運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1953-06-20 第16回国会 衆議院 厚生委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年六月二十日(土曜日) 午前十時三十二分
開議
出席委員
委員長
小島
徹三君
理事
青柳
一郎
君
理事
松永
佛骨
君
理事
古屋 菊男君
理事
山下 春江君
理事
長谷川
保君
理事
堤 ツルヨ君 越智 茂君
加藤鐐五郎
君 助川 良平君 田中 元君 安井 大吉君 萩元たけ子君
杉山元治郎
君 亘 四郎君
出席政府委員
厚生政務次官
中山
マサ
君
厚生事務官
(
社会局長
)
安田
巖君
委員外
の
出席者
厚 生 技 官 (
公衆衛生局環
境衛生部長
)
楠本
正康君 専 門 員 川井
章知
君 専 門 員
引地亮太郎
君 専 門 員 山本 正世君
—————————————
六月二十日
理事高橋等
君の
補欠
として
青柳一郎
君が
理事
に 当選した。
—————————————
六月十九日
健康保険法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第五〇号)
厚生年金保険法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第五一号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
理事互選
と畜場法案
(
内閣提出
第一七号)
民生委員法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一九号)
—————————————
小島徹三
1
○
小島委員長
これより
会議
を開きます。 まず、
理事
の
互選
についてお諮りいたします。去る十七日、
理事
の
高橋等
君が
委員
を辞任されましたので、それに伴い、
理事
の
補欠選挙
を行いたい存じます。その選任の
手続
に関しては、
委員長
より指名することに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小島徹三
2
○
小島委員長
御
異議
なしと認めます。
青柳一郎
君を
理事
に指名いたします。
—————————————
小島徹三
3
○
小島委員長
次に
と畜場法案
を
議題
とし、
質疑
を続行いたします。
長谷川委員
。
長谷川保
4
○
長谷川
(保)
委員
この
法律
は、全体としては非常にいい
法律
だと思いますが。
簡易屠場
の問題で、これが
部落
の周辺に非常にたくさんつくられて、
環境改善
上非常に困る面が出て来はせぬかというおそれがあるのでありますが、この点について
当局
はどういうようにお
考え
にな
つて
おりますか。
楠本正康
5
○
楠本説明員
これは、本法にもありますように、場所を決定いたします場合には、十分に
環境衛生
上の
見地
を注意いたしまして、認可するように、第四条第一項の条件に相な
つて
おります。従いましてただいま御
指摘
のような場合は、この第四条に違反することに相なります。
従つて
おそらく認可が得られないのではなかろうかと
考え
ます。
長谷川保
6
○
長谷川
(保)
委員
今日まで
全国
の
部落
が非常に
水準
が上
つて
参りまして、ほぼ
一般社会
と同
水準
にな
つて
来たところもずいぶん多く見受けられるのであります。われわれは喜びにたえないのでありますけれ
ども
、しかしただいま申しましたように、せつかくここまで
水準
の上
つて
参りました
部落
が、この
種屠場
が多数できますと、そこにいろいろな
意味
におきましての悪影響を生ずるおそれがあります。それをこの第四条で一応ある
程度
セーブできるというような
お話
でございます。しかし
簡易屠場
のつくられます
距離等
の
制限
は別にないようでありますが、今申しましたように、
簡易屠場
が多数できまして、風教上おもしろからざる
事情
が起りはせぬか、あるいはまた今までのいわゆる差別観念的なものにさらにまた逆行するおそれはないか、そういう点を憂えるのでありますが、
当局
の御
意見
を伺いたい。
楠本正康
7
○
楠本説明員
御
指摘
の点は、婉曲におつしや
つた
点につきましても、よく理解したつもりでございます。これは
由来経営
が成り立つことが
根本原則
でありまして、
従つて
小さな
部落等
に多数できますれば、昨日も申しましたように、たとい
施設費
がわずかに五十万円
程度
とは申せ、
経営
が成り立たぬことになります。従いましてそういうようなものは、むしろそちらの方面から結局はできないことになるのではなかろうかと存じます。それから一方
距離制限
につきましては、
屠場行政
の立場から申しますれば、
施設
が
支障
なし、また
環境
上から申しましても
支障
ないというようなことになりますならば、あえて
距離制限
をするというようなことはどうだろうかというふうに
考え
ております。かような点はむしろ
実態
に即した、現実の正しい
指導
によ
つて
解決すべきものだ、かように
考え
てはおります。
長谷川保
8
○
長谷川
(保)
委員
その点はあるいは矛盾する
考え
方であるかとも思うのでありますが、
簡易屠場
を設置いたしまする規模、
費用等
、先日の
同僚委員
の御
質問
によ
つて
、大体二十坪、五十万円というような
お話
を承りましたが、非常に微妙な点ではあるかと思いますが、むしろその
設備費用等
をしんしやくし、簡単なもので許可するようにいたしますれば、
農村
至るところに簡単にできまして、
有畜農家
のためにするというこの
法案
の目的が、むしろ至るところで実現される。そうなればいわゆる
部落
の周囲に密集するというようなことはなくなる。今
お話
の
通り
に、そういうようなものは一箇所にありまししも営利的に成り立たない、こういうことになるかと思うのでありますが、
設備
についてもつと
簡易
にする御
意思
はありませんか。
楠本正康
9
○
楠本説明員
施設
を
簡易
にいたしますればするほど、
農村等
にもそれだけ普及いたすことは御
指摘
の
通り
だと思います。しかしながら、一方
簡易
にいたしますと、やはり
衛生
上の
危害
というようなものも相当
考え
なければならぬと存じます。従いまして一方では
農村
の
畜産振興
というようなことを
考え
つつ、どの
程度
まで緩和するか、一方また
衛生面
を考慮いたしまして、どの
程度
に押えるかというような点に
調和
を求めなければならぬのであります。その
調和
を見出すことはできないのでありまして、この辺で私
ども
はこの
調和
を見出しているというふうに
考え
ておるわけでございます。
長谷川保
10
○
長谷川
(保)
委員
今日の
農村
の
実態
から見ますと、できればこれは
部落ごと
ぐらいにつくりたいと思います。そういたしますと、私は一箇所五十万円という額は大きいと思うのであります。一村に一箇所ぐらいならば可能でありますが、いわゆる
部落単位
に持
つて
行くということになりますと、五十万円では
ちよ
つとむずかしかろうと思います。そういう点、どういうふうにお
考え
にな
つて
おりますか。
楠本正康
11
○
楠本説明員
これはおつしやるように、
使用者側
から見ますれば便宜であろうと存じます。これはたびたび申し上げる
通り
であります。しかし一方、
人畜共通
の
伝染病
というようなものもかなり多いのでありまして、また従来の実績に徴しますと、総
屠殺数
の約三〇パーセントが何らか
支障
がありまして
廃棄処分
、あるいは
部分廃棄等
の
処分
を受けておるわけであります。従いましてかなり大きな
数字
が危険にさらされておると
考え
なければなりません。かようなことを
考え
ますと、やはり
衛生
上ある
程度
の規制を守らなければならぬものと
考え
ます。従いまして
部落ごと
にこれ以上簡単な
施設
をつくるというようなことは、その点で少し
支障
を来すのではなかろうかと
考え
ます。また一方、現在私
ども
は
簡易屠殺場
の
施設
として、もちろん例外はありますが、通例といたしまして一日十頭
程度
の
屠殺
を
考え
ておるわけであります。まず十頭
程度
ということになりますれば、どうやら
経営
の面からも可能であるし、
支障
なく実施ができるのじやなかろうかというふうな点も
考え
ております。従いましてあまり
部落ごと
につく
つて
も、その
数字
すらにも達しないような場合もあると存じますので、これは
経営面
からして行き詰まりを来しはしないかというふうに
考え
ております。
長谷川保
12
○
長谷川
(保)
委員
なおわが党といたしましては調査すべき点があるので、
質問
を留保いたしまして、この
程度
で終ります。
小島徹三
13
○
小島委員長
加藤委員
。
加藤鐐五郎
14
○
加藤
(鐐)
委員
私はほかの会合と
ちようど
時間が衝突いたしておりましたので、あるいは済んだかとも思いまするが、今回
簡易
屠畜場ができましたことは、まことに
けつ
こうでございますが、従来におきましても
衛生
の
見地
から見て、それがぐあいよいよ行くかいなかということを心配いたしておる次第でございます。従来の
公設
の
屠場
におきましてもはなはだ遺憾な点があ
つたの
でありまするが、この
簡易屠場
においても同様に
検査
は厳重にされるのでありますか、どんな
手続
でやられるのでありますか、それを
ちよ
つと
伺つて
みたい。
楠本正康
15
○
楠本説明員
簡易屠場
におきましても
一般屠場
におきましても、
検査
の
手続
あるいは
検査事項等
はま
つた
く同様でありまして、
簡易屠場
と申しましてもやはりさような
意味
で
検査
は極力徹底的に行うのであります。また肉類は、その
検査
の完了いたしました
検印
がなければこれを販売できませんので、
簡易屠場
において
屠殺
されましたものも必ず
検印
を受けることに相なります。ただこの場合相当な
検査員
の人数が必要と相なりますが、この点に関しましては、しつかりした民間の
団体
に勤務しておるような
獣医師
をも県の職員といたしまして、
検査
に従事させて行きたい方針でございます。
加藤鐐五郎
16
○
加藤
(鐐)
委員
普通の
屠場
におきましても、機構、
検査
の
手続
はただいま
お話
の
通り
でございますが、またいろいろの
検査
の
手続
を今
ちよ
つと読んでみますと、患部を切るところの
メス
は
違つたメス
を使わなければならぬとか、いろいろなこと規定してありますが、実はそれが完全に行われておらないというのが
実情
でありまして、れは
検査
を厳重にされることであろうと思います。またしなければならぬと思いますが、
簡易屠場
ができますと、そういう
検査
ということが完全にできるでありましようか。その辺のところ——するとおつしやることは申すまでもないのでありますが、手が及びますかどうかということをもう一言
伺つて
おきたい。
楠本正康
17
○
楠本説明員
これはおつしやるように、私
ども
といたしましては
検査
すると申し上げるほかございませんが、
検査
に従事いたします人間は、ただいま申し上げましたように相当な増員を
考え
なければならぬと思います。また多数の
簡易屠場
の
施設
の
指導監督
というようなものには
十分県当局
がこれに当らなければならぬものと
考え
ます。また
簡易屠場
におきましては大
動物
、たとえば牛とか馬とかいう大
動物
は扱わぬことに相な
つて
おります。と申しますのは、大
動物
はえてして
人畜共通
の疾病が多くありますので、かようなものを扱わずに、もつ
ぱら豚
あるいはやぎというような小
動物
を
対象
として
考え
ておるわけであります。この点から申しましても、私
ども
はこの
程度
であるならば
衛生
上の
危害
は起るまいというふうに
考え
ております。
加藤鐐五郎
18
○
加藤
(鐐)
委員
ただいまの御
答弁
きわめて安易な
答弁
でありまするが、実際一々あげなくても、御
承知
の
通り幾多
の
伝染病
、
幾多
の恐るべき
病毒
を持
つて
いる家畜があるのであります。それが
公設
の
屠場
でありますと、そういうものを実際上
屠殺
できることになるのであります。しかるに
簡易屠場
になりますと、
検査員
も少いし、そこにいろいろの情実も生じます。そういうものを
屠殺
し、そして判を押すということはあり得べきことなのでございまして、私がもうこれ以上かれこれ言う必要はありません。厳重に
衛生
的の
見地
で、ただ
利便
をはかるということが主でなくして、
利便
をはかると同時にそういう
病毒
の蔓延、不良なる食肉を
一般
の人らの販売の用に供せぬ、こういう
検査
を私は厳重にしていただきたい、これに遺憾なきを期していただきたい、こう思うのであります。何か御
答弁
があればそれだけ承
つて
おきます。
楠本正康
19
○
楠本説明員
ただいま御
指摘
のように、この
屠殺経営
という
業態
はきわめて複雑な
業態
でありますことは、私自身もよく
承知
をいたしております。今後はできるだけ屠
畜検査員
をしばしば交代するとか、あるいはその
監督
を厳重にするとかいうようなことをいたしまして、一層屠
畜検査
の正しいやり方を確保して参りたいと存じます。
加藤鐐五郎
20
○
加藤
(鐐)
委員
私はそれを強く希望いたしておきます。これで私の
質問
を終ります。
小島徹三
21
○
小島委員長
他に
本案
について御
質疑
ございませんか
——他
に御
質疑
もないようでありまするから、次に移ります。
—————————————
小島徹三
22
○
小島委員長
次に
民生委員法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
とし、
質議
を続行いたします。
堤委員
。
堤ツルヨ
23
○堤(ツ)
委員
社会局長
に少しお尋ねいたしますが、今年もまたわれわれの手元に
婦人民生委員大会
の案内が来ておるわけでございます。聞くところによりますれば、
婦人民生委員
の数がだんだん減りつつあるということでありますが、二十五、二十六年
あたり
の
婦人民生委員
の
トータル
がございましたらお知らせ願いたい。
安田巖
24
○
安田政府委員
お答え申し上げます。
昭和
二十七年の八月一日の調べで十一万三千八百三十九人の
民生委員
のうちで、御
婦人
の方が二万一千五百三十人でございます。
堤ツルヨ
25
○堤(ツ)
委員
私は前からの減りぐあいをずつと知りたいのですけれ
ども
、そこのところをもう一度——わからなければあとでもよろしいが、
ちよ
つと
質問
を進めて行きましようか。
安田巖
26
○
安田政府委員
それではひとつあとで……。
堤ツルヨ
27
○堤(ツ)
委員
私は
局長
にお尋ねしたいのでございますが、
民生委員
のあり方につきまして、いろいろ申し上げたいことはたくさんございますけれ
ども
、私はかねがね
民生委員
というものは、少くとも
半数
以上は
婦人
でなければならないということを主張して参
つたの
でございます。それでこいねがわくは
政府当局
におかれても、おひつの中、そうしてボロまで注意してもらわなければならない
民生委員
は、
婦人民生委員
をできるだけふやすように努力していただきたいということを、かねがねお願いして参
つたの
でございますが、それに対して
政府
はいかなる積極的な手を打
つて
来られたか。近時
減つて
来ておるという
傾向
にあるこれについて、どういう見解を持
つて
おられるか、
トータル
をお
示し願つて
も、これは
減つて
来ておると思いますが、それについてまずそのお
考え
をお聞かせ願いたいと思います。
安田巖
28
○
安田政府委員
婦人
の
民生委員
の方がたくさん出られますことは、私
ども
たいへん
けつ
こうなことと思
つて
おるのでございまして、仰せのように、こまかいことにも心が行き届くというようなこともございましようし、また
保護
を受ける方が、
未亡人世帯等
も多うございまして、そういう方がまた
婦人民生委員
さんのところには行きやすいというようなこともございましようから、私
ども
実は賛成なのでございます。今の
厚生省
の
政務次官
が
ちようど
御
婦人
の方でございますので、
政務次官
からもぜひ
婦人民生委員
をふやすようにしろという
お話
があるわけであります。ただ規則か何かに書きまして、
婦人民生委員
は半分でなければならぬとか、あるいはどういう割合でなければいかぬとかいうようなことは、男女平等の
原則
に反するようなことにな
つて
もいけませんので、この点はそういう
指導
はできぬのじやないか。いろいろそういう
要望
がありながら、実際問題としてはこれは二割くらいでございますけれ
ども
、やはり一方から申しますと、
婦人
の方はそれぞれ
家庭
を持
つて
おられて忙しいものでございますから、男の方と
違つて
、
要望
はしながら、実際にさて出すとなるとむずかしいような
事情
があるのじやないか、こういうふうに推察いたしております。私はそれほど
減つて
はいないと思
つて
おりますけれ
ども
、いずれ調べましてまた御報告申し上げます。
堤ツルヨ
29
○堤(ツ)
委員
外国の例を見ましても、
婦人民生委員
というのは、
日本
の数に比べて比較にならないほど多いのでございます。
地方
の
生活
要
保護
の
対象者
、それからあらゆる
方々
の
意見
を承りましても、
全国
至るところに
婦人民生委員
をふやしてほしいという声は非常に多いのでございます。でありますのに、ただいまの
婦人民生委員
の
推薦委員会
というものは、とかく
男子
の
方方中心
でございまして、実際
民生委員
の
保護
のもとにある
人々
の声が相通じない、
従つて
およそ
民生委員
というものは、宙に浮いたものであり、また
実情
に即しないものであるというところの声が多いのでございます。たとえば
一つ
の町に例をと
つて
見ますれば、疎開して来て何ら郷土の
事情
に、その町の
特殊事情
に詳しくない人が、顔でも
つて
民生委員
に
なつ
たり、おおよそ貧乏とは縁遠いところの
素封家
の御主人やおばあさんが
民生委員
の大
部分
を占めて、顔と肩書をかせいでおるというような始末でございまして、貧乏人の
子供
などは、見ても汚らわしいというような
民生委員
があまりにも多いということは、私は
政府
に
反省
を求めなければならないと思うのでございます。
従つて
どうか
婦人民生委員
を積極的にふやす手をお
考え
いただきたい。もちろん私は
中山厚生政務次官
とは数日前から
婦人民生委員
のことについては語り合
つて
おりますが、私が
安田局長
に申し上げておるのは、
厚生政務次官
に
中山マサ
さんがな
つて
からの御
処置
をお尋ねしておるのではない。過去数年叫び続けて来た
婦人民生委員
についてどういう
処置
をと
つて
来られたかということをお尋ねしたい。おそらく
政府
は積極的な手を打
つて
おられないと私は思う。
民生委員
は全部が
ボス
のような存在であり、また
実情
にそぐわない人ばかりであるとは申しませんが、あまりにも非難されておる
民生委員
の数が多いということは、
民生委員
の
制度
があ
つて
も、その実をあげ得ないという結果に終
つて
おる。はなはだしきに
至つて
は、大阪のある
母子寮
に、やかましくいわれて
母子世帯
を入れたところ、それは
民生委員
の第二号であ
つた
というような
実例
もある。
母子福祉資金
の貸付な
ども
いろいろと私
たち
は案じましたが、
民生委員
をかさに着て、弱い、
生活
苦にあえぐところの
母子世帯
を脅迫するというような
民生委員
があるということは、
文化国家
としてまことにふさわしからざることでありまして、私は
政府
に慎重に胸に手を当てて
反省
してもらわなければならぬと思う。私は過去六年議会で
厚生委員
をや
つて
参りましたが、
全国
の
民生委員大会
が
年ごと
に開かれるたびに、その都度
政府
に非常に
反省
を求めて参
つたの
でございますが、
政府
においては何ら積極的な手を打たれない。しかも
民生委員法
の一部
改正法
をお出しにな
つて
も、
枝葉末節
であ
つて
、私は本旨に少しも触れてもらえないということを残念に思います。この
民生委員法
の一部
改正
の
法案
の審議にあた
つて
、私は強くこれを
要望
し、今
局長
のお答えになるように、
民生委員
はその
半数
なり七五%が
婦人
でなければならないというようなことを明記いたしますと、もちろん
男子
の
基本的人権
を侵すということになりますが、そういうことは絶対ないと思いますから、通達なり、また
局長
などのお
考え
でしかるべき手が打てるのじやないか。また
地方
とももう一度
民生委員会制度
については懇談されまして、一大改革を加えてもらわなければ、
ほんとう
にこの零細な
人たち
の
家庭
を救うということはできないと思う、嘆かわしい
実例
がたくさんございますけれ
ども
、これを申し上げておりますと、時間がかかり過ぎますから、私はものわかりのよい
安田局長
に、この切々たる
婦人
の真情を訴えて、これは
国民
の声であり、要
保護者
の声であり、
未亡人母子世帯
の声であり、恵まれない
子供たち
の声であるということを御
反省
にな
つて
、ぜひ何とかしていただきたい。しかるべき手をお打ちに
なつ
たならば、責任をも
つて
この
委員会
で御発表願いたいということを申し上げて、私の
質問
を終ります。
小島徹三
30
○
小島委員長
長谷川委員
。
長谷川保
31
○
長谷川
(保)
委員
今日
民生委員
の多くの
方々
の中に、非常な犠牲を
払つて国民
の
基本的人権
を守るために積極的に涙ぐましいほどのよい
活動
をしておられる
方々
があることは、お互いよく
承知
のことでありまして、この事柄に対しましては、私
ども感謝
にたえないのであります。しかし数から申しますと、これは残念ながらそう多数の
方々
ではないと思います。そうしてこれと逆に、残念ながら今日
民生委員
という最も民主的でなければならない職を利用いたしまして、あるいは
選挙
のために、あるいはその他の利益のために、これを悪用する向きがあることを否定するわけに参りません。これはきわめて残念なことでありますが、ことにこれが
都市
に至りますに
従つて
、そういう悪弊が順次出て来ております。極論をする
人々
は、むしろ
民生委員
はない方がいい。そして新しい理念を十分教育された専門のケース・ワーカーを、十分にその
身分等
を保障いたしまして、これにかえるべきだという
方々
もあるのであります。私もそういう
方々
の議論に対しまして、確かに傾聴しなければならないものが
実情
としてあると思う。今回の一部
改正法案
におきまして、この重点は
民生委員推薦会
の
組織
を改めることにあるのでありますが、この
組織
を改めるところの内容を見ますと、私はそういう
民生委員
の
方方
、
ほんとう
に民主的な
活動
をしていただくための
方々
を選びますのに、この
推薦会
に選ばれまする
方々
の
性格
というものは、これでは不十分だと思うのであります。これにもしたとえば
労働組合
あるいは
農民組合
というような、民主的な
団体
からも二人ずつ出て来ていただくというようなことにいたしますれば、その点は相当是正できるのではないかと私は思うのでありますが、この
推薦会
の
委員
に、そういうような
団体
からなお二人ずつ出てもらうというようなことにする御
意思
はありませんか、
当局
の御
意見
を承りたい。
安田巖
32
○
安田政府委員
民生委員
の
人選
というのが、この
制度
の一番大事な点でございますから、
長谷川委員
の
お話
のように、
人選
には特に気をつけたい、それが今度の
改正案
の
一つ
のねらいであるわけであります。従来の案とお比べを願いますと、ただいまいろいろ御
指摘
になりましたような問題を根絶するわけには参りませんけれ
ども
、幾分でもよくしたいという点が、これに現われているということをおくみとり願えるのではないかと思うのであります。
お話
のあ
つた
ように、
選挙等
に利用するというようなことは、極力避けなければなりませんので、いろいろ政治的な色彩のつきやすいような者は、できるだけこの中から省いて行く。なおまたある一部の
傾向
を代表する人だけが
推薦会
の中で多数を占めるということも、これまた困
つた
ことでありますので、その点につきましても適当な比例を保つようにということが、
改正案
の中に出ておるわけであります。いろいろ
考え
まして、私
ども
といたしましては、そういう
労働組合
とか
農民組合
とかいうのは、入れない方がいいのではないかというよう
なつ
もりでかようにいたしたのであります。
長谷川保
33
○
長谷川
(保)
委員
私は今
推薦
をして参りまする
団体
と申しますか、そういう
方々
の
性格
一から七までのところを見ますと、どうしてもこれでは
ボス
が出て来るおそれがあると思うのであります。そういうものに力強く抵抗し、是正して参りますのは、やはり
都市
では
労働組合
だと思います。この際ぜひ
労働組合
をここに入れるべきだと思う。これを落しまして、こういう
傾向
の
人たち
だけを入れて参りますと、その弊害は除去できないと思う。この点について
厚生省
はもつと
考え
るべきだと思うのでありますが、
労働組合
から出してはいけないというような御
意見
をお持ちなんですか、お持ちでありますればその
理由
を承りたい。
安田巖
34
○
安田政府委員
ここに書いてございますのは、先ほど
ちよ
つと申しましたけれ
ども
、こういう
傾向
とかああいう
傾向
とかいう、
傾向
のない者をというような選び方を実はしたつもりでありまして、別に
労働組合
、
農民組合
がいけないということについての
理由
を言えというほどのことはございませんけれ
ども
、まあこの
あたり
が一番現在の情勢から適当じやないか、こういうことでございます。
小島徹三
35
○
小島委員長
他に
本案
についての御
質疑
はございませんか。
——他
に
本案
についての
質疑
もないようでありますから、
本案
の
質疑
は終了したものと認めるに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小島徹三
36
○
小島委員長
御
異議
がないようでございますから、
本案
の
質疑
は終了したものと認めます。 次に討論に入ります。
青柳一郎
君。
青柳一郎
37
○
青柳委員
私は自由党を代表いたしまして、この
民生委員法
の一部を
改正
する
法律案
について賛意を表したいと思うのでございます。 思い出せば
昭和
二十五年、画期的な
生活保護法
が
日本
に打立てられ、その内容を見ますに、世界にも誇るべき非常に完備したりつぱなものであ
つたの
であります。ただその中で一点非常にぐあいが悪く、われわれは何とかしてこれを修正しようと努力したのが、ここに出ております
生活保護法
の第二十二条、すなわち
民生委員
が
活動
する場合には、実施機関が
民生委員
に協力を求めた場合に限るという点でございました。当時はあたかも連合軍司令部の占領行政下にありまして、われわれの意図はついに実現するを得なか
つたの
でありますが、今回ここにみごとに実現するに至
つた
ことは、十二万
民生委員
の喜びはもとより、
民生委員
のこの社会福祉に対する熱情は、今後ますます増嵩せらるることを期待するものでございます。さらにそれのみではございません。この
法案
を見ますのに、あるいは
民生委員推薦会
の
組織
を改めて、その
委員
を広く社会福祉全般の代表者の中から委嘱することができるようになりました点、さらにまた
民生委員
協議会は、福祉事務所その他の関係行政機関との連絡に当ることを明定せられ、さらにまた市町村社会福祉関係
団体
の
組織
に加わることを得るというふうな、非常に
民生委員
にとりまして画期的なる規定をつくられましたことは、私
ども
大いに賛意を表する次第でございます。ここに初めて、占領下にあ
つて
屈辱感を与えられ、さらに
民生委員
の従来から持
つて
おります体験を大いに活用せんとしてそれを阻止せられておりました
制度
が、ここに打破せられ、
民生委員
の
要望
する
制度
が打立てられて、
民生委員
の
活動
に大いなる活力を与えることに相なりました点は、両手をあげて賛意を表する次第であります。 ここに私は自由党を代表いたしまして、賛成の意を表する次第でございます。
小島徹三
38
○
小島委員長
山下春江君。
山下春江
39
○山下(春)
委員
私は改進党を代表いたしまして、
本案
に若干の希望を付しまして賛成するものでございます。 今回
改正
されました第八条の、
民生委員
の選出の方法につきましては、従来よりも非常によく改められたことに対しては、私も喜んでおる者の一人ではありますが、先ほど
政府
委員
からの
お話
で、どうも
婦人
を何割、
男子
を何割ということは
法律
としては規定できない、さようでございましようけれ
ども
、こういうふうな非常に民主的な機関によ
つて
選出されましても、
実情
は女子が非常に少い、特にこの間の改選におきましては、先ほ
ども
同僚委員
から強く御
指摘
のありましたように、私の県などでは
婦人
が皆無というようなまことに奇妙な
選挙
を行いましたことに対して、非常な不満を持
つて
おるのであります。実際に要
保護
世帯あるいは未亡人世帯などは、前に
婦人
の
民生委員
に非常によく働いた人があるために、今は
委員
ではございませんけれ
ども
、すべての問題を前
委員
のところに相談に行くというような
実情
がそこにもここにもあるのでございます。
法律
に規定することはおかしいと言えばおかしいかもしれませんが、少くとも半分半分くらいならば規定してもあまりおかしくないのではなかろうかと思うのであります。
民生委員
の行います事業は、大体
婦人
を
対象
にする場合の方が率からい
つて
非常に多いのでございます。今日まで行われて来ました
民生委員
の業績は非常にわれわれの感謝する面もございましたが、目に余るようなまことに悪徳漢の方が数が多か
つた
ような感じもいたすのであります。そういう点からこれを将来運営して行かれます
政府当局
の方では、その点を十分に御勘案願いまして——何と申しましても
対象
が女でございます、
民生委員
ということは
一つ
の武器のような点が、ありましたことはお耳に入
つて
おると思いますが、こういう弊害が将来起りませんように十分な御勘考をお願いし、希望いたしまして、
本案
に賛成をいたすものでございます。
小島徹三
40
○
小島委員長
長谷川
保君。
長谷川保
41
○
長谷川
(保)
委員
私は
日本
社会党を代表いたしまして、本
法案
に対しまして希望を付しまして賛意を表せんとするものであります。
民生委員推薦会
の
組織
につきましては、先ほど申し述べましたように、私はこの
組織
だけでは真のよき
民生委員
を得ることはなお不十分だと思います。
民生委員
こそは社会保障
制度
のいわば第一線に活躍していただきまして、そして真の基本人権の
保護
のために、民生の安定のために活躍していただかなければならない、最も理想的な人物を得なければならない非常に重要なものであると思います。そういう
意味
におきまして、適当な機会におきまして、社会の民主化のために最も大きな推進力となります
労働組合
、
農民組合
等から、この
推薦会
の
組織
に加はり得るようなふうに、
政府当局
におきましても考慮せられ、
改正
せらるるように希望いたしまして、本
法案
に賛成するものであります。
小島徹三
42
○
小島委員長
亘四郎君。
亘四郎
43
○亘
委員
私は自由党を代表いたしまして本
改正案
に賛意を表するものでございます。 前回本
民生委員法
の一部を
改正
いたしました際に、
民生委員
を補助的機関から協力機関にするということで、
民生委員
の地位の向上をはか
つたの
でございましたが、その結果といたしまして、協力機関の一員と
なつ
た
民生委員
の地位は向上されたかもしれませんけれ
ども
、その実際の
活動
におきまして、むしろか
つて
積極的であ
つた
ものが非常に消極的にならざるを得なか
つた
結果と相な
つたの
でありまして、この点まことに憂慮いたしたことがそのまま実現いたしまして、私
ども
は非常に遺憾に思
つて
お
つたの
でありますが、今回
政府
におかれましてそうした点を
考え
られまして、そこに再び
改正案
を出されまして、それらの不合理な点を除かれまして、
民生委員
が心から協力いたしまして、積極的に
活動
のできるような
組織
にまた改むることは、まことに時宜を得た措置だと
考え
るわけであります。しかしながらいかに
法案
が
改正
されましても、要するにその運営の衝に当る
民生委員
の
方々
がりつぱな
方々
でなければならないことは申すまでもないのでありまして、そういうりつぱな
民生委員
の方を選ぶために、ここに
推薦会
の
組織
をさらに拡充強化されて、そうしてりつぱな
民生委員
の選出を期待されるような
処置
をとられたことも、非常に賢明なことだと私は
考え
るのであります。こうした
改正
がなされることによりまして、
日本
の社会福祉事業が一段とりつぱに発達され得ることに相なるのでございまして、この点非常に喜ばしい次第であります。いろいろ他の
委員
の方から希望的なる条件も出ておりまするが、
政府
におかれましてはこうした御
意見
を十分考慮いたされまして、この
法案
の運営に万全を期して、所期の目的を達せられることを希望いたしまして、私の賛成討論を終る次第であります。
小島徹三
44
○
小島委員長
堤君。
堤ツルヨ
45
○堤(ツ)
委員
私は
日本
社会党を代表いたしまして、
民生委員法
の一部を
改正
する
法律案
に賛成するものでございますが、
政府
に二、三要求をいたしておきたいと思います。
民生委員
制度
なるものにつきましては今日なお
幾多
の欠陥がございまして、福祉事務所との関係もあり、
政府当局
におかれましてはこれら盲点につきましては十分お心得のことと存ずるのでございます。今回の
改正
まことに
けつ
こうでございますけれど、はたしてこの一部の
改正
をも
つて
民生委員
制度
の完璧を期し得るかどうかは、はなはだ疑問でございます。ことに私がただいま
質疑
を申し上げました
通り
、
地方
に参りますれば、その市町村の
素封家
であるとか、一向
生活
苦と縁遠いような
方々
だとか、また疎開して来て
地方
の
事情
にうとい
方々
などが顔と肩書をかせいでいる。しかも
長谷川委員
から御
指摘
がありました
通り
、一たび
選挙
となれば、これが
地方
選挙
、総
選挙
といわず、非常に悪用されまして目に余るものをたくさん見せつけられて来たのでございます。どうかこういう欠点を十分御認識にな
つて
、私が強調いたしますところの
婦人民生委員
、何箇年かの計画によ
つて
民生委員
は
半数
以上を
婦人
に占めさせるというところの積極的な御計画を願いたいということを、切に
要望
したいものでございます。 なお
推薦委員会
の
制度
につきまして、今までの
推薦委員会
というものが、非常に非難ごうごうたるものでありましたので、やや
改正
を加えられますけれ
ども
、しかしもつと民間
団体
というものの立場がこの中に取入れられてしかるべきではないか。御存じの
通り
地域
婦人
団体
、それから青年団な
ども
このごろでは民主的な活発な
活動
を進めて参りまして、
民生委員
制度
に対する鋭い批判も持
つて
おるようでございます。
婦人
団体
、未亡人
団体
、その他あらゆる民主
団体
が、この
民生委員
の中に大いに協力されることが最も望ましいと私は存ずるのでございます。私
たち
はもつともつと
民生委員
制度
につきましては、
政府
に
要望
いたしまして
改正
いたしたい点がございますけれ
ども
、今回のところは各党歩調をそろえて御賛成のようでございますから、しぶしぶながら賛成をしておくわけでございます。決して今までの
制度
のあり方に対しまして満足しておるものでございませんということを御認識願いたいと思います。
小島徹三
46
○
小島委員長
以上で討論は終局いたしました。採決に入ります。
本案
を原案の
通り
可決することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小島徹三
47
○
小島委員長
御
異議
なしと認めます。よ
つて
本案
は原案の
通り
可決いたされました。 なお
本案
に関する
委員会
の報告書の作成に関しましては
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
小島徹三
48
○
小島委員長
御
異議
なしと認めそのように決します。
小島徹三
49
○
小島委員長
次に輸入大豆の検疫の問題について、山下
委員
より発言を求められておりますからこれを許可いたします。山下君。
山下春江
50
○山下(春)
委員
本問題は、五月の十四日に三重県の四日市市に入港いたしましたハーライグトン号が積んで来たアメリカの大豆五百八トンでありますが、この大豆の中に毒あさがおの種が混
つて
おりましたことが、名古屋検疫所から六月十三日長野県の上水内郡神郷村東浜油脂会社に通知があ
つたの
であります。当時新聞にもこれが大きく報道されておりましたが、この油脂会社に入りました大豆は二百七十トンでございますが、そのうちすでに二百トンが食料油に加工されて東京方面に大半出荷しているというのであります。食品
衛生
の
見地
からきわめて重大でありますが、この毒あさがおは相当人間に悪影響を及ぼすもののように聞いておりますが、このことについて御回答を求めたいのであります。本
委員会
に出すわけではありませんが、正式な
質問
書を
提出
して回答をいただくのには、非常に日時を要するので、こと重大であり、ことにすでに製品が
国民
の食用に供されておる今日でございますので、本席をお借りいたしまして
質問
をいたします。 第一点は、輸入大豆の検疫は、どういう機関によりどういう時期に行われておるか。 第二点は、毒物の混入があることの通知が、入荷してからあまり長い期間——約一箇月間かか
つて
おります。これはどうした
理由
であるか。 第三点は、毒あさがおの毒性と除毒処理の対策についてであります。 第四点は、五百八トンの配付先と荷受人における本物件の処理状況を知りたいのであります。 第五点は、食料油に加工され出荷しているものをどう処理するか。 この五点につきまして、突然でございますから、あるいは詳しい資料がないかと思いますが、おわかりに
なつ
た点だけを御回答願いたいと思います。
楠本正康
51
○
楠本説明員
輸入食糧はその港において、荷上げをされますと同時に
検査
をいたします。場合によりますと抜き取り
検査
でありますために、この該当に漏れるものもございます。しかしたまたまただいま御
指摘
の大豆につきましては、抜き取り
検査
に運よく該当いたしまして
検査
がいたされたわけであります。この大豆は港に駐在しております食品
衛生
監視員がこれを抜き取りまして、概略の
検査
をし、さらにこれを国立
衛生
試験所に持
つて
参りまして、こまかい
検査
をいたしました。その結果ただいま御
指摘
の毒物の入
つて
おることが明らかに
なつ
たわけでありますが、これは当初食品
衛生
監視員、が、港におきまして抜き取り
検査
をいたしましたときに、これはあやしいなと思
つて
、すでに注意を促してございます。ただ国立
衛生
試験所等で
検査
を完了いたしますのに一箇月余りかがりましたので、正式な文書その他の
手続
は一箇月後に
なつ
たわけであります。しかしそれまで品物は押えてお
つた
わけであります。 次に毒物の処理につきましては、た
たち
にこれを選別いたしまして、危険なるものは廃棄するとか、あるいは食用油としてもさしつかえないもの、つまり食用油としたならば使えるというものは食用油にまわし、あるいは食用油にならぬようなものは他の工業用油にするというような
処置
をとりまして、この跡始末を完了したわけであります。従いましてただいま御
指摘
のように、現在都内に入
つて
おりますものは、おそらく選別の結果食用油にしてよろしいということによ
つて
処理されたものと思
つて
おります。しかしそのような場合には、工業用材料にせよという指令をいたしましたものも、隠れて往々食用油等にまわる危険性なしといたしません。この点はただちに詳細調べまして、あらためて御返事を申し上げたいと思います。
山下春江
52
○山下(春)
委員
なおこの
質問
書は書類をも
つて
提出
しておきますから、これに対して詳細な御回答をいただきたいと思いますが、ただいま
政府
委員
のお答えの
通り
、もし工業用油にすべきものを食用油にすることがあればたいへんなことだと思いますので、なお精細に御調査願いたいと思います。
古屋菊男
53
○古屋(菊)
委員
当局
に御
質問
いたしますが、今の毒あさがおというのはどういう種類でございますか。あるいは朝鮮あさがおの種類でしようか、それともそのほかのアメリカにある毒あさがおの種類でしようか。もし朝鮮あさがおとすればベラドンナ属の毒物が入
つて
おるから、ごく少量でも非常に毒物だと思いますが、いかがでしようか。
楠本正康
54
○
楠本説明員
この事件の材料のあさがおは、朝鮮あさがおではなく普通のあさがおであります。
従つて
その害毒は下痢作用でありまして、生命に危険を及ぼすというほどのものではございません。
小島徹三
55
○
小島委員長
本日はこれをも
つて
散会いたします。次会は公報をも
つて
御通知いたします。 午前十一時三十分散会