○石原(周)
政府委員 二十九年度の
予算の心構えの
お話でございますが、御
承知のように、現在まだ要求ももちろん出ていない状態でございますし、編成方針の案もつく
つていないのであります。従いまして、出す気があるのかないのかというお尋ねでございますが、それに対しまして、お尋ねにまつすぐにお答えをいたすことは、時期の
関係から見ましても困難でございます。ただ、いささか今までのところはどういうような点がある、だろうかということだけを申し上げてみますと、お説のように非常に
災害の
関係というものは重大でございまするので、本年度の二十八年度
予算におきましては、ごらんになりますように、前年度に比べまして
河川の
関係で三割四分ほどの増加をいたしております。
公共事業全体が一割八分、二割弱
程度の増加をいたしておりますので、各種の重要経費のうちにおきまして
相当大幅な増加を示したものであります。そのうちで、特に
河川は、今申し上げましたような
相当大幅な増加を示しております。ただ着工いたしております箇所が
相当多いものでございますから一本々々の川ということに相なりますと、必ずしも十分な金が参
つておるというふうには参りかねる点もあるのでありますが、全体の
予算経理の点から見ますと、これは従来から非常にやかましい問題でありまする
道路、これと並びまして非常に大きな増加率を示しておるわけであります。
災害の復旧の方の経費もさることながら、
災害を事前に予防いたす経費というものにできるだけ重点を注ぐという点は、ま
つたく私
どもも同様に
考えておるのでありまして、
災害を事後に復旧いたすという点については、でき得べくんばそういう消極的な経費よりは、積極的なものに力を入れたいというふうに思
つておるわけであります。昨年はたまたま
災害が少か
つたのでありますが、本年度は
災害復旧関係の経費は、比較的従来の
災害に関しまする限り多くふやさないで済んだという状況にあります。ただ来年度の見通しは冒頭に申し上げましたように、つきかねる状況でございまして、ただこれは全体の
財政計画の問題のうちの一つでありまするが、
財政の投融資というような
関係におきましても、本年度は御
承知のように
財政余力と称せられます従来
政府のいろいろな会計にございました蓄積せられましたものを充当いたしまして、数百億の金を使
つておけます。これが御
承知のように本年をも
つてほとんど払底をいたしますので、そういう
財政投融資の需要というものは一向減らないと思います。そういう点から
考えまして、
相当苦しい
予算を組まなければならぬのじやないかということを、全体の見通しとしては
考えております。そのうちにおきまして、どういう重点で組むかということにつきましては、国力の点も十分
考えたいと思
つております。