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瀬戸山委員 長い間の係争であ
つて、しかもそういう大きな調節
ダムでもつくろうというような根本的な
方針のようでありますが、この際すみやかに、その実行をされんことを希望いたします。私も現地を一度見たことかあるのですが、布川町その他では非常に問題にいたしておることは御存じの
通りであります。
従つて、この
補償の問題は、別な問題でありますけれども、住民に迷惑をかけぬような
方法で、万全の
措置をとられんことを希望いたしておきます。もう一つ、これも治水の問題でありますが、今
建設省は、もちろんもとから水利の担当省でありますから、真剣にや
つておられることは信じて疑いません。しかし今回の大水害から、またさらに再検討を加えるという今の御言明がありましたが、その途中だろうと思います。過日の
委員会でも、
河川局長でありましたか、下流の堤防方式から上流の
ダム方式に移行しつつある
——今の五十嵐さんの
お話も、それに関連いたしておるのでありますが、そういうふうにして根本的な治水
計画を立てられることは、私どもも、技術者ではありませんが、大いに賛成であります。もう一つ私は、日本の
河川をあつちこつち見てまわ
つて感じたことですが、専門家のあなた方は十分御存じでありますが、日本の
河川が非常に浅くな
つておる。そこで過伐、濫伐であるとか、植林をしなければならないということが議論されておるわけでありますが、特異な
河川は別でありますが、日本全国のはとんどの
河川が浅くな
つております。たとえば長野県あたりへ
行つても、天竜川は、人間の
道路よりも上の方を川が流れておるという極端な例の
ところもあります。そうでなくても、川がここ二十年、三十年に一メートルないし二メートルも浅くな
つておるというのが実情だと思います。これもお
考えにな
つておると思いますが、堤防をつくるのも必要であるし、上の方に
ダムをつくるのも必要でありますが、川が浅くな
つておる
ところに
相当の雨量があるのでよけい氾濫する、これが日本の水害の大きな原因にな
つておると思います。そこで、私は技術者でありませんから、非常にむずかしい問題だと思いますが、川を浚渫するというか、川を掘るという治水の
計画も必要じやないかと私は
考えておる。土砂が流れなくても、たとえば、利根川あたりを見ましても、あつちこつ
ちやぶもあれば洲もある。そこに水が来るから、よけい水かさが上るという
状態にな
つておる実情であります。日本の治水では、川をさらうということはあまり聞いたことはありませんが、これもひ
とつ今度の根本的な治水
対策には
——相当金のかかることでありまして、技術的にむずかしいことでもありましようが、これをしなければ、上に
ダムをつく
つても、その
ダムもいつか埋まるでありましよう。また下の方に堤防をつくる、しかし川はだんだん浅くな
つて来る、これではいたちごつこで、しまいには川の方が人間より上の方を流れる。これは極端な例でありますが、そういうことを憂えるのであります。そこで浚渫といいますか、掘るという治水の
考えはございませんか、伺いたい。