○熊本
委員 総裁の
個人的人格その他については、私どもも決して他意を持
つておるものでもなければ、
個人に対する不信の立場においてものを言おうとしてはおりません。
従つて私どもの追究が急であればあるほど、その問題に関する
責任はあなたの方で負
つていただきたいのである。われわれがこういうことを繰返し繰返し申し上げますことは、いかにして日本の再建の重要な基盤である
国鉄をして、国民の信頼と協力のもとに発展せしめるかという根本的理念にすぎないのである。
従つてできたことであるから何とかりくつをこねてそうしてこれを糊塗して押し通せばいいとうあなた方のものの
考え方は、われわれの
考え方といささか
方向を異にするのではないかと
考えますから、その点は前も
つて御
了承の上御答弁を願
つておきたいと存じます。
従つて具体的に申し上げますならば、私は一々小さな問題を、御病気中でもあ
つた総裁に、この点はどう
なつておるかということを今ただそうとはいたしませんが、あなたのお留守中にわれわれがただしたところを総括して申し上げておるのでありますから、その点も了としてもらいたい。先ほどから言いますように、あるいはわれわれから見れば不当流用とも目すべき
予算の流用をも
つてこれに充て、あるいは予納金等についても当然納むべきものを納め得ないで迷惑をかけるという現状、そうして
資本についても、やはりこれらの対象となるべき
加賀山氏の人格と力とをも
つてしてもこれだけの大事業が及ばざるという現状、こういうようなそれぞれの問題を今日勘案して、そこから出発する国民輿論の対象と
なつておるということをお忘れに
なつてはならない。
従つてこれらの問題につきましては、検査院の指摘する
契約の過程においても、私は検査院の答申を妥当とする。あなた方のやられたことについては手落ちがあ
つたと私は解釈する。そういうこと等についてはすなおに率直にまず肯定すべきは肯定し、改むべきは改めるという物の観点に立
つてここで質疑が行われないならば、先ほど吉田君が言いましたように、これは無制限にしかも広汎に及ぶでありましよう。私は十九の
関係団体の一切の資料を要求して手元に持
つております。民衆駅の十四についてもことごとく資料をと
つております。
従つてこれらをことごとく洗
つて行こうとするならば無制限にあります。だから私どもといたしましては、何とか問題の対象であるこの
鉄道会館について、なるほどそうであ
つたかということを、少くとも国民の
了承するところへも
つて行
つて、そうして他はいろいろな観点に立
つて、いかによろしからざる行為といえども、長年の伝統をただちに切りかえるわけに行くまいが、これは
責任をも
つてこれに近ずくがごとき
方向をと
つて行きたいものだと念願しておるのです。さらに
国鉄の経営の内容から言えば、求めてやまざる新線の建設及び電化の要求、こういうものは山ほどあるのであ
つて、おそらく
財政からいうならば、来るべき明年度の
予算には
運賃の
値上げもしてもらいたいであろう。しかしながらこういうような状態の中において、一体あなた方が適切とお
考えになる
運賃値上げにしても、国民が
了承して行くか、これに反対ののろしを上げるかは想像がつくはずである。繰返して申し上げておりますが、でありますからそれやこれやを勘案してのわれわれの質疑であるということを十分にお含みの上で、答弁をお願いいたしておきたいと存じます。
次にお尋ねいたしたいことは、建設目的でありますが、これもあなたのお留守中にも何回か同じようなたとを繰返して質問をして答弁を幾多求めております。なお本日も、先ほどの同僚の質問に対して、いろいろ意のあるところを
総裁もお答えに
なつておるが、これは言うまでもない。その意図は、あくまでも日本の中央であり首都の関門であるところの
東京駅については、美においても観においても、また交通の緩和についても、これらの大衆を対象としたる公的福祉の立場からこれが勘案されたものであろうということを、私ども信じて疑わない。そのためにこそ
国鉄は、あなたのお留守中にただしたのでありますが、坪当り十万円として、これに対するところの利率を年額六分七厘程度に
なつておるというところからこれを七分と算定して地代をも算出したということを答弁しております。そうであ
つてしかるべきだと思う。しからばそれほど
国鉄が求めて公衆大衆のために企画するところの
鉄道会館は、一体何をしておるのか、その対象は何をや
つておるのか。あなたも御
承知の通り、たとえば高架線下の問題にいたしましても、
国鉄に払われるものは坪当り三百三十三円である。しかるに
鉄道会館は、これを又貸しして六千百九十円というまことに二十倍に近き暴利をむさぼ
つて転貸ししておるのである。こういうような不当な利益を目途として転貸しをされるところ、はたしてその売店が、民衆のための、
鉄道運営のための協力ができるとお思いですか。それでよろしいとあなたはお
考えであるかどうか。先ほども言いますように、そのほかに、私の資料によ
つて調べますならば、その坪数はわずか七百二十八坪でありますが、それによるところの一箇月間の
鉄道会館の中間利益は、三百五十四万円になるのである。その他本屋等の坪数を合せて三千二百二十八坪この又貸しの利益が一箇月に三千三百八十九万円という厖大な利益をせしめておる。この利益は一体だれが出すのか。とりもなおさず国民大衆がやはり搾取されるのである。こういうような営利を対象として、てんで国家公共を無視するところの相手方に対して、
国鉄のみが一切合財信頼と協力とを惜しまずや
つてお
つたといたしましても、その成果は逆であります。特に先ほども言いますように、大丸からは七億五千万円のうち、もうおよそ三億ぐらいは入
つておるだろうと
契約からい
つて考えるのであります。そうしてこれが完成したあかつきには、約七千とちよつとの坪数でありますが、その
契約は二億五千万円、
会館の総坪数は一万八千三百坪、そうして
国鉄が専用するものはわずかに四百三十六坪である。共同使用するものを合せてもわずかに一千数十坪にすぎない。
従つて会館は、たとえば冷房、暖房の装置等直接価格に評価することのできないそういう施設を差引きましても、かつなお大丸に貸しておるがごとき約七千坪のものが余裕として残
つておる。そうなりますならば、完成の後においては、おそらくわれわれの概算五億というものの
収入があるだろう。その
収入は一体だれがとるのか、その
収入はだれが得せしめるのか、こういうことを
考えて参りますときに、私は日本の関門ともいうべきあの八洲品の重要地点をして国家、国民を無視するところの営利本位の
会社がここに出現するということは、まことに残念しごくだと
考えておる。こういうような事実の問題がここに現われて、そうしてこれが輿論の対象と
なつておる。
最初の
契約の当時相手方を信頼する度合い、これは人おのおのできるだけ尊重しなければならない。相手方の立場と人格を尊重し合うということは、人間社会においては必要であります。
従つてその
契約の当初において私どもはあまり。追究しようとは
考えないが事ここに至
つてなおかつ
経過が今日に至
つたからあとへは返らないというりくつはないはずである。
従つてこういうような真相について私の言うようなことは間違いであると否定に
なつて、そうしてこれと将来
契約を継続して
鉄道会館になさしめることが
鉄道の目的とする最上のものであるとともに、これより以上国民に与えるところの福祉の道はないというお
考えであるかどうか。この点を念のためお尋ねいたしておきたいと存じます。