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田中(角)
委員 ただいま
議題になりました
建築基準法の一部を
改正する
法律案について
提案の
理由を御
説明申し上げます。
建築基準法は、
昭和二十五年五月二十四日
法律第二百一号で制定せられたのでありますが、きわめて進歩的な立法であつたことは、当時の国会における
審議の
経過を見ましても明らかなところであります。しかしながら、
法律施行後三年を
経過しました今日、その実績を顧みますと、
建築行政の
市町村への
移管に関し、若干の問題を生じております。すなわち、
現行法第四条第一項におきましては、すべての
市町村は
建築主事を置き
建築行政を担当し得ることに
なつているのでありますが、第四条第二項及び第三項によりますと、
市町村が
建築主事を置こうとするときは、
事前に
都道府県知事と
協議しなければならないことに
なつており、
両者の
協議がととのつた場合にのみ
建築主事を置くことができるように
なつております。しかしながら、現実には、従来
府県の権限として持
つて来たものを
両者の話合いで
移管するということになればどうしても手離したくないのが人情であり、また、
両者の
協議がととのわなかつた場合にどうするかという明確な規定がないために、現に事務的な折衝に時間を空費し、あるいは、
府県と市との間の他の政治的な問題などに災いされて、
建築行政の
移管がうまく行
つていない事例が多いのであります。この点を是正するため、
本案は、
建築行政を担当する能力が十分あると認められる人口三十万以上の市に限りこの
両者間の
協議を義務づけることをとりやめ、そのかわりに
相当の期間を置いて
事前に通知することといたしたのであります。
本
改正により
建築行政の一層円滑なる運営に資せんとするものであります。何とぞ慎重御
審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。