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1953-08-01 第16回国会 衆議院 決算委員会 第24号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年八月一日(土曜日) 午後二時二十一分
開議
出席委員
委員長代理
理事
安井
大吉君
理事
天野
公義
君
理事
松山 義雄君
理事
町村 金五君
理事
吉田
賢一君
理事
山本
正一
君 有田 二郎君 田中
角榮
君 池田 清志君
杉村沖治郎
君
出席政府委員
総理府事務
官 (
調達庁総務部
長)
山内
隆一君
大蔵事務官
(
主計局司
計課 長) 柳沢 英蔵君
通商産業事務官
(
企業局長
) 中野 哲夫君
委員外
の
出席者
大蔵事務官
(
管財局特殊財
産課長
)
根本
守君
会計検査院事務
官 (
検査
第二局 長)
上村
照昌
君
会計検査院事
務官
(
検査
第四局 長)
大沢
実君 日本
開発銀行
総
務部長事務取扱
西沢 正則君 専 門 員
大久保忠文
君 専 門 員 岡林 清英君
—————————————
七月三十一日
委員天野公義
君辞任につき、その
補欠
として庄
司一郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 八月一日
委員庄司一郎
君、
平井義一
君及び
山中貞則
君辞 任につき、その
補欠
として
天野公義
君、
飯塚定
輔君及び小坂善太郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選 任された。 同日
天野公義
君及び
山本正一
君が
理事
に
補欠
当選し た。
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
理事互選
昭和
二十五年度
一般会計歳入歳出決算
、
昭和
二 十五年度
特別会計歳入歳出決算
及び
昭和
二十五
年度政府関係機関収入支出決算
—————————————
安井大吉
1
○
安井委員長代理
それではこれより
決算委員会
を開会いたします。 本日は
委員長
が出席できかねますので、
理事
の私が
委員長
の委嘱を受けましてその職務を代行いたしますから、さよう御了承願います この際
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。去る三十一日
理事天野公義
君及び三十日
理事山本正一
君がそれぞれ
委員
を辞任いたされましたのでその
補欠選任
を行わねばなりません。先例により
委員長
から
指名
するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
安井大吉
2
○
安井委員長代理
御
異議
なしと認め、
委員
に再任されました
天野
君及び
山本
君を
理事
に御
指名
いたします。
—————————————
吉田賢一
3
○
吉田
(賢)
委員
この際
発言
を許していただきまして、一言申し上げておきたいことがあります。 それは私どもが所属する社会党におきましては、昨日の本
会議
における
会期延長
の決定が無効であると確信いたしております。これは
国会法
その他の
法律
によりましても、また議院の慣例によりましても明らかに無効であるという結論を持
つて
おります。そこで無効の決議をなすべく
手配
をいたしておりまするし、かつそれにつきましても議運の方へもそれぞれの
手配
をいたしております。そこですでに無効であると信じておりますので、当
委員会
は
会期
のないときに該当いたしまするので、開かないように
要請方
を先刻の
理事会
において
委員長
まで申し出で、その議に上せてもら
つた
のでありますが、結局他の
理事
の諸君がそれに同意いたされませんので、やむを得ず本
委員会
に私は出席することになりました。それはさような
根本
の信念、確信は持
つて
おりますけれども、
委員会
が公正に運営され、調査されるように望む意味におきまして、私は
委員会
に出席し、参加しておるのであります。一言申し上げました次第であります。
安井大吉
4
○
安井委員長代理
今の
吉田
君のお話は拝承いたしておきます。 本日は
昭和
二十五年度
決算検査報告書
第三百七十三ページから第三百九十一ページにわたる第三の
公団関係
以下計五十八件を
便宜一括議題
として
会計検査院当局
から
説明
を求めます。
会計検査院大沢説明員
。
大沢実
5
○
大沢会計検査院説明員
公団関係
の総説に記述してありますところは、二十五年度
検査報告締切り
の場合の
現状
を記述いたしたのでありますが、その後
公団
の
清算
を結了いたしましたので、この際
公団全般
の
経理
の概要を御
報告
申し上げたいと思います。
公団
は、御承知の
通り
、二十二年の五月に
産業復興公団
が
設立
されましてから逐次二十二年度中に十五の
公団
が発足いたしました。これを概略申しますと、
貿易関係
の
公団
が四つ、
配給関係
の
公団
が八つ、そのほかに
産業復興公団
、
船舶公団
及び
価格調整公団
、この十五の
公団
が発足して、それぞれの
業務
を行
つて
来たのでありますが、二十四年の四月一日に
石油配給公団
及び
食糧
、
原材料
両
貿易公団
が
解散
となりまして、
清算
に入りました。その後逐次
解散
されまして、二十六年の四月一日には全十五の
公団
が
解散
いたしました。その
清算
はその後進捗いたしまして、二十七年、昨年の八月に
鉱工品
及び繊維両
貿易公団
の
清算結了
とともに全
公団
の
清算
が結了した次第であります。その二十二年から
清算結了
の二十七年までの各公国の
業務
の
状態
を総括して申しますると、この間に十五公回においてあげました
剰余金
は、全部で三百五十六億円ということに
なつ
ております。そのうち
公団設立
当初及び特殊な
公団
においては最後まででありますが、俸給とか
事務費
というものは別個に
一般会計
その他の
会計
から交付するという
建前
をと
つて
おりまして、そのために交付したのが二百五十九億でありますので、それを差引きますと、純
剰余金
は九十七億と
なつ
た次第であります。 元来
公団
は当初から
配給統制
とかその他でいわば損益なしに
業務
を行うという趣旨で発足したのでありますが、こうした九十七億という大きな
剰余金
が出ましたのは、これは
一つ
には二十二、三年のころにありましたところの
価格差益
の
処理規則
が廃止になりまして、
公定価格
が
値上りした分
の
利益
が
公団
の
利益
に
なつ
ておるということ、それからもう
一つ
は、
公団
が
解散
になりまして、
価格統制
が撤廃された後の
在庫商品
の
値上り
によりまして、その
販売利益
が
上つた
、大体この二つにわけられると、思うのであります。その
計数
を具体的に区分して申し上げることはできませんが、こうした
三つ
の要因によ
つて
九十七億という厖大な純
剰余金
を生んで
清算
は結了した次第であります。 なお
公団清算結了
のときにおきまして現金は
一般会計
は
大蔵省
に、
貿易公団
の
関係
は
通産省
の方へそれぞれ納付いたしました。当時まだ未
回収
であ
つた
債権
は
大蔵省
及び
通産省
の方へそれぞれ引継いだわけでありまして、その
木回収債権
の
引継ぎ総額
は八十八億であります。これはそれぞれ
大蔵省
及び
通産省
においてその後の
処理
をなされ、いるわけであります。そのほかにもりほとんど
回収
困難と思われる
債権
は
簿外
にいたしまして、引継いだ分は四幅九千万円ほどあります。大体こういうような
状態
で
公団
全部の
清算
が結了いたしたわけでありまして。その間におきまして
会計検査院
が
検査
いたしまして、
不当事項
あるいは
不正事項等
によりまして、
公団
の
損失
を来していると認定いたしました
数字
は、
総額
で三十四億という
数字
が出ております。それはその後各方面で
回収
されましたので、少し統計は古いのでありますが、二十六年十月現在におきまして十八億というものは
回収
されて。十五、六億というものは当時において未
回収
と
なつ
ております。この
損失
はその後それぞれ
公団
の
残務整理
あるいは引継がれた
大蔵省
、
通産省
の方でさらに
回収
をされておりまして、たしかその後三千万円ほどのものが
回収
されているというように見てまります。この三十四億という
公団
の
損失
と認められる
金額
、このうちにはいわゆる
職員
の
不正行為
によるものというものが、六億一千三十九万円あります。このうち同じ二十六年十月現在では、三億八千七百万円が
回収
されまして、二億二千三百万円が未
回収
ということに
なつ
ております。これもその後
不正行為関係
では約一千万円のものが入金しているというように考えております。 大体、
公団
のおおまかな点を申し上げまして、個々の問題はたくさんになりますので、これを大約して申しますと、この二十五年度の
検査報告
に提げてありますものは。
一つ
は
売掛金
その他の
未収債権
が非常に多いという点と、もう
一つ
は
職員
の
不正行為
が非常にたくさん掲げられておるわけであります。この
職員
の
不正行為
は、
一般官庁
に比べますと、非常に多いという
感じ
がいたすのでありまして、その原因は結局
公団
という組織が
設立
当初から
法律
上一年というような短期間の生命を持
つて
生れて来た。
従つて
その
職員
が
公団解散
後にどうなるかというような生活上の不安その他がありまして、ほんとうにおちついて
仕事
ができなか
つた
のではなかろうかという
感じ
が非常にするわけであります。とにかくそうした事情があるにせよ、非常に
不正行為
が多か
つた
ということは遺憾なことと思
つて
おります。 なお、
未収債権
の多いのも逐次掲げておるのでありますが、そのうちのおもなものをかいつまんで申し上げますれば、まず三百七十五ページに掲げてあります一〇五六から一〇六〇までの分は、これは
食糧配給公団
の
末端機関
、いわゆるお
米屋
さんでありますが、当時
代位配給所
とい
つて
おりましたが、この
代位配給所
あるいは
委託配給所
というところで米を売
つて
、その代金の売上げをとりながらも、それを本部に
回収
して来ずに、その間において他に流用した等のために
未収
に
なつ
ておる。これは毎月々々の
報告
を各
公団
の
支部
なり支局なりで十分に把握しておれば、こうしてたくさんたまるまで放擲しておかなくても済んだのではなかろうかと思
つて
おります。ここに掲げてある未
回収金
はその後若干は
回収
されておりますので、
現状
は多少減
つて
おりますが、一〇五八号は全額
回収
されております。その他の分につきましては。まだ
相当
の未
回収残額
があります。 それから三百七十六ページの一〇六一号に掲げてありますのは、
公団
があまり価値のない
抵当物件
を
抵当
といたしまして、根
抵当
を設置しまして、そうして売掛けを継続してお
つた
ために、一千万円にのぼる
売掛金
が累増しまして、これが
回収
困難になり、しかも
抵当物件
は
先順位
の
抵当権
が設定されていたというような
状態
で、
検査報告
には千五十四万七千円とありますが。その後調査の結果。この
数字
は千二百万円という
売掛金
がこげつきまして、これは
現状
におきましても、全然
回収
をされていないような
状況
であります。
あと
同じような
事態
がありますが、個別の問題は御
質問
に応じまして御
説明
いたすことにいたしまして、おもなものにつきまして御
説明
申し上げました次第であります。 なお続まして三百九十一ページに
復興金融金庫
の件が出ておりますが、これが六件ほど出ておりますのは、すべて
金庫
の方が
抵当権
を設定すべきであ
つた
のに、設定を怠
つて
おる間に、他の
銀行
に
先順位
の
抵当権
を設定された、こういう
事態
でありまして、その後
復金
の
業務
を引継がれた
開発銀行
におきまして、
相当
それぞれの
処理
をされまして、あるいは
先順位
を取消すとかその他の
方法
で
相当処理
はされております。まだ
処理
のなされていないのもありますが、この
復興金融金庫
の
融資
につきまして、
融資残高
に対してはすみやかに
抵当権
を設定して、その
担保力
を増さなければならぬということは常々主張して参
つた
ところでありまして、
復興金融金庫
当時から、さらに
引継ぎ
まして
開発銀行
になりまして、その方に鋭意
努力
された跡が出ております。最近二十八年三月の
状態
によりますと、
未収
の
債権
のうち、件数にしまして八三%、
金額
にしまして九四%というものは
抵当権
が設定されております。その他のものについて、あるいは
抵当物権
のないのもありましようし、その他のものもありましようが、なおそれぞれ
努力
されておることと思
つて
おります。その
抵当権
をすみやかに設定されないと、ここに出ているような問題がまた繰返されるのではなかろうかという懸念がありましたが、ただいま申しましたように、
相当
なパーセンテージまで
抵当権
が設定されて、こうした問題はこれからはあまり起
つて
来ないのではないかと考えられる次第であります。 以上で
復興金融金庫
の御
説明
を終りまして、ちよつと恐縮でございますが、飛びまして、三百九十七ページの
商工組合中央金庫
の点が一件
検査報告
に掲げてありますが、これは
商工組合中央金庫
の
八王子出張所長
がその地位を利用しまして、本来ならばできないところの手形の
支払い保証
、そうした
方法
によりまして
資金的便宜
を与えまして、二千四百万円というものを貸し付け、そうしてこれは
金庫
としましてはやむを得ず
貸付金
に振りかえておるのでありますが、これは四十五万円が
回収
されただけで、そのほかの分は
回収
されていない、こういう
状態
であります。
連合国軍人等住宅公社
の分は第二
局長
の方から御
説明
申し上げます。
安井大吉
6
○
安井委員長代理
第二
局長上村説明員
の
説明
を求めます。
上村照昌
7
○
上村会計検査院説明員
連合国軍人等住宅公社
について御
説明
申し上げます。 本
公社
は二十五年にできまして、二十六年度一ぱいでなくなりまして、
大蔵省
の
一般会計
に引継がれております。
検査報告
に掲げましたうち、一一 ○八号と一一〇九号について御
説明
申し上げます。 一一〇八号は、
連合国軍人等住宅公社横浜支部
で
鹿島建設
ほか八
会社
に
住宅
を請負わせたものでありまして、その
工事費
が十二億に
なつ
ております。これは四百六十戸建設するものでありまして、当初は
予定価格
と同額の九億七千余万円で
契約
されたものでありますが、その後資材、
工法等
についてしばしば
設計変更
が行われました結果、十二億余万円に
契約
が
なつ
たものであります。その
内容
について見ますと、正式に
仕様書
に記載されてある規格以上の
良質材
を使用するとか、あるいはその他
工法
を
変更
するというような
関係
がありまして、そのために七千六百余万円
工事費
が増額に
なつ
ておるような
状況
であります。これは
契約
から申しますと、
契約
通り
施工すればよろしいわけでありますが、
現地
における軍のさしずによ
つて
、いろいろの
変更
が加えられたわけでありまして、正式に申しますと、軍の
正式変更命令
によ
つて
さような
措置
がとらるべきものでありますが、
現地
における交渉が必ずしも十分でなか
つた
というような点からいたしまして、かような
事態
が生じたものと思います。 なお当初の
工事費
五億七千余万円について見ますと、他の支所におきましては、
調達庁
で定められました
設計
の
工事数量
、そういうものによ
つて
や
つて
おるのでありますが、
横浜
におきましては一三%から一九%を過大に計算し、あるいは誤
つて
二戸
建建築
をする場合に、一戸建の
建築費
の二倍にするというようなことがございまして、五千万円が過大に
予定価格
に積算されておるとしいうふうに考えられます。 また
仙台支部
におきましても、ほぼ同じような四億六千余万円で
契約
されまして、
予定価格
はそれとほぼ同様でありますが、その
内容
におきましても、
工事
の単価、
数量等
を過大に見積られたようなものがありまして、結局において五千万円が
予定価格
において高価に
なつ
ておるというような
事態
があります。ただいま申し上げました点は
予定価格
については申し上げたものでありまして、実際の
契約
にあたりましては
入札
にな
つて一般競争
に付せられておりますので、
予定価格
は非常に甘いということは申し上げられますが、結果的にははたして
予定価格
を
変更
した場合にできたかどうかという疑問はありますが、
予定価格
について非常に考慮すべき点があ
つた
という点を申しておるのであります。 それから一一〇九番の問題でありますが、これは
仙台支部
で
鹿島建設外
一
会社
に請負わせた
住宅用
の
上水道新設工事
の問題であります。その第一点は、
水槽
の
関係
の
鉄塔
の
工事
でありますが、この
鉄塔
の
工事
が
設計
が必ずしも十分でなか
つた
ために途中から屈曲を生じた
事態
であります。これは調べてみますと、実施せられた
設計
によりますと、大体
水槽断面積
一
平方センチ
七十キロが大体限界でありますが、
本件
はその上に載せられまする
水槽
の満水時の荷重はそれの約七・三倍に
なつ
ているという
状況
でありまして、
設計
がよくなか
つた
ということでありまして、このために三百八十余万円を補修するとすれば要すると
当局者
で計算されているわけであります。 その次の第二点の問題は、
鋳鉄管
の問題でありまして、
鋳鉄管
につきまして、
輸送費
として百六十余万円を
予定価格
に計上されておりますが、
鋳鉄管
の単位は
統制価格
におきまして
輸送費
が一応その中に包含されてるわけであります。さらにその上に
輸送費
として
予定価格
に積算されたわけであります。この点については注意いたしました結果、両者の
見積り内訳
によりますと、百六十万円が百三十余万円に積算されておりますので、それを
当局
において減額するという
措置
をとられて、現在においてはこれは
回収済み
に
なつ
ております。そのほかの点については御
質問
に応じてお答えいたします。
安井大吉
8
○
安井委員長代理
ただいまの
説明
に対して
政府当局
並びに
冬関係当局
において、特に
補足説明
を必要とされる向きに対しては、この際
発言
を許します。
山内隆一
9
○
山内
(隆)
政府委員
ただいま
会計検査院
から御
説明
がありました一一〇八番から一一一〇番につきまして、ごく簡単に
調達庁
の立場を申し上げたいと思います。 最初一一〇八番について申し上げます。本
工事
は
米軍側
で作成した
仕様書図面
によ
つて競争入札
をいたしたのでございますが、
普通国内工事
の場合と違いまして、
入札
時の現場の
軍監督官
の裁量により施行する部分が、きわめて多か
つた
のであります。
入札
前極力軍と折衝しまして、このいろいろの問題を確定してから臨んだのでありますが、着工後間もなく軍の
監督官
が更迭しまして、前のとりきめを無視いたして進めておりましたので、
当局
としてはこれが是正に極力力を尽したのでございますが、ここに御
指摘
のようなことになりましたので、まことに遺憾に存じております。また
予定価格
の作成につきましては、当時急速に
仕事
を進めざるを得なか
つた
ために生じたとは申しながら、これまた遺憾に存ずるところであります。ただ二回の
入札
によ
つて
も落札いたしませんで、
随意契約
と
なつ
たので、その折衝の際に相互の
見積り内容
を検討いたしまして、不適当なところは是正いたした次第でおりもして、その点御了承願いたいと思います。 それから一一〇九番でありますが、
仙台支部
の三沢の
工事
の問題であります。
高架水槽
につきましては、
米軍
から示された
設計図
が、
隣接地点
にある
既設
のものと同様でありましたこと、及び
仕事
が急がれていたために、これを
検査
するためには技術的に数週間もかかる予想がありましたので、そのまま施行をいたした次第であります。この点まことに遺憾に存じておりますが、
既設
のものについて幾分屈曲している事例があるので、
事前
に発見できたのではないかという
検査院
の御意見もございましたが、これも
本件事故
が生じたので、念のためにトランシツトで調査しました結果、初めて判明したような次第でありまして、
既設
のものに
事故
がないと思
つて
おりましたので、
あと
の
工事
につきましても
事前
に発見することができなか
つた
次第でございます。 それから
鋳鉄管
の
輸送費
につきましては、
検査院
御
指摘
の
通り
で申訳ございません。これはすでに
全額回収済み
でございますことを申し添えておきます。 それから一一一〇番でございますが、これは局の
経理課
のごく下の雇員と、同じく
部外者
一名とによ
つて
小切手
を偽造された
事件
でございます。
事件発生
以来極力
回収
に努めましてあらゆる
努力
をいたし、これが
親戚等
も十分調べまして、その
親戚
についての
回収方
の
努力
もいたしたのでございますが、いかんせん資力が乏しいので、現在までのところ
回収額
は五十四万二百円でありまして、現在
残額
が百十八万七千八百円と
なつ
ております。この
事件
の発生した
名古屋局
におきましては、今日でもなおいろいろその
回収
に力をいたしておりますが、当人らはすでに刑期を済ませておりますけれども、経済的に困窮はなはだしいので、なかなかこの
残額
についての
完収
は容易でないと思
つて
おります。しかし
簡易裁判所
におきましては和解が成立して、
債権
ははつきりいたしておりますので、今後も引続いて極力これが
回収
に努めたいと思
つて
おります。なお当時
名古屋
におきましては、かようなことを繰返さないために、いろいろこの
小切手返還取扱い方法
あるいは
監督者
の
監督
の
方法等
も改めまして、将来かようなことが絶対にないような仕組みのもとに進めているような次第でございます。
安井大吉
10
○
安井委員長代理
以上各案件に対しまして、各
関係機関別
に順次質疑を願います。
吉田委員
。
吉田賢一
11
○
吉田
(賢)
委員
まず一般的にお尋ねしたいのでありますが、三百七十三ページの
公団
の総括的な御
説明
のうち、各
公団
の
解散
時における
売掛金
その他
債権
は五百八十二億八千九百余万円であ
つた
、二十六年三月末には百九十九億四千万余円に
なつ
ているという記載であります。御
説明
によると、二十六年の四月一日には全
公団
が
解散
に
なつ
ております。そこでまずこの各
公団
における
売掛金
などの
残債権
などはどれほどであ
つた
か、各
公団ごと
についての
数字
を御
説明
願いたい。
大沢実
12
○
大沢会計検査院説明員
ただいま資料を探しておりまして、
公団別
のそのときに五百何十億なり百九十億に該当する
数字はちよ
つとお待ち願いますが、その後この
売掛金
は逐次解消されまして、
清算結了
の場合に
大蔵省
なり
通産省
へ引継いだ
債権
というものは八十八億ありまして、その
公団別
の
内訳
はわか
つて
おります。一番多いのは
配炭公団
の分が十七億、それから
油糧砂糖配給公団
というのがありましたが、それが十四億、
原材料貿易公団
というのが十六億、十億を越す
債権
を引継いだのはその
三つ
でありまして、そのほかに
食糧貿易公団
が九億という
債権
を引継いでおります。それから
食糧配給公団
は八億七千八百万円、
あと
はずつと下りまして、
産業復興公団
は五億三千八百万円、こういうようにそれぞれの
債権
を、
貿易公団
の分は
通産省
の方へその他の分は
大蔵省
の方へ引継いでいる次第であります。
吉田賢一
13
○
吉田
(賢)
委員
大蔵省管財局特殊財産課長
の
根本説明員
が見えておりますね。今
検査院
の方から御
説明
になりましたが、その十五
公団
の持
つて
おります
残余
の
財産
は全部一応
大蔵省
が引継いでおるのでありますか、いかがですか。
根本守
14
○
根本説明員
さようでございます。
貿易
四
公団
を除きました十一
公団
につきましては、全部
大蔵省
が
残余財産
として
引継ぎ
を済ましております。
吉田賢一
15
○
吉田
(賢)
委員
残余財産
は
大蔵省
が全部引継ぐというのが
建前
とは違いますか、いかがですか。
根本守
16
○
根本説明員
各
公団
の
解散会
によりまして
大蔵省
で
引継ぐことになつております
。
吉田賢一
17
○
吉田
(賢)
委員
そうしますと、
通産省
と
大蔵省
とわけて伺うことにいたします。
大蔵省
におきましてこの
残余
の
債権
のうち、今
検査院
の方の御
説明
になりました分に該当するその
債権
は、どういう
措置
がとられて現在どう
なつ
ておりますか。それの御
説明
を願います。
根本守
18
○
根本説明員
債権
としまして
引継ぎ
ましたものは、
大蔵省管財局
におきましてこれの
整理
に従事いたしておるわけであります。
吉田賢一
19
○
吉田
(賢)
委員
大体
数字
を入れて
説明
してください。
根本守
20
○
根本説明員
それで各地方におきましては、
財務局財務部
におきまして実際の
徴収
に当
つて
おるわけでございますが、
大蔵省
が
引継ぎ
ました
総額
は六十一億九百万円という
数字
に
なつ
ております。それでその
徴収
でございますが、二十五年度におきましては一億二百万円、二十六年度におきましては六億七千九百万円、二十七年度におきましてはまだ
計数
が確定いたしておりませんが約十三億五百万円ということでございます。また……。
吉田賢一
21
○
吉田
(賢)
委員
回収
ですか。
根本守
22
○
根本説明員
はあそうです。その他の
残余財産
でございますが、これは各
公団
にございまして、一番大きなものは
船舶公団
から
引継ぎ
ました
共有船舶
でございます。これが現在百二隻ばかりございますが、これも
管財局
におきまして
管理運営
をいたしておるわけでございます。 大体以上でございます。
吉田賢一
23
○
吉田
(賢)
委員
あなたの方で六十一億九百万円の、かような
売掛金
並びに
債権
を引継いでおられるのだが、厖大な
金額
で驚くほかはないのです。これは
売掛金
が大部分なのでしようか、それともそうでない
債権
が多いのでしようか、その辺の区別をちよつと伺
つて
おきたい。
根本守
24
○
根本説明員
売掛金
が大部分でございますが、それの遅延損害金その他が
相当
入
つて
おります。
吉田賢一
25
○
吉田
(賢)
委員
大蔵省
におきましては、こういう六十億円の売掛代金、
債権
を
公団
から引継いだ後、かようなものがなぜ発生したのであろうという点、言いかえますると、六十億円の大部分が売掛代金で
回収
ができないので引継いだのであろうとわれわれは想像するのです。
回収
ができれば、
公団
といえども
回収
して、きちんと
清算
を済ますべきであります。それができないから引継いでいるので、一応は国家へ損害をかけているわけなのであります。六十億円からの損害をかけたのでありまするから、実に大きな問題として考えなければならぬと思います。
大蔵省
はその際この種の大きなとれない
売掛金
が発生したのはなぜだろう、こういうことについて
相当
深く研究をなさ
つて
おるものとわわれわれは推測いたします。さような研究をされましたでしようか。何かそこによ
つて
来るところについて
相当
行政上参考となるべきものもあ
つた
であろうと思う。その原因などについての
大蔵省
の持
つて
おる所見を伺
つて
おきたい。
根本守
26
○
根本説明員
六十一億の
債権
のほとんど全部が不良
債権
であろうというふうな御意見でございますが、これはすでに
徴収
済みの
債権
が二十億ばかりありますように、全然とれない
債権
というわけではないのでございまして、まだ
相当
残余
を余しておりますが、本年度の予算にも計上してありますように、二十八年度におきましては十億を予定しておるような次第でありまして、われわれといたしましては万全の
努力
を払
つて
おる次第であります。そこで、それにしましても、不良
債権
とわれわれが考えられるようなものは
相当
あるというわけでございますが、この原因がどこにあるかということは、
住宅
公団
の
清算
につきまして
大蔵省
が
監督
をいたし、あるいは
清算
の結了につきまして大蔵大臣が承認を与えるというふうなことから、
清算
につきましては十分タツチをして参
つた
わけであります。結論といたしましては、結局各
公団
は、先ほど
会計検査院
からお話がありましたように、
設立
当初からすでに廃止されることがきま
つて
お
つた
というふうな特殊な
状況
のもとに生れてお
つた
機関である。そういうことから
職員
の身分というものが、本人たちから考えますれば非常にあやふやなものであ
つた
というふうなことが、不正
事件
を多く発生さした原因ではなかろうか、そういうふうにまず
根本
的には考えられるわけでありますが、その間には正常な
経理
が行われなか
つた
こと、国の
会計
とは違
つた
経理
が行われたこと、あるいは売掛代金の預託金、
業務
勘定に属する預金が
職員
の出し入れの自由にまかされてお
つた
こと、そういうふうなこともございまして、
会計
制度の欠陥ということがまず考えられる第二の点であろうと思います。それから批難事項に
指摘
されております商品代金の
回収
当を得ないものにいたしましても、あるいは資金管理当を得ないものとして
指摘
を受けましたものにいたしましても、大部分が
食糧配給公団
に属するものでございます。これは
食糧配給公団
が非常に厖大な機構を持
つて
お
つた
——全国九万の
職員
があ
つた
わけでございますが、全国に二万箇所の配給所があ
つた
。平均いたしましても、わずかな人員で
一つ
の配給所が守られてお
つた
。そういうふうなところで不正が生じやすい、あるいは売掛代金の本部への送付が容易にできないというふうな
事態
が、そういうところから惹起したのではなかろうか、そういうふうに考えておる次第でございます。
吉田賢一
27
○
吉田
(賢)
委員
これはその後のこの種の
財産
の管理あるいは
処理
の衝に当
つて
おるあなたに、そういう
説明
を伺うのはあるいは無理かもわからぬ。で、やはり
あと
からの政府側の
説明
は、いかなる場合でも大同小異、あなたと同じようなことをおつしやるのです。それは戦後思想の混乱であるとか、あるいは永続しない施設であるとか、あるいはなれない
職員
であ
つた
とか、その間の
職員
側の乱雑な面等を
指摘
されるのは、この
委員会
における大体共通した傾向なんです。しかしまだふしぎなことには、しからば
監督
側、たとえば
食糧
公団
にしましても、農林省であろうと、あるいはその他にいたしましても、油糧
公団
あるいは配給
公団
、
鉱工品
公団
、石油
公団
等々いろいるありますが、その乱雑なといいまするか、長くなかろうところの
公団
に勤める
職員
が、
従つて
素質があまりよくなか
つた
ということも、
一つ
の原因としてうなづけますけれども、かえ
つて
根本
は引締めて行かねばならぬところの
監督
の政府側におきまして、
相当
な手落ちがあ
つた
んじやなか
つた
かと思う。あまり長続きしない
公団
ならば、そのつもりで
監督
すればいい。また乱雑ないろいろな要素の
職員
が入
つて
来るならば、それはそれでまた規律を立てればいい。かか
つて
すべて政府の責任にあ
つた
ことを課長であるあなたに質疑応答をすることは適当でないと思います。思いますけれども、やはりその点は省みて自分のことを言わなければならぬことを落としておられるのではないかと思う。これはやはり政府側においてもつとなすべきことをしてお
つた
ならば、こんなことは起らなか
つた
であろう。かく八億とか十億とか、
配炭公団
十七億というようなことを平気で
報告
せられますけれども、数十億円の
売掛金
が未
回収
に
なつ
たまま
大蔵省
に引継がれる、またその他の省に引継がれるということは、これは行政の始末としましては、実に醜悪なものであると私は思う。でありますから、政府側における指導
監督
、
業務
の指揮
監督
等が適切を欠いてお
つた
という面については、これはあなた方の方では格別議論にはならぬでしようが、あなたにそれを聞くことはどうかと思うのだが、
検査院
はそういう点についてはいかなる御所見がありましようか。
大沢実
28
○
大沢会計検査院説明員
ただいまの青田
委員
の御意見でありますが、私ももう
一つ
加えまして、
本件
に関しましては
公団
が発足いたしまして、
公団
というものの運営がどうなるかということに対しまして、いわば
政府当局
もはつきりした方針がなか
つた
のではないか。現にこれは二十二年の
検査報告
にも当時はこんとんたる
状態
を示してありますが、と同時にはなはだ申訳ない次第でありますが、
会計検査院
といたしましても、
公団
の
検査
というものがどうあるべきかということに対して、
相当
こんとんとした
状態
である。そういうことからいたしまして、いわば従来商社として経営してお
つた
いろいろな
貿易
組合とか、あるいは配給
会社
とかいうような
会社
で経営してお
つた
ものの
職員
が、そのまま引継がれる、その
経理
組織がそのまま引継がれて
公団
となりましたので、
公団
というものがその点でどうや
つて
いいのかという明確な点がはなはだ早く確立できなか
つた
。この点に非常に遺憾な点があ
つた
と思います。
会計検査院
の
検査
の面からも非常に遺憾な点があ
つた
と、私自身今に
なつ
て反省しております。そういう点で
監督
に当られるそれぞれの所管省も十分でなか
つた
と私も考えております。
一つ
には、これは商社のころは売掛ということが行われてお
つた
。それが
公団
に
なつ
ても
法律
は全然ありませんので、その習慣といいますか、それが依然として行われてお
つた
。しかも配給
公団
などにおきますと、まず配給ということが
一つ
の問題に
なつ
て、それぞれ所管の省の方からは、配給の円滑化ということが
相当
主張される。そうするとわれわれ
検査
の目から言うと、そんな金の入らぬやつならば配給をとめたらいいじやないか、こんなことはよく
検査
の際に出たのでありますが、いやこれは配給ということが至上命令だ、
売掛金
の
徴収
は
あと
に
なつ
ても配給はしなければならぬというような
状態
にあ
つた
ために、
売掛金
の滞納が増加したということが
一つ
の傾向ではなか
つた
かと思います。この点は二十四年の十二月に
公団
の物品売払いについても、政府の物品売払いと同様に前納でなければ売渡してはならないということが
法律
上明定されました。これがもつと早く
公団
発足の当初からあれば、こうした
売掛金
の累増は、あるいは防げたのではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第であります。
吉田賢一
29
○
吉田
(賢)
委員
大蔵省
の
根本説明員
に一応伺
つて
おきますが、これはやはり過去のことでありますけれども、
大蔵省
といたしましては、六十一億円の
売掛金
等の債務を
引継ぎ
ましたその跡始末だけの問題じやなしに、さかのぼ
つて
原因を究明しまして、そこにやはり地方、中央をも含んで綱紀頽廃の事実があ
つた
かなか
つた
かというところまで、
決算委員会
としては追究すべき任務もあり、責任も持
つて
おるわけであります。ところが、あなたが来られているだけで、
管財局
長は来ていない。
大蔵省
の首脳部も来ておらない。そういうようなことで他の省の——やはり省の
監督
が最も適切であ
つた
ならば、この厖大な損害が加わ
つて
おらなか
つた
であろうという見解等についての
説明
はできぬのです。これはやはり
委員会
の運営の上におきましても遺憾でありますので、そのことはそういうふうに申してお
つた
ということをぜひお伝えを願いたいと思うのです。あなたが取立てのようなお
仕事
をや
つて
おられるかもしれませんけれども、問題はそういうことじやないのです。もつと深いところを究明しなければならぬと思いますので、以上をあなたにお伝えいただくことを御依頼申し上げておきます。 そこで、
回収
の問題でありますが、一言伺
つて
おきますが、全部が不良ではないのであ
つて
、
相当
回収
の見込みがあるというお説でありますけれども、やはりこういうものは全体として不良であるという認識に立たなければいかぬと私どもは考えます。やはり、ここで不良であるとかないとかいう議論はなすべきでないと思う。やはり
相当
な人員がなければこんな
処理
はできますまい。また何ほどかの経費が伴わなければこの
処理
はできませんから、そういうことも考えるのであります。そこで少し末端になりますけれども、伺
つて
おきますが、
相当
の経費やら人員がなければこの六十一億余万円の
総額
の結末、解決ができないかと思うのですが、それにつきまして、あなたのできるだけの要点の御
説明
を願
つて
おけばと思いますが……。
根本守
30
○
根本説明員
本件
の
公団
債権
の
整理
に要しております人員と予算でございますが、人員は、
財務局財務部
におきまして
徴収
を担当いたしております者が全部で五百名でございます。ただこれは
公団
債権
の
整理
だけではありませんので、国有
財産
の売払代、あるいは貸付料の
徴収
、そういう財務局で管財
関係
の
徴収
に従事しているのが五百名というわけでございます。費用でございますが、全体の
数字
を明らかにいたしておりませんが、
債権
回収
に要しております旅費が年間四百万円見当であります
吉田賢一
31
○
吉田
(賢)
委員
旅費だけ頭を出しただけではわかりませんが、全体の何%ぐらいそうい
つた
処理
に対する費用に充てられるのか、それを聞けばいいと思いますが……。
根本守
32
○
根本説明員
全体の
数字
は現在のところ、わかりかねます。
吉田賢一
33
○
吉田
(賢)
委員
そうしますと、やはり六十一億円が過去におきましては、まだ七億円何がしかとれておらぬことになります。——二十七年度の方は予定の十三億何がしかは
回収
したと、こうおつしや
つた
のでありますか。
根本守
34
○
根本説明員
そうです。
吉田賢一
35
○
吉田
(賢)
委員
それでは二十億になりますね。この問題につきましては、さようなあらゆる角度からさらに綱紀問題として御反省あらんことを望んでおきまして、私は次に移ります。 この
食糧
公団
でありますが、これはたくさんのうちの
一つ
だけ例をあげて質疑しておきたいと思います。この種の問題は、やはりほかの省の場合にも、物資を売るというときによくありましたし、特に農林省
関係
におきまして、
食糧
売渡しについては、なかなか出て来るので、この場合、さらに明確にして
指摘
してみたいと思うのです。一〇六一号というのは、澱粉部におきまして代金を受取ることなしに品物を先渡ししてしま
つて
、しこうして
売掛金
一千五十四万円が滞
つて
しま
つた
。しかも
法律
の規定によるならば、代金し受取
つた
後に品物を渡さなければならぬことに
なつ
ております。もし代金延納の場合には確実な担保を提供させねばならぬ、こういうことに
なつ
ているにかかわらず、千万円以上を代金なしで商品を渡してしま
つた
ということは、これは通常の取引とは私ども考えられません。商売人の場合でもこういうことはしないと思いますが、ましてや
法律
の規定を侵してこれをや
つて
おる事実であります。これはきわめて乱暴な例が
指摘
されておるものと私ども考えるのでありますが、ずいぶんたくさんにこういう例をしばしば聞かされておりますので、こういうことにつきまして、何か特に御
説明
を願うことがありましたら、ひとつ聞いておきたいのですがいかがですか。これも
大蔵省
の方であ
つた
ら詳しいことは御存じないということに帰するのですか、
根本
さんどうですか。
根本守
36
○
根本説明員
当時の法規に違反をして、代金の授受がないにもかかわらず品物を渡した例でございますが、これはまたことに遺憾なことでございまして、こういう例はほかの
公団
にも
相当
あるようでございますが、これにつきましては、過去の
監督官
庁の問題でございまして、現在その
監督官
庁がどうということは、われわれとしては言えない立場にございますので、われわれといたしましては、
債権
の
回収
に
努力
するということで問題の
整理
をはかりたいというふうに考えておる次第であります。
吉田賢一
37
○
吉田
(賢)
委員
しかし
債権
の
整理
をするということの場合には、やはりめんどうであ
つて
も、よ
つて
来
つた
原因を究明されて、そうして適切に
処理
をするということが、やはり財政の跡始末としては私は当然であろうと思う。そうして国家に対して、究極において何ほどの損害に
なつ
た、こういうことを明らかにいたしまして、あなたの方として
清算
が結了するのが、これが筋の通る順序だろうと思う。原因をきわめることなくして、ただそれだけ
債権
が残
つて
いるから取立てるというような行き方は、私は決してりつぱなあり方でないと思います。そういうこともさらに人間や経費がいるといえば別ですけれども、
公団
から引継ぐときには一覧してすぐわかるのでありますから、そういうことにつきましても、
相当
深い考慮がなければならぬと思うのだが、あなたとしてはどうも
説明
のできないようなお立場であるからやむを得ません。しいて深く追究しようとは思いません。 そこで私は
油糧砂糖配給公団
、三百八十三ページこれについて伺
つて
みます。これは担保もとらないで、四億七千万円のものの荷渡しを二十六年の三月にしておるのであります。担保もとらないで四億七千万円もの砂糖を渡すということは、
相当
乱暴でないかと思うのであります。こういうことの結果一億三千三百余万円を
会計検査院
が
指摘
なさ
つて
、実地調査をしたときに
回収
がまだできていないことがわかり、厳重な注意を受けたというようなことにこれは
なつ
ておる。これも実に乱暴と言おうか、めちやな取引と申さなければならぬのであります。こういうことにつきましてこれは何かいきさつでもあ
つた
のだろうか、これらの組合とこの
油糧砂糖配給公団
の
職員
との間に不正な結託でもあ
つた
ことに原因するのか、どういうことがこういうことに至らしめたのだろうか、このことについてなお一応御
説明
を聞きたいと思います。
根本守
38
○
根本説明員
この背後に不正な行為等があ
つた
のではないかという御
質問
でありまりが、私の知り得ております範囲では、そういうことはなか
つた
ようであります。
相当
大きな
金額
を残したわけでございますが、これも
整理
が進捗しておりまして、本年の五月末の現在では二千百万円の
未収
残額
に
なつ
ておる
状況
でございます。漸次
回収
が完結し得る見込みであります。
吉田賢一
39
○
吉田
(賢)
委員
二千百万円は、そうするといつごろに完結のお見込みが立
つて
おりますか。
根本守
40
○
根本説明員
これは相手方が四軒ばかりあるのでございますが、まず一軒、福岡県砂糖卸協同組合というのがございます。これにつきましては完済いたしておるのでございます。それからその次の宮崎県砂糖卸協同組合というのがございます。これは五月末の
未収
残額
が千二百四十七万九千円ございまして、和解調書を作成しておりまして、その和解調書によりますと、二十七年の十月末までに入らなければならないことに
なつ
ておるわけですが、これは和解条項を履行しておりませんので、あるいは強制手段をとらなければならないのではないか、そういうふうに考えております。それからその次の山口県砂糖卸商業協同組合でございますが、これも二十七年十月末までということに
なつ
ておりますが、現在の
未収
が三百八十七万一千円ということであります。
吉田賢一
41
○
吉田
(賢)
委員
そこであなたの方の聞き及んだところでは何ら不正がなか
つた
ようであるけれども、しかしなおその後だんだんと
回収
されておるようであるけれども、二十六年の三月一箇月の間に、
三つ
の組合に対して四億七千万円という大きな売付をして、担保もと
つて
おらずということに
なつ
ております。その後やはり何億円という金が——少くともその年の八月までは、三億四千万円というものは買い主の方が、か
つて
に無償で利用ができる
状態
にあ
つた
わけです。たいへんなこれは損害でないかと思います。こういうことにつきましては、担保をとらなか
つた
のならば利息でもと
つた
のでしようか。担保をとらずに四億七千万円を売り付けて、そうして代金の
回収
がかく長引いて行くということは、何かそこに因縁がないということはできぬと思うのだが、なか
つた
ろうと思うということなら、これはあなたと問答してもらち明かぬことなんですが、普通はないことであろうと思います。
検査院
は担保をとらざりし原因について、何か調査されて発見された事実はなか
つた
でしようか。
大沢実
42
○
大沢会計検査院説明員
当時文書で
検査院
が承知いたしましたのは、担保をとるべきことに
なつ
ている、
銀行
の
支払い保証
なり約束手形を徴するということに
なつ
ておるのに、なぜと
つて
いないかというこちらの推問に関しましては、当時市中
銀行
の
支払い保証
なり約束手形を相手方に要求した、ところが、それが
金額
が多額で
銀行
が難色を示したためにとれなか
つた
、だから遺憾ながらそれはとらなか
つた
、こういう回答でありますが、はなはだ妥当でない
措置
であると考えております。担保はとれなければ渡さなければいいのでありまして、とれなくて渡したという
措置
はきわめて妥当でないと思
つて
おります。なお当時なぜ担保をとらずに渡したかというその内情に対しては、ちよつと調査したものもございません。
吉田賢一
43
○
吉田
(賢)
委員
鉱工品
貿易公団
について、私は質疑する意思はございません。 やはりこの問題はその点が一番大切なことだろうと思うのですが、担保とらずに
三つ
の組合に四億円以上のものが渡されるということは普通の想像ではできぬので、何らかの危険を招来するということは見やすい道理でないかと思うのであります。そこでこういうことにつきましては、もう
公団
がなく
なつ
ているのでありますから、さようなおそれは今日はもうないかと思いまするけれども、これはやはり当時におきまして、この点につきましては格別の規定とか、訓令とかがあ
つた
わけではなか
つた
のでしようか。この問題に対する一番大きな原因である失敗のもとは、私はこの点にあると思われるのですが、そういう規定もなか
つた
のでありましようか、なお念のために承
つて
おきたいと思います。
大沢実
44
○
大沢会計検査院説明員
私から申し上げますが、二十六年三月、
本件
売渡し当時は国の物品の売渡しに関する
法律
というのが
公団
にも適用されまして、前納かあるいは確実な担保を徴さなければ渡してはならない、こういうことに
なつ
ておりまして、
本件
が担保をとらずして荷渡ししたということは、違法な行為であ
つた
わけであります。
吉田賢一
45
○
吉田
(賢)
委員
そういうときは、やはりすぐ適切な
措置
でもと
つた
事実でもあるのでしようか。つまりそういうことをなしたことは不法であり、あるいは不当であ
つた
という場合に、発見すればただちに適切な
措置
がとられねばならぬと思いますが、さような
措置
はなか
つた
のでしようか。
大沢実
46
○
大沢会計検査院説明員
ただいま適切な
措置
というお言葉でありますが、とにかく残
つて
おるものはすみやかに
回収
しろということは強硬に申し入れたわけであります。その他処罰の問題になりますと、当時におきましては、こうした場面におきまして
会計検査院
が懲戒を要求するとかいうような規定がございませんでしたので、そうした面のいわゆる個人的な処罰問題には触れておりません。
吉田賢一
47
○
吉田
(賢)
委員
私の聞きたいのは、これは
公団
の代表者がおれば事まことに適切な答弁が得られるのですけれども、あなたの方が後日お調べに
なつ
た際、
公団
の側におきましてさような無謀な売渡しをしましたことについて、何か
措置
をと
つた
ような事実はありましたでしようか、いかがでしたか、その点だけ……。
大沢実
48
○
大沢会計検査院説明員
当時非常に遺憾であるから、きわめて早くこれをとるということの回答はいただきましたが、今のお話だとまだ二千万円残
つて
おります。
相当
回収
していると思いますが、個人的なものに対して処置をと
つた
ということは当時聞いておりません。ちよつと資料がはつきりいたしませんので、あるいは内部的な処置をと
つた
かもしれませんが、今ある資料でははつきりいたしません。
吉田賢一
49
○
吉田
(賢)
委員
管財局
の方は、ただいまの点について何か資料はありませんか。
根本守
50
○
根本説明員
ただいま資料の手持ちがございませんので、ちよつとわかりかねます。
吉田賢一
51
○
吉田
(賢)
委員
こういうことは後日におきましても、やはり
大蔵省
当局
といたしましては、輸入砂糖ならば農林省
関係
ですから、農林大臣に大蔵大臣から適当な通告をするとか、何とかさような行政的な道があるのではないかと思いますが、その点について御
説明
できれば聞きたい。
根本守
52
○
根本説明員
引継ぎ
ました
あと
で、当時の
監督
上の問題につきまして、大蔵大臣から行政的な
措置
を
監督官
庁の長に申し出るということは、ちよつと筋がないのではないか、そういうふうに考えております。
吉田賢一
53
○
吉田
(賢)
委員
しかしながら過去において、行政上の
措置
当を得なか
つた
ので国に何億円かの損害をかけた。なるほど後日
回収
されたといたしましても、しかし何億円という金もしくは金
相当
のものが、担保なしに買主の方においては自由に処分ができて、利用し得たのでありますから、さような不始末に対しまして、たとい過去のことであ
つた
にしろ、ここは支出の最高の責任の方に対して、つまり予算を執行したもしくは
監督
をしたその行政の
当局
に対しまして、
相当
な道が講ぜられねばならぬと思うのであります。そして注意するとか、何かの要求をするとか、懲戒を求めるとか、何とか
方法
があると思うのですが、こういうことについて過去のものだからとれるものをと
つた
らいいので、とれないものはとれなければしかたがないのだ、こういうことに
なつ
てしまえば、これは跡始末がつかぬことになります。言いかえますと、あなたの方は六十一億円の売掛代金を引継いだ、これとても一生懸命
努力
して今やつと二十億円——四十億円はそのまま見込みがあるやらないやらわからぬということに
なつ
ても、過去に対しましては格別に
監督
側のそういう方面に対して何らの
措置
もとれないとするならば、これはまことに結末がついたようで、ほんとうに正しくつかぬように考えられるのであります。これもあなたの御答弁をいただくことは無理かと思うのでありますが、こういうことにつきましては、行政
当局
間の問題でありまするが、同時に国家の財政
経理
上の重要な案件であろうと思いますので、
会計検査院当局
の御所見を伺うことにいたしましよう。
安井大吉
54
○
安井委員長代理
今
吉田委員
の御
質問
はまことに同感であ
つて
、当時の
監督者
は農林省であ
つて
、その跡始末を今
大蔵省
がしておる。
会計検査院
はこんなに悪い事項を摘発しても、その人に対する処分権、懲罰というようなことについて手が出ないから、自然にこういうものは
検査
を受けた
監督官
庁に責任がありながら、なおかつ
会計検査院
を恐れているというだけであ
つて
、自分の部下のや
つた
ことをかばわなければならぬとい
つた
ようなことになるから、むしろ
会計検査院
が
検査
をして、この程度のものならば懲罰に値する、あるいは罰俸をくれるとか、懲戒処分に付すとか、被免するとか、告発するとか、そういうような実権を
会計検査院
が持たなければ、
会計検査院
はせつかくかようなものをや
つて
もにらみがきかない、効果がない、こういうことは今のお話に私も同感である。
会計検査院
としては、こういうものに対して処分権とかあるいは人に対する
監督
の強い
一つ
のにらみをきかせる力を持たなければならぬ。
会計検査院
自体がこういう問題について意見を述べ、そういう意見を持
つて
お
つた
ことがあ
つた
か、あるいは持ちつつあるか、その方が
会計検査院
の機能を発揮して未然に事を防止する原因になる。
会計検査院
の存在価値の意義があると不正もなくなる、国がよくなる、国民もそれがために
利益
を享受する、こうい
つた
ようなことについて
根本
的な
会計検査院
のしつかりしたものがなければ、ただ勘定して見て足りない、
損失
だ、未払いだ、こういうことに終
つて
しま
つて
はきわめて効果が少いので、労して益がないと思う。
吉田委員
の
質問
にあわせて、私も
会計検査院
がそういうような点において、過去においてそういうことをや
つた
が通らなか
つた
、あるいはそれに対して今どう考えているかというような御意見があれば伺
つて
おきたい。
大沢実
55
○
大沢会計検査院説明員
昭和
二十二年に
会計検査院
法が新しく生れます場合に、
検査院
内部においてまずその点が問題に
なつ
たのであります。その結果
会計検査院
法の第三十一条であ
つた
かと思いますが、国の
会計
事務を
処理
する
職員
が、故意または重大な過失によりまして著しく国に損害を与えたときは、懲戒処分の要求ができるという規定が生まれたわけであります。これによりましていわゆる国の
会計
におきましては、故意または重大な過失の場合には、懲戒処分の要求の発動ができるということに
なつ
ております。当時においては、まだ
公団
というような新しい組織が生れて来ることがあまり考えられていなか
つた
ものですから、その規定は国の
会計
事務を
処理
するというようにきわめて限定された規定にたしか
なつ
ていたと思います。それは
公団
などあるいはその後新しくできました
公社
というものには適用できません。そこでこれは司令部側からも、どうしても予算執行の場合の
職員
は、全面的にもう少し懲戒処分というものを
会計検査院
に与えなければいかぬという示唆がありまして、
昭和
二十五年七月だ
つた
と思いますが、予算執行
職員
等の責任に関する
法律
というものができまして、これは予算執行つまり歳出の部面でありますが、出す方の部面におきましては故意または過失によ
つて
国に損害を与えたというような場合に、
会計検査院
は懲戒処分の要求ができる。これももちろん要求のできる相手方の職は限定されておりますが、ほぼ支出の面においてはその要求ができることに
なつ
ております。ところがその場合も、歳入の面におきましては、その分の規定が漏れていたということで、金をとる方あるいは物品の管理の面におきましては、国の
会計
におきましては重大な過失によ
つて
重大な
損失
を与えた場合は懲戒要求ができますが、
公団
等における収入の面、物品管理の面においては、ただいまのところは規定はないわけであります。これは国の
会計
という言葉の拡張解釈でもあるいは済むのではないかという意見もありましたのですが、法は厳格に解釈すべきだという観念で現在は適用がないという解釈をと
つて
おります。ただいまこれを拡張する必要があるかどうかというお話でありますが、私自身の所見をここで申し述べさせていただきますれば、むしろ
会計検査院
といたしましては、いわゆる弁償責任の決定権限があります出納官吏は現金物品をなくした場合に、幾らの弁償責任があるということを決定する権限を持
つて
おります。しかしそれは各省各庁へ委任してもいいのであ
つて
、むしろ
検査院
としては懲戒処分の要求権というものを持
つた
方が実効があるのではなかろうかという考えを持
つて
おります。全般的に
検査院
全部として、収入の面にまで及ぼすべきであるということは、現在のところまだ議題には上
つて
おりません。
吉田賢一
56
○
吉田
(賢)
委員
ただいまの御
説明
でありますが、
会計検査院
法第三十一条に上りますと「
会計検査院
は、
検査
の結果国の
会計
事務を
処理
する
職員
が故意又は重大な過失により著しく国に損害を与えたと認めるときは、本属長官その他
監督
の責任に当る者に対し懲戒の処分を要求することができる。」という規定がございますが、この点の御
説明
だと思いますが、そうするとこれは対象は国になるわけであります。ただいま問題になりますのは
公団
でありますから、
従つて
公団
の責任者が今のように四億円も担保なしに売りつぱなしをしようと、あるいは何千万円も金をもらわずに品物を渡そうと、それが犯罪を構成する場合はまた別の司法権の問題がありますけれども、そうでなしに、国に著しく損害をかける結果を来しても、この
会計検査院
法では今のところどうにもならぬというわけでありますか。
大沢実
57
○
大沢会計検査院説明員
そうであります。
吉田賢一
58
○
吉田
(賢)
委員
そうしますと、たとえば今当
委員会
において問題に
なつ
ております公共企業体に対する各般の問題につきましても、やはり公共企業体は国ではないのだから同じような論法が適用されて行くということになるわけであります、その点につきましては、これは立法上の問題になりましようから後日われわれも検討して具体的に考えてみたいと思いますが、そうしますと、ただ一に
大蔵省
の残務
処理
をしておられる方のみに頼
つて
行政
監督
をしてお
つて
も、
公団
というものが、買い、売り、国の予算で
仕事
をするが、その上の省は、
公団
がどんなに損害をかけても、——結局六十一億円も損害と
なつ
て、
大蔵省
が背負い込んで跡始末をしつつあるけれども、財政
処理
監督
上の責任としては涼しい顔をして行けるということに帰着するわけなんですか、
大蔵省
もそういうふうにお考えに
なつ
ておりますか。
柳沢英蔵
59
○柳沢
政府委員
ただいまの
吉田委員
の御
質問
でありますが、もちろん金を出すのは国庫大臣としての立場でありまして、
未収
金の
整理
をするという直接の
仕事
は
大蔵省
の
管財局
の方でや
つて
おりますから、主計局の方におきましてはそういう事務には直接
関係
いたしておりませんが、今の御
質問
に関連いたしまして、実は国庫大臣の立場におきましても、あの当時における
公団
等の収入金取扱いにつきましては、非常に当を得ておらない
措置
が多か
つた
関係
もありますので、それに関しまして、
公団
等の予算及び決算の暫定
措置
に関する
法律
というものを
昭和
二十四年につくりました。その十五条にこういう規定がございます。「
公団
等の予算の執行について必要な手続その他細目については、大蔵大臣が、主務大臣にはか
つて
定める。」こういうような
法律
をつくりまして、それに基いて
公団
の収入金及び支出金の取扱規則というものを各
公団
に適用せしむるように制定いたしたのであります。その当時は、御
指摘
のように、
公団
等の収入金取扱いがきわめて当を得ておらない
措置
が多か
つた
ので、大蔵大臣としてもそれに対する
措置
を講ずるようにいたしまして、二十六年に今申し上げた省令をつく
つて
、国の
経理
と同じような取扱いをいたさせるようにいたしました。今御
質問
になりました延納の
関係
、物を引渡します場合に必ず担保をとる、あるいは利息をとるとか、
事前
に代金をとりまして物を引渡す、こういう原則につきましては、先ほど
検査院
からお話がありましたように、
昭和
二十四年に
法律
ができまして、この
法律
は当然
公団
にも適用がありますが、それでも守られないような事項もありますので、この省令におきまして特に注意的に規定いたしました。ちよつと読んでみますと、その第六条では、「
公団
は、商品その他の資産を売却するときは、国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する
法律
」これは今申し上げた
法律
であります。「第五条に規定する場合を除き、前項の
公団
預託金払込請求書による払込の確認をした後、買受人に引渡をしなければならない。」こういう規定を設けて実行させるようにいたしたわけであります。 なお申し上げますれば、
公団
の
監督
につきましては、これは私の記憶が違
つて
おるかもしれませんが、
公団
が
設立
されました当初は経済安定本部が
監督
の責任を負
つて
おりまして、もちろん主務大臣は第一次的な
監督
の権限を持
つて
おりますが、第三次的な
監督
の権限は経済安定本部が持
つて
いたわけであります。従いまして大蔵大臣といたしましては、当時は財務諸表の承認の際に協議を受けるという程度のものであ
つた
のでありますが、しかしあまり
経理
状況
がひどか
つた
ので、先ほど申し上げたような法的
措置
を講じまして、
公団
の適正な
経理
について多少でも力を尽したい、こういう
関係
に
なつ
ております。
吉田賢一
60
○
吉田
(賢)
委員
それでは柳沢さんに重ねて伺いますが、今
根本説明員
の
説明
によると、
大蔵省
が引継いだ
売掛金
等だけですでに六十一億に上
つて
おるのでありますが、六十一億円のうちでまだ二十億円しか
回収
されておらない。四十一億円は未
回収
なんですが、すでに数年経過しておる。四十一億とか六十億とかいうものは非常に厖大な支出というように見なければいかぬと思う。そうすると今の御
説明
によると、
公団
内部の物品の売渡し等についていろいろと規定を設けられて、その弊害を駆除するためにはたいへんけつこうだと思う。しかしそれならばさらに進んで、そもそも国の予算執行の責任は
公団
が負うのではない。
公団
というのはやはり出先のものだから各省が負わなければならぬのが本質だと思う。そうすると各省の
監督
の責任者についてもつと厳格に何らかの
監督
上の責任
関係
に関する規定が設けられることによ
つて
、この問題はもつと解決の仕方があ
つた
のではないかと思うのです。とかく予算の執行、いろいろな経費の支出につきましても、末端の
会計
課長とか、あるいは
会計
職員
とかを責めることは厳重であるが、上の方の
監督
の面についてはとかく考え方が甘いと思う。これがやはり国の
会計
財政が乱れる
一つ
のもとだと思います。もつと上の方を引締めるようなことをやりましたら、こんなたくさんの問題は起らぬと思う。それは国民は知らぬのですよ。
大蔵省
が六十億円も売り放したやつを、金もようとらずに引継いでおることを知りましたら、ばからしくて税金なんか払いはしません。知らぬければこそこれは済んでおるのです。狭い
決算委員会
で、国会の中でや
つて
いるだけでありますから。ですから私はもとをもつと引締めろという意味におきまして——これもあなたは主計課長でおられるのでして、政府の
当局者
じやありませんから、あなたと問答することはどうかと思いますけれども、やはりそこまで手を広げて行
つて
、ほんとうに財政の正しいあり方をかつちりする法規ないしはその他のものをつく
つて
監督
することにしなければだめだと思います。
あと
でこんな始末をどんな
説明
を聞いても何にもならないことです。実に遺憾でありますということを百ぺん繰返されても、今後注意しますと言
つて
も、今後
公団
はありはしません。だから今後注意しますという態度などはおよそ意味がないのです。だからただ
一つ
の例として、六十億円からの振りかけられた国の損害を跡始末しつつある
現状
をいかに考えるかという点が、私は主題にならねばいかぬと思うのであります。その意味におきまして、
監督
の責任の方に対して
相当
厳格に望むということでして行かなければためだと思います。これはやはり今問題に
なつ
ております公共企業体の財政について同じようなことが言えますので、あわせて類推していろいろと考えに広くさせられるわけであります。そういうことを思いまするので、あなたにそれについて御
説明
をた
つて
求めようとしませんけれども、できましたら、別の機会でもいいのだから、
大蔵省
としてこういう問題をもつと統一して、同の資産を管理するという責任があるのですから……。
管財局
であるとかあるいは主税局であるとかいうようなそれぞれの部局は別といたしまして、
大蔵省
としては統一して抜本的な対策を考えるということで臨んでほしいと思います。事務
当局
の方はそれぞれ立案の一番大事なところにおられるのですから、何らか御準備でもあ
つた
らたいへんけつこうだと思いますので、そういうことでもございましたら、ひとつこの機会にひろうしていただいて御
説明
願
つた
らたいへんにいいと思います。
安井大吉
61
○
安井委員長代理
私からひとつ……。今
吉田委員
のお話のように、大体
検査
の時期とこれを
報告
して議会にかかるときまで数年を経過して、当時の責任者はおらない、自然にその責任も軽んぜられ、人はその
公団
を去り役所を去
つて
しま
つて
いるというようなところに、この
検査
の効果が減殺されている。今東京駅の問題を例にとりましても、あの駅の事務の不正というか疑惑というものは、時期が早いから、今
検査
をああやかましく言うことは、将来の経営施設の上に非常な
利益
をもたらし、あるいは一種の災害予防にもなるわけです。こうい
つた
ように、三年も過ぎ去
つた
あと
でこんなことをする——
会計検査院
はもつと
事件
に当面して、その生きた
事件
を生きて
報告
して、生きて
処理
するとい
つた
ようなことについて、こういうように何年もた
つて
でなければ
検査
に着手ができないのか
報告
ができないのか、こういう点に遺憾を
感じ
ておらないのか、こういうお考えはどうですか。
大沢実
62
○
大沢会計検査院説明員
ただいま御
指摘
の点は再三御
指摘
になりました点でございますが、
会計検査院
といたしましては、ただいま問題に
なつ
ております一〇九一号を見ましても、二十六年八月の実地
検査
でこのことを確認いたしました。
検査報告
を内閣に回付して国会に提出しましたのは二十六年の十二月か、あるいは二十七年の一月になりましても、十日ごろと思います。昨年の一月には国会に提出したのであります。もつと早くしろという御要望ももちろんあると思いますが、やはり決算を一応確認いたしまして
検査報告
を出しますと、三月の決算が主計局で締め切られますのが七月三十一日、昨日でございます。それを
検査院
の方へ回付されますのが十一月であります。それを大至急確認すると同時に、こういう事項をとりまとめて昼夜兼行で十二月一ぱいに仕上げまして、目途は十二月三十一日までに内閣に送付するということでありますが、多少遅れて翌年の一月に
なつ
ている、こういう
現状
でありまして、技術的と申し上げてはなんですが、個々の問題がその都度国会に
報告
できるという制度でありますれば、個々の問題が固まり次第ということになりますが、決算を確認して
検査報告
を提出しろ、こういうことになると、どうしても決算が終
つて
から約半年、技術的にこれ以上狭めることはできないのではなかろうかと私自身は考えております。
安井大吉
63
○
安井委員長代理
現行制度のもとにおいてはそういうことはやむを得ない、しかし
会計検査院
が機能を発揮するにおいてはこれでは陳腐である、本日の抜けた
仕事
を
あと
で始末しているとい
つた
ようなかつこうになるから、これに対してこの規定をもつと生かすような意見を持
つて
行く意思を聞いたのでありますが、答弁はいりません。一応そういうような点も改正等の意見の場合には考えられることが、未然にすべてのものを防ぐゆえんだと考えるのです。しかしあなたにお聞きしてもあなただけできまるわけではないし、そういう意味をひとつ含んで改正等に参考にしていただきたいと考えております。
吉田賢一
64
○
吉田
(賢)
委員
開発銀行
の総務部長見えておりますか。——ちよつとお尋ねいたします。一一〇二号ないし一一〇七号までの
復興金融金庫
の
債権
保全処置当を得なか
つた
件でありますが、この
融資
先は
相当
信用のあ
つた
もののみなんでしようか、あるいはそうではなくして、その後営業しておらぬようなものも含まれているのでしようか、一応その点を先に伺
つて
みたいと思います。
西沢正則
65
○西沢
説明
員 ただいまのお話は、ここにあげられております六件のものについて営業中かどうかというお話でございますが、
融資
の当初におきましては、信用確実なものと認めて
融資
したものでございます。しかしその後の経済界の変動その他によりまして、現在休業しておりますものもございます。
吉田賢一
66
○
吉田
(賢)
委員
融資
当時におきまして、すでに
相当
休業をしておる、そういうものはなか
つた
のでしようか。もしくは間もなく休業あるいは不良
状態
に陥
つた
というのはなか
つた
のでしようか。
西沢正則
67
○西沢
説明
員
融資
当時におきましては、それぞれ営業中であ
つた
ものでございます。 それではその後の
状態
を申し上げたいと思います。
吉田賢一
68
○
吉田
(賢)
委員
そう詳しくはいりません。私の聞きたいのは個々の問題ではありませんから……。私の伺いたいのは、
抵当権
の設定につきまして、手続を怠
つた
ため、ほかの者が
抵当権
を設定したので
債権
保全のために非常に不利に陥
つた
という問題のようでありますが、適切な通常の
抵当権
設定等の手続をとることをせざりし事情がどこにあ
つた
のだろうかということを聞くために、今の点を聞たいのであります。もし営業がすでに傾いておるような場合、しかしながら
融資
の必要があ
つた
という場合と、そうでなくしてさらに積極的に設備を増設するとか、あるいは基幹産業の育成のためにもつと新しい施設をするとか何とかいうことが、いずれあ
つた
のだろうと思います。そういう点について御
説明
があれば承りたいと思うのであります。
西沢正則
69
○西沢
説明
員 それでは
復金
の
融資
しておりました当時の
状況
を一応お話申し上げます。 御承知のように、戦災復旧資金というような色彩が非常に強い、それが使命の大部分であるという
建前
から、金を出すということを非常に急がれてお
つた
状況
でございます。
従つて
金融機関の
建前
から申しますと、まず担保の設定を終
つて
しかる後に金を出すというのが常道かと思いますが、当時は資金を出すことの方がより先に要請されてお
つた
という事情が
一つ
ございます。それからまた当時は新旧勘定等がございまして、勘定が分離されておりまして、
復金
から出します新勘定の
融資
については、旧勘定を担保に入れることができないという
状況
にあ
つた
わけでございます。そういう点も
一つ
ございます。それからまた賠償に指定されてお
つた
物件、こういうようなものもございまして、これに担保権をつけるということについては、
法律
的な効果について疑義があるというような事情もあ
つた
わけでございます。 それからさらにもつと大きな原因は、二十四年に
復興金融金庫
が新しい
融資
を停止したということによ
つて
、それから続く
融資
と申しますか、なおその企業に必要な資金を供給する道が絶たれたということによ
つて
、他の金融機関に依存しなければならない
状態
に
なつ
たわけでございますが、そういう
関係
で新しく
融資
を仰がなければならない
銀行
に対して、さきに担保権を提供したとい
つた
ふうな事情もあ
つた
かと思います。そうい
つた
事情が担保権が後
順位
に
なつ
た原因であろうかと考えております。
吉田賢一
70
○
吉田
(賢)
委員
そして非常に不利な
状態
に陥
つた
という
指摘
を受けておりますが、その後これらは
状態
を回復されたのでしようかどうか、これだけ伺
つて
おきます。
西沢正則
71
○西沢
説明
員 その後の
回収
状況
を申し上げます。最初の山口慶八氏は二十六年十月以降において二千百十三万四の
回収
をしております。それから麓氏の件につきましては百八万三千円、寿工業につきましては二百三十七万六千円、国武合名
会社
につきましては四百三十六万五千円、日本理化土木につきましては五十八万八千円の
回収
がございます。最後の日本油機製造につきましては二十七年十月に完済と
なつ
ております。
吉田賢一
72
○
吉田
(賢)
委員
今のはそれでよろしゆうございます。次は
連合国軍人等住宅公社
のことをちよつと伺
つて
おきます。一一〇八号であります。これは最初に
鹿島建設
などに請負わせました請負
工事費
が十二億四千万円、結局それだけ払
つた
ことに
なつ
ておりますが、最初は九億七千百余万円でありました。ところがそれが十二億四千六百万円に増額いたしておりますが、
検査院
の御
説明
によりますと、いろいろ
設計
の
内容
の
変更
などがあ
つた
らしいのであります。そこで
調達庁
の御
説明
があ
つた
のですが、こういう
設計
の
変更
をしまして、
従つて
請負代金が増額するというような場合には、これは占領軍のするところだからやむを得ないと一口に言
つて
しまえばそれまでだろうけれども、しかしやはり何らか
相当
正規な厳格な
設計変更
についての要求の手続があ
つた
のではないだろうか、とすれば、そういう手続はされていたのだろうか、そういうことをされずに簡略してこれをや
つて
しま
つた
のであろうか、その辺はどういうことが一番大きな原因であ
つた
のであろうか、それをひとつ伺いたい。
山内隆一
73
○
山内
(隆)
政府委員
お答えいたします。今の問題は正規の
設計変更
なしにあのような形で仕上げておるところが
一つ
の批難の点に
なつ
ておりますが、
調達庁
としましては、軍の最初の
仕様書
設計図
に基いて
工事
を施工することが当然なことであります。ところが最初の
入札
の前の
説明
会におきましても、すでに軍が自分で書いたものを持
つて
来た以外に、口頭でかなりいろいろの指示をされるのであります。その後に
なつ
て
入札
をしましても、軍の
監督官
の場合によりましては、たびたび現場に
設計変更
に
相当
するような指示をされるのであります。そのたびに
調達庁
としての取扱いは——最初においてはもちろんでありますが、
入札
後におきましても口頭による
設計変更
指示等には従わない、取扱
つて
はいけないということを強く調達局及び第一線の出張所には指示してあるのであります。従いまして局としても、出張所の現場担当官としましても、現場の軍の
監督官
に向
つて
は、正式な
設計変更
にしてもらいたい、あるいは陳情を出してもらいたい、あるいは正式の陳情を出せなければ、せめて書いたものメモでもいいからもらいたい、こういうことを強く要望するのであります。今の
事件
につきましても非常に力強く再三再四交渉したのでありますが、どうしても聞き入れません。そんなような
関係
でやむを得ず
設計変更
があ
つた
ものとして取扱
つた
ことが今日の批難のもとに
なつ
ているのでありまして、事情はさようなわけでありますので、御了承願いたいと思います。
吉田賢一
74
○
吉田
(賢)
委員
ただ
金額
が九億七千万円から十二億四千万円ということに
なつ
ております。かなり大きな
金額
でありまするので、こういう場合は連合軍の
住宅
公社
の立場といたしましても、また
調達庁
の立場といたしましても、これは出先の在日兵站部でありまするか、そういう出先の占領軍の意向にかかわらず、もう
一つ
上部の方へでも交渉するというような余地はなか
つた
ものでしようか。まことにその辺は今日から考えましても遺憾にたえぬと思うのですが、それはいかがでございましようか。
山内隆一
75
○
山内
(隆)
政府委員
お答えいたします。
現地
の軍の担当官に交渉して、正式にオーダーを出してもらうことはもちろんでありますが、それでなおなかなか
現地
の担当官が聞かない場合には、申すまでもなくもつと上の方に移しまして、この一一〇八につきましては、GHQまで持ち出して交渉いたしたのであります。そこで軍の方としても正式のオーダーを出さないけれども、もつともだというのでその
金額
を了承されたような次第でありまして、お言葉の
通り
、
調達庁
としてはできるだけ正しい手続によ
つて
努力
はして参
つて
おるつもりでありますが、軍の
監督官
の性格よ
つて
なかなか聞かない場合がありますので、ときたまこういうような不始末がありますことを非常に遺憾に存じております。
吉田賢一
76
○
吉田
(賢)
委員
こういうことはやはり
公社
の責任者が日本政府に対しまして何らかの責任
関係
があるから、これは総理府の
監督
かと思いまするが、そうしますと
調達庁
長官ということですか、そういう行政の
監督
側において
公社
の責任
関係
を明らかにするとか何とかあ
つて
しかるべきだと思うのですが、これもさつきの話と同じことで、
公団
なり、また
公社
が占領中できたものだから、それに対する各般の財政
経理
等についてのいろいろな
法律
その他の規定、いろいろなものが不備でありしたことにも、
一つ
原因があるようにもあるいは解釈できるのかもしれませんけれども、何かそこにもう
一つ
欠けたところがあ
つて
、これを悪く言えば、やはりそこに
公社
の方では非常にだらしなく、そうして責任を占領軍の方に負わすというようなこともなし得るのですから、といいますのは、たとえば九億七千万円が十二億四千万円ということになりましたら、三億円ほどのことでありまして、口では三億円ですが、たとえば三億円の物資をよけいに購入するということになりましたら、かなり大きな利権も伴うという結果もありますので、そういうようなこともあれこれ考えますと、やはり厳格に
公社
の責任者が責任を負
つて
、上に対し、また調達局に対し、総理府に対し、日本政府に対しまして、財政
経理
上の筋の通
つた
責任を負
つて
行くという道が十分にできておらなか
つた
ということが、
一つ
の原因ではないかと今日からは考えられるのであります。あるいは向うさんだけが悪いようなふうにどうもとられがちで、どうもそういうふうな
説明
をなされるきらいがあるわけでありますが、その辺につきまして厳格に
監督
をすべき立場、その方面において原因を求めるのが至当な解釈になるのではないかと思うのですが、いかがなものですか。
山内隆一
77
○
山内
(隆)
政府委員
これはまことにごもつともに存じます。ただ
調達庁
と
公社
との
関係
は、本日いろいろ議題に上
つて
おります各省と
公団
という
関係
よりも、もつときわめて密接でありまして、あるいは密接という言葉はまだ不適当であ
つて
、完全に一体のものであると申し上げていいほどの間柄に
なつ
ております。というのは、
住宅
公社
というのは、
事務費
というものは一銭もないのであります。ただ事業費として見返り資金から七十数億借りて設備をするという使命を持
つて
おりまして、
公社
は一人も人間を持
つて
おりませんで、役員から事務員と何もない、要するに
事務費
が一文もないというかわ
つた
公社
でありまして、
従つて
公社
の役員、事務員は、全部本部なら
調達庁
の本庁の幹部が兼ねる、地方なら各局の幹部、さらに末端の機関でありますと末端の長が兼ねる、あるいは必要な人が兼務でも
つて
仕事
をやるというような形でありまして、
公社
はこのたくさんの二千三百戸の
住宅
建設の使命をも
つて
生れましたが、あらためて
公社
の責任の者から全部
調達庁
長官にまた依頼をするというふうな形で、
調達庁
という官庁がみずから設営したような形に
なつ
ておりますが、今のような
事態
について責任問題というのが当然考えられなければならぬものですが、
公社
という団体に対する責任を問うのではなくて、みずからや
つて
おりますから、役所の中で事務的に非常に不都合なものについては注意をするとか、いろいろ中の
監督
で
仕事
をいたしましたわけで、その間に多少の手落ちがあれば、むしろ
調達庁
長官、つまり
調達庁
の幹部の責任というようなことに相なるわけでございます。
吉田賢一
78
○
吉田
(賢)
委員
この
連合国軍人等住宅公社
は、二十五年に廃止されたと思いますが、これは資産とか負債とかそういうものについては、
あと
始末はどこでどうや
つて
、ただいまどう
なつ
ておるのでありましようか、
山内隆一
79
○
山内
(隆)
政府委員
お答えいたします。先ほどもお尋ねに対して申し上げたことでありますが、
公社
は二十七年三月三十一日に廃止をいたしまして、その
残余
は全部
調達庁
が引継いで
整理
をいたしておるような次第でございます。
吉田賢一
80
○
吉田
(賢)
委員
残余財産
とか資産とか負債とか、そうい
つた
ものはどういうことに
なつ
たか。それを伺
つて
いるわけです。
山内隆一
81
○
山内
(隆)
政府委員
公社
の
住宅
初め
財産
は全部国有になりまして、そのかわり今度
公社
で借りている見返り資金からの借金はやはり政府が肩がわりをしたという形に
なつ
ております。
吉田賢一
82
○
吉田
(賢)
委員
見返り資金から借りておりました債務はどれほどあ
つた
のですか。今どう
なつ
ておりますか。
融資
総額
それから償還の
状況
、もう零に
なつ
ておりますか、あるいは残に
なつ
ておりますか。
山内隆一
83
○
山内
(隆)
政府委員
見返り資金から借りましたものは、二千三戸の建設用として七十四億借り入れました。それから家賃は
公社
が直接入居者からドルでもら
つて
お
つた
わけであります。二十六年五月、正式にPD、調達命令でまたこれを接収の形式をとりまして、二十六年七月ごろから終戦
処理
費から必要な経費は支出をいたしております。二十七年三月三十一日
公社
を廃止しまして、見返り資金からの借入れのそのときは七十億を
一般会計
に引継いで、
一般会計
で借りた形に
なつ
たわけであります。それから二十七年度
大蔵省
で防衛支出金から約十億円特別
会計
に返済をいたしました。それから二十八年度は約八億八千万円程度返済の十定でございます。
吉田賢一
84
○
吉田
(賢)
委員
そうしますと、この
住宅
はただいま国有の不動産に
なつ
ている、とこういうように了承していいんですか。
山内隆一
85
○
山内
(隆)
政府委員
全部国費でいたしております。いろいろの維持費等は国費でも
つて
経営をいたしております。
吉田賢一
86
○
吉田
(賢)
委員
この
住宅
公社
のつくりましたすべての
住宅
は目下国有の
財産
に
なつ
ているか、こう聞いたのです。
山内隆一
87
○
山内
(隆)
政府委員
先ほど申しました
通り
、今は
住宅
その他の
公社
の
財産
は全部国有と
なつ
ております。
吉田賢一
88
○
吉田
(賢)
委員
そうしますと、これはやはり
大蔵省管財局
の特殊
財産
課の所管に属するものとは違うのですか。その点はいかがですか。
根本守
89
○
根本説明員
管財局
の特殊
財産
課の所管に属するものではないと思います。
吉田賢一
90
○
吉田
(賢)
委員
この国有
財産
の主管省はどこですか。
山内隆一
91
○
山内
(隆)
政府委員
普通
財産
として
大蔵省
の
管財局
が管理いたしております。
吉田賢一
92
○
吉田
(賢)
委員
その後占領の
状態
がなく
なつ
たのですが、この普通
財産
は目下やはりアメリカの兵隊の使用ということに
なつ
ているのであります。その使用
状態
、つまりどういうふうに建物を使用さしているか御
説明
を願いたい。
山内隆一
93
○
山内
(隆)
政府委員
現在は駐留軍の
住宅
と
なつ
ております。あるいは呉地区に若干あるものについては連合国軍が入
つて
いるかとも存じますが、今ちよつと明確なことは申し上げられません。
吉田賢一
94
○
吉田
(賢)
委員
この家賃とかその他につきましては、行政協定の範囲でやることになるのですか。その辺はどうなんですか。
山内隆一
95
○
山内
(隆)
政府委員
国有
財産
につきましては、駐留軍に無償で提供するということに
なつ
ておりますので、現在は無償でございます。
吉田賢一
96
○
吉田
(賢)
委員
そうしますとこの管理費用つまり主として修理と思いますが、修理保存の費用はどういうふうにして支弁することになるのですか。
山内隆一
97
○
山内
(隆)
政府委員
調達庁
は現在そういうものの管理をいたしておらないのでありますが、アメリカの駐留軍が直接に調達をしているということに今
なつ
ておりますので、駐留軍みずから現実のいたみを直すとかそれぞれいたしているわけであります。
吉田賢一
98
○
吉田
(賢)
委員
総計で何ぼほど家屋があり、またその坪数は総計どのくらいになりますか。
山内隆一
99
○
山内
(隆)
政府委員
地区といたしましては三十四箇所に
なつ
ておりまして、建物の総坪数は六万七千八十六・九坪。
吉田賢一
100
○
吉田
(賢)
委員
これの時価
総額
はどれほどになるか。国有
財産
ということである以上は、時価どのくらいの
財産
かはつきりしていると思いますが、どれほどの国有
財産
か。
上村照昌
101
○
上村会計検査院説明員
私の方からお答えさせていただきます。二十七年四月一日
公社
が廃止されたとき引継いだ
財産
価格で申し上げます。今私の方で持
つて
おります資料は、建物と工作物とが一緒に
なつ
ておりますが、大部分は建物と思いますが、その不動産価格が六十八億七千三百余万円、こういうことに
なつ
ております。
吉田賢一
102
○
吉田
(賢)
委員
そうしますと六十八億円、二十七年四月というとまだ一年あまりですから当時とあまりかわ
つて
いないと思いますが、六十八億円
相当
の国有の建物及び工作物ですか、これは駐留軍に無償で使用せしめておるというのは、何か条約が、どういう根拠によるのでしようか、その点御
説明
願いたい。
山内隆一
103
○
山内
(隆)
政府委員
行政協定で国有の
財産
については無償で提供するということに
なつ
ておるかと思います。
吉田賢一
104
○
吉田
(賢)
委員
それでは私はこれで大体質疑を終ることにいたします。
安井大吉
105
○
安井委員長代理
ほかに御質疑はありませんか。——御質疑がございませんようですから、それでは本日はこの程度とし、次会は明後三日午後一時から開会いたす予定であります。議題は追
つて
公報に発表いたしますから御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十二分散会