○熊本
委員 各
委員からいろいろと御
質疑がありましたので、私は個々の問題についてはあらためて
質問をし
ようとは思いません。しかしながら、先ほど来
質疑応答を聞いておりますと、
専売公社の受取られる金額、いわゆる
収入面は、専売
事業であるがために、これが日本
銀行に
納入される。そこで
専売公社全体の心構えというものが、これはわれわれから言えば怠慢と言いたいのでありますが、金融面についての
考え方の上に、至
つてルーズな点がある、か
ように考えられるのであります。たとえば現在運輸
委員会で問題に
なつておりますところの造船計画の保護育成について、開発
銀行が七割の融資をする。残りの三割を市中
銀行から融資せしめることのために、その差額を補給し、あるいは抵当権の優先や、
支払い権の優先、さらに進んでは
利子補給のみならず、彼らは全額損失補償を求めておるというのが、現状であります。
従つて今日の日本産業開発の基本となるべきものは、金融の面で行き詰ま
つておる。日航
会社の問題も問題に
なつておりまして、いろいろ議論に
なつておりますが、これまた四十数億の金の、単なる
利子補給という問題ではない、それに対する全額政府補償をしなければ、政府半分出資の日航
会社といえども、金融ができない。こういう
ように、まことに日本の再建は金融のいかんにあるといわれておる今日、
あなた方の経営の利害にただちに影響しないからという観念のもとに立
つて、先払いをする、私どもは損をしておりませんというものの
考え方自体に、根本的な誤りがある。でありますから、この点を根本的に改めてそれは即日本
銀行が、そういう産業開発のために必要な日本の融資面に、最大限有効適切に運用するものであるということに、観念を改めていただきたい。
もう一つ申し上げておきたいことは、お盆や正月には、必ず
資金を持たざる出先の小売店に向
つて、専売局の方針として、たくさんの品物を押しつけてしまう。そしてこれらの連中は、金がないからとれないと言えば、免許を取上げられそうであるというので、四苦八苦の悩みを持
つて高利を借りて専売局の割当てるタバコを買
つておるのではないか、それをやらせておるのではないか。そうして取上げた金を一特定のブローカー
会社とか、あるいはできたばかりのわけのわからない
会社にめ
ちやく
ちやに金をや
つて、そうしてそのことのために
会社がもうけたという
ような現象を呈しておいて、そうして私どもは
間違つたことはございませんという
ようなものの
考え方は、これは重大問題だと思う。ですからそれほどの金があるならば、みずからのめしの種である専売局から押しつけられなくても忠実に一個でもよけいに売ろうとする小売店に、むりやりに何十万というものを割振りして押しつけてそれをとらなければ営業はとりやめるぞという
ような脅迫的な態度をとらないこと。そうしてやはり専売局に協力しておる小売店等については、そういう金の融通がつくならば、もつともつと親心を持
つてこれを扱わなければならぬ。一たび誤ればただちに罰則をくらわす。私どもの地方で何かあやまちがあ
つたとかいう、これも意識的ではなさそうでありますけれども、十何軒かの許可について半年しか許可しないという。普通の店であるならば二箇年契約であるにもかかわらず、これを半年間にしてしこたま極刑に処するがごとき態度をも
つて強制しておる。これと今の
あなた方の
考え方と考えあわせまするならば、まことに私は遺憾千万だと思うのでありまして、よしんば物品が不納に
なつて、あるいはそれがただちに
公社の損失に
なつたとかならないとかいうことではなしに、これからの専売局の運営の上に十分に認識を改めてもらいたい。こういうことを私は強く希望しておきたいわけでありますが、あらためて総裁の今後の運営経理について御所信を承
つておけば幸いだと思います。