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1953-07-21 第16回国会 衆議院 決算委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月二十一日(火曜日)     午後一時五十四分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 天野 公義君 理事 松山 義雄君    理事 柴田 義男君 理事 吉田 賢一君       安井 大吉君    細迫 兼光君       山田 長司君    熊本 虎三君       杉村沖治郎君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  細田 吉藏君  委員外出席者         会計検査院事務         官         (検査第四局         長)      大澤  實君         日本専売公社総         裁       入間野武雄君         日本専売公社総         務部長     小川 潤一君         日本専売公社審         査部長     内藤 敏男君         日本専売公社販         売部長     石田 吉男君         日本国有鉄道副         総裁      天坊 裕彦君         日本国有鉄道理         事         (経理局長)  高井 軍一君         日本国有鉄道理         事         (営業局長)  津田 弘孝君         日本国有鉄道理         事         (施設局長)  江藤  智君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 七月二十日  委員三和精一君及び山中貞則辞任につき、そ  の補欠として木村俊夫君及び青木正君が議長の  指名委員に選任された。 七月二十一日  委員青木正君及び木村俊夫辞任につき、その  補欠として山中貞則君及び三和精一君が議長の  指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五  年度政府関係機関収入支出決算     —————————————
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  審議に入るに先だちまして、昨日委員会運営に関する理事会におきまして決定いたしました事項を御報告申し上げます。すなわち会期が非常に切迫しておりますにかかわらず、昭和二十五年度決算のみならず、その他審議すべき重要案件が多く残つております関係上、今後許す限り連日開会して審議に万全を期するように協議決定いたしましたから、右御承知願います。従いまして、本日は日本国有鉄道及び日本専売公社について審議いたすごとにし、昨日審議未了なつておりました対米債権問題に関しましては、これを明日の委員会に付することにいたしたいと思います  なお国有鉄道及び専売公社両当局にお断りいたしておきますが、本日の審議で両社の所管事項を終る予定にしてありますので、答弁は簡明直截にされ、疑点の解明に努力されんことを特に切望いたしておきます。  それではまず前会に引続き、昭和二十五年度決算中日本国有鉄道に対する批難事項検査報告三百三十八ページ以下三百七十二ページまでの三十五件を一括議題といたします。本議題に対しましては、すでにその説明が終つておりますので、ただちに質疑に入ります。では質疑を願います。
  3. 柴田義男

    柴田委員 この前の委員会でも、国鉄関係のどうしてもわれわれが了承できない部分がたくさんございますけれども、その中から特に了承しかねる分を伺つたのでありましたが、最初に伺いたいことは、国有鉄道交通公社に対しまして乗車券販売代金を相当長期にわたつて延納を認めておるようであります。これはわれわれが常識的に判断いたしますと、三十日かが延納期間であつて、それ以上は認めないというふうになつておるように存じておるのでありますが、われわれの考えていることは間違いで、大十日でもあるいは七十日でも延納ができるものであるかどうかということをお尋ねいたしたいと思います。
  4. 高井軍一

    高井説明員 ただいま御質問ように、一箇月と申しますのも、これは後納扱いをいたしてから精算に要しまする期間はおおむね翌月の二十日くらいで完了することになります。それからこの納入通知を発行いたしますので、ちようど一箇月というのが今までの考え方であり、それが常識でありまして、特殊な場合におきましては、調停の関係その他におきまして裁量いたすことはあるのでございます。さよう後納扱いはいたしております。
  5. 柴田義男

    柴田委員 そういたしまするとこれは何か法律的根拠がございましようか、その点を伺いたいと思います。
  6. 高井軍一

    高井説明員 これは法律的な根拠はないのでありまして、契約によりましてこれを決定いたしております。
  7. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますると、この三百三十八ページの第一項の問題、「二十五年大序以降所定納期よりも一箇月の延納を認め、二十六年一月以降更にこれを二箇月にするなど処理が適切でない」こういうよう会計検査院から指摘をされておりますが、この表によつて拝見いたしますると、たとえば二十五年の大月に東京経理局管内で一億三千四十五万三千余円の徴収要求額に対しまして、八月三十一日になつてなおこの延滞償金が百六十一万七千余円についております。こうしたことがほとんどどの月を見ましても、七月の分は九月の末でなければならぬ、八月の分は十月の末、こういうようにすベてが実際の販売をいたしました当別から考えますると、九十日ないし百日になんなんとするよう状態が繰返これておるのでありますが、これが常にこうしたことをそのままの状態で継続されておるのでございましようか、ての点を承りたいと思います。
  8. 高井軍一

    高井説明員 この表に書いてあります千三百四億の要求額に対しまして、延滞償金の百六十一万円というのがあるのでございますが、これは六月分は力ほど申し上げましたように七月一ぱいに納めるのが通常なのでございます。それが翌々月ということになるので、一箇月延びまして八月末ということになりますので、もしこれを予定通り七月末の納期にいたしました場合には、その延滞償金に相当いたしまするものは百六十一万ということになる、そういうことでございます。  それからそのあとで御質問のありましたその後の状態でありますが、これは先般も御説明申し上げましたごとく、乗車券につきましては別口座を設けまして、資金状況を見ましてできるだけその回収に努力いたしておりまして、一時は翌々翌月までとなつておりましたものを、ことしの二月から四月まで十五日繰上げいたしまして、さらに五月からは十五日短縮いたしまして、現在におきましては翌々月末までに納入されておるのでございます。さらに状況によりまして、これは十五日なりあるいは一箇月というものを繰上げまして、所定の期日までに納入さすように努力いたしておる次第でございます。
  9. 柴田義男

    柴田委員 もう一つ伺いまするが、そういたしますると、六月分の徴収要求額は一億三千万、七月は一億七千四百万、八月は一億四千八百万、こういうよう数字を並べておりますが、軍際通交公社が取扱いました全体の量というものに対しまして、この徴収要求額というものは何パーセントくらいにあたつておりますか。
  10. 高井軍一

    高井説明員 ちよつと御質問がはつきりいたさないのでありますが、徴収要求額は、交通公社の方に国有鉄道乗車券代売いたされました額の総額でございます。一箇月間に売りました総額でございます。
  11. 柴田義男

    柴田委員 交通公社全国のいろいろな機関があるようでございますが、たとえば全体において六月には一億三千万円扱つた、こういうのでございますか。
  12. 高井軍一

    高井説明員 これは東京経理事務所管内だけで扱いました額が千三百四億ということになつておるのでありまして、ほかの方におきましては納期の延長というものをいたしておらないのでございます。
  13. 杉村沖治郎

    杉村委員 今柴田委員からいろいろ質問をしているようですが、この表について説明をしてもらつた方がかえつてわかりやすいのじやないかと思います。そういうふうにしていただきたいと思います。
  14. 高井軍一

    高井説明員 では昭和二十五年度日本交通公社乗車券代売代金納期延伸承認に対する延滞償金計算書、これにつきまして御説明申し上げます。  ここで月日、二十五年の六月、これは六月に代売いたしました額でございます。次の欄の経理事務所別、これは徴収要求をいたしまする事務所の単位でございます。そうしてこの問題になつております代売乗車券延期を承認いたしましたのは、全国のうちで東京千葉高崎水戸というこの四経理事務所管内のを取扱いをいたしたのでございまして、ほかのは予定通り期間納入さしておるのでございます。それで徴収要求額を二十五年の六月から申し上げますと、一億三千四十五万三千二百五十八円というのが扱いました額でありまして、それによりまして、七月のうちに、——一箇月あとでありますから七月に徴収要求をいたして納入要求いたしておるのであります。そのときに納期を八月三十一日——普通でありますと七月三十一日でありますものを、一箇月延伸いたしまして八月三十一日の納期に特認をいたしたのでございます。こういうよう扱いをいたしました結果、通常そういう処置をしなかつた場合との差が、これが次の欄に延滞日数に対し計算した延滞償金という数字で出ておるのでありまして、百六十一万七千六百十九円大十八銭とい三ものがこれに相当しますが、一箇月延びた結果として延滞償金に対するものであるということであります。備考の方は、今申し上げました納期をこの次から翌々月末日といたしております。それから延滞償金日歩四銭ずつをとつておりますので、この日歩四銭というので計算をいたしたということでございます。そういうぐあいに十二月のところまで参りまして、ここでさらに一箇月というものを延伸をいたしました結果、翌々月末日ということで納期といたしておるのであります。すなわち、二十六年の月末日扱いのものを見ますと、今まででありますれば三月三十一日の納期でございますものを一箇月延ばしたということでございます。以降そういうような表でございます。
  15. 杉村沖治郎

    杉村委員 ここに非常に疑義を抱かせる。あなた方は自分のことだろうからわかつておるのでしようが、納期が八月三十一日と書いてあるが、これは延ばした納期でしよう。正しい納期はいつなんです。
  16. 高井軍一

    高井説明員 正しい納期は八月三十一日と契約いたしたのでございます。普通の場合でありますと七月三十一日が在来扱いでございます。
  17. 杉村沖治郎

    杉村委員 七月三十一日が納期なんでしよう
  18. 高井軍一

    高井説明員 納期ではありません。納期を延長いたしまして、八月三十一日まで延ばしたものでございます。
  19. 杉村沖治郎

    杉村委員 七月三十一日に納めるのが正しいのでしよう。そうでなければ延ばしたという言葉は出て来ないと思うんですが、いかがですか。
  20. 高井軍一

    高井説明員 言葉が少しりくつぽくなりまして恐縮でありますが、今の御解釈のようであるというふうに存じます。
  21. 杉村沖治郎

    杉村委員 それですから納期八月三十一日と書いてあるのは、これは延ばした納期なんでしよう。ですから延ばさない納期はいつか、そこを聞くんです。
  22. 高井軍一

    高井説明員 延ばさない場合でしたら七月三十一日でございます。
  23. 柴田義男

    柴田委員 経理事務所東京千葉高崎水戸限つて一箇月を延長しなければならなかつたという何か特別な理由がございましたらば、伺いたいと思います。
  24. 高井軍一

    高井説明員 そういうような異例な措置をいたしました理由につきまして御説明申し上げます。この交通公社は御承知のよう内外旅客の旅行あつせんを目的といたしまして、国鉄乗車券代売割引額財源といたしまして設立されておつたのでありますが、その後外客誘致事業を遂行いたして参つたのであります。しかるに国鉄は情勢の変化と、当時関係方面その代売手数料をやめるべきだというような御指示がありましたので、二十四年の七月から代売割引額を支払わないことにいたしたのでございます。それでこうなりますと主要財源が全然入らぬことになりますので、これにかわります財源交通公社としてはほかに求めなければならぬということになりまして、経営上非常な困難に遭遇いたしたのであります。従つてこの代売代金の納金も遅延するように相なつたのであります。しかし国鉄は今まで、もう四十年になりますか、育成をいたして参りました、またいろいろサービスをいたしておりましたこの施設を、廃止するということはでき得ませんので、当時国鉄の行政の簡素化、整理で十何万の人間を整理いたしました、交通公社におります従事員は約三千人で、これだけの機関を接収すると申しますか、引継ぎますだけの能力もございませんし、またそのうちに外客誘致事業自身も活発化すべきであるというよう考え方から、何とかしてそこをしのがせようというように考えまして、かよう措置をいたしたのであります。その後一箇月延ばし、さらに一箇月延ばしましたのは、そういうぐあいで非常に経済界資金難が深刻になりましたことと、公社代売以外の収入によりまして何とかやろうということが、実際はみやげものを売つたりあらゆることを考えたのでありますが、なかなかそういうような成果があがりませんので、国鉄には吸収する力もないし、またこれだけのものを育成するようにも考えなくてはいかぬというので、かよう措置をとつたのであります。この納期復元につきましては、先般も申し上げましたごとく十分監視をいたしまして、そうして現在におきましては、先刻も御説明を申し上げましたように、着々と復元をいたしておるということになつておるのでございます。何とぞ御了承をお願いいたしたいと思います。
  25. 杉村沖治郎

    杉村委員 この表に納期というようなことを書いている、これがもうすでに納期を一箇月過ぎた延納期になるわけである。この延納期をこうしてこの委員会に提出するところの書類に、正しい納期も書かないで、ただこれを納期と言うような、こういう観念がそもそも非常に間違いである、一箇月延ばしておるのが当然の納期ような考えで一億何千万円という金をこんなことをしておくなら、この間ただこの金を使つておることになる、非常な間違つたことであります。この納期というのは、これは正しい納期延納期と二つあるはずです。一箇月延ばしているのだつたら、これらをはつきりと、将来してもらいたいと思うのであります。  それから交通公社で一億何千万円というような金はどういう扱いをしておりますか、その点を伺いたい。
  26. 高井軍一

    高井説明員 交通公社の方では、当初といたしましては先ほど申し上げましたように、ほかの事業をすることによりまして自活をいたしますためこ……。
  27. 杉村沖治郎

    杉村委員 発言中ですが、事業のことを聞くのじやないのです。この金をどういうふうにどこに預金しておくとか、この金の保管方法をどうしているかということを聞くのです。
  28. 高井軍一

    高井説明員 これは特別口座を設けまして、銀行預金へ入れておるのでございます。
  29. 杉村沖治郎

    杉村委員 その銀行預金に対して、鉄道の方では何か監察的行為でもいたしておりますか、おりませんか。
  30. 高井軍一

    高井説明員 これは国鉄の方で別口座を設けまして十分監視をいたしております。
  31. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうするとこの六月分の一億三千何がしの切符を売つた金は、そのままちやんと銀行に積んであるわけですね。
  32. 高井軍一

    高井説明員 私の説明がたどたどいたしておりますが、現在の措置といたしましては、そういうふうに延期をいたしましてから措置をいたしておるのであります。
  33. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうするとそう利子はどうなつておりますか。
  34. 高井軍一

    高井説明員 利子公社口座に入つておりますので、交通公社利益ということに相なつております。
  35. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると六月の売上代金銀行に積んであるところの利子、六月のものを七月に延ばした、その七月のものもまるで公社利息となり、さらに八月三十一日までそれを延ばせば、それもやはり公社利息となるということですか。
  36. 高井軍一

    高井説明員 この代売いたしましたものにおいては、さように考えてよろしいと思います。
  37. 杉村沖治郎

    杉村委員 これは非常な不都合ではありませんか。一億何千という金をただこつちヘとるべきものをとらないで、それを銀行に預けておるというのは——それを預けておるでしようが、この銀行に預けておる金の利息交通公社収益となり、そうして今度は納期を過ぎたものはその賠償金を免除するというようなことは非常に不都合とは思いませんか。
  38. 高井軍一

    高井説明員 それだけは確かに国鉄の損失と申しますか、そういうことに相なるのでありますが、先ほど申し上げましたように、この措置をいたしましたのは、在来手数料を出しておりましたものが無手数料に相なりました。その結果仕事自身はさしておりまして、無手数料でございますので、一方から見ますと、そちらとの手数料との関係において考えなければいけないのじやないか、さように考えております。
  39. 杉村沖治郎

    杉村委員 無手数料でやるからいいというようなそんなことはきわめていいかげんなことではありませんか。支払うべき手数料支払い徴収すべきものは徴収しなければならない。無手数料であるから、そういつたような不合理なものをさせておいてもよろしいという議論は当らないことではありませんか。
  40. 高井軍一

    高井説明員 まことにその通りでありまして、私どもといたしましても、払うべきものは払い、とるべきものはとるというのが考え方なのでございます。しかし先ほど申し上げましたように、当時占領下でございまして、このよう代売手数料払つてはいけないということに相なつておりまして、実際にその趣旨に沿いますために無手数料でやらせておつたということであります。
  41. 杉村沖治郎

    杉村委員 これは無手数料ならしかたがないから、それを手数料に充てるという意味でやつた、こういうお答えでありますか。
  42. 高井軍一

    高井説明員 ある程度そういう点も考慮いたしまして処置をいたしたのでございます。
  43. 杉村沖治郎

    杉村委員 昭和二十五年度の六月、東京の分は八月三十一日だとすると、七月に納めるべきものが一箇月延びておりますが、次に行くとだんだん延びておるようじやありませんか。今度は昭和二十五年八月分は十月になつておるですね。それからその次はずつと行くと一月よけいなところがあるように思われますね。これはみんな一月でございますか。
  44. 高井軍一

    高井説明員 二十六年の一月分からさらに一月延期をいたしておるのであります。初めに書いてあるものは途中で二箇月になつております。
  45. 杉村沖治郎

    杉村委員 われわれから見るならば、一箇月遅らしておくごとすらも非常に不都合であるにもかかわらず、何ゆえに二十六年一月のやつを四月三十日まで延ばしたのですか。
  46. 高井軍一

    高井説明員 当時の交通公社支払い能力から見ました場合にやむを得ざる措置としてとつたのでございます。
  47. 杉村沖治郎

    杉村委員 交通公社支払い能力ということはおかしいじやありませんか。先ほどのお答えによれば、ちやんと口座を設けて銀行に積んであるというにもかかわらず、支払い能力云々ということがどういうわけで出て来るのですか。
  48. 高井軍一

    高井説明員 それまでの代売手数料を廃止いたしましてから、会社といたしましては、代売手数料をもちまして代売手数料に要しまする費用を払わなければならない状態にあるのであります。そういう関係からほかの収入がない限りにおきましては、こういうような中へ食い込んだということでございます。
  49. 杉村沖治郎

    杉村委員 代売手数料を廃止したということは、いつまで代売手数料払つてつたのですか。
  50. 高井軍一

    高井説明員 代売手数料にもいろいろ種類があるのでございますが、昭和二十四年の五月三十一日に今まで昭和十四年四月から五分の代売手数料払つておりましたものを廃止いたしたのでございます。
  51. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると二十四年に廃止したとすれば、二十五年の六月が一箇月延びておるのだが、それを二十六年の一月からこんなにたくさん四月三十日でまも延ばしたということは、あなたの今のりくつでは成り立たないではありませんか。あなたの方では会社事業不振、支払い能力からということをさつきお答えになつたのだがその点はどういうのです。
  52. 高井軍一

    高井説明員 今申し上げましたように、二十四年五月三十一日に廃止をいたしておるのでございます。それでこの措置をとりましたのは二十五年の六月の分からでございます。
  53. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはここに書いてあるからわかつておる。六月からそういう措置をとつたと言うのだが、それからだんだん次々と徴収期間が延びて行つて、何ゆえに二十六年一月分を四月三十日までも延ばしてやつたかというのです。あなたはそれにさつき答えていわく、会社支払い能力の問題で延ばしたということを言うたではありませんか。だから支払い能力云々ということは会社支払い能力がなかつたから、延ばしてやつたという理由になるのではないですか。いま少しまじめに、いいかげんなことを言つてごまか丁というわけではないかもしれませんか、われわれは納得ができなければ、あなたがいかに言を左右しても承服することはできないのですから、率直に合えてもらいたい。
  54. 高井軍一

    高井説明員 どうも答弁が明確を欠くようでありまして、御了承得られないのを残念に思うのでございますが、かようにさらに延期をいたしましたのは、先ほども申し上げましたように、公社の方で代売手数料のなくなつた結果のあなと申しますか、そこに資金繰りが苦しくなつて参りましたので、かよう措置をせざるを得なかつたということでございます。
  55. 杉村沖治郎

    杉村委員 そんな答えでは、あな答え応ならぬじやないか。さつきあなたは代売手数料がなくなつたからというので、昭和二十五年六月には七月に支払うべきものを八月三十一日まで延ばしたというのでしよう。それはやはり前の手数料がとれなくなつたからそれをも含んでおるということを言つておるのだが、二十六年一月になると、今度は四月三十日まで延ばしておるじやありませんか。二十五年の六月には一箇月だけの延期をしておいたにもかかわらず、何ゆえ二十六年一月から四月三十日まで延期をしたのだ、こういう質問をしたところが、あなたは会社支払い能力が困難になつて来たからということをさつきお答えなつたでしよう。ですから何ゆえ会社支払い能力がなくなつたかということを聞くんだ。会社ちやんと口座を設けて銀行預金しておるというじやありませんか。銀行預金してあるならちやんと支払いもできるはずじやありませんか。しかもその預金利息だけは会社利益なつておるじやありませんか。いいかげんな答えをしないで、まわりくどいことを言わないで、いま少し簡明に答えていただきたい。
  56. 高井軍一

    高井説明員 当初は一箇月納期を延長いたしますればそれで何とかなるだろう、何とかさせなければいかぬというのでやつたのでありますが、その後の実績を見ますと一箇月では足りませんのでかよう措置をいたしたのであります。
  57. 杉村沖治郎

    杉村委員 きわめて答弁が不誠意というのであるか、ふまじめというのであるか、われわれはそんなことでは納得できない。あなた方にわれわれの納得行くよう答弁ができないのであつたならば、大臣委員長出してもらいたい。こんな答弁でわれわれは満足することはできない。先ほど何と答えたのです、あなた方に公社はこの金をどういう扱いをしておるかということを私が尋ねたところが、それは特別口座を設けてちやんと銀行に積んであると言つた。そしてその利子はどうなるかと言つたところが、その利子会社収益になるのだ、ここまで答えておきながら、今度はあとなつて今は支払い能力がなくなつた、あるいはあながどうというよう答弁だ、それでわれわれが納得できると思つておるのですか。そんなことであつたならば大臣に出てもらわなければわれわれは満足できない。
  58. 柴田義男

    柴田委員 実はこの前の七月十日の委員会の場合にも、会計検査院大澤説明員の御説明によりますと、最初の三十日は四十五日に延ばしたのです。十五日間延ばしただけです。こういう御答弁が明らかに速記に載つておるのであります。それから本日この表によつて現わされたところによりますと、さらに二箇月を延ばしておる。さらに二十六年一月以降に至りましては三箇月余に延びておる。ただいままでの経理局長の御説明を承つておりますと、手数料がないのであるから公社国鉄の金を食い込んでおるのだ、こういうことと同じようにわれわれは聞かされるのであります。実際一枚の乗車券販売いたしましても、これはりつぱに国の財産であるとわれわれは考えるのであります。そのりつぱにわれわれの林産である国鉄乗車券販売し、しかもその販売には掛売りなんということはわれわれは聞いたことはございません。すべてが現金で販売しておるはずであります。それを五分の手数料がなくなつたから、意識的にこれは食い込みになつておつてもやむを得ない、こういう観念で御答弁をなしておられるようでありますが、こういうことでは私ども決算委員会としては断じて承服はできません。根本的にこの問題を究明しなければなりません。今日は副総裁がお見えでありますが、私どもは少くとも総裁がここに出て来られまして、そして交通公社との契約の問題、交通公社とはどういう性格かはつきりと国民諸君が納得のできるよう答弁をいただかなければ、決算委員会といたしまして、国鉄の問題をこれ以上論議いたしましても了承ができない、こう思いますがいかがでございましようか、委員長において適切なるおとりはからいを願いたいと思います。——今の継続の問題でありますが、そうしていながら一面この交通公社がたくさんの財産を買つておる。そういう材料をわれわれはたくさん持つておる。こうして国鉄の財産を彼らがかつて気ままな考えをもつて公社の財産として利用されておるということを見ましたどきに、われわれは断じて承服できないのであります
  59. 杉村沖治郎

    杉村委員 議事進行について……。この国鉄の件はあとまわしにして専売公社に移つていただきたい。国鉄は総裁になりあるいは監督の運輸大臣に出てもらわないと、こういうよう答弁では——いわゆる日本交通公社事業関係であるとか、あるいは支配能力が云々ということで、きよう答弁のうちに、わずか数秒前に答えたことと今の後の答えとがまるで違つておる。こんなでたらめな答えをするような政府委員を相手にして、われわれはこの審査を進めることはできない。だからこの国鉄の分はあとまわしにしてもらいたい。
  60. 天野公義

    ○天野委員 杉村君の動議に大賛成であります。
  61. 細迫兼光

    細迫委員 交通公社関係の問題につきまして、次会に交通公社の責任者の御出席を求めて参考人として喚問すること、及び今御答弁がありました切符の売上金を預け入れておるところの特別口座の通帳を持参して出て来られることを、委員長においてしかるべく御処置ありたいと思います。
  62. 田中彰治

    田中委員長 御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 田中彰治

    田中委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。
  64. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 議事進行につきまして……。爾余の他の国鉄の問題について調査されんことを希望いたします。
  65. 田中彰治

    田中委員長 専売は三時からになつております。二十分ばかりありますから、吉田委員の発言を許そうと思いますがいかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 田中彰治

    田中委員長 それでは吉田賢一君。
  67. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 国鉄の総裁はきようは見えぬのですが、何かやむを得ぬ事情があるのでしようか。
  68. 田中彰治

    田中委員長 きようは名古屋に出張しております。
  69. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それでは副総裁にお伺いいたします。ただいま当院の運輸常任委員会において調査の対象になつておりまする例の八重州口における鉄道会館、鉄道ビルの問題についてお尋ねしたいのであります。これは副総裁より直接御答弁願いたい。この問題については、ただいまビルも建築中であります。そこでこれはどう経緯からあそこにビルを建築することになつたのか、あの土地はどこの何番地のどれほどの面積をどこから使用する権利を得ておるのか、いつ得たのか、いつ渡したのか、その辺について国鉄当局の御説明をまず求めたい。
  70. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 東京駅の裏口のビルの問題でありますが、御承知の通り東京駅には一日に大体六、七十万人の人が出入りしておりまして、そのうち約四割、二十五万近い人が、裏の方のいわゆる八重州口に……。
  71. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 発言中ですけれども、多くの理由よりも、できるだけ直接に、簡明に御答弁せられんことを願います。
  72. 田中彰治

    田中委員長 ひとつ簡明に、もう少し大きな声で答弁してください。
  73. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 八重州口の用地は、相当なお客さんを扱つておりまして、しかもその上に六番線、七番線という新しいホームができ上りました。さらにあの裏口が火事で焼けたままになつておりまして、何とかしなければならぬという問題がございまして、東京都の玄関として一応ふさわしい姿のものをつくりたい、しかし相当金がかかる問題でありますから、鉄道で一時に多くの金を出すことはなかなか困難である、それに民間資本を入れるようなことができて、そういうような構想のものができたらということで考えついたものが、現在の鉄道会館の問題であります。あの土地はもともと東京駅の鉄道用地でありまして、大体元の鉄道の持つております用地を使いまして、鉄道の駅をつくつてただ平面的に使うだけでは、それだけの人を寄せ集めて、あるいは玄関口というかつこうにはふさわしい姿であるとは言えませんので、相当な大きさのものを考えたいということで出発したわけであります。土地の広さは約六千二百八十平米ございます。
  74. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あの土地は何町何番地から何番地までで、だれがだれに、どれほどの対価で貸しておるか、それを説明していただきたい。
  75. 江藤智

    ○江藤説明員 この土地は国有地でございますから、たしか何番地という番地はなかつたよう思います。これはもう一度よく調べてみますけれども、国有地で何番地というのはたしかなかつたように思います。それからその使用料でございますが、これは固定財産管理規程という規程がございまして、この付近の用地料のこれに似かよつたものがあればそれを参考にし、また一方その付近の用地の時価を考えまして、それに対しましてただいまの利子六分五厘程度を考えたものと見比べまして適当にきめるのでございますが、ただいま申し上げました面積も、まだこれから工事をするのでございますから、ただいまのところこれがはつきりいたしましてから、契約の時期にさかのぼりまして用地料をとる予定なつております。
  76. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 もつと正確に御説明なつたらどうです。だれが貸主でだれが借主なんですか。土地を貸すときには貸主、借主があり、代金があり、いつ契約したのか、そういう内容の要件を少しお述べになつたらどうです。——委員長とつ早く答弁するようにおはからい願います。
  77. 津田弘孝

    ○津田説明員 営業局長の津田でございます。ただいまの御質問応対しましてお答えいたします。承認は、二十七年の九月二十五日に営旅第一八四三号をもつて、総裁長崎惣之助から株式会社鉄道会館発起人代表加賀山之雄に対しまして承認の書類を差出しております。
  78. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうすると貸主は日本国有鉄道ですか。何か契約書の要項があるでしよう。それをきちんとお述べになつたらどうです。たとえば使用には目的もあろうし、賃料は幾らで納期はいつか、そういうことをみなきめてあるんじやないのですか、お貸しになる場合には。
  79. 津田弘孝

    ○津田説明員 先ほど申し上げました承認書には、今お話がございましたように、賃貸あるいは営業承認についての許可の條項がずつと載つておりますが、それは当委員会の御要求に基きまして先般資料として提出いたしておるはずであります。
  80. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうするとこの「東京駅八重州口本屋建設に伴う費用負担及び構内営業その他について」という資料に、私の質問に対して今御説明になろうとすることが全部記載してある、こういう意味ですか。
  81. 津田弘孝

    ○津田説明員 さようでございます。但しこの書類の中には、たとえば構内営業料金は国鉄の構内営業規則によるとか、あるいは土地の賃貸価格てつきましては、やはりそれに関する諸規定がございますので、それによるとか、というようなことは書いてございますが、一応鉄道会館に対する承認の書類といたしましては、ただいま申し上げたこれがそれでございます。
  82. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは、副総裁、あなたは詳しく説明できないのですか。詳しくでなくても、要項の説明もできないのですか。そうぽつりぽつりとあつちこつちの局長から御説明なさるのでなしに、もう少し概要の説明ぐらいしたらどうです。
  83. 田中彰治

    田中委員長 ちよつと副総裁に御注意申し上げますが、今委員が聞いているのは結局、あなた方が許可したのに対して、所有主はだれか、どういう許可をして、貸料は幾らか、何がどうで、ちやんとやつているか、そういうことを聞いておるのですよ。
  84. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 それではお手元にございます「東京駅八重州口本屋建設に伴う費用負担及び構内営業その他について」という資料につきまして、ごく概略御説明申し上げたいと思います。何分にも一階の部分が鉄道の駅になり、二階以上が会社の財産になるという非常に複雑な関係になりますので、その工費の分担という点が一番主眼になりまして、まずその部分についての方針をここにきめたわけであります。
  85. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 地下もあるんじやないですか。地下があれが、先に説明しておいてください。地下がなければよろしいが……。
  86. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 地下もございます。地下二階、それから地上十二階という計画でございます。図面を用いていただきますと、なおよくおわかりだと存じますが、この図面の一番前の出つ張りの部分がいわゆる鉄道会館、東京駅の本屋になる建物であります。この上の部分は先ほど申しました鉄道の線路もしくはプラットホームになつておりまして、あそこの所は用地が、将来もう一本でも二本でも線路が必要になるということも考えられますので、それだけの予備をとつておる。その線路とプラットホームの両方の部分の下であります。そしてこの黄色の部分は、この店へ入るお客さんも通りましようし、あるいはまた鉄道のお客さんももちろん通られるわけでありまして、その黄色の部分と赤の部分——赤の部分は大体会社が使う場所であります。赤の部分につきましては当然会社が負担してやつて行く。それから黄色の部分につきましてはこれを折半する。そういう大きな原則を立てまして、ここにございます初あの方の「高架下、鉄骨建物等の工事費」ということが害いてございますが、大体そういう線に沿つて会社の専用分は会社の金を出し、鉄道の専用分は鉄道の金を出し、共通部分については折半負担とする。こういう考え方で金を出しまして、将来一階部分は鉄道が所有営を持ち、二階以上につきましては会社の財産として登記をするというふうに仕組んでおります。地下につきましては、電源でありますとか通風の関係でありますとか、そういうものがございまして、その使用の面積に応じてこれを負担するという原則をきめております。そしていよいよでき上りました部分について会社の売上げの何パーセントかを鉄道に納める。これは先はど津田君が申しました。一般の公募でやつておる構内営業という一つの型がございますので、その型にのつとりまして売上げの幾らかを鉄道に納める。それからこの高架下鉄骨並びに連絡上屋の下の、本来の駅でない部分につきましては、これは当然鉄道の財産のままであります。将来鉄道でいるようになれば、無條件でこれを鉄道の方に返すということになつております。それから用地代でございますが、土地代は先ほどお話がございましたように、この近所の似たような地価の標準を選びました。これもいろいろ専門家の意見もありまして、あるいは二十万円といい、あるいは五十万円というふうに幅がございますので、その辺どういうふうに考えたらいいか、こういうものができて来ればまた上つて来るということもございますが、そういう地価を見まして一定の比率六分なら六分。さらに、一階は会社のものではないのですが、二階以上については何パーセント引というような基準がございますので、そういう基準によつて会社は納める、こういうような仕組みでやつて参ります。会社に対しては、鉄道と密接な連繋をとらせ、これが知らぬ間に妙なものになつてしまつても困るので、厳重に鉄道で監督と申しますか、会社の動きについて関心を持つておりますので、大きな変更があれば鉄道に対して十分承認を求めなければならないことになつております。さらに会社の中で一々どういう店を出すとか、どういう仕事をするかということにつきましては、これはもう会社の一応の判断でやるわけでありますが、おおむねどういう種類のことをやるかということは事前に連絡をさせる。ただどういう人を入れるかというような問題につきましては、これはもちろん会社の問題であります。そしてこういう建物を担保にしたり第三者に譲るというようなことは重大な問題でありますから、鉄道の方の十分な承認がなければならぬというふうなことになつております。あとは大部分付随的な事項でございます。
  87. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、配付せられました図面の資料ですが、この図面の手前の斜め長方形のところは、鉄道会館の建設敷地になる、こういうことですか。
  88. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 そうでございます。
  89. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この赤で塗つてあるのは何のしるしですか。
  90. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 赤色の部分は一階について会社が使う部分であります。
  91. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、長い線から上部の赤いところは、これは何のしるしですか。これは高架線の下もありますし……。
  92. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 先ほど申し上げましたように、これは高架線の下の非常に広い地域でありますので、それを遊ばしておくよりもというので、鉄道会館に貸して、会社として何か店を出すという予定なつておる場所であります。
  93. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、この赤いしるしのものは全部株式会社鉄道会館が国鉄から借り受けるものなのですか。
  94. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 その通りであります。
  95. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこでたれか説明員の方は、まず使用を許可したというようなことに言つておられましたが、これは国鉄が貸主で借主は株式会社鉄道会館で、賃料をとつて貸し付ける、こういう趣旨の契約ではないのですか。
  96. 津田弘孝

    ○津田説明員 ただいまおつしやいましたように、国鉄の用地でございますし、鉄道会館に貸しておりますので、所定の地代をとつておるわけでございます。
  97. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたの方は公社なんだから、公社が営利会社に貸し付ける、それには一定の賃料をとる、こういう趣旨の契約じやないのですか。国が行政処分によつて使用許可するということはちよつと違うのじやないですか。それを尋ねておるのです。
  98. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 国の行政処分というようなかつこうではございません。賃貸の契約です。
  99. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それは間違いないですか。
  100. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 その通りであります。
  101. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで添付されておる資料ですが、日付が載つておりませんが、これに契約書が差入れてあるべきなんですが、それがないですが……。
  102. 津田弘孝

    ○津田説明員 お手元に参つております資料は「東京駅八重洲口本屋建設に伴う費用負担及び構内営業その他について」こういう表題になつております。その前に一枚……。
  103. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私の聞くのは借主の会社から国鉄に向つて差入書とか契約書が行つてないのですかということを聞いておるのです。要綱はここに書いてありますけれども、日付も判も署名もないから……。
  104. 津田弘孝

    ○津田説明員 この書類の後段に「なお、これについて御異議がなければその旨至急御回答をお願いします。」——これに対しまして会社から請書が出て参りまして、それによつて賃貸契約その他ができておるわけであります。
  105. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 その請書が出て来たというのは、請書の内容等に、たとえば会社の代表者が署名捺印してこの條項が記載された書類が差入れてあるのではないのですか。とりかわしたのではないですか。
  106. 津田弘孝

    ○津田説明員 ただいま申し上げました通り国鉄からの書類に基きまして鉄道会館から請書が出ているわけでございます。それはお手元に差上げてございません。
  107. 田中彰治

    田中委員長 説明員、契約書はあるかと聞いておるのです。契約書はあるのですかないのですか。これじや契約書にならぬじやないですか。お互いに判を押した契約書があるのかと聞いておる。あなたは請書々々と言つておる。こつちは契約書があるかと聞いておる。賃料が何ぼで幾らという契約書があるでしよう、あんな高い土地を貸したのだから。
  108. 津田弘孝

    ○津田説明員 国鉄の恒例といたしましては、こういつた書類が出まして、それに対しまして会社から請書が出ますと、それによりまして契約が成立するというかつこうをとつておるのが常例でございます。
  109. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますと、その請書には内容は記載されてないのですか。ある内容を具体的に認めるとか承諾するとかということが請書を通じてはわからぬのですか。
  110. 津田弘孝

    ○津田説明員 資料に請書はつけてございませんが、会社から請書が出ているわけでございます。その請書はこれに出ておりまする内容をそれぞれ盛り込みまして請書が出ている場合もございますし、あるいは書類の番号によりまして出すという場合もござ、います。
  111. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 他の例はもうよろしい。端的にこの事件の場合に、請書を通じてかくかくの契約で條項の内容が明らかに確認されて承諾されておることがわかるものが入つておるのかと言つておるのです。
  112. 津田弘孝

    ○津田説明員 もし間違つたことを申し上げるといけませんから、その点ははつきりと内容を確めました上でこの次の機会に申し上げたいと思います。
  113. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この問題についてはそうむずかしくする必要はないので、会社の主要な義務を規定し、国鉄の権利を規定する、さような場合に、請書というものにもし内容が記載されてあり、内容がわかるなら一番大事な書類なんです。大事な書類を今から調査するということじやなしにわからぬのですか。わからねばそれは全部当委員会に提出方を委員長おはかり願います。  次に進みますが、一体これは会社としては使用しておるのですか、おらぬのですか。
  114. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 しておる場所もあり、してない場所もありでございますが……。
  115. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 どこをしておるのですか。
  116. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 先ほど申し上げました本屋の停車場の方は今工事中でございます。高架下の赤の部分を一部分使用いたしております。
  117. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 一部分ではわかりませんが、何坪使用させておるということをあなたの方ではきちんと規定しているでしよう。どこの部分何坪ですか。
  118. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 会社の使う部分はきつちりきまつております。先ほど私が申し上げましたのは、そこが現実に店なりになつておるかどうかということを言つたのですが、会社としてどこまで貸すかという区域ははつきりいたしております。
  119. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうじやなしに、現に使用している面積はどれはどの坪数かと聞いておる。使用しておる部分もある、使用しておらぬ部分もあるという御説明だから、使用しておる部分についての広さを聞いておるのです。広さと場所です。要するにこの図面でいえば、高架下のどの部分に該当するのですか。
  120. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 右の方の赤い部分…。
  121. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 まん中の太い線から上下にある部分ですね。
  122. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 いや、まず中の黒い線がございます、その上の赤い部分です。
  123. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは現に何坪を使用しておるのですか。
  124. 津田弘孝

    ○津田説明員 ただいま早急に計算できませんから、この資料に基きましてはつきりした坪数なり賃貸料を出しまして……。
  125. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 資料によつて坪数を計算せねば、まだ国鉄としては現に使用しつつある箇所の坪数は確認しておらぬということになるのですか。
  126. 津田弘孝

    ○津田説明員 申し上げますが、会社に対しまして料金をとりまする範囲は、高架下の部分が六百六十五坪であります。
  127. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今使用しておるのは六百六十五坪と了承してよいのですか。
  128. 津田弘孝

    ○津田説明員 ええ。
  129. 田中彰治

    田中委員長 今使用しておるのですよ。貸した分ではないのです。今使つている部分ですよ。鉄道側はもう少し勉強して来ぬといかぬな。
  130. 津田弘孝

    ○津田説明員 現実に使つておる、使つておらないということは別にいたしまして……
  131. 田中彰治

    田中委員長 今それを聞いておるのじやない。現実に使つているところを聞いているのですよ。
  132. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 現に使つている箇所はここだと言うから、その坪数は何ぼだと聞いているのですよ。
  133. 津田弘孝

    ○津田説明員 それでございましたら、後ほど調べて申し上げます。
  134. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 副総裁に伺いますか、国鉄としては今使つているところか何坪かは確認しておらぬのですか。
  135. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 完成次第いろいろ使つておりますので、私どもとしましては、結局この広さを貸して、これに対して料金をとるのだという線を一番大事だと考えております。従いましてそれがあしたから使えるようなつたからということでどんどんふえて行つている分もあると思いますが、その分は私今資料を持つておりません。
  136. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それならば伺いますが、国鉄会社との間においてまだ賃料は確定していないのですか。
  137. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 まだ確定はいたしておりません。さかのぼつてとる建前になつております。
  138. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから今六百六十五坪とおつしやつたが、それはいつから使つておりますか、かつ何に使つておりますか。詳細なる坪数はあとで資料を出していただきたい。
  139. 津田弘孝

    ○津田説明員 これは先ほどごらんいただきました地図によりまして……。
  140. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 いつから何坪を何に使つているか。
  141. 津田弘孝

    ○津田説明員 これは高架下につきましては、二十八年の七月一日から営業の承認をいたしまして、諸般の料金はその日付からとることになつております。
  142. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 七月一日から何に使つておるかというのです。
  143. 田中彰治

    田中委員長 説明員は質問をよく聞いて答えてください。何に使つているか聞いておるのですよ。
  144. 津田弘孝

    ○津田説明員 売店等に使つております。
  145. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 売店というたら例をあげたら何です。
  146. 津田弘孝

    ○津田説明員 飲食業が一例としてあげられると思いますが、その以外に化粧用品、旅行用具、そういつたような店舗もございます。
  147. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それでは伺います。これは国鉄の所有の土地だと思いますが、副総裁に聞きますが、国鉄の所有の土地を他の営利会社に賃貸をするというのはどの法律に基いてしておられますか、日本国有鉄道法ありかつ施行法あり、会計法ありいろいろありますが、どの法律によつてこれはせられたのですか。——一々相談しないで、説明のできる人がしなさい。
  148. 田中彰治

    田中委員長 何の説明員か言つてください。
  149. 細田吉藏

    ○細田説明員 私運輸省の国有鉄道部長です。
  150. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 運輸省ですか。運輸省がこれに関与したとおつしやるのですか
  151. 細田吉藏

    ○細田説明員 そうではございませんが、国有鉄道法の……。
  152. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 運輸省が関与したのなら運輸省に聞きます。国鉄が当事者で、国鉄が全部やつたのではありませんか。
  153. 田中彰治

    田中委員長 天坊副総裁、どうですが。
  154. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは総裁もしくは副総裁が判を押したのと違うのですか。総裁の名前で今書類が出ておりまするし……。
  155. 杉村沖治郎

    杉村委員 これは会社ができておりますかできておりませんか。
  156. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 会社はできております。
  157. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうするとこれはあとの方の参考書類には、鉄道クラブの使用方については、別途協定する、会社ができたらこれに移行するということが書いてあるのですが、会社のできる前はだれと契約したのですか。
  158. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 国有鉄道クラブと云々の問題はこれは十二階の建物ができまして、その後に一階なり半分なりを便う場合のことを言つておるのでございまして、会社は昨年の十月にでき上つております。
  159. 杉村沖治郎

    杉村委員 第十九條に、「この承認は、株式会社鉄道会館が設立されたときは、そのまま移行するものとする。」ということが書いてある。だからこの前に契約があるのでしよう。株式会社のできる前に契約があればこそ、将来できるところの株式会社に移行するということになるのではありませんか。だからこの契約は、株式会社と契約をしたのか、それとも株式会社以前の何人かと契約をしたのかと聞いておるのです。
  160. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 この書類は、株式会社鉄道会館の発起人代表の加賀山之雄と契約になつております。そうして会社成立後あらためて……。
  161. 田中彰治

    田中委員長 天坊説明員、発起人ということになると会社ができておらぬのですよ。
  162. 杉村沖治郎

    杉村委員 今また答えが違つて来た。最初会社ができておると言い、会社と契約をしたと言つたけれども、会社はできておりはせぬ。あなたの言うところの発起人というのは会社じやないのだ。ことに第十八條に、「鉄道クラブの使用方については、別途協定する。」「この承認の効力その他」という第十九條には、「この承認は、株式会社」云々とある。だから鉄道クラブと契約したのですか。
  163. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 そうでございませんで、この会社を設立いたしますについて加賀山之雄というものを使いまして、加賀山君にいろいろな案を出して研究してもらつたこともございます。そうしてこういう会社組織でやつて行こうということにきまりまして、形式的にこの発起人代表の加賀山と契約いたしました。その後会社ができまして本式に契約に持つて来たわけであります。鉄道クラブ云々の問題は、先ほど申しましたと別個の問題でございます。
  164. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、そのときにはまだ契約はなかつたのですか。その契約はだれのあつせんでそういうことをやるようになりましたか。長崎とすぐに直接に契約をしたのですか。加賀山という前の国鉄総裁があつせんしてこういうことをやり出したのじやないですか。
  165. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 鉄道会館の設置につきましては、昨年の五月ごろから鉄道といたしましていろいろ案を練つてつたのであります。先ほど申しましたように、民間資本を入れてやつて行くというふうな形態でやりたい。そうしてその案につきましていろいろ財界なりあるいは議会の方々にも一応鉄道考え方を聞いていただきまして、その御賛成を得まして、しからばこれをどういう適任者にやつてもらうかということを考えまして、結果として加賀山之雄君にこれをお願いしたいということになつているわけであります。
  166. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 さきに質疑しましたが、国鉄の所有土地を、株式会社鉄道会館に貸しましたのは、どの法律に基いたかという質疑については御答弁がありません。その法令の根拠が聞きたい。
  167. 津田弘孝

    ○津田説明員 日本国有鉄道法の第三條に、「第一條の目的を達成するため、左の業務を行う。」といたしまして、一、二、三、四、五というふうに出ているのでございます。ここには、その賃貸借を事業とするというようなことは出ておらぬのでございますが、国有鉄道の目的に反しない限りにおきましては、自己の所有する土地につきまして、そういつたような賃貸借契約をすることは、法律の趣旨に反するものではないというふうに考えるものであります。
  168. 田中彰治

    田中委員長 天坊副総裁に聞きますが、先ほど国会の人にも相談したと言われたが、国会のだれに相談したのですか。
  169. 杉村沖治郎

    杉村委員 それを私も聞きたかつた。先ほど副総裁は、国会その他財界の人等の御賛成を得て、それでこれをやり始めた。まずその中の一人として前国鉄総裁の加賀山、こういうことをあなたはあげたのですが、国会方面の方というのはだれですか、その他の有力者というのはだれですか、あげて下さい。
  170. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 たしか当時の衆参両院の議長、それから……。
  171. 杉村沖治郎

    杉村委員 当時とは何年ですか。
  172. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 昨年の八月ごろであります。
  173. 杉村沖治郎

    杉村委員 議長だけですか。
  174. 田中彰治

    田中委員長 名前はわかつているでしよう。それは害いたもので出してください。
  175. 杉村沖治郎

    杉村委員 当時の議長というと大野伴睦かね。名前を知つているだろうがね。
  176. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 佐藤尚武さん。あとから調べます。
  177. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、この会社ができないうちにこういう契約をしたようなふうになつているのですが、その点はいかがですか。会社ができてから契約したのですか、できないうちに契約したのですか、その点を伺いたい。
  178. 津田弘孝

    ○津田説明員 これは発起人代表と契約を……。
  179. 田中彰治

    田中委員長 それを聞いているのじやない。会社ができる前かできてからが……。
  180. 津田弘孝

    ○津田説明員 発起人代表と契約いたしまして、会社ができた後に移行しているのですが……。
  181. 田中彰治

    田中委員長 会社ができない前でしよう
  182. 津田弘孝

    ○津田説明員 そうです。
  183. 杉村沖治郎

    杉村委員 発起人代表のだれと……。
  184. 津田弘孝

    ○津田説明員 加賀山之雄でございます。
  185. 杉村沖治郎

    杉村委員 そのときにどういう内容の契約をしましたか。会社ができないうちに……。
  186. 津田弘孝

    ○津田説明員 先ほど申し上げましたように、二十七年六月三十日に、長崎惣之助から発起人代表加賀山之雄に承認をいたしております。その後二十七年の九月一日に、株式会社鉄道会館が設立の登記を完了いたしました。会社ができましたので、同じ承認條項がそのまま移行しているわけであります。
  187. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、その会社ができる前に、すでにその土地の全部かあるいは一部の使用を、許しておりましたかおりませんか。
  188. 津田弘孝

    ○津田説明員 会社ができる前に、賃借料をとつておるというようなことはございません。
  189. 杉村沖治郎

    杉村委員 賃貸料をとつていることを聞いたのじやないでしよう。こんな大きな声をしているのが聞こえませんか。会社のできる前に使用させておつたかおらなかつたか、使用させておつたら、どれだけの面積を使用させておつたかということを聞いている。言つたことがよくわかりましたか。
  190. 江藤智

    ○江藤説明員 会社が設立するまでは、用地を使用したりしたことはやつておりません。会社が設立しまして、十月十四日にこの起工式をやつております。そのときに初めて用地の使用という問題が起つております。
  191. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、その契約書はいつつくりました。
  192. 江藤智

    ○江藤説明員 契約書は、発起人代表との話は、こういうかつこうでやられるならば、こちらとしては異存はない、会社の方としてもこれで異存がなければ、初めて会社をこしらえて実地にあたつてよろしい、こういう趣旨だと思うのでございます。そこでそれによりまして、十月一日に会社が初めてできまして、そしてそこで、普通ですともう一度あらためて契約をとりかわすこともあるのでございますが、この場合には、そのまま前の契約が移行をするというふうになつておりますので、そのまま移行をして、会社国鉄との間にそのとき初めて契約がなつた。そして十月一日にでき上つたので、そこで初めて会社国鉄との間の契約ができた、こういうふうに考えております。
  193. 杉村沖治郎

    杉村委員 こういうかつこうというのは、ここに書いてある、あなた方の方で提出されたところのこの文書のことを言つているのですか。この文書の内容のことを言つているのですか。
  194. 江藤智

    ○江藤説明員 そうでございます。
  195. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、これは起工式のときにやつたのですか。
  196. 江藤智

    ○江藤説明員 いやこれは会社の発起人代表と、こういう契約で、先ほど申しましたように、これなら国鉄としては異存がない——、そのときにはまだ会社ができておりませんから、会社がそれによつてでき上つたならば、この通りのかつごうでよろしければ、そのまま移行をするのだ。向うの方はそれで異存はないということで、会社とこちらとの間で、会社ができ上りましたときに、契約を結んだかつこうになつております。
  197. 杉村沖治郎

    杉村委員 それだからこれはいつ契約をしたのですかというのです。発起人代表というのは加賀山でしよう。その加賀山といつそういう契約をしたかと聞いているのです。
  198. 田中彰治

    田中委員長 さつきあなたの方では、発起人代表と契約したと言いながら、今度はそれとしないで会社としたというのは、一体何を言つているのですか。
  199. 江藤智

    ○江藤説明員 長崎惣之助から鉄道会館の発起人代表に、こういう條件でやるとすればこちらとしては異存はない。しかしまだ会社ができておらないのでありますから、会社ができたならば、これで異存がなければそのまま会社と引続いて契約するのだ、こういうふうに話をしているわけであります。それで……。
  200. 杉村沖治郎

    杉村委員 あなた、自分のうちの財産か、自分の家のお勝手道具を貸すとか貸さないとか、そんないいかげんのものじやない。国家のこれだけのもの、しかも日本の首府の玄関であるところの東京駅の土地を、これを異存がなければとかなんとか、そんないいかげんなことでやつていいのですか。しかもここに何と書いてあるか。第十九條に「この承認は、株式会社鉄道会館が設立されたときは、そのまま移行するものとする。」ということがあるじやありませんか。それであつたら、少くとも会社ができる前に契約があつたのじやないですか。いま少しまじめに、率直に答えたらどうです。
  201. 田中彰治

    田中委員長 杉村委員に申し上げますが、とてもこれではできませんから、この次加賀山社長ですか、それから総裁と来ていただいてそこでひとつやることにいたしましよう
  202. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そういたしたい。それではその最初の契約通りの会計帳簿の提出方を私は要求いたします。
  203. 田中彰治

    田中委員長 よろしくとりはからいます。  それではその当時の会計の帳簿、それから先ほど言われました立会つた政治家の名前と、財閥の名前をひとつ書いて来てください
  204. 高井軍一

    高井説明員 会計の帳簿というのはどういう……。
  205. 田中彰治

    田中委員長 あなたの方に当時金銭の出入りの帳簿があるでしよう。それから会社をつくるときに、当時のあなたの方の会計の出入りを見せていただきたい。それから会社の方へは会社の方に要求する。経費がどれだけかかつたか見るのです。
  206. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 なお尋ねておきますが、日本国有鉄道法の四十九條には国鉄が貸借をするときには一旦公告して競争入札することとありますが、これが原則になつております。これは公社全体においてこの土地の賃貸しは入札ででもやつたのか、随意契約をしてあるのか、その点はつきりしておきたいと思うがどうです。——説明ができなければ全部あとへ送ります。
  207. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 随意契約によりました。
  208. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それではやむを得ませんのでよしましよう。それからその株式会社鉄道会館の取締役会長はだれですか。及び社長あるいは専務とか常務とか、副社長。その最高の幹部はだれです。
  209. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 取締役会長は澁澤敬三、社長加賀山之雄、専務立花次郎、大体そのくらいです。
  210. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 取締役会長澁澤敬三、社長が加賀山之雄、専務はだれですか。
  211. 田中彰治

    田中委員長 副社長はだれですか。
  212. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 副社長はありません。専務立花次郎、専務伊藤茂。
  213. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 その中で元国鉄の幹部だつた人がありますか。
  214. 天坊裕彦

    ○天坊説明員 加賀山之雄氏は御承知の通りでありますが、立花次郎君も鉄道におりました。伊藤茂氏は大分前も鉄道におられたことがあるのでございます。
  215. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それからもう一点。現に使用しておる高架線下を六百もの商店飲食店などに使用させている、これから何億という賃料をとつておるといううわさがありますがその点はどうですか。
  216. 津田弘孝

    ○津田説明員 現在使用しております場所によりまして違いがございますが、前家賃といたしまして坪五千円ないし一万円のものを三箇年分会社徴収しております。
  217. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 一坪五千円のもの一万円のもある、五千円の二十坪とすれば十万円、三箇年で三百六十万円それから……。
  218. 津田弘孝

    ○津田説明員 会社はもちろんこの鉄道会館のビルディングを国鉄と協力いたしまして——というより大部分の費用は会社が持つておりまして、従いましてもちろんただとつているというのではないのでいろいろと鉄道会館の建設費の償却その他に充てまするために、そういつた家賃をとつているわけであります。
  219. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで坪高いのは一万円で三箇年も前取りしている会社が、国鉄に今日まで何ほどかの金を支払いましたかいかがですか。
  220. 津田弘孝

    ○津田説明員 まだ会社の使用面積と国鉄の使用面積は。
  221. 田中彰治

    田中委員長 いやそういうことを聞いているのじやない、金を払つたか払わないのかを聞いておる。
  222. 津田弘孝

    ○津田説明員 それは前提になるので、説明しているのであります。
  223. 田中彰治

    田中委員長 前提はいらない。
  224. 津田弘孝

    ○津田説明員 そういう不確定の部分がございますので、まだとつておりません。
  225. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 請求したこともないですか。
  226. 津田弘孝

    ○津田説明員 確定いたさなければ請求することはできません。
  227. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それではこれはやはり徹底的にいろいろな資料ないしは関係者が委員会に出ておらないといけませんので、私はもしできれば一応現地を見たいと思うのです。
  228. 田中彰治

    田中委員長 お諮りいたしますが、ひとつ現地を委員全部で見ようじやございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  229. 田中彰治

    田中委員長 それではあと理事会で日程をきめまして現地を視察いたします。
  230. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから幹部の加賀山社長、会長の澁澤敬三、運輸大臣、総裁、それから専務にぜひ当委員会に出席せられるようにおとりはからいを願います。
  231. 田中彰治

    田中委員長 それではお諮りいたします。鉄道公社の問題はこの程度にいたしまして、専売公社の問題に移りたいと思いますがいかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  232. 田中彰治

    田中委員長 御異議ないものと認め、そういたします。     —————————————     〔田中委員長退席、天野委員長代理着席〕
  233. 天野公義

    ○天野委員長代理 それでは日本専売公社所管中、質疑未了の分について、ただちに審議に入ります。質議を許します。柴田義男君。
  234. 柴田義男

    柴田委員 前に、本委員会専売公社の問題の概略調査をやつたのでございますが、私どもはどうしても納得の行かないのが一、二残つておりますので、総裁にも御出席願つたわけでございます。そこで伺いたいと思いますのは、塗料の購入の件でございます。本日われわれの手元に資料を御提出くださいましたが、この資料が本物であるかどうか、こういうことをまず最初に伺いたいと思います。いいかげんにつくつたものでないか。
  235. 小川潤一

    ○小川説明員 本物でございます。
  236. 柴田義男

    柴田委員 では重ねて伺いますが塗料を購入されたのは何の目的で塗料を購入されたのか、これをまず伺いたいのであります。なおわれわれの調査によりますると、昭和二十六年度にも確実に塗料を購入されておる。それがわれわれに配付いたしまする資料には、昭和二十七年二月二十九日に契約して三月十九日に納入をされた、こういう資料でありますので、奇怪しごくに存じまして、これはまず本物かうそ物かを伺つたのであります。
  237. 小川潤一

    ○小川説明員 塗料は、私の方には工場が四十近くございますし、建物がいつぱいございますので、絶えずそれに塗る必要がありますので、毎年塗料を購入いたしております。
  238. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますと、この資料に基いて伺いまするが、この塗料は何キロ入りの塗料でございましようか。われわれが常識で判断いたしますと、一斗カンというのは二十二キロのはずであります。二十二キロの塗料であつたならば、四千五百キロという資料でありますが、二百二十五カンでございましようか、その点を伺います。
  239. 小川潤一

    ○小川説明員 四千五百キロで、確かに一カンは二十キロ前後であります。トラック一ぱいです。
  240. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますと九十万でございまするが、一カン幾らでございますか。
  241. 小川潤一

    ○小川説明員 一キロカン二百円ですから、十キロで二千円、一カン四千円近くのものです
  242. 柴田義男

    柴田委員 これはそろばんを持つて来なければわからぬことで、大体その程度でございましようが、私どもが調査いたしますと二十二キロ入一カン現在の価格が、千円から高いもので二千円ぐらいでございます。そういたしますると、九十万円で四千五百キロをお買いになつたといたしますと、非常に高い塗料でございますが、何か特別な塗料でございましようか。
  243. 小川潤一

    ○小川説明員 なるほど一般市場から比べますと高いのですが、これはネオライトといいまして、戦後から出初めました例の防火塗料であります。ですから一般より高いのもやむを得ないと思います。
  244. 柴田義男

    柴田委員 一カン幾らぐらいですか。
  245. 小川潤一

    ○小川説明員 四千円ぐらいです。
  246. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますと昭和二十六年度に買い入れた四十ミカン、昭和二十七年度に買つているものが八十四カンというものが、現在あなたの方の東京地方局の保管でそのまま二年間にわたつて使用しておりません。こういう状態はいかがでございましようか。
  247. 小川潤一

    ○小川説明員 なるほど若干残つていたらしいのですが、何しろ四千キロといいましてもトラック一ぱいですから、うちの工場といたしては大した数量でないので、これは中継で、東京の品川ばかりで使うのでしたらトラック一ぱいのぺンキは多いのですけれども、購入の場所に近いので一応そこに入れたのです。あつちこつちへ分散しておりまして、その後逐次使つておりまして現在ではほとんどなくなつているという現状で、その部面だけをおとらえになりますと、ちよつと大きいようですけれども、そう大したことじやないと思います。
  248. 柴田義男

    柴田委員 これは金額も少額でございまするので、大した問題じやない、こうお考えでございましようけれども、専売公社が全然用途のないものを買つているのじやないか、こういうことを盛んに疑うのであります。それは現にこの資料によつても、二十二キロ入り二百二十五カンお買いになつて現在余つているのが百二十七カンでございます。二百二十五カンを買つて百カンぐらいは使つておる、そうしてわれわれが市場相場を調査いたしまするものの倍額以上に買つておる。しかも随契でこれをとつておる。何の必要があつて、こういう高い塗料を随契で買うのか。この前の委員会におきましてもこういう問題が一つ、二つあるので、こうした間違いがございませんかと念を押したわけでございます。そういたしますと総裁みずからが、そういうことはないという御答弁であつた。けれども現実にこういう問題があつたから、われわれはふしぎにたえないので再び御足労を願つておるのであります。金額が非常に小さいという問題で、九十万円と申しますけれども、われわれは一銭たりとも国の財産は国の財産という考え方を持つておりますので、念を押して伺つておる次第でございます。
  249. 小川潤一

    ○小川説明員 御不審の出るのもごもつともと思いますけれども、トラック一ぱいの塗料を品川で買つて入れたのでございますが、その後もやはり品川で買つて、そして現在の百何十カン—ちようど先生方がお調べになつたときにそういう在庫であつたのです。それはその後も必要があつてつているというくらいでございますので、そう神経質になられなくてもいいんじやないかと思います。それから値段の点も、これは防火塗料で——防火塗料というのは昔はなかつたので、おととしあたりから出始めたものですから、少し高くてもやむを得ないと思います。特殊な製品として、いわゆる随契の形をとつたのであります。これも会計規定に違反しないのであります。
  250. 柴田義男

    柴田委員 まだこれ以上お買いになつておるならまた別でありますが、われわれが聞いておるには、この塗料を五百万円ぐらい買い込んだ、こういうことも聞いております。これは単にうわさでございまするので真偽のほどはちよつとわかりませんが、そういうようにいつでもお買いになりまする場合には、この吉野理化工業という株式会社のものだけをお使いになつているようにうかがえるのですが、そういうような仕入れの方法をおとりになつているのでございましようか。
  251. 小川潤一

    ○小川説明員 なるほど今の九十万円以外に買つております。事実を申しますれば、あとアルビーというのを百八万円買つておりますし、なおその後も東京局で百万円近いものを買つております。アルビーというのは、米国のやはり同じ輸入品でございます。同じ性質の防火塗料の輸入品であります。これはまた違う会社から買つておりますし、別に東京樹脂化工ですか、これにこだわつておるわけでは、ございません。たまたまだれかに紹介されて、それがなるほどいいというので飛びついたかもわかりませんが、別に他意あつたことではございません。ただ全部の商品について、塗料に関してわれわれは完全になる知識を持つていないために、あるときは紹介者が優先して、いいものに飛びついたという結果は出たかとも思いますけれども、わざわざそのためにある人を助けるとか、ある人のためにやつたことは、われわれは専売局ではないと信じております。
  252. 柴田義男

    柴田委員 そうしますと、この塗料というものは、木造建築に防火用としてお使いになるのでしようか。
  253. 小川潤一

    ○小川説明員 木造にも塗りますし、それからさびどめの塗料も中にはございまして、機械類にも塗りますし、鉄骨の露出部分にも塗りますし、その用途は多種多様でございます。なるべくその原料を支給して請負わした方が安いものですから、地方局ではいやがるのです。実際はペンキも込めて坪幾らで塗れというのがペンキ屋も一番喜ぶのですが、これをなるべくしたくないと思つて、品物を配つたわけです。
  254. 田中彰治

    田中(彰)委員 ちよつとお尋ねいたします。この前の総裁がおいでになつたときに私は休んでおつたのですが、専売公社には不正なものはないというようなことをおつしやつていました。できれば総裁からお答え願いたいのですが、この専売公社の九九八、この分の一としまして、新光鋼材株式会社というのは、これはいつごろ設立された会社ですか。
  255. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これはこの前もお話申し上げたと思いますが、二十年ごろできて、それから名前がかわりましたのが二十五年かと思います。
  256. 田中彰治

    田中(彰)委員 資本金幾らですか。
  257. 内藤敏男

    ○内藤説明員 資本金は、ただいま資料がございませんが、たしか百万円くらいかと思つております。
  258. 田中彰治

    田中(彰)委員 ほかにできておつた会社を名義だけ、登記面だけ買受けたということなんですが、そうですが。それとも払込みを完全にして、これは発起人をつくつた会社ですか。
  259. 内藤敏男

    ○内藤説明員 そこまでは私の方も存じません。
  260. 田中彰治

    田中(彰)委員 二十六年九月となつておりますが、どうですか。
  261. 内藤敏男

    ○内藤説明員 私の方に今資料がないのですが、二十五年と申し上げたのも二十六年の誤りかもしれません。
  262. 田中彰治

    田中(彰)委員 でごお尋ねいたしますが、この会社に相当なものをお売りになつた。約八千三十九万四千二百五十円という、これだけの物を売つておいでになつて、しかもそれを自分の方で検収しないで、その倉庫で検収されて、そうして前渡金を渡されておるのはこれは事実ですか。
  263. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは前回申し上げましたように、売つたのではありませんで、買つたのであります。今のお話のような形になつております。
  264. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでこの百万円の会社の倉庫に置かれたとこにしてありますが、お買いになつたものをこの倉庫に置かれたなら、新光鋼材というものは倉庫を持つてつたのですか。
  265. 内藤敏男

    ○内藤説明員 倉庫を持つておりましたという報告を聞いております。
  266. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうも専売公社の方方は、先ほどの弁明にもある通り、このくらいのことをしても別に行き過ぎではないとか、あるいはまた大したことではないというようなことをおつしやいますが、百万円の会社が今月できてあくる月にあなたの方で八千万円ばかりの品物をお買いになつている。これだけのものを入れる倉庫が一箇月にできるのですか。
  267. 内藤敏男

    ○内藤説明員 買いましたのが二十六年の三月で、一箇月ではないと思いますが、前にもこの会社から少量でございますが鋼材を買いまして、うまく行つた例があるのでここから買つたのであります。
  268. 田中彰治

    田中(彰)委員 会社が二十六年の九月にできて、あなたの方が二十六年の四月にお買いになつたということになるならば、これはおかしいじやないですか。どうですか。
  269. 内藤敏男

    ○内藤説明員 二十六年の三月に購入したものでありますから、やはり二十五年だつだかもしれません。とにかく会社はあつたのでございますから……。
  270. 柴田義男

    柴田委員 関連して。今田中委員からも御質疑がありましたこの問題に関連いたしますが、新光鋼材株式会社の創立はこ十六年九月でございますよ。そうしてあなたの方でこの鉄板類をお買いになつたのは二十六年四月で、代金は全部お払いになつておる。しかも八千万以上の金を前払いでやつておる。その後にその会社に保管をゆだねておる。こういうことはあり得ましようか。会社ができる六箇月前でございます。
  271. 内藤敏男

    ○内藤説明員 会社ができる前ではないと思います。私の方としては、会社はあるというのでこの会社と取引をしたわけであります。
  272. 田中彰治

    田中(彰)委員 これは専売公社におられた方がやめられて、個人的なことをやつておられて、今度はこれを買うのについて前金をもらつたから、それで会社をつくつた、こういうことではないのですか。
  273. 内藤敏男

    ○内藤説明員 この会社は、専売公社あるいは旧専売局員は関係した者は一人もおりません。
  274. 田中彰治

    田中(彰)委員 表面には出ておりませんが、専売公社におつた人が中に入られて、これを売買されたのではないのですか。
  275. 内藤敏男

    ○内藤説明員 そういうことは全然ありません。
  276. 田中彰治

    田中(彰)委員 この会社は、これだけの品物を置くだけの倉庫がありますか。
  277. 内藤敏男

    ○内藤説明員 私現場を見ておりませんが、多分あつたと思う。その検収の結果金を払つたということだと思います。
  278. 田中彰治

    田中(彰)委員 そういうでたらめをおつしやらないでください。調べてみたが、倉庫はないのですよ。しかも八千万円からの金を前金で渡して、今度は会計検査院検査に行つたときには、四百六十六万五千八百九十七円という品物はなかつた。そうして会計検査院からそれを指摘されて、これを取上げるのに半年以上もかかつている。こういうことでは、一体専売公社は、こういう金を専売公社独自の金と思うか、国民が泣いて税金を納めた金と思うか。どういうふうに考えておられるのか。
  279. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これはやはり予算できめられた金でございまして、公社独自の金というわけには参らないのであります。
  280. 杉村沖治郎

    杉村委員 関連して。今田中委員質問答えて、倉庫は見ておらない、こういうことを言われますが、それだけの価格の物を買つて、そこへ預けて置いて、その品物がどこにあるのか見たこともないのですか。
  281. 内藤敏男

    ○内藤説明員 その検査に当つた者は見ておりますが、私は見ておらないということを申し上げたのであります。
  282. 杉村沖治郎

    杉村委員 それはあなたは見ておらないにしても、そういう無責任な答えはいかぬですよ。しかもそれだけのものを預けてあつたならば、どこかに保管してなければならぬ。その保管して、なくてはならぬものを、あなたも見ないし、専売公社の何人も見ておらないはずはないわけです。それを私は見ておりませんからという、そういう答えをして涼しい顔をしておるということは、きめて答弁が適当ではないが、適当だと思つていますか。
  283. 内藤敏男

    ○内藤説明員 ただいまの私の答えは不十分だつたと思います。
  284. 田中彰治

    田中(彰)委員 この倉庫は、私らの調べたところではよその倉庫です。そういうようなよその倉庫に振りかわるような百万円の会社ですから、八千万円の資本金から行きましても、百万円の会社にその十倍の一千万円を前渡ししたならばともかく、会社ができていたかできていないかもわからない。あなた方が言う通りにしたところで、この会社ができてから一箇月後に買つたかあるいはできない前に買つたかということはわからない。この会社に八千万円からの金を渡して、その倉庫はどこの倉庫だかわからないということを調べて、しかも会計検査院行つてから四百万円以上のものが足らなかつたと指摘されるまで、それを放任しておいたというようなことで、一体総裁はどういうぐあいにお考えになつておられますか。
  285. 入間野武雄

    ○入間野説明員 この扱い方につきましては、まことに遺憾であると存じます。
  286. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなた方御承知でしようが、専売公社全部を調べてみますと、これは相当な金額になります。ほんの一部だけでこれだけのものが出ている。あと専売公社全部やると相当なものです。総裁も御承知でしようが、この会計検査院検査の仕方はまつたくルーズです。どういう検査をしておるかと申しますと、あなたの方にいつのいつかに会計検査に行くからという予告をして行くのです。ちようど刑事がどろぼうをつかえに行くのに、いつのいつかにお前を逮捕に行くからというのと同じで、どろぼうがつかまらぬのはあたりまえなんです。国税庁が民間の脱税調査に行くときに、いつのいつかに脱税の調査に行くからと言つたら帳面一つとれません。そういうように民間などにはみな不意打ちをしておる。しかるに役所には予告して行つておる。そうして調べておるのはたつた四分の一なんです。四分の三は放任してある。そこでこういうような金額を、資本金百万円の会社にこれだけのものを渡されて、倉庫がどこの倉庫だかわからない。品物を検収しておかなかつた会計検査院から検査されて約五百万円近く足らなかつた。ただそれで遺憾に存じますでは、国民が泣いて、総裁、税金を納めませんよ。国民が一体どうなつておるのですか。税金を納めないと、競売にされる。土足で踏み込んで捜査をされる。そうして差押えをされる。脱税すれば刑務所に入れられる、こういうふうにして納めたのを、こういうことをなさつて、遺憾にたえないでは、総裁ちよつといけない。これはどういう処置をとられますか。
  287. 入間野武雄

    ○入間野説明員 この品物を買いましたことにつきましては、私はあえて不正はないと思います。ただその受入れその他について遺憾の点があつたと思います。従いましてこの品物も全部入つて参りましたから、当時どういう処置をしたか私存じませんが、公社としては損しておらぬと考えております。
  288. 田中彰治

    田中(彰)委員 総裁、あなたがそういうお考えを持つておられることは大きな間違いだ。不正がないとは何ですか。一旦品物を自分の方の倉庫に入れて検収されて前渡しの金を渡さなければならないのに、検収しないで前渡しをして、よその倉庫に入れておいて、会計検査院から調べられて五百万円足らないのが、不正はないのですか。
  289. 入間野武雄

    ○入間野説明員 田中委員のおしかりをこうむりましたが、当時倉庫がふさがつておりましたので、検収はいたしたそうであります。その検収のやり方がきわめてずさんだつたために、あと会計検査院から指摘されたことはまことに遺憾であります。検収もして、うちの倉庫が一ぱいだつたために寄託をいたしたような形になつておると承つております。
  290. 田中彰治

    田中(彰)委員 百万円のできたばかりの会社に、倉庫を持つておらぬ会社に、八千万円からの前渡しを品物をとらない、そういうことを専売公社は全部の人に対してやつておるのですか。百万円の資本しかないのに八千万円からの前渡しをして、しかも検収したとおつしやいますが、検収していないじやないか。検収したならどうして五百万からの品物がないのですか。
  291. 入間野武雄

    ○入間野説明員 検収したことがずさんであつたことはまことに申訳ないと申し上げておるのであります。検収を全然しないわけではなかつたと記憶いたしております。
  292. 田中彰治

    田中(彰)委員 その検収がずさんだつたということは、不正じやないということなんですか。
  293. 入間野武雄

    ○入間野説明員 悪意があつたのではなくて手落ちだつたと考えます。
  294. 田中彰治

    田中(彰)委員 少くとも人のうちの倉庫に預けるのだからなおさら厳重に検収しなければならないものを、五百万ですぞ、五万じやないのですぞ、五百万からの品物を落しておいて、会計検査院に指摘されるまであれして、ただ手落ちで済みますか。あなたのそういうお考えならば、今後専売公社に大きな間違いが起ると思う。あなた方はどういうことをやつておるのですか。タバコの小売人をつかまえて、小売人がウイドをつくるのが遅れたからといつて営業停止を食わせるとか、パチンコ屋に売つたからといつて刑務所に入れるとか罰金をとるとか、強硬な行政を行使されておる。その総裁がこれだけのことを——百万円の会社に八千万円からの前渡しをして、品物をよその倉庫に、その買つた方の倉庫ではない、ほかのほんとうのブローカーだ。それにそういうことをしながら、五百万からの品物を会計検査院検査されるまで放任しておいて、これで不正がないと言うほど常識のない方ですか、あなたは……。少くとも常識からいつても、不正がないというのはおかしいじやないか。そういうことをして品物が足りなかつたら、何かそこにあるかもしれないからそれを調べなければならないというのが普通の常識ですよ。これをあなたは何ともないとおつしやるのですか。
  295. 入間野武雄

    ○入間野説明員 専売公社が全部かくのごときことをやつておるとは存じません。正しい買い方をしておるが、たまたまこれは一つの例外でございまして、私はこの扱いがずさんであり遺憾であると申し上げておるのであります。
  296. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたは専専売公社がそういうことをやつてない、たまたまこういうものが出たと言われるが、それならたまたまこういう大きなものが出たということに何か不正の原因とか何かなければならないと思う。たまたまこういうものが出たということは不正じやないと言われる根拠はどこにあるのですか。
  297. 入間野武雄

    ○入間野説明員 何か会社から贈賄とかそういう問題がありますれば、これは調べるところが調べると思いますし、本件につきましてはそういうことはないように承つております。従いまして不正がないと申し上げましたのは、その点であります。
  298. 杉村沖治郎

    杉村委員 総裁に伺いますが、この売買契約はどういう契約でありますかそれをお伺いしたい。
  299. 入間野武雄

    ○入間野説明員 詳しいことは就任前でよく知りませんので、契約の内容等については他の説明員に説明させます。
  300. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは数社から見積りを出させまして、その見積りのうちの安いものをとつた、形は随意契約でございますが、入札的なことを加味した、会計の方ではこれを見積り合せと言つておりますが、その方向であります。
  301. 杉村沖治郎

    杉村委員 それは商人を選定する方法であつて、売買契約はどういう契約をしたかという質問だから、その点を答えてもらいたい。それはあなた、人間の方の選択の方でしよう、選択の方法だけを聞いたのではない、売買契約はどういう契約をしたかということを聞いておる。
  302. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは先ほど総裁から申しましたように、こちらの倉庫が一ぱいでありましたので、向うの倉庫で検収をいたしまして、そこで保管証をとりまして、こちらの倉庫があくにつれて順次引取るというふうな形であります。
  303. 杉村沖治郎

    杉村委員 倉庫が一ぱいだとか何とかいうものは売買契約じやないですか。売買契約というものは、単価が幾らで、総量が幾らで、品物は売買契約をしたらどちらの危険負担になるとか、どちらに保管の責任があるとか、すべて売買契約のことを聞いておるのです。私の問いがよくわかりませんか。売買契約はどういう売買をしたかということを聞いておる。倉庫に保管してあるとか何とかいうことは、その売買契約の一端にすぎないじやないですか。品質がどういうものであつて、数量がどれだけあつて、売買代金の支払いはいつ支払つて、品物の引渡しはいつやつて、品物に対する危険負担はだれが負担をするか、どちらに負担があるか、そういうことを聞いておる。そういういいかげんなずさんな御説明ではだめだ。
  304. 内藤敏男

    ○内藤説明員 品物はいろいろございますが、これは……。
  305. 杉村沖治郎

    杉村委員 いろいろあれば品種の方は省略してもよろしい。
  306. 内藤敏男

    ○内藤説明員 金額はこの報告書の中にも書いてございますように、これは新興鋼材ほか三社でございまして八千万円ほどになります。それから買いましたあと、向うに保管をさせておりますので、保管の責任は相手の業者側にございます。
  307. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると所有権はどちらに移つてつたのですか。買つた品物に対するところの保管の責任は業者の方にあるというのですが……。
  308. 内藤敏男

    ○内藤説明員 所有権は公社に移りまして、向うが保管をしておるという形であります。
  309. 杉村沖治郎

    杉村委員 所有権は公社の方に移つてつたのですね。
  310. 内藤敏男

    ○内藤説明員 ええ。
  311. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうしたなれば、納入という問題は起つて来ないのじやないかな、公社に所有権があるんだから納入というのは何のことを言つておるのか。
  312. 内藤敏男

    ○内藤説明員 公社の、先ほど申しましたように倉庫に運び込む搬入でございます。納入はもう済んでおるのです。
  313. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると納入が幾ら残つたというのは、未納であつたのか、盗まれたのか、その点どうなんです。
  314. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは実は検収に当りました者が見間違いをしまして、不等辺山型鋼を等辺山型鋼と見誤りまして、検収が手ぬかりがあつた結果こういう形になつたのであります。
  315. 杉村沖治郎

    杉村委員 検収が手ぬかりがあつたとはどういう手ぬかりなんです。
  316. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは不等辺山型鋼と申しましてこういう形になつておるのでございますが、両方の長さがひとしいものが等辺山型鋼、片方の長さが短かい、こちらがこうであつたものを、両方ともひとしいものと見誤りまして、等辺山型鋼を不等辺山型鋼と見たところに間違いがありました。
  317. 杉村沖治郎

    杉村委員 買うときに……。
  318. 内藤敏男

    ○内藤説明員 はい。
  319. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると売買のときに過失があつたのですか、錯誤があつたのですか。
  320. 内藤敏男

    ○内藤説明員 売買のときでなく、こちらが検収する場合に間違いが起きたということであります。
  321. 杉村沖治郎

    杉村委員 検収するというのはどういうことをやつておるのですか。
  322. 内藤敏男

    ○内藤説明員 品物を見まして、これなら契約にきめたものであるということを認めるわけでございます。
  323. 杉村沖治郎

    杉村委員 売買をして所有権があなたの方に移るときに品物は見ていないのですか。
  324. 内藤敏男

    ○内藤説明員 見たのでございますが、今申し上げましたように、その等辺と不等辺とを間違えてしまつたということでございます。
  325. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると売買のときに品物を見誤つたのですか。
  326. 内藤敏男

    ○内藤説明員 今のをもう少しこまかく申ますと、契約いたしまして、こちらが検収をしまして、それから金を払つてこちらの所有権に移るということになるのであります。
  327. 杉村沖治郎

    杉村委員 売買をするときに品物を見てこの品物ということで売買したのでしよう、そうじやないのですか。金を支払つてからあとで検収したのですか。
  328. 内藤敏男

    ○内藤説明員 金を支払う前に見たわけでございます。
  329. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると金を支払う前に売買契約ができたのですね、そのときに山形鋼を見誤つたというのですか。
  330. 内藤敏男

    ○内藤説明員 その品物を引取るときに、こちらの倉庫でなく向うの倉庫で検収したのですが、その際に見誤りを侵したということです。
  331. 杉村沖治郎

    杉村委員 引取るときじやない、売買のときはどうだというんです。あなたは引取るときに見誤つたということになると、売買をするときに、たとえばこの机とこの机ということで約束したのか、ただ約束しておいて引取るときにその一つがなくなつたというのがはつきりしなさい。
  332. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは規格のあるものでありますので、品物を見ずに規格で契約の場合にはしております。品物を引取る場合に検収ということになつたわけであります。
  333. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると会計検査院の報告は間違つておるということになるのですか。
  334. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 ただいまの点はこの前も吉田委員から御質問がありまして、一応お答えしておきましたが、会計検査院検査報告には指定場所に納入されて云々とあります。これは契約書の納入地は芝四国町専売公社倉庫、こういうことで契約書の文面から行きまして四国町倉庫に納入されるべきものがまだ納入されていない、指定の場所に納入されていない、こういう解釈で会計検査院検査報告には出ております。ただいま公社の方から御説明になりましたが、契約の文面はたまたま書き誤つたのであつて、当時の話は現場で検収するということであつたと思う、こういう御説明がありました。それが事実であればこの検査報告の記述は間違つてつたということでありますが、私の方は契約書の文面で記述しております。
  335. 松山義雄

    ○松山委員 入札をさせるときにはやはり資格といいますか指定をするについては何か一定の基準があるでございましようか。御用商人といいますか、それには従来からの会社としての実績あるいは信用その他について、専売公社にそういうものを入札させるについては何か一定の実績とかいうものがあるのじやないかと思いますが、それはどうですか。
  336. 内藤敏男

    ○内藤説明員 そういうものも、いわゆる有資格者ということで各会社から経歴書というものが出て参りまして、それを見ましてこのくらいのところなら契約してもいいということで契約を結びます。
  337. 松山義雄

    ○松山委員 そうするとその場合はやはり有資格として、一応指定商人としてはお認めになつたわけでございますね。
  338. 内藤敏男

    ○内藤説明員 実はこの事件の場合にはちようど朝鮮動乱のあとで品物がなかなか買えないだろうというようなことでありまして、大手筋からなかなか買えません。そこで少し言葉を悪く言いますといろいろなところから買いあさつたというふうなかつこうになりまして、ただいまの御指摘の会社、新光鋼材が前にも取引した例があつたものでございますから、それに一応出すということを言つたわけであります。なおついでに言つておきますが、そのほかの四社と申しますのは森川商店、日管鋼業、森岡鋼業、東洋鋼材、そういうようなところからそれぞれ買つております。
  339. 松山義雄

    ○松山委員 そうするとほかの四社は一定の有資格者でございますか。
  340. 内藤敏男

    ○内藤説明員 大体この程度ならということで取引いたしたわけであります。
  341. 松山義雄

    ○松山委員 そうするとそれは専売公社の御用商人として、有資格としてのほかの業者が従来認定される会社でありますか。
  342. 内藤敏男

    ○内藤説明員 別に専売公社の御用商人という制度はございません。経歴書を出して参りますから、それを入札なり見積り合せのときのためにとつておくわけであります。今度何か買うというときにこれを見まして見積る、こういうような形であります。
  343. 松山義雄

    ○松山委員 一般の官庁でもやはりこれくらいの経歴ならいいというような指定は一応すると思いますが、専売公社ではそういうふうな例はございませんですか。ただ取引々々によりまして、しかも申し込んで来ますとその中からその都度お選びになつて入札をさせるのですか。
  344. 内藤敏男

    ○内藤説明員 大体普通の物品を購入いたします場合には指定商人という制度をとつておりません。先ほど申しましたように、出して来るものは一応預かつておきまして、あとで物を買つたりする場合にそれを利用して入札させるなり見積りをさせているという形であります。
  345. 松山義雄

    ○松山委員 何かそれを営める標準はございませんですか。
  346. 内藤敏男

    ○内藤説明員 品物でございますと非常にいろいろなものがございまして、一定の標準というわけには参りません。それでそのときの認定ということになると思います。
  347. 松山義雄

    ○松山委員 そうしますと、契約をされるとか、あるいはそういうふうな申込みがあるときには、会社でありますならば資格証明、いわゆる等級調査というようなものを添付させられるのでございましようね。
  348. 内藤敏男

    ○内藤説明員 その前に大体自分のところのものを買つてもらえないかということで持つて参るのが多いのでございます。こちらから呼びかけて買うということは新しいもので、呼びかけて買うという例は比較的少いのであります。
  349. 松山義雄

    ○松山委員 でございますからただいまの場合におきましてもまだ会社設立のうちから、あるいは設立前でありますかわかりませんが、この会社が設立前だといたしますと前渡金を受けて、そしてその後会社なつたということになるわけですが、そういうふうな場合にもつと資格をはつきり——その当時の申し込んだ資格というのはどういうふうな資格で申込みがあつたわけでありますか。
  350. 内藤敏男

    ○内藤説明員 この会社がわれわれと契約したときにできていなかつたということは、正直に申しましてきようただいま承つたのが初めてでございまして、われわれの方としては会社としてあるというつもりで、会社と取引したのでございます。
  351. 松山義雄

    ○松山委員 その契約中に、あるいはさつきも申しましたように役所知入札をさせて来る、指定をさせて来るというようなときに、資格証明あるいはその他会社の経歴を書くと思うのでありますが、そういうふうなことによつて御判断をされると思うのでございますが、そういうふうな事実は調べたかどうか。そういうような事実はないのかどうか。
  352. 内藤敏男

    ○内藤説明員 前にこの会社から少しですか買つた事件がございます。一応そういうふうな名簿が出ております。
  353. 松山義雄

    ○松山委員 前に買われたときにその会社の資格につきまして、どういうふうな会社であるか、あるいはいつ設立されたのであるか、どういうふうな資本金であるか、どういうふうな重役メンバーだとか、どういうふうな実績があるかということはやはりお調べになつてそして契約されたと思うのであります。一回か二回か知りませんが、そういうような取引があつたと思いますが、最初のときにそういうような資格は調査なさらなかつたのでありますか。
  354. 内藤敏男

    ○内藤説明員 最初のときは調査したはずでございます。
  355. 松山義雄

    ○松山委員 そういたしますと、最初の取引はいつでございますかわかりませんが、その当時会社が実在しておつたというわけでございますね。  それからもう一つ専売公社におきましては、どれくらいの金額から総裁の決裁を要するのでございましようか。この事件については総裁の決裁があつたのでございましようか。あるいはそこまで行かずに購買係だけで済ませるのか、その点を伺いたいと思います。
  356. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは総裁の決裁をいただいております。
  357. 松山義雄

    ○松山委員 金額は。
  358. 内藤敏男

    ○内藤説明員 五百万円以上は総裁の決裁を受けることになつております。
  359. 田中彰治

    田中(彰)委員 私は別に総裁に執拗に食い下るわけではないのですが、どうも常識的に私に考えられないものがあるのです。この新光鋼材株式会社のほかに、三社から購入してあるにもかかわらず、新光鋼材株式会社限つて、とにかくよその倉庫を専売公社の倉庫と書いて書類もその点間違つた。しかも品物も一つか二つならいざしらず、五百万がらの品物を間違つた。こういうものが出ておるのは総裁は常識としてどういうふうにお考えになりますか、それをお伺いしたいと思います。
  360. 入間野武雄

    ○入間野説明員 ほかの三社はやはり寄託いたしたそうでございます。
  361. 田中彰治

    田中(彰)委員 寄託というとどういうことですか。
  362. 入間野武雄

    ○入間野説明員 同様の買い方をしておるそうでございます。
  363. 田中彰治

    田中(彰)委員 同様の買方をされればなおさらそうですが、ほかの三社は何にも間違いないのに、この新光鋼材だけについて、契約書に専売公社の倉庫に入つたと書いてあるのに、倉庫はほかのものだ、あるいはまた品物も、これに限つて五百万も品物を間違えたのか、これは常識上どうお考えになりますか。
  364. 小川潤一

    ○小川説明員 この問題は、御承知のように、行政監察委員会でさんざんえぐつていただいたといつてはおかしいのですが、えぐられて今の先生のおつしやるような疑惑があると思つて調べていただいたんですが、幸いにして、案外そういう常識的な不正はなかつたということで、ただやり方はちよつと疑惑を買うようなやり方だつたということであります。当時としては鉄が実際ないものですから、ありそうな業者にはみんな当つたわけです。それで当時森岡、森川というのは鉄屋のブローカーでは戦争中からかなり有名なものですから、こういうようなものが出ておると思うのです。たまたま新光鋼材でばかに持つていたんで、案外常識的に考えると何かありそうだけれども、なかつたということなんですからひとつよろしくお願いします。
  365. 田中彰治

    田中(彰)委員 これは行政監察に出た、私は名前は言いたくないが行政監察に出て、こういう問題を許してもらつたからそのかわりに五百万ばかりの品物を買つたという例もあるんだから、そういうことをおつしやらずに正直におつしやつてもらいたい。それからもう一つは、これは名前は言いませんけれども、しかし、ほかのブローカーの森川さんもみな大きなブローカーだが、それは何も間違いない。この社だけ五百万からの品物を間違えた。車売公社の倉庫と書いてあるのはよその倉庫だつた。私はこれを責めるのではないけれども、あなた方の常識がちよつとどうもピントがはずれているから、そういう常識をもつて今後やられるとこれはたいへんなことになると思うのであります。それからもう一つ先ほど総裁はたまたまこれがあつてあとはそういうことはないのだとおつしやつたのですが、ここにこういうのがあるのです。秩父セメント株式会社からセメントを三千トン購入した。これも二千百万ばかりの金を渡してあるのです。ところが昭和二十六年九月に至るまで引取つていない。セメントなどは前金を渡して引取らないでおつて、もし固くなつてしまつたら使えないものなんだ。たまたまそういうものがあつたんだが、総裁はほかにはそういうものはないとおつしやるのだが、総裁はそういうことをお知りになつておつしやつているのか、お知りにならないででたらめなことをおつしやつているのか、それともほんとうに知らないでおつしやつたのか、それを伺いたい。
  366. 入間野武雄

    ○入間野説明員 私の申し上げましたのは、専売公社として購入いたしました数量は非常に多いのでございます、そのうちこういう事件がたまたま例外的に出た、こう申し上げたのでありまして、私はあえて良識を疑われるようなことを申し上げたことはありません。
  367. 田中彰治

    田中(彰)委員 良識を疑うのではない。たまたま出たとおつしやるが、ここにもあるじやありませんか。セメントもあればリノリユームもあれば、こういうものが羅列してあるのです。これはみなもう一回調べ直しましようか。
  368. 入間野武雄

    ○入間野説明員 過般お話がありましたので、委員長あてに書面を出しておりまして、御指摘の点につきましては爾今注意すると申し上げております。私就任以来こういう問題の起らないように、全力をあげてやつておるつもりであります。
  369. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ただいまの新光鋼材の九九八号事件、これは前会私からも相当伺つたのです。記録が手元にありませんので、思いかえすために念のために伺うことを先にいたしますが、この末端の不等辺山形鋼八十九トン三八五、価格四百六十六万五千八百九十七円、この分に限つては、九月会計検査院の調査のある時期に、まだ現実に受取つておらなんだのではなかつたでしようか。専売公社から伺いたい。
  370. 内藤敏男

    ○内藤説明員 先ほど等辺と不等辺と間違えて申し上げましたが、この分に限りましてはだんだんこちらの方に引取りまして、いろいろ催促をやつておりますときに検査院の方から御指摘があつたわけであります。
  371. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで総裁に伺いますが、総裁はこの新光鋼材ほか三社のこの案件については、国に損害をかけておりませんと確言なさつた。ところがこれはあなたもここにおいでこなるのだし、書面を委員長あてに出したとおつしやるのだから、この問題は御研究になつたと思うのです。ところが物件を引取ることなしに、現物がないのに数箇月間約五百万円という金を先に払つておるのですよ。これで公社に損害がなしということをあなたは言えますか。
  372. 入間野武雄

    ○入間野説明員 あとからそれもとりましたので、全体として損害をかけてない。不足の品物があつて、それをとりそこなつて損害をかけたとは考えておりません。
  373. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたも総裁なんだから、経理はずいぶんと御精通になつておると思う。前会にもの点を指摘したのです。いやしくも四百六十万円という大金であります。われわれ民間のものが四百万円からの金を融資を受けようとすればたいへんなことなのです。ところが専売公社は数千億の金の出入があるというがために、四百六十万円が数箇月間無利息で営利会社に使われておるのですよ。これは現物を受取ることなしにそれで一体損害なしと言えますか。はつきりしてください。
  374. 入間野武雄

    ○入間野説明員 私の申し上げましたのは、現物があると思つて金を渡しております。従いましてその検収の仕方につきましては、まことに申し訳ないと存じます。しかしながらその後会計検査院の御指摘もありましたので、こういうまことに醜い結果をもたらしましたことは遺憾の至りであります。とにかくそういうことでありましたので全部領収して片をつけたということになつております。
  375. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私はあなたが御就任当時の事件舌ないから、しいてあなたに責を問うような問い方はしないのですけれども、四百六十万円からの大金を、品物が数箇月間引取られることなしに、約束に反して数箇月間営利会社にただ使われておるのですよ。だから金利だけでも公社は大きな損害をこうむつておる。そういうことに対する御認識がなさそうだ。だから検収が不手ぎわであつたとか、申し訳ない、注意します、そんなことを伺つておるのではない。損害がないとあなたは公言なさるから伺つておる。金利において莫大な損害がありますよ。
  376. 入間野武雄

    ○入間野説明員 御承知と思いますが、公社の金は日銀にただちに入れますので、金利をとつておりません。そういう意味におきまして、直接の損害はございません。ただしかしながら、まことに申訳ない事件であると考えております。
  377. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたは経理がおわかりにならない。もつとしつかりしてください。いやしくも政府関係機関公社としての、経理の最高の責任者なんです。日本銀行に無利子預金するとかなんとか、そういうことによつて損害の有無の標準を立てるべきではありません。いやしくも専売公社が、四百六十万円を営利会社利息もなしに、数箇月間ただ使われておつたということで、何の損害もこうむつておらないということは、私ども常識で判断できません。これ以上は議論になるからやめます。  次になお、お尋ねいたします。九九四号、九九五号、これもあなたの在任中でないからとおつしやるかもしれない。しかしながら、請負の代金について、藤川某外十八名に、仕事もまだ完成しないのに、二千百十三万九千余円を支払い、また泰野菜外四名から購入したタバコ引きかえ書などの代金、これもいまだ完全な履行がないのに、小切手を支払つて、しかも請負人その他の名義で預金して、その後になりまして完全に履行しておる。九九五号も類似の事件でありますから、一括して言つておきますが、こういうふうに、完全履行がないのに、先に金を払つて、受取つた者が別途預金して、後に至つて履行されておる。こういうふしだらなものがあるわけであります。前者は二千四百五十万円、九九五号におきましては、合計千五百七十八万円、こういうことになるのです。御感想はいかがですか。
  378. 入間野武雄

    ○入間野説明員 これもよく知らないのでありますが、ただいま聞きましたところが、払わずに、こちらで預金をしておきましたそうです。
  379. 杉村沖治郎

    杉村委員 私はさきの新光鋼材のことについて、先ほど関連して聞きたかつたのだけれども、購入したときから納入までの期間に、しかも会計検査院からこういうことを摘発されるまで、買い入れた品物を受取ろうとしなかつたということは、当時この品物がさほど必要じやなかつたんじやないですか。その点いかがですか。
  380. 内藤敏男

    ○内藤説明員 検査院から指摘されるまでとらなかつたのではありませんで、逐次引取つて参りまして、最後にここに載つておりますものがないということで、しきりに催促しておりますところへ、検査院の検査を受けたという形であります。
  381. 杉村沖治郎

    杉村委員 そうすると、必要性はあつて、買うには買つたのですね。
  382. 内藤敏男

    ○内藤説明員 これは朝鮮動乱に基く備蓄用として買いましたので、すぐ具体的にこれをどこへということにはなつておりません。
  383. 杉村沖治郎

    杉村委員 これだけの数量が、会計検査院が指摘したときに未納であつたということは、少くともそれだけの量については、当時まで必要がなかつたということにしかわれわれは想像されない。そういうことは非常に遺憾とすることである。これは総裁をいじめるというわけではありませんが、総裁の心の持ちようが、先ほどから委員お答えなつておるようであると、下の者またこれを見ならうということになるのではないかと思う。それで、あなたは日本銀行に金を入れるのだから、自分の方では一つも損をしないということを言われるけれども、日本銀行の金はどういうふうに動くのか。日本の経済のことを知らないで、総裁がそんな無責任な答弁をされて行くということになりますと、以下あなたの下の、実際に仕事の面に携わつておる人は、きわめて無責任なことをやるだろうと思う。私はこれ以上追究はいたしませんが、総裁にいま少し国民のためにという気持をもつて職務に従事してもらいたいと思いますが、総裁の所見はいかがですか、
  384. 入間野武雄

    ○入間野説明員 ただいま御注意にあずかりまして、まことに恐縮に存じます。私が言葉が下手なために、いかにもふしだらで、下の者がこれにならつて、悪いことでもしているのではないかというようなお疑いを受けますことは、まことに遺憾に存じます。しかしながら、私は就任以来、誠心誠意専売事業発展のために骨を折つて参りました。ただいま御注意いただきましたような不正、もしくは不経済な運営はさせたくない、こう考えております。
  385. 杉村沖治郎

    杉村委員 もちろんあなたに不正をさせるなんという気持があつては、たいへんです。不正をさせたくないということは、当然なことなんであります。でありますから、あなたがそういうことをおつしやつても、なかなか——先ほど田中委員が言うように、会計検査院が、これから調べに行きますよと言つて、通告しておいて調べてすらも、こうようにいろいろな不備な点があるのだから、実際においては、どのような不備な点があるかわからない。従つて、少くともいま少し総裁は監視、監督をして、十分にやつて行く——おれは何も不正はないのだからと言われますが、もちろんあなたに不正があるということを、私どもは言つているのではないのです。ただあなたに、いま少し公務についての扱い方、心の持ち方を、注意してもらいたいと思うのです。
  386. 入間野武雄

    ○入間野説明員 御趣旨の点は、よく拝承いたしました。
  387. 熊本虎三

    ○熊本委員 各委員からいろいろと御質疑がありましたので、私は個々の問題についてはあらためて質問をしようとは思いません。しかしながら、先ほど来質疑応答を聞いておりますと、専売公社の受取られる金額、いわゆる収入面は、専売事業であるがために、これが日本銀行納入される。そこで専売公社全体の心構えというものが、これはわれわれから言えば怠慢と言いたいのでありますが、金融面についての考え方の上に、至つてルーズな点がある、かように考えられるのであります。たとえば現在運輸委員会で問題になつておりますところの造船計画の保護育成について、開発銀行が七割の融資をする。残りの三割を市中銀行から融資せしめることのために、その差額を補給し、あるいは抵当権の優先や、支払い権の優先、さらに進んでは利子補給のみならず、彼らは全額損失補償を求めておるというのが、現状であります。従つて今日の日本産業開発の基本となるべきものは、金融の面で行き詰まつておる。日航会社の問題も問題になつておりまして、いろいろ議論になつておりますが、これまた四十数億の金の、単なる利子補給という問題ではない、それに対する全額政府補償をしなければ、政府半分出資の日航会社といえども、金融ができない。こういうように、まことに日本の再建は金融のいかんにあるといわれておる今日、あなた方の経営の利害にただちに影響しないからという観念のもとに立つて、先払いをする、私どもは損をしておりませんというものの考え方自体に、根本的な誤りがある。でありますから、この点を根本的に改めてそれは即日本銀行が、そういう産業開発のために必要な日本の融資面に、最大限有効適切に運用するものであるということに、観念を改めていただきたい。  もう一つ申し上げておきたいことは、お盆や正月には、必ず資金を持たざる出先の小売店に向つて、専売局の方針として、たくさんの品物を押しつけてしまう。そしてこれらの連中は、金がないからとれないと言えば、免許を取上げられそうであるというので、四苦八苦の悩みを持つて高利を借りて専売局の割当てるタバコを買つておるのではないか、それをやらせておるのではないか。そうして取上げた金を一特定のブローカー会社とか、あるいはできたばかりのわけのわからない会社にめちやちやに金をやつて、そうしてそのことのために会社がもうけたというような現象を呈しておいて、そうして私どもは間違つたことはございませんというようなものの考え方は、これは重大問題だと思う。ですからそれほどの金があるならば、みずからのめしの種である専売局から押しつけられなくても忠実に一個でもよけいに売ろうとする小売店に、むりやりに何十万というものを割振りして押しつけてそれをとらなければ営業はとりやめるぞというような脅迫的な態度をとらないこと。そうしてやはり専売局に協力しておる小売店等については、そういう金の融通がつくならば、もつともつと親心を持つてこれを扱わなければならぬ。一たび誤ればただちに罰則をくらわす。私どもの地方で何かあやまちがあつたとかいう、これも意識的ではなさそうでありますけれども、十何軒かの許可について半年しか許可しないという。普通の店であるならば二箇年契約であるにもかかわらず、これを半年間にしてしこたま極刑に処するがごとき態度をもつて強制しておる。これと今のあなた方の考え方と考えあわせまするならば、まことに私は遺憾千万だと思うのでありまして、よしんば物品が不納になつて、あるいはそれがただちに公社の損失になつたとかならないとかいうことではなしに、これからの専売局の運営の上に十分に認識を改めてもらいたい。こういうことを私は強く希望しておきたいわけでありますが、あらためて総裁の今後の運営経理について御所信を承つておけば幸いだと思います。
  388. 入間野武雄

    ○入間野説明員 前段の金融の問題に関しましては、仰せごもつともと拝承いたします。専売局に引続いて専売公社になり、五十年間借金というようなことをしないでなれて来ましたためにとかく金融に関する知識は乏しいかと思います。が、しかしながら私ども専売公社職員四万人、与えられた予算を大事に使いまして、不要不急のもの、不経済のもの等は買わないようにして、御期待に沿うて行きたいと考えております。  なおまた次の小売人の問題でありますが、私は就任以来タバコ耕作者、専売公社、小売人、これらのものが三位一体となつて初めて専売事業の発展が得られると考えておるのであります。従いまして水害にあたりましてもできるだけこれらの人に早くしたいと常に念願いたしております。ただいまのお話の御趣旨につきましてはよく了承いたしました。今後過誤なきよう努力いたしたいと考えております。
  389. 田中彰治

    田中委員長 総裁がそういうお気持であればこれでやめますが、先ほど申しましたセメントなどには二千百万円からの金を渡しておる。あるいはまたその他床板などにも相当な金を渡しておる。そういうものを合せますと、四、五千万の金を前金で渡しておる。セメントの二千万にしましても、日歩三銭と見まして一箇月の利息だけで十八万円、これを前金で渡して、とつておらない。どんな銀行でも預けておけば日歩三銭で一箇月十八万円からになるものを放任されて、セメントが固まつてしまうか何してしまうのかわからぬというようなことをされても、あなたの方ではまたくそれはしかたがないのだ、買つた物がその通りつて来ればいいじやないかというような観念でなく、いま少しそういう点も考えなければならぬ。私は決算委員長などをやつて非常に憎まれ役をやつておりますが、浅草の夜店などへ行つてみますと涙が出ます。ママちやん、あれは私のオーバーだから買いもとしてくれと子供に言われて、母親はそれが買えないで子供をなだめてひつぱつて行く。水害などについて税金も相当苛酷なものが出て来る。そこに鉄道公社専売公社に不当に使用されておるものがある。こういう点を特に今後注意していただかないと、二十六年度もありますし、二十七年度も出て来ますから、総裁の今のようなお気持でやつていただけば質問は打切りますが、そういう趣旨で今後やつていただきたいと思つております。
  390. 杉村沖治郎

    杉村委員 ただ一点だけ。今言つた一〇〇六号の資金管理というところですね。今熊本委員が聞いたことはここに出ておる。「(1)小売人のたばこ買受希望数量が、販売計画数量に達しない場合に、その不足数量を、手持させ、このためたばこ販売協同組合が銀行から借り入れた買受資金の返済に充てさせるため、別途たばこ売渡代金として収納した現金を一時(三日間から三日間位)組合に融通していた事例が、岡山地方局管内の倉敷、津山、西大寺、玉島、笠岡各出張所及び福岡地方局管内の門司支局で計二二、六二三、六二 ○円ある。「こういうことはまことによくないと思う。どこの組合に預けさせたのですか。小売人にこれを押しつけたわけだね。
  391. 石田吉男

    ○石田説明員 そこに各出張所の名前が書いてございますが、その出張所ごとに小売屋さんの組合ができております。そこでここに書いてありますことは、小売屋さんがタバコを買い受ける金を銀行から借りた、そこで期限が来て銀行へ返さなければならないわけでありますが、その金を公社が一時融通したのであります。これは会計規程にも違反でありまして、そういうことはすべからざることであります。
  392. 杉村沖治郎

    杉村委員 こういうように定額に達しないからといつて残りを押しつけておいて、その金を回収するためにいろいろな手段をとつている。そして一方では一ブローカーみたいなものに二千万、三千万も前渡しをやつて、金もとらないで幾月も貸しておくということは、今日の社会状態においてまことによくないから、これらを改めてもらいたいということをわれわれも言うわけなんです。
  393. 入間野武雄

    ○入間野説明員 ただいま御注意いただきましたこと、まことにありがたく存じております。公社といたしましてしでかしましたことは何とぞお許し願いまして、今後かくのごときことのないように十分努力いたしたいと考えております。なお小売業者に対しましても先ほど申し上げた心持をもつて進んで行きたいと思います。
  394. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 政府関係機関、特に電電公社よりも専売公社について、これは売買の形によりまして財源として国民から税金を取立てろという一つの使命を持つたものでありますので、そこで一千億以上も一般会計に繰入れるという手段がとられつあります。さような特殊な使命を持つた機関であります乙から、この専売公社におきましては、資金あるいは各般の代金とか支払いとかいうような金を出す方面につきましては格段の注意を払つて行かねばならぬと思います。そういう観点からいたしまして、さきに私が尋ねました九九四号、五号につきましての答弁は、これは違つております。もう少しはつきりしておきたいと思います。これは如上述べましたような角度からいたしまして、私は一つの典型的な金の濫費と見ておりますので、この点簡単でよろしゆうございますから、要点だけ検査院から一応御説明つて、なお質疑をいたしたい、こう思います。
  395. 大澤實

    大澤会計検査院説明員 九九四号を御説明申し上げます。これはよく一般会計にも予算消化の方法としてとられる例でありますが、年度末になりまして予算が余りますと、それを繰越す手続その他を講ぜずに、契約したものがまだ入つていないのに、入つたように、書類をつくつて支出してしまう、こういう例が非常に多いのでありますが、その一例でありまして、そうした例を実際行う場合に二つの方法がありまして、一つの実際に金をその相手方の業者に渡してしまう、いわゆる前渡ししてしまう、こういうかつこうのものもありまする本件はそうでなくて、一応支出しましたのですが、その金を別途に保留しまして、そうしてものが入つたときにそれだけの金を渡してやる、いわば予算消化の方法として講じた一つの方法であります。こういうような面で、経理としては妥当でないと思う次第であります。
  396. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 総裁はこの問題を御研究になつておらぬと見えまして、他の預金をしておつたので格別経理上の間違いがなかつたかのようなお考えで答弁があつたかと思うのであります。御承知の通り専売公社はそれぞれ予算が国会において承認せられる限度においてのみ金が使えるのでありますから、翌年度に至つて履行する分を前年度に小切手を振出して——小切手を振出すということは申すまでもなく支払い方法でありますから、前年度に支払つて、そうして翌年度に仕事をさすということは、これはもつてのほかであります。のみならずさらに請負人その他の名義の預金者となつておりますから、請負人の名義で預金をした分も若干含まれておるように思うのであります。これはたいへんな予算濫用であります。金額にいたしまして合計四千六百六十万円のようでございますが、これをしもやはり預金をしておいたからいいかのような御答弁ではわれわれはどうも納得しにくいのですが、いかがですか。
  397. 入間野武雄

    ○入間野説明員 年度末にかくのごときことをいたしますのは、会計法上から言いましてもまことに悪いことであると私は考えております。ただいま私が預金いたしましたと申し上げましたのは、そういうことをして本人に渡すと、本人が使つてしまうといけないので、本人その他の名義をのつて預金いたしまして、その預金通帳を当方に預つておる、事が完成したときに渡したという意味であります。しかしながらいずれにいたしましてもこの案件はまことに遺憾のことでありまして、今後かくのごときことのないよう十分注意いたしたいと思います。
  398. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今後かくのごときことがないように注意しますということは、それはともかくといたしまして、一体こういうことはそういう程度で済ませる案件なんでしようか、五千万円もの金が……。それはあなた当時の責任者でないからよそ事を御批判なさるような御態度だから、当時の責任者がここにおられるなら御説明願いたい。私どもはこの流儀で何億円の金が繰越し明許もないにもかかわらず、予算が年度末だからどんどんと使われてしまうということになりましたならば、こういう場合はともかくといたしまして、もし不必要な品を買い込んだり、あるいはせぬでもいい、できない條件の工事でもしいてやらしたというようなことでありましたならば、これはまつたくまる損であります。のみならずその間幾多の犯罪すら生ずる危険があるわけであります。だからこういうことは予算濫費の一つの適例であります。四千数百万円にわたるこういう予算濫費につきまして、一言、それはよくないから慎しみますというのでこれが通つて行くということは、せつかく予算を議決した国会を無視するということにもなる。予算を濫用することは国費の濫用であります。田中委員もおつしやるごとくに、やはり血税の濫費になります。だから事きわめて重大であります。きわめて重大だという考えのもとにこういう金はお使いにならねばいかぬと思うが、そんなら一体こういうことについてはどう処理なさつたのでしようか。総裁御承知でしようか、御承知でなければ、ほかの方でもよろしいからお答え願いたい。
  399. 入間野武雄

    ○入間野説明員 この予算の使用方法はまことに申訳ないと存じております。がしかしその後に工事ができまして、できたときに支払いまして片ずけております。なお繰越し明許を受けてやればこういう問題は起らなかつたのでありますが、当時うつかりして繰越し明許を受けないでかくのごときことを仕出かしてしまいました。今日の予算においては大体繰越し可能になつておりますので、今後かくのごときことはなかろうかと考えております。なお十分注意いたしたいと存じております。
  400. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうしますとタバコ引換書という、そういう物品の購入金まで繰越し明許をするということは、これが大体専売公社の予算編成方針なんですか、伺つておきます。そんなことで大蔵省は聞くんですか、大蔵省の方で承知しておるのですか。
  401. 入間野武雄

    ○入間野説明員 ただいま私のお答えいたしましたのは、工事についてでありまして、その他の物件については繰越しはできないそうであります。従いまして年度末に入らないようなものを買うことは今後慎しみたいと思います。
  402. 田中彰治

    田中(彰)委員 ちよつと、総裁もおいでになるし、公社関係の方もおいでになりますから申し上げておきますが、たとえばそれは他人の、請負師の名義で預金しますね、それに私は非常に危険があると思う。もしその請負師が他に借金があつたり、人の保証をしたりしてその預金通帳を押えられた場合に、私はこれはあなた方がその預金通帳を預つたでは済まぬと思う。当人はそういういたずらはしないでしようが、請負師だつて公社の仕事ばかりではなく、ほかに仕事もあるだろうから借財もあるでしよう。そういうところからもし差押えでも食つた場合にどういう処置をなさるつもりか、聞いておきたい。
  403. 小川潤一

    ○小川説明員 繰越しの問題は、予算できめてある以上ぜひ守らなければならないのでございますが、公社は御承知のように、事業官庁でございますので、あまりに年度区分にとらわれますと、事業の円滑なる発展を阻害いたしまして、かえつて年度末に余つたであろう金を無理して使うというよう状況が出る危険性がありますので、今国会の方で御審議つております法案には、原則として繰越しが自然的にできるように御審議をお願いしております。従いましてこの法案が通過いたしますれば、今後はこういう問題は起きないだろうと思います。しかしこの当時には厳然として予算で拘束されているのにかかわらず、こういうことをやつたということは、検査院の批難される通りでありまして、総裁の言われる通り非常に申訳ない次第であります。今御質問預金の問題は、確かに第三者差押えという問題が起る危険性があつたのでございます。私も実は大蔵省の会計課長をやつて、やはり怒られたことがございますが、そういうことは小切手を切つて金庫に入れておくということで、預金の名前にするということはやらなかつたのでございますが、もしやるとしても、第三者受取の名前でやるということは今御指摘の通り非常に危険だと思いますので、今後はそういう問題は発生しないと思います。
  404. 杉村沖治郎

    杉村委員 これは私むしろ御注意を申し上げます。これはあなた刑法上の問題でしよう。文書偽造ではありませんか。公文書偽造になるでしよう。かつまた民事上から言いましても第三者から今言つたように強制執行を受けたら何と何と答えるか。お答えできないでしよう。そうすると共謀になるでしよう。しかも預金をしておつた利息はどうなるのです。その利息はだれの利息なつて行くのか。この問題は、私最初は出ていませんで、今問題になつたから見て行つたのですが、たいへんな問題です。私文書、公文書偽造の共犯になつているのです。あなた方は故意がないから悪意がないからそうじやないと言うでしようが、これが一たび問題になつて強制執行でも受けたときはあなた方は共犯者になりますよ。公金横領罪になる重大問題です。予算がどうであろうとそんなばかなことをやるものではないです。答弁はいりませんが、それだけ御注意しておきましよう
  405. 天野公義

    ○天野(公)委員長代理 他に御質疑はありませんか。——なければ以上で日本専売公社の所管に対する質疑を終了いたします。  本日はこの程度とし、次会は明二十二日水曜日午後一時から、昨日に引続き対米債権に関する問題につき審議いたす予定であります。本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十二分散会