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中野政府委員 その前に全貌を申し上げますと、援助物資の石油を通産省が、
援助物資特別会計から出先に売渡しました数量は、船数にして約九十ぱい分、二十八万キロリットルに及んでおりまして、当時の価格にいたしまして十七億九千六百万円余に上
つているので、このうち大半の物資の売払い代金につきましては契約
通り収納をいたしてお
つたのでございまするが、
昭和二十六年六月に
最後の
ガリオア石油といたしまして二隻
アメリカから船が入
つて参
つたのでございます。御承知の
通り、二十六年七月からは、対日援助物資は
アメリカとして完全に終止符を打
つた、こういうことに相な
つておりまするが、その
最後の二隻分について代金の滞納が起
つたのであります。これにつきましては当時の役所として、監督の不行届きというような点がございまして、まことに遺憾と
考えておるのでございます。それでその後会計検査院御指示もありまして、いろいろ私の方の局の援助物資課において回収に努めました結果、本年の五月にはこの
最後の二隻分、数量にいたしますと約三万二千キロリツター、代金にいたしまして、当時の売買価格において二億一千七百万円でございます。この代金全額の徴収を了したのでございます。またこの代金について納入遅延をいたしましたので、その延滞利息といたしまして約九千七百十万円余りが残
つておるのでございまするが、この分も来る十月末まで毎月おおむね二千万円ずつこういうことで分割払いを命じまして、誓約書もとり、またこれを確実ならしめる
意味におきまして約束手形も取付けておるような
状態でございます。
なおもう
一つ申し加えておかなければならぬと存じまするのは、会社側が引渡し前に無断使用した、これは当時タンクが足りない、あるいはなるべく船がついてから品物を輸送費をかけたりしないというために、当時の制度といたしまして、
吉田委員も御承知の
通り、出保管の制度をこの油についてもと
つてお
つたのでありますが、それが一時無断使用せられた分が生じました。これについては初めからの出保管契約によりまして違約金をとるという建前にな
つておりました。この分が累計七百八十八万円余りになりまするが、これにつきましてもこの十月までに完済する、こういうことにいたしておるのでございます。七月分までの月別の納入金もわれわれの方に入
つておりまして、間違いなくこの十月までに延滞利息及びただいま申し上げました違約金も完納に相なるものと確信を持
つているような
状態でございます。しかしながらいずれにいたしましてもかような
金額が当時いろいろな
事情があるにせよ、元金並びに延滞利息がかように長年月を要して取立てるようなことになりました点につきましては、私ども遺憾に存じているような次第であります。