(第五二〇三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸  付に関する法律案内閣提出第一四四号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する  法律案内閣提出第一一八号)  未帰還者留守家族等援護法案内閣提出第一一  九号)     —————————————
  2. 小島徹三

    小島委員長 これより会議を開きます。  財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸付に関する法律案議題として、前会に引続き質疑を続行いたします。中野四郎
  3. 中野四郎

    中野委員 一、二点さらに疑点をただしておきたいと思うのですが、日本遺族会にこの国有財産をば無償貸付けた場合ですが、事業計画を拝見いたしますと、遺族会が主体となつて大体の設営、運営の任に当られるようでありますが、その中でちよつと私に解せないのは、一般遺族が上京した場合において、これを宿泊の便に供するとあるなれば、宿屋あるいはホテルというてもよろしいような経営方針によるのですが、この場合遺族会方々がおやりになつたのでは、どうもしろうと方々で、ホテル宿屋経営ということは難儀だと思うのですが、そういう場合において遺族会方々はこれを一つ業者のようなものに、何らかの契約をもつて貸すというような場面が起ると思うのです。この場合権利金と申しまするか何というのですか、いろいろな形が現われるおそれが多分にあると思うのですが、一体経営の任に当るものはだれであるのか。もちろん責任者日本遺族会であろうけれども、その衝に当るものは一体だれなのか、こういう点も参考に伺つておきたいと思うのであります。政府説明を願いたいと思います。
  4. 安田巖

    安田政府委員 法案の二条に規定されておりますように、この財産貸付をされました場合には、あくまでそこに書いてありますような事業に使うということでございます。そこで宿泊施設をやる場合も、私ども日本遺族会ということを考えておるわけでございますが、しかし今お話のように、それではしろうとがやつてどうもうまく行かないじやないかという場合もあるいは予想されるのではないかということも考えられないではないのであります。そういう場合には第二条の二項によりまして、第二条の一項の趣旨に応ずるように、適応するような使い方をするということをきびしく監督しながら、厚生大臣の承認を受けて、それを他の経営者に委託するということも考え得るわけであります。できれば私どもは本来の趣旨からいいますと、遺族会というものにやつてもらいたいということを考えております。
  5. 中野四郎

    中野委員 その場合に、やはりこれは仮定論ですけれども、われわれが心配することは、たとえていえば、理髪店食堂、ホールあるいは雑貨店ないしは宿泊、こういうような設備に対して、遺族会がそれぞれの業者に委託する場合、権利金をとつてやるということも考えられるのです。これは決してなおざりにすべき問題ではないと思うのですが、たとえていえば、この衆議院あるいは参議院の国会の中における食堂とかあるいはいろいろな施設にしましても、本来の建前からいえば、国会議員並びに国会職員の便に供するというのが建前でありまするから、その設備とかあるいはそれに必要なところのすべての消粍品は、国会においてこれを負担しておる。     〔「こまかいぞ」と呼ぶ者あり〕  ところが表面上はそうでないけれども、実質上裏面においては、これらの人が中に入るには、相当なるところの、権利金とは申しませんけれども、それに該当するような負担をまぬかれないような状態にあることは、私は決して架空のことではないと思うのであります。従つて私は相当考えておかなければならぬ点は、こういう問題において——今どなたかがこまかいとおつしやつたけれども、元来これを遺族会無償で借すというにあたつては、この完全なる運営をこちらで親心をもつてきめてあげなければ、将来において必ずトラブルが起るということは想像にかたくないのであります。私は微に入り細をうがつようなことを申し上げて、はなはだ恐縮に存ずるが、この点もひとつつておく必要があると思います。将来そういうものを権利で譲渡したり、権利で売買するような行為のあるおそれがあると思うが、こういう点については政府は何と考えておられるか伺つておきたい。
  6. 安田巖

    安田政府委員 今御指摘のような点は私どももごもつともだと存じますので、そういう点十分気をつけたいと思います。これは解散団体財産で、国に接収されたものでございますので、現在法務省が権限を持つておりますが、そういうところともよく打合せをいたしまして、今お話のような場合に万遺憾なきを期するように努めたいと思います。
  7. 中野四郎

    中野委員 根本問題でありますが、昨日も申し上げておきましたが、この法律案を提出する最大の原因として、公務死による遺族の方の福利に供するとあります。この公務死遺族という点については、私は特にこだわらなければならぬと思うのですが、もう少し広い範囲においてこの法案を提出することができないのかどうか。もしそれが不可能だということなら、たとえていえば遺族という定義がない。定義のない言葉対象としてここに出しておるのでありますが、いわゆる御遺族というものの範囲は、少くとも公務死にあらざる者といえども遺族方々が相当数あることは昨日指摘した通りでありますが、これに対してはいかなる方法をとることが一番よいかという点について、政府の考え方をこの際伺つておきたいと思うのであります。
  8. 安田巖

    安田政府委員 この点につきましては、前回及び前々回の委員会におきましていろいろお答えいたしたのでありますが、その後なお元の軍人軍属で、公務によつて死亡した者の遺族という言葉がいろいろ問題になつたわけであります。どなたかが戦没者としたらどうだというようなお話もございまして、私もそれも一つの案だと思いまして、別にこれにこだわるつもりもございませんので、昨日考えてみたのでございますが、戦没者といたしますと、戦争で死んだというような意味になりますので、内地で公務で死んだというような者は入らない場合もございます。そうすると、広くなつたようでかえつて狭くなつたようにも考えられる。それを全然そういうものをとりまして、軍人軍属遺族だというふうにかえしてしまいますと、範囲が非常に広くなるのであります。しかももうやめてしまつて恩給をもらつておる人がなくなつた場合の例をとつて考えますと、そういう方の遺族国有財産無償で貸しつけてまで保護しなければならぬというりくつがなくなつて来るということで、ここに書くのもいかがかという懸念もあるわけであります。そこで私は、当委員会でいろいろ遺族援護等につきまして問題になりました公務死というような点で、一々の例をとりますと、確かにお気の毒な方があるようでございますが、そういう場合には公務死に準ずるような者も、そのときに常識で考えて適当に扱うということにするならば、これは一つ財産の使用だけでございますから、そうそこに無理はないじやないかというような、私ども気がいたしております。そういうような取扱いにしたならばいかがかと考える次第であります。
  9. 中野四郎

    中野委員 そういう説明であれば、何も限定された遺族という結果にならなくていいと思う。広い意味において、広汎なるところの御遺族の便に供するというのがあたりまえであつて昭和六年満州事変以来になくなつた御遺族対象としたり、あるいは明治二十七、八年の日清戦争以後の御遺族対象とするというような限定をする必要はないと思う。年限において差があろうとも、ひとしく国家のために尊い犠牲になられた御遺族の人に対しては、広汎な範囲で御遺族の便に供するというのがあたりまえであると思う。しかしこの点から見れば、限定された遺族ということになれば、今日の遺族会というものは非常に限定された遺族会と言わざるを得ない。広汎なる見地に立つて遺族の便に供す、遺族会がその衝に当るというならわかりますけれども、この法案の提案の仕方はいろいろあろうと思うのです。立法計画の上に立つても相当いろいろな問題もあろうと思いますけれども、広い意味において戦没遺族という言葉を入れれば、結果において非常に狭くなるという結論に対しては、どうもちよつと了といたしかねるのですが、一体政府はそういう限定した御遺族ということをお考えになつていらつしやるのかどうか。これもちよつと了解に苦しむのです。
  10. 安田巖

    安田政府委員 私のお答えが足らなかつたと思いますけれども、適当な表現の方法がないわけであります。たとえば軍人軍属遺族といたしますと、これは全部入ります。入りますけれども、そういたしますと、かつて軍人軍属であつたというだけの遺族、つまり公務で死んだんでもなければ、在職中死んだんでもなく、やめて恩給をもらつておる人の遺族というものも、全部この法律によつて利益を受けるんだということになります。そういたしますと、国有財産無償で貸し付けるという法律に書く理由といたしまして、国民納得するようなものから少し逸脱するんじやないかということを、私どもはおそれておるわけなんです。そこで今申しましたように、一応こういうふうに公務死を考えまして、それに準ずるようなものは、その場くの取扱いにおいてやれるんじやないかというような感じを持つておるわけであります。適当な字句を実は探しあぐねたようなわけでございます。
  11. 中野四郎

    中野委員 政府答弁は了といたしますし、また気持も了といたしますが、私は必ずしもこの字句にとらわれるのではありませんけれども国会においてはきわめてこれをば安易に決定いたしましても、これが末端に及ぼすときには、相当字句にとらわれるもんなんです。ここはよほど慎重に考えておかなければならぬ問題でして、むろんこの日本遺族会方々も、そういう限定された遺族方々の便に供するというような御意思はないことを私はかたく信じております。しかしながら立法計画をされまして、しかも提案されたる法律案の中にこういうものがあるんですから、これをたてにとられれば、何とも抗弁の仕方がないことを考えなければならない。従つて私はうまい字句がないからと言わずに、限定されたる遺族にあらずして、日本国の、いわゆる民族、国家のために、大なる犠牲になられた人々に対しては、当然国家国民責任においてこの人々の償いをするという見地に立つて、広汎なる遺族方々の便に供すというような立場をとられることが一番よいと思うのです。だから言葉の上ばかりでなく、字句の上にも十二分に気を配つて、そういうような方法を講じられることがよいと思いますが、ほかに見当らぬと言われるんじやちよつと困りますが、見当らぬと言われれば、遺族という言葉も変なんです。これはどういうようなものを対象にされたかしらぬが、御遺族という定義はないはずなんだから、その言葉がこの法案の中に載つて来ることすら少しおかしい。だからこれは本日上げられることもけつこう、各党の代表の方々がこれに対して討論をなさることであろうと思いますが、この点については特に留意していただいて、限定されたる遺族にあらず、広汎なる日本国の御遺族に対しての便に供するという原則を、いささかもゆがめてはならぬということが一点。  さらにもう一点つけ加えておきますが、国有財産の払下げあるいは貸付、これが運営に対しては、必ず将来にいろいろなトラブルのあり得ることが、私は想像にかたくないと思うのです。このことに対する十二分の用意を今日しておく必要があると思いますから、やはりこれを決定あるいは適当なる処置をなさるにあたりましては、そのことの厳にないというような、一応厚生委員会としては、責任処置をとつておかなければならぬと思うのです。  私はこれ以上申し上げてあえて時間を費そうとは存じませんけれども、きわめて厳格なる条件を付して、日本中の御遺族の便にすみやかに供するように、この法案を通されることには私は賛成であります。どうか私の意のあるところをば了とされて、この二点については、委員長におかれましても、この法案処置について十二分に御留意を願いたいということをお願い申し上げて、私の質問を終ります。
  12. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 ただいま中野委員の御発言になりました貸し付けるところの対象名称の問題でありますが、私の方も同感に思いますので、ひとつ後刻理事会でも開いて、各党とお諮りをして、できるならば共同修正のようにおとりはからい願いたい。  それからもう一つは、今中野委員が御指摘になりましたように、この中でいろいろ仕事がなされますが、区切つて高い権利金特定業者に間貸しをするというような結果も生れて参りますから、当然利権の問題がたくさん出て来ると思うのです。必ずしも金があり余つて、ゆたかな経営ができるということは考えられませんけれども、しかしやり方によつては相当な収益が上るということを考えることもできると思うのであります。従つて現在の日本遺族会というものに対する公正妥当な監督機関といいますか、この軍人会館運営するにあたりまして、これを明朗化するため、民主化するために、非常に公正妥当な監督機関というものをつけなければ、ことによつて軍人会館が将来伏魔殿化することも考えられないことはないというようなことも憂慮いたしますので、監督機関をこれにつけるということをひとつこの委員会で皆様にお諮りを願つて、適当な方法において監督機関を設け、それから今の名称、この二点を御調整願つて、一刻も早く遺族無償貸与を私たちは希望いたしますので、この二点について理事会でお諮り願いたいということをわが党は主張いたしまして、これで質疑けつこうであります。
  13. 小島徹三

    小島委員長 他に本案についての御質疑はございませんか。——他本案についての御質疑はないようですが、本案質疑は終了したものと認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 小島徹三

    小島委員長 御異議もないようですから、本案質疑は終了したものと認めます。この際暫時休憩をいたしまして、懇談をしたいと思います。     午前十一時四十一分休憩      ————◇—————     午後零時六分開議
  15. 小島徹三

    小島委員長 休憩前に引続き会議を再開いたします。  この際午後一時まで休憩することといたします。なお零時三十分より緊急理事会を開会いたします。     午後零時七分休憩      ————◇—————     午後二時三十一分開議
  16. 小島徹三

    小島委員長 休憩前に引続き会議を再開いたします。  まず財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸付に関する法律案議題とし、審査を進めます。本案はすでに質疑を終了しておりまするので、ただちに討論に入ります。古屋菊男君。
  17. 古屋菊男

    古屋(菊)委員 私は改進党を代表いたしまして、二、三の点につきまして強く政府当局に希望を述べ、本案賛成の意を表するものであり手。このたび、戦争遺族に対する援護対策の一環として、旧財団法人軍人会館の所有しておりました国有財産たる建物を、米駐留軍より近くわが国に返還されるに際しまして、これを財団法人日本遺族会無償で貸し付け、遺族福祉目的とする事業の用に供しようといたします本案趣旨は、まことに時宜を得た処置であり、賛成をいたすものでありまするが、審議過程を通じまして、各委員からも指摘され、また政府当局答弁にも端的に現われておりますように、本案実施に関しましては、政府当局に必ずしも確固不動の信念がないように見受けられる次第でありまして、心もとないのであります。政府においては、責任を持つて立案いたします以上は、将来の事業運営等に関しましても細密な調査企画の上に立つて、いやしくもその結果がかえつて遺家族のためにならないようなことがないようにしていただきたいと思うのであります。この点どうしても心もとないのであります。今後本案実施にあたりましては、たとえばこれが一部の人によつて営利のために悪用されるとか、あるいは財政的運営が誤つて、かえつて遺族福祉増進に逆作用するようなことが起らないように、どこまでも遺族福祉増進をはかられるよう、政府当局の積極的な監督あるいは積極的な指導をお願いしておきたいと思うのであります。  第二に、本案にありますところの旧軍人軍属公務により死亡した者の遺族のみがこれの対象となるのでありまするが、その他の遺族、全部の遺家族をもその対象としていただきたいと思うのであります。この点を強く希望申し上げて、賛成の意を表する次第であります。
  18. 小島徹三

  19. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました財団法人日本遺族会に対する国有財産無償貸付に関する法律案に対しまして、賛成をするものであります。  ただ、すでに前同僚議員によつて討論せられましたように、この大きな日本国有財産が一部利権屋どもに利用せられて、当初の目的を損じないように、当局が厳重なる監督をされ、ただに軍人軍属、その遺族のみならず、公務死意味を、国家総動員法等によつて動員せられておりました遺族等に至るまで広くせられまして、気の毒なる遺族諸君のために、またその幸福のために、十分活用せられるように望みまして、賛成するものであります。
  20. 小島徹三

  21. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 わが党はこの法案につきまして賛成の意を表するのでございますけれども審議過程においてわが党からその事理を明白にいたしました通り、終戦後、占領中に解散団体指定を受け、また接収になつて国有財産に帰したものの中には、ことに物件、土地などにおいては非常に種類が多うございますが、これらのものをどうするかというところの、接収対象なつたもの、解散団体指定に一応なつて国有財産に帰したもの等の処置に対する国の方針、中でも社会福祉事業をこの中でやつたり、国がやるべき義務教育を代行したりしているような国有財産につきましては、私は親心ある処置がとられなければならないと思うのでございますが、何らそういうものに対する一貫した方針政府から発表されずして、この国有財産であるところの日本軍人会館だけが切り離して特別扱いを受けるということに対しましては、はなはだ不満に存ずるのでございます。その場あたりでなく、かつて接収対象解散団体指定なつたものは一々検討して、政府方針が一応わくをつくつて打出されなければならないと存ずるのでございます。これはもちろん国家公務のために死んだところの英霊を持つ人々の集まりである日本遺族会にこれが無償貸与されるのでございますから、遺族貸与するということについては異議がないのでございますけれども、しかし他の接収なつた、解散団体指定されたところの国有財産との均衡もございますので、今後政府は何かの機会を通じてこの点をひとつ議会に明らかにされたいということを、この際申し上げておきたいと思います。  それからこの財団法人日本遺族会に貸し付けるところの国有財産である軍人会館は、今日の額に直しますとたいへんな額でございまして、非常に高価なものでございます。日本遺族会貸与とは申しましても、一応大きな財産を所有することになるのでございますから、従つてこれが運営に当りましては、当然に生れて来るところの利益金であるとか、またこれの用途については、明瞭かつ民主的に国民納得の行くように示されなければならないと存ずるのでございます。今までの例を見ておりますと、こうした国有財産無償に払い下げてもらつたり、また貸し付けてもらつたりして、その中でボスが暗躍をして非常に目をおおわしめるような、国民の非難の的になるような運営の仕方を往々やつておる施設が相当あるのでございまして、少くとも日本遺族会がそのような指弾を世間から受けてはならないと存ずるのでございます。日本遺族会というものを見ておりまするときに、遺族をお世話申し上げるという建前に立つて、この遺族の石をかりて、遺族会に便乗して、相当いかがかと思われるような動きをするところの幹部が見え初めて来たことは、この委員会審議途上皆さんの品からはつきりと話されておるのでございまして、私たちはこの役員だとか理事の内容を見ますときに、はなはだ疑念を持たざるを得ないのでございます。少くとも特定の、国会議員であるとか、政党活動をしておる人とか、また常に選挙に出馬を志すような方が、この遺族会役員となつて暗躍するがごときことはまつたくもつてのほかでございます。こうした点につきましては、政府並びに国会十分監視をしなければならないと存ずるのでございます。この国有財産軍人会館というものが、真に草深いところの遺族もその恩典に浴するのでなければ、われわれこの法案審議した目的を達しないのでございまして、今後政府としては、明朗にして民主的な運営並びに事業経営を御監督になりまして、この国会に機を見て御報告になり、国民納得の行くところの今日以後の軍人会館のあり方を御明示されたいと存ずるのでございます。  なお改進党から御指摘がございましたように貸し付ける対象については、公務死という言葉はつきりとうたわれておりますけれども、この公務死ということは、法律の規定するところの公務ということになりますれば、国家公務のために殉じた、またこれに準ずる死に方をしたような犠牲者を持つ遺族で、この法のわく外にある人たちを考えますときに、私たちは、やはりこれが厳密にわくを狭められて、きびしい法律的な解釈をされるということに対しましては、はなはだ残念でありまして、何とかしてこれを広義に解釈して、できるだけ多くの人たちをこの中に入れて行くようにしなければならぬと思います。かといつて遺族という名をかりて、特定役員などがごの中にいろいろな人々をひつぱり込みまして伏魔殿化することがあつてはいけないのでありまして、こういう点にも十分御摩意を厚いたい。  以上をもつて賛成の意を表するものであります。
  22. 小島徹三

    小島委員長 以上で討論は終局いたしました。  採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕  ○小島委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  次に、本案について附帯決議を付すべきであるとの動議が提出されておりますので、その趣旨弁明を求めます。山下春江君。
  23. 山下春江

    ○山下(春)委員 ただいま御決定になりました国有財産の払下げに関しましては、審議過程におきまして各委員から強く要望されました点を要約して、次のような附帯決議を付したいと思います。附帯決議を朗読いたします。    附帯決議  本法に於ける公務死亡の範囲は、これを実情に即して可及的広義に解釈するとともに、旧軍人会館運営については、明朗にして民主的なるを期し、政府は適切なる監督措置を講ずることを要望する。  というのであります。皆さんの御賛成を願います。
  24. 小島徹三

    小島委員長 ただいまの動議についての御発言はありませんか。——なければ採決いたします。ただいまの動議の通り附帯決議を付すことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 小島徹三

    小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。  なお、本案に関する委員会の報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 小島徹三

    小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————
  27. 小島徹三

    小島委員長 次に未帰還者留守家族等援護法案議題とし、審査を進めます。本案は前会においてすでに質疑を終了いたしておりますが、現在本案に対する修正案が提出されておりますので、まずその趣旨弁明を聴取することといたします。青柳一郎君。
  28. 青柳一郎

    ○青柳委員 本修正案は各党こぞつての共同提案でございます。まず朗読いたします。   未帰還者留守家族等援護法案の一部を次のように修正する。   目次中「調査究明」を「調査究明及び未帰還者の帰還促進」に改める。   第一条中「未帰還者の」を「未帰還者が置かれている特別の状態にかんがみ、国の責任において、その」に改める。   第七条中「夫、」を「夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、」に改める。   第八条中「二千百円とする。」を「二千三百円(昭和二十八年十二月三十一日までは二千百円。以下この条中同じ。)とする。」に改める。   第二十条に次の一項を加える。  2 前項の規定により指定医療機関へ収容して療養の給付を行う場合において、収容された者が恩給法の規定による増加恩給、傷病年金若しくは傷病賜金又は戦傷病者戦没者遺族等援護法昭和二十七年法律第百二十七号。以下「遺族援護法」という。)の規定による障害年金を受ける権利を有するとき(傷病賜金については、その支給を受けた場合を含む。)は、政令で定めるところにより、その者からその者に係る収容中の実費の一部に相当する額を一部負担金として徴収するものとする。   第二十四条第二項中「療養に要する費用」の下に「(療養費の支給を受けるべき者が医療機関に収容されて療養を受けた場合であつて、且つ、その者が恩給法の規定による増加恩給、傷病年金若しくは傷病賜金又は遺族援護法の規定による障害年金を受ける権利を有するとき(傷病年金については、その支給を受けた場合を含む。)は、療養に要する費用から第二十条第二項の例により算定した一部負担金に相当する額を控除した額)」を加える。   第二十七条第二項に次の但書を加える。   但し、厚生大臣が必要があると認める場合においては、療養の給付を行うことができる。   第三章の草名を「調査究明及び未帰還者の帰還促進」に改める。   第二十九条を次のように改める。  (調査究明及び帰還促進)  第二十九条 国は、未帰還者の状況について調査究明をするとともに、その帰還の促進に努めなければならない。   附則第二十二項中「厚生省令で定める場合を除くほか、」を削る。附則第二十五項に次の但書を加える。   但し、厚生大臣が必要があると認める場合においては、療養の給付を行うことができる。   附則第二十八項中「第二十七条」を「第三十条」に改める。   附則第三十三項中「(昭和二十三年法律第百二十九号)」を削る。   附則第三十七項中「(昭和二十七年法律第百二十七号)」を削る。   附則中第十九項を第二十項とし、以下順次一項ずつ繰り下げ、第十八項の次に次の一項を加える。   (扶養手当の額の改訂)  19 昭和二十八年四月から七月までの間において、旧法の規定により扶養手当の支払を受けた者(未帰還職員に関し、従前の公務員給与法附則第三項の規定により俸給の支払を受けていた者を除く。)に対しては、その者に支払われた同年四月分から七月分までの扶養手当を左の各号に定めるところにより算定した場合の総額からこれらの月分としてすでに支払つた扶養手当の総額を控除した額をとりまとめて支給するものとする。   一 扶養手当の支給の原因となつた者のうちに妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)及び子があるときは、旧法の規定による扶養手当の月額に三百円を加えた額を扶養手当の月額とする。   二 前号の場合を除き、扶養手当の支給の原因となつた者のうちに妻又は子があるときは、旧法の規定による扶養手当の月額に五百円を加えた額を扶養手当の月額とする。   三 前二号の場合を除き、扶養手当の支給の原因となつた者のうちに第七条の規定に該当する留守家族に相当する者があるときは、旧法の規定による扶養手当の月額に七百円を加えた額を扶養手当の月額とする。  簡単に御説明申し上げます。これは五点にまとめて説明することができます。まず第一点は、原案においては家族手当を第一順位者に二千百円とありますのを、先般の恩給法の改正において、二等兵、一等兵、上等兵をすべて兵長並に引上げたのに伴いまして、家族手当月二千三百円とするのが第一点。  第二点は、第一条におきまして、未帰還者が置かれております特別の状態にかんがみまして、国の責任において援護する旨を明らかにした点でございます。  第三点は、第二十九条におきまして、国は、未帰還者の状況について調査究明するとともに、その帰還の促進に努めることを明らかにせんとするものであります。  修正の第四点は、増加恩給、障害年金、傷病年金または傷病賜金を受けるべき者、あるいは受けた者についても、厚生大臣が必要と認める場合は、この法律により療養給付を行うことができるようにせんとするものでありまして、この場合におきましては、政令の定めるところによりまして、実費の一部を徴収せんとするものであります。   修正の第五点は、昭和二十八年四月から七月までの間におきまして、未復員者給与法または特別未帰還者給与法による扶養手当を受けた者には、扶養手当を増額いたし、これを追給する措置に準じた措置をとることとせんとするものでございます。
  29. 小島徹三

    小島委員長 ただいまの弁明についての御質疑はございませんか。  次に未帰還者留守家族等援護法案及び同法案に対する修正案を一括して討論に入ります。長谷川保君。
  30. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました未帰還者留守家族等援護法案政府提出の原案中、同じく上程せられておりまする各党共同提案の修正案文を除いたもの、及び各党共同の提出の修正案に対しまして賛成するものであります。  今回この法案によりまして、多くの改良がなされましたことを深く喜びとするものであります。ただ一言ここで言うておきたいことは、第二十九条におきまする調査究明の項の適用であります。この調査究明は、もちろん未帰還者の消息につきましては十分にいたしまして、その留守家族のためにも未帰還者のためにも、すみやかにその事情を明らかにいたしまして、その家族たちの、また未帰還着たちの幸福を増進するために努力しなければならないわけがらでありますけれども、従来これがともすると思想調査が行われることがございます。憲法によつて保障されました思想の自由ということを、われわれは十分に重んじなければなりませんし、今後あるいは逆コースの道をたどられると、調査究明に名をかりまして、ともすれば思想調査の中にまで入つて行かないものでもないという懸念がございます。さようなわけであのますから、私はこの法案の全部に対しまして、深い賛意を表するものでありますけれども、この二十九条の適用につきましては、どうか十分な注意をせられるように強く要望いたしまして、討論を終ります。
  31. 小島徹三

    小島委員長 有田八郎君。
  32. 有田八郎

    ○有田(八)委員 私は未帰還者留守家族等援護法案に、ただいまの修正意見を付する、そういう条件をもちまして賛成の意を表するものであります。  ただこの第十三条に「この法律の施行後三年を経過した日以後においては、過去七年以内に生存していたと認めるに足りる資料がない未帰還者の留守家族には、留守家族手当を支給しない。」こういう条文があるのであります。これは生死不明のままに長い間留守家族に手当を支給しておるということは、国としてとうていこれを認めることができない、こういうふうな趣旨で、過去七年以内に生存していたと認めるに足る資料がない者には、その留守家族の手当を支給しないということを定められたのであります。しかし過去の状況を見てみますと、いろいろな事情から未帰還者の調査が十分に行き渡つておらなかつたために、まつたく消息不明の者が突然帰つて来たり、あるいは死んだと報告された者が生きて帰つて来るというふうな状況が、少くとも過去においては相当数あつたのであります。こういうふうな状況がこれから何年続くか、実は予断を許さないような状況にあるのでありますが、そういうふうな際に、こういうふうな、七年以内に生存していたと認めるに足る資料のない者には、その者の留守家族には留守家族手当を支給しないというふうにすることは当を得ないように考えるのであります。しかし国として不定期の、しかも非常に長期にわたる期間に、留守家族手当というものを支給しておるということはよくないという見方にも一応の道理があると思いますので、十三条はこれを承認せざるを得ないと思うのでありますが、そのかわり、この三年間における未帰還者の消息の調査究明を十分にしていただきたいと思うのであります。従来は調査に、外務省と厚生省とが、おのおの違つた分野を受持つてつたために、その連絡等について十分なことができなかつたと思うのであります。また調査究明の費用等に至つても、実は広汎にわたり、そうして非常に困難であり、調査を遂げるのにはその額がはなはだ少かつたと思われるのであります。そういうふうな点を十分政府において考慮せられまして、この際この調査究明を徹底的にされ、実は生きておる人の未帰還者の留守家族が、不当にその留守家族手当の支給を打切られるというようなことがないようにということを考えておるのであります。これらの点につきましては、附帯決議等の形において一応委員会の希望を表明していただきたいと思うのであります。そういうふうなことで、十三条については多少の意見がございますけれども法案全体といたしましては、ただいま申し上げましたように修正案が可決いたしますれば、これでさしつかえない、かように考えておる次第であります。
  33. 小島徹三

    小島委員長 以上で討論は終局いたしました。  青柳一郎君より提出せられました、各派共同提案になる未帰還者留守家族等援護法案に対する修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  34. 小島徹三

    小島委員長 起立総員。よつて本案は可決されました。  次にただいま修正いたしました以外の未帰還者留守家族等援護法案を、原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  35. 小島徹三

    小島委員長 起立総員。よつて本部分は原案の通り可決いたされました。本案は修正議決いたしました。  次に本案に附帯決議を付すべきであるとの動議が提出せられておりますので、その趣旨弁明を求めます。有田八郎君。
  36. 有田八郎

    ○有田(八)委員 未帰還者留守家族等援護法案に対する附帯決議案  従来ソ連地区及び中共地区に残留すると認められる未帰還者の消息につき調査不十分と思われる点のあつた事実にかんがみ、政府はこの際徹底的にその消息の調査究明に努め、生存者の留守家族の手当が不当に打切られるがごとき事態を生ぜざるよう善処を要望する。   右決議する。
  37. 小島徹三

    小島委員長 ただいまの弁明についての御発議はございませんか。——なければ採決いたします。本動議の通り附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  38. 小島徹三

    小島委員長 起立総員。よつて本動議は可決され、本案は附帯決議を付することに決しました。     —————————————
  39. 小島徹三

    小島委員長 次に戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案議題とし、その審査を進めます。  本案は前会において質疑を終了しておりまするが、現在委員長の手元に、本案に対する修正案が提出されておりますので、まずその趣旨弁明を求めます。青柳一郎君。     —————————————
  40. 青柳一郎

    ○青柳委員 この修正案も各派共同提案になるものであります。朗読は省略さしていただきますが、少しく訂正する箇所がございますので、その点だけ触れておきます。  この第一ページの「戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。」その次に一項目を入れていただきまして、「第二十六条第一項第一号中「二万五千二百円」を「二万七千六百円(昭和二十八年十二月三十一日までは二万五千二百円。以下この条中同じ。)」に改める。」という点と、もう枚めくつていただきまして、二ページのところに3という算用数字の項目がございます。これは読むだけで許していただきたいと思いますが、「前項の場合において、同項に規定する先順位者としての遺族年金の額は、第二十六条第一項の規定にかかわらず、昭和二十八年十二月三十一日までは二万二百円、昭和二十九年一月一日以後は二万二千六百円(第二十三条第一項第二号に掲げる遺族たるにより支給するものである場合は、昭和二十八年十二月三十一日までは一万二千百二十円、昭和二十九年一月一日以後は一万三千五百六十円)を、当該遺族年金を受ける権利につき同順位にある者の数で除して得た額とする。」そういうふうに訂正していただきます。  簡単に説明を申し上げます。  修正の第一点は、先ほどの未帰還者留守家族援護法において留守家族手当を増額したと同じ趣旨によりまして、遺族年金を同様に引上げるというのが修正の第一点であります。  第二点は、遺族のうち、父、母、祖父、または祖母が、氏を改めないで婚姻したとききは、遺族年金の失格及び失権の理由としないことであります。  第三点は、先順位者としての遺族年金における権利を二つ以上有する遺族には当該遺族年金を併給することといたしたい点であります。  第四点は、平和条約第十一条に掲げる裁判により拘禁された者が当該拘禁中に死亡した場合は右の遺族にも遺族年金及び弔慰金を支給せんとするものであります。
  41. 小島徹三

    小島委員長 以上で本案に対する趣旨弁明は終りましたが、この修正案に関する御発言はございませんか。——なければ、次に戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、及び同法律案に対する修正案の両案を一括して討論に付します。山下春江君。
  42. 山下春江

    ○山下(春)委員 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成し、残余の部分については政府原案に賛成するものでありますが、ただひとつ私はこの際強く要望を付しておきたいことは、この援護法の第八条に、不具廢疾の程度の別表がございますが、これは恩給法によつて当然引上げられるべきでありましたが、本委員会におきましてはこれの審議をいささか怠つた点がございましたために、このまま通りましたことに対しては、まことにどうもわれわれ申訳ないと思つておりますので、次会におきましてこの第八条を改正するということを強く政府に要望したい。これはもう委員会としても非常に大きなミスをやつたと思いますが、事今日に至つてはいたし方があり合せんから、一応このままのむといたしましても、次会におきましては、恩給法同等に七項症、四款症までをこれに加えるようこれはぜひとも政府において善処されることを強く要望いたしまして賛成するものであります。
  43. 小島徹三

  44. 長谷川保

    長谷川(保)委員 ただいま上程せられました戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案に対する各党共同提案の修正案に賛成をいたし、その部分を除きました残部の政府提出の同法案賛成の意を表するものであります。ただただいま山下委員から申されました通り、われわれは他のことに熱中している間にまんまと大きなエラーをいたしまして、この第八条に第七項症以下を入れることと、金額を訂正することを5つかりいたしました。これをすみやかに改正せられるように強い要望を付する次第であります。なおわが日本社会党といたしましては、当法案がその適用の範囲を船舶運営会のC船員にまで拡張せられましたことにつきましては、一歩を進めたものと思うのでありまして、深く賛成するものでありますけれども、さらに一歩を進められて、国家総動員法によつて動員せられた者、及びこれに準じますすべての者にこの法律を適用する日のすみやかに来るように、近い将来におきまする改正を深く要望いたしまして、一応賛成をするものでございます。
  45. 小島徹三

  46. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 改進党並びに左派の主張と考えを同じくする点は重短を避けてこれを省略いたしますが、最後にわが党といたしましては、この援護法の対象から漏れて、公務に扱わるべきものまた公務に準ずべきものとして再調査を要するものが非常に全国的に多うございますので、苦情処理機関を設けて、極力これが一々のケースについて調査しなければならないということを主張したのでございますが、今回は私の方のこの主張を曲げて一応同調いたしますが、恩給法の対象、援護法の対象並びに未帰還援護法の対象、これらを一括して苦情処理機関を設けて政府において善処されるよう私は要望いたしまして、急ぎますのでこれで討論を終ります。
  47. 小島徹三

    小島委員長 亘四郎君。
  48. 亘四郎

    ○亘委員 私は自由党を代表いたしまして、修正されました部分はもちろんのこと、修正部分を除きました点にも賛成をいたすものであります。先般遺族援護の法案を本厚生委員会でつくりました際に、私どもは現在のものをもつて完全と考えるのではない、将来これを改善することを強く希望いたしておつたのであります。今回政府がそうした点にかんがみまして、恩給法を施行するに伴いまして、同時に遺族援護法の一部改正案を提案なさつたわけでありますが、このことはまことに時宜を得た措置でありまして、その範囲の拡張あるいは年金の増額、こうした点について徐々に改正を加えていただいたことに対して厚く敬意を表するのであります。なお現在の状態におきましてもただいま各党を代表された委員方々から不十分な点の指摘がございましたが、私もやはり同様そうしたことについて憂慮いたすものでありまするが、政府におかれましても将来すみやかに早い機会にこうした不備な点を改正されて、本案がますます遺族援護の法案として、遺族方々に喜びをもつて迎えられるように努力されんことを強く要望いたしまして、賛成の意を表するものであります。
  49. 小島徹三

  50. 高橋等

    高橋(等)委員 私はただいま議題となりました法律案につきまして、自由党を代表して修正案に賛成し、修正案を除く政府原案に賛成をいたすものであります。  時間の関係上省略させていただきますが、昨年度実施せられました戦傷者戦没者遺族等援護法はきわめて暫定的なものであります。今般政府原案によりますと、年金その他の面におきまして相当大幅な修正がされております。これでも十分とは申されませんが、現下の財政状況とにらみ合せましたときに、相当思い切つた提案がなされておる、ことに敬意を表します。  なおこのただいま提出になりました修正案は恩給法の一部改正と歩調を合せたものであります。また平和条約第一条に掲げる、裁判により拘禁された者が拘禁中に死亡した、その遺族に対する手厚い規定が織り込まれておりますことは、画期的なことであると私は非常に喜んでおります。  以上賛成討論と、たします。
  51. 小島徹三

    小島委員長 以上で討論は終局いたしました。  採決いたします。まず戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  52. 小島徹三

    小島委員長 起立総員、よつて本修正案は可決されました。次にただいま修正いたしました以外の原案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  53. 小島徹三

    小島委員長 起立総員、よつて本部分は原案の通り可決され、本案は修正議決いたされました。  なおただいま議決いたしました両法案に対する委員会の報告書の作成に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 小島徹三

    小島委員長 御異議なしと認め、そのようにいたします。  本日はこれをもつて散会いたします。次会は明日午前十時より開会いたします。     午後三時十三分散会      ————◇—————