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1953-07-23 第16回国会 衆議院 決算委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十三日(木曜日)     午後一時四十一分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 柴田 義男君    理事 吉田 賢一君       田中 角榮君    安井 大吉君       山中 貞則君    細迫 兼光君       山田 長司君    大矢 省三君       杉村沖治郎君    冨吉 榮二君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 石井光次郎君  委員外出席者         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      大沢  実君         日本国有鉄道総         裁       長崎惣之助君         日本国有鉄道理         事         (経理局長)  高井 軍一君         日本国有鉄道理         事         (営業局長)  津田 弘孝君         日本国有鉄道理         事         (施設局長)  江藤  智君         参  考  人         (日本交通公社         会長)     高田  寛君         参  考  人         (日本交通公社         専務理事)   三原 種雄君         参  考  人         (株式会社鉄道         会館会長)   渋沢 敬三君         参  考  人         (株式会社鉄道         会館社長)   加賀山之雄君         参  考  人         (株式会社鉄道         会館専務取締         役)      立花 次郎君         参  考  人         (株式会社鉄道         会館専務取締         役)      伊藤  滋君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 七月二十三日  委員春日一幸君辞任につき、その補欠として大  矢省三君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五  年度政府関係機関収入支出決算  株式会社鉄道会館に対する鉄道用地貸付等に関  する問題     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  本日は、日本国有鉄道に関して前会に引続き審議を進めます。  審査に先だち、一言ごあいさついたします。参考人の各位には、御多忙のところ、本委員会のために御出席くださいまして恐縮に存じます。もとより決算委員会使命は、国の歳入歳出決算状況に対する是正、国有財産保全徹底化等に終始努力することにありますが、政府機関関係収入支出のあり方についても同様何ら異なることはないのであります。しかるに、国鉄決算を審査するにあたりまして、いささかその明確を欠くように存じます。そこでこの際明確にしておきたいと存じますので、参考人におかれましては、腹蔵なく御意見を述べられるよう要望いたす次第であります。  それでは、まず日本交通公社乗車券代売代金に対する延滞償金の件を議題といたします。
  3. 杉村沖治郎

    杉村委員 ちよつと伺います。この間、日本交通公社に対して、昭和二十六年の四月以降の、この乗車券代売関係書類を出してもらうように委員長を通じて要求しておいはたずでありますが、まだ本日私ども手元に来ておりませんが、その点はいかがでありましようか。
  4. 田中彰治

    田中委員長 手続をいたしまして、交通公社の方に渡してあります。しかしなかなか複雑なものがあるそうですから、まだ二、三日かかるようであります。
  5. 杉村沖治郎

    杉村委員 けつこうであります。
  6. 田中彰治

    田中委員長 それでは柴田君。
  7. 柴田義男

    柴田委員 大分前にこの交通公社の問題、ことに延滞の問題にわれわれは不審を抱きまして伺つてつたのでありますが、まだ資料を完備されないということでございます。そこで私ども最初に伺いたい点ですが、交通公社会長さん以下幹部の方々で、何年まで国鉄に就職され、国鉄におられましたときはどういう職責におつた方が、現在交通公社のどういう位置におられるか、こういう点について、大分前の委員会提出をお願いしておつたのであります。それからもう一つは、全国公社がどれだけの乗車券販売をやつておるのか、これは年度別けつこうでございますから、その総扱いの金額をお知らせ願いたいということを申し上げておつたのでありますが、それがまだ資料が出て参りません。  もう一つ伺いたいことは、昭和二十四年五月三十一日までは手数料国鉄からもらつてつたが、昭和二十四年六月一日以降は無手給料になつたということを聞いておりましたので、無手数料になりましたならば、交通公社の経営というものはどういうことで成り立つのであるか、これが一点であります。  それから交通公社はたくさんの不動産等を所有せられておるようであるが、これはどういう形において所有せられておるのであるか、これらについて今御出席高田三原参考人から概略でもよろしゆうございますからお伺いいたしたいと思います。
  8. 高田寛

    高田参考人 私、財団法人日本交通公社会長高田であります。  ただいまの御質問に対してお答えを申し上げます。まず第一に、交通公社役員の名籍は、私の方からすでに出してあると思いますが、これはお手元にまだお配りしてございませんか。——ございませんければ、簡単ですから私から御説明申し上げます。ただいま交通公社役員といたしましては、会長並びに理事が六名、監事が三名おります。それで理事の中で——これは表で差上げた方がわかりよくはのりませんでしようか。
  9. 柴田義男

    柴田委員 大体国鉄におつた方がどのくらいであるかということを……。
  10. 高田寛

    高田参考人 そうですか。会長並びに理事六名のうち、国鉄に勤務したことのあります者は、会長高田専務理事三原理事の田坂、橋本であります。それから理事の入沢は、報道関係新聞関係の出身でございます。それから理事の栗田は、交通公社に三十数年勤続しております交通公社はえぬきの盾であります。それから監事の生駒は、日本郵船関係の方で海運関係を代表しておられる方であります。それから監事の近藤は、前に会計検査院におつた者でございます。いま一人の監事は、業務上最も関係の深い国鉄経理局長監事の職にあります。役員全的でかような構成になつております。  それからいろいろ御理解を願うために、最初交通公社乗車券販売手数料がなくなりましたときの事情を簡単に申し上げたいと存じます。ちようど昭和二十四年の六月一日から交通公社国鉄関係手数料というものがストツプになつております。交通公社はちようど四十年前の明治四十五年に創立されまして、大正三年以来国鉄乗車券、そのほか私鉄乗車券、船の乗車券などの委託販売をいたしておつたものでありますが、もともと旅行あつせん使命といたします交通公社といたしましては、いろいろ旅行の計画などを立てまして、それからいろいろ地方との連絡をとる。最後に乗車船券発売ということをいたして参つたのでございます。それで昭和三年以来国鉄関係といたしましては五分の手数料をいただいておつたのでございます。それが昭和二十四年六月一日当時の占領下におきます特殊事情によりまして、突如として国鉄関係乗車券発売手数料支払いが停止いたされたのであります。当時といたしましては交通公社収入のほとんど七、八割というものが、国鉄関係乗車券発売手数料であつたのでありますが、突然停止いたされまして、交通公社といたしましては、非常な難局に直面いたした次第であります。当時戦後いろいろ旅行のあつせんにつきましても、交通公社使命はますます重くなつて来ると私ども考えておりますし、また戦後におきまして、外国からの観光客も着々と入つて参りまして、観光収入もふえて来る、こういうようなときにおきまして、非常に交通公社の財政的の基礎が、これでゆらいだのであります。このときにあたりまして、私どもといたしましては、どうしてもこの交通公社というものの内外の旅客の旅行あつせんという仕事は、いつでもこれを持続して行かなければならないということを確信しておつたのでありますが、何分にも収入の大宗でありました国鉄関係手数料というものがなくなりましたので、私どもとしては一面非常な極度の経費の緊縮をいたしまして、社員の大体四割を涙をのんで整理をいたしました。こういうような状態で、何とかしてこの難局を乗り切らなければならぬということでも、もちろん全然委託販売手数料をもらわない国鉄乗車券も徹頭徹尾これを売り続けたのでありますが、一面いろいろな交通関係のあるような事業にも、社員を督励して従事いたしますとともに、またそのほか内外交通機関乗車券発売も拡張して参つた。こういうようなことで、そのために一時いろいろ資金もいりますので、国鉄関係委託販売代売代金を納める時期につきましては、一部について納める時期を従来の慣行よりある程度延ばすような措置が講じられたのでありますけれども、その後この点につきましては着々と内部も整備いたしまして、だんだんと遅れを取返し、この点は順次改善されて今日に至つておるような次第でございます。これは概略の点を申し上げたのでございます。  それから今のお尋ねになりました乗車券の中でも、特に国鉄関係乗車券委託販売取扱い金額を申し上げます、昭和二十五年度は五十四億九千六百万円、二十六年度が七十一億一千二百万円、二十七年度が九十四億五千百万円、こういう金額に相なつております。
  11. 田中彰治

    田中委員長 参考人ちよつと伺いますが、これは東鉄だけですか。全国でありますか。
  12. 高田寛

    高田参考人 これは全国であります。  それから次に不動産のことをお尋ねでありましたが、交通公社の持つております不動産というものは実はあまり多くないのでございますが、ただいまこの資料提出の御要求のございました東鉄管内のみというのはちようど私ここに資料を持ち合せておりませんが、調べまして後ほどお届けすることでよろしゆうございましようか。
  13. 田中彰治

    田中委員長 柴田委員、どうですか。それは書類で出しても……。
  14. 柴田義男

    柴田委員 それはやむを得ません
  15. 田中彰治

    田中委員長 書類にしてひとつ出していただきたい。それから一点鉄道公社ですね。あるいは前の運輸省ですね。そういうところから借りている建物、不動産などありましたら、それもひとつ出していただきたい。
  16. 高田寛

    高田参考人 これもごくわずかでありますが、正確な数字を御提出申し上げます。
  17. 田中彰治

    田中委員長 それではけつこうです。細迫兼光君。
  18. 細迫兼光

    細迫委員 切符委託販売しました場合の切符代金、これは他の収入と混合して銀行に入れるとかいうような処置がとられておりますか。あるいはまた特別な口座でも設けて保管してございますか。
  19. 高田寛

    高田参考人 お答え申し上げます。交通公社は、国鉄それからあらゆる私設鉄道切符、自動車の切符あるいは飛行機の切符、船の切符といういろいろなものを売つておりますが、その中におきまして、国鉄関係のものにつきましては全然別の口座を設けて区別しております。
  20. 細迫兼光

    細迫委員 そうすれば支払い要求があるとか、あるいはきまつた支払い時期には、何どきたりともこの切符代金国鉄の方に支払い得る状況にあると考えてよろしいでしようか。
  21. 高田寛

    高田参考人 ただいま申しましたのに、少し簡単で意を尽しませんでしたので、補足して御説明申し上げるようにいたしたいのであります。初めはそれを特にわけておりませんでした。これを昭和二十六年以来はつきりとわけて、全然別口の預金にするという方法を講じておつたという次第でございます。
  22. 細迫兼光

    細迫委員 しかるに二十六年一月ですか、その代金支払いが四月まで納まつていないような状況にあるように見受けられるのですが、その事情はどういうわけでございましようか。
  23. 高田寛

    高田参考人 私の言葉が足りないので、いま一つ訂正しなければならないのは恐縮でございますが、二十六年の八月一日からただいま申しました方法を講じてずつと今日に至つておるのでございます。
  24. 細迫兼光

    細迫委員 国鉄だけは特別に口座を設けなかつた。それ以前といたしましても、国鉄切符売上げ代金を他のことに流用するようなことが行われておつたでありましようか、なかつたでありましようか。
  25. 高田寛

    高田参考人 お答え申し上げます。ただいま御説明申し上げましたように、二十六年の八月以降は、もう全然ほかの方面に使うというようなことはできない建前になつておりますので、その前のことを御説明申し上げますが……。
  26. 杉村沖治郎

    杉村委員 五分の手数料をとるという契約は、国鉄との間にいつなされましたか。
  27. 高田寛

    高田参考人 交通公社のできましたのが明治四十五年で、その二年あと大正三年から五分の手数料をもらつておるのでございます。
  28. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうしてその代売した金はいつ国鉄の方へ納入することになつておりますか。
  29. 高田寛

    高田参考人 これは四十年ばかりの間に、その時期によつて多少の変遷はごさいました。しかし大筋といたしましては、大体売りました一箇月あとに、精算しまして全額が確定して納めるのが、従来長い間の大体の慣行なつておつたのでございます。
  30. 杉村沖治郎

    杉村委員 つまり翌月末日までに払うことになつておつたのですか。
  31. 高田寛

    高田参考人 さようでございます。
  32. 杉村沖治郎

    杉村委員 ところが先ほどのあなたの話によりますと、昭和二十四年の六月以来五分の手数料がなくなつたということですが、そうですが。
  33. 高田寛

    高田参考人 さようでございます。
  34. 杉村沖治郎

    杉村委員 手数料がなくなつた後に、どういうふうにしてあなたのところはやつておりましたか。
  35. 高田寛

    高田参考人 先ほど大体当時の情勢を申し上げたのでございますが、その当時……。
  36. 杉村沖治郎

    杉村委員 発言中で失礼ですけれどもあまり遠まわしのことを言わずに。手数料をもらわないでただ仕事をするということは、経済上から見ましてなかなかでき得ない話ですね。五分の手数料と申しますとたいへんな額です。その五分の手数料をもらつてつたものが、もらわずに仕事をするということは非常に重大問題なのですが、もらわずにやつたのはどういうわけでやりましたか、単刀直入に、あまり遠まわしでなくお答え願いたい。
  37. 高田寛

    高田参考人 まず第一には、普通のほかの会社私鉄とかバス会社とか、あるいは汽船会社とか、こういう方面乗車券売上げに格段の力を入れましたことが一つと、それから内地の団体の取扱いに力を入れましたことが一つ、それからまた旅館券と申しまして、旅館などに予約するその旅館券交通公社で発行した、こういう面で手数料をもらうという方面に努めましたここが一つ、いま一つは、いろいろ交通公社事業関係の深い、特に観光みやげ品でございますとか、こういうものを売ることに力を入れたのでございます。この点は本来の交通公社仕事から幾分離れたものであることは私どももよく承知しております。しかし当時とにかく手数料がなくなつて、長年なれました交通公社社員というものも温存しなければなりませんし、この……。
  38. 杉村沖治郎

    杉村委員 ちよつと待つてください。あまりに冗長過ぎます。要するにあなた方が五分の手数料をもらつてつたのが、もらわずにやるということになれば経済上困難であるから、国鉄以外の方の事業によつてそれを埋めておつた、こういうのですか。
  39. 高田寛

    高田参考人 いや、その問題もございますが、それからまたいま一つはそれと並行しまして、従来やつておりませんでしたみやげ品販売でありますとかあるいは雑誌の取次販売でありますとか、そういう方面事業になれない社員を駆使しまして、何とか難局を切り抜けるという意気込みでやつて参つたのでございます。もちろんこの手数料というものは、私ども考えといたしましては、これが停止になりましても、いずれ一両年のうちには復活すべきもので、その間のつなぎとして……。
  40. 杉村沖治郎

    杉村委員 ちよつと待つてください。そんなよけいなことを聞いておりません国鉄の方から今まで五分の手数料をもらつてつてつたのをもらわずにやるということは、奉仕でやつておるということなんですか。
  41. 高田寛

    高田参考人 私どもとしては、これは社会に対して奉仕のつもりでやつております。
  42. 杉村沖治郎

    杉村委員 昭和二十五年の六月に東京だけの売上げが一億三千四十五万三千二百五十八円というものがあつたわけですね。これをあなたの方ではいつ国鉄にお納めになりましたか。年月日だけでけつこうですから——あまり長くやつておると時間がかかりますから。
  43. 高田寛

    高田参考人 同年の九月に納めております。
  44. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはいつ納めるべきものでありました。九月の幾日ですか。
  45. 田中彰治

    田中委員長 杉村委員参考人考えることもあるから、あなたの方もすわつていただいて。立ちばなし質問ちよつとぐあいが悪いからして……。
  46. 高田寛

    高田参考人 ちよつと訂正いたします。これは八月の末日に納めております。
  47. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはいつ納める金でありました。
  48. 高田寛

    高田参考人 お答え申します。これは原則として七月末に納めることになつております。
  49. 杉村沖治郎

    杉村委員 七月末日に納めなければならぬことになつておることは、あなたの先ほどの説明でも私は承知しておるのですが、それを何ゆえに八月三十一日まで延ばしたのですか。
  50. 高田寛

    高田参考人 当時の私どもとして、納める金がなかつたので納めなかつた、端的に申し上げますとそういうことであります。
  51. 杉村沖治郎

    杉村委員 六月に国鉄切符を売つた金が、あくる月に納める金がなくなつたというのは、どういうわけで金がなくなつたのですか。
  52. 高田寛

    高田参考人 その点は、先ほど申しましたようないろいろな事業をやつて、一、二年の間交通公社としてはどうしても生き延びて行かなければならぬ、こういう情勢にありましたために手元金が不足したという事情でございます。
  53. 杉村沖治郎

    杉村委員 それは非常な不都合な話じやありませんか。国鉄乗車券売上げた金国鉄に納めないで、それを他の事業に流用するというがごときは、非常な不都合な話でありますね。しからば八月三十一日に納めたというのですが、そうすると、そこには延滞損害金というものがあるわけですね、その延滞損害金はどういたしましたか。
  54. 高田寛

    高田参考人 その当時はまだ延滞損害金というものがきめられてなかつたと私は承知しております。
  55. 杉村沖治郎

    杉村委員 そんないいかげんなことではいけないですね。あなたの方ではそのときの延滞損害金百六十一万七千六百十九円六十八銭がある、これをあなたの方は支払わないでしよう。
  56. 高田寛

    高田参考人 これはその月から納期が延ばされまして、八月三十一日までに納めろということになりましたので、延滞償金という問題は起らないと私は考えます。
  57. 杉村沖治郎

    杉村委員 延滞償金というものは起らないと言うが、この書類はあなた方の方の関係国鉄から出て来ておるのです。これに書いてあるのだが、これは七月三十一日が納期であつて、八月三十一日は納期ではありません。要するに税金の令書と同じことで、それは延納期です。正しい納期は七月三十一日です、八月三十一日にいうのは延ばしてもらつたところの納期であつて、延ばしてもらつた方納期には償金がつくのです。この償金がここに出ておるでしよう。これをあなた方が国鉄の人に免除してもらつておるでしよう。違いますか。
  58. 高田寛

    高田参考人 ちよつとその点私の御説明が足りなかつたかと思いますが、私ども考えに対してまだ御了解を願つていないのですが、当時代売契約によりますと、私どもの納めるのは、国鉄の方からいついつ納めろという通知が来たときに納めるということになつております。それが従来大体一箇月であつたのをそのとき一月遅れて国鉄の方から納入告知書参つたということでございます。
  59. 杉村沖治郎

    杉村委員 今の点はあと国鉄の方から聞きますが、続いて今度は東京売上金の七月分一億七千四百四万九千四百十三円、これはあなたの方では七月だから八月に納めなければならないのだが、これをやはり九月三十日まで延ばしてもらつたわけでありますから、昭和二十五年の六月と七月と八月の売上げ代金というものは三億二千八百六十万六千八百九十九円、こうなるのですが、これだけのものをあなたの方では九月三十日まで手元に置いた。そうするとこれをあなたの方の事業に流用しておつたということになるのでありますが、いかがでありますか。
  60. 高田寛

    高田参考人 お答え申し上げます。今の七月分の売上げ納期が九月末に指定されておつたのでございます。ですから、納めるまでの間は私の方で事業に使つていたということになるのでございます。
  61. 杉村沖治郎

    杉村委員 今度は八月の東京の分が一億四千八百七十九万九百十五円、こうなつておる。それで交通公社では昭和二十五年の六月、七月の東京の分は、これを出さなくても、延ばしておいて、次から次へと順次売上げた金国鉄に納めて行けば、最初の金は国鉄の方に納めないで済んでおつたという計算になりはいたしませんか。私が計算したところによりますと、そういうふうに順次計算して行きますと、十一月の末までに国鉄に納むべき金を納めないで、あなたの方で流用しておつた金が五億九百六十九万一千七十二円、昭和二十五年の六月から十一月までの間にこれだけの金をあなたの方では交通公社事業に流用しておつたという計算が出て来るのでありますが、いかがでありますか。
  62. 高田寛

    高田参考人 ちよつと今のは、失礼ですが、何かのお考え違いじやないかと思いますが……。
  63. 杉村沖治郎

    杉村委員 考え違いであれば、私が説明しましよう。昭和二十五年六月分の一億三千四十五万三千二百五十八円、この金をあなたの方では八月三十一日まで払わないで延ばしてもらつたでしよう。さらに一億七千四百四万九千四百十三円、これもやはり七月に払わなくていいんでしよう、八月にも払わなくていいんでしよう、その点いかがですか。
  64. 高田寛

    高田参考人 これはその通りでございます。
  65. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうなりますと、今度は今の六月、七月分の合計が三億四百五十万二千六百七十一円となる。さらに八月分の売上げが一億四千八百七十九万九百十五円となる。そのほかに千葉高崎水戸千葉が百十八万六十三円、高崎が二百八十一万四千八百五十二万円、水戸が百七十万一千六百五十六円、これだけのものが八月に入つておるでしよう。だからこれだけのものの中から二十五年六月分の一億三千四十五万三千二百五十八円だけ払えばいいじやありませんか。八月に取上げた中から払うから、すなわち二十五年六月、七月分はこれだけ残つておるわけでしよう。残つてまだ八月分の余りがそれに附加しておるわけですが、いかがですか。その点は…。
  66. 高田寛

    高田参考人 おつしやることはわかりました。そのようになつておると思います。
  67. 杉村沖治郎

    杉村委員 今のところは二箇月分でありますが、さらにその先に行くと四箇月分延びておるわけですから、順次加わつて行くではありませんか。そういうふうに額が加わつておるから、もうわずかこの六月、七月、八月だけの間において少くとも一億二千有余の金をあなたの方では事業に流用しておることになる。十一月まで行くと五億余万円となる、これを否定されますか、否定されれば今から数字で出します。
  68. 高田寛

    高田参考人 その当時の二箇月……。
  69. 田中彰治

    田中委員長 それはいいのですが、認められるか認められないか……。
  70. 杉村沖治郎

    杉村委員 そういう事業に流用しておられたかどうかということを伺えばいいのであつて……。
  71. 高田寛

    高田参考人 三箇月分まではそういうことになるのでありますが、それは全国の二百幾つの案内所で売り上げて、それを全部東京に集めまして、それから納めることになりますので、それが全部事業に流用されていたということにはならないと思います。
  72. 杉村沖治郎

    杉村委員 ただいまあなたは全国と申しますけれども全国ではないではありませんか。私が今申し上げた数字は二十五年の六月は東京だけであります。一億三千、一億七千というのは東京だけ。八月は東京が一億四千八百余万円、千葉が百十八万円、高崎が二百八十一万円、水戸が百七十七万円であります。全国という言葉は間違いではありませんか。
  73. 高田寛

    高田参考人 今の全国と申し上げましたのはちよつと私の勘違いでございますから訂正いたします。それから  。
  74. 杉村沖治郎

    杉村委員 そういうことを間違えられては困りますね。
  75. 高田寛

    高田参考人 それから先ほど申しましたように、二十五年の八月一日からは全部特別の預金口座にいたしまして、全然流用できないようになつておりますから、そのこともあわせて御説明申し上げておきます。
  76. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたの今のお言葉によれば、二十五年の八月一日から全部特別口座なつて流用できないということになつておるという御説明であるが、しからば何ゆえに二十五年八月分及び二十五年六月、七月分を国鉄に納めないのです。
  77. 高田寛

    高田参考人 これは納期が、東京の鉄道局の分だけ二月遅らせて納期を指定されております。それで委託販売契約は、国鉄の指定するときに納めるということになつております。それが当時二月遅れて指定されましたので、その指定通りに納めておる、こういう次第でございます。
  78. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはあなたの答えがまたたいへんかわつて来たのじやありませんか。二月延納を指定されたのじやないのでしよう。翌月の月末までに納めるということになつておるのじやありませんか。先ほどあなたはそれを延ばしてもらつたと言つたじやありませんか。昭和二十五年六月、七月の分を延ばしてもらつた期間が八月三十一日、九月三十日じやありませんか。それであるならば、あなたの言うように八月一日からは特別口座に入つてつたならば、なぜ八月の月末までに昭和二十五年の六月分も七月分も国鉄にお払いにならないのですか。
  79. 高田寛

    高田参考人 どうも私口下手でございましてまだ御了解を願えないでいるようですから、もう一度簡単に申し上げますが、当時納期国鉄が従来の慣行よりも二月延ばして指定されたということでありまして、六月分は今月の末に納入しろ、かように指定された、これが納期であります。
  80. 杉村沖治郎

    杉村委員 国鉄の人に伺いますが、この間国鉄の方に伺つたところは、こちらにちやんと速記が残つておるのだが、翌月の末日に納めるということが原則となつておる。ところが公社事業が不振というようなことから一箇月延ばして八月三十一日ということにしたということをお答えになつておるのですが、今日公社の方の答えによれば、三箇月先に納めることを指定したということを言われておるのですが、あなたがこの間お答えになつたことと、きようの公社のお答えとでは食い違いますが、いかがでありますか。
  81. 高井軍一

    ○高井説明員 御説明を申し上げます。ただいま交通公社の方からお話がありましたのは、ちよつと私どもがこの前申し上げたのと齟齬を来しておるようであります。と申しますのは、納期契約によりまして納入の期日を指定することになつております。この調定をいたしまして、そして払込みまでの余裕期間を見まして一箇月というのが先般も申し上げます通常の場合の納期でございます。しかし今申し上げましたように、この場合はそうした資金の関係その他がございましたので、納期を一箇月延長いたしたのでございます。それで普通の場合でありますと、六月分はお話のように七月末が納期であるべきものを、八月末日に私の方で指定をいたしておることでございます。それで納期は八月三十一日ということにいたしております。
  82. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうでありますから、原則として七月三十一日でありましよう。それを公社事情で一箇月延ばしたということだから、最初から二箇月の後に納めるということは原則じやないのでしよう。従つて納められたならばその期間に納めなきやならないわけでしよう。さらに国鉄に伺いますが六月分の延滞金というのは、いつまで、の延滞償金でありますか。
  83. 高井軍一

    ○高井説明員 この納期は先ほども申し上げましたように、通常の場合でありますと、七月三十一日でありますけれども、この契約によりまして、国鉄から指定いたしましたのは八月三十一日にいたしておりますので、八月三十一日に御納入になれば延滞償金はつかないのでございます。しかしここで計算をいたしております百六十二万円の延滞償金と申しますのは、通常の場合、すなわち七月三十一日にこの指定をしておつたなれば、八月三十一日に納入すると、百六十一万円という延滞償金をとるべきものがあつたという表でございます。
  84. 杉村沖治郎

    杉村委員 それでありますから、あなたのただいまの説明をもつてしても、その当初から二箇月先に納めればいいのだという理論は出ないのじやありませんか。税金と同じことで、納期が来たのに、その納期に払わないから、今度は次の納期に納めるときに延滞利子をとられるでしよう。それと同様に、これは昭和二十五年の七月三十一日にあなたの方で納むべきものを納めないで八月三十一日に納めたから、ここに百六十一万七千六百十九円六十八銭という、ここに書いてある延伸日数によるところの延滞償金がある。それだから、当然にあなたの方でその前に払わなきやならぬ義務があるじやありませんか。払わなきやならぬ義務が生じておるにもかかわらず、しかもその金を八月にはあなたの方では特別口座をつくつておるからほかに流用はできない、こういうことを言うて、あなたの方はそこをきれいに答えをしようこ思うけれども、それほど特別口座をつくつて置くくらいならば、七日分といえども八月三十一日は定期の納期じやありませんか。それにもかかわらず、何ゆえにそれを納めずにいたか、こう聞くのです。簡単に答えてください。
  85. 高田寛

    高田参考人 お答え申し上げます。ちよつとお言葉を返すようでございますが、六月分は、契約といたしましてはその納期を八月三十一日と指定したのでございます。翌月の末日に納めるという契約にはなつておらないのでございます。その納期は、国鉄の方で指定したときに納期が来るという建前になつております。それで、その当時におきましては、六月分は八月の末日に納めろということに国鉄から指定された、かような次第でございます。
  86. 杉村沖治郎

    杉村委員 国鉄に聞きますが、国鉄の方ではそれならば八月三十一日と指定したのですか。八月三十一日とあなたの方で納期を指定しておるならば、延滞償金をつけたということが間違いなんだが、どつちがほんとうなんだ。
  87. 高井軍一

    ○高井説明員 ただいま交通公社の方からお話になりました通りでありまして、先ほど申し上げておるごとく、納期を八月三十一日といたしておるのでございます。それでこの表に延伸日数に対して計算した延滞償金とありますのは、この前のこちらの委員会の方の御要求によりまして、こういうことをやらなかつたならば、どれだけの延滞償金がとれたかという額を出せというふうに了解いたしましたので、かような表を出しておる次第でございます。
  88. 杉村沖治郎

    杉村委員 君はとんでもないことを言う。委員会でこういうふうに書けと指導したわけじやない。あなたの方から、会計検査院の検査によつて延滞償金を免除するということは適当でないという摘発を受けたので、この免除額のすべてを書いて出すようにということで、ここに表が出されたのじやありませんか。われわれの方から、こう書けなどと言つたことは一度もありませんが、なぜそんなばかばかしいことを言うのです。
  89. 田中彰治

    田中委員長 委員長から話をしますが、この委員会はそういうことを言つたことはありません。記録をごらんください。それからあなたは、こういうものを十五日より延ばさない、こんな何箇月も延ばすことはないのだ。十五日くらいは向うから頼んで来れば延期してやるという記録もちやんととつてありますから、交通公社会長が来たからといつて言をかえないように……。
  90. 田中角榮

    田中(角)委員 私から二つ三つ質問したいのでありますが、どうも提出された表によつて、いろいろな混線をした質問があり答弁があるようでありますが、普通の国鉄私鉄の連帯勘定等に対しては標準の契約がありまして、これに対してはもう待つたなしで、日歩四銭の延滞利子をとつておるわけであります。その場合問題が起きるのでありますが、この委託販売売上金の納入に対する契約に対して、国鉄交通公社との間に行われておる契約はどういう契約が行われておるのだということをお聞きすれば、この問題に対する結論が出るのじやないか、というのがこういう問題であります。いわゆる翌々月の月末に支払わなければならないという条件は、相互の協定によつて延ばすことができるのか、もしくはできないのか、できないのであれば、一箇月事情によつて延ばした場合には、延滞償金が必然的に計上せられるわけでありますし、相互の協定によつて新しく幅のある契約を行つておるならば、いわゆる一箇月、二箇月延ばしても、新しい契約において延滞償金をとれないという結論になるわけでありますが、墓本契約はどうなつておるのかちよつと伺いたい。
  91. 高井軍一

    ○高井説明員 基本契約は甲すなわち口状が指定する日に納める、納期国鉄が指定するということに基本契約なつております。
  92. 田中角榮

    田中(角)委員 国鉄が指定する目に納めるという契約であるならば、国鉄が認めた八月三十一日及び九月三十日という期日が普通一般よりも二箇月延びておつても、交通公社側としては当然延滞償金を納める義務がないことは明らかであります。その場合問題が起きるのは、その契約の当否の問題だけでありますが、この契約に対して二十五年決算において、会計検査院はこれを批難しておるのですか、会計検査院に伺いたい。
  93. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 お答えいたします。ただいま田中委員から御意見がありましたように、ここに批難しておりますのは、納期を変更した、つまり契約上一月遅れに——何日というのはちようど一月遅れに従来やつて来ておる。それを二月遅れの日に納めろというふうに指定した、その行為が適切を欠く、こういう趣旨でありまして、延滞償金の免除とかいうような問題は交通公社に関しては出て来ないのであります。
  94. 田中角榮

    田中(角)委員 もちろん私が先ほど申し上げたように、基本契約において、国鉄が指定する日に納めた場合には、延滞償金を徴収しないということでありますから、交通公社は払わないでいいし、もちろん国鉄は免除したということにはならないわけであります。ただいま大沢君が言われたように、国鉄交通公社と基本契約を行う場合に、明らかにこの旨を明記しておかなければならぬにもかかわらず、多少幅のある基本契約として行つたという国鉄の責任が追究されておるのが批難事項だという結論になるわけであります。私はその意味において、結論的には、この問題に対しては幅を持たせるということではなくて、一般の私鉄との連帯勘定のように、基本的な契約を密に行わなかつたために、密に行えば当然この程度のものがとれたではないか、その処置がうまくなかつたために、このくらいとれなかつたという結論だと思うのでありますが、それでいいのでありますか。
  95. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 ただいまの御質問は、国有鉄道から提出された二千九百二十一円万に対しての御質問と思いますが、これはただいまの御質問の通り、もしもこうした不適当な処理をしなかつたならば、これだけの延滞償金をとれたであろうという数字である、こう考えます。
  96. 田中角榮

    田中(角)委員 不適当な処理ということではなく、基本契約に厳密な規定を置かなかつたために、このように置けばとれるものが、とれなかつたものと了解してよろしうございますか。
  97. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 同じことになるかもしれませんですが、基本契約ではつきりしておくか、あるいはその基本契約のときに考えたところの一月遅れという原則をあくまでも守つて行くか、どちらかの方法をとればよかつた考えております。
  98. 柴田義男

    柴田委員 これは会計検査院説明員と国鉄当局に伺いたいのでありますが、私どもが提示を受けております二十五年度の決算報告の三百三十八ページに日本国有鉄道と掲示して「日本交通公社に対し乗車券等の代売による収入金につき、公社取扱量の約四〇%に当る東京鉄道管理局分について二十、五年六月以降所定の納期よりも一箇月の処納を認め、二十六年一月以降更にこれを二箇月にするなど処理が適切でないものがある。」こうはつきりと検査院外着荷されておるのであります。検査院が諸帳簿をお調べになつて指摘なされまするには、当然国鉄交通公社の間に完全な契約がすでに締結されておるということを前提としなければ、こういう指摘ができないわけであるとわれわれは考えるのであります。そういたしますと、今同僚杉村委員の御質問に対しまして、鉄道の経理局長さんだと思いますが、経理局長みずからが言を左右にせられるような答弁をされ、あるいは交通公社の最高の責任者がしどろもどろの答弁をするに至つては、われわれ当委員会といたしまして断じて承服ができないのであります。少くとも昨年度の兄上げは九十四債五千百万を取扱い、一昨年は七十一億千二百万を取扱う、莫大な国のいわゆる乗車券をお取扱いになる交通公社といたしまして、経営が困難であるから、こういりふうに別途な営業をしなければならないために、それらに多額の金を投ずる、こういうようなことをかつて交通公社がおやりになる権利があるのかどうか、あるいはずつとこれをながめて放任しておつた国鉄当局が、いかなる観点からこう放任をしておつたのであるか、両者から率直なる御答弁を願いたいと思います。
  99. 田中彰治

    田中委員長 高井説明員、この前あなたがこの委員会で答弁されたのには、契約書は今月売つたものを必ず来月みそかに払うという、一箇月の余裕しかない契約書であるということを答弁されております。契約書というのは何もないのですか。
  100. 高井軍一

    ○高井説明員 あります。
  101. 田中彰治

    田中委員長 契約書には、何月に乗車券を売つたものを何月に納めるとか、いつ納入するとか、期日は書いてないのですか。
  102. 高井軍一

    ○高井説明員 あります。ただいま委員長の方から第一の御質疑がありました契約面には、これは先ほども申し上げましたように、国鉄が指定する日に納入するというぐあいになつておるのでございます。それで先般も私は申し上げたと思うのでありますが、通常の場合でありますと、算定とかあるいは納入までの余裕期間というのを見まして、一箇月というのが通常の場合でございます。さように私は申し上げたつもりでございますが、もし私の申し上げましたことが誤解を招くような言葉でありましたら、さように御訂正をお願いいたしたいというふうに存ずる次第であります。
  103. 柴田義男

    柴田委員 われわれは指摘されたこの結果からいつても、一箇月は延納と申しますか、納期が一箇月後になつておることは、もうはつきりわかつたのであります。その一箇月期日を経過することなお一箇月であつたから、当然延納金というものがついた、そうでございましよう。
  104. 高井軍一

    ○高井説明員 それが誤解を招きましたもとでありまして、通常の場合でございますと、くれぐれも申し上げますように、六月分でありますと七月末までに納めるのが建前でございますが、この場合は八月末の通常の場合より一箇月延びました期日を国有鉄道の方で納入期日といたしまして指定をいたしておるのでございます。
  105. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますると、交通公社の経理の状況が非常に悪くなつて来た、その原因は手数料がなくなつたからである、これに原因があると思います。そういたしまするならば、その手数料がなくなつたことによつて延納を黙認して行く、こういう形を国鉄当局が御自由におやりになつたのでございましようか、それとも国鉄にそういう自由裁量があるのかどうか、あるいはまたその後に昭和二十六年一月以降に至つてはまた一箇月も延びている。これがますますいけない結果が重なつて参りましたならば、次は六箇月延ばしてやるのだ、次は一年延ばしてやるのだということを国鉄当局が自由におやりになることができるのかどうかということを伺つておるのであります
  106. 高井軍一

    ○高井説明員 お説よくわかつたのでありますが、原則的——原則的と申しますよりも国鉄が管理いたします限りにおきましては、そうした法的な根拠はなかろうとも、自由裁量の余地もおのずと限度があるものと考えるのでありまして、無制限に期日を延ばすというようなことはとうてい容認されないことだと思つております。しかしここの場合に国有鉄道のとりましたのは、先ほども説明がありましたごとく、代売制度を廃止されましたので、と申しまして国鉄に直営するだけの余力もでございませんし、また在来の伝統と申しますか、サービスの面におきましても、この交通公社によりまする代売制度というものを、何とか存続する方がいいんじやないかという考え方から参りまして、当初一箇月の延伸をいたしました。それからさらにまたどうにもなりませんので、状況を見まして延伸したということであります。この延伸いたしましたことにつきましては、この国鉄の代売制度廃止とともにあるいはいろいろとるべきあるいは監督すべきところがあつたと存ずるのでありますが、事実といたしましては、そこで交通公社の代売制度というものをつぶしてしまうかどうかということになりますので、この一箇月なりあるいは二箇月というやむにやまれぬと申しますのか、そういう措置をとらざるを得なかつたのでございます。
  107. 柴田義男

    柴田委員 非常に私どもは奇怪なお答えで驚き入りますが、われわれは常識論で今伺つているのではありません。常識論で伺いますならば、交通公社が一般民衆のために非常に便利な機関でありまして、私どもこれは否定いたしません。ところが手数料をなくして経営せしむるところに無理があるといたしますならば、いわゆる補助と申しましようか、あるいは援助と申しましようか、別途な方途を考えるべきであるとわれわれは考える。やはり国の財産にひとしいような国有鉄道の乗車券販売せしめまして、手数料を一銭も与えないというその機構そのものがいけないのである。いけないものであつたならば、根本の機構を直せばいい。それをただ売らせておいて、その一切の手数料がないために生ずるところの未払いがそこに生じて来る。それが重なり重なつて先ほど同僚の杉村委員計算によりましても、たつた四箇所の経理事務所の表を見ましても、五億何千というものは、常に公社が自由に使つておるのか、なくなつておるのか不明の点がたくさん残つて、われわれは不審にあるいは心配にたえないから伺つておるのであります。今の経理局長の御説明のように、検査院といたしまして、どういう立場で検査をなしておるのであるか、あるいは経理局長がそういう考え方で経理局長をやつておられることについては、検査院の立場からごらんになつて間違いがないかどうか、大沢説明員の説明を求めます。
  108. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 ただいま柴田委員のおつしやる通りでありまして、ここに検査報告に掲げましたのも、当時の手数料がなくなつたあと事情というものは一応了とできるけれども、やり方としてこれを一箇月遅らせて、それの利子といいますか、そうしたものである程度カバーしようという処置は、妥当な処置でない、不当な処置である、こういう趣旨で、この検査報告に掲げたわけであります。趣旨は柴田委員のおつしやる通りでありまして、もしも必要ならば別途の処置を講ずべきである、こう考える次第であります。
  109. 柴田義男

    柴田委員 私はこれ以上は詰問しないつもりでございます。最後に伺いたいことは、そういたしますと、国鉄の当局といたしましても、この問題を根本的にお考えなつておるのかどうか。もう一つはたとえば昭和二十八年の七月一ぱいで国鉄乗車券交通公社販売を停止する、こういう事態が起きました場合に、交通公社が今後成り立つて行くのかどうか、この二点を伺いたいと思います。
  110. 高井軍一

    ○高井説明員 御説の通りでありましてこういうような代売手数料を廃止をすることができぬといたしますれば、当然それだけの措置を講ずべきであつたのであります。しかし残念ながらこれは占領軍の強力な命令でありまして、占領軍の方針といたしましては、国鉄から手数料をもらうのでなしに、いわゆる公共、利用者でございます一般のお客さんから手数料としてもらうべきだ、国鉄が出すべきものではないというので、そういう強力な御指示がありまして、これを廃止せざるを得なかつたのでありますが、その後の状況を見まして現在においても代売の手数料は五分やつておる現状であります。これはなしでやれということに無理があることは重々存じておりまして、そういう点は除去しなければいかぬというので、その後におきまして手数料の復活をいたしました次第であります。
  111. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますと、また答が非常にかわつて参つたのですが、われわれは今議論をいたしおりまする前提は、昭和二十四年六月一日以降五分の手数料がなくなつた、こういう前提の上に立つて今まで非常に心配をいたしまして議論をしておつたのですが、そういたしますると、いつからまた手数料を復活したのですか。
  112. 高井軍一

    ○高井説明員 復活いたしましたのは、二十六年二月から三分の手数料を出しております。さらに二十八年の一月から五分の手数料ということにいたしました。
  113. 柴田義男

    柴田委員 私は質問をやめたいと思いましたけれども、実はまた新しい報告を受けたのでお尋ねをいたさざるを得ないのであります。ただ私どもはこういうようなまつたく民間会社会社会社契約ですらもないような、まつたく世の中の通例として想像もつかないようなことをおやりになつておつたことは、古い国鉄におつた大幹部全部が今度は交通公社に移つてしまつた国鉄の古い幹部が公社に移つて、何でもかでも、なあなあでやつておるというふうにしか見えません。実に国民を愚弄したやり方である。それであるからわれわれは、倉というものの存在価値を認めるし、公社というものがまじめな経営であつたならば、われわれは満腔の敬意を表するのでありますけれども、今日までやつて来たこの状況を判断いたしますと、まつたくまじめさを欠いておるとしか見えません。しかも現在手数料がないのであるからという前提に立つて、われわれは今日までいろいろと資料を集めて研究いたしましたが、またわれわれが知らない間に、今度は二月から手数料が復活しておる、こういうことになりますと、何をおやりになつておるのか、国鉄という存在はまつたく奇怪しごくな存在としか見受けられないのでありますが、一体どういうことをやつてこういう契約というものが成り立つのでありましようか。国鉄で何か経営委員会をやるとか、あるいは国鉄の中と政府の機関との間に何かの御相談をやつてこういうことをおきめになるのでございましようか。単に経理局長お一人の頭でこれをおやりになるのでしようか、その点をあらためて伺いたいと思います。
  114. 高井軍一

    ○高井説明員 料金の決定につきましては、国有鉄道といたしましては国有鉄道でこの手数料の決定をいたすのでありますが、関係局長が協議をいたしまして、もちろんあらゆる面から庁内関係課長と会議して決定をいたしておる次第であります。
  115. 杉村沖治郎

    杉村委員 国鉄公社と両方に伺いますから、あまり長くなく簡単に答えていただきたい。  国鉄の方に聞きますが、この間私が、昭和二十六年の一月からさらに納期をまた一箇月延長したのだがどういうわけかということを尋ねた。ところがあなたの答えは、どうも公社の内容は困難なので、さらに一箇月延ばしてやつた、こういう答えをされておる。間違いないですね。しかるに本日公社会長から聞けば、昭和二十六年の八月からは特別の口座に預金してあるから他に流用することはない、こういうことを今日この席で述べておる。よろしいですか。そうすると、それほど他に流用することはないというならば、昭和二十六年の一月には二箇月も何も延ばしてやる必要はないじやありませんか。ことに昭和二十六年の八月から公社の言うように特別の口座に積んであるものであつたならば、何ゆえ国鉄の方ではこれを納めろということを請求しないのか、それが一点。それとあなたがこの間私に言つたことによれば、昭和二十六年の一月から二箇月繰延ばしたということは、公社の内容が困難であるから延ばしたということを答えておるのであるが、公社の方では、さつき言つたように、特別の口座に積んであるとするならば、そこに何も公社の内容という問題は起つて来ないはずだ。もしも公社の言うがごとく、ちやんと特別の口座に積んであるのだつたならば、どんどん国鉄の方ではその金を取上げなければならないじやないか。私が先ほど指摘したように、順次これが重なつていつて、五億何千というような莫大な金になつて来たときに、もしこの公社が破産したような場合、支払いが不能になつたような場合においては、その損害はだれが担保するのであるか。それに対して何らかの保証方法が講じられておるかどうか、以上を簡単に答えていただきたい。
  116. 高井軍一

    ○高井説明員 お答えいたします。この二十五年の六月から一箇月の延伸をいたして、これまでに延滞というものが、全然ないというふうに考えて参りまして、しかも毎月この平均取扱高が……。
  117. 杉村沖治郎

    杉村委員 ちよつと発言中ですが、そんなむずかしいことを問うておらない。昭和二十六年の六月、七月分ですが、六月の分は八月三十一日の支払い、七月の分は九月三十日の支払いなつておるのだ。ところが公社の方では八月からはちやんと特別の口座に入つておるから、他に流用する二とはないというのであつたならば、六月分も七月分も八月分も八月三十一日にはちやんと特別の口座に入つてつたはずです。それであるから何ゆえそれを納期が来ておるのにもかかわらずあなたの方では請求しないか、こういうのであります。だからあまりむずかしいことを言わないで、どうして請求しなかつたか、それだけ答えてもらいたい。
  118. 高井軍一

    ○高井説明員 これは延期はいたしましたが、今までの滞納と申しますか、未納の額がたまつておりましたので、かような措置もいたしましたし、特別口座になりましてからも、その現在高を毎月はつきりにらみまして、そうしてその中から納入をさしておつたような状態であります。ここへ参りますまでに、すでに未納額がたまつておりましたので、入りましたものはこつちへ入れて参りますが、やはり順送りにならざるを得なかつたというような状態でございます。  もう一点保証をどうしておるかという御質問でありますが、これだけの扱いに対して担保制度というものをはつきりとつていないのでありまして、その点遺憾に存じます。
  119. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはとんでもないことですよ。このたび本年の五月に日本中で農民が受けた凍霜害が約二百億にも達しておるのであります。これに対して国会におけるところの補償が五億九千万、この金を全国の凍霜害農民に救済資金として出しております。それも全部ではありません。国が三分の一、県が三分の一、わずかにその五億九千万の三分の一を農民が補助を受けておるというのにもかかわらず、国鉄は一営業会社に対してわずか半月くらいのうちに五億というような莫大な金を流用さしておいて、しかもこれに対する保証もとつておらないという。もしこの会社がつぶれたときには、それだけ損害を受けるのじやありませんか。かようなことではまつたくわれわれはあなた方に安心してこういう業務をまかせておくということはできないと思う。国鉄の総裁などは何をしておるかと思う。これが事実であつたとするならば、国鉄総裁などは、われわれはやめてもらはなければならぬと思うのでありますが、あなた方はこれに対してどんな考えを持つておるか。振りかえつてみて、これがいいと思いますか悪いと思いますか。あなた方の所見をはつきりと良心に訴えて答えてもらいたい。
  120. 高井軍一

    ○高井説明員 この担保をとつていないということ、ふさわしい担保がないということにつきましては、まことに憂慮いたすことは御同様でございますか、ここで私ども事務的に考えますのは、現在の担保をとる場合でございますが、おそらく銀行保証ということに相なると思うのであります。その銀行保証を適当な額をとるということになりますれば、やはり現在といたしましては、この売買手数料の値上げをしなければいかぬ。そちらへすぐ響いて来るのではないかというようなことを考えられるのでありますが、この点は十が検討いたさなければいかぬ、さように考えるわけであります。
  121. 杉村沖治郎

    杉村委員 先ほど私が尋ねた点は、まだ一点残つておるのですが、公社の方では昭和二十六年の八月から特別口座にちやんと入れておいた、こういうことを言うて、他に流用することはできないと言うておるのにもかかわらず、昭和二十六年の一月には二月も延ばしておる。これに対して国鉄の方では、内容が困難であるからということを言つてつたのですが、あなたはこの間われわれに答えたところによれば、最近においては特別口座に預金しておるからその心配がない、こういうことを言うたのですが、あなたは公社が言うがごとく、やはり二十六年の八月から特別口座のあつたことを承知しておつたのでありますか、いかがでありますか。
  122. 高井軍一

    ○高井説明員 先般そういうような回答をいたしておりますれば、何かの私の舌足らずでございました。答弁書にも書いておりますごとく、この二十五年から別口座ということはいたしております。そしてその監視は十分いたしております。
  123. 杉村沖治郎

    杉村委員 二十五年の八月から特別口座にちやんとそういうふうに預金させているのであつたならば、何ゆえに特別口座に預金してある金を国鉄は二月も延ばしてとらずにおるのですか。あなた方はこの金をとつたらどこへ納めます。国庫に入れるのでありましよう。あなた方がこの金をとるということは、単に公社国鉄だけの関係ではありません。これは日本の経済界にいかに影響して行くかということはおわかりでありませんか。経済の点からいつたなれば、特別の口座に入つておるのであつたなれば、これをすみやかに国鉄の方へ回収をして。そうして国庫に納付すべきじやありませんか。
  124. 高井軍一

    ○高井説明員 この六月の公社取扱いました一億三千万、これは六月になればなるほどそれだけ入るのでありまして、以後特別口座にはしておくのでありますが、先ほど申し上げましたごとく、これまでの未納額があるのでございます。それで別口座にいたしましたうちから優先的に古い債務から引当つてつたということに相なるのでございます。
  125. 杉村沖治郎

    杉村委員 今初めてここに出たのだが、そうすると昭和二十六年までにどれだけの未納がありましたか、それを承りたい。
  126. 高井軍一

    ○高井説明員 この措置をとらざるを得なかつたときの六月末といたしましては、四億八千三百九十六万、これだけのものが未納額としてありますので、この措置として延伸をいたしたような次第であります。
  127. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなた方のような国鉄役員がおると、交通公社こいうものは百もいらないでたいへんな大会社ができるのだ、四億も金をとらずにそのままにしておいて——この四億という金を利子としたら、年一割にしても四十億の元金に対する利子ではありませんか。五億といつたら五十億じやなりませんか。こういうような莫大な金融を与えておる。あなた方のような国鉄の会計の人がおつたら、百もいらないでえらい利益会社ができるのだ。そういうだらしのないことをしておつては困る。その四億はいつ回収いたしましたか。
  128. 高井軍一

    ○高井説明員 これは特別口座になりましてから、逐次返還をさせておるのでありまして、五月分までのがいつ入りましたか、今ちよつとここではわかりかねます。
  129. 杉村沖治郎

    杉村委員 これはたいへんなことじやありませんか。あなた方がわれわれのところに出した資料だけのことすら満足に何とかあとから言い訳をしておるのだが、その四億というのは、われわれはここに表が出ておるからもうきれいに済んでおつたのかと思つてつたところが、さらにこのほかに前の貸しが四億も残つてつたのだから、その四億がいつ入つたのか。——あなたの地位はどういう地位なんです。あまりにも無責任じやありませんか。それではわからなかつたらわからないでしかたがないから、今度は昭和二十四年以後今までのことをもう少し詳しく言つてください。これじやしようがない。要するにあなたが契約をやつておる当時からの一切の経過を詳細に出してもらいたい。それで実は今日は特別口座の預金通帳をこちらに持つて来てもらいたいということを、この間の委員会で言つておいたのに、どうしてきよう持つて来てくれなかつたのですか。
  130. 田中彰治

    田中委員長 公社の方でどうなんですか。
  131. 高田寛

    高田参考人 預金通帳も御参考に持つて来ております。
  132. 田中彰治

    田中委員長 持つて来ているそうです。それから高井説明員に言いますが、なるべく早く済ましたいと思つて委員長も一生懸命やつておるのだが、あなたのようにやられるたびにかわつて来てはだんだんと疑惑が多くなつ来て話にならなくなつて来るのです。いま一つ委員長としてちよつと聞いておきますが、私鉄もやはりこういう契約ですか。
  133. 高井軍一

    ○高井説明員 私鉄でもやはりこちらの方から納期を指定いたしております。
  134. 杉村沖治郎

    杉村委員 今またこちらから指定しますということですが、そうすると原則は定めてないのですか。この間はその翌月ということになつておるとあなたは答ええておるのですが、指定をしなければいつまでも片方は納めなくてもいいということになるのですか。
  135. 高井軍一

    ○高井説明員 これは本日も申し上げておりますごとく、国有鉄道が指定した日に納める、納期は国有鉄道が決定するということに契約にはなつておるのでありますが、通常の場合におきましては、当然調定ができ次第この納入の所要手数の期日を見まして、納期を指定するというのが常識と申しますか、その仕事のやり方でありまして、原則といたしましてさようにいたしております。
  136. 田中彰治

    田中委員長 杉村委員にお諮りしますが、これから重要な鉄道会館の問題がありますから、これはいかに論議されても、だんだんとわかつて来るし、いま少し方法考えてやるようにしましよう。
  137. 柴田義男

    柴田委員 今もいろいろ考えたのでございますが、本日ただちに結論に持つて行こうといたしましても、いかにわれわれが努力いたしましてもやはりちよつと不可能なようでございますので、私どもが今資料要求をいたしておりました分を全部おそろえを願つて、その資料をいただきまして、その結果によつてこの問題を結論に持つて行きたい、こう思いまするので、交通公社国鉄の問題は留保をしていただきたいと思います。
  138. 大矢省三

    ○大矢委員 国鉄の管理しておる各重要な場所を公社が使つておりますが、それは使用料を払つておるのですか。無償かどうか。使用料を払つておるとすれば幾ら払つておるか。
  139. 田中彰治

    田中委員長 資料を出すのですか。
  140. 大矢省三

    ○大矢委員 資料で……。
  141. 田中彰治

    田中委員長 それでは資料で出していただきます。  それから高井説明員及びその他の鉄道の方に申し上げますが、皆さんも鉄道経理局長というような大分大きな肩書を持つておいでになるのだが、こういうしろうとをだまかすような答弁でなく、もう少し勉強されて意見を統一されないと、だんだんこういう問題になつて来ますと、決算委員会が告発しますよ。そうなりますと問題が重大になりますよ。これはただここで調べにならなくて、検事局とかそういうところで調べるようになつて来ると、問題が重大になつて来ますよ。もう少し勉強されて、意見を統一して来ていただきたい。あなた方をいじめようなんとは決算委員会は思つていない。国民の血税ですよ。そうしてみんなが水害にあつても、何にあつてもわずかの金しかもらえない。それをあなた方のような一局長、一官吏が何億という国家の金をかつて事業に使わせて、これはとれませんでした、それはこうなんだなんて、そんなことは恥かしくて言えまずか。良心的にもつと勉強していらつしやい。きようはこれでよろしいです。この次勉強して来ないと、この委員会をいつまでもやりますよ。  それではこの問題はこの程度にして次会に引継ぐことにいたしますが、いかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 田中彰治

    田中委員長 異議なきものと認め、決定いたします。  次にお諮りいたします。前回の委員会におきまして鉄道会館に関する問題につき、本日決議文を朗読し、決議を求める予定でこれを作成いたしましたが、問題が非常に重大であり、調査するに従つてますます疑惑を増大して来ましたので、なお一層厳重調査をする必要を認めるに至りました。つきましては、その結果内容についても自然と異なつて来ますので、これをあらためて作成し、提出いたしたいと思います。従いましてその提出の期日等は委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 田中彰治

    田中委員長 それではさようにとりはからわせていただきます。     —————————————
  144. 田中彰治

    田中委員長 次に鉄道会館に対する鉄道用地貸付等に関する件を議題とし、本問題についてただちに質疑に移ります。それでは質疑を許します。吉田賢二君。
  145. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 国鉄の総裁並びに株式会社鉄道会館会長、及び社長に伺いますが、まずただいま問題になつております八重洲口の本屋の建築に関する各般の問題、それからあすこに大きな鉄道ビルが新たに建設せられつつありますが、この建設の経緯あるいはその建設に関しまして各般の営業が伴つておるのでありますが、これらの事業、要するに当初国鉄が鉄道八十周年記念事業にふさわしいようなものを八重洲口に新しく建設したいということをめぐりまして、新たに鉄道会館に協力を求めたようでありまするが、その経緯をまず聞きたいのであります。いずれからどういうような申出があつたのか、それをまず鉄道の方から伺つて順次他の関係者から御答弁を願いたい。
  146. 田中彰治

    田中委員長 総裁は委員会に出ておりますので、ちよつとお待ちください。
  147. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それでは株式会社鉄道会館会長及び社長から御答弁を願います。
  148. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 社長の加賀山であります。経緯については私から申し上げるのが適当かと思いますので、私からお答え申し上げます。
  149. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちよつと申し上げますが、だんだん時間もたつておりますので、長い経歴をお述べになることは避けていただきたい。
  150. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 ある程度申し上げて御理解いただく方がよろしいのではないかと思いますので、ちよつとお時間を拝借いたします。  国鉄におきましては、駅が非常に老朽いたしましたり、あるいはなかつたりして弱つてつたようでありますが、はたまた車両や線路の整備に予算がいる、そういうことで駅の整備はなかなかはかどつておらなかつた。その最たるものは東京駅でごいますが、御承知のように丸ノ内側は非常に古くなりましたが一応かつこうがついておる。ところが八重洲口は焼けまして、その後荒廃したままになつておつたのであります。従つてここを何とか八十周年記念事業としてぜひ整備したい。しかし残念ながら国鉄の予算がないので何とかならないものかと苦慮されまして、その問題について不肖私に御相談があつたわけであります。私としましては事重大でありますので、これは自分の一存でこれをお引受けしたり、あるいはいいということはできないが、ちようど同時に国鉄にも停車場整備計画委員会というのができまして、そこで検討された案を拝見いたしまして、国鉄からひとつこれを考えてみてくれないかという、実は委嘱を受けましたので、私ひそかにこれを検討いたしまして、そしていろいろの方に御相談し、特に七十名からなる各界の有力な方々にお集りを願つて、この問題を持ちかけて、御相談を申し上げ、その席上大多数の非常なる御支援と御賛同を得まして、それならば、何とかしてひとつその経営が成り立つかどうかということを検討してみようということで、検討を重ねました。それがちようど昨年六月から七月ごろの事情であります。その後検討したしまして、さらにこれをもつと専門的な方々に御相談をするということで、発起人というような形で発起人会を組織して、さらに緻密な計画を立て、ここに諮りまして、不肖がその発起人代表に選ばれまして、当つて参つた次第であります。これの工事経費の資金調達の面あるいはこれがきわめて公益性の強い事業であるのなら、営利的にはなかなかむずかしい点があろうかと思いましたが、何とか企業的にもやつて行けるというような見当をつけて、株式会社鉄道会館を九月一日に設立する。そうして会長に渋沢敬三氏になつていただきまして、不肖が社長として責任の地位につくことに相なつた次第であります。その後国鉄から、工事経費をどうするか、あるいはこの財産区分をどうするか、あるいはその後の使用料等をどうするかということの細目についていろいろの打合せをし、そうして互いの調書のとりかわしも済みまして工事にかかつた。これはすでにごらんになつて御承知かと存じますが、東京駅は新たに二面だけプラットホームをふやしました。どうしても遠距離行きのお客は、八重洲口から御利用を願わなければならぬ状態であります。
  151. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 東京駅の設計の内容とか、そういうものにはなるべく触れないでください。あなたは直接に国鉄総裁から依頼を受けたと思うがその依頼の趣旨、年月日、そういうものをお話し願いたい。
  152. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 その後の経過はまた御質問があれば申し上げることにして、以上であります。
  153. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それではこれを本問題に入る前提として伺つておきますが、あなたの会社ではその後取締役以上に元国鉄の幹部をやつていた人はだれが入つておりますか。
  154. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 私自体のほかに専務に立花君、伊藤君それから大田君、これは専務ではございません。竹内君、この四名の者が役員として就任をしております。
  155. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これらの人は、国鉄をいつやめたか。
  156. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 立花専務は昭和二十七年の三月と記憶しております。伊藤専務はずつと早うございまして、昭和二十一年の三月ごろと記憶しております。竹内専務は昭和二十七年の五月、正確には記憶しておりませんが、そのくらいと思つております。太田君は昭和二十八年の三月、以上になります。
  157. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 御本人はいつですか。
  158. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 私は昭和二十六年の八月二十四日に退任いたしました。
  159. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 まだ国鉄の代表者は来ないのですか。見えておりませんが……。
  160. 田中彰治

    田中委員長 運輸大臣は参議院で運輸委員会に出ておりますが、あと十分で参ります。長崎総裁は衆議院の運輸委員会で答弁中で来るように交渉中であります。
  161. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今御説明になりました株式会社鉄道会館の発起人会の当時において、すでに何らか国鉄所有の物件を使用するとかあるいは国鉄が何らかの負担をするような、そういう許可とか承諾を得ましたかどうか。
  162. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 発起人会の期間はきわめて短かい期間でございまして、所有するとかというようなことはなかつた考えております。
  163. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 所有の関係ではなくして、国有鉄道が所有しております土地その他の物件について、あなたの会社の発起人時代に何らかこれを使用する権限を得るようなことがあつたかなかつたか。それをお尋ねします。
  164. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 ございませんでした。
  165. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、あなたの会社国鉄からいつどういう物件をどういう条件で使用するという権利を得ましたのでしようか。この点をお尋ねします。
  166. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 物件を使用すると申しますか、私どもの解釈といたしましては、当時何にもなかつた場所に設備をするという依頼を受けた、その時期は昨年の九月の二十五、六日ごろであつたろうと記憶いたしております。
  167. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 物件を使用するという権利を得たことはそれではなかつたと、こう了承していいんでございますね。
  168. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 私どもといたしましては権利を得たと申しますよりは、国鉄からかようなことについて相談を受け、かようなものをつくつてもらいたいというような御依頼があつたように考えますので、むしろそれによつて工事をいたす重大な責任がわれわれにできた、というように解釈をいたしている次第であります。
  169. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、国鉄から依頼を受けたので重大な責任が生じたので、何らの権利もない、こういうような御解釈ですか。
  170. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 言い方によつては、これは責任に伴つてこれを建設する権利といえば権利に相なろうかと存じます。
  171. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 しからばその建設する権利の内容、趣旨、いつどういう権利を得たのか、それを明確にしていただきたい。
  172. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 国鉄総裁からいただきました書面によりまして、あの八重洲口の土地に東京駅の玄関にふさわしい旅客に利便な駅をつくり、そうして旅客に利便な附帯施設をつくる。これについて私文言をはつきり記憶しておりませんが、これを会社にやつてくれという御依頼だつたように私は記憶しております。
  173. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そんな簡単なものじやなしに、かなり広範な十数箇所にわたり、国鉄側の設計の要綱を承認するという前提によつて事業に着手することになつたのではないのですか。
  174. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 簡単と言われましたので何でございますが、もしそういうお尋ねでございますれば詳しく申し上げたいと存じますが……。
  175. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私の質疑したい点は、誤解しないようにしてもらいたいのですが、あなたの方では最初、何ら国鉄の方に向つて権利を持つているのじやない、責任がある、依頼を受けているという趣旨なので、さればその責任、依頼の趣旨内容をと聞けば、これは建設をすることになつたので建設に伴つて相当の権利が生じている、こうおつしやるので、その権利の内容を聞きたいのであります。だからその権利の内容がどうかということ、いつそれを取得せられたかということをその趣旨に沿うように御答弁を願いたい。事業はまたこちらから聞きます。
  176. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 いかなる内容の権利かというお尋ねでございますが、私どもといたしましてはこの権利の内容について分析をいたしたことはございませんので、この建設をする、それについていろいろの条項を明らかにされております。それは、お手元にこの資料は届いているのではないかと存じますが、昭和二十七年九月二十五日でございますが、日本国有鉄道総裁から「東京駅八重洲口本屋建設に伴う費用負担及び構内営業その他について」この構内営業をやるという権利はこの書面によつて権限が明らかであるというように私は解釈をしております。
  177. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、例をあげましてお尋ねいたしますが、あなたの方のビル建設については、国鉄所有の土地を広汎に使用せねばならぬと思う。これはあなたの方が使用権を持つているのか。使用しておらぬのか。その点はいかがですか。
  178. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 御承知のようこ、長本は駅をつくることでございまして、その他の施設は実はつけたりと申せばつけたりになる、附帯施設というふうに考えるわけでございますが、一階の大半の平面は駅の施設として使用されるものであります。広間とか、便所でございますとか、通路でございますとか、さようなことでありまして、そのうち私ども会社に構内営業を行うてもよいといつて許可される分は、今回でき上りました部分的のものについて申し上げますれば、その約四分の一くらいに当ろうかと思いますが、その範囲につきましては私ども会社にこれを構内営業として行うということを国鉄から許可をされ、そうしてそれぞれそれに対する費用の分担等がきめられたのであります。
  179. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ビルは相当大仕掛なビルのように設計図面並びに説明等によつてうかがえるのですが、このビルを目下基礎工事中のようにわれわれは視察して来たのですが、ビルを建設しているのは一体国鉄ですか、あるいは鉄道会館ですか、いずれですか。
  180. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 ただいまの工事をやります責任者と申しますか、これは国鉄でございます。国鉄が行う工事ということになつているわけでございます。
  181. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 基礎工事並びに建築全体を通じてあなたの方は建設の主体になるということはないという御説明ですが。
  182. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 その通りでございます。
  183. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、このビルの建設は、基礎工事から建築全体に至りますまで国鉄が経営する——経営するというか、国鉄がこれを建設する、業者に請負わすという請負は別としまして、さように了解していいですね。
  184. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 今言われた通りでございます。
  185. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 総裁がいませんから、局長でよろしいが、国鉄は鉄道会館ビルの全体をみずから建設するということになつておるのかどうか、この点について聞きましよう。
  186. 津田弘孝

    ○津田説明員 ただいま吉田委員がおつしやつた通りでございますが、将来二階以上の部分につきましては所有権が会社に参りますので、その部分につきましては会社から工事の委託を受けておるというようなことでございます。もちろん内部の仕上げ関係につきましては、これは国鉄の使用部分は国鉄自体、また会社の使用部分は会社自体でやるというような契約なつております。
  187. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、二階以上は国鉄が鉄道会館から工事の委託を受けておる、こういう意味ですか。
  188. 津田弘孝

    ○津田説明員 その通りでございます。但し、ボデーと申しますか、構造と申しますか、それに関する限りにおきましては国鉄が会館から委託を受けて工事をやつておる、そういうことになつております。
  189. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、両者の今の御説明は相矛盾するわけですが、あなたの方が委託するのであれば、やはり建設の主体は会社であるのじやないですか。これは常識上考えてもわかりやすいわけですが、どうです。
  190. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 先ほどのお尋ねが。請負契約の当事者とか、かような意味で言われましたので、建物は一階が駅でございますが、それとわけて一階までは国鉄としてつくり、二階以上の部分は社でつくるということがあるいは至当なのかもしれませんが、これにはまた基礎工事、あるいは附帯工事、いろいろの問題もございまして、工事を二つにわけることは困難である。従いまして、主体としては駅が主要部分でありますがゆえに、国鉄に主体になつていただいて、それで二階以上は費用の分担をいたします関係で、財産区分としては将来私どもの鉄道会館の所有に帰する部分でございますが、その工事も一括して国鉄に工事の主体となつてやつていただく、かような意味でございます。
  191. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 会社が二階以上は国鉄へ工事を委託するという趣旨に了解する方がやはり常識的だろうと思います。この点はなお国鉄総裁についてはつきりしておきたいと思います。  そうしますと、高架線下以外の土地について直接あなたの方が使用上得るという関係になる場所はないのですか、参考までに聞いておきたい。
  192. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 ただいまのお尋ねちよつと私解しかねたのでありますが、ただいまの高架下、あるいはわれわれが鉄骨建物と称しております部分については、私どもが専用いたしまして、構内営業を営む場所があるわけであります。しかしそのほかの本館は、一階の部分につきましてはほとんど大部分が駅または公共の設備でありまして、ごく一部、たとえば二階へ上りますエレベーターの階段でございますとか、そういうような部分は多少私どもの使う部分ができるかと存じます。
  193. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 総裁が見えるまでなお局長に少し尋ねておきたいと思う。根本のことはなお総裁に聞きますが、あなたに聞きたいのは、国鉄は、土地といいますか、このたび問題になつております本屋建築の千三百何十坪の資料に出ておりますあの部分、これはあなたの方の所有であると考えるのです。しかしながら、日本国有鉄道の成立の過程から考えてみましても、実質は国有にひとしい性質にものであるとわれわれは見ておるので、三、それはいかがでしようか。
  194. 津田弘孝

    ○津田説明員 現在の国鉄の財産は、かつては官庁時代にはもちろん国有財産であつたわけでございますが、現在は国有財産ではございません国鉄公社の財産ではございまするが、しかしいろいろな面におきまして国有財産に準じたような取扱いをされておる場合が多いのでございます。
  195. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今加賀山社長の答弁によりますと、国鉄が依頼をしたので、その依頼によつてビルの建設事業をやることになつた、こういう答弁がありましたが、これをこまかく分析すれば、一階を国鉄が使い、あるいは地下の部屋を国鉄が使つたり鉄道会館が使つたりする部分もあるのでしよう。あるいは上部十二階を全部鉄道会館が使う、こういうことになるわけでありまするから、直接鉄道会館が使う土地の部分は、法律的にはあるいは非常に少いかもわからぬ。しかしながらビルの建設、ビルの事業全体を社会的に経済的に常識的に見るならば、要するにあの土地を鉄道会館に利用せしめるととはまぎれもない事実だと思うのです。あなたが答弁できなければ総裁が来るのを待ちますが、それについてはどう考えますか。
  196. 津田弘孝

    ○津田説明員 吉田議員のおつしやつた通りに、国有鉄道の土地なり建物なりを公社に使用させるということに相なるわけであります。
  197. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますると、物件、土地を国有のものに準じて考えておるということは、まことにごもつともなことであります。またそうでなければならぬ。しかるに国有の土地である場合には、原則といたしまして公告によつて競争入札にするということは、会計法の原則であります。また日本国有鉄道法の四十九条よにれば、「日本国有鉄道が売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、公告して一般競争入札の方法に」よらねばならぬ。そうでない場合はきわめて限定した例外があるのみであります。ところが、この間まで国鉄の最高幹部であつた人々らが——これはまだ会社も何もつくつておらぬ個人ですよ。その個人に向つてビル建設の事業、この重大な財産を利用せしめるようなことを申し入れておる。これは国鉄から依頼を受けたと言つておるのです。そういうことを競争して利用せしむるのなら別ですが、競争もせしめないでその人人らにひそかに委託する、依頼するということは、これは国の財産の処理、管理、利用の上から見ましても、根本的に相反する方向をたどつておると思うのであります。こういうことについてはどういうふうに考えましたのでしようか。
  198. 津田弘孝

    ○津田説明員 この点につき、ましては後ほど総裁からお答え申し上げた方がいいかと思うのでございまするが、私の見解を申し上げてよろしゆうございますか。総裁とお打合せして参つております。
  199. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしたらあなたの見解でよろしい。時間を節約する意味で……。あなたの意見を言うてみなさい。答弁してください。打合せして来ているというなら……。
  200. 津田弘孝

    ○津田説明員 ただいま吉田議員のお読みになりましたように、国有鉄道法には、明らかにそういう条文がございまするが、この東京の中央停車場をつくり上げ、それに旅客附帯のいろいろな便益施設というものをつくります事業は、非常に重要な事業でありまするがために、特に国鉄といたしましては、長年鉄道に在職されました前総裁の加賀山氏にそういつた事業を御委嘱するのが最も適当である、かように考えたがゆえに、依頼状を差出したような次第であります。
  201. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 鉄道法四十九条のどこから前国鉄の総裁である人に依頼することが最も適切だということが出て来るのですか。どこから出て来るのか指摘してもらいたい。総裁と打合せた答弁だから…。
  202. 津田弘孝

    ○津田説明員 売買とか賃貸とかいう場合に競争入札によれというような趣旨のことがこの条文にあるのでございますが、先ほど申し上げましたような非常に重大な事業でございまするがゆえに、その事業の性格にかんがみまして、そういつた競争入札というような方法によることが妥当でない、こういうようなことでございます。
  203. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 重大な国有財産であれはあるほど公明正大にひそかに前国鉄総裁に委嘱するということは国民を欺瞞するもはなはだしい。何のためにこの法律ができておると思いますか。     〔「総裁を呼んで来い」と呼ぶ者あり〕
  204. 田中彰治

    田中委員長 総裁は五、六分後に参ります。
  205. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今の問題について鉄道会館の会長の所見を伺います。
  206. 渋沢敬三

    ○渋沢参考人 この問題は、法律的に見ましたならば、入札という問題がありますが、この問題の、今のお答えで私の了解しておりますのは、そのプランニングだと了解しております。その自体の工事の入札というような問題でなしに、そういうことを考えることを委嘱されたと私は了解しております。
  207. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今御質疑したのは、考え方の問題じやないのです。具体的事実について、法律が明記しておるにかかわらず、最近まで国鉄総裁であつた人に、ひそかに依頼をしておる。公然と公告をしておらぬ。そこに私は疑惑があるというので、あなたの感想を聞くのです。考え方の問題じやない。  国鉄の総裁に聞きます。国有鉄道法四十九条には、日本国有鉄道が売買、貸借、請負その他の契約を締結するについては、公告して一般競争入札する方法を原則としておる。その例外はきわめて限定しておるのであります。しかるに、最近まで国鉄の総裁をしておりました加賀山氏に、何ら会社もできておらぬのに、まだ個人の時代に、これらの人々に、鉄道ビル建設事業、あらゆる附帯事業のこういつた事業のために、国鉄の所有地を利用せしめるというようなことをすることは、この趣旨から見ましても、まことに理解しにくいので、この法律との関係、なぜそういうふうになさつたか、その点についてあなたの御所信を聞きたい。
  208. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私はこう考えるのであります。停車場というような運転上その他旅客公衆の取扱い上非常に重要な施設、それに関連する仕事というものは、これは(「法規を無視していいというのか」と呼ぶ者あり)法規ではありません。特定の人に依頼してやらないと、一般公入札ではこれはなかなかうまく行かない、不適当である、不利である、かように考えたのであります。
  209. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 日本には八千万の人口があります。何もこの間まで国鉄の総裁をしておつた人だけが適任者で、国の重要な財産を利用せしむるに足る最適任者とは限らない、それはあなたらの少数のグループだけが考えなさることかもしれぬ。私が聞きたいのは、あなたらの国鉄は国から財政の監督も受けておる。予算を編成して、決算会計検査院の検査も受ける立場にある。しからばこの四十九条というものは最も厳格に解しなければいかぬ。今局長の話によると、国有の土地であつたものが、国鉄の創立によつて、これが引継がれておるけれども、国有と同じような考え方でこれは利用し、処分しなければならぬというふうにいつておる。おそらくそうだろうと思う。そうして今の問題につきましては、あなたとよく打合せて来たというのです。そうして加賀山氏にこの事業を委嘱することが適当だというふうに考えた、こういうふうな御意見なんです。加賀山氏が鉄道の総裁であつたがゆえに、この大きな財産を利用させるのになぜ適当なのか。なぜ公告をすると弊害があるのか。公告をするということについて、あなたは内部と協議しましたか。もしくは監理委員会の諸君とも相談しましたか。そういう点はどうですか。
  210. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 むろん監理委員会には御相談をいたしてあります。そうしてこれはやはり普通の土地とは違いまして、停車場敷地でありますから、停車場に附帯したいろいろの設備ができるわけであります。そういう関係上、全然のしろうと、一般人だれでもいいというものでもなし、また値段が高ければそれでいいというものでもありません
  211. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 値段の問題はあとで聞きます。聞くべき幾多の問題があるのです。そこでしろうとでいかぬ、国鉄のくろうとでなければいかぬというようなことは、まことにあなたの独断かもわからぬ。しからば、一体どの条文によつて、あなたは加賀山氏に委嘱したのですか。四十九条のどこからあなたはそういう委嘱をするに至つたか、加賀山氏がくろうとだからというようなことは、どこにも書いてない。
  212. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 一般競争入札の方法に準じてすることが不利であると思われる場合ということがこの但書にあります。そういう場合には一般競争入札によらなくてもよろしいということが書いてあります。
  213. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 一般競争入札が不利である、そうすると株式会社鉄道会館事業をまかすことが有利である。そうすると聞きますが、何の事業をあなたの方は鉄道会館にまかしたのでしようか。また何を委嘱することがその趣旨であつたのです。
  214. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 八重洲口の停車場をつくり、それに附帯するいろいろな仕事をやつてもらうということであります。
  215. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 八重洲口の停車場をつくり、それに附帯するいろいろな仕事をやつてもらうことというようなきわめて簡単な御説明だが、今局長の話によると、むしろ経済的に、社会的に、常識的に考えるならば、駅そのものよりも、雲つくような大きなビルの経営、これに附帯する各般の商店街の経営、そういつたものの方がよほど大きなものであるということは、大体御了承になつていると思うのです。でありまするから、これはきわめて大きな財産の利用でなければならぬ。駅をつくることが主で、その他の附帯事業、そんな簡単なものじやないと思う。なぜもつと慎重になさらぬ。ここはひとつ虚心坦懐に述べてもらいたいのですよ。あなたの方は監理委員と相談したとおつしやる。それならばそれも聞きましよう。けれどもなぜ一体加賀山氏にこれを委嘱せなければならなかつたかということについて、もつと虚心坦懐に述べるべき事情があろうと思う。まずそれを聞いておきましよう。
  216. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 先ほど来申し上げておりまするように、駅の設備というものは、そうだれでもいいというものではありません。これ寒かく複雑な関係があります。機械類もあります。電気の機械もあります。いろんなものがありますから、しろうとでいいというものではないのであります。  もう一つ、今のお話にもあるように、これも申し上げたと思いますが、これは停車場としましては一階か二階くらいでたくさんなのであります。しかしせつかくの土地でありますから、これの経済性を発揮させて、国鉄が若干でも自分の財政を救つて行こうということを考えておるのであります。それやこれやを考えまして計画したものであります。
  217. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたに聞きますが、今の局長の御説明によりますと、工事全体は国鉄がやつているというのですが、国鉄がやつているというならば、それは加賀山氏でなくても、どこの何兵衛氏でも、経済力があり、社会的に会社を建設するところの力がある人であるならばできると思う。現に二階以上の建築も国鉄がやつているというのです。にもかかわらず、あなたが加賀山氏でなければならぬと言うのだから、どうしてもわれわれは納得ができぬ。
  218. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 委託工事としてやつております。委託を受けまして、それで監督をやつております。
  219. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうするともつとさかのぼつて、もう一ぺん聞いておきましよう。あなたは国鉄の管理をなさる最高の責任者だ。しかしながら申すまでもなく内閣がさらにあなたの財政を監督している。でありまするから、この日本一の土地の経済的、社会的利用というものは、きわめて重大な国の財産の利用と申さねばならぬのです。これを監理委員会にも相談をかけたというのだが、この利用につきまして加賀山氏に委嘱する前に広く人に相談をかけ、そして他の利用者、他の協力者というものを求めるのが事の順序だろうと思う。そういう手続はしておらぬでしよう。どうしてそれをしなかつたのですか。
  220. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 お答えします。それは骨組みを考えてもらうということは一応加賀山君に委嘱したわけでありますが、これをほんとうに株式会社鉄道会館にやらせるにあたりましては、それがはたしていいか悪いかについて各界の有力者の方々に御相談を申し上げ、いろいろ御審議を願つて、それがよかろうという手続はいたしております。しかしこれは決して公のものではございません
  221. 杉村沖治郎

    杉村委員 国鉄と鉄道会館とはどういう契約をなさつたのですか。
  222. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これはお手元に差上げてあるだろうと思いますが、昭和二十七年九月二十五日付で契約書のとりかわしをしてあります。
  223. 杉村沖治郎

    杉村委員 これが契約書であるとすれば、この契約書はわれわれが見たのではどういう契約書だかはつきりしない。この間の国鉄の人の答えでは、賃貸借契約だというようなことを言つておるのですが、この契約はどういう契約なんです。契約の性質はどういう契約なんでございますか。
  224. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 「東京駅八重洲口本屋建設に伴う費用負担及び構内営業その他について」という包括的な契約であります。
  225. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはここに書いてあるのだけれども、世の中にはいろいろの契約があつて、賃貸借であるとかあるいは合同経営であるとか、いろいろなことがありましよう七これは一口に言えばどういう契約なんです。
  226. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 構内営業についての契約であります。建物については費用負担の問題がありますから、それを条件としてあるわけであります。
  227. 杉村沖治郎

    杉村委員 しかしこれを見ますと、鉄道会館の方に所有権の移転やらいろいろなことが書いてありますが、これはどういう契約なんですか。あなたの方が鉄道会館から今頼まれて工事をやつておるというような話だが、その工事を頼まれてやつておるということは請負契約でございますか。法律上から言つてどういうことなんですか。
  228. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 国鉄には昔から請願工事というものがあります。その請願によつて委託を受けて工事の監督その他をやつておるのであります。
  229. 杉村沖治郎

    杉村委員 それじや鉄道会館から工事の委託を受けておるということは、つまり言いかえれば請負ですね。その請負をやつておるにもかかわらず、今度はその建物が会館の所有に一部かわつておるというのはどういう契約なんです。
  230. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは全部向うの費用でありますから……。こちらの使う部分だけが国鉄の費用負担であります。その他は全部会社が費用を負担するわけであります。
  231. 田中角榮

    田中(角)委員 根本問題に対して、二、三国鉄総裁にただしておきたいのであります。日本国有鉄道の経営というものに対しては、いろいろ問題があつたことは言うまでもないわけでありますが、占領軍治下において国論の統一ができないうちに、半ば強制的に現在のような独立採算制を行わせられたことはやむを得なかつたわけであります。そういう一つの現象として、駅舎、施設の改良等については早急に処置をしなければならないというような問題があつたことは、過般の赤羽事件を取上げなくとも、全国にこの種の問題は当然あるわけであります。もちろんわれわれの選挙区におきましても、老朽してその使用の任に耐えないという駅舎もあるわけでありますが、現在の国家財政の状況においては、独立採算制を原則としておるだけに、これが一般会計よりの繰入れは最も小さくやらなければならぬというところに、相当な問題があるわけであります。われわれ自由党としても、当時このような問題を処理する一つの具体的な方策として、停車場設置に関して、特別立法によつて株式会社停車場設置公社というがごときものをつくつてはどうかということが考えられたわけであります。これは国会において当然考えられたものであつて、この種の問題としては、郵政関係のビルの建設及び電信、電話関係のビルの建設に対しても同種のもくろみがあつたことは認めなければならない。ただこの問題については、私はこの種のアイデアをもつてつくられたと思うのでありますが、国鉄のかつての職員であつた方々が非常にたくさん役員に名前を連ねられているところに多少の問題があるように考えられる。  もう一つの問題は、でき得るならば、この種の問題は全国に非常に数が多いのでありまして、八重洲口の問題だけでなく他にこれを契機にして、全部解決しなければならぬというのでありますから、特別な法制措置をとられることが望ましかつたと私自身は判断するわけであります。その方法をとられなかつたところにも多少の問題があるのではないか。私は長崎さんがこのような問題に手をつけられたのは一つの新しい感覚であつて、新しい処置であると考えております。しかしある面から言われておりますように、加賀山君を社長とし立花君等が専務になつておられるという問題から見ますと、国有地を、特別立法、いわゆる基準法がないにもかかわらず、この種の手段をやつたことがおかしいというふうに見られているようであります。要は財源の問題でありまして、この種の問題を解決するためには、財源の捻出をいかにするかというところに問題があつたと思います。加賀山君や立花君はつけたりであつて、私は渋沢さんが一つのねらいでなかつたかということを平たくいつて考えるわけであります。私はそういう意味において、この問題を契機にして、少くとも法律をもつて基準立法をつくるか、もしくはこういう大きな問題に対しては、先ほど同僚議員が言われましたように、国鉄は一般公開入札によらなければならぬと思うのです。この種の問題に対する国鉄の原則的な感覚はよくわかるのでありますが、営業権というものがついたり、いろいろこれに対して、工事が終らないうちに敷金等が受けられておりますので、相当大きな利権が伴つておるのではないか、そういう会社に対してあなたも国鉄の土地を提供しておるところに、何か問題があるのではないかという感覚があると思うのでありますが、私たちは前段申し上げたような立場から、この種のものは法制をもつて新たにきめなければならぬということを長く考えておつたわけであります。あなた万が少し早手まわしにやり過ぎたところに問題があると思います。そこで、こういう事情にあるところの国鉄の現状として、このような手段をとらなければ、独立採算制がまかなつて行けない全国駅舎の数は、どれくらいあるかということをお答え願いたい。
  232. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 御説のように、全国の各駅に相当数寿命が来ておるものがあると思います。公共事業の進捗に伴いまして、ほかのところはでき上つておるのに、停車場は依然としてボロ停車場であるというような、みつともなくて困つておるものが相当ございます。そういうものの陳情も相当の数に上つておりますが、何といつても輸送力の増強、安全度の向上ということをまつ先にやらなければならぬものですから、それに追われてなかなか追いつかない。そこでどうしても資金がなくて、きたないものを並べておくというようなことで非常に困つておりますが、今まででも札幌、尾張一ノ宮、福井、富山、門司、松江、沼津、豊橋というようなところは、民間の資本と共同ででき上つたものであります。こういうような方式について法律の改正を要するかどうかという点につきましては慎重に考えて、今度の日本国有鉄道法改正の中には一部それに当てはまるようなものがあります。それで改正ができますと、誤解その他をお招きしないようになるのじやないかと思つております。
  233. 田中角榮

    田中(角)委員 私はこの種のアイデアはよいと思つておるのです。しかしこの実行に移す段階においていろいろな疑惑を生じてはならない。それは、こういう民間資本を入れなければこの種の問題は解決しません。私はそういう意味において、これはよいと思つておるのですが、疑惑を起さないような処置をとらなければいかぬ。特に八重洲口のような繁華街に対して、営業権を持ついろいろのものができるというので問題が大きく取上げられておりますが、同じ問題として、乗降口に関連して、国有鉄道の所有に属さない場所がありますが、こういうものは、府県と鉄道で半分ずつ負担しておる。この種の所属を鉄道にした場合、補修費は当無鉄道が持たなければならない。市町村に移した場合はどうなるか、こういり無償公開の原則に立つものもありますし、もつと大きな問題は荷さばきの問題です。いわゆる荷さばき所の施設は、これは鉄道の力だけではどうにもならない。こういう問題がたくさんあるのであります。私はこの種の問額に対して、あなたが今いわれたように民間資本を入れてやろうというのはもちろん政府から日本国有鉄道を独立採算制に切りかえた気持そのものと合致するのでありますから、私はあえてこれを非難するにあたらないと思う、というよりもこれは助成しなければならぬ。ただ問題になりますのは、国鉄そのものがこういう問題に対してもう少し慎重に考えられて、今国鉄法の改正によつて、こういう条文を入れて多少基準的のものをつくつたらどうかというお話がありましたが、私はこういう問題を契機として、どうせこういう処置をとらなければならぬのですから、長崎総裁としても政府とよく連絡をせられて——当然政府提案としてこの種のものには立法処置が必要だと考えるのですが、あなたのお考えはどうですか。
  234. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これらの民間資本導入、あるいは共同で建物の経営をやるとか、あるいは停車場の上をどうするとかいうような問題はいろいろな考え方があるのであります。それでそれらの点を十分に勘案して、適当な法律手段をとらなければならないとすれば、それは考えて参らなければならぬと思います。しかし今度の改正で私は一部目的を達成し得るのではないかと考えております。
  235. 柴田義男

    柴田委員 先ほど総裁から富山あるいは札幌においても民間の…     〔「まだ発言中だ、野党にばかり質問させることがあるか」と呼び、その他発言するものあり〕
  236. 田中彰治

    田中委員長 静粛に願います。
  237. 柴田義男

    柴田委員 これは資本を入れてやつておる、そして形においては今の東京の会館と同様な形である、こういうお答えでありますが、私どもの知つております範囲では、民営でなしに、札幌とか富山というところは、市あるいはその他の公共的団体が中心になつておると心得ておるのであります。われわれの考えておることは間違いでございましようか。
  238. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは場所によつていろいろ違つております。お説のようなものもありますが、市が中心になつ——市といつても、市は金を出すわけではないので、民間から金を集めて来て、市が持つておるような形になつておる場合もありますし、いろいろな場合があります。それでこれを統一するといつてもなかなかむずかしいのでございますから、ただいま田中委員からお話がありましたように、これは誤解、疑惑を招いた点はまことに相済まぬことでありますから、こういう疑惑を招かないようなよい方法を私は考えて行きたいと思います。
  239. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますと、今後各駅に、こうした駅舎の建設のためには、やはり八重洲口と同じような方法をもつておやりになるという御意思でありましようか。
  240. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは場所によります。全国の駅全部というわけには行かない、またその必要もないのじやないかと私は思います。
  241. 柴田義男

    柴田委員 先ほど同僚の吉田委員からの御質問がありましたように、国有鉄道の監理委員会として、もちろん記録は残つておると思いますが、この問題に関する御協議をなさつた日時がおわかりでしたならばお尋ねいたしたいと思います。  次の点は、土地をどういう形において賃貸されたのであるか、また賃貸の形が整つているのかどうか、これが第二点。  第三点は、鉄道会館の発起人会の最終日がいつでありましたろうか。それからこの契約書と申しましようか、あなたの方からの指示書と申しましようか、これが発起人代表加賀山殿となつておりまして、総裁のあなたの名前で営旅第一八四三号、日にちは二十七年九月二十五日となつております。そういたしましてわれわれが承知いたしておりますのは、株式会社鉄道会館が創立されましたのは九月一日となつております。そういたしますと、この書類というものが、日にちにおいてどういう関係てこういう狂いを来しておるのであるか、それが第三点。  第四点といたしまして、国鉄が、現在会館といたしましては権利金あるいは前家賃という形におきまして、三億数千万をすでにたな子からとつておるようでございますが、この中の何パーセントが国鉄収入でございましようか。先ほどの総裁の御答弁でございますと、独立採算制といつて、非常に経済的に困難を来して来るので、国鉄においても収入をはかる目的であるという御答弁でございましたから、この三億数千万円の収入の何。パーセントが国鉄収入でございましようか、承りたいと思います。
  242. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 この算定はなかなか入り組んでおりまして、こちらの使う場所、向うの使う場所、共同に使う部分と、いろいろありますので、目下計算いたしておりますが、調査の数字が出ておるはずでありますから、営業局長から御説明申し上げます。
  243. 柴田義男

    柴田委員 私は現実に現在どのくらいの収入をおとりになつたか、この一点を伺つておるのでございます。
  244. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 まだ一つももらつておりませんあとの日時等については、後刻調べまして申し上げます。
  245. 柴田義男

    柴田委員 それから監理委員会をやつた場合の日時とその記録、記録がございませんでしたらその日時。
  246. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 その日時は後刻調べて申し上げます。記録もございます。
  247. 柴田義男

    柴田委員 それから国有鉄道は土地をどういう形式において、どうした方法で会館と御契約になつたか。
  248. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 使用料として徴収する、また賃貸しをするのだ、貸してやるんで無償ではないぞということをはつきりいたしております。
  249. 柴田義男

    柴田委員 発起人会の最終の日時、それに附帯いたしまして、あなたの方から加賀山さんあてに出しました書類の登記の日時、これがかけ離れておるがこの理由いかん。
  250. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 発起人会の日時は後刻調べてお知らせいたしますが、かけ離れているのは、これは実は役所の悪いところなんですが、この案の起案のときは、まだ発起人代表であつたのです。いよいよこれが発送になつたときは会館ができておつた、こういうことで、判こをついている間にこういう齟齬を来したと思います。
  251. 柴田義男

    柴田委員 そうしますと、九月一日に創設された会社に対しまして発起人代表という書面か契約かわかりませんが、この書類を出しましたときは、約一箇月を要しておるということでございますか。
  252. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 その通りでございます。
  253. 田中彰治

    田中委員長 自由党の諸君に申し上げますが、質問通告には天野君一人しか通告しておりません田中角榮氏には通告がないのをやらしたのですから、お腹立ちになることは御無理でありますから、どうぞ御了承願います。
  254. 田中角榮

    田中(角)委員 そういうことをやる場合には、質問は通告順によつて行うということを宣言した上でやらなければならぬ。宣言しないでおいて、通告がないといつて許さないのはいかぬ。
  255. 田中彰治

    田中委員長 あなたは遅く来られたから、宣言しておりませんけれども、ここにちやんと出ております。
  256. 杉村沖治郎

    杉村委員 長崎さんに伺いますが、この契約はいつなさつたのでございますか。——それでは私の方から尋ねましよう、昭和二十五年九月二十五日になさつたのですか。
  257. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 その通りでございます。二十六日に請書が先方から出ております。
  258. 杉村沖治郎

    杉村委員 その昭和二十七年九月二十五日に契約したのであるかどうか知りませんけれども、「営旅第一八四三号、昭和二十七年九月二十五日、株式会社鉄道会館発起人代表加賀山之雄殿、日本国有鉄道総長崎惣之助」こういうように文書が出ておつて、この文書によると、その第十九条に「この承認は、株式会社鉄道会館が設立されたときは、そのまま移行するものとする。」こういうことになつています。それですから、このときに加賀山氏との間にこういう契約ができたのでありますか。
  259. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 そのうしろの方にもう一つ書類があると思いますが、こういう通達を出して、そのあと株式会社鉄道会館取締役社長加賀山君から二十六日に請書が出ております。これで私は契約ができたものと思つております。
  260. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると九月二十六日に契約ができたのですか。ところがここに、きようまた頂戴しましたこの書類によりますと、株式会社鉄道会館昭和二十七年九月一日設立としてありますね、しかるにこちらの昭和二十七年九月二十五日付の書面によりますと、「この承認は、株式会社鉄道会館が設立されたときは、そのまま移行するものとする。」ということになつているのですが、これは何かの間違いでしようか。どういう関係でございましよう。これはあなたの方からいただいた書類です。
  261. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは今もお答えいたしましたが、役所の手続でもつて、まごまごしておる間に会社ができちやつたのです。だからこれはほんとうは間違いです。これは訂正して出すべきものです。
  262. 杉村沖治郎

    杉村委員 まごまごしているうちに会社ができちやつたというが、先ほど私が伺つたのは、あなたと加賀山氏との間に約束をしたのはいつかと聞いたら、昭和二十七年九月二十五日と答えられたでしよう。そして、その書面のあとの方に持つてつて、「この承認は、株式会社鉄道会館が設立されたときは、そのまま移行するものとする。」と、こういう契約です。それが九月二十五日の契約だ。それでまた、さらにいただいたところのこの書類で言うと、株式会社鉄道会館の設立は、昭和二十七年九月一日となつている。おかしいじやありませんか。これはどういうのです。まずこれからはつきり聞いておきたい。元から聞いて行きませんと、いろいろ皆さん方がお聞きになつたが、土台の方が定まらないで、先の方のことをお聞きになつておるので、私には、まことに物足らない、というよりは、あた方の方の答えもわからないし、問われている方のこともよくわからない。さらにあなたの方では、鉄道会館から工事を請負つているのだ、こういうけれども、さてでき上つたものは、鉄道会館の所有になるというのです。そうすると、でき上つた所有になる建物の敷地はいかなる関係において鉄道会館との間に契約ができましたかということを聞かなければならない。ところがまだその契約もできておらないと言う。読売新聞にも書いてあつた。なぜ賃貸借契約をしないのですかと言つたら、まだ今に値上りするだろうから、値上りをするまで待つておるのだと言う。しかも土地の賃貸借契約がないにもかかわらず、そこのところへ建設をしておつて、鉄道会館ではもはや業者にその店舗を貸して、金を一坪について一万円ぐらいとつておる。三箇年分前取りをしておる。そうして国鉄の方には百も入つておらない。まことに不可思議な関係にある。そこで私は根本から確かめたいと思つて、あなたの方からお出しくださつたこの書類を見れば、昭和二十七年九月二十五日に、加賀山氏との間に契約をしておる。今度契約書には、鉄道会館ができたならばそのまま移行するということが書いてあるのです。そうして今度はきよう出されたこれを見れば、会社の設立はそれよりも二十五日前の九月一日にできておるではありませんか。おかしいですよ。これはこんなものはただからくりにつくつて、あなた方と加賀山さんや渋沢さんや、金持が集まつて、あそこのところで一もうけしようというので、やつたのじやないか。ひとつ卒直に答えてください。
  263. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 今申し上げたことに誤解を生じたかもしれませんが、九月二十五日付で私の方から書類をつくりまして、それに対して九月二十六日に、この条件でけつこうでありますという承諾書が来ておる。ですから、ほんとうに言つたならば、それは九月二十六日、すなわち株式会社鉄道会館取締役社長の名で返事の来たというのが、契約のできたときだ、こういうことだと思います。なおその九月二十五日ということは。これはまつたく御指摘の通り、直してやるべきであつたのでありますが、つまりこの案をこしらえたときは一箇月ぐらい前だつたのであります。それをぐるぐるまわつておる間に会社ができちやつて、結局二十五日に発送になつた。こういうことで、ちよつと役所のやり方のいけないところを暴露したようなものであります。それでおわかりだと思います。
  264. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、この九月二十五日というのは、その日付は誤りであるかもしれませんが、最初の約束は、発起人代表加賀山氏との間にやつたということは、間違いないのですか。
  265. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは今申し上げましたように、返事は、株式会社鉄道会館の社長としての返事が来ておるわけであります。この条件で承諾するという……。
  266. 杉村沖治郎

    杉村委員 返事を聞いておるのじやない。あなたが最初にこういう文書を——これはこの昭和二十七年九月二十五日という日付が間違いであれば間違いでいいです。間違いはしかたがない。けれども、こういう間違いをしたものをこの委員会へ出されるとすれば迷惑です。間違つたとすればしかたがない。しかしこの内容を見れば、これはまだ会社のできないうちの内容じやありませんか。従つてこの内容は、加賀山氏との間にあなたの方では意思表示をなされた、こういうことになるじやありませんか。
  267. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 移行するのですから、別にさしつかえないと思います。会館ができて、それに移行するというだけですから……。
  268. 杉村沖治郎

    杉村委員 そのさしつかえがあるとかないとかいうのではない。われわれが法律家なるがゆえに、あるいは少しくどいかもしれませんが、契約だとすれば、それはいわゆる株式会社鉄道会館契約したのではないように思われる。だからこれはただ加賀山氏との間にあなたの方でこういうものを契約をなされた。そうしてこの契約をなされたことが、鉄道会館に移行するというようなことの内容の契約が、加賀山氏との間になされたのではありませんか。こう言うのです。
  269. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 この書面は発起人代表の加賀山氏にやつたわけであります。そうしてよろしい、受けた、承諾をいたしました、この条件でけつこうでございますという返事は、会館の社長としての加賀山君から来ております。
  270. 杉村沖治郎

    杉村委員 そのくらいでおいておきましよう。しからばあなたは先ほどの答弁で、工事の請負をした、委託工事をした、こういうわけですね。しかるにその建物は、会館の所有になるように書類の上になつておるのです。そうすると、それはどういうわけですかと聞いたら、それはこちらで委託でやつておるのだ、向うの所有になるのはあたりまえだと言う。それはそれでよろしい。しこうして十二階というような大きな建物、それは床面積はそれほど大きくないかもしれませんが、あの十二階の総面積は大したものです。今のところ東京第一のビルといわれておる。その敷地の賃貸借契約があるのか。あなたの方が工事を受けて、無償で貸す約束なんですか。賃貸借契約があるのかないのか。あるとすれば、幾らで貸したのか。面積はどれだけなのか。そういうことが伺いたい。
  271. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは無償で貸さないということをはつきりさせてあります。金をとるということははつきりしております。それからそのとる料金等については、構内営業規則によつてとる。
  272. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、建物は向うの所有になり、そこの敷地は向うの専有になるのだから、賃貸借契約をすれば、賃貸借契約というものは、ものを光に使用させて、その対価をとるのが賃貸借なんです。従つてものの範囲も限定されなければならない。賃料もまたきめていなければ、面積も定めてなくて、いつ賃貸借契約が成立したか。貝貸借関係がなくして、向うに専有させる、向うに移転して行くのでありますか。どういう法律関係でそういうここをさせておるか。しかも会館の方ではたくさんの店舗を貸して、きのう私どもは見せてもらつて来たのですが、一坪一万円ぐらいの権利金を三年分ぐらいとつております。向うではすでにその土地を使用収益しておる。それはどういう関係になるのですか。
  273. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 お手元に図面まで行つておるはずでございますが、それをごらんくだされば、大体区分はわかると思います。それから所有権の問題ですが、これは向うの金でやることになつ薫る。われわれの方の停車場というものは、これは国有鉄道が自分で金を出して、自分の財産として持つのであります。それらの関係、これはなかなか私はむずかしい計算になると思いますが、しかしこれは前例もございますから、計算はできることはできます。
  274. 田中彰治

    田中委員長 総裁にちよつと聞きますが、そんなむずかしい問題を、契約書もとりかわさないで、賃料もきめないで、あなたはどう解決されるつもりでございますか。もし事あつたとき、あそこに事故があつたとか、火事で焼けたとか、あるいは鉄道会館が途中でつぶれたりするというときに、どう解決されますか。あなたの責任で解決されますか。
  275. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは営業規則でもつて計算してとるということがはつきりしておりますから、今ただちに計算をしなくとも——これは概算でとります。概算は急いでとるつもりであります。しかし精算はでき上つた上でないとなかなかむずかしいと存じ寺。
  276. 田中彰治

    田中委員長 それはとるつもりでやつてつても、とれなかつたらどうするか。その金をほかに使つちやつて、火事か地震でこわれたというときにはどうするのですか。あなたは責任をとられるのですか。
  277. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 こつちで払う金もまだ払つておりませんから、それも相殺するとか……。
  278. 田中彰治

    田中委員長 しかし向うはその土地を使つて、建物をほかに貸しておる。この土地はあなたの土地ではない。大事な国有地に準ずる土地です。それを向うは建物を建てて、一階は鉄道が使つておると言うけれども、一階の中にも民間の人が入つておる。そういうものが火事で焼けたとか、その会社がつぶれたときは、その土地の所有権というものはほかへ競売されたり、いろいろなことをしますよ、差押えを食つたらどうしますか。
  279. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 いや、それは、そういうことにはなりません、ちやんと契約はしてありますから。
  280. 田中彰治

    田中委員長 どういう契約ですか。あと契約するつもりでおるのでしよう。
  281. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 急速にするつもりでおります。
  282. 田中彰治

    田中委員長 急速といつても、今まではそういうような用意の補償はしていないんでしよう。地震があつたときどうするか、会社がつぶれて地上権が——地上権は担保に入れたり、売買できますから、差押えもできます。そういうことをされた場合にあなたがどういう責任を持つてこれを解決されるか、それに対するどういう補償をするかということをお聞きしておる。
  283. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは国鉄の持つている土地ですから、担保に供することはできません
  284. 田中彰治

    田中委員長 じようだんじやありませんよ。どんな国家の土地でも建物を建てて地上権がつけばできますよ。そういうことを研究なさつたのですか。
  285. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 第十四条にこういうことが書いてあるのです。「会社は、国鉄の承認がなくては建物を担保に供し、又は第三者に譲渡することはできない。」
  286. 田中彰治

    田中委員長 それではそうやつてとめてあるものに、どうしてあなたは建物を建てたのですか。これの条件としては共同入札させるとか何とかいうのを、あなたは加賀山さんでなければならぬというので、あなた個人でとりはからつて、とにかく設立委員長の加賀山さんにあなたがやられた、だから地上権がそこについて契約ができた。できればそこに一つの権利が占有される。そういう場合にもし会社がつぶれたらその地上権は、その契約書によつて差押えはできますよ。そうした場合にはどうするのですか。
  287. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは一般の借地借家法の適用があるという点については疑義があります。それは公法上の関係があるから……。
  288. 田中彰治

    田中委員長 研究しましよう。天野公義君。
  289. 天野公義

    ○天野委員 今の問題について総裁にお尋ねしたいのですが、この間東京駅を拝見いたしましたところ、本屋建築の部分を除いたほかの各会社の店舗になるところは、すでにほとんど使用しておる現状でございます。それから今日いただいた資料によりますと、すでに賃貸料を三箇年にわたつて前納を会社が受けております。こういうような状態のときに、どうして国鉄は一銭も会社からとつていないのですか。
  290. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは地代の算定その他実績等もまだはつきりしておりませんから、実績等を参酌してきめるのです。
  291. 天野公義

    ○天野委員 会社の方ではちやんとこのように地代その他を参酌した上で営業ベースに乗つているところの賃貸料をとつているはずだ。片方がちやんときまつているのに、国鉄がきまつていないというのはどういうわけですか。
  292. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは共用部分があつたり、店の売上げ実績というものもわれわれの方では参照するわけです。
  293. 天野公義

    ○天野委員 そういう売上げ実績や何かがわかつているからこそ、業者はちやんと金を払つて、そこに入つて、品物を並べて商売をする。この下の部分を全部借りて、すでにやつているんですよ。一体総裁は国鉄の財産についてどういうお考えを持つているのですか。
  294. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それともう一つは、店を開いたのは七月一日です。全部一斉に開いたのではなくて、漸次開いております。それらの点も考えまして、今急速に地代その他もきめようと思つております。
  295. 天野公義

    ○天野委員 一般の場合はちやんと権利金を払つて、それからそこを借りるのが普通ですよ。また国有財産でもちやんと契約をして金を払つたからその使用をするのが普通の常識だ。(「その通り」)ところがこの東京駅の場合に限つて先に店を開かし、先に会社に貸して、そして国鉄は一銭の収入も得ていないというのはどういうわけなんですか。
  296. 田中彰治

    田中委員長 大きな声で御答弁願います。
  297. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それはなるほどそういうことは考えられます。考えられますが、今申し上げましたように、実績を見てとる——とらないというのじやありません、商売の実績を見ませんとわかりませんから……。
  298. 天野公義

    ○天野委員 商売の実績というような問題はこれは後の問題です。商売人は商売の実績からこれくらいの金を払つたつてちやんとペイするつもりで三年分も金を払つておる。私をして言わしめれば、極端にいえば、あそこは日本一の土地ですよ、権利金坪五十万円しても借手はありますよ。そうして一月賃貸料としてこれくらいの金はみな払うでしよう。それくらいの価値のあるものを会社にかつてに貸して、そしていまだ一銭もとらない。会社は三年分の賃貸料はちやんととつておる。あまりひど過ぎるじやありませんか。大体総裁はこの国有鉄道の財産についてどういう考えを持つているのですか。
  299. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 いろいろそういう御意見もあろうかと存じますが、共同に使う部分もありますし、専用の部分もありますし、いろいろしますので、それらの算定に手間どつておるのであります。なお日本国有鉄道の財産の保全については、十分なる注意を払つて最もよい利用方法をとつている、こう考えております。
  300. 天野公義

    ○天野委員 共同の部分とか何とかいうのはちやんと地図にも出ていますよ。あそこに行けばちやんと店も入つていますよ。そういうようなことは逃げ口上というものだ。大体総裁はまずこの公社の財産についてどういう考えを持つていますか。
  301. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 今申し上げましたように、日本国有鉄道の財産というものは、国からわれわれが委託を受けて経営するようなものであります。そういう法律関係はないかと思いますが、私はそう心得えております。ですから十分なる用意をもつて最も能率のよい経営方法をやつております。
  302. 天野公義

    ○天野委員 先ほど私がお尋ねしましたこの構内をすでに会社に貸し業者はちやんと会社に権利金を払い、賃貸料を払つてここで商売をしておる。そのときにこれが不当であるとして総裁はこの撤去命令をしなければならぬような事態が起つたならば、国有財産の保全のために一体どういう処置をおとりになりますか。
  303. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 この契約にはいろいろ条項がありまして、国会鉄道の必要のある場合においては施設の変更もできるし、種々なことが書いてあります。
  304. 天野公義

    ○天野委員 種々の変更ができるだけで、はたして撤去命令ができますか。居住した者にはちやんと権利が生じます。そんなことは、もう少し法律を研究していただきたい。大体国有財産に対する所見として総裁はきのう読売新聞記者との会見で、今朝の新聞にこういうことを言つておる。「国鉄の所有地は国有財産ではない。したがつてこの運営管理は政府に干渉されることはない。」こういうことを明言されておりますが、その通りでございますか。
  305. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私は昨日は記者の方にお目にかかつておりません
  306. 天野公義

    ○天野委員 ちやんと記者との一問一答が出ております。そしてこういうような考え方があるからこそ、こういうような国有財産というか公社の財産の使用をいたすような結果を来しておると、われわれは判断せざるを得ないのであります。そうでなければ、ちやんとした契約をかわし、賃貸料をとり、しかしてはつきりした公入札をしてこれを貸すとか何とかするはずでございます。本屋建築はなるほど駅の建物であつて重要であるので、あるいは一定の者についてこれを契約するということがあるかもしれない。しかしながらあの駅の構内のものはあれでは公入札で貸したつていいでしよう。これはまことに納得が行かないのでございますが、こういうような公社の財産についての管理に対する根本的な考えをもう一度重ねてお伺いしたい。
  307. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 ただいま申し上げましたように……。
  308. 田中彰治

    田中委員長 大きな声で御答弁願います。     〔「委員長のごとく……」と呼ぶ者あり(笑声)〕
  309. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 はい。これはわれわれの私有財産でもなければ何でもない。最も貴重な国の財産でありまして、国民から信託を受けてわれわれが経営に当つておるというような関係にありますから、十分なる注意を払つて経営能率のよいものをつくることにあると私は考えております。
  310. 天野公義

    ○天野委員 それだからこそどうして一銭もおとりにならないのですか。大体普通われわれが商売をしたい、土地を借りたい、家を借りたいというような場合には、商売をして、それから金を払いますでは、土地も家も借りられませんよ。これが世界共通の原則でごさいましよう。国有鉄道だけがどうしてそういうことが許されるのですか。法律には一体どういうことが書いてありますか。その準拠法律は一体どれですか。貸しておいて金をとらなくてもいいような法律がどこにありますか。そしてできてから、金をそれじや折半にいたしましようというようなことがはたして許されることですか。さらにもう一つけ加えれば、今度の本屋建築にいたしましても、国鉄が請願工事をやつているでしよう。請願工事をやつているものを一般の民間の会社に譲渡することが現行法でできますか。
  311. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは請願工事というのは工事をやることを委託されておるのでありまして、物それ事態は会社のものであります。たとえば停車場の部分は国鉄のもの、しかしそのほかの上の工事等についても停車場との間に関連がございますから、これも請願工事として、どうぞこのものをつくつてください、金はお払いいたします、その金についても保証をとつてちやんと払わせております。
  312. 天野公義

    ○天野委員 今の問題はあとにまわすといたしまして、さつき私が問うた点をもう一度御答弁願いたい。たとえば一般のものであるならばちやんと金を払つて、それからそこで商売をするのであります。商売の結果というものは商売をする者の責任になるというのが一般の常識である。世界通例の商売の原則である。成り立つたから金をやるとか、成り立たないからこれをもつと減額して補助するとか、そういうような商売のやり方というものは世の中にはございません。それがどうして国有鉄道にだけは許されるのか、あそこの場面にだけはどうして許されるのか、これをひとつ明快にお答え願いたい。
  313. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 いろいろな原因がございますが、むろんそれは四隣の地価もありますし、そういうものをとつてつてもできますけれども、これも税務署の見解あるいは勧業銀行の見解等を聞いてみますとまちまちでなかなかきまらないということも一つでありますが、これは早急に概算でもいいからとらなければならぬと私は思つております。
  314. 天野公義

    ○天野委員 どうも納得が行きませんね。それは概算であとからとるとかなんとかいつたところで、ここにちやんと入つて占有権ができてしまつている。これはどうしても私は納得が行きません。それから総裁は知らないと言つておりますが、ここに一問一答として、「総裁の権限で列車の運行を一切停止することはできるが、政府にはできないではないか。もちろん慎重な運営は当然行わねばならないが……。」こういうような、国鉄の列車の運行それ自体にも総裁の権限として干渉できるような総裁談がここに出ているわけでございますが、この総裁の談話を通ずる思想というものは、この東京駅のいろいろな問題にからんで出ていると私は考えるわけでございます。どうでございますか。
  315. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私はきのうは、新聞記者にだれもお目にかかつておらぬのですが、何かの間違いじやないかと思います。しかし私がかつてに何でもできるような、そんな乱暴なことを言つた覚えはありませんし、これは法規の命ずるところいろいろございますから、それに従つてやらなければならない。またわれわれの任務は先ほど来申し上げているように、輸送力の増強あるいは輸送の安全確保というようなところに重点がございますから、そういう面で、列車をとめることもできるなんというようなことは、私は思つておりません
  316. 天野公義

    ○天野委員 それでは先ほど総裁はあとでこの土地の賃貸料その他をとると言つておられまするけれども、大体どれくらいの見積りで、いつごろおとりになる腹づもりでございますか、それをお伺いしたい。
  317. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 概算でございますが、五千万円程度でございます。
  318. 天野公義

    ○天野委員 五千万円というと、この地図のどの部分が五千万円でございますか。
  319. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 大体会館構内における概算でございますが、その内訳は用地の使用料それから構内営業料、建物使用料、この三つになつております。
  320. 天野公義

    ○天野委員 一年間ですね。
  321. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 一年間に五千六百万円でございます。
  322. 天野公義

    ○天野委員 これは日本一の土地でございます。また国の財産に準ずる財産でございます。従つて国に不当な損失を招かないような価格でおきめ願いたい。  それからけさ出ておりました読売新聞のあの記事はお取消しになるのですか、お取消しにならない御意思でございますか。それとも全然知らないということでありますか。
  323. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 昨日は私は全然読売新聞記者に会つたことはございません
  324. 田中角榮

    田中(角)委員 関連して二点だけお聞きしたいと思います。ただいまの総裁の発言によりまして、書面において契約はしておつても非常にむずかしいので地代等は徴集しておらぬという問題がありまして、確かに一般的なケースとは違つた方法をおとりになつておるようであります。その意味におきまして私はただしておきたいのでありますが、この建物は非常に新しいケ—スのものでありますから、使用土地の賃貸借の条件の決定、負担金の分担率の問題というものが起きて来ると思います。それから特に供与部分に対する賃貸率の決定、それからこれはまつたく新しい問題だと思いますが、二階までは国鉄の所有物件でありますから、三階以上は会社の所有物件ということになりますと、今までの土地所有権、借地権という問題でなく、新しい角度から二階以上の建物を建てるための屋上の面積をどういう賃貸率で扱うかという新しいケースの問題が出て来る。それに対していろいろな問題があるのでこういうようになつたと思うのであります。いわゆる国有財産に準ずる非常に重要な問題であるから、各委員がここにおいて深刻に問いただしておる、こういうように見られるのであつて、私はもつともだと考えております。そういう意味におきましてこの種の問題は早急に解決しなければならないのでありますし、また慎重に、しかもすみやかに解決せられるという発言をそのまま受入れるとしても、この種の非常に新しい複雑な問題でありますので、総裁一人で御決定になるのか、新しい審議会のようなものをつくつて適正な価格を定めるのか。今までやつたものが新しいケースであるから相当成行きを見なければわからないというような意のあるところはわかるのですが、一般的な条件と違うのでこういう質問が重なると思う。そういう意味において総裁はこの種の問題を早期に解決するために何らかの審議機関をつくる意図があるかないかという問題を質問しておきます。
  325. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは今も申しましたように、非常に研究を要する点が多々ございます。つきましては部内の研究はもちろんのことでありますが、必要によりましては部外の専門家の御協力も得たいと思います。むろん監理委員会には相談をいたします。
  326. 田中角榮

    田中(角)委員 こういう問題を解決して行かなければ、この問題は新しい問題でありまして、将来に禍根を残しますから、機関をつくつて慎重に御審議を願い、国民が納得できるような処置をとられたいことを要求しておきます。  第二の問題は、これは国鉄の技術者にただしたいのでありますが、いわゆる国鉄の運行上、鉄道保安上の問題としまして請願工事をやつておりますが、この種の問題に対しては、請願工事を将来三階以上全部行う意思があるかないのか。これは私の卑見の一部ではありますが、やはり二階以下の部分は、当然国鉄の物件として取扱つてこれが共有部分、それから一部使用の部分は構内営業として当然運営すべきものである。そうして新しい問題としては、三階以上は新しいケースによつて会社の所有にした方が非常に立場上よいと思いますが、こういうものに対する総裁のお考え。  それからもう一つ、この種の問題がたくさん出ておりますが、こういう営利会社が行うものだけでなく、先ほど育つた荷扱い機関等に対しては、広汎な意味で保安上必要ありという見解で、将来とも国鉄は現在行つております請願工事の態度を堅持して行かれるかという問題について、質問しておきます。
  327. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 まつたくお説の通りでありまして、三階以上について外国等にそういう例があるそうでございます。アパートなんかは、アパートだけを買う、下の方は家主が持つておるというような例もあるようであります。そういうような事例をもいろいろ参酌しまして内外事情を十分調べてやつて行きたいと思います。  なお請願工事あるいは荷役の問題、それから倉庫の問題等につきましても、これはでき得るならばやはり何らかの方法で民間の資本とともに早く整理して行きたいと考えております。これらの方法も着々考えております。
  328. 田中角榮

    田中(角)委員 将来とも技術的ないわゆる鉄道保安上の問題について工事管理者は大体今までの通り国鉄自体が行うか。
  329. 江藤智

    ○江藤説明員 国鉄自体の手でぜひやらなければならない。また現在やつておりますのは列車運転に直接関係のある箇所、あるいは旅客公衆が直接使つておる場所、すなわち駅の部分あるいは線路に附帯しておりますところの工事は、これは外部の工事でございましても、全部金を予納あるいは銀行保証という方法で前納してもらいまして、国鉄自身の手で行つております。本工事もそれに準じまして金を鉄道会館から予納あるいは銀行保証であらかじめとりまして、国鉄の手によつてこれを施行しておる、こういうわけでございます。
  330. 田中角榮

    田中(角)委員 三階以上のいわゆる国鉄関係しない部分もそういうふうに行うおつもりであるかどうか。
  331. 江藤智

    ○江藤説明員 実際は、二階と申しますか、三階と申しますか、国鉄で使う駅の部分から上は会社でやつていただきたいのです。ところが実際問題は鉄骨などが一階から二階、三階とずつとつながるものでございますから、鉄骨及びコンクリートを打ちますところまでを委託を受けまして、屋内の内面仕上げ、あるいは軽間切というような会社自身でなされ得る部分は会社自身の手でやられる、こういう方法でこの工事は進んでおります。
  332. 田中角榮

    田中(角)委員 江藤さんに注意を申し上げておきます。先ほど申し上げました通り、新しいケースとして三階以上という場合に、二階の屋家の面積が新しく法律的に生れて来る問題でありますので、だからこういう問題に対しては法律処置を講じておいた方がいいと思いますので、このような問題に対しては万全の措置を講じられるように希望しておきます。
  333. 田中彰治

    田中委員長 総裁に申し上げますが、この新聞をきようごらんになつたでしよう。今津田説明員が見て知つているとおつしやいましたが、あなたがこういう意思でなければ、これを取消さないと、この委員会は徹底的にこれをやりますからね。新聞に出ておりましたが、それをよくただされるように。  それからもう一つあなたの方の課長会議で決算委員会何ものぞ、やるならやつて見よという協議をなさつたことも、決算委員会はちやんと調査して知つております。あなた方、そういう考えを持つておると、ここから刑事被告人を出して見せますから、あなたもよく覚悟なさつてください。取消さないとやりますよ。
  334. 杉村沖治郎

    杉村委員 総裁に尋ねますが、あの工事はあなたの方では請負工事、委託工事と言つておりますが、国鉄のいろいろな工事のうちでも大きな方の工事だろうと思うが、国鉄の予算のうちに計上されておりますか。
  335. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 こちらの停車場になります部分の経費だけは計上されてございます。しかもほんの一部分でございます。
  336. 杉村沖治郎

    杉村委員 予算に計上されてあるということですが、そうするとこの契約によつて国鉄の方で鉄道会館に何らかの債務負担行為はありませんか。
  337. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 何もありません
  338. 杉村沖治郎

    杉村委員 工事の委託を受けて、やろうかやるまいかはあなたの方の自由であつて、いつ幾日までに完成して、これの引渡しをするとかなんとか、そういうような債務はないのですか。あなたの方は頼まれたんだから、つくりたければつくるだけで、それの履行行為ということは何ら債務にならないのですか。履行行為に対する約束、債務というのはそういうことを言うのですよ。あなたの方で委託されたから——金も受取つているのでしよう。その金を受取つてふところに入れておいて、いつでもつくりたければつくつていいというのですか。債務はないのですか。
  339. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは日本国有鉄道に対する信頼の一面だと思いますが、別段いつまでという約束はいたしておりません。しかしできるだけ早くやつてやろうと考えております。
  340. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると実際の費用は、工事費も何も全部前に受取つておりますか。
  341. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 会社側から委託を受けておりまする契約額は、六億三千四百万円であります。それに対して予納額が六億四千五百万円であります。
  342. 杉村沖治郎

    杉村委員 六億四千五百万円を現実に受取りましたか。
  343. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 受取つております。銀行保証もあります。
  344. 杉村沖治郎

    杉村委員 その請負によつて、請負人との契約はどこがやつておるのですか。
  345. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 請負人との契約国鉄がやつております。
  346. 杉村沖治郎

    杉村委員 いかなる契約をなしておりますか。
  347. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 請願委託工事規則がありました、それによつて請負契約をやつております。
  348. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたは鉄道会館から委託工事を受けるのについて、幾らの予算で委託工事の請負をいたしましたか。
  349. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それはその都度工事の分量に応じてだんだんやつてつておるわけであります。
  350. 杉村沖治郎

    杉村委員 どうもわれわれがそういう工事のことについてなれてないと思つてあなたお答えになるかしれないが、あの十二階のような大きな建物を建てるのに、あるいは東京駅のあれだけの工事をするのに、その都度ということは一体どれだけずつの——そんなことでできますか。そんなでたらめなことであの大きな建築ができるはずはないでしよう。少くとも設計というものがなければなるまい。今そんな答弁では私ら納得できませんよ。
  351. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それはむろん全体としては設計はございます。それに対する総額が大体二十六億、こういうふうにきまつておるのですが、現実に仕事をやつて行くには根こ入れをやるとか鉄骨を組み立てる……。
  352. 杉村沖治郎

    杉村委員 それを聞いておるのだからちやんと説明したらいいでしよう。私ら二十六億か百億かそんなことは知らぬ。
  353. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは資料として差上げておるはずであります。
  354. 杉村沖治郎

    杉村委員 それは資料と言つたつて、さつきみたいにあんな間違いがあるから、あなたの口頭で答えてもらいたい。どこの何組とどういう契約をしておるか。そうして危険負担はどうなつておるか。工事の危険負担はどちらですか。
  355. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは普通の鉄道工事の場合に、大体契約条項がきまつております。危険負担の問題もその条項の中に入つております。
  356. 田中彰治

    田中委員長 早く答弁願います。
  357. 杉村沖治郎

    杉村委員 答えてくださいよ。何です。
  358. 江藤智

    ○江藤説明員 鉄道工事の……。
  359. 杉村沖治郎

    杉村委員 この工事でいいです。
  360. 江藤智

    ○江藤説明員 この工事は鉄道工事に準じておりますから鉄道工事として扱つております。
  361. 杉村沖治郎

    杉村委員 この工事としてどうなつておるかを聞きたい。そんなよけいなことを言わぬで、この工事でどういうことになつておるか。
  362. 江藤智

    ○江藤説明員 天災地変のときは、これは国鉄の負担でございます。それからそれ以外の場合、すなわち途中で水が出た、この水も天災地変と認められないような問題で事故を起しました場合は、業者の負担になります。
  363. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうするとその受取つた金は返さなくていいわけですか。国鉄の負担になるということになると、委託されるたびに金を受取つておるのだが、それはどうなるのですか、国鉄が負担するのですか。
  364. 江藤智

    ○江藤説明員 そういう天災地変が起りまして、この予納金を越えた場合普通はこの予納金額と申しますのは、ここにも出してございますように、先ほど総裁からも御説明いたしましたように、安全のために契約金額を越えてもちろんとつております。しかしもし天災地変でもあつてそれを越えたような場合には、ただちに追徴して会社の方から埋め合せるよりしようがありません
  365. 杉村沖治郎

    杉村委員 二十六億円もかけた建物とその他について、さらに先ほど何か地代をとるとすれば全部で五千万円というようなことを答えられたが、これはいかがですか。これは昨日私どもあすこへ行つて聞いて来たのだが、一つについて三年分もとつておるのですよ。それだけでも非常に莫大な金であつて、二千万円くらいとつておる。それを五千万円くらいではあまりにも安過ぎやしないか。     〔「杉村君、五千万円じやない、資料を見なければだめですよ。」と呼ぶ者あり〕
  366. 山田長司

    ○山田(長)委員 大体こういう大きな工事をなさるのに指名入札さしたものか、それとも特別な方法があるのか、それをちよつと伺いたい。
  367. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 ここは大事でありますから、指名競争入札でやりました。
  368. 山田長司

    ○山田(長)委員 どういう業者が出て指名入札されたものか、それからその差はどのくらいあつたちよつと伺いたい。
  369. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは指名でやりますが、鉄骨の問題その他いろいろな問題がありまして、非常にたくさんの業者が入つておるのであります。これは調べまして後刻お答えいたしたいと思います。
  370. 田中彰治

    田中委員長 それではその資料を明細に出してください。山田君、資料を出すそうですから……。
  371. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 少しもとへもどるようですけれども、総裁に聞きたいのです。あなたはしばしば国の信託を受けた事業、従つて財産の管理を国有財産の管理のような、それほど慎重な態度でもつてなさつておるというような趣旨で御答弁になつておる。そこで聞きたいのですが、構内の土地、今店舗がたくさんに出ております。あれを一応問題にしたいのであります。こういう場合には他人に利益を得せしめて、他人に使用収益せしめて、国が何らの利益をまだ得られないということは、一体財産管理の適当な方針、管理の方法と言えましようか。あなたに聞いてみたい。
  372. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは先ほど来しばしば申しましたように、確かに遅れてはならぬのでありますが、なるべく公正な料金を計算するという意味で今までまだ計算しておるわけであります。しかしこれは迅速に、概算でもいいからとろうというふうに思つております。
  373. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私ども常識で考えてみまして、ほんとうに適正に国の大切な財産を管理するという場合には、他人がその物件を利用いたしまして数億円の利益を獲得して、なお国はそれによつて何らの使用についての利益をも得ることができないということは、それは国の財産の適正な管理と思えぬのですがどうですか。それに関連しまして会社はあれの利用によりまして、現在何ほどの金を利得しておるか、利得というのが語弊があれば取得しておるか、あわせてあなたのお考えを聞きます。
  374. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 管理するのに早く賃貸料、地代を計算してやれというお話、それはごもつともであります。しかしこれはなかなか複雑でありまして、共同部分あるいは専用部分、あるいは空間とかあるいは会社自体が今度金を出してつくつたもの、いろいろあるのであります。それでそれらの計算に手間取りまして遅れておりましたが、これは概算でもいいから早く精算を急ぐ、こういたしたいと思つております。
  375. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ひとつ誠意をもつて答えてほしいと思うのです。あなたは天野委員質問に対して、個々の店舗の収益がどれほどあるかということも計算の上で使用料をきめたい、そういうようなことをおつしやつておる、ところが個々の店舗には国鉄が貸しておるのではない。使用せしめて金をとつておるのは会社なんです。だから会社との間にそれは社会通念的に相当な土地利用価格というものが算定されなければならぬ、すでに会社に対して何らかの権利を付与して約十箇月になる、そして会社は数億円の巨利を所得しておる、純益でなくても収入を得ておる。安閑として早い期間にその収益も見て賃料その他国鉄の方の所得をきめる、そんなことで国有財産の管理ができますか、この点について会計検査院の所見を伺つてみましよう。
  376. 大沢実

    ○大沢会計検査院説明員 ただいまの吉田議員の御質問でありますこの鉄道会館の問題は、会計検査院といたしましても、いろいろな面から一つの疑問を持ちまして検討中でありまして、ただいま約三時間にわたつて質問のありました点など、ちようど会計検査院といいますか、主管の局長といたしましての私、及び主管の検査の課で疑問を持ちまして、ただいま国鉄当局の方に照会を発しまして、その疑義をただしている次第でありますが、そのうちの特に疑問に思います点を申しますれば、第一に、実質的には随意契約で土地を貸しているか、これが妥当であるかどうか。これは一般の空間地を貸すならば、当然一般競争入札で貸さなければいかぬが、ああいうひとつの付帯条件といいますか、建物をつくるという条件でやるときに、どういう方法で入札したならば適当か。こういう点で普通の一般競争入札でなく、何か特殊の、国鉄法でいいますいわゆる公正協議、これでもつてつたならば適当な方法があるのではないかという点を、第一点としてただいま検討いたしております。  第二点といたしましては、先ほど来お話のありました土地の貸付料の問題よしや第一点の随意契約によつて土地を貸与するということが一応認められたといたしましても、土地の貸付料は、当然土地の貸与と同時に徴収すべきもので、これは時価の百分の六といいますか、時価の六%年額とるということが、国鉄の内部の財産貸付規程にきまつております。結局その時価を早く計算して貸付料をとるべきである。  第三といたしましては、貸付した土地の通路のところに鉄道会館が上屋をつくつております。この上屋に対しては、一応申合せで、国鉄があそこに高架線をつくる場合には、ただちに何らの補償を要せずして撤去するということになつておりますが、線路の増設になりますのは何年あとかわからない、それで鉄道会館の経営者もかわるといつた場合に、一片の文書のとりかわしではたしてあれが撤去できるものかどうか。これはエンパイヤーの問題もありましたが、あそこでへたをすると地上権的なものができて、補償しなければ撤去しないことになりはしないか。これに対してどういう保証をとつているか。大きく言いますとその三点。  それから、ただいまあまり御審議にはなりませんでしたが、あそこのいわゆる駅として使う部分だけを国鉄は経費を負担すればいいわけですが、その場合の計算方法。大体において会計検査院といたしましては、一つの仮定設計ではありますが、あそこに一階の駅舎をつくるとすれば、どれだけの経費がかかるか、これだけの経費を国鉄が負担し、それが十二階になるために柱も太くなるとか、あるいは地下も深く掘らなければならぬというような経費は、国鉄が負担すべきではないであろうと考えております。この点は、ただいま知つておりますところでは、容積比と申しますか、全体の建物が何立米になるか、そのうち国鉄使用分が何立米になるか、その容積比で工事費を負担しようということで、たしか話合いができておるものと思いますが、はたしてその方が有利であるか。あるいは私が申しましたように、一階の駅舎をつくるとしての設計をやつた方が有利であるか。これは非常に技術的な計算を必要といたしますので、幸い会計検査院にもその方の専門家がおりますので、その方で検討さしております。  大体大まかに会計検査院で現在考えておりますのは、一この点でありまして、特に強調したいのは、貸付料をいつまでもとつていない。この点が非常に遺憾であると思つております。なおこの点はお断りしておきますが、ただいま主管の局、課で検討しておりまして、会計検査院全体の意見としてここで申し上げるわけではありませんので、一応お断りしておきます。
  377. 柴田義男

    柴田委員 運輸大臣もお見えになつたようでございますので、簡単にお尋ねいたしたい点を申し上げたいと思います。運輸大臣はもちろんこの国有鉄道法によりまして監督権を現に持つておられるのでございますが、この世間で非常に疑惑の眼をもつて見られております鉄道会館の問題に関しまして、全体的にどういうお考えを持たれておるのか。それから行政財産ではないということは私どもも存じておるのでありますが、最初国の財産であつて、国有鉄道に移管いたしました今日の現実の状況に関しまして、あの土地その他の諸物件はどういう形において保管される御所存であられましようか。  それから現在大きな問題になつておりますのは、加賀山氏は二十六年の八月二十四日まで国鉄の総裁を勤められたそうでございまして、二十七年の九月かに株式会社鉄道会館というものの社長をお引受けになつておる。あるいは立花専務は国鉄に二十七年三月までおられて、同年の九月にこの会社の専務に就任されておる。あるいはその他の常務さんを見ましても、みな二十七年あるいは二十八年三月まで国鉄におられまして、現在株式会社鉄道会館に重役の位置を占めておる。こういう形において、国鉄との契約とは見られないような、私どもが常識上判断いたしますと、どうしてもこの資料によつては判断のつき得ないような状態において、契約であるか契約でないかという疑問の書類によつて、すでに鉄道会館は着々と事業を進行されておる。こういう全般的な問題を運輸大臣はどうお考えになり、そしてどういうように御処置をなさるのでございましようか、伺いたいと思います。
  378. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 運輸大臣が国鉄を監督いたしておりますのは、規定の通りでございます。ところがこの運輸大臣の監督はどういうふうな程度までやられておるか、この問題だけに限つて申しますと、国有鉄道に移管されましたる土地、建物等の運営その他につきましては、国鉄総裁にまかせきりの形になつておるのでございます。私どもはそれにつきまして、特別に報告を受け、あるいはこれに対して私どもの方がどういう方法をとつてさしずをするとかいうようなこと等はないのでございまして、ただいまではそれが実情でございます。この問題につきましても、私はこの間衆議院の運輸委員会におきまして、この問題に関連しての質問ちよつと出ましたときに、初めてこれが問題になつておるのを知つたのであります。それからこの問題につきまして、私どもはそれではどういう態度をとるか、その後どういうことになつておるかという報告を一応受けました。しかしなおいろいろな点がわからないので、またいろいろ報告を受けつつあるところであります。これから先この問題は皆様方がお取上げになつて、どういうことになるか知りませんが、運輸省といたしましては、問題になりまして初めて取上げたようで、まことに恐縮でありますが、実情はその通りでございまして、私どもは、これをどういうふうにするかということは、まだ腹づもりも何もできていないのでございます。
  379. 柴田義男

    柴田委員 もう一つ総裁に承りますが、先ほど同僚天野委員の御質問に対しまして、この読売新聞を全面的に否定されておつたようでありまするが、私どもはただちにこの真意を糾明してみたいと思つたので、新聞社等に問合せをしたのであります。そういたしましたら、読売新聞の井浦某君と毎日新聞の中田某君が、昨日夕方の七時に総裁にお会いになつておるということを聞いたのでありますが、真意のほどはいかがでありましようか。
  380. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私はこの新聞に、今初めて読んだのでありますが、書いてあるような心持は持つておりません。これは聞き違いか、誤解か、いずれかそういうことであると思います。(「会わないと言つたじやないか」と呼ぶ者あり)もしかりに会つたとしましても三三。
  381. 田中彰治

    田中委員長 長崎総裁、あなたはこの委員会でうそを言うのですか。会つているじやないか。
  382. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 読売新聞の記者とは知りませんでした。
  383. 田中彰治

    田中委員長 何を言つているか。名刺を渡して会つているじやないか。記者と会わせようか。記者と対決させようか。何たることを言うのですか。
  384. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 いや、いろいろな新聞記者が来ております。
  385. 田中彰治

    田中委員長 新聞記者に会わぬと言つたじやないか。
  386. 柴田義男

    柴田委員 先ほどの天野委員の御質問に対しましては、新聞記者には会わない、われわれはそうはつきり伺つたのであります。(「その通り」)もちろん速記を調べまするとただちに判明いたします。会わないとおつしやつた。特定の読売新聞であるとか、あるいは何々新聞である者には会わない、別の新聞で会つたなら会つた、こういうことであつたならば、了承もするのでありますが、新聞記者には会わぬというお言葉であつたので、しからばこういう二名の新聞記者にお会いになりませんかと言つたらば、また今度は非常にお答えが違つて来ている。だから率直に真意をお披瀝願いたいと思います。
  387. 田中彰治

    田中委員長 謝罪しなさい。
  388. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 実は私、今月の十日から九州の方の水害地に参つておりまして、約一週間、昨日…。
  389. 田中彰治

    田中委員長 そんなことを聞いておりません
  390. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 いや、それで大分事務がたまつておりましたので、ずいぶんいろいろな人に会つたのであります。しかし新聞記者とは全然知らずに会つたのでありまして、もしそれが新聞記者だとすれば、私は会わなかつたと申し上げたことは取消します。まことに相済みません
  391. 田中彰治

    田中委員長 あなたは新聞記者に会われて、「たとえば」という言葉を入れられた。たとえば汽車の運行をとめられるということを、あなたがちやんと問答されてお答えになつたことを——私は記者をここへ呼んで来ておりますから、ここで会わせましようか。もし会つたと言うたらあなたはどうします。
  392. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは新聞記者とは存じませんでした。
  393. 田中彰治

    田中委員長 新聞記者でない者がどうしてそういうことを聞きますか。
  394. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 いろいろな方が見えられまして、いろいろなお話を……。
  395. 田中彰治

    田中委員長 そんな答弁は聞きません。もし会つたならば、そこで謝罪しなさい。天野君に謝罪なさい。
  396. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 だから今私は……。
  397. 田中彰治

    田中委員長 そんなお答えの仕方はありません。扇子を置いて……。その態度は何ですか。委員会を何だと思つていますか。国民の代表ですよ。
  398. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私が間違つてつたとすれば、まことに相済みません
  399. 田中彰治

    田中委員長 皆さん、許しますか。
  400. 柴田義男

    柴田委員 私どもは率直に言つていただけば、ただちに了承するのであります。間違つているとすればということでは了承しません。少くも地方紙の一流の新聞記者が総裁にお会いになりまする場合に、刺を通じてお会いになるのは普通の常識であります。必ずや何々新聞社の何だ、こういう刺を通じて、総裁にお会いになるでありましよう。総裁の部屋へ無断りにのこのこ入つて行く新聞記者は今ありません。みな常識を持つた、りつぱな記者諸君であります。そのりつぱな、常識を持つた記者諸君に対しまして、どこのちまたのだれであつたかわからない者に会つたということは、総裁として言えるでありましようか。しかもその総裁が率直にわれわれにお答えくださいまするならば、何をか言わん、ただちに了承いたします。新聞記者に会つたのだ、先ほど言つたことは間違いである、取消すと、男らしくはつきりと取消していただきたい。
  401. 天野公義

    ○天野委員 先ほど総裁が私の質問に対して、新聞記者に会つていないと御答弁になつたことは、はつきり私も記憶いたしております。それを今の段階になつて言を左右にして。前言を翻すというような御態度は、まことにわれわれとしては遺憾千万でございます。  さらにもう一点われわれの遺憾とするところは、ただいま運輸大臣が御答弁になつた点でございます。これほど重大な問題について、どうして国鉄当局は、運輸大臣に十分連絡をおとりにならないのでございますか。国会に対して責任を持つておられる運輸大臣に対して、その都度いろいろと御連絡をおとりになり、そして運輸大臣の責任を全うさせるような処置を、どうして総裁はおとりにならないのでございますか。その点をはつきりお伺いいたします。
  402. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 今の新聞記事の問題は、考えてみましたら、確かに新聞記者に会つたのであります。前言を取消します。但し、申してある、記事になつておる点は大分つておりますから御了承を願います。
  403. 天野公義

    ○天野委員 ただいまの総裁の御答弁でございますが、はなはだ遺憾しごくでございます。そういうようなお考えを持つておるからこそ、運輸大臣が国有鉄道に対して浮いた形になつておる。どつちが大臣だかわからないという話も聞いておるのです。ほんとうにこれはわれわれとしては遺憾千万でございます。もつと運輸大臣をしてその職を全うさせるように、——こういうような考えであるからそういうことをなさらないのです。もつと総裁としてその職責を全うされるように、今後十分御注意願いたい。
  404. 杉村沖治郎

    杉村委員 議事進行について……。私はもう今さら総裁に対して新聞記事のことを言つたとか言わなかつたとか言つてみたところが、これはちやんと速記に残つておるのですから、これは頭を下げさしたくらいでは私どもはだまされない。だからわれわれは、総裁に対してはこの程度で——たとえば先ほど調べましたところの、あの交通公社に対する財政の紊乱から行きましても、この東京駅の問題から行きましても、われわれは今ここに総裁にただ簡単に頭を下げさしたぐらいでは納得ができないのだから、総裁に対するところの処断の問題は、追つて内閣に向つてわれわれは要求したいと思つておるので、この点は総裁に対して今の新聞記者と会つたとか会わないとか、どうだとかこうだとか言うことはやめまして、運輸大臣が見えておりますから、私はこの議事をさらに運輸大臣に対して進めて行きたいと思うのであります。
  405. 山中貞則

    ○山中(貞)委員 ただいまの杉村委員の発言内容については私も賛成いたしますが、その前に、総裁の先ほどの新聞記者には会つていないという言明から、さらに考えてみて、かりに会つたとすればという言明、さらに考えてみれば会つておるというように、次々に話が進んで参りますので、そうなりますと、この新聞の記事の内容については一応否定的な先ほどの話を得たのでありますけれども、しかしながら新聞が無から有を生ずるような記事を書くわけでもありませんので、一応この記事の内容について、総裁の意のあつたところがかような字句に表明されたものと考えざるを得ません。従つてこの内容についていま少しく私は検討してみたいと思うのです。その第一は、「衆院決算委は国有財産の保全の見地から政府に工事中止を申入れるというが……。」という問いに対しまして、答えとして「国鉄の所有地は国有財産ではない。したがつてこの運営管理は政府に干渉されることはない。例えば総裁の権限で列車の運行を一切停止することはできるが、政府にはできないではないか。」かような御答弁であります。表現のいかんは別としてかような意思があつたことは間違いない事実だと断定せざるを得ませんが、このようなことについてはたしてこの表現のような考え方を持つておられるのであるか。持つておられるとするならば、その考え方はどのような意味においてそういうことを考えておられるのか、お聞かせ願いたいのであります。
  406. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私は先ほど来申し上げましたように、日本国有鉄道法の規定、そのほか運輸大臣の命令を遵法して運営をやつて行くということにほかならないのでありまして、これはそういう範囲内での話であります。
  407. 山中貞則

    ○山中(貞)委員 ただいまのは御答弁にはなつておらないのでありまして、国鉄の所有地は国有財産ではない、従つてこの運営管理は政府に干渉されることはないという言葉について、ほんとうに政府に干渉されることはないという考えを持つておられるかどうか。
  408. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 そういうことはありません
  409. 山中貞則

    ○山中(貞)委員 どういうふうにお考えですか。
  410. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは国鉄法の精神からいいましても、また現に運輸大臣はわれわれを監督いたしておりますから、その監督命令には服さなければならぬと思います。
  411. 山中貞則

    ○山中(貞)委員 そういうことであるならば、「たとえば総裁の権限で列車の運行を一切停止することはできるが、政府にはできないではないか。」かような予想すべからざる緊急な事態すらも、一部の例として引いてそれを実証づけられておりますが、この例はいかなる意図をもつて引かれたのであるか、お聞かせ願いたい。
  412. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 繰返します通り、私は国鉄の運営を総理されるようにまかされておりますけれども、それにはおのずから制限があります、限度がございます。その制限内のお話でなくては話にならないと思うのであります。先ほど来問題がありましたが、私は運輸大臣の命令を遵奉する、なお連絡等についても、種々苦心して一週間に大体一ぺんはお目にかかれるようにお願いして、連絡をとつております。まだ不十分であろうと思いますから、なお今後とも十分に連絡するようにいたす所存であります。
  413. 田中彰治

    田中委員長 山中君もう一点だけにしてください。
  414. 山中貞則

    ○山中(貞)委員 発言を制限されましたので、ただいまの問題はそれだけにしておきますが、ただいまの総裁の答弁であるとすると、現在この新聞の、しかもこれは大新聞に出されております一問一答の、私が先ほど読み上げた問題については、まつたく総裁にはその意図もなく、また意図がないならばかかる表現もなされていないと考えられます。しからば新聞が一方的に間違つた記事を書いたものとしか総裁の答弁においては受取れなかつたということを、私ははつきりさせておきます。  次に最後の、「交通公社、日通では、国鉄に納入しなければならない料金を二箇月分滞納して、それを鉄道会館の建設資金に融資しているというが……。」との問いに対して、「そんなことはない。」その次に、「全然知らない。あれば厳重に監督する。」こういう答弁ですが、すでにこの記事が出てから相当時間がたちましたので、あつたかなかつたかも調査になつただろうと思いますし、厳重に監督するというのは、かかる事態をどういうふうに監督し是正されるのかお示し願いたい。
  415. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 融資は納金延納によつて生じた金ではやつておりません。これは全部銀行に預金させておりまして、その額ははつきりわかつております。
  416. 山中貞則

    ○山中(貞)委員 制限されましたから質問は続けませんが、速記録を抜萃したところによると、こういう答弁になつております。「私はきのうは新聞記者にだれもお目にかかつておらぬのですが、何かの間違いではないかと思います。」この速記録に掲載されております言葉は、全面的に自分の間違いであつた旨を表明されたいと思う。
  417. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それは全然私の記憶違いでありました。
  418. 杉村沖治郎

    杉村委員 運輸大臣に伺いたいのですが、運輸大臣は、先ほど国鉄のことは国鉄に一切すべてをやらしておるので、あまり関係しておらないということを述べられたのであります。運輸大臣は国鉄法の中に国鉄が他のものと契約をするような場合においては、いわゆる競争契約をさせるように規定されておりますが、これに対して、国鉄はこの東京駅の問題について何らのそういう方法をとつておらない、それはつまり、前国鉄総裁であつた加賀山氏と総裁との間に、本件の問題になつておる建物の建設請負契約がなされておるのであるが、こういうことが適当であると思いますか思いませんか。
  419. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 私の国鉄に対しての考え方を、さつきは簡単であつたかもしれませんから、もう少し申し上げておきたいと思います。私は国有鉄道がどんなものであるかということを考えますと、公共企業体であり、また独立採算制をとつております立場上、国鉄が伸びるためには、でき得る限り国鉄が自主的にやれるように……。
  420. 杉村沖治郎

    杉村委員 発言中ですが、そんなことは聞いてない。あなたは少くとも運輸大臣として国鉄に対して監督の地位にあるのではありませんか、いかがですか。
  421. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 監督の地位にあることはその通りでございます。第五十二条に規定されております。
  422. 杉村沖治郎

    杉村委員 監督の地位にあるから私が問うておる。先ほど言つたように、あなたは運輸大臣として、国鉄に対して監督の地位にあるのであるから、その監督の地位にあるものが、東京駅のあの大きな問題——これは実に国鉄において前代未聞といつてもよいほど大きな重大事件であります。この事件についての請負契約等が、国有鉄道法の規定に基かずして、総裁と前国鉄総裁加賀山氏との間にとりかわされたということは、鉄道法の規定の原則に従つておらないのであるが、それが適当であるかどうかということを私は聞いておる。端的に答えていただけばよろしいのです。
  423. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 規則に違反しておるものであればよくないにきまつております。但し、今のお話だけを承りましてはわかりませんので、これはどういう行き方になつて来たのか、どういう筋合いでどうなつてどういう結果になるかということを全般的に私が見て、了承してから返事すべきものであります。
  424. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなたは私の問うたことについて、原則に反しておれば悪いが、どういう事情であるかわからないと今おつしやられたのでありますけれども、国有鉄道法の第三十九条の二には、国鉄の予算については、すべて予算外の債務負担行為をするには国会の議決を経るとか、その他決算について承認を受けなければならぬということがありますが、これは私が説明するまでもなくあなたは御存じだろうと思う。それで先ほど私が総裁に、この東京駅における事件については国鉄は予算の上に組んでおるかどうかということを聞いた。ところが予算に組んでおりますということを総裁が答えておる。予算に組んでおつたならば、監督の地位にある運輸大臣がこの事件を知らないということは少し無責任ではありませんか、いかがです。どういうわけで知らないのですか。
  425. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 ただ予算に組んでおるということでありまして、これがいろいろな問題を起すということを私は知らないのであります。
  426. 杉村沖治郎

    杉村委員 それではあなたに改めてこの事情をお話いたしますが、東京駅の八重洲口の方へ十二階の建物を建てるということについての工事の請負契約を前加賀山総裁と総裁との間になされて、事業をやつておる。ところが土地を賃貸借したのであるか、あるいは何であるかさつぱりわけがわからない。地代を一銭もとつておらない。しかるにかかわらず、その鉄道会館はすでに東京駅の構内でたくさんの売店を出させて、それから一億何千万円というような権利金をとつて商売をさせておる。そういう契約を総裁がやつてつて、それでさしつかえないというのですか。国有鉄道の土地を賃料を二銭もとらないで、鉄道会館の方ではもはやたくさんの金をとつている。何ら契約もなくして鉄道会館に土地を使わせているのですが、そういうことはあなたは何の報告も。受けておりませんか。そういうことが適当でありますか。
  427. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 包括的の契約はあるのを承知いたしております。しかし今おつしやつたような個々の問題についての契約は、当然至急にやるべきものであります。至急にやらすべきものだと思いまして、私からもそういうことを申し伝えております。
  428. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 大臣が来られたので、さきの問題が途中でありますから、大臣に伺いたいと思うのです。申すまでもなく運輸大臣は、国鉄の運営について、財政に関しては第一次的に監督の地位にあるのであります。そこで国鉄総裁の答弁も、国鉄の資産は国有の資産と同じ趣旨でこれを管理し、利用する、こういう趣旨に答弁しているのであります。ところが現実におきまして他の営利会社株式会社鉄道会館国鉄の所有の土地をすでに数十軒の商店に利用せしめまして、数億円の収入を得ているというのに、まだ国鉄としましては全然所得がないのであります。しかもそれは契約後十箇月経過しているのです。こういうようなことは、やはり国鉄資産の管理利用上適切でないと思うのですが、運輸大臣はどうお考えになりますか。
  429. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと大臣の答弁に御注意いたしますが、どうも大臣の答弁を聞いていると、何か長崎惣之助さんに遠慮しておられるような印象を与える。あなたも九州男子ですから、はつきりした御答弁をなさい。
  430. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 まことに御注意ありがとう。この契約の個々の問題が遅れている、これを早くせねばならないということは、前の質問に御答えした通りでございます。これはなるべく早く契約をしなければいかぬと思います。そういうことをほつたらかしてあるということは、私どもいいこととは思つておりません。どういう事情でここまで遅れているかということは、国鉄側からまだ私よく聞いておりませんので、なおその問題も聞いて、善処せしめることは当然だと思いますが、いずれにいたしましても、至急に契約を結ぶことにいたします。
  431. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は大臣は、運輸常任委員会の諸君がすでに実地を調査に行つた、それから決算委員会におきましてあなたの出席要求しているので、この問題の一応の常識を持つておられると思うてお尋ねしているのであります。契約のこまかいことはともかくといたしまして、概括的にともかく国有土地、国有資産が他の営利会社によつて数億円の巨利を博するような利用状態にありまして、契約後十箇月も経過して国鉄としては一銭の収入もないというようなことは、国鉄の資産を管理するのに適切妥当を欠いているんじやないかというのです。そういうことなんですから、こまかい契約を調査せずとも、運輸大臣は一応の所見が述べられるじやないでしようか。
  432. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 当然こういう問題は、さかのぼつて効果のあるように迅速に契約が締結されることを望むのであります。ということは、もしお話の通りで、国鉄側からいろいろやつた方法等が私にはよく伝えられてないのでありますから、そうこまかい点はわかりませんが、国鉄の方でほつたらかしておつて、十箇月何にもせずに置かれたものならば、私は決していいこととは思いません
  433. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今の問題につきましては、もつと機会を見ましてさらに掘り下げて行くことを保留しておきます。それからあなたは、あるいはこれも自分は知らなんだとおつしやるかもしれぬけれども、非常に問題が大きくなりましたほどに重要な、国鉄の資産の負担の設定の問題でもあるし、あるいは事業計画の問題でありますので、相当の経緯は御承知であろうという前提で聞かなければならぬ。また運輸大臣としてはそれくらいの知識は持つていなくちやなちぬと思うのです。国鉄が去年の九月に加賀山氏個人——国鉄総裁の加賀山氏に対して国鉄総裁から八重洲口駅本屋の建築、いろいろな事業の計画、そういつたものについて協力方を実は求めているのであります。そうして結局は数十億円の金を投じましてビルを建設し、事業を計画して、なお一部はすでに開業しているのであります。こういつたことは国有鉄道法の四十九条によりますと、厳に戒めておりまして、これは一般の競争入札によらねばならぬ、非常に限定した規定があります。大臣はまさか国有鉄道法は知らぬとはおつしやいますまい、この規定の趣旨に明確に反しております。この点について意見はいかがです。あなたが教えてもらつたり、相談し合つて答弁すべき場所じやないですよ。
  434. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 原則ではその通りであります。しかし例外もあり得るのでありまして、ただいまの場合は例外によつてつたものだと存じます。
  435. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 国鉄総裁の答弁によりますと、前の国鉄の総裁であつた加賀山氏はしろうとでない、くろうとである、くろうとに駅をつくつてもらうようなことは適当と思う、こういうような答弁があるのです。およそ鉄道法の四十九条は、一くろうとを個人対象にしてこういう規定が排除されるということはわれわれ考えられません。まことにこれは法を無視した乱暴な処置と申さねばなりません。こういう行為もなおかつ善良な管理者として国鉄総裁は国の財産を管理しているもの、また他に利用せしめるような約束をしたものとお認めになるわけでしようか。これはひとつほんとうに虚心坦懐にお述べ願いたい。
  436. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 長崎国鉄総裁は、その方法が最も適当だと思うてやつたものだと私は思つております。
  437. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 しからば加賀山元総裁がくろうとであり、そして個人で、いまだ会社ができておらなかつたという説明であります。そういう個人に、公告して競争せしめずして、ひそかに私的に依頼をし、請合つてもらう約束するというのが、どうして適当であるのですか。その理由を伺いましよう。長崎総裁の意見は意見です。あなたは国務大臣だから、国務大臣としての御意見があろうと思います。
  438. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 私の考えはただいま申したのとかわらないのでありますが、こういう仕事を計画をしてやる場合に、入札の方法もありましようし、そのほかいろいろな点も考えられるでありましようが、ああいう記念事業的なものとして、あすこへりつぱな駅を中心とするものを建てようという場合に、特別なそういうことに適当な人をそのまま選んで頼むということも、私はこれは一つの見識だと思います。ゆえをもちまして、長崎総裁のやつたことは、その人選においては適当であつたろうと思つております。
  439. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 人選の問題もございましようけれども、個人の加賀山氏にこれをまかすことが適当であつたかと尋ねるのです。  それで、若干議論になりますので、進みましよう。この場合、かかる問題につきまして現役の閣員がこれに協力するということは適当でありますか、いかがですか。
  440. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 こういうことをどういうふうな方法でやり、また他にやらすということについて国鉄総裁が相談をしたというような問題かと思いますが、そういうことでありますれば、国鉄総裁が間違いのないように多くの人の意見を聞いて善処するという意味において話をするのは一向かまわないじやないかと思います。
  441. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私のお尋ねをしておるのは、意見を聞く相手方が現大臣、そういうことを言うんじやない。東京駅八重洲口の整備ということは、全体の事業のことでありましよう。総裁は加賀山氏に協力方を要請したというので、依頼をされた加賀山氏は受けたというのです。こういつたことについて賛助員として現大臣が参加することは、綱紀上適当かどうかについてあなたの御意見を聞いておる。
  442. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 その点、法規上どうであるか、私はつきりいたしませんから、後ほど調べて申し上げます。
  443. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 まことにこれは異なる御答弁でありまして、あなたは国鉄の運営、国鉄の財産管理、国鉄の財産処分、そういうことについては、財政全体については、まず第一次最高の監督者の地位にあられるのであります。でありますから、内閣におけるあなたは代表者でありまするので、この疑惑を生みましたところの、多くの国鉄財産の管理上不当な事実ありというふうに、会計検査院においてその種の発言も行われているような事案であります。こういうことに現大臣が名前を連ねて賛成するとかいうことが、綱紀上適当かどうかについて即刻判断ができないというのは、いかがでございましよう。あなたはこれについてすぐに御判断ができそうなものです。
  444. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 法規上の問題としてそういうことができるか、できぬかというような意味のお尋ねのようでありますから、その通りお答えしたのであります。
  445. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 綱紀粛正の綱紀です。法律じやない。
  446. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 おそらく私は、名前を出しておる人にいたしましても、どういう方がなつておるか存じませんが、それが問題を起して、そうしてそれが非常に国の上にも迷惑を及ぼすというようなことがあると思うてだれも出ておるものはないと思います。まだこの事件がどういうことになるか、私にもよく判断がつかないのでありますが、その人たちが善良な心持をもつてこういう建物をこしらえる、ただそれに相談にあずかつて名前を出すということは、一向さしつかえないように思います。
  447. 田中彰治

    田中委員長 大臣、あなたの答弁を公正に聞いていますと、どうも何だかはつきりしない。もう少しどうですか、あなたも九州人なんだから、ひとつ忌憚なく腹にあるところを全部言われたらどうです。それがために国鉄公社がどうなつてもかまわぬじやないですか。そんなことで運輸大臣として監督できませんよ。自由党から代表になつて出ている人じやないですか。
  448. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは資料として配付せられた名簿に載つております。山縣勝見氏のことであります。御承知ですか、いなや。
  449. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 山縣勝見君、この中にあるでしよう。
  450. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたは、国鉄財産が他人に利用せられて、数億円の金を他人がとつて国鉄には現在全然所得がないということは、国鉄に損害が加わつているというふうにはお考えになりませんか。
  451. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 とらずにいるということは国鉄に損になると思います。だから、なるべく早い機会にとるべきだと私は思います。
  452. 田中彰治

    田中委員長 もつと大きい声で御答弁願います。
  453. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 早い機会にとる、おそくなつてもどうという問題じやなしに、現在とれておらぬのは国鉄の損害に帰しているのではないかというのが私の質問の趣旨なんです。どうぞこの問題は包み隠さずにやつてもらいたい。決算委員会事情の真相を明らかにするのが目的でありますから、卒直な御意見を聞きたい。今日までとつておらぬのですよ。しかしとつた方会社は、この貸借対照表によれば、前受金一億五千百万円というものをとつている。この数額かどうかわかりませんけれども、ともかく三年分先取りなんです。それほどの価値のある場所なんです。それに対して国鉄が全然収入しておらぬ。これは国鉄において損害を加えられているということにならないか、それをあなたに聞くのです。早くとるかとらぬかという問題ではありません
  454. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 とつておらないことは、利益にならぬことは明らかでありますから、損になります。その問題だけでよろしければ、これがそれの答えでありますが、それとともに、どういう話合いの手順になつているかということでこれの責任問題が起つて来ると思います。
  455. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 どういう話合いでどういう事情であるかということをあなたは御承知でない。しかし先刻来問答の中にもありまして、遂にはつきりした答弁が出ないのでありますけれども、当然にとらねばならぬものを、とるのを怠つてつたということであるならば、少くとも国鉄の総裁においてのその職務を怠つて、なすべき義務を尽しておらぬ、こういうことになるのではないかと思う。国鉄法には二十二条に厳重にその点が規定してあります。内閣は、国鉄の総裁が尽すべき義務を尽さぬときには罷免すると書いてある。そういうことにもあてはまつて来るのであります。きわめて重大な問題であります。罷免し得るということまで書いてある。この趣旨についてあなたの見解を伺つておきましよう。
  456. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 この問題がはたしてその通りである、そうして責任が全然国鉄の側にあるといたしますれば、まことにおつしやる通りであります。責任があるのであります。もう少し私どもといたしましてはそこらのこまかい問題まで今後ずつと調査を続けて、しかるべく処置をしたいと思つております。
  457. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 国鉄じやなしに、会社会長、社長に聞いておきますが、あなた方では、例の有名店等から受取つた総額が幾らになるのか。その総額が数億円に上るというふうに思われます。それを国鉄へも払うことなく今日まで経過しているらしい。その金額をなぜ払うことをしないで今日まで来ているのか。それについては早く払わねばならなかつたというようなこともお考えにならずに今日まで来ているのでしようか。それをちよつと聞いておきましよう。
  458. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 お手元に差上げた資料に載つていると思いますが、各商店からいただいておりますのは約三億、これは先ほど申し上げた国鉄に対しまして、あそこは何もなかつたところでございますから、工事をしなければならぬ。この工事をするのに、国鉄に対して銀行保証を含めて六億五千万円の納入がしてあるわけであります。これに充当されておるというふうに御承知願います。
  459. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 有名店からとつた金額と、とつて国鉄に払わない理由を聞いておるのです。
  460. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 これは会社はただ使うつもりはごうもございませんので、当初の目論見にも載せてございますし、もちろん国鉄等からお話があれば、いつでも支払うという準備をいたしております。
  461. 田中彰治

    田中委員長 金額は幾らですか。
  462. 加賀山之雄

    ○加賀山参考人 先ほど申し上げた通りでありますが、合計で約三億であります。
  463. 杉村沖治郎

    杉村委員 運輸大臣は、今日はこの東京駅の事件をさつぱり知らないというような態度でおいでになつておるのですが、私から考えると、これはあるいは私の邪推になるかもしれませんが、どうも大臣は心裡留保しているのじやないかと思われる。というのは、この東京駅の事業を始める前に、国鉄側並びに加賀山氏あたりは、衆参両院議長を初め、その他天下知名の士七十名に対して相談をしたということを述べておるのであります。また監理委員会にもはかつておる。こういうことをきよう総裁が述べておる。その七十名ほどの参加者が出たうちには、ついこの間まで農林大臣をしておつた内田信也君、あるいは前田米藏君、松野鶴平君、林讓治君、安井誠一郎君、山縣勝見君、こういうような人にみな相談をしておる。しかもこれが賛助員になつておる。よろしいか。衆参両院議長にも協議し、今のような自由党の閣僚にも相談し、これらの人が賛助員になつており、国鉄監理委員会にも総裁が相談しておるにもかかわらず、監督の地位にあるあなたには、今までこのことが話されてなかつたということは、私は常識上受取れないのでありますが、ほんとうにあなたには何の相談もなかつたのでありますか。
  464. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 残念ながらこまかいことは承知いたしておりません。こういうものが進行しつつあることは、新聞等では知つておりましたが、私が代議士に帰つて来たのは昨年の秋で、それまで追放から引続いて浪人をしておりましたので、その位置にはおらないのでございます。
  465. 杉村沖治郎

    杉村委員 いやしくも国鉄の監督の地位にあるところの運輸大臣が、国鉄の総裁が衆参両院議長そのほか自由党の知名の士にいずれも相談をしておる。そのほか列挙すればたくさんありますが、こういうふうにたくさんの人に相談をし、国鉄監理委員会にも相談しておるというにもかかわらず、監督の地位にあるあなたに何のお話もないこいうことになると、あなたは国鉄の人々からきわめて問題にされてないということになりますが、いかがでありはすか。
  466. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 私が運輸大臣になる前のことは私に相談ないのが当然でございます。
  467. 杉村沖治郎

    杉村委員 運輸大臣になる前のことがどうでありましても、少くとも監督の地位にあるあなたとすれば、この問題は昨日も、その前の決算委員会から問題になつて、新聞紙で報道されておるところであります。としたならば、いやしくも監督の地位にある国務大臣として、この決算委員会に出て来るのには、この事件の発端がどういう関係であつて、どういう径路になつておるぐらいなことは、一応調査してこの決算委員会に出るべきが国務大臣として当然とるべき態度ではありませんか、それをここに来て、まるで何も知らぬような態度で臨むというようなことは、この決算委員会を軽んずるもはなはだしいものであると思うが、いかがですか。
  468. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 さつき申し上げました通り、この問題が問題として取上げられるようなことは、先ごろの衆議院の運輸委員会において初めて承知したのでありますが、今も申し上げました通り八重洲口にどういうふうな駅ができるというようなことは承知をいたしております。また問題になりましてから大体の筋は一通り聞いておるのでございます。こまかいことにつきましては了承せぬこともいろいろあるのでありますが、大体の筋はもちろん了承しております。
  469. 杉村沖治郎

    杉村委員 われわれ決算委員会は、あなたの内閣から承認してくれといつてここに出されたところの事案を調べてみますならば、あなたの監督下にある国鉄は、日本交通公社に対しまして、昭和二十五年の六月から昭和二十六年三月までの間に数億円の切符を売らして、その売らした金を取上げないでやらしておる。この東京駅の問題といい、交通公社の問題といい、国鉄の経理というものいかに紊乱しておるかということをわれわれは非常に遺憾に考えておるのであります。監督の地位にあるところの運輸大臣は、国鉄の経理問題につきまして今日まで検討されたことがございますか。
  470. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 私監督の地位にあるのでありますが、大体の筋のことは了承しておりますが、こまかい問題につきまして一々調べたことは私としてはないのでございます。また今のお話のような筋につきましては、まだ了承しておらなかつたのでございます。
  471. 杉村沖治郎

    杉村委員 総裁にお尋ねいたしますが、この資料として出された前田米藏、松野鶴平、林讓治、内田信也、安井誠一郎、山縣勝見、そのほかにもまだあるが、こういうような七十名にもなんなんとするところの人たちにいろいろ相談をし、監理委員会にも相談したというのであるが、何ゆえに監督の地位にある運輸大臣に、このことについて事前に相談をするか、あるいは事前でなかつたならば事後にでもこれを報告をしなかつたか、あるいは相談したのか、しないのか、その点いかがですか。
  472. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 その賛助員の中にも当時の運輸大臣はお入りになつております。運輸次官もお入りになつております。そういう人たちには事前に相談をし、運輸大臣にもいろいろ相談をしておるのであります。
  473. 杉村沖治郎

    杉村委員 今の総裁のお話であつたならば、今の運輸大臣のお答えはきわめて不都合のお答えではありませんか。総裁の答弁を聞いたでありましようが、あなたの答弁と総裁の答弁とは食い違いますが、いかがでありますか。
  474. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 食い違つていないと思います。これができたときの運輸大臣の名前が入つておるというのでありまして、私はその後に入つた運輸大臣でございます。
  475. 杉村沖治郎

    杉村委員 運輸大臣というものは、何か事務の引継ぎとか何とかいうことはなくて、ただ任命されればそれで腰をかけて、それから後のことしかやつていないので、前の仕事がどういう経過になつておるかということについては——よく新聞などによつて事務の引継ぎということをわれわれは見おりますが、あなたはそういう事務の引継ぎは受けておらぬのでありますか。
  476. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 事務の引継ぎは当然受けたのであります。こういう問題はその中になかつたと思います。記憶がございません
  477. 杉村沖治郎

    杉村委員 もう時間もおそいし、答弁がきわめて不親切でありまして、これ以上やりましても何ですから、なお日をあらためてやりたいと思いますので、この程度で私の質問を打切ります。
  478. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私どもは今日のこの質疑応答によりましても、なお核心の明らかになつていない点の重要なものが数点あると思います。これはやはりこのまま継続していただきまして、今日はもう時間もありませんから散会して、このままの状態で、政府並びに関係機関代表者あるいは会社の代表者と引続いて審議を進めるようにお諮り願いたいと思います。なお、都合によりまして具体的にあと理事会で相談してよいと思いますから、大体そういう方向で行くようにしたいと思いますから……。
  479. 柴田義男

    柴田委員 これは皆様にお諮り願いたいと思いますが、本日までこの問題についての運輸大臣のお考えというものも一応伺いましたし、それから株式会社鉄道会館の当局者の御答弁も承り、あるいは国鉄総裁の御意見も承つたのでありますが、やはりこのままの姿で継続するということでなしに、たとえば明日午前中にでも理事会を開いて、理事会で一つの方針をきめていただいて、その上に立つて日時の御決定を願いたいと思いますから、お諮り願いたいと思います。
  480. 天野公義

    ○天野委員 この問題はきわめて重要でございますから、あらためて理事会を御招集願いまして、慎重なる態度をもつて臨まれるように希望いたします。
  481. 田中彰治

    田中委員長 皆様いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  482. 田中彰治

    田中委員長 ではさように決定いたします。  大臣にちよつと申し上げますが、私はこういうような新聞を持つておりますが、ごらんになりましたか。私は、むしろこの際ひとつ、鉄道公社からばかにされて手も足も出ない大臣を助けてやろうと思うが、大臣は九州人に似合わない、同じ穴のむじなのような態度でありますから、ひとつはつきりこの次から研究して来て御答弁願いたい。  それでは本日はこれで散会いたします。     午後六時十四分散会