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1953-06-24 第16回国会 衆議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年六月二十四日(水曜日)     午後一時二十八分開議  出席委員    委員長代理 理事 柴田 義男君    理事 坊  秀男君 理事 熊本 虎三君       青木  正君    天野 公義君       安井 大吉君    阿部 五郎君       細迫 兼光君    大矢 省三君       杉村沖治郎君    冨吉 榮二君       吉田 賢一君  出席国務大臣        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君         建 設 大 臣 戸塚九一郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (管財局長)  阪田 泰二君         建設事務官         (計画局長)  渋江 操一君  委員外出席者         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      池田 修藏君         参  考  人         (東京都副知         事)      岡安彦三郎君         参  考  人         (東京建設局         長)      滝尾 逹也君         参  考  人         (東京建設局         公園緑地部長) 花房 利市君         参  考  人         (ニユーエンパ         イヤモーター株         式会社社長)  吉岡 照義君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五  年度政府関係機関収入支出決算     —————————————
  2. 柴田義男

    柴田委員長代理 ただいまから決算委員会を開会いたします。  本日は昭和二十五年度決算報告中、大蔵省所管一般会計のうち物件の、項すなわち報告書九十ページ、報告番号一四二の「国有財産管理当を得ないもの」を議題とし、審議いたします。右審議に関しまして、前回その参考人として東京都知事安井誠一郎君を招致するよう指名いたしましたが、同知事は都合によつて出席できませんため、岡安知事がその代理として都を代表して出席いたすよう申告がありました。この際参考人の変更を認めるに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 柴田義男

    柴田委員長代理 御異議なしと認め、東京都副知事岡安彦三郎君を参考人に指名いたします。  それでは最初に第十五国会における本件審議経過及び事実関係に伴う問題の要点、当委員会に提出された参考資料等に伴いまして、その概要の説明専門員から聴取いたしたいと思います。大久保専門員
  4. 大久保忠文

    大久保専門員 それでは一四二号の問題につきまして、私から要点をごくかいつまみまして申し上げます。虎ノ門公園明治三十六年以来、東京都におきまして、もとは内務省所管、新機構になりましてからは建設省所管であるところの国有地千百三十六坪を公園として管理経営して参りましたところ、昭和二十三年二月になりましてアメリカのフオード系統会社ニユーエンパイアモーター株式会社が、連合諸国のシヴィリアンのために、自動車に関するいろいろなサービス施設を設ける必要上、本件土地に着目し、その使用方東京都に申し出て参つたのであります。東京都では都議会に諮りまして、同年五月二十六日付で千百三十六坪を向う十箇年、使用料坪当り月一円五十銭、それから寄付、これはかわりの公園施設費に充てるという名目で五百万円、こういう条件で一応許可をいたしまして、会社はさつそく工事にとりかかりましたところ、何かGHQの内部において連絡の十分でない点がありましたか、六月二日にGHQのリペア・アンド・ユーテイリテイ・セクシヨンのある中佐から、そこは連合軍使用予定地なつておるので、建築をしてはならぬという抗議が出まして、同年末その問題の解決に至るまで工事は中止になつていたのであります。それから二十四年二月になりまして、前の許可を取消し、坪数を減らして六百五十坪、期間を二十四年二月一日から二十八年一月三十一日に至る四年間、そしてこれは満期後更新をしない。使用料坪当り月五円十銭、寄付五百万円、建築物は、仮設用材による木造二階建とすることなどの条件であらためて許可になつたのであります。この寄付金の五百万円については、うち二百万円を二回にわけて受領し、残額は都で受領を拒否しましたので供託されたままになつております。なお本件土地GHQによつて接収されておつたのですが、本件使用目的のために特に解除となつたものであります。そこで会社工事に再着手することになつたのでありますが、本件土地防火地区であつて木造建築許可されないということになり、今日見られますような鉄骨組立ての二階建がつくられたのであります。  これについて都並びに建設省側では、鉄骨づくりの方が木造よりもかえつて解体が容易であり、かつ解体後材料を有効に利用できるから、必ずしも木造の場合より撤去が困難だとは思わないというふうに説明をされております。なお本件使用許可になりますまでの間、大蔵省管財局建設省都市局東京等関係各庁間の連絡は必ずしも十分でなかつたようであります。  また本件土地所管権限に関しましては、二十六年九月三日付大蔵省管財局長から建設省都市局長あての照会の中で、なお本件公園地については、昭和二十六年八月六日蔵管第四七五六号「公共団体において、緑地公園、ため池に供している財産処理について」によつて至急貴省より引継ぎを受け、当省において処理いたしたいので、この旨関東財務局に指令するはずであるから了承願いたい、と言つておりまして、本件のような土地所管権限についても、両省当局間に解釈上の不一致があつたようであります。  かくして本年一月末日をもつて使用許可期限が参りましたのですが、会社側は昨年来東京都の再三の警告や督促にもかかわらず明渡しに応じませんで、遂に期限経過し今日に至つたのであります。  会計検査院においてはこの問題につきまして、昭和二十五年度検査報告事項として、すでに公園としての用途に使用されないものであるのに、二年余を経過しながらそのままにしているのは、処置当を得ないと批難しておるのであります。これに対する関係当局処理につきましては、本年五月十二日付東京都知事名大蔵大臣あて本件公園廃止して返還引継ぎをする旨の申出があり、所管に関する手続上の処理としては、これで一応落着したわけであります。しかしながら、四年間という必ずしも短かいとは言われない期間にわたつて営業用建物の設置を許可し、公園としのて機能を失わせたことに対し、国有財産管理上不当と断ずべきか、当時の事情その他許可条件等に照して、やむを得なかつたものとして認めるか、また検査院報告のように、管理上の手続に遺憾の点があつたかどうか、これらの点の検討が残されておるわけであります。  さらに今後の問題として注意せねばなりませんのは、引継ぎを受けた大蔵省においていかなる処理をされるか、すなわち引続き会社貸付するか、あるいは売渡しをするか、またはあくまで明渡さすか、またそれらの処置が合法適切であるかどうかという点であります。  なお直接本件の当否に関するわけではございませんが、会計検査院において本件検査に関与いたしました国有財産検査課係長植本某外一名が、たまたまニユーエンパイヤモーター株式会社の顧問という名目で、同会社から金品の収受をいたしまして検挙された事件がございます。  大体以上のような事実でございますが、前国会におきまする審議状況につきましては、便宜上岡林専門員から申し上げることになつております。
  5. 岡林清英

    岡林専門員 第十五国会の本委員会におきまして論議の中心となつた諸点について、私から簡単に補足報告申し上げます。大久保専門員の御説明と多少重複するところがあるかもしれませんが、御了承を願います。  まず寄付金の問題であります。東京都が本件土地会社使用許可するにあたりまして、公園費に充当する名目のもとに都議会にも報告いたしました上、五百万円の寄付金——最初都は会社に二千万円と申し出た形跡がございます。——五百万円の寄付金を徴しておるのでありますが、これは地代坪当り五円十銭で四箇年間改訂を見なかつたものであります。その地代にからんで権利金性質を有する疑いもあるので、これを都が受取るのは不当ではないかという論議がありました。東京都の参考人は、これは他の公園施設費に充当するためのものであつて権利金とは思わぬと主張しましたが、会社参考人は、公園施設費に充当するものではあるが、権利金を兼ねるものと思うとの御意見でありました。  次に、会社本地借地権を有するやいなやの点が論議されましたが、建設省及び都当局は、本地会社に使用せしめておるのは、行政行為であつて、私法上の契約ではないから、借地権はないものと認めると説明いたしましたが、大蔵省政府委員は、貸付の形式は使用許可ではあるが、現在の実体に即して、法律関係十分検討の要がある、という御意見でありました。  第三の論点は、東京都は本地を二十四年二月使用許可するにあたりまして、期間四箇年、但し更新ができない。建築物仮設用材による木造二階建、これは撤去可能でありますが、木造二階建とすること、こういう条件を付して許可しながら、会社木造鉄骨造と変更して建築許可を申請したことに対し、同じ都がこれを許可し、建設省もこれを容認し、そのために会社は、四千余万円の巨費を投じて、鉄骨造モルタル塗り建築物並びに地下施設を施工し、経済的常識的には撤去きわめて困難の状態を招きましたことについて論難せられたのでありますが、都当局及び建設省は、鉄骨ではあるが組立式で、とりこわし容易な形で許可しておるのであるから、どうしても撤去ができぬような建物にはなつていないと説明しました。都の滝尾建設局長は、会社明渡しに応じない場合には、代執行をして明け渡さすほかに方途はないと言明せられました。  次に他とは多少異なつ角度からごらんになつ論旨を御紹介申し上げます。すなわちその論旨は、本件土地は、本来都が公園用地として建設省から無償で使用していた国有財産のうちの普通財産に属するものであり、すなわち大蔵大臣管理処分すべき性質土地である。しかして当初昭和二十三年五月東京都の議会において、その全面積千百余坪を、十年間会社施設のために貸し、しかも期間更新することができると決議した当時において、すでに東京都は本件土地公園用地として使用する意思を放棄したものと認められるのである。しからば都はもはやみずからこれを会社使用許可する権限はない。これを会社使用許可したことは、都としては権限外行為をしたものといわなければならない。あとて建設省の注意によりこれを取消し、四箇年間、六百余坪を貸すことに変更して、一応公園に復帰し得る場合を考慮した形をとつて、かろうじて権限内の行為をしたことにはなつているか、現実事態より推察してみても、公園用途廃止をしたのと同視すべきであつて建設省はもちろん都としても、当初から、普通財産として、大蔵官引継ぎ大蔵省としては国有財産法その他会計法規に照し、成規方法によつて処置すべきでなかつたかという趣旨の論旨であります。会社に対する許可条件四箇年を是認した大蔵省も、建設省も、いわんや都も、国有財産管理処分上きわめて遺憾の点があつた、そのため寄付金その他諸種の不明朗な事態を引起したという御議論のようでありました。  最後に、明渡し期限は、目睫に迫りておるが、会社が立ちのかなかつた場合にはどうするかとの質問に対し、安井東京都知事は今後の措置については愼重関係当局とも協議して決定すると述べられ、戸塚建設大臣は熱意をもつて研究するが、代執行は穏やかではないと思うと申されました。しかして国有財産総括着たる向井大蔵大臣は、この土地公園の形ではなくなつておるから、都からの返却を求めるのが適当である、困難を排して筋の通つた取扱いをいたす所存であると言明されました。  以上で補足説明を終ります。
  6. 柴田義男

    柴田委員長代理 次に本日出席本件関係者として、大蔵省建設省及び東京都よりその後の経過措置並びに処理方針について、この際発言を願います。大蔵省管財局長阪田政府委員
  7. 阪田泰二

    阪田政府委員 ただいまいろいろと御説明があつたわけでありますので、その後の経過につきまして簡単に説明申し上げておきたいと思います。  この前の委員会におきまして、いろいろとこちらから申し上げましたように、大蔵省といたしましては、本件土地は現在の現実状態が、公園としての実態を失つておる、こういう観点に基きまして、この土地大蔵省に返還されるべきものである、こういう主張をいたし、建設省東京都とかねがね交渉をいたして参つてつたところでありますが、その後貸付期限に関しましても、御承知のような施設状況でありまして、結局都の方から大蔵省の方に対しまして、この物件引継ぎしたいという旨の申出がありまして、関東財務局長におきましてこれの引受けを了しました日は、二十八年の六月一日でございます。従いましてこの引受けました土地は、大蔵省所管普通財産と現状においてはなつておるわけであります。この土地をどういうふうに処置いたしますかにつきましては、今までいろいろとこういう沿革、いきさつもあることでありますが、この前向井大蔵大臣から御説明申し上げましたように、国有財産法会計法その他の法律の規定に基きまして適法な処分でありまして、かつ社会常識なり今日までのいろいろのいきさつからいつて、公正妥当と見られるような措置を講じなければならないと考えまするので、ただいま愼重検討中でございます。どういうふうな方法で、どういう処置をいたすということはまだ決定いたしておりません。簡単でありますか、その後の状況を御報告いたしておきます。
  8. 柴田義男

  9. 渋江操一

    渋江政府委員 ただいま大蔵省から御説明がございました点と若干関連いたしますが、東京都から大蔵省普通国有財産に引継ぐまでに至りました経過につきまして、御説明を申し上げます。  すなわちまず第一に、三月十六日に東京都知事から、虎ノ門公園都市計画公園から廃止いたしまして、普通財産としてもらいたいという内申を三月十六日にいたして参つております。これに基きまして、同月の二十四日に、建設省といたしましては、一応都市計画廃止に所要の手続として定められております方式にのつとりまして、都市計画東京都の審議会に諮問いたしまして、その意見を問うたわけであります。その結果三月二十七日に、都市計画東京都の審議会といたしましては、付議された原案の通りに承認すると申しますか、可決いたしまして、これを答申いたして参つたわけであります。これによりまして四月十四日虎ノ門公園を、都市計画公園から廃止するという告示を、知事名をもつていたしておるわけでございます。四月二十八日にこの営造物廃止と同時に、その旨を東京都に通知をいたしまして、それに基きまして東京都からさらに大蔵省関東財務局へ引継がれたものと存じます。  以上簡単でありますが御説明を終ります。
  10. 柴田義男

  11. 岡安彦三郎

    岡安参考人 その後の状況につきましては、ただいま大蔵省並び建設省の御当局から話がございましたような状況でございます。ただこの件につきましては、先般の国会委員会において、安井知事が御答弁申し上げましたように、建設省大蔵省とよく相談の上で一応きめる、そういうことでございますので、自来その方針で……。     〔柴田委員長代理退席熊本委員長代理着席〕  今回の廃止につきまして、また引継ぎにつきましては、ただいま大蔵当局、また建設省当局からお話があつたようになつたのでございます。
  12. 熊本虎三

    熊本委員長代理 なお本日、所管大臣である小笠原大蔵大臣並びに戸塚建設大臣出席いたすことになつておりますから、政府当局会計検査院及び参考人各位におかれても、質疑に対して腹蔵なき意見を述べ、かつ的確な答弁を切望してやまない次第であります。  それではこれより質問を許します。柴田委員
  13. 柴田義男

    柴田委員 建設大臣もお忙しいと思いますので、建設大臣に伺いたいと思います。明治時代からこの財産は、私ども常識として考えまするに、行政財産種類ではないかと思うのであります。そうしますと、前に内務省所管であつた行政財産が、戦後建設省にかわつて参ります場合に、一旦普通財産として大蔵省に返すべき性質のものではなかつたかと考えますが、その点を建設大臣はどういうようにお考えか、伺いたいと思います。
  14. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ちよつとその間の取扱い手続につきまして、私十分承知しておりませんので、事務当局から説明いたさせます。
  15. 柴田義男

    柴田委員 ただ私が今伺いますのは、ひとり虎ノ門公園の問題でなしに、そういう処置建設省はどうなさつてつたか、単に建設省内務省所管のものを相続されたから、一切の財産が同じような形で相続されたとお考えなつておるかどうか、この点を伺つておるのであります。
  16. 渋江操一

    渋江政府委員 お答えいたします。実はこの件は、いわゆる国有地公園として貸付を受けております財産取扱いという問題に、畢竟するに帰着するわけでございます。この根本は、すでに太政官布告という古い明治時代布告から元を発しておりまして、それによりまして、公園用途国有財産として貸付を受けておつた。今おつしやいましたような行政財産と申しますと、私ども公共用に供する財産というふうなことに考えておりますが、これはその公共目的所管しておる大臣所管する建前に、太政官布告時代からなつておるという考え方に立ちまして、公園行政と申しますか、これを管理しておる建設省所管をし、用途廃止伴つてこれを大蔵省に引継ぐ、こういう建前になるべきものというふうに考えまして、大蔵省と実は折衝いたしておつたのでございますが、しかしこの点は先ほど専門員の御報告にもございましたように、必ずしもそれで大蔵省と完全に意見一致を見ておつたというわけではございません。意見が対立をいたした未解決のままで今日に至つておりますが、できるだけ早くこれを解決するようにして参りたい、かように考えておるわけであります。
  17. 柴田義男

    柴田委員 大蔵省の方のこの問題に関する御意見を承りたいと思います。
  18. 阪田泰二

    阪田政府委員 ただいまの問題につきましては、建設省の方から御説明があつたようなことでありますが、大蔵省といたしましては、大体行政財産現行法によりますと、公用財産公共福祉用財産皇室用財産企業用財産というふうに、いろいろ区分があるわけであります。公用財産と申しますと、直接国の事務事業、あるいはその職員の住居の用に供するもの、こういうことになつておりまして、地方公共団体に貸し付けて、地方公共団体公園の用に供するというものは、国の事務事業の用に供しておるものと考えられない、こういうような観点からいたしまして、こういうような性質のものは普通財産と見るべきである、従いまして建設省から大蔵省普通財産として引継がるべきものである、こういう考えをもつて、以前から建設省いろいろ話合いをいたしておつた問題であります。まだその辺完全に両者の意見一致を見るということろまで至つておらない状態であります。
  19. 柴田義男

    柴田委員 私が伺つておることとちよつと的はずれの御答弁のようであります。前に内務省という省があつて、その内務省廃止なつた結果、今のたまたま虎ノ門公園のようなものが建設省に移る——あるいは別の用途のものは厚生省のようなものに移るかもしれませんが、しかし前の内務省がなくなつてしまつたのですから、その場合に、一旦そういう種類のたくさんの行政財産というものは、大蔵省普通財産として大蔵省に帰るべき性質のものではないかどうか、こういうことを伺つておるのでございます。
  20. 阪田泰二

    阪田政府委員 内務省廃止になりました際に、内務省がその行政用途に供しておつた財産は、一応普通財産なつて、あらためて建設省なり何なりの用途に供するために、またその所管行政財産になるのではないか、こういうようなお尋ねのように拝承いたしましたが、私どもはそういうふうに解釈いたしておらないのであります。内務省の仕事を建設省引継ぎますれば、普通財産という過程を通らないで、そのまま建設省財産となる、こういうように解釈しております。私が先ほど申し上げましたのは、昭和二十三年に国有財産法改正になつたのでありますが、その改正法によれば、こういうような地方団体に貸し付けて、地方団体がその用途に供しておるような財産は、明かに大蔵省所管普通財産、こう見るべきものとなつておるので、その意味大蔵省としては建設省いろいろ話をしておる、こう御説明を申し上げたわけであります。
  21. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますと、この虎ノ門の問題でございますが、十五国会におきましても、相当議論され、あらゆる角度から検討されまして、東京都においてはこの問題を処理しなければならないという責任をはつきりされたいとわれわれは聞いておるのですが、その責任をそのままにいたしまして、それを今度建設省普通財産として大蔵省に移管してしまつた。そして大蔵省もこれを六月一日の日付で受領しておる。こういうのはどういう考え方から大蔵省建設省がそういう方途を講ぜられたのであるか、まず建設大臣の御意見を承りたいと思います。
  22. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 前国会で、あの土地期限が来てもそのままになつておることがおもしろくない、もちろんほかにもいろいろ疑問の点がありましたが、要するにあの土地をどう処置するかということが行き悩んでおることが、おもしろくないという意見が、非常に強かつたのであります。私は当時まことにごもつともなことであるので、何とか早く解決をいたしたいという気持を申し上げておつたのでございます。結局あの土地解体するか、あるいはその現にある設備をどうするかという問題は次にいたしましても、とにかくあの土地の帰属を明かにすることが大切であると存じまして、東京都なりあるいは大蔵省とも協議をいたしまして、もうすでに公園用途としては、その形の上からも、見たところからも、はなはだなつておらないというようなことを考えまして、公園用途廃止するという相談をいたしたのであります。公園用途廃止すれば、従つてこれは当然大蔵省普通財産として引継ぐことが適当であるという手続をとつたわけであります。
  23. 柴田義男

    柴田委員 今のことで大蔵省がこれをお受取りになつた、受領されたお考え方を伺いたい。
  24. 阪田泰二

    阪田政府委員 大蔵省といたしましては、前々から申し上げておりますように、この土地現実の問題として公園実体を備えていない、こういう意味によりまして、この財産大蔵省普通財産として所管がえされるべきものである、こういう主張をいたしておりましたわけでありまして、その主張通り所管がえするということで引継ぎがあつたわけでありますので、こちらでも引継ぎ手続をいたしたわけであります
  25. 熊本虎三

  26. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 阪田政府委員にお尋ねします。この土地公園の姿をなくしたのはいつでありますか。
  27. 阪田泰二

    阪田政府委員 これはニユーエンパイヤ・モーター株式会社東京都からこの土地貸付を受けまして、現在見られますような建物その他の施設建設をいたしたときにこの実体を失うに至つておる、こういうように考えます。
  28. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、今のお答えによりますと、現在の使用者会社公園であつた原形をかえてしまつて現在の姿にした、こういうことになるわけであります。そうすると今阪田局長の御説明は、現実の姿が公園でないので、それで普通財産として処理をすることが適当であるということでありますが、現実の姿が公園でないということは、現実の姿を公園でなくしたのは一体何ゆえか、そういうことは適当であつたが、あるいは使用条件に反しておるのではないか、使用条件に反しておるのであればどうすべきか、こういつたもとの姿がかわつたという経過について大蔵省は当然検討すべき責任があるんじやないかと思うのですが、いかがですか。
  29. 阪田泰二

    阪田政府委員 これは建設省所管国有財産なつておりまして、それが東京都に公園用地として貸し付けられ、東京都でこのような管理をしておられました間において、こういう事態が発生したわけでありますから、私どもの方といたしましては、現実状態がそういうようになつておることを発見いたしまして、その結果に基いて現実事態に合うように、国有財産管理としては処置しなければならない、こういう観点から、この土地の返還といいますか、大蔵省への所管がえを建設省並びに東京都に申入れておつたわけであります。こういうような関係なつておるわけであります。
  30. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると今の御見解は元来の公園地を、普通財産でなかつたものを、他人が故意にあるいは不当に原形をかえて公園でなくしたものを承認する、そこで普通財産になつたのであるから、大蔵省所管物件として引渡しを求める、こういう御説明と了解していいのですか。
  31. 阪田泰二

    阪田政府委員 その土地に対しましていろいろと建物その他の施設をいたしまして、公園としての実体を備えなくなつた。その事実を承認するかしないかということは、私どもの方としては、判定を別段下していないわけであります。現実さような事態なつておる財産でありまするから、大蔵省所管普通財産とすべきである、こういうことを申しておるわけであります。従いまして現実のその実体が、ああいうものがとりのけられまして、元通り公園なつたという実体にもどりますれば、私どもの方といたしましても、元にもどす。今のような措置をいたす理由はないわけであります。要するに現実実体に基いて私どもとしては主張いたして参つたわけであります。
  32. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはあなたの方でなるべく答弁に筋を通そうという態度を固執なさらずに、審議経過にかんがみて悪いことは悪い、よいことはよいとしてはつきり答弁してもらいたいのでございます。私が今お尋ねしましたところ、あなたは公園の体を備えない、公園でなくなつておる現実を重視して、従つて公園でない現実の姿のものであるから普通財産として引渡しを求めるという措置をとつた、こういうふうに私は聞いたのです。そこでそもそも公園でない姿にしたのは一体だれがしたのかということについて、大蔵省国有財産の形がかわるというようなことは相当注意せられねばならぬ職責があるのでありましようから、だれが何ゆえに形をかえたのかということについては、検討されなかつたのかということをさきに尋ねると、あなたは現実公園でないのだから、この事実を重視するというようにわれわれには聞こえるのです。私はむちやでも何でもある事実を形成して、その形成した事実をあちらこちらに押しつけて解決して行こういういろいろなたくらみがあつてはならぬと思いますので、こういうことをお尋ねするのです。大蔵省としては、公園が今の会社に使用されてから形がかわつてしまつて、現状は公園でなくなつたということをおつしやつたのですが、形をかえるということについて、何ゆえに適否を検討しなかつたかお尋ねいたしたい。
  33. 阪田泰二

    阪田政府委員 お尋ねの点と答弁は少し食い違つてつたかと思いますが、この財産公園の用地として東京都に貸し付けられておつたわけでありますから、この用地が公園用途と両立しない用途に使われておる。これはもちろん建設省所管財産なつておつたわけでありますが、その財産管理のやり方としては、そういう意味におきましては過当と考えられないわけであります。現実土地がそういうような状態になりましたので、その状態から見て大蔵省に返還すべきものである、こういう主張をいたしたということなのであります。
  34. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは旧法によれば何という財産の種別に属するのですか。
  35. 阪田泰二

    阪田政府委員 昭和二十三年に改正になります以前の国有財産法の分類におきましては、公園地ということで、公共用財産ということになつておつた考えます。
  36. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 公共用財産というのは、大正十年法律第四十三の国有財産法によりますると、第二条第一号が公共用財産でありまするが、この公共用財産であるならば、やはり大蔵省でなくて、内務省所管物件ではないですか。
  37. 阪田泰二

    阪田政府委員 ただいまのお尋ねの点でありますが、この点につきましては、先ほど建設省の方からちよつと御説明がありましたような点がありまして、多少大蔵省建設省の間に——当時旧内務省でございましたが、議論のあつた問題ではあるわけであります。事実問題といたしましては、公共用財産として、内務省所管財産として従来これは整理されて参つたものでございます。
  38. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 現行の国有財産法の第十三条によりますと、「公共福祉用財産若しくは皇室用財産以外の国有財産」、つまり本件に該当するのじやないかと思いますが、これを普通財産にするときは国会の議決を経なければならないと書いてあるのですが、そうすると今のあなたの御説明によりますと、国会の議決もなしに普通財産として処理なすつておるようでありますが、その点についてはどういう説明になるのですか。
  39. 阪田泰二

    阪田政府委員 この財産は、建設省の方から御説明つた方がいいのじやないかと思いますが、旧法時代におきましては、公共用財産というような部かになつておつたのでありますが、現行法におきましては建設省所管公用財産として整理されておつたと承知しております。従いまして十三条の関係は、公共福祉用財産または皇室用財産に関する規定でありますので、ただいまお話の問題に関係はないというふうに御了承を願いたいと思います。
  40. 大矢省三

    ○大矢委員 関連して……。あの現地を建設省並びに大蔵省の人々がごらんになつたかどうか。あれは御承知の通り千代田城の外濠であり、しかもちやんと石垣がそのまま残つておるのであるからあれを公園にした。一般の普通財産でないということはしろうとでもわかつておる。長年公園であつた。そこであの現地をよく知つておられて、歴史並びに現在の実情、今原状のままを残しておる、これは事実知つておられるか。  それからいま一つは、前に問題になつたとき東京都の関係者並びに都知事が出まして、これは四年の契約が切れたのだからどうしても明け渡して建設省に引渡します。私どもにも手続の足らなかつたことは遺憾とするというふうにちやんと言つておる。一体返して公園にするというなら、なぜあわてて建設省大蔵省に行つて原形がないからといつて引継いだのか。私今聞いておりますと東京都と建設省大蔵省の三者がグルになつて元の通りにエンパイヤに払い下げようとするか、どうし貸し借りする筋書ではないか。どうして一旦東京都が建設省に返すというものを、エンパイヤがそういうことをやつておるから、かわつておるからといつて、しばしば返すといつておるのにどうしてそういうことをしたのか。何かそういう理由があるかどうか。どうして一体あわててまだ審議中にこういうことをしなければならなかつたのか。東京都から申請したか、あるいは建設省大蔵省に行つて大蔵省がなるほど原形のままになつていないから公園として適当でないからといつてそういう手続をとつたのか。どこがそういうことをやつたのか。その経過を詳しく——大蔵省建設省はこれの原形を見ておられるか。そうしてそれは普通財産かどうか。これは特殊な公園として、当然置くべきものだと私ども考えておる。またそのためにそういう条件をつけて、四箇年ということが、書いてある。その事実を無視して既成の事実をつくつて、もうなくなつたからかつてにするんだ、こういつたやり方は、もつと極端な言い方で言うと、日比谷公園へ家を建てて、もう公園の価値がないといつてどんどん払い下げたらどうなりますか、これは前に言つた。その経過を両方ともちよつと話してください。
  41. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 先ほど申し上げましたように、東京都とも話合い、また大蔵省ともよく打合せをいたしたのでありますが、決してただいまお話のように、何かこの会社をそのまま存続させなければならぬから、にわかにこういう手続をしたというようなことは全然ございません。先ほども申し上げましたように、期限も来ていることであるし、一応解決をしておくことが必要だというので、この手続をいたしたのであります。エンパイヤの問題は、さらに今後管理上、従来のいききつについて、大蔵省で十分に考え処理していただけるものと私は考えております。
  42. 阪田泰二

    阪田政府委員 先ほど来お答え申し上げておりますように、大蔵省としては、東京都には公園として貸してあつたはずでありますが、現在公園なつていないのでありますから、貸付の契約通りに行つていないわけでありますが、国に返さるべきものであるということで返していただいたのであります。返してもらいまして大蔵省所管普通財産になりました上で、これをどう処置するかということにつきましては、先ほども申し上げましたように、いろいろとお示しのような経緯がありますので、十分慎重に考慮いたした上で決定いたしたい。簡単に既成事実を認めるとか、こういうようなことで割切つてしまうといいますか、軽々にきめるというような考えは持つていない、十分に慎重に検討を加えた上で処置方針をきめたいと考えております。
  43. 大矢省三

    ○大矢委員 前にもこの委員会出席されて、数回明渡しの請求書を都から会社に出している。私どもどうしてもこれを元の通りにして返します、ということを何べんも言つている、それを聞いているはずであります。それをそのままにしておいて、どうして公園としての原形をなさないからといつて、それをあわてて引継いだかということであります。向うが返す返すというものを、どうしてそれをそのままにして引継いだか、あなたはそれを聞いているはずです。ちやんとここで立会いの上で、二へんも三べんも書類を出して請求している。しかしあの建物ちよつと立ちのきにくいが大丈夫かと聞いたら、これはどうしても約束を履行させるように決意しているとまで言つておりました。そうしてまで返そうというものを、建設省はまた大蔵省手続をしたり、私はあとから都の方に聞きますが、なぜ一体あわてて手続をとつたか、それがおかしい。
  44. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 先ほども申し上げましたように、この会社対の処理は、これからでも大蔵省で十分研究して適当な公正な処置ができるものと考えております。あわててと申しますけれども、あの土地の帰属を明らかにすること、またただいまもお話がありましたように、東京都で公園としてあの設備を撤去して返してもらうということを申したのは、どうしても撤去するということよりは、東京都としてはこれだけの手続をとつているという説明をしたものと私は解しておりました。しかしどうしても撤去させるということでありますれば、これからでもできないわけではないと思うのであります。ただ荏苒どうとも処置がつかないということがいけないというように、あの当時の委員の皆様のお話が強かつたように私承知いたしておりますので、一応——一応ということがいけないかもしれませんが、あの土地の帰属をとにかくはつきりしてしまうということが順序としても必要じやないか、またあの当時のお話も、委員の皆様がなぜぐずぐずこんないつまでもやつているのだというような御意思が常非に強かつたように承知いたしましたので、私はとにかくこういうことをはつきりと片をつけて行くことがいいというふうに考えまして、当時も熱意をもつてやると申し上げたのは、どういうふうにか解決をして行くことがいいのじやないか、こういうふうに考えたのであります。解決をいたしましても、ただいまのお話のように、もしどうしても撤去という問題になりますれば、撤去させることは、東京都との約束は依然として残つておるものでありますから、これをもつて大蔵省考えて行くことはでき得ないことじやない、かように考えております。
  45. 熊本虎三

    熊本委員長代理 委員長から政府委員に御注意を申し上げます。委員質問要点をはずして、そうしてますます議事をこんがらかすことはおやめ願いたい。委員質問の精神にこたえてその経過を忠実に答弁を願います。
  46. 大矢省三

    ○大矢委員 私の今尋ねているのは、あれを東京都が契約したのは、あるいは申請して許可を得たのは、すなわち建設省なのです。それはなぜかというと、申すまでもないことで、公園つたからそれがもし原形がないということで大蔵省に継ぎまするならば、もう公園として認めないということになる、そうなれば返す必要もない、また返す必要がないという意味ではないのでありますが、結局用途が違つて来るわけです。返そうと売ろうと大蔵省財産だから、もう公園ということでなくなつたからというのは、一体公園をなくしたのはだれか、公園としてまた返しましようと言つているのに、どうしても一方的にもう公園でないからといつてきめたのはだれなのです。どうして建設省所管としての公園公園でないとして大蔵省に引継いだかそこがわからない、かつてにきめてしまつたのじやないか。だれがそんなことをしたのか、会社がしたのか、あるいはまた東京都がそうしたのか、それを元のようにして返すということをなぜそのようにするのか、それを聞きたい。それからさらに聞きますが、それでは今申しましたように、公園としてこれから話があるのだ、それで公園としてあくまで残す、そのことのために大蔵省はいわゆる東京都並びに会社に向つて今までの意思を継続しているかどうか、貸したり売つたりしないで元通り返す意思があつてそうやつているのかこのことです。
  47. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 私のお答えの申し上げようがあるいは不十分であるかもしれませんが、東京都との関係につきましては、あるいはこの際東京都から当時のことをよくお聞き取りいただいてもよいのではないかと思いますが、私の方でとりました手続は、そう無理にどうしようという気持ではなくして、早く解決することを望んだだけにすぎないのであります。  なお計画局長からもう少し詳しくお答えをいたさせます。
  48. 渋江操一

    渋江政府委員 公園用途に反して貸し付けたということについては、これはその当時の経緯といたしまして前国会委員会のときにもいろいろ御非難がございまして、私どももその点について、当時の情勢が占領軍との関係で、占領軍によつていろいろ接収されておつた土地を解除されるということ等々と関連いたしまして、貸付を余儀なくされたという点につきまして御説明を申し上げましたが、そういう経過をたどりまして、そのほかの経過もございましたけれども公園用途として不適当なる形になつたということについては、会計検査院検査報告からも批難されております。私どもも実態を見まして、その点ははなはだ遺憾である、かように考えておるわけであります。ただこの前の決算委員会のありました後にとつた処置の経緯につきましては、ただいま大臣からも御答弁があつたわけでありますが、要するに期限経過いたしております。これはこの前の委員会でいろいろ御質問もございましたように、二月の二十四日でございますか、四年の更新できない最終の期限なつております。それでそのまま荏苒放置するということは、さらに事態を紛糾させるということも考えられますし、当時大蔵省それから建設省といたしましても原状のとりこわしをして行くということについては、さらに問題が紛糾するのではないかということも考えられますので、とにかくこれを公園用途から廃止するという手続をまず第一段としてとることが必要であるという考えに立ちまして、所要の手続をとつたわけでございます。
  49. 阪田泰二

    阪田政府委員 大蔵省といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、この財産公園以外の用途に供せられておりますので、国有財産管理、整理という意味からいいまして、貸付の目的通り使われて、いない状態のまま放置することは適当でありませんので、現状に即した整理をする、すなわち大蔵省所管がえをする、こういうことを申したわけでありますが、もしこの実際の状態が東都都において努力をされて返還され、元のような公園状態なつておる、こういうことでありますれば、大蔵省としては別段何も申すことはないわけであります。当然貸付の目的通り東京都が使つておられるわけでありますから、これについてはこちらから何の苦情を申し立てる筋合いではないわけでありますが、現実がああいうような状態でありますから、私どもといたしましては、そういう状態に適した措置国有財産管理責任上しなければならぬ、こういう意味におきまして返還を願つた、こういうことでございます。
  50. 熊本虎三

    熊本委員長代理 先ほどの質問の中に東京都の現在のあり方について触れられておりますが、岡安参考人からお答え願いたいと思います。
  51. 岡安彦三郎

    岡安参考人 本件につきましては、すでに経過それからその後の状況について御説明申し上げた当時、安井知事もあの状況を見まして、これは監督官庁であります建設省並びに大蔵省等とよく相談した上で善処する、こういうような御答弁を申し上げたと存じます。従つてその後におきましては、先ほど申し上げましたように、その線に沿いまして建設省、大蔵御当局と御相談をして、公園を引継ぐ、そういうことにしたのでございます。
  52. 大矢省三

    ○大矢委員 私はあとから尋ねようと思いましたが、今説明がありましたからお尋ねいたしますが、再三会社に向つて契約通り履行してもらいたいという書類を出しておるが、それは形式ですか、その意思はなかつたのか。一体ここで簡単に言つておるが、そんなものじやない。われわれはしばしば聞いた。これは必ず元の通りにして返します、そのときにこういうことまで出た。あるいはああいう木造でなしに鉄骨建物を建てるのは実際上困難ではないか、こういう言葉をもつて尋ねたら、鉄骨の方がとりこわしやすいのだ。木造であればこわせばもう用をなさないけれども、あれであればただちにそのまま持つてつてほかへ移せるから、かえつてあれの方が撤去しやすいからそうしたのだ、こういう御説明を聞いておる。従つて徹頭徹尾撤去して公園として返すという話だつた。それが今聞きますと、何かそのとき相談してまた決定をするということで、そういう意思はなかつたという言い分でありますが、そういうものではなかつたと思う。それでは通知を出したときにもそんな気持で数回請求書を出したのですか。
  53. 滝尾逹也

    滝尾参考人 建設省から許可をいただきました条件は、四箇年で、更新はならないという条件で御許可をいただいておつたわけであります。それで六箇月以前にその意思をはつきりしておかなければいけないという意味で、二十四年六月、当時は契約を履行してもらうべく書類を出して、また会社もそれを承知しておるのだから契約通り立ちのいてくれという書類を出し、またそのほかにも契約通り処理してもらわなければ困るという督促をいたしたわけでありましてその当時は建設省からの条件を遵守するのにいろいろの努力を払つたという事実を申し上げたわけでございまして、知事のおつしやいましたのがその最後の経過であり、現在では一体どうするのだというお話のときに、たしか第二回目だと思いますが、そのとき知事はとにかく監督官庁とよく相談して処置したい、こういう御答弁を申し上げておるわけであります。
  54. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちよつとそれでは今の国有財産上の本件土地性質やら扱い方について、一応この点だけきまりをつけておきたいと思いますが、今阪田局長のお話によりますと、建設省側においては、本件土地公用財産として扱つて来ておつた、こういう御説明があつたわけであります。あなたの方では公用財産というのは、古い国有財産法においても、新しい国有財産法の第三条の二項の一号におきましても、その趣旨とするところは、ちつともかわらないのであります。ただ「神社」という字が脱けておるだけであります。そうしますと、あなたは前回の御答弁では、旧法の三条二項一号の公共用財産、つまり国において直接公共の用に供しまたは供するものと決定する、こういう御説明もあつたのですが、そういうことになると、御答弁の趣旨が一貫して来ぬのですが、一体どちらがほんとうであつたのか、どちらとしてお扱いになつておつたのか、ひとつはつきりとしてもらいたい、大蔵省並び建設省において……。
  55. 阪田泰二

    阪田政府委員 ただいまのお尋ね、少し込み入つておるわけでありますが、旧法時代におきましては公共用財産——国において直接公共の用に供する財産の区分があつたわけでありますが、この旧法の公共用財産が、今度の法律改正によりましてただちに公用財産というふうに全部移りかわつたわけではございませんので、旧法の公共用財産の中には、現在国有財産の分類によりますると、普通財産の中の公共物という分類に入るもの、あるいは行政財産の中の公共福祉用財産という分類に入るもの、いろいろのものがあつたわけであります。それがそういうふうな分類がなくなりまして、現在のような、普通財産行政財産行政財産の中に公共用財産公共福祉用財産、その他のものがあるという分類にかわつたのであります。そこでこれは建設省の方のことでありますが、建設省といたしましては、旧法時代におきましては、これは内務省の時代でありますが、公共用財産ということに貸し付けておる公園地を整理しておられたわけでありますが、新法になりまして公用財産ということに引続き整理をしておられた、こういうふうに私どもは承知しておるわけであります。ところがそういう扱いにつきまして、先ほどもちよつと申し上げましたように、建設省大蔵省と多少意見の食い違つておる点がございます。公園地として地方団体公園の用に供しておるのでございまして、国は地方団体に貸し付けしておるにすぎないわけでありますから、これは大蔵省の方の見解によりますれば、普通財産という分類に属すべきものである。従つてその意味から言いましても、大蔵省所管がえせらるべきものである、こういう見解を持つておりまして、その辺は建設省の方と以前からいろいろと御相談しておつた問題であります。少し話が込み入つておるわけでありますが、そういうような関係に今までなつ参つておるわけであります。それで今回の土地貸付用途通り使われていないから、従つて国に返還さるべきである、こういう問題とは別途に、そういうふうに建設省大蔵省所管に関する問題が前々からございましたわけであります。
  56. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたでもよし、それから建設省でもよろしいのだが、現在国有財産法によつて公用財産というものは国の事務事業、その職員の住居用、こういうものに限定されているのです。ところでこれは公園なんです。今公園でないというのは、また現状がそうでないとおつしやるのですが、本件論議しておるのは公園なんです。公園が第三条第二項の一号の公共用財産というのはどこから出て来るのですか。これはやはりそうでなしに、第二号に属すべきものというのが正しいのじやないですか。公園を第一号に属するというのはどこから考えても出て来るとは思わない。国の事務事業、その職員の居住の用に供するもの、あの公園はそういうものではないのです。それはどうですか。
  57. 阪田泰二

    阪田政府委員 現行の国有財産法の第三条の第二項の一号の公用財産は、お示しのように地方に貸し付けて公園に使用させておるものにつきまして、公用財産の分類に当てはめることは、大蔵省といたしましては少し無理であるというふうに考えておりましたわけであります。それで第二号の公共福祉用財産でありますが、ここには公園という字が出ておるわけでありますが、これは国が直接国の公園として使つているものをさすのでありまして、地方団体に貸し付けて地方団体がその公園として使つておる、こういうものにつきましては、この分類にも入らないというふうに私ども解しておるわけであります。従いまして現在問題になつております土地が、目的通り東京都の公園として使われておると仮定しました場合に、それがどの分類に入るかといいますと、結局第三条第二項に列挙せられておりますどの分類にも入りませんで、行政財産ではなく、普通財産ということに解せられる、こういうふうに大蔵省としては解釈いたしておるわけであります。
  58. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうもそこがあなたの御説明は納得しにくい。都がかりに公園として使用しておるとしてもという御説明ですが、これは公園として使用せしめておつたということは、しばしばの御説明で過去においてもう明らかになつておつた事実です。たまたま現在今の使用者公園にあらざる姿にしておるということにすぎない。それをあなたのは、現在そういう姿になつておるから公園にあらずして、あなたが大蔵省の役人として、あるつくられた事実に法律を当てはめて解釈しようということになるので、どこから考えても公園が第一号のこの公用財産になるということは考えられない。建設省意見はどうですか。
  59. 渋江操一

    渋江政府委員 いわゆる公園の用に供せられておる財産が、国有財産法上いかなる取扱いを受けるかという点であろうと思いますが……。
  60. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いや、趣旨は明確にしてあるのです。第三条第二項の一号の公用財産というのは限定された目的の物件であります。都が公園として国から借りている、その公園として借りている土地公用財産と称するのはどういうわけか、その点なのです。
  61. 渋江操一

    渋江政府委員 これに対しましては、先ほども申し上げましたように、大蔵省との間で、国有財産法上の財産種類としていかなる取扱いをするかという点について意見がわかれております。その点で私どもの立場から申し上げるならば、結局十五条をごらん願いますと、十五条の但書において、国が公共の用に供する財産であつて公共福祉用財産以外のもの——公共物という字句を使つておりますが、公園の目的に供している財産は、やはりその公共物に相当するのではないか、こういうことで、私ども所管として処理さるべきものであるという主張をいたしておるのでございます。
  62. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、建設省においては第三条二項の一号にも二号にも属しない財産である、こういうような見解で扱つて来たのですか。
  63. 渋江操一

    渋江政府委員 その点はただいま申し上げたことと重複するわけでございますが、要するに、それが公用財産の一種であるかどうかという点については私ども触れておりません。これは道路用地あるいは港湾用地といつたものに供せられている、いわゆる公共的目的に供せられている財産と同じく、公共物的な財産であるというふうに主張をいたしておるのでございます。
  64. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 第十五条の但書の、「公共福祉用財産以外のもの」「又は公共福祉用財産とする目的をもつてこれをする場合、」この最後の但書の前段に属するのですか、後段なのですか。
  65. 渋江操一

    渋江政府委員 これは前段に属するわけでございます。
  66. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 重ねて阪田政府委員に伺つておきますが、あなたの方では現在の土地状況が他人によつて変形せられたので、それで公園とせずしてこれを扱おうという方針をとることになつた、こういう御説明であつたと聞いていいのですか。
  67. 阪田泰二

    阪田政府委員 御質問通り現実物件東京都に貸し付けられておりまする目的と違つて、あのような建物その他の施設がされまして、公園としての状態を備えなくなつた、こういう事実に基いて、大蔵省普通財産所管がえをしてもらつた、こういうことでございます。
  68. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この土地は、当初は都に対して公園として無償貸付をしたことになつております。でありまするから、やはりあくまでも公園として使用することが本来の用途である、こういうふうに考え処理することが、国有財産所管の上で一番正しい根本の態度であろうと思うのであります。これは大臣に聞きたいと思いまするが、その点はどうでございましよう。
  69. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 先ほどからたびたび申し上げておりますが、あるいは御趣旨の通り公園としてあくまで使用しなければならぬというような御意見もあると存じますが、現実状況がまつた公園の体をなしておらぬということから、これは公園として使用することをやめて処理をした方がいい、かように考えていると、先ほどから申し上げている通りであります。
  70. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の聞きたい点は、処理の問題にはまだ入つておらんのです。今大蔵省におきまして、当初は公園として都へ無償で貸付けたものを、その後都の扱いによつて第三者が公園にあらざる姿にかえたので、公園でないものとして扱うことに大蔵省方針をきめて、そして建設省政府委員公園にあらざる用途の、その他公共の用に供する財産、こういうような趣旨で扱おうとしておる。こういうことは事実をまつたく無視し、また国が都へ公園として無償で貸したという精神をまつたく蹂躙するもので、その後変形したからその変形したことを基礎にまた別の解釈、別の扱いをして行くということに発展して行つております。かくのごときことは、やはり国の財産管理処理して行く上において実に危険だと思います。それで大臣に聞いておるのであります。だから当初公園として貸したものならば、公園として主管する、管理する、扱うというのがほんとうのあり方でないか、こういうふうに思つておりますので、簡単でよろしゆうございますから重ねて一言答弁を願つておきます。
  71. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 ただいまお話のようなお考え方もあるかと存じますが、私の処理いたしました方法は、先ほどから申し上げた通りでございます。
  72. 熊本虎三

    熊本委員長代理 ちよつと吉田委員に申し上げますが、いささか議論といいますか、意見の相違があるようであります。ほかの方から先ほどから発言の要求がございます。御了解を得ますれば、ほかの方に発言を許したいと思いますが、いかがですか。
  73. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうぞ。
  74. 熊本虎三

  75. 安井大吉

    安井委員 この問題は、ある会社に対して国有財産を貸与した、期限がすでに切れておるという問題で、今伺つておりますと、省の主管争いのために、借りたものは非常な利益を継続しておる姿であります。これはもとより、返せば元の公園にもどるものであり、国有財産管理の本来の目的を達するのであります。一体借りているニユーエンパイヤにこの土地を返すのか返さないのか、いつ返すか。出て来ておる責任者に一応これに対して御説明を伺つてみたいと思うのであります。  またもう一つは、今第三者に貸し付けた。そのものは東京都知事は協議の上やつておる。そうすると期限が切れて協定がつかない間はニユーエンパイヤは依然としてその継続使用をして、年限がいくらたつても、本省の主管がきまらぬ間はそのまま継続使用する、こういう形になるのであるか、大蔵省は一体それをどういうふうにお考えなつておるか。この二点であります。
  76. 吉岡照義

    ○吉岡参考人 お答えいたします。この土地に対しまして当社が拝借いたしまして事業をやらしてもらつておりますが、前回の委員会の席上において今の御質問と同じようなことのお話があつたと思います。それに対しまして、私からもお答え申し上げておりますが、引続き該土地を借用なり払下げたりをしていただきたいという考えから、大蔵省関東財務局に対しまして申請書をかつて出したのでございます。なお重ねて申し上げますが、前回の委員会の末尾におきましても私から委員会の各位に対しまして、どうかその趣旨をおくみとり願いまして、引続きわれわれの経営のできますように御配慮を願いたいということを申し上げたのでございまして、なお本年になりまして六月の十二日でございます、当該地の払下げ申請に関しまして、関東財務局長あてに申請書を出してございます。従いまして当社としては、それの御決定のすみやかならんことを切に願つておる次第でございます。
  77. 岡安彦三郎

    岡安参考人 東京都としましては、先ほど申し上げましたように、建設省大蔵省と協議の上で、公園地を廃止しまして、建設省の方にお引継ぎをいたしました。従いましてその後におきましては、建設省なり大蔵省なりとの間に、ただいま吉岡社長からお話のようなことになつたのではないか。こういうふうに私は承知しております。
  78. 安井大吉

    安井委員 そういたしますと、継続使用の意思は十分ある。それから当初許可した主管官庁はすでに移つて、いわば責任は、東京都知事はのがれて建設省へ移つておる。建設省はまたこれに対して、現実公園にあらざるゆえをもつてこのものは大蔵省へ引継ぐべきものだ。そうすると結局大蔵省は、現状がそうであるから私の方の所管であろう、こういうことになると、大蔵省は、この会社の継続使用せんとする意思に対して、なおこれをそのまま継続使用という御意思でおるのか。それを伺いたい。
  79. 阪田泰二

    阪田政府委員 お尋ねの点につきましては、先ほど来申し上げましたように、十分慎重に検討したいということで、決定はいたしておりません。
  80. 柴田義男

    柴田委員 昭和二十七年三月五日建公第一〇五号、二十七年六月三日公観第五六三号、二十八年一月九日建公第二四号、こういう三回にわたつて東京都がエンパイヤ株式会社に対して明渡しを要求しておるようでございますが、この結末がつかない過程において、今安井委員からもお話のあつたように、東京都が建設省相談し、建設省大蔵省にこれを相談して、こういう明渡しの要求のはつきりした見通しの立たないままに内々でやつてしまつたということは、われわれ国民代表といたしましてどうしても納得が行かないのであります。こういうことで国の財産を一官吏あるいは少数の悪徳官吏が左右するようなことであつては、まつたく私ども国民代表といたしまして心外にたえないのであります。この三つの要求に対する見通しがつかないままにやつた責任は、おそらく東京都も十分負うべきであるし、建設省も負うべきであるが、なおこの公園廃止するという問題に至りましては、廃止をする過程と、いわゆる明渡しを要求しておる過程とは、時日の点においてもほとんど相前後しております。こういうことに関しまして責任のある答弁大蔵大臣からも求めたいのですが、大蔵大臣の御出席はまだございませんでしようか。
  81. 熊本虎三

    熊本委員長代理 大蔵大臣はまだ予算委員会で質疑を受けているそうでございまして、いましばらくお待ちを願いたいと思います。
  82. 柴田義男

    柴田委員 それでは大蔵次官かどなたかかわりの方でもけつこうです。われわれは今まで局長と盛んに議論をいたしたのでございますけれども、はつきりした見通しがまだ立つていないとか、いろいろなことで責任のある答弁を聞き得ないのです。
  83. 熊本虎三

    熊本委員長代理 政務次官でもよろしゆうございますか。——事務次官でなくてはおそらくわからぬと思いますが、至急大蔵大臣出席を求めておりますから、その点しばらく御猶予を願います。
  84. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大蔵大臣がまだ見えませんので、これは阪田局長に伺うのですが、かつて本年二月十六日の当委員会において向井大蔵大臣は、建設省から大蔵省に返してもらおうと思つておる、それからどうせ事がめんどうになつておるので楽には行かぬと思うが、困難を排して筋の通つた取扱いをいたす考えであるという答弁をしておられるのであります。そこで、あなたは今慎重に検討しておるという意味の御説明がありましたが、これは都が使用を許可しておる条件は明白であります。それから都が返還を請求しておる事実も明らかであります。そしてその使用の条件に違反して使用しておるという事実も明らかであります。ことにその間に刑事事件が起つておるのであります。こういう面から見まして、いささかでもこれを糊塗隠蔽するような態度があつて国会に対しても相済まぬと私は思うのであります。そこで、あなたが慎重な検討をしておるとおつしやるのだが、さような事情のもとに来ておるのだから、大蔵省としては前の大臣の趣旨のごとくに筋を通してということであれば、当然原形に復するか、あるいは使用期限が一月末に満了して二月末まで一応猶予されておるのでありますから、すでに経過数箇月、こういうのでありますから、当然これは返さす方向に行くのが筋が通るのではないかと思うのですが、どういう方向へ持つて行こうとしておるのか、大蔵省においてどういうことを慎重に検討しておるのかを聞いてみたい。
  85. 阪田泰二

    阪田政府委員 具体的にどういう措置をとるかということになりますと、先ほど来申し上げましたように、ただいまのところそこまではつきり申し上げるような結論は出ていないわけでありますが、ただ、ただいまお話のありましたようないろいろな従来の東京都の契約、その後の交渉した事柄等の経緯は、もちろんこれを十分考慮に入れて、筋の通つた公正な解決をするようにいたしたいと考えております。
  86. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方ではどういうところで、どういう職員の方々の間においてこういう協議は検討されておるのですか。
  87. 阪田泰二

    阪田政府委員 これは私どもの方の役所の内部のことでありますが、私は担当の局長をしておるわけですが、まあ係長、係官ともいろいろ案を相談いたします。もちろん上の次官、大臣にも十分御意見を伺つて最終的な決定をいたすわけであります。
  88. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この問題はすでに社会的にも非常に大きな影響を与えるところまで発展して来ておりますので、やはりあなた一個、またあなたの局内で処理すべきではなくして、省の立場からも検討して、適当な解決をしなければならぬと思つてつたのですが、そういう大きな構想で解決をしようということにはなつておらぬのですか。
  89. 阪田泰二

    阪田政府委員 これは大蔵省の内部のことでございますが、このような重要な問題ともなりますれば、内部的な処理といたしましては、やはり省議を開いて方針を決定するということに当然いたすわけであります。
  90. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 いつまでに解決する見通しですか。
  91. 阪田泰二

    阪田政府委員 これはできるだけ早く結論を出したいと思つておりますが、いつということはちよつとただいま申し上げかねる次第であります。
  92. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もうすでに半年近くにもなるのですが、まだ見通しもつかんということでは、怠慢のそしりを免れぬと思いますが、どうでございますか。
  93. 阪田泰二

    阪田政府委員 先ほど申し上げましたように、大蔵省といたしましては、六月一日に返還を受けたわけでございます。前々から問題のあることはわかつてつたのでありますが、御承知のように、非常にむずかしい問題でありますし、またあまり早急に結論を出して、不適当なことがあるようでもいけませんので、慎重にやりたいというふうに考えておるわけであります。決して処理を怠つておるというわけではありませんが、いつまでということは、私どもとしてもちよつと申し上げかねる次第であります。
  94. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 ただいまの答弁で、非常にむずかしいということでありますが、どういうことがむずかしいのでありますか。どういう点がむずかしいのですか。それをお聞かせ願いたい。
  95. 阪田泰二

    阪田政府委員 これはこの委員会におきましても、いろいろと御論議の種となつておりますわけでありまして、そういうようないろいろな観点を全部考慮いたしまして、公正で、だれが見ても納得できるような結論を出さなければならない、こういうことになりますと、やはりかなりいろいろむずかしい点……(杉村委員「そのむずかしい点を聞いておるのだ」と呼ぶ)それは法律的な点もあり、実際的な点もございますので、検討しなければならないというように考えております。
  96. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 一つもむずかしいことはないんじやないです外。公園として貸したものを、公園外のものにかつてに使われたという問題であつて、何もむずかしいということはないと思う。いやしくも都内における公園というものは、都民の保健上きわめて重大なる施設であります。その施設を営利会社にかつてに変なことをされてしまつたために、国家がそれがむずかしいからといつて、便々と検討々々ということは、一体どういうわけなんですか。適法に行われておらなかつたならば、適法に行つたら少しもむずかしいことはないと思うが、その点の見解はいかがですか。
  97. 阪田泰二

    阪田政府委員 現在の事態が、貸付の目的通り使われていなかつた、しかも契約通り返還されていない、最初公園なつておつたものが公園でなくなつておる、こういうような問題につきましては、事実がはつきりいたしておるのであります。ただ東京都におきまして、公園用地として貸付を受けましたものを、いろいろな経緯をたどつて会社と使用契約を結びまして、ああいうような状態なつておつた。それが御承知のような経緯によりまして、大蔵省に返還されて、普通財産なつておるわけであります。その間の法律関係、あるいは経済的の利害の関係、いろいろございますが、そういう点を十分に検討して、手落ちのないような解決をいたしたいというふうに考えておるので、いろいろむずかしい問題が、技術的、法律的、各方面で出て来るわけであります。
  98. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そのむずかしいということなんで、法律的にむずかしいということは、東京都が会社と契約したことが、賃貸借契約でも締結して、いわゆる借地法の適用でも受けるために、法律上の見解がむずかしいというのか、どういうことなんですか。一会社が適法でないことを営利的にやつておるのを、国家の権力をもつて処理することができないということになつたら、これはたいへんな問題でありましよう。そんな不見識なことはない。少しもむずかしいことはないのです。そんなことがむずかしいならば、国の権威はなくなる。あなたがむずかしいと言うのは、どういう法律関係がむずかしいというのか。ただ委員会でああでもない、こうでもないと言われるのがむずかしいのか。そんなことはむずかしくも何ともない。公園であつたの公園でなくなつた、これを返すのが何がむずかしいのか。
  99. 阪田泰二

    阪田政府委員 この問題の経緯をごらんになりましてもおわかりになる通り大蔵省としても、この財産会社から返還されまして、問題なく公園のような状態なつておりますれば、何ら文句を言う筋合いではなかつたわけであります。やはりいろいろと事態がむずかしい点がありまして、元通り公園にならないというようなことから、やむを得ず現状によつて大蔵省に返還された、こういうかつこうになつておると思います。大蔵省といたしましては、そういう事実を見て、手落ちのないように対策を立てて処理しなければならないと考えております。
  100. 柴田義男

    柴田委員 今、むずかしいという言葉が出て来たのですが、東京都長官が法務府の意見書を、昭和二十六年十二月二十八日付でおとりになつておりますが、こういう問題の場合に、法律的な意見を法務府に求めた。こういうように、やはり真剣にこれを明け渡すべく努力を払われておるというような状態は、書類の上では見受けられるのですが、精神的にもほんとうにこれを明け渡してもらおうという、御意思が、東京都にあつたのかどうかということを、岡安参考人から承りたいと思います。
  101. 岡安彦三郎

    岡安参考人 ただいまの御質問でございまするが、もちろん東京都知事は、公園管理者としまして、管理権の範囲で貸しました。従つて四年後におきましては撤去をしたい、もちろん撤去をさせる、こういう意思にはかわりはございません。従つてその間に、法律的に行政処分で行くのか、あるいは民事関係で行くのか、こういふ点の困難性がございましたので、一応各方面の意見を聞きながら、期限が来ますれば撤去をさせたい、こういうつもりでやつてつたのでございます。
  102. 柴田義男

    柴田委員 そういたしますると、この法務府の意見書でも明らかなように、普通の建物があつたと仮定いたしましても、借地法なんというものの適用はこれには認められないということを、法務府が意見書を出しておる。はつきりとこういうりつぱな意見書を出しておるにもかかわらず、こういう交渉の過程において、なぜ大蔵省がこれを受領してしまつたか、非常に問題が大きくなつた中に、ことさらにその過程に大蔵省が介在するがごとくに、普通財産としてこれを受領してしまつたかという点を、今大蔵大臣に聞こうとしておるのですが、大蔵大臣の御出席はまだでございましようか。
  103. 熊本虎三

    熊本委員長代理 出席を要求いたしまして、しばらくの間お待ちを願いたいということでありますから、その御猶余を願いたいと思います。
  104. 安井大吉

    安井委員 どうも大蔵省答弁は変に思います。一つ尋ねておきたいことは、東京都知事があれを許可した行為、及び期限が来てこれの撤去を迫つた法律行為、これらのものは大蔵省としては適法であつた、あの措置には何の過失なしとお認めになつておるのか、おらぬのか、それを一つ伺いたい。
  105. 柴田義男

    柴田委員 東京都が、あのような建物その他の施設建設するために、あの土地を貸したことは、公園地として使うために国から借りておる土地でありますから、借りておる目的に違反しておるというふうに私ども考えております。ただ、貸しておる土地を、期限が来たから明け渡して返せというように東京都が要求されることは、契約の内容から行きまして当然のことでありますので、東京都が当然なさるべきことであると私ども考えております。その結果、土地が返還されまして元通り公園になりますれば、私どもとしては何らの言うこともないわけであります。現実そういうふうな事態にならないで、依然として目的外に使用されておる、こういう状態にありましたから、これは会計検査院の方からも御指摘があつたわけでございますが、そういう目的外に使われておる国有財産をそのまま放置しておくわけには行きませんので、大蔵省所管に移しかえるように私どもの方から申しました次第でございます。
  106. 安井大吉

    安井委員 そういたしますと大蔵省は当時この土地については東京都知事管理権を委任しておる。建設省相談をして四年間貸した。この際においてはなぜ大蔵省はそれに対して貸すことがよくなかつた、あるいは建築許可をすることがよくなかつたということを監督なさらなかつたか。それからあとの催足をして撤去を命じたことは適当だというのか、こうしたところがあやふやだが、撤去を命じたことは認める、こういう御意見と承つてよろしゆうございますか。
  107. 阪田泰二

    阪田政府委員 大分誤解しておられる点があるようでございますが、この財産は先ほど来いろいろ話も出ておりますように、建設省所管であります。建設省東京都に貸し付けられたものであります。それで建設省が貸し付けられましてまた東京都の協議を受けられまして、こういうような用途に貸すということにつきましても承認されたわけであります。大蔵省といたしましては当時実は旦頭でありますが、相談を受けておるわけであります。ただその際に公園地にかような永久的と見られるような建物施設をすることは私どもといたしましては、反対でありまして、木造建物、あるいは貸付期間を限る、こういうような条件をつけて、口頭の相談でありましたが、承知したわけであります。それで現実事態といたしましては、ここにありますように、そのような条件に違反して東京都がこのような鉄骨建物を建てることを認められたわけであります。大蔵省としては、決してこのような公園用途に反するような貸付を初めから認めた事実は全然ございません。
  108. 安井大吉

    安井委員 そういたしますと、大蔵省は口頭で相談を受けた。しかしそのときにはすでに建設省管理しあるいは東京都知事法律によつて与えられた権限内で管理していた。大蔵省は口頭で相談を受けた。そのときの事柄に対して、もし現在悪いというならば大蔵省はすでに意見がきまつているから、自分の方に財産管理を移管して、自分のものだ、公園をつぶせば即そのときからあなたの方の財産だ、こういう見解のもとに引取つた公園として貸すことは承知しておつたが、公園でなくなつたから引取つたということは、悪く言えば大蔵省公園等の敷地をのつとろうと考えられる場合には、全部大蔵省へ引上げる目的で、口頭、書面の承諾を与えて、そうしてただ財産管理の主管を自分の方へ移すということでは、生きた財産管理はできないということになります。大蔵省がそれを自分の管理に属するもので適正にやらなければならぬというので受取つたらば、おのずからそこに今後ものことは法律的にこう行かなければならぬという意思があるべきはずであつて、それに向つて邁進すべきだと思う。それを研究中であるとか、あるいはそれがわからなかつたとかいうようなことは、大蔵省として非常に手ぬかりだつたと思いますが、これに対する御意見を伺いたい。
  109. 阪田泰二

    阪田政府委員 先ほども申し上げましたように、大蔵省はこの財産を保管しており、建設省から口頭で相談を受けた。その際に私どもといたしましては、こういう公園地に、ほとんど永久的な、撤去の絶対に不可能な、かなりむずかしい建物をつくるということは、もちろん公園用途に反しますので不賛成でありまして、木造建物期間を切つて建てるという条件をつけて承知した形になつております。     〔熊本委員長代理退席、柴田委員長代理着席〕  現実事態はそのような条件に違反して貸付がされておるわけであります。大蔵省といたしましては、国有財産公園として貸し付けられております場合に、公園としての用途と違うような処置を承認されたような事実もございませんし、そういつた考えは毛頭持つていないわけであります。
  110. 柴田義男

    柴田委員長代理 ちよつとおはかりいたしますが、建設大臣は三時から別の会合に御出席にならなければならぬということでございますので、主として建設大臣に御質問を願いたいと思います。
  111. 熊本虎三

    熊本委員 建設大臣おいそがしいそうでありますから一、二お尋ねいたしておきたいと存じます。現在首都建設法あるいは住宅法との関係において、住宅街においては法の命ずるところにより必ず緑地がなければならない、こういうことがございますが、これらはどの法の何条になつておるか御説明願いたいと思います。
  112. 渋江操一

    渋江政府委員 都市計画法は基く規定としては、何条かはつきり申し上げかねますが、都市計画法に基いて緑地地域をきめておるわけでございます。
  113. 熊本虎三

    熊本委員 そこで建設大臣にお尋ねいたしますが、この法の執行につきましてはまことに熾烈であります。そして今戦災による住宅難のため都民は非常に困つておるのでありますが、しかし法の命ずるところとして、法の実施のためには強制立ちのきの上で緑地をつくつておる。こういうような関係の中において、公園地帯をゆえなく建設省かち大蔵省に引継いだ。その引継いだ理由の中に従来の関係を引継いで、これが遂行とともに元に復するという何らの意思決定のない間に、さような手続をされたことは一体どういうわけなのですか。
  114. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 現在の場所の実情がまつた公園の体をなしておらぬというのであります。緑地の必要はもちろん認めておりまするが、東京都はまた別にこれにかわる土地をお話合いをしたいという考えのもとに現在のような用途を廃する、かように考えた次第でります。
  115. 熊本虎三

    熊本委員 先ほどの委員質問に重つて参りますので、はなはだ恐縮でございますが、建設大臣は現在東京都が都市計画法に基きまして行いつある現状、そのために多くの都民が涙とともにその法に従いつある箇所等について何かお調べになつたことがありますか。
  116. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 都内の具体的実情につきましては、私はまだ十分に承知しておらないところが多いのでございます。
  117. 熊本虎三

    熊本委員 すべて政治は正当でなくてはならない。あくまでも民主的であつて、その法が一部執行者のために曲げられてはならない。しかるに一方には過酷な現実の中からでも、遵法のためには非常な厳格な立場においてこれを強制し、半面公園地帯としてあるべきもの、法の手続上からいつても過去の経過から行きましても、当然あの土地が公共施設としての公園として適切であるにもかかわらず、これを曲げてあやふやにしようとする意思は、政治運営の上にまことにおだやかならざることだと考えますが、建設大臣の所見を承つておきたいと思います。
  118. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 他の土地で何か非常に苛酷な取扱いをしておるところがあるようなお話でございましたが、これはもし具体的の場所がございましたならば私ども十分に伺つて考えてみたいと思います。それからただいまの場所が、公園に使つておるものを無理に曲げてというお話でございましたが、先ほどからも申し上げておりまするように、現実の実情がもう公園の体をなしておらないというので、やむを得ず処理した、こういうふうに御承知をいただきたい。
  119. 大矢省三

    ○大矢委員 ちよつとお尋ねしますか、建設省東京都との話合いで、こういう問題が起きた原因をなしておる。そこで大蔵省に今度引継いだために、今後慎重にこれを決するという今の阪田さんの答弁がありましたが、そういう場合にも建設省としては、大蔵官に引継いたんだから、この問題に対する責任があるのですか、ないのですか。もう引継いだからこれで終りか、あるいは自分がこの問題の種をまいた、自分のところが貸して、しかもこういうような公園でない形にしたのだから、あくまでもこの解決には筋を通して、困難ではあろうが解決しようとする責任を依然として持つのか持たぬのか。
  120. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 私は決して責任をのがれるというような気持は持つておりません。
  121. 熊本虎三

    熊本委員 お急ぎのようでありますから、最後に建設大臣の御意思を伺つておきたいと思いますが、ただいまは、そうしたようなことは法の上からも、手続の上からも妥当でないものであるから、従つてこれを費目返還に基いて原状に復するということに対して、放置するのではない、こう言われることは、やはり手続が済めば元へ復しようという御意思があるものだと考えておりますが、さよう了承してよろしゆうございますか。
  122. 戸塚九一郎

    戸塚国務大臣 お話の意味は、もしあそこが返還になつた場合には都の公園にという意味と存じますが、これはその場合になつてから都の意向、都の公園、つまり緑地のあり方というものについてもさらに都としても考えるでありましようから、そういう点を十分相談の上でやりたい、かように考えております。
  123. 熊本虎三

    熊本委員 きようは時間がないようですから、この程度にしておきます。
  124. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大蔵大臣に質疑したいのです。小笠原さんはこの問題はまだ詳細に御検討なつておらぬかもしれませんが、一口に申しますれば、虎ノ門の角にあるニユーエンパイヤモーター会社、あれの使つている土地の件は御承知ですか。
  125. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ちよつと成行きだけ聞きました。詳細はよく存じておりません。
  126. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 問題になつておりまするのは、あそこは国有の土地で、そうして公園地として都へ無償で貸し付けてあつたのであります。それを都が今のモーター会社へ時価一坪十万円と建設局長の説明のある土地を、一箇月五円十銭で貸しております。四年間の契約で貸して、木造建物期間更新を認めない、こういう厳重な条件のもとに使用を許可したのです。ところが本年の一月の末期間が満了いたしまして、去年来都はしばしば厳重に明渡し請求をしておつたらしい。明渡し法律的根拠については、法務省の意見まで徴しておつたらしいのです。こういうようなことになつ経過して来たのですが、いまなお明渡しは実施されておりません。ところで最近大蔵省普通財産として引継ぎを受けておる、こういうことになつて今日に至つておるわけです。これは都も、前に安井知事もしばしば明渡さす意思があつて、その通り実行して参りましたということ、それから向井前大蔵大臣もやはり筋を通して返還をさすような方向へ持つて行きたい、それから戸塚建設大臣大蔵大臣の意向に同調なさる答弁が、前の国会の二月十六日ですか、当委員会においてそれぞれあつたのであります。そこで最近に至つて大蔵省普通財産として引継いだ、こういうことになつて、未解決のまま経過しておるのです。そこで大臣に伺いたいのは、これはさように貸した責任のある都の知事も、返してもらうべく極力強硬な要求のあつたようなときに、返さすべく解決しないままに大蔵省があえてこれを引継ぎを受けて、今聞けばその後数箇月になるのだが、なお慎重検討というようなことで経過して、しからばいつ解決するかということについても、解決の見通しもないようなありさまらしいのです。こういう事態に立ち至つておりまするので、大臣としましてはどういうふうにお考えになるか伺つておきたい。
  127. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ただいま吉田さんから伺つたところによりましても、あれは現実公園として返されたら問題ないのですが、そうなつていないところに非常に困難な点があるのじやないかと存じます。従いまして私どもも、おそらく事務当局でも慎重にどうさしたらいいかというような点を考えておるではないかと思うのであります。あるいはまた公園にし得るものかどうかというような点等についても、その考慮をしておるのじやないかと思います。あるいは全部原形に復して返さすというようなことがどうかということについても考えておるのじやないかとも思います。それからまた私ども吉田さんに正直に申し上げておきますか、結論的な話を何も聞いておりません。聞いておりませんので、よく事情を調べまして善処さしていただきたいと存じます。
  128. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この問題は一面、会計検査院のごく下僚の人でありますけれども、これを調べた人にも何か収賄罪の刑事事件も起つておるのであります。そこで巷間伝うるところによれば、すでに既成事実が、公園の形を失つてしまつておる、木造建物を建てるというのが鉄骨の四千万円もかかつたものを建てておる。そこで事実明渡し困難であるから何とか適当な値段で売り渡してはどうか、こういうようなことが相当交渉されておるというようなことすら伝わつておるのであります。もしそういうようなことになつて行きましたら、国有財産管理上ゆゆしい悪例を残すおそれがある、こういうふうにも考えております。その辺についての所見を伺いたい。
  129. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 これも吉田さんに正直に申し上げておきますが、過日あそこを通つたときに、これが問題になつておるのですという話を車の中で私は聞いたのであります。それで大蔵省は何か交渉したかといつたら、払い下げ等についても何も交渉をしておる事夫はない——はつきりとまだ交渉してないそうでございます。従いまして、ひとつよく今までの成行き、実情等を取調べました上で、そういつた、特に今吉田さんのおつしやるようなことだと、何か不正問題が相当からんでおるようでありますので、そういうことでのれば一層この問題はきれいに解決する必要があると思います。善処いたしますからしばらく私に調べさしていただきたいと思います。
  130. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 私は東京都副知事にこの問題について伺つておきたいと思うのですが、何か東京都がこの会社から二百万円金を受取つておるようですが、これはどういう性質の金で受取つておるのか、それをお伺いしたいと思います。
  131. 岡安彦三郎

    岡安参考人 ただいま東京都は寄付金を二百万円とつておるが、どういうような意味かという御質疑のように了承いたしましたが、これは当時の状況からいたしまして、公園が非常に荒れ果てております。従つてそれがいつ回復するかわからない。それが御承知のような経過GHQだとか、あるいは当時の貿易庁長官等から貸してやつてくれ、こういう状況でございましたので貸すことにいたしました。その間少くとも三年なり四年なり使えませんので、ほかの方の公園の整備費がございませんので、その方に充当するということで五百万円の寄付の申出がありました。当時私の聞いておりました際には、五百万円を許可と同時に会社東京都に寄付する、それでもつて東京都は公園の整備費に充てる、こういうふうに了承しておりましたが、これが一ぺんに出ませんで、百万円、百万円、最後に三百万円、こういう経緯で確かに東京都は寄付金として受領いたしております。
  132. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そのほかには受取つた金はございませんか。
  133. 岡安彦三郎

    岡安参考人 そのほかにはございません。地代を確かにとつております。
  134. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 ところで何か吉岡参考人の言つておるところによりますと、この公園を元に復旧する費用をどうとかいうようなことをこの前陳述しておりますが、吉岡参考人は何かそういうことについて東京都との間に金銭の授受はありましたか。
  135. 柴田義男

    柴田委員長代理 ちよつとお諮りいたしますが、大蔵大臣が大蔵委員会の方で非常に御多忙のようでございますので、あと七、八分だけ大蔵大臣にもし御質問がございましたらお願いしたいと思います。     〔柴田委員長代理退席熊本委員長代理着席
  136. 熊本虎三

    熊本委員長代理 それでは大蔵大臣がお急ぎのようでございますから、大臣に関連の質問をお願いいたします。
  137. 柴田義男

    柴田委員 大蔵大臣にお伺いいたしますが、先ほど大蔵大臣の非常に良心的な御答弁で多少安心はしておりますけれども、私どもは国の財産をいろいろな過程を経まして一営利会社に壟断させる、こういうことは許すべきでない、こう考えておるのでありまするが、ただ今日までのこの問題の経過を見ますと、東京都がたまたま公園地帯を、その当時の事情は多少あつたとは思いすまし、終戦後のいろいろなどさくさの状況であつとは思いまするが、その関係から四箇年と限つて貸しておる。そして借りた方もそれに対しましては、東京都の条件に対してまつたく忠実にこれを履行いたしますという請書も出しております。それがたまたま明け渡しをせぬで、たとえば木造を建てるということが条件であつたが一鉄骨コンクリートのものを建ててしまつた。そういたしまして、その後に今度は建設省用途の変更をいたしまして、公園廃止、そして大蔵省普通財産としておる、こういうようないろいろな条件を見ますると、どうしても納得のいかない点がたくさん出て参るのであります。われわれは、要はああいうことは建てた自体もおもしろくないし、あるいは東京都内には、先ほど熊本委員からも御指摘がございましたが、非常に貧困な人々が住んでおる住居すらも撤去を命じておつて、都民の健康を保持しなければならぬというので、緑地地帯をつくつておる反面、大きな資本をもつて建物を建ててしまえば、その方が勝であるのだ、こういう印象を与えることは非常によくないと思うのであります。どうかこういう点を十分御考慮くださいまして、この問題をきれいにやつていただきたい、われわれ委員会も二十五年度を今やつておるのでありますが、この問題一つが大きな山になつておるのであります。この問題さえきれいに片づきますると、二十五年度はこの決算委員会では一瀉千里の終了を告げると考えておるのであります。どうかそういう点について大蔵大臣のほんとうの御心事をもう一度伺いたいと思います。
  138. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 今おつしやつたように、既成事実をつくつておいて、それでもつて不正がそのまま行われるというようなことは、はなはだおもしろくないことだと私はかたく信じます。従いまして、この問題はまださつき申した通り、今までの経過をよく聞いておりませんが、よく調べまして、皆さんの御納得の行くような処理をいたしたいと考えております。
  139. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大蔵大臣にこれを約束しておいてほしいのですが、この間の委員会で、この委員会の運営の見通しとして、来月の中ごろに二十五年の決算は審査終了の見込みの様子らしいのでありますから、従つてそれまでに結論をわれわれ自身も持ちたいと思いまするので、いろいろと御多端の折柄ですけども、せつかくの熱意がおありのようでありまするから、大蔵省の最終的な案なり、あるいは方針なり、あるいは解決報告なり、そういつたものを、それらの審査終了までに十分間に合うような時期にひとつ意思表示していただくように希望申し上げたいのですが、いかがでしようか。
  140. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 私は一そう手間どる問題か、それとも早く片づく問題かも一実はよく調べておりませんので一日にちのお約束はできませんが、できるだけ御趣意に沿うようにひとつ努力いたします。
  141. 阿部五郎

    ○阿部委員 大臣に伺いたいのですが、私はちよつと中座しましたので重複するかもしれませんけれども所管建設省から大蔵省に移したということになつておるようでありますが、それはこの問題の紛糾を来した責任が、第一段には東京都にあり、その次には建設省にあるにもかかわらず、所管を現在大蔵省に移してしまつたということは、その責任の所在を免責するための処置ではないかという疑を抱かざるを得ぬのであります。今後この問題を処理するにあたつて大蔵省一手で御処置をなさるお考えでありますか、それとも依然として問題を起した東京都並びに建設省側責任をあくまで御追究なさるおつもりでございますか、その点を伺いたい。
  142. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 それは国有財産法上の所管の問題でございまして、責任は依然として残つておるものと存じます。
  143. 阿部五郎

    ○阿部委員 もう一つ。これは希望しておきたいのでありますが、この問題は、要するに国有財産管理が当を得なかつたために、一面では国に損害を与え、一面ではそのために利得をしておる者がある。この処置をどうするかといつた点、それと、現在国家の財産が、一私法人によつて法律上の正当な理由なくして流用されておるという現状をどう処置するか、つまり、すなわち完全に元の状態にもどして国家に返納させるか、それとも国家から賃貸あるいは売却するかという三つの処置しかないと思いますが、それらの点を完全に満足させ得るような御処置を願いたいということを希望申し上げます。
  144. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 ただいま仰せになりましたような諸点を十分検討いたしまして善処いたしたいと存じております。
  145. 熊本虎三

    熊本委員長代理 ほかに大蔵大臣への御質疑がございませんければ、お忙しいようでありますから御退席をお許ししたいと思いますが、異議ありませんか。
  146. 細迫兼光

    細迫委員 ちよつと。いろいろ所管がかわりまして、建設省の御説明によれば、すつきりしたいために所管をかえたというような御説明でありましたが、事実は、いろいろな経過が、あたかも事をこんがらかすためにやつたような印象を与えておる。これは、今度強制的にあそこの立ちのきを要求するというような段階になりますと、訴訟上当事者ということは、御承知のように、非常に大切な問題になるのでありまして、立ちのきを要求せられる被告からは、私は東京都から借りたんじや、いらぬ世話をやくなというような抗弁が必ず予想せられるというようなわけでありまして相当めんどうになつて来る。今めんどうだということを考慮に入れますと、一番すつきりするのは、安易な解決方法としては返してしまうか、売つてしまうかというようなことになりがちです。今阿部委員が申しましたように、解決方法としては三つあるということでありますが、この三つの中であくまで国としては所有権を失わないという方針解決するということが——反面から言えば売つてしまうというような方法によつて解決するという方向はとらないで、あくまで所有権は国に持続するという方針解決するということがお約束できましようか。
  147. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 それらの点につきましても、今ちようど阿部さんにお答え申し上げましたように、よくこれらを十分に考慮しまして、その上できめたいと存じております。
  148. 細迫兼光

    細迫委員 考慮するだけでなくお約束ができませんか。
  149. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 それはまだ実は先のことをよく知りませんので、あるいは私がこれをお約束することが実情に合うか合わぬか、まだ私ちよつと実は自分の心持に結論が参つておりませんので、十分検討した上で御返事さしていただきたいと思います。
  150. 細迫兼光

    細迫委員 では考慮の末あるいは売るということによつて解決する結論になるかもしれないという現在御心境と承つていいでしようか。
  151. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 実はなんにもこれに対しての心境を持ち合せておりません。これは率直な私の言葉であります。どうとも考えておりません。それでよくひとついろいろの点を考えました上でと申し上げているのはその点でありまして、何も今のところはどうするという考えを持つておりません。
  152. 熊本虎三

    熊本委員長代理 ちよつと大蔵大臣委員長からお願いがあります。大蔵大臣はまだ初耳かもしれませんが、今までの経過通りであれば、それに間違いなければどうするという御答弁はできませんか。
  153. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 率直に申し上げますが、よくもう一ぺん大臣に話した上で大臣の結論をということでございますので、よく話を聞きました上でということで一応御了承願いたいと存じます。
  154. 冨吉榮二

    ○冨吉委員 大蔵大臣の御答弁は一応ごもつともとも聞えるし、またきわめて危険を内蔵しておるようにも思います。従つてそれが細迫委員や阿部委員から御念を押されるゆえんは、今までの事情の経過にかんがみていろいろな御心配があつてのことです。また委員会における事務当局からの御答弁を聞いていると、何かどうも納得できかねる。法律上はいろいろなケースがありましようけれども、政治常識として考える場合にはなはだ穏やかならぬことがある。これは私どもも経験がありますが、事務当局というのはまことにうまいことを言うものですから、どうかそういううまい言葉を基礎としないで、またこれはなかなか言ひにくいわけですけれども、やはりエンパイヤの方では何とかして使用したいというようなお考えだろうということはわかつているのですから、こういう方面からの強い働きかけがある、そしてもし大蔵大臣がわれわれが心配するような方向にもし処理せられたということになりますと、国有財産に対する政府当局管理上の観念についても相当議論が沸騰するであろうし、また一般社会に及ぼす影響等もきわめて大であろうと思う。従いましてどうかこの点については十分御戒心あつて、ほんとうにわれわれが納得し得る解決をせられることを私は最後にお願いをいたします。
  155. 小笠原三九郎

    小笠原国務大臣 冨吉さんの仰せの点よくわかりました。私どももよく事実を取調べ、よく会社にも聞きました上で、これはそれぞれ省としましては省議その他にもはかつて十分意を尽した上で、それで皆さんがなるほどこういう点からこういう処理をしたかという、御納得の行くような処理をいたしたいと考えております。
  156. 熊本虎三

    熊本委員長代理 それでは本日は大蔵大臣に対する質疑はこの程度にいたしまして、御退席をお許しすることにいたします。
  157. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 東京都はこの土地を貸すときに二千万円要求したという記憶のようにも思うが、そういうことがあつたかなかつたか、先ほど承りますと二百万円だけ受けた、それが寄付金だと、こういうことを言つているのでありますが、そのあとの要求した残額についてはどうなつたか、またその金の性質は全部が寄付金なのかどうかそれを伺いたい。
  158. 岡安彦三郎

    岡安参考人 東京都は二千万円初めに要求したのではないかというお話のようですが、私の知つている範囲におきましてはそういう事実がございません。最初に二百万円もらつて、あとの三百万円はどういうふうに使つたか、こういう御質疑のようですが、二百万円につきましては芝公園の維持管理費に使つております。また三百万円につきましては、まだ最近でございますのでそのままにしております。
  159. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それはただの寄付ですか、この土地を貸すための対価とかそういう意味はないのですか。
  160. 岡安彦三郎

    岡安参考人 単純なる寄付でございます。
  161. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 この会社の吉岡という方に聞きたい。これはどういう性質でこの金を東京都に渡されたか。
  162. 吉岡照義

    ○吉岡参考人 その金額は寄付という形で支出してございます。
  163. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 二千万円要求されたということはありませんか。
  164. 吉岡照義

    ○吉岡参考人 それは五百万円に決定するまでいろいろお話がございました。途中にあつたかもしれませんがということを申し上げて、別に具体的にはむろん話には出ておりません。
  165. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 それは吉岡参考人に伺いますが、昭和二十八年二月十六日月曜日の、あなたの供述の中にある、二千万円を要求されたということはありませんか。
  166. 吉岡照義

    ○吉岡参考人 前回の委員会に私は申し上げたと思いますが、それはただいま申し上げましたように、五百万円に決定するまでに都側の方の御意見もあります、私の方も意見がありまして、最後的に決定したのは五百万円の寄付金であります。
  167. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 その二千万円の要求は東京都のたれから要求されたか。
  168. 吉岡照義

    ○吉岡参考人 はつきり記憶ございませんけれども、当時都側から代表して出ております方は、今はいらつしやいませんが大木副知事だと思います。そのほか当時の緑地課長が御出席だと思つております。どなたの口から出たか私はつきり記憶ございません。
  169. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 けつこうです。
  170. 柴田義男

    柴田委員 東京都の副知事から伺いますが、この実際の土地は千百三十六坪三合二勺と聞いておりますが、これを六百何十坪と限つて貸し付けたということはどういう関係でございましようか。
  171. 滝尾逹也

    滝尾参考人 それは当時あの土地は全部接収中でございまして、これを貸すにいたしましても接収解除をしてもらわなければいけませんので、接収解除の交渉をいたしました際に、六百五十坪は接収解除するということになりまして、解除されたものだけを貸したという事実であります。
  172. 柴田義男

    柴田委員 現場を見ますると、実際全地域にわたつて会社が使用していることは事実でございますね。決して六百何十坪というだけでなしに、私もあの現場を見て来ておるのであるが、全部使つておる。そういたしますと、賃貸契約の上では六百五十坪を貸付けて、三千何百円かで貸して来ておる。そしてあの契約条件には、経済状態の変化があつた場合には、これを更新するということを明記しておる。こういうことでありながら現実には千何百坪を貸し付けても、三千五百円何がしで貸しておつたのでしようか。また実際は千三百坪であるから倍額に賃貸料がかわつておりましようかどうか、東京都側から伺いたいと思います。
  173. 滝尾逹也

    滝尾参考人 六百五十坪だけを、今額はちよつと覚えておりませんが、坪五円十銭で貸しておりますので、これは公園条例によりまして金額はきまつておりますので、その公園条例によつて貸付金額を変更する際には、ほかの場合と同じに変更するのでございますが、その間に条例の改正がございませんので、こつちが管理しております間は、その金額で貸しておりました。それからなお全部使つているんじやないかというお話でございますが、あれは今申し上げましたように、六百五十坪に対しては接収解除になりましたが、そのほかは進駐軍が接収中のときであつたわけであります。その間にできました既成事実なんで、独立と同時に全部が接収解除になりました。そのとき現状のようになつておりましたが、会社が使つておると申しますれば、そうも言えますし、また端の方はグリーンにいたしておりますので、一般の人もああいうふうなグリーンな状態なつておれば、あそこは通りいいようにもなつておりますので、追究しないでそのまま六百五十坪のままでおいておつたという実情であります。
  174. 柴田義男

    柴田委員 そうしますと、最初条件を付した場合にも、使用条件には使用料は社会情勢により値上げした場合は異議を申立てないこと、その他数項目にわたつてこの条件を付しておる。これはこういう契約を結んでおつても、現場には何の責任者も行つてみない。そうしてたつた三千五百円で貸し付けておる。こういう無責任なことを東京都は常にやつておるんでしようか。東京都側から伺いたいと思います。
  175. 滝尾逹也

    滝尾参考人 これは使用条例で価格をきめて貸しておりましたので、価格が改正になりますと、やはり一律に改正になるわけでございまして、その間条例の改正がございませんでしたので、管理中は三千五百円で貸しておつたということでございます。
  176. 柴田義男

    柴田委員 そうしますと、この貸付条件というものはほんとうに空文にすぎないものですか、これに対する責任をお考えにならぬのでしようか。実際には六百五十坪ということを表面に掲げ、そうして坪当り五円十銭、社会通念しまつたく想像もつかないような安い価格で貸し付けておる。そうしてしかも千三百坪を現実に使つておるものが、六百五十坪と表面をつくろつておる。そうして坪当り五円十銭ですから一箇月三千三百十五円、こういう低額な価格で、しかも条件によつては、更新するということを明記していながら、さらに昭和二十三年の三月二十六日にこれを決定したものを、今日まで放置しておく、これに対して東京都がどういうふうにお考えか、副知事から責任のある御答弁を承りたいのであります。
  177. 岡安彦三郎

    岡安参考人 東京都で公園を貸します場合は、公園の使用条例がございます。使用条例によりましてその地価を算定いたして、それに率をかけて貸してあるのが現状でございます。従つて地価の改訂は、条例によりまして何年かに一ぺんということになつておりますので、それに基いて虎ノ門公園を貸した。これに間違いはございません。それから六百五十坪でございますが、確かに接収解除になりまして、東京都の手にもどりました六百五十坪はそのまま貸しましたが、残りは先ほど申し上げましたように、去年日本が独立いたしましたときに初めて解除になりましたので、それから後は東京都のものになりました。ただいま建設局長も申し上げましたように現状は大部分緑地なつております。あるいは昼はたまたまあそこに会社の自動車があつたかもしれませんが、大多数は緑地なつておる、こういうふうに拝承しておつたわけであります。
  178. 柴田義男

    柴田委員 そうしますと、東京都知事建設省の都市局長に出しておりました書面を見ますると、当時この近辺の土地の賃貸価格がなかつたということを答えておるわけであります。しかし私どもがこの近所の土地を調べますると、六十級で、六円八十銭という賃貸価格がわかつている。しかるに東京都知事建設省に対する答弁書では、この賃貸価格の定めがなかつた、こういうでたらめな答弁書を出しておる。これはどういう関係なんですか。われわれが調べてもあの近辺はその土地の紋別がわかるにもかかわらず、東京都が調べた場合には、この近辺には土地の賃貸価格がないという答弁書を出しておる、それに対する答弁を承りたい。
  179. 岡安彦三郎

    岡安参考人 その書類がいつ出ておりますか知りませんが、おそらくこういう事実ではございますまいか。公園地に賃貸価格がないのは事実でございます。附近の民有地にはございますが、賃貸価格がないというのは公園地にない、こういうことじやないかと思います。あの附近にないということでありますが、そんなことはございません。私どもは現にその附近の賃貸価格もすつかり調べております。あの附近は芝琴平町一の六が幾ら、一番高いところが等級にして何ぼ、坪当り賃貸価格は何ぼということによつてやりましたから、その附近に賃貸価格がないということがもしもありますれば、公園地にないという誤りだろうと思います。
  180. 柴田義男

    柴田委員 そうしますと、級別を調べる場合には、公園地としてお考えなつた、そうなのですね。紋別を調べるときは公園地という観念で調べて、これを今度営利会社に貸し付ける場合には公園地としての紋別がないのだから、最低の線を押えて八十一級、賃貸価格二十二円と押えた。もしもこれがあなたの財産であつたならば、そういう考え方ができましようか、これを伺いたいと思います。
  181. 岡安彦三郎

    岡安参考人 ただいまのお話では、何か一番安いところをとつたのじやないかというお話のようでございますが、私の方もいやしくも公有地を管理しております。従つてそういうことは絶対にいたしておりません。ことに今御指摘のような点で一番安いところ、これはごらんのように、芝琴平町一の五は賃貸価格が二十二円、一の六は十六円で、一の六は裏通りでありまして、これの参考こまならないというので、表通りをとりまして二十二円、坪当り五円十銭こういうように算定して会社の方から地代を徴収したというのでございます。
  182. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 東京都に伺いたいのでありますが、先ほど吉岡参考人のいうところによれば、二千万円の要求を副知事から受けたというように答えられたし、前会の供述にも、速記録にそういうふうに載つておるのですが、今おいでになつておる副知事岡安さんはそういうことを御存じですか、御存じでありませんか。
  183. 岡安彦三郎

    岡安参考人 私は当時副知事でもございませんし、この関係には一切タツチしておりません。ただ大木副知事がその当時にお話をしたのじやないか、こういうふうに先ほど吉岡さんもお答えのようであつた従つて私は二千万円云々という話は全然存じておりません。
  184. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 大木副知事が二千万円を要求しておるというのは、少くともこの土地を貸すことについて相当額なりとして要求したものだろうと思うのですが、それをわずか二百万円しか受取らないで、あとのことはどうなつたのか、その点はいかがでありますか。
  185. 岡安彦三郎

    岡安参考人 当時の情勢におきましては、そういう二千万円の価値があつたかどうか、私にも今のところ明言できませんが、吉岡社長から言われましたように、そういう具体的の事実があつたことを知らない、しかも最後には五百万円ときまつた従つてその当時私は、五百万円のうちの二百万円は、貸したならばすぐ東京都に納める、こういうように聞いておりました。しかし会社の事情で百万円一回、さらに百万円一回、たしか二回、二年目に持つて来たと思いますが、三百万円があとから参りませんので、先ほど申しましたように最近になつて三百万円会社から寄附を受領して、五百万円確かに入つております。
  186. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 ただいまのお話では、三百万円あとで受取つたというようにお答えですが、それでは吉岡参考人昭和二十七年の八月二十八日に供託してございますということを述べておるが、吉岡参考人この点はいかがですか。
  187. 吉岡照義

    ○吉岡参考人 その通りでございます。
  188. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 その供託の目的は、いかなる性質の金として供託いたしましたか。
  189. 吉岡照義

    ○吉岡参考人 御契約の当初お約束申し上げました五百万円の残金といたしまして、はなはだ遅れて都に対しまして申訳なかつたのですが、会社の会計の許す範囲内で調達をいたしましたのが、二十七年の八月になりまして、たまたま期限が切迫したというようなことで、都では一応お受取りにならなかつたのです。しかし前段に申し上げましたように、当社としてはどうしても会社を継続したいという観念もございましたので、一応弁護人とも相談いたしまして供託をいたした次第でございます。
  190. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 その金の目的なのですよ。三百万円の金の性質です。
  191. 吉岡照義

    ○吉岡参考人 それは当初お約束いたしました寄附の残額でございます。
  192. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 東京都に伺うのですが、先ほど三百万円最近受取つたというお言葉なのですが、それは供託金供託金つたのですか。供託金以外の金を受取つたのですか。
  193. 岡安彦三郎

    岡安参考人 私が申し上げました三百万円は供託局から供託金として受領した、こういう意味です。
  194. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 東京都はとるべきものがあつたならば、会社の方から提供されたならば、拒絶しないですぐにとつてもよかりそうなものだが、何ゆえ拒絶したのですか。
  195. 岡安彦三郎

    岡安参考人 その御質問確かにごもつともでございます。当時四年で返させる、私の方は法律に基きまして行政処分ができる、あるいは民事訴訟になるというので、最悪の場合の民事訴訟による半年前の契約解除の通達をいたしております。その前に書類でもはつきり申し出ております。従いましてそういう際でもございますので、もしもこれをとるならば、会社側では継続するのではないか、こういうように誤解されても困ると思つて、とにかく三百万円は今のところちよつと受取れぬ、こういうことで終りました。しかし考えてみますれば、これは当初の約束の寄付金でございますので、契約をするとかしないとかの関係はございません。従つてこれは当然とるべきものであると思つてつた、こういうことであります。
  196. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 ただいまのお答えによりますと、三百万円提供されたのをとると、会社がそこを明けないようなことがあつては困るという心配からとらなかつたというのであるが、最近これを受取つたというのは、会社の方では明けるということの確信があつたためにお受取りになつたのですか。
  197. 岡安彦三郎

    岡安参考人 会社が明ける明けぬは別としまして、私の方は当初の約束通り寄付金を収納する、こういう意味で受領したのであります。
  198. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 ただいまの東京都の答弁で行くならば、なぜ最初提供されたときにとらなかつたのですか。あなたの今のお答えは、同じ続いてのお答えに矛盾がありませんか。それはどうですか。
  199. 岡安彦三郎

    岡安参考人 私が申しましたのは、当初五百万円当然とるべきものを持つて来ませんので、その後数回にわたつて早くよこせ、こう言つたことは事実であります。しかるに会社はなかなかよこしませんでしたが、金の都合がついたからといつてつて来た。その際には今申しました通り現実の問題として明渡しを要求する。こういうわけで、実は私らももしもという事態はわかつておりましたので、行政処分でできるか、あるいは民事訴訟で行かなければならぬのではないか、こういう点がございましたので、この点はどうしたものだろうというので、一応確かに供託局に預けておいたことは事実であります。しかしこれは継続させるかとりこわすかは別個の問題だという結論を得ましたので、供託局から私どもの方で受領したことは事実であります。
  200. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 供託局に領けておいたというが、それは言葉じりはどうでもいい。ただそのときに疑問があつたからとらなかつた、明けないようなことがあつては困るからとらなかつたということは事実でしよう。それを最近になつてとつたというのであるから、今ではその疑問が解けたから受取つたというのかどうかというのです。当然とるべき金であつたら前でもあとでもとつていいわけです。
  201. 熊本虎三

    熊本委員長代理 ちよつと参考人にお願いいたしますが、観点が食い違つておるようですから、その点を明確にしていただけばわかると思います。
  202. 岡安彦三郎

    岡安参考人 私どもの方の東京都といたしましては、解決がつくとかつかぬとかいうことは毛頭考えておりませんでした。ただ今までの経緯はそうであつたのですが、これをとつたらこのまま解決するとか継続するとかいう意思は全然ございまん。確かに二月末日で明渡される、こういうつもりでございました。
  203. 杉村沖治郎

    ○杉村委員 そうではない。あなたの答えたところによつて聞いておるのです。あなたは先ほど、会社の方から提供されたのをどうして受取らなかつたかと私が言つたところ、それを受取ると会社が明けないようなことになると心配だという懸念があるから受取らなかつたのだ、こうお答えになつた。しかるにその後に受取つておるから、しからばその後に受取つたときにはその懸念がなくなつたのか、こう聞いておるのですから、どうかあまり複雑でなく、簡単にお答え願います。
  204. 岡安彦三郎

    岡安参考人 受取ると継続するような懸念がありましたので、一応私の方では受取らなかつたのですが、しかしよく考えますれば、これは四年後には明渡すということはきまつておるわけです。寄付金もきまつております。従つてその点は、明渡すとか明渡さないとか、それが可能であるかどうかは別としまして、とにかく私どもの方は領収いたしました。
  205. 柴田義男

    柴田委員 東京都知事建設省に出しております文書で、先ほど来議論になつておる問題ですが、公園使用許可をやつた条件としてこういうことを言つておるのです。鉄骨にしたのはどういうわけで鉄骨にさせたのかという建設省質問に対して、東京都知事が二十七年一月二十二日建公第二二号で返事を出しております。その返事は、鉄骨は特に解体が容易であるからということを出しておる。現在でもそのお考えに変化がないというのかということが一点。  その次に先ほどの副知事のお話では、三百万円を、あとで法務局からその供託を受取つた場合に、四年後には、これを受取つても必ず解体させるんだ、立のきをさせるんだ、こういうお考えはかわりがないといつておる。その四年後の期日というのは、昭和二十八年の一月の何日かとわれわれは記憶しております。しかるにこの供託を取つた日にちは、二十八年の三月十九日でございますね。これは二箇月遅れて取つておりますが、これはどういうお考えか。四箇年で立のかせる、こういうお考えでありながら、二箇月たつた三月十九日に都は受取つておる事実、これを承りたいと思います。
  206. 岡安彦三郎

    岡安参考人 鉄骨の方がとりこわしやすい、こういうふうに答弁したようなお話でございましたが、これはおそらく鉄骨は仮設建築物としての基準法によつて許可いたしましたので、これはボルトでしめてやりますので一解体いたします場合に、木造よりも解体すればそれが有効に使える、こういう意味で申し上げたのだと存じます。  それから寄付金の問題でございますが、この撤去と二月末日の撤去とは別に関係しておりません。当然取るべきものを取らなかつた、こういう点につきましては、私の方も実は事務的にはどうかと思いましたが、今申しますように一当然の寄附でございますので、供託局から下げて来た、こういうのであります。
  207. 柴田義男

    柴田委員 先ほどの答弁とまた食い違いが出て来たのです。四年後の期間が来れば、必ずこれは立のきをさせる、こういうことのその四年後というのは一月三十一日なんです。昭和二十八年の一月三十一日は期間の満了日なのです。それでこれを東京都が供託局から受領いたしましたのは、二十八年の三月十九日なんです。こういうずれをどういうふうにお考えになるかと伺つておるのです。
  208. 岡安彦三郎

    岡安参考人 私ちよつと、二月といつたのは間違つておりました。一月三十一日の撤去期限はその通りです。従つて一月三十一日に、当然これはとりこわすべきものでございますが、実際問題として事実できなかつた。この点につきましては、あるいは東京都が怠慢であつたという点はございますが、とにかく二月、三月になりましたのは事実でございます。しかし先ほど申しましたように、この寄付金は当然取るべきものであつたのです。しかしそれを取らなかつたのは、私どもがあまり深く考え過ぎた結果なんです。従つてこれは四月の三日に供託局から三百万円を収入しておりますことは事実でございます。
  209. 大矢省三

    ○大矢委員 先ほどから答弁を聞いておりますと、当然なことをやつたのだ、何がいかぬのだ、しやあしやあとしているのです。私はこう思うのです。一体国の所有のものを公園として借りて、しかもそれを無償で借りた。先ほどあなたの説明によりますと、公園使用条例に基いて料金を取つた。すなわち五円十銭。ところがまたあとで聞くと、周囲の事情で相場といいますか、そういう実情のもとで決定されたんだという。少くとも国の財産を無償で借りておきながら、二千万円といつて五百万円も寄付さしている。そうしてまたそれを五円十銭、これは建設省では時価十万といつておる。ところが一般にすると坪二十万、二十万のものを五円十銭で貸しておる。これを当然だといつてしやあやあとしている。前に都知事は、いろいろ国に迷惑をかけて済みません。これはできるだけ私どもは大いなる決意をして、国に迷惑をかけた以上返しますといつておる。ところがあなたの答弁を聞いておりますと、ちつともその気持はない。今どう考えておりますか、当り前だと思つておりますか、迷惑をかけておらぬと思いますか、私はそれを言うのです。平気であなたは言つておるではありませんか。私はその心境をお聞きしたい。もしあなたが答弁できなかつたら都知事に来てもらいます。
  210. 岡安彦三郎

    岡安参考人 私が五百万円を寄附金としてもらうのが当然だと言いましたのは、決して国の方に御迷惑をかけたのを知らぬ顔しておる、こういう意思では毛頭ございません。従つて東京都知事も非常に迷惑をかけておるので、どうしてもこれは撤去させるんだ、こういうつもりで今までの経緯をお話申し上げたのです。ただその間におきまして、先般の御答弁で申しましたように、これにつきましては東京都知事だけで実は貸したのではございません。建設省の力の意向も聞きながら、建設省条件等によつて貸したのです。従つて撤去する場合にも建設省の方の御意向を確かめてその上でする、こういう御答弁を申し上げたはずです。従つて私は決して国に迷惑をかけたものをしやあやあとしている、どういう意思はございません。国とよく相談いたしまして今回の措置をやつたのであります。その点は御了承願いたいと思います。
  211. 大矢省三

    ○大矢委員 それでは建設省の方で撤去しなくてもよろしいといえば、それで済ましてしまうつもりだつたんですか。最初建設省に願い出たときに、四年後に必ず撤去して返します。それでよろしいということになつた。それで今建設省撤去しなくてもよろしいといえば一、のまま使用するつもりかどうか。  それからこれは両方に関連しておりますし、ついでですから聞くが、この公園としての原形がなくなつたのは、貸した当時、あの建築ができたときに明らかになつておる。それが今なくなつたからといつて、前の国会で問題になつたからといつて、あわてて六月二日付で引継いだのはどういうわけですか。原形がなくなつたのは最近じやないでしよう。家が立つてからでしよう。どういう意味で、何の原因で処置されたか。会計検査院から摘発されたときにはすでにわかつておるはずですから、あの建物を建ててそれがどうして一体今日まで延びたのです。またあわててそういう手続をとつて引継いだのは、どういうわけか、どこから請求があつたのか。東京都が建設省から請求されたのか、あるいは大蔵省の方が建設省に、原形が保つてないから、目的以外に使つているから返せととつて要求したのかどうか。これを貸したのは、二十四年の二月にちやんと契約しておる。その後すぐ建つておるはずです。今ごろどうしてあわててやつたのか。  それからついでですから聞きますが、あの問題で会計検査院検査官が、何か不正があつて疑獄事件が起きておるようですが、何という名前で、幾ら金をもらつて今どうなつておるか、これを三人からお聞きしておきます。
  212. 岡安彦三郎

    岡安参考人 先ほど来申しておりますように、この点につきましては、国の方に御迷惑をかけておるということは知事も申し上げております。決して東京都は知らぬ顔をしておつたのではありません。従いまして四年後には必ず取るという決意でやつておりましたことは先ほど来述べております。ただあのころの状況はなかなかむずかしいので、監督官庁であります建設省国有財産関係大蔵省、こういうふうに御相談申し上げまして、今回の措置に出たことは事実であります。
  213. 阪田泰二

    阪田政府委員 この土地につきましては、大蔵省といたしましては、現在の関東財務局の前身でありまする東京財務部におきまして、この土地貸付目的と違つた用途に使用されておる事実を発見いたしましたので、二十四年の九月二十六日付で東京都知事に対しまして、これが目的外に使われておる、公園用途廃止して、商事会社の活動のために使用されておるから返還されたいという申入れをしております。なおその後数回その趣旨の申入れをしております。なお二十六年の三月には、会計検査院の方から大蔵省に対しまして、こういうふうになつておるが、大蔵省として適当な措置をとるべきである、こういうふうな御通知にも接しております。
  214. 池田修藏

    ○池田会計検査院説明員 ただいま大矢委員からの御質問の起訴の内容でございますが、それを申し上げる前に、検査院の二人の事務官が、本件事件に関連して金銭を収受したという容疑をもちまして、先般起訴になりましたことは、検査院の威信を傷つけることでありますし、また私どもとして監督が十分行き届かなかつたという意味におきまして、まことに遺憾にたえない次第でございます。深く反省いたしますとともな、将来ますます監督を厳重にして行きたいと思つております。  それから起訴の内容でございますが、起訴は今年の三月二十九日と四月四日に、植本久蔵という事務官、中川彰という事務官の二人でございまして、大体の期間は二十六年七月ごろから二十八年一月下旬ごろまでの間に、植本の方が十九万円、中川の方は十一万円をその職務に関して収受したという容疑でございます。
  215. 大矢省三

    ○大矢委員 ちよつと阪田さんにお尋ねしますが、二十六年の三月ですか、七月ですか。
  216. 阪田泰二

    阪田政府委員 三月でございます。
  217. 大矢省三

    ○大矢委員 その当時すでに問題が起きておつて、それからちようど二年が過ぎておる。その間にどうして手続をとらなかつたか。原形のなくなつておるのは、当時明らかである以上、摘発されて会計検査院から通知されたら、そのときやるべきである。あわてて最近やつたのはどういうわけか、それを聞きたい。
  218. 阪田泰二

    阪田政府委員 大蔵省といたしましては、二十四年にこの事実を発見いたしました。二十六年には会計検査院の方からも注意を受けたわけであります。ずつと引続きまして、この土地が要するに貸付目的に使われていないから、大蔵省所管財産として引継ぐべきである、こういう趣旨をもちまして、建設省東京都に交渉して参つたわけであります。相手方が応じないために、今日まで遷延したわけでございます。
  219. 大矢省三

    ○大矢委員 こういうものは手続上二年もかかるのですか。そういう何かだらだらの仕事をやつてつたのでは、国民は迷惑な話です。それをまた請求してなぜ東京都は聞かなかつたか。建設省もその通り大蔵省が二十六年の六月に来て、そうして二十八年の六月に移管を完了した。それを移すぐらいのことが、省同士で、あるいは相手が東京都であつても、それが二年もかかるということは、われわれちよつと常識上考えられない。これは交渉し出してからちようど二年かかつておる。どうして長引いたか。
  220. 阪田泰二

    阪田政府委員 先ほど来申し上げましたように、大蔵省といたしましては、終始この財産大蔵省への返還を主張しておつたはずであります。相手のあることでありますから、相手が私ども主張に対して聞かなければ、それに対する措置をとることができない。これはやむを得ないことだと思つております。
  221. 大矢省三

    ○大矢委員 だから私は東京都と建設省に聞いておるのです。
  222. 岡安彦三郎

    岡安参考人 大蔵省から、目的外のものであるというお達しは、確かに来ました。しかし先般来安井知事も御答弁申し上げましたように、知事責任公園管理上貸しましたので、四年後には公園としてとりもどす、従つてそれまでは東京都知事責任においてやる、こういうことを申し上げて、四年後になつた。
  223. 渋江操一

    渋江政府委員 この点は前の決算委員会の際にもいろいろお答えしたように、すなわち、ただいま大蔵省からお話が出ましたように、公園目的外に使用されているという事実から、普通財産として引継ぐべしという要求としては、ただいま大矢委員の仰せになつ通り、二十四年当時から起つてつた。その間の二十八年に至りました経緯は、ただいま東京都からもお話が出ましたように、一応四年間の使用期間というものが、その間にはさまつておる。すなわち二十四年に貸し付けて、二十八年の二月末日でありますか、それまでの間の使用期間というものが、一応はさまつてつたということのために、その処置が廷び廷びになつた、こういうふうに私どもは解釈いたしております。
  224. 大矢省三

    ○大矢委員 それではこう解釈していいのですか。その延びたゆえんは、四年間の期間がまだ来ていなかつた従つて、その四年間の期間が来たならば明け渡して返さす、こういう意味で遅れたのですか。
  225. 渋江操一

    渋江政府委員 その通りであります。
  226. 大矢省三

    ○大矢委員 それでは公園としてちやんと元の通りにして返すのたから、何も大蔵省に引継ぐ必要はない。そういうことを裏から言うと、もう手続が済んだのだから、目的地が公園でないのだから、明け渡す必要がないから、大蔵省に引継いだ、こういうふうに逆に解釈もできる。それでは今のあなたの心境、決意というものは、明け渡すところの意思がないというふうに言われても、いたし方がないではありませんか。
  227. 渋江操一

    渋江政府委員 二年間遅れたことに関連して、今御質疑がございました。二年間の遅れた理由としては、その間の契約期間の四年間というものが間にはさまつていた、こういうことを申し上げたのです。二年間の契約期間が最終期間に至る間の過程としては、東京都自体が管理責任を持つてつたわけですが、東京都としても、ただいまお話がございましたように、その間のこの問題を処理する態度としては、あくまで明け渡してもらいたいという態度で終始して来たのであります。
  228. 熊本虎三

    熊本委員長代理 それでは時間もすでに四時半を経過いたしましたので、次会は明後二十六日、金曜日、午後一時から、引続き本事案について質疑を続行いたしますから、政府当局会計検査院並びに参考人の各位におかれては、御迷惑でも本日同様御出席を願いたいのであります。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十八分散会