○堤(ツ)
委員 私はわが党を代表いたしまして本法案に賛成の意を表するものでございます。
本法案の
改正は、現段階に即応した当を得た
改正案であると存じて、御同慶にたえないのでございますが各
委員との
質疑応答を承
つておりましても、
政府におきましては幾多の問題を残していると存ずるのでございます。いわゆる
部長が目下研究中、よろしく考慮して、慎重を期す、というような言葉を羅列されましたが、ただいま長谷川
委員の御
指摘のように、これが単なる抽象的なお答えでなくして、今までとは違うところの誠意ある施策を切に願
つておかなければ、この
法律は百パーセント生きないものであるということを御忠告申し上げたいのでございます。
特にわが党から要求いたしたいのは、
養成施設に対するところの今までの
監督不十分、さらに
政府の怠慢の点でございます。いかがわしいと批判されるところの
学校が出て来た私立問題に対しては、新たなる検討を加えられまして、門をくぐる人々のためにこれが悪いものはなくし、いいものは助長されて行くことを私は切望すると同時に、起債の件、融資の件についても、お答えになりましたように、保護政策をとられんことを要望するのでございます。
なおいまだ
養成施設を持たないところの山間僻地を多く持
つている
地方の
府県に対しましては、できるだけこれを公共立とし、これに補助金を与えて、ぜひ近いうちに、
全国都道
府県至るところに
施設なきものなしとして、いただきたいということを要望するのでございます。
次に
通信教育の
内容でございますが、
通信教育は官民一体とな
つてこれに協力するの態勢が整えられなければ、はなはだいかがわしいものになると私は存ずるのでございます。
松永委員から御
指摘がありましたように、できるならば
全国的に画一的なものとされ、そして同時に行われますところのこれら
卒業者の
試験につきましても、
全国画一制をとられて、今までの不公平を何とかして是正されたいと存ずるのでございます。なお
通信教育によ
つてその負担が重きに失し、門をくぐらんとする人々がその目的を達し得ないのでは、私
たちの意図した目的に沿いませんので、どうか安くしかも完全な
通信教育がお互いの協力によ
つて、道を開かんとする人々のために、ひ
とつ強力に押し進められるように特に
厚生省令をおつくりになり、これらの施策を具体的にお進めになるときには、この
委員会の意図も了とせられて、ひ
とつ委員会にもお諮りにな
つておきめ願いたいということを要求いたしておきたいのでございます。
第三点に要求いたしたいのは、
試験制度の件でございます。わが党といたしましては、二重の門になりつつあるところの
試験制度は、将来
施設が充実しましたあかつきには、廃止せらるべきものでなければならないことを強調いたしました。但し現段階においては、どうしても
試験制度というものを無視することはできないという
政府当局の見解でもあり、私
たちにおいても、それをある
程度認めますので、これを認めたいと存じますけれ
ども、大臣の
指定した
養成施設を出た人々が、さらに
都道府県知事の
試験を受けるのに、今日いかに戦々きようきようとしておるか、しかもこれが幾多の弊害を生んでおるという
現実を見まして、私はこの二重の門である都道
府県の
試験制度は、一日も早くこれを廃止できるように
養成施設の充実をお願いいたしたいと存ずるのであります。
この
法律の目的は、
学校にからだを持
つて行
つて、月々何がしかの授業料と生活費をみずから償いながら、この目的を達し得ない零細な子弟への道を開いたものでございまして、ことにわが党といたしましては、この零細な道を切り開かんとするところの、しかもこれを生涯の仕事として、これで食
つて行かんとする人々に対しましては、
政府は将来私立のものに対しましても、なお公共立のものに対しましても、できるならば何人までは授業料を免除するとか、特定の恩典を与えるとかいうような受入れ態勢をつくるようにされまして、どうしてもこの
学校に行きたいけれ
ども行けない、また講義録が読みたいけれ
ども読めない人の道を開いてもらわなければ、私は要保護世帯の子弟を救うことができないということを特に
政府に御忠告申し上げておきたいと存ずるのであります。
本
制度は、私
たちはその志さんとするところの国民層をよく検討いたしまして、何とかしてできるだけ多くの
人たちの希望を生かしたいと念願するものでございますから、要するところ、
養成施設の充実も、講義録の
内容の問題も、
試験制度の撤廃の問題も、また授業料を免除してあげる
方々、零細な人々への特定の道も、すべて食
つて行かんとするところの大衆への奉仕であるということをお忘れなく、
政府におかれましては、今日までのような怠慢ずさんな施策を御反省にな
つて、今日以後努力されたいということを切に要望いたして、賛成の意を表するものでございます。