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1953-06-22 第16回国会 衆議院 決算委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年六月二十二日(月曜日) 午後一時二十三分
開議
出席委員
委員長代理
理事
柴田
義男君
理事
福田
喜東
君
理事
坊 秀男君
理事
松山 義雄君
理事
熊本 虎三君 青木 正君 天野 公義君 田中
角榮
君
安井
大吉
君 阿部 五郎君
細迫
兼光君 大矢 省三君
杉村沖治郎
君 冨吉 榮二君
吉田
賢一君
委員外
の
出席者
会計検査院事務
官 (
検査
第四局 長)
大沢
実君
日本電信電話公
社総裁
梶井 剛君
日本電信電話公
社施設局次長
佐々木卓夫
君
日本電信電話公
社経理局長
秋草 篤二君
日本電信電話公
社資材局長
永田 良孝君
日本電信電話公
社建設部長
関 雅雄君 専 門 員
大久保忠文
君 専 門 員 岡林 清英君 ————————————— 六月二十二日
委員岡野清豪
君辞任につき、その補欠として安
井大吉
君が議長の
指名
で
委員
に選任された。 本日の会議に付した事件
参考人招致
に関する件
昭和
二十五
年度
一般会計歳入歳出決算
、
昭和
二 十五
年度
特別会計歳入歳出決算
及び
昭和
二十五
年度政府関係機関収入支出決算
—————————————
柴田義男
1
○
柴田委員長代理
これより
決算委員会
を開会いたします。 本日は
委員長
がやむを得ぬ事情のために出席できかねますので、
理事
の私が
委員長
の委嘱を受けまして職務を代行いたしますから、よろしく御
了承
をお願いいたします。 前会におきまして、本日は
大蔵省所管物件
中、いわゆる虎ノ門小公園問題を
審議
する
予定
を宣告いたしておきましたが、たまたまこの問題につきまして、本日参議院の
決算委員会
においても
審議
されることにな
つて
おり、
参考人等
の
招致
に支障を来しますので、本
委員会
は一応これを
次会
に延期し、本日は日程の
通り電気通信省所管
を
審議
いたしますことに変更いたしましたから、さよう御
了承
を願
つて
おきます。 それでは
電気通信省所管
の
審議
に入ります。すなわち
昭和
二十五
年度
決算検査報告書
二百三十八ページから二百五十八ページに至る、
電気通信省事業特別会計
中、
予算経理
、
報告番号
七三四ないし七四六、
工事
、
報告番号
七四七ないし七五八、
物件
、
報告番号
七五九ないし七六四、役務、
報告番号
七六五ないし七七〇、財務諸表、
報告番号
七七一ないし七七五、
不正行為
、
報告番号
七七六ないし七八五を便宜上
一括議題
とし、
審議
の促進上、そのうち特に
番号
七三四から七四五(二百三十八ページ)、七四六(二百三十四ページ)七四七(二百四十六ページ)七五七(二百五十二ページ)七六二(二百五十六ページ)七六三(二百五十七ページ)七六四(二百五十七ページ)以上十八件について、順次
会計検査院当局
に詳細なる
説明
を求めます。
大沢説明員
。
大沢実
2
○
大沢会計検査院説明員
ただいま
委員長
の方から御
指摘
になりました各
案件
について御
説明
申し上げます。 まず
最初
に二百三十八ページの七三四ないし七四五、「
架空
の
名義
により
支払い
これをみだりに使用したもの」、これでありますが、これは
電気通信省施設局建設部
、これが全国の主要なる
ケーブル工事
その他を担当して
工事
をさせていたわけでありますが、その
工事内容
を見ますると、あるいは
人夫賃
として
支払
つて
おる、あるいは
運賃
として
支払
つて
おるというものが、実際はそのまま
人夫賃
または
運賃
として
支払
われたのではなくて、ただその
名義
を
使つて
、
資金
を
捻出
して他の用途に振り向けられた、こういう
案件
でありまして、二十五
年度
に
施設局建設部
が
工事
を
施行
されたのが、全部で九十九箇所あるわけでありますが、それを
会計検査院
で実地
検査
した箇所二十七箇所、それからそのほかに
電気通信省内部
の
監査機構
で、実地に監査されて調べられた結果その他を総合いたしますと、このただいま御
説明
申し上げます七三四ないし七四五と、そのほかに当時調査がまだ終らなくて、確認できずに、二十六
年度
の
検査報告
に二件掲げてありますが、その分と合せまして、全部で九十九の
工事
のうち、五十三の
工事
において、多かれ少かれ
架空
の
名義
による
支払い
があ
つた
。その総額が四千三百四十九万二千円というものが
宋空名義
で
支払
われていたわけであります。これをどう使われたかという内省を分析してみますると、ただいま
議題
にな
つて
おります分に、表として詳しいのが出ておりますが、これは大
きば工事
だけの分を拾
つて
ありまして、このほかのこまかな
工事
まで含めまして、総括を申し上げますと、ただいまの四千三百四十九万二千円という
捻出金額
が、そのうちの二千六百十三万二千円というものは、いわゆる切投げ
工事
、つまり一
部分請負工事
をして、その
請負代金
として
支払
われ、それから四百二十一万一千円というものが、各
現場
で一応は
代金
が
支払
われたのですが、その金は
建設部
の
本部
へ吸い上げられまして、
本部
の
定員外
の
職員
の
給与
その他に充てられた、それから三百七十二万九千円という
金額
がいわゆる
部内外折衝費
、だれか行
つた
ときの
接待費
とかあるいは
懇談会
の打
合会費
というようなものに使われ、その他
工事材料
その他に六百九十万五千円ほど使われた、それから
職員
の
手当
、
現場
の
職員
がたとえば
冬季作業
をやる、それにまあしようちゆうでも一ぱい飲ませる、あるいは
突貫工事
をやる慰労のためにふるまうというような
職員
の
給与
や
手当
に二百三十三万九千円、そのほかに十七万数千円というものが使われている、こういう実状であります。ただいま申しました
数字
は、ここに掲げてありますもの及びその他の分を合せた総括的の
数字
を申し上げた次第でありますが、こういうように
建設部
の
工事
の
内容
に
経理
上遺憾な点が多か
つた
、こういう次第でありまして、なぜこういう
事態
が
個々
の偶発的な、一歩一歩ではなくて、各
方面
に行われたかということを考えてみますると、第一に、根本的にはこの
建設部
の
職員
が大体におきまして元の
日本電信電話工事体式会社
の引継ぎの
職員
であり、
仕事
も
日本電信電話工事株式会社
がしてお
つた
ことをそのまま引継いで来た、こういうのでありまして、
会社
の
経理
も
工事経理
といいますか、
仕事
さえできれば書類の方は
つじつま
を合せておけばいい、それほど極端ではなか
つた
でしようが、大体におきまして
官庁経理
のような厳格な頭で
経理
をせずに、
仕事本位
で
経理
をして来たという点から、
個々
の
経理
が非常にずさんであ
つたの
ではなかろうかと思われる点が
一つ
と、もう
一つ
には、この
工事現場
はそれぞれ
会計法
上
支出官
が設置されずに
資金
前
渡官吏
で
支払い
を担当してお
つた
わけでありますが、この
資金
前
渡官吏
の
支払い
に対しては、
予算決算
及び
会計令
上
請負代金
は
支払い
できないことにな
つて
おる。あくまでも
直営
の
人夫賃
とか、
物件
の
購入費
だけしか
支払い
できないというので、勢い一
部分
を
請負
にした場合に
請負代金
として
支払
うことは法令の
違反
になるので、これを
人夫賃
として
支払つた
ことにし、あるいは
物件費
を
支払つた
ということで一応の
つじつま
を合せた。こういうことの原因が相当多くて、つまり切り投げのための
経費
二千六百万円というものがこうした理由のために
架空
の
支払い
にな
つた
わけであります。そのほかには
建設部
の
本部
で
定員外
に
職員
を
使つて
お
つた
。これの
給与
の財源がないので
地方
で使う
人夫賃
を
本部
の方へまわせ。これは
予算
上それだけのものをまわして、
本部
では
人夫
として使われれば何ら特に
架空
な
経理
をする必要はないのでありますが、それを各
地方
の
現場
で
人夫
を使
つた
ことにして
資金
を
捻出
し、それを
本部
へ送
つて本部
で
人夫賃
として
使つて
いる、こういう
事態
のためにこうした広汎な
架空経理
が行われた次第であります。先ほど申しましたように、九十九の
工事
のうちに、多かれ少なかれ五十三件にわた
つて
こういう
架空経理
が行われたということははなはだ遺憾な点でありまして、そのうちのここに掲げてあるおもなものにつきましては、
会計検査院
においてそれぞれ
懲戒処分
の
要求
をしたもの、または一部は
司法裁判
によ
つて判決
のあ
つた
もの、あるいは
会計検査院
の
要求
を待たずして
電気通信省内部
で
処分
をされたもの、それぞれに
処分
は終
つて
おりますが、
事態
としてはなはだ遺憾なことであ
つた
と思います。なお同じように
建設部
は二十六
年度
において各
方面
に
直営
の
工事
を担当しておりますが、
会計検査院
が
検査
した結果によりますと、二十六
年度
以降の
工事
においては、こうした
架空
の
経理
は発見しておりません。
経理
はその後
相当引締
つた
ものと見ております。 以上で大まかながら七三四ないし七四五の件の御
説明
を終りまして、次に二百四十三ページの七四六号であります。これも同じように
架空
の
名義
で
支払つた
ものでありまして、尾道の
海底線工事事務所
で、主として
司令部関係
などの
見学者
、
視察者
などに対する
接待費
の
捻出
の必要があ
つた
こと、それから一部は
職員宿舎
を必要としたことなどによりまして、まず
人夫賃
とか
旅費等
の
名義
で十九万三千円ほどの金を
架空
の
名義
で
支払い
、それからそのほかに
帳簿外
に持
つて
お
つた
古
金物類
を売却しまして八万三千円を
捻出
し、合せて二十七万六千円を先ほど申しました
接待費等
に使用した。そのほかに
用地買収
をする場合には、その
買収費
に
付掛け
をして、五十四万四千円ほどのものを
捻出
しましてこれで
職員
の
宿舎
を新築した、こういうような
事態
であります。これもはなはだ遺憾なことであると思います。 次に二百四十六ページの七四七号であります。これからあとに
工事
のことでいろいろ具体的な事例を掲げてあるのでありますが、
一般
にいいまして、いわゆる
電気通信工事
が
建物
と
内部
に
設備
する
機械工事
と、この二つがマッチしていない。あるいは
建物
ができたが
機械工事
はできなか
つた
り、
機械
が搬入されてもそれの
建物
が遅れたりというように、跛行しているという
事態
が非常に多い。これは今技術的に非常に困難な点もありましようが、ある
程度
部内
の各部門間の
連絡
が不十分ではなかろうかという感じがするわけであります。御
承知
のように
電気通信事業
はただいまのところ積滞が非常に多くて、少しでも早く
電話局
などをつくりますればそれだけ
需要者
も多く、
収入
も上るのでありますから、
一つ
の
施設
をできるだけ早く完成して、そうして
投下資本
の回収をはかることが
企業経営
として望ましい次第でありまして、
建物
をつく
つた
ままで中の
設備
が遅れるとか、あるいは中の
設備
を搬入したままで
建物
が遅れるということのないように大いに
努力
を必要とするのでありますが、それがうまく
行つて
なか
つた
例を掲げてあるわけであります。七四七号の
世田谷
の
電報電話局
、これの
建物
を建築したわけでありまして、二十五年六月に
請負
わして二十六年二月に完成しておりますが、その
内部
の
機械
、
設備
をやろうとしたのに、この
建物
の
請負
になる前にすでに、御
承知
の
丸の内
にある大きな
電話局
の
工事
をまず優先的にやるべきだという、
司令部
の方の示唆もあ
つた
という話でありますが、
部内
の
計画
が確定しまして、そうして
世田谷
の方が後まわしになるということが二十五年の二月に一応決定してお
つた
わけであります。それが
連絡
が十分でなか
つた
ために、
建築工事
だけは二十六年六月に着手して完成して
しまつた
、中の
設備
は、
丸の内
の方が優先するので
設備
が遅れて
しまつた
という
状態
でありまして、この
検査報告
の作成された二十六年末はもちろんのこと、現在においてもまだ完成してない由でありまして、現在
工事
中で、近いうちに完成するように
承知
しておりますが、非常に遅れて、結局
建物
に投下しました四千百万円という
経費
は、今日に至るまで何ら収益を生まないというような
状態
にな
つて
おる次第であります。 それから次の二百五十二ページの七五七号、これも同じように
工事
が跛行しておる
一つ
の例でありまして、これは京都の
下局
で
電話局
の
増設工事
を行
つた
わけでありますが、大体の
機械
はそれぞれ入
つて
来た、ところが技術的なことで、詳しい実物は私存じませんですが、
工事
の
最初
にどうしてもとりつける必要のあるオーバーフロー・コンネクター・ボードという、オーバーフロー・コンネクターをとりつけるところの板といいますか、わくといいますか、そうしたものの一組、約三万円
程度
のものが入らないために、ほかのものは持ち込んでもとりつけることができずに、
電話局
の
増設
全体としては機能を発揮することができないという
状態
で、その大
部分
のものはもう二十五
年度
中に入
つて
来たのでありますが、かんじんなその
一つ
の
金物
がないために、二十六年にな
つて
もそれか完成せずに、たしか二十七
年度
にな
つて
完成したという
状態
であります。先ほど申しましたのと同じように、こうした
工事
の
進捗
を一曹にや
つて
、早く完成するということに対して、さらに一段の
努力
が望ましいのではなかろうか、こう考える次第であります。 次に、二百五十六ページ、七六二号と七六三号で、「
物品
の
売渡
に当り
処置当
を得ないもの」を掲げてあります。 七六二号の方は、
関東電気通信資材部
で手持ちにしておりました
亜鉛地金
、これを一トン当り十四万七千円
程度
で各
亜鉛加工業者
、
那須電機鉄工株式会社外
五
会社
に、約二十トンというものを売却したわけであります。ところがこうした
亜鉛地金
は何に必要かといいますと、
売却先
ではそれを使いまして、
電気通信省
に納入するところの
架線金物
のメッキに使う。でありますから、こうしたものはむしろ売り払わずに、
メツキ
の
加工請負
をいたす場合に、
電気通信省
としてそれだけのものを
官給資材
として交付すればよか
つた
ではないか。そうすれば
値段
も安く
仕事
ができたのではなかろうか、こう思う次第であります。それを売る方は売
つてしまつた
、そして
メツキ
した
架線金物
は
架線金物
として購入しました。その結果、初めのうちに購入したものは、こちらが十四万七千円で売
つた
亜鉛
を
使つて
、
原価計算
上は
亜鉛
を十六万円
程度
で
計算
されて納めていますから、
メツキ加工費
その他考えれば、ほぼ適正な
値段
で納めたということになりますが、その後だんだんと
亜鉛
の
原価計算
上の
地金代金
というものを、多く見ました。というのは、それだけ
亜鉛
が上
つて
来たわけでありますが、多く見積りまして、こちらが十四万七千円で売
つた
というものを、
原価計算
上は二十八万円とか、あるいは三十四万円というような
値段
で
原価計算
をして、
架線金物
を
電気通信省
に納める、こういうような結果にな
つたの
でありまして、これを当初申しましたように、売り払わずに、
官給資材
として交付すれば、それでこうした
値ざやの不当利得
を
業者
に与えることはなか
つたの
ではなかろうか。あるいは売り払うにしましても、その場合に
条件
をつけて、この十四万七千円で売
つた
ものを
メツキ
して納める場合は、
計算
上は市価の値上りにかかわらず、十四万七千円に多少の諸
経費
を加算したもので
計算
するというふうに、
契約条項
をはつきりしておくかどうかすべきではなか
つた
か、こう思う次第であります。こうして何ら
条件
を付せずに
亜鉛地金
を売り
払つた
結果、相当な損害をこうむ
つて
いるという
事態
であります。 次の七六三号もほぼ同様の
事態
でありまして、これは
電柱
に注入するところの
硫酸銅
、これをやはり各
硫酸銅需要
の
業者
に売り
払つた
わけであります。この売り
払つた
もの自体を使
つた
かどうかわかりませんが、今度は別に
硫酸銅注入
の
電柱
を購入した場合、
原価計算
上含まれている
硫酸銅
の
価格
というものと、売り
払つた価格
を比較してみると、売り
払つた方
は、時期によ
つて
多少は違いますが、十二円から三十四円で売
つて
いる。ところが
硫酸銅
の
注入電柱
というものを
買つた
場合の
原価計算
上の
価格
は、三十一円から六十円ということにな
つて
います。これも先ほど申しましたように、
官給資材
としてやればこうしたことはなか
つた
であろう、あるいは
契約条項
で、その
値段
で
計算
するということにしておけは、こうしたことはなか
つたの
ではなかろうか。なおほかの
資材部
で見ますと、
九州
の
電気通信資材部
では、
ちよ
うどこのころ四十一円から六十六円で購入しておる。こういうような
実情
でありますから、売り払うものを
九州
の方へ保管転換してやれば、十二円から三十四円で売るということと、四十一円から六十六円で買うということの、この値開きの
損失
は、
電気通信省
全体としては防げたのではなかろうか。この二件とも売り払わなくてもいい、あるいは売り払うべきではなか
つた
と思われるものを売
つてしまつた
ために、
電気通信省
としては
損失
をこうむ
つた
もので、妥当ではないと考える次第であります。 次に二百五十七ページの七六四号でありますが、これは
電気通信研究所
の
購入方針
が非常によろしくないという点を
指摘
したのでありまして、ここに「
衣こう箱等
」と掲げてありますが、これはきわめてありふれた長くつとか、いすとか、机とかいうような
市販品
、これを買うのに、ほとんど全部
随意契約
で購入しておる。この
価格
の点は検討してみたのでありますが、多少高いかと思われるのですが、どうしても高いというはつきりした結論が出ないのでありますが、とにかく全部
随意契約
で購入しておる。こうしたものは何ら特定の
業者
を指定する必要はないのであります。
一般入札
または
指名競争入札
ということによ
つて
購入すれば、有利に購入できたのではなかろうか。
予算決算
及び
会計令
から見ましても、当然
競争入札
にすべきものを、
随意契約
でや
つた
という法令的な
違反
と同時に、経済的にも多少不当な点ができて来たのではなかろうか、こう考える次第であります。なおそのうちのいこう箱は、持込み
経費
は
業者負担
という
契約
であ
つたの
に、別個に
研究所
の方で
金額
八万円ほどの持込み費を
負担
をしておる。これは後に回収してあ
つた
と思いますが、そういうことをしたり、また
物品
が納入されたのが二十五年十二月であ
つたの
に、九月に納入されたことにして、
代金
の全額を
支払
つて
おるというような
事態
であります。当時における
電気通信研究所
の
物品購入
のやり方というものが、
一般
に妥当でなか
つた
、こう考えて、
検査報告
に掲げてある次第であります。 一応
委員長
から御
指摘
になりました件の御
説明
を終りたいと思います。
柴田義男
3
○
柴田委員長代理
ただいまの
説明
に対して、
日本電信電話公社
から
補足的説明
を聴取いたすのが順序でありますが、
審議
上この際これを省略いたしまして、
質疑
に対する答弁の際に十分
説明
されるよう願います。 それではただいま
会計検査院当局
から
説明
がありました
重点事項
について、順次
質疑
を願います。
安井大吉
4
○
安井委員
私はきよう初めてここに伺
つたの
で、よく
内容
もわかりませんし、
とつぴな質問
かもしれませんが、七四七号の
電気通信施設
の中で、今御
説明
のありました
世田谷電話局
の問題であります。これはもちろん
拡張計画
を含んだ辺鄙な
世田谷
にと
つて
は、たいへんありがたい
工事
であ
つた
にかかわらず、それが
丸の内
の方にまわ
つて
おるというような事実であ
つて
、
建物
だけできて、
内容
の完備を見ない。一体こういうものは、
最初予算
をつくるときに、
地元
の
要求
とかあるいは
電話
の系統から考えて、役所が必要なりとして
計画
を立てた。しかるにこれらが途中にして他の
優先施行
の
工事
に金をまわされるというような事柄は、
地元
の了解とかなんとかいうものを得てやるのか、またかようにして流用されたものは、いつにな
つた
らこれを元に直して四千百万円の
工事
ができるようになるのか、
世田谷
に対して
予算計画
を立てたものの、実行はそのままであ
つて
、
建設計画
の見通しが立
つて
いないと書いてあります。いつできる見込みなのか、こういうことについて御
説明
願いたいと思います。
佐々木卓夫
5
○
佐々木説明員
ちよ
つと御
説明
いたします。ただいまの
世田谷
の
分局工事
の件でございますが、われわれの方では、すべて
局舎
の
計画
をいたします場合に、まず
土地
の
選定
をいたしまして、それから
局舎
を建て、しかる後にその
局内工事
をする、こういう手順で運んでおります。その
局舎選定
の
条件
は、
加入者
の
分布状況
あるいはその
都市
の
都市計画
その他との関連においていろいろ考慮いたしまして、経済的に最も合理的な
地点
を
選定
する、こういうことでや
つて
おるのでございますが、何といいましても、
電話局
を建てなければならない
地点
というのは、御
承知
のように、
一般
に
商店街
、
繁華街
にありますので、容易に
土地
を得られないという
状況
にございまして、
土地
の獲得、
局舎
の
建設
、
局内工事
の
施行
という
関係
が、いくら急ぎましても、二年ないし三年
計画
で
計画
しませんと円滑に行かなし、こういう
実情
にあるのでございます。ところが、この
世田谷
の局に関しましては、
局舎
の
建設
については、二十四
年度
工事
といたしまして
計画
したのでございまして、二十四
年度
工事
の繰越し
工事
、こういう形で二十六年の二月に
局舎
が竣工しておるのでございます。ところが、二十五年の二月ころに、当時
連合軍
の方に
民間通信部
というのがございまして、その
民間通信部
より、
電話
の
拡張計画
を
大都市
の
中心部
に重点的に
施行
しろ、こういう口頭の
指示
がありまして、そういう
指示
に基いて
既定計画
を検討した結果、現在もうすでに働いておりますが、
丸の内
の
千代田分局——
これは今までにない一番大きな規模の
電話局
でございますが、そういうものを
大都市
の
中心地
に重点的にやらなければならぬような
指示
がありました
関係
上、
既定方針
の
世田谷
のごとき
都市
の
周辺地区
あるいは
地方
の局の
計画
が、それだけ圧迫されまして、その
局内工事計画
というものがずれた、こういうことにな
つて
おるのでございます。なお、
局内工事
につきましては、現在進行中でございまして、本年の八月の十二日に開局の
予定
にな
つて
おります。現在の
工事
の
進捗状況
は、
線路工事
、
機械工事
その他合せまして、大体四、五十パーセント
程度
の
工事
ができております。
安井大吉
6
○
安井委員
そういたしますと、八月の十二日になれば、当初
予定
の御
計画
の
通り
に行くわけですか。
佐々木卓夫
7
○
佐々木説明員
さようでございます。
安井大吉
8
○
安井委員
ありがとうございました。
吉田賢一
9
○
吉田
(賢)
委員
私は
電電公社
が、
電気通信省
の二十五
年度
決算
につきまして、いろいろ本
委員会
で答弁なさるその資格の問題について、一応
総裁
の御意見を伺
つて
おきたいのです。
電気通信省時代
には、
特別会計
で
電気通信大臣
が
予算執行
の
責任
を持
つて
おりました。当然それは本
委員会
において
質疑応答
の
責任
もあるわけでありますが、ところで新たに法人の
日本電信電話公社
が設立されて、
人格
がかわり、目的と
事業
と
構成員
、
職員
などは引継いでおると思いますけれども、ま
つた
く新しい
人格
にな
つて
おるわけであります。でありますので、従来の
電気通信省
のなしました
予算執行
についての
責任関係——
事実の
説明
はともかくとして、
責任関係
を当
委員会
で論議するときに、その
責任
を負う
立場
において、答弁することは適当であるかどうか、こういうことに私は若干疑義を持
つて
おります。
日本電信電話公社法施行法
の第十七条に、ややこれに関する
経過規定
が発見されます。それによると「
電気通信事業特別会計
における
昭和
二十六
年度
及び
昭和
二十七
年度
の
予備費
の
支出
、
決算
その他
会計
に関する
事務
は、
公社法
の
施行
後においては、従前の例により
公社
が行う。こういう
規定
にな
つて
おる。これによりますれば、
昭和
二十六
年度
以降が問題である。当
委員会
に今付託されておりますのは
昭和
二十五
年度
における
決算
であります。もつともこれの前段は、二十六
年度
、二十七
年度
の
予備費
の
支出
で、「
決算
その他
会計
に関する
事務
」というのはその前の
年度
における
決算
も入るのであるということであれば、この趣旨は二十五
年度
の
決算
も含む、こういうふうに解すべきと思います。しかしそうな
つた
場合にも、なお
決算
その他に関する
事務
は
公社
が行う、こういうことにな
つて
おりますので、
決算
の
事務
を行うということは、同時に当
委員会
におきまして、当時の
予算執行
は適正であ
つた
かいなかを論議するときに、
予算執行
の行政府を代表し、もしくは
行政当局
の
責任
を承継した
公社
の
立場
において答弁するということは、法理的に多少疑義があるのじやないか、こういうふうに私は考えるのであります。これはあなたらの当
委員会
における応答を拒否するというような意味で言うのじやなくして、なるべくや
つて
もらいたいと思うのですけれども、やはり法律の根拠ははつきりしておくべきで、もし不備であるならば、将来の問題として、また立法措置が講ぜられるときには、
経過規定
を完備するということも考慮しなければいけませんので、一応伺
つて
おきたい、こういうのでありますから、ひとつ
総裁
の御所見を聞いておきたいと思います。
梶井剛
10
○梶井
説明
員 ただいまのお尋ねに対しましては、法律的な調査をいたしておりませんので、ただちに明確なお答えはいたしかねるのでありまするが、しかし
電気通信省
の
仕事
を
公社
が引継いだのでありまするから、
公社
といたしましては、
電気通信省時代
の
会計法
上間違
つた
ことは、今後においては
行つて
はいけない。またその当時の弊害は今後において絶対に是正しなければならないという道義的な
責任
があるように感じるのであります。従
つて
二十五
年度
はもちろん
電気通信省時代
でありまするけれども、それに対してわれわれはこの
委員会
に出まして、今後自分らがさような間違いはしでかさないということに対してお答えするつもりで出席して参
つた
次第でございます。そういう意味におきまして今後私ども
公社
といたしまして、どういうふうにやるかということをこの機会に申し上げることをお許し願えればたいへん幸いだと思いますが、いかがでしようか。
吉田賢一
11
○
吉田
(賢)
委員
今後の問題につきましては、いずれ各事項につきまして、随時ひとつぜひ明確な御答弁を願いたいと思います。ただ私のお尋ねしたい点は、過去において——今後の問題はもちろんでありますが、過去におきまする郵政省の
特別会計
の不当、不法の
責任
を、しからざる
公社
の法人が負うような
立場
において答弁するということは、法律的に割切れないと思うのです。将来の問題は御趣旨ごもつともです。しかし私の明らかにしておきたい点は、過去のことであります、そこでこの問題はお述べになりましたことてに、よく研究しておらぬということであれば、過去のこと、特に
予算執行
についての
責任
の
関係
を当
委員会
が審査し、論究する場合に、その
責任
の
立場
も同じく承継するような意味において御答弁になることが適当かどうかという問題について、ひとつ考究されまして、書面で
委員会
にあてて御報告願いたいと思います。もつともこれは考えようによりましては、法制局あたりに意見を聞くのが適当かと思いますけんども、今即時に御答弁願うことは無理のような様子でありますから、ぜひとも書面でその点明らかにしておいていただきたいと思います。念のため申しまするが、事実に関する
説明
は、これは何もわれわれは論議しようとは思いません。ただ過去における
責任関係
をやまり相当明確にするのは、これは当
委員会
の
一つ
の任務であろうと思いますので、重ねて要望しておきますから、さようにおはからい願
つて
、報告せられんことを望んでおきます。
梶井剛
12
○梶井
説明
員 ただいまの御
要求
に対しましては、できるだけ早く書面をも
つて
お答えいたします。1 なお
公社
になりましたのは昨年の八月一日でありまして、そのときに私が
総裁
に任命されたのではありまするけれども、
公社
の現在構成しておりまする社員の全部が電通省時代から勤務しておる人であります。従
つて
今日御
指摘
のありました問題については、その人々は行政的な
責任
がやはりあるものと考えまするし、今の御
指摘
の問題に対しましては、各担任しておる人からお答えをすることはさしつかえないのではないかと思いますから、御
了承
願います。
吉田賢一
13
○
吉田
(賢)
委員
それでは私二、三お尋ねしたいと思います。まずこの七三四号ないし七四五号につきまして、
説明
書によりますと、
事業
の
進捗
をはかることが主とな
つて
かように多額の
金額
が
捻出
せられた、こういうことにな
つて
おりまするが、しかしこれはやはり
予算
の執行でありますから、この
資金
の前
渡官吏
におきましても、
予算執行
の法規によらねばならぬことはもちろんでありまするので、
捻出
するということは、よしんば私腹を肥やさない場合でありましても、
予算
法規、少くとも財政法の権限を越えた流用にもな
つて
おりまするし、明らかに財政
関係
法規の
違反
であるというふうに考えまするが、何年間にもわた
つて
こういう事実が行われておるのですが、こういうことは法規の遵奉をやかましく言われる官庁といたしまして、どうして法律に従うという措置をとることをしなか
つたの
でしようか。その辺はどういうものなんですか、御
説明
を願います。
秋草篤二
14
○秋草
説明
員 お答え申し上ずます。ただいまの御質問まことにその
通り
でありまして、先ほど
検査
院の局長からの御報告の
通り
、この問題につきましては財政法、
会計法
に対しましては真向から違法な処置であるのであります。ただこうしたことを長い間や
つて
お
つて
どうして見つからなか
つた
か、この点はまことに不行届きでありまして、長い聞と申しましても非常に前からや
つて
お
つた
かどうか、実際のところこの調査の段階にな
つて
、いろいろな原因を探求しました結果によりますと、やはり終戦後の非常な混乱した資材
関係
あるいは用員の
関係
、
給与
の
関係
そうしたいろいろな急迫した問題が山積し、片や
司令部
などのいろいろな
仕事
に対する要望なども込み合
つて
来まして、終戦後の二箇年間にそうした安易なやり方をとるに至
つたの
じやないか、こういうふうに考えるのであります。これに対しましてはもう何の申し開きもできない問題でありまして、御説の
通り
会計法
にも真向から抵触するものであります。問題はこうしたことに対して改善をはかり、二度とこうした処置のないようなことをなすことが私たちの務めであると考えまして、これに対しては
処分
は当然行いますと同時に制度的にも全部改めます。ことに今日におきましては
公社
になりましたので、こうした点についてはかなり制度的にも合理的なやり方ができますと同時に、実質的にもこうした不手際は二度と繰返してはおらないのであります。
吉田賢一
15
○
吉田
(賢)
委員
私は何年か継続してこの
予算
が
架空
の名儀で流用されておるということが見つからなか
つた
というふうに考えませんので、これは知
つて
おられたけれども、特別悪いことではないというような意味で実は
捻出
されたのではないかと思うのです。というのは、たとえば七三四号を見てみますと、前
渡官吏
の
支払つた
金額
が二千余万円であります。そのうち
架空
名儀で
捻出
した額が一千百九十万円に上
つて
おる。二千万円のものが千百万円以上も
捻出金額
が出ておるのでありますから、これはやはり慣習上かまわぬというようなやり方でや
つて
おられたのであ
つて
、わからなんだ、知らなんだ、数年後に発見したというのではない、こういうふうにも推定するのですが、
経理
局長である
説明
員の秋草さんは、その点どうお考えになりますか。
秋草篤二
16
○秋草
説明
員 これは
検査
院から
指摘
されて、私どもがあとでこういう処置をと
つたの
ではなくて、やはり
経理
局の監査課あるいは
会計
課で事前に調査して、こういう問題を摘発したのでありまして、その点はたいへんあとにな
つた
と御推察になられるかもしれませんけれども、やはり
内部
監査によ
つて
この問題は摘発されたのでありまして、その点はひとつ御
了承
願いたいと思います。 またこういう切投げを、それならば
部内
で積極的に認めたとか、あるいはやれと言
つた
とかいうようなことは絶対にないのでありまして本省の幹部が
実情
に甘か
つた
かといわれれば、
現場
のほんとうの従業員の作業のやり方とかいうようなものに対して、あるいは非常に無理がかか
つて
おるのも知らなか
つた
といわれれば、その点は手抜かりがあ
つたの
でございますが、積極的にそういう点を認めて、あるいはまた指令してやらせてお
つた
というようなことは絶対にないのでございます。
吉田賢一
17
○
吉田
(賢)
委員
私どもはあなた方に
委員会
であやま
つて
もらおうというのが目的でも何でもないのでありまして、事の性質なり経緯なりを明らかにしたいという趣旨にほかならぬのであります。そこで
内部
で摘発して初めて明るみに出た、
検査
院によ
つて
指摘
されたのではないというふうにお述べにな
つて
おりますが、そうすると
内部
の前
渡官吏
なる人々は、隠祕のうちに、してはならないのだけれどもしつつあ
つた
ということをひそかにこれを継続してや
つて
来た、こういうふうに見るべきではないかと思いますので、はたしてそうであるとなおさら私どもは、いろいろあとの対外折衝費だとかあるいは慰労であるとか——この慰労とか折衝とかいうことは
説明
書によりますと、相当広い範囲に、外部
関係
との会合、調査、打合せ等々いろいろと例示してあるがごとくに、これはま
つた
く乱暴な
予算
の使い方に終るわけであります。もしこれほど大きな
金額
、二千万円のものが千一百万円もひそかに使わねばならぬというようなことであるならば、われわれしろうとが考えても、
工事
が二千万円のものが一千万円以上手を抜かれあるいはそうでなくてもある
程度
資材、労力などにおいて抜けたものが出ておるのではないかということは、どうしても考えざるを得ないのであります。もしそうでなしに公然とや
つて
お
つた
、悪い習慣である、改めなくてはならぬと思いながらも、公然とや
つて
お
つた
という場合よりも、もつと
工事
自体には悪い要素が私は加わ
つて
来るものだろうと思います。従
つて
雨漏りがするとか、あるいは健全なるべきものがそうでないとか、すぐ修理しなくてはならぬというような、いろいろな事故が生ずる原因が胚胎して行くものと思いますので、そこは言葉をかえて言えば一層責めらるべき性質が多くな
つて
来る。もつと極端に言いますならば、そういうことは刑事的な問題とお考えにならぬか、こうまでも言いたい。何となれば飲食物費に使い、外部との間の宴会費に使い、いろいろと折衝費に使うというようなことは、これは刑事事犯としても考えらるべきものでありますので、そうまでも追究せねばならぬ性質にな
つて
来るのではないかと思われますので、この点公にそうであ
つたの
じやなしに、ひそかにや
つて
お
つた
というならば、なおさらそういうふうに考えざるを得ないのですがどうでございましようか。
関雅雄
18
○関
説明
員
建設部
長としてお答え申し上げます。ただいま御
指摘
のありました七三四号につきまして、二千万円のうちから約一千万円を
捻出
したというお話でございますが、この中の使用の内訳をごらんになりますと、切投げ
工事
代として……。
吉田賢一
19
○
吉田
(賢)
委員
それはわか
つて
おります。
関雅雄
20
○関
説明
員 一千万円のうち八百万円でございます。これはむだに使
つたの
ではございませんで、切投げ
工事
としまして
請負
業者
に払いましてその
工事
をさせたのでございます。それからその次に
工事材料
代と部外折衝費と合せまして三百五十万円ございますが、これは内訳が明確にな
つて
おりませんが、
本部
より
人夫賃
として提供いたしましたり、
現場
職員
の慰労費及び諸
手当
などとして
支出
したものは割合に
金額
は少いのでございまして、これだけ浮いたということになるわけでございますが、それだけあるいは
工事
の
予算
が甘か
つた
とも申せましようけれども、まあそういうものを除きますと、
工事
に使
つた
金はやはり相当の額を占めておるようにも思うのでございますが、いかがでございましよう。
吉田賢一
21
○
吉田
(賢)
委員
私も一千九十六万円何がしが、大
部分
架空
の使い方をしたとは申しません。大
部分
は
工事
に
使つて
おられることは認めておるのであります。認めておるのでありますけれども、摘発によ
つて
わかり、ひそかにや
つて
お
つた
ということならば、
支出
上
工事
へ相当影響しておるのじやないかと思いますので、こういうことは
予算執行
の上で最も厳密に注意して行かねばならぬことであ
つた
、こういうふうに思いますので、今の点を重ねて伺
つた
ようなわけであります。大体それはそれでもいいと思います。 それから
委員長
、私
ちよ
つとあちらの
委員会
に参らねばなりませんので、まだ伺いますけれども質問を保留しておきます。
大矢省三
22
○大矢
委員
この報告書によりますと、七三四から七四二まで、それぞれ
関係
者の
処分
調書を拝見いたしますと、失職、退職というものがございますが、退職というのは現職を離れてどこかの職についておられる方か、あるいは全然
公社
から退職された方か、失職、退職の区別が私どもに
ちよ
つとわからぬのであります。御
説明
をお願いしたい。
秋草篤二
23
○秋草
説明
員 退職と申しますのは、正規の辞表を提出いたします世の中で円満退職というものでありまして、ここにあるたとえば村田直明という者につきましては、この事件に
関係
してお
つた
責任
者ではありますけれども、実はこの人はこの事件の前にまたこういうことがあることも予測せずに老年のためにやめております。それから次の
建設部
長の許斐三夫、この退職は、当時の
建設部
長であ
つたの
でありますが、この期間の
仕事
には直接
関係
なか
つたの
であります。しかし
責任
を負いまして、みずからやめるというふうにな
つたの
です。それから失職と申しますのは、この
工事
長はそれぞれ検察当局から起訴をされまして、そのために懲戒免職、そういうものでございます。
大矢省三
24
○大矢
委員
この摘発は
内部
監察によ
つて
行われたという先ほどのお話ですが、当時あなたはいらつしや
つたの
ですか。
秋草篤二
25
○秋草
説明
員 当時私は
会計
課長でありました。この当時
経理
局に監査課と
会計
課がありまして、所管は主として監査課がやりますけれども、私は
会計
課長でありました。
大矢省三
26
○大矢
委員
この退職された人は今どこに就職されているか、何かそういうふうな記録がございますか。
秋草篤二
27
○秋草
説明
員 全部の者のその後の現在の就職は存じておりませんけれども、たとえば村田直明氏は現在北海道にお
つて
、何か商売をしておる。それから許斐さんは、これはこの事件には実質上全然
関係
なか
つた
ために、現在郵政省の調査官に任命されて、復帰しました。あとこまかい
工事
長その他の現在の生活等につきましては、御
要求
がございますれば、また書面でもお答えします。
大矢省三
28
○大矢
委員
私がそういうことを聞いたのは、前渡金として相当額を出しておる。九件で一億に余る金だ。これはそういうことの便宜をはか
つた
ために、当時の
請負
工事
者のところに働いている人があるかもしれない。こういうことをしたのですから……。もしわか
つて
いればそういうことをお聞きしたいと思
つたの
です。そういうことはありませんか。わからなければけつこうです。
秋草篤二
29
○秋草
説明
員 私の知
つて
いる限りではそういう問題はありませんけれども、また調査いたしましてお答え申し上げます。
大矢省三
30
○大矢
委員
摘発の期間が二十五年の六月から翌年の三月、五月にな
つて
いるが、この間にこれだけの大きな
金額
並びに件数というものが
内部
摘発によ
つて
行われております。こういうことは私ども
ちよ
つと常識で判断ができないのですが、
会計
監査というものはもつと厳重に行われているものだと思
つて
いる。これはあとからいろいろ問題が出て来ると思いますが、この間のくつを買い入れたり服を買い入れたり、五日でこわれてしまうようなはけないくつを買い入れた。もつとも今の前渡金でもこういう莫大な金にな
つて
——不正事件の中によく浮き貸しをやるというが、もしこういう前渡金で利益を見たら、これは莫大な金になる。もし高利貸であれば、一億円余りの前渡金について一割というのは一箇月でものすごい大きな金になる。こういうことでまだ
仕事
ができていないにかかわらずこういうことをやる。しかもまだこれだけの件数がある。もつともこういうふうな
会計
、それから用度課の人たちは非常にまじめな人を選んでな
つて
いると私は思うのです。しかるにこういう問題がたくさん出て来る。くつ一もその
通り
、自分が買うという気持にな
つた
ら、こんな大それたことはできぬ。五日でこわれてしまうようなものを何千足も
検査
もせずに入れたりすることはできぬ。そういうことは
業者
と何らかの話合いがなければ、常識では考えられぬ。そういうものを
検査
もなしに入れたりする。
検査
をする
施設
がなか
つた
と言
つて
いるけれども、ないにしてもあまりにもひどいと思う。それからこの九件にわた
つて
一億円に余る前渡金にしても、
会計
から払う時分に大体そういう報告なりは受けて、最も重慶な
会計
というものは、自分が金を預か
つて
いるんだから、もつと平素の間に心がけていなければならぬ。しかも最も厳重な
会計
、また用度にいる人たちの間によほど緊張味が足りないのではないか。これを見ますると、毎年々々多少減
つて
いるということは言えますけれども、この種のものがずつと引続いて非常な件数にな
つて
いる。
ちよ
うどその当時の
会計
課長をしてお
つた
秋草さんがおるが、どうしてこう件数がたくさんにわた
つて
できたのか、
一つ
や二つならば何だが、しかも
金額
といい、件数といい非常に多い。どういうわけでこういうことができたか。あなたの
関係
されているどこに注意が足りなか
つた
か、あるいは部下を信頼し過ぎたか、あるいはまた自分が直接報告を受けることをしなか
つたの
か。何回も申しますように、できたことについて
責任
を問うとかいうことではない。できてもいないのに、これだけの金を前渡しするということをどうして防げるかということについて何かお考えにな
つた
ことがありますか。
秋草篤二
31
○秋草
説明
員 ただいまの御質問の前渡金というものは
会計法
できめられておりまして、世のいう前渡金とはま
つた
く違
つた
ものでございます。これは
会計法
で出納官吏に一定の金を渡すのであ
つて
、それに対する
会計
処理はやはり法規上の規則に従いまして整然と実はできているのであります。いわゆる世の中で物を
買つた
場合に、前渡金を前払いをするというものとは全然違うのであります。その点についてはひとつ御
了承
願いたいと思います。 それから前
渡官吏
に前渡するのでございますが、今度のこの事件につきましては一応この処理も全部
検査
院に参るのでございますけれども、
検査
院が見ましても、私どもが見ましてもその処理は科目
通り
整然と証拠書類もつけておりまして、
予算
科目
通り
の処置がしてあるのであります。ですから一見すると何もそれはわからないで、
会計
処理はりつぱにできておるのであります。ただそれは
架空
なのであ
つて
、要するに
予算
上の科目だけでは
工事
がどうしても円滑に行かないというので、まず現金を
捻出
するために賃金の
架空
な処理をして現金をつく
つて
しまうわけです。それで正規には従事員を雇
つて
直営
工事
をや
つた
ようにするのでありますけれども、実際はそれはからな証拠書類であ
つて
、
資金
をたくわえて、その金で今度は
請負
工事
にまわすわけであります。
請負
工事
で直接やるには、正規には
請負
工事
費という
予算
科目からやり、
契約
も正規な
契約
にのつと
つて
やらなければならないのを、安易な
契約
で前
渡官吏
だけが簡単にや
つて
しまうわけであります。ですから本省なり
検査
院には、その証拠書類は全然現われておりませんで、正規なりつぱな証拠書類とな
つて
現われて参るのであります。ですからいわば世の中で言う二重帳簿でありまして、隠れておるのでありますから、普通の
会計
検査
をや
つて
は絶対それはわからないのであります。そこで聞込みその他によ
つて
、どうもそういうものがあるらしいというときにこういうものを調べて、中を掘
つて
行くのでありますが、これに対する正規の帳簿なり、証拠書類なり、伝票というものは整然とできてお
つて
、その裏に手帳とか簡単なメモで処理がしてあるというのでありますから、これは普通の
会計
監査とかをや
つたの
では、なかなか現われて来ないのであります。どうしてこういうものがやられるようにな
つた
かと申しますと、先ほど
大沢
第四局長から御
説明
の
通り
、
建設
工事
をやる上におきましての非常に弾力的な処置なり、活動的な処置に対しては、現在まで
会計法
等のやり方によ
つて
は、やはり実際問題としますと多少きゆうくつなところもあるのでございます。また
給与
法もございますし、当時いろいろ物質上の不便もあ
つた
ために、
現場
の
工事
員に対しましては飲み食いも、どうしても認めなければならぬとか、酒の一ぱいも飲ませなければならぬとか、進駐軍が来て、それに対して飲ませるとか、そういう点の金は正規には出ないのであります。こういうものを絶対に禁止してお
つた
がために、どうしても
現場
の
工事
長になりますと、そういうものを見てやるとか、あるいは正月だからとい
つて
、ごく昔の習わしで親分的な
支出
をやらざるを得ない。旅費も正規の
規定
がありましてなかなかできないのに、
突貫工事
でもやると、その従業員に対してある
程度
見てやらなければいけないとか、そういう金を正規に出せばいいのでありますが、また出せば絶対認めないわけじやないのでありますか、何となしにめんどうくさい、うるさい、何か言われるだろうというので、やはりこういう点はまず現金をつく
つて
、それをためておいて
工事
に使おうという簡便な方法をとる。そのために二重帳簿をつく
つて
しまう。それを掘り下げてみなければ普通の
会計
監査では出て来ないものでございます。
大矢省三
32
○大矢
委員
それはこういうことですか。
会計
取扱い上にやむを得ないこともある。そこで当然必要なものは出すことができ得るように改正をすれば、こういう
架空
のものを出す必要がない、結局こういう
責任
を負う人がなくなるし、不当な
支出
にもならない、いわゆる
会計法
規上の、取扱い上の不備から来ているのだ、こういうふうにおつしやるのですか。
秋草篤二
33
○秋草
説明
員 それは
会計法
上の不備のみのために、こういうものを現出したのではないのでございまして、その証拠には、まことに申訳ない次第ですが、一番最後に不正の事項がございますが、ここにございます四人の前
渡官吏
は刑事
処分
を受けております。これは、ただいま申されましたような単に
会計
上の法規がうるさいとか、手続がめんどうだからとい
つて
いる
程度
のことはややわかるわけでありまして、そういう点は制度的な改正もしなければならぬ、また現在したのでありますが、そういうものが深みに入りまして、遂にそういう二重帳簿によ
つて
現金をつくることによ
つて
、私腹を肥やすというところまで入
つて
おるのであります。ですから私腹を肥やすことまでも、やはり
会計
制度が悪いというようなことを申し上げるのではございません。結局そういう制度的な自堕落なやり方が深みに入
つて
、不法、不当ではございますが、この切投げの問題全体が不正ではないのでありまして、一部が不正まで入
つて
行
つたの
である、そういうことでございます。
大矢省三
34
○大矢
委員
私はその不正はまたあとで聞こうと思
つて
おります。この
架空
の
名義
、いわゆる不当
支出
といいますか、——不正は刑法上の問題でありまして、現に
処分
を受けておる人もあります。七七六から七八五までですか、そのことを言
つて
おるのではないのです。いわゆる
架空
の
名義
によ
つて
支払い
されたもの——たとえば
工事
をする場合にはいろいろなことがあります。われわれはよく知
つて
おる。ですからそういう当然必要なものは
会計
に請求して出せるようなことが
会計
の取扱上にあれば、不当
支出
にはならないの、か、そこに欠陥があるのかどうかということを聞いておるのであ
つて
、不正はこれは当然
処分
しなければならぬ、これは問題ないのです。今私の聞いておるのは、
架空
の
名義
によ
つて
処理されたものということについて、これはこうこうこういうことでできたのだという
説明
でありましたから、その点で今後そういうものをなくする場合には、当然必要なものは必要なものとして、堂々と請求してもら
つて
出すということにすれば、こういう問題はなくなるのではないかということを、私は今後の取扱いについて直接衝に当
つて
おるあなたからお聞きしたい、こういうのが私の聞く趣旨なんです。
秋草篤二
35
○秋草
説明
員 お説の
通り
であります。ですから
会計
処理も、
会計
制度あるいは
会計
手続の改正によりまして、かなりこういう行為は未然に防止ができるのであります。しかし
会計
制度なり
会計
手続が、全部こういう問題の起る原因ではないと私は確信いたします。
田中角榮
36
○田中(角)
委員
関連して
大沢
局長に簡単に
一つ
だけお聞きしたいのですが、二十五
年度
を今や
つて
おるのです。現在は
電気通信省
は
公社
にな
つた
わけでありますが、二十五
年度
と二十六
年度
、近くでき上る二十七
年度
を比較して、大体不正事実というようなものは、どういうふうな
数字
にな
つて
おるかということを、簡単にお聞きしてみたいと思います。
大沢実
37
○
大沢会計検査院説明員
具体的な計数をただいますぐ申し上げる資料がありませんが、傾向としましては、二十六年は二十五年に比べて非常によくな
つて
おります。特に
架空経理
の
工事
が出ておりますが、この
工事
の
関係
は二十六年も全般にわた
つて
できるだけの力を注いで調べたのでありますが、二十六年の
工事
としましては、こうした
架空経理
をや
つて
おる事実は認められなか
つた
、またその他の
物件
あるいはその他の
工事
につきましても、
検査
院で摘発しておる事項も非常に減
つて
おりますが。
経理
は良好にな
つて
おります。二十七
年度
の点は現存
検査
中でありますが、現在までのところでは、これはまた二十六
年度
よりもよくな
つて
おるのではないかと思われる心証を持
つて
おります。
田中角榮
38
○田中(角)
委員
二十六
年度
、二十七
年度
のもので、刑事訴追を受けておるものの数はわかりますか。
大沢実
39
○
大沢会計検査院説明員
二十六
年度
には、
検査
院で当時までにわか
つて
おりましたもので、
検査報告
に掲げております不正
工事
は三件あります。そのほかに
検査報告
をつくり上げたころに、新聞記事やあるいはその他監査課からの報告によりましてわかりました点が、たしか三件だ
つた
と思いますがありますが、これは
検査報告
に間に合いませんでしたので、二十七
年度
の方へ掲げることにして残しております。
田中角榮
40
○田中(角)
委員
二十五年、六年で、すでに
決算
ができておるものの中で、
架空
名義
で
支払
つて
おるものというものは、これは
直営
工事
は各省とも全部あると思うのでありますが、このうちから本省に吸い上げておるというようなものはありませんか。
大沢実
41
○
大沢会計検査院説明員
私の担当しておりますいわゆる第四局
関係
では、この二十五
年度
、ただいま
審議
いただいております分は、いろいろ吸い上げた事項がありますが、そのほかにはありません。ただほかの局でありますが、
建設
省
関係
でしたか、本省かどこかへ、少し吸い上げたものがあ
つた
やに思いますが、詳しいことは存じません、
田中角榮
42
○田中(角)
委員
この問題は
直営
という形態に対して、この
委員会
では六、七年間の長い間問題にな
つて
お
つて
、結局は法の不備とかいろいろな問題で、遂に今日まで解決をしていないのであります。
会計検査院
と検察庁との間において、法制上の処置を考えるというようなことが、か
つて
研究されたわけでありますが、民間において
経理
科目を変更するというようなことではなく、いわゆる
架空
名義
によ
つて
支払つた
という
直営
形態は、法律的にいろいろ疑義はありますが、平たくしろうと考えでいうと、
一つ
の詐欺行為を
行つて
おるわけであります。これに対しては判例としては有罪のものもあるし、起訴猶予のものもたくさんあります。また私腹を肥やしたものでないものは全部起訴猶予にしておるようでありますが、中には裁判所でも
つて
有罪の判決を下しておるものもあります。私はこれは統一をはからなければならないということは、前々から
会計検査院
に警告を発しておるのでありますが、これに対していかなる処置をとられたかということを、ひとつお聞きしておきたい。
大沢実
43
○
大沢会計検査院説明員
田中
委員
より先々からいろいろそのことに対して御意見も伺
つて
おるのでありますが、
直営
工事
でなぜ
架空経理
が行われるかという原因の
一つ
を見ますると、先ほど申しましたように、当時の
会計法
規におきましては、
直営
工事
の
資金
を
支払
うところの
資金
前
渡官吏
は、
請負代金
を全然
支払い
得ないということにな
つて
おります。ところが
直営
工事
をや
つて
おるうちに、一
部分
ずつ切投げで
請負
わせた方が有利な場合もある。ところが切投げの
請負
工事
に
支払
うわけに行かないので、勢いそれを分析し、て、
人夫賃
として幾ら
払つた
、材料費、として幾ら
払つた
、こういうふうにやりまして、いわゆる
架空
名義
でABCに幾ら
払つた
、こういうような書類をつくる。これが
架空経理
の一番多く出て来る事例でありまして、本件に関しましても、「ねん出額」の下に「切投げ
工事
代」と書いてあるのは、それに該当するのでありますが、これは
検査
院としましても、何とかもう少し
資金
前
渡官吏
が少しの切投げ
工事
の
代金
は
支払
えるようにしたならば、こうした
架空経理
までして余分な苦労をして、しかも最後には不当事項として取扱われるというようなことがなくなるのではなかろうか、何とか制度上それが改善できるのではなかろうかということで、大蔵省といろいろ話合いをしました結果、昨年——本年にな
つて
からでありますか、期限ははつきりいたしませんが、
資金
前
渡官吏
も五十万円未満り
請負代金
は
支払
うことができるということになりましたので、いわゆる切投げということは
直営
工事
に入りましても、
資金
前
渡官吏
は
支払
えることにな
つたの
で、将来はその面の
架空
名義
はもう少し減ると思います。 これも現在としては、公式の意見を表明しておりませんが、各
現場
に
接待費
というものがほとんど認められていない。実際において
現場
においては、当時
司令部
が来るとか、そのほかでも中央からいろいろなお客さんが見える。これが
接待費
がないからとい
つて
何もなしで帰すということは、当時の
現場
長としては苦労があ
つて
、そこにおかし代とかその他がいるでしよう、たからある
程度
工事現場
には
接待費
的な
予算
を置くべきではなかろうかということを言
つて
いますが、この点に関しまして
検査
院として公式に意見が表明できないのは、一体どの
程度
の
金額
が妥当かということになりますと……。
田中角榮
44
○田中(角)
委員
お聞きしているのはそういうことではない。私がいつも
会計検査院
に
要求
しておりますいわゆる現在の法律においては不備がある。だから科目変更する。しかも科目変更というものの感覚を逸脱して、
一般
感覚からしては詐欺行為になるというようなもの、切投げ
工事
を行
つた
代金
を
直営
工事
の伝票でも
つて
出したというようなものではなく、中には
接待費
に使
つた
、自動車を
買つた
、それからもう
一つ
は
職員
の特定の連中に対して
宿舎
を与えたというような問題は、これは厳密な法律解釈からいうと、詐欺行為なんです。これに対していろいろな議論があ
つたの
ですが、こういうものは一応とにかく法制上でも
つて
考えるということであ
つたの
でありまして、それが処置として、いわゆる
支出
担当官をきめて不正防止をやるというような、
会計検査院
の権限立法とも言うべき法律を無理をして通過さしたというような
状況
があ
つたの
でありますが、依然としてこういう不正事項は減
つて
おりません。それだけではなく、どうも
説明
員の話を聞いていると、法律が不備だから、私腹を肥やしておらなければ科目変更してもいいじやないかというような考えのところに、
予算経理
を乱るものであ
つて
、こういうものを根本的に解決するには、法制上の厳然たる処置を
一つ
きめなければいかぬ。その法制ができない間は、検察庁と
会計検査院
との間に
一つ
のものさしをつく
つて
おいて、そのものさしで処断すべきだ、こういうことを私は言
つて
お
つたの
ですが、それに対して具体的な処置をしたかどうかということだけお聞きしているわけです。それはなぜかと言うと、昔のように翼賛議会ではありませんから、
予算
に対して衆参両院は議決議会としての
責任
を持
つて
おるわけです。その意味においては、
会計検査院
が国会に報告するこの
検査報告
というものは、ただ承認
案件
ではない。新憲法の建前から言えば議決
案件
でなければならぬということを、長い間ここでも
つて
議論して来たわけです。そういう意味で、その結論が出なくても、
予算
を
審議
するわれわれとしては、当然
決算
に対しても
責任
を負わなければならぬのだから、こういう法制上にいろいろ疑義のある問題に対しては、
会計検査院
が独自な
立場
から検察庁と打合せをや
つた
らどうかということを言
つたの
ですが、その具体的な処置を講じたかどうかという問題であります。
大沢実
45
○
大沢会計検査院説明員
ただいま検察庁との間で、
会計検査院
がどの範囲において
不正行為
がありとして通告するか、これに対しての
一つ
のとりきめを
行つて
おります。これは
ちよ
つと本文は持
つて
おりませんから、あるいは違
つて
おるかもしれませんが、
金額
が一万円以上国に
損失
を与えたと認められる事項、同時にそれが回収されていない、弁償されていない事項である、こういう一応のとりきめをいたしております。そうしてそのときに口頭の
説明
で、国に損害を与えたとはどういうことを言うか。その場合には単なる科目の変更、Aの科目でBにやるときに、それはそのまますぐ国に
損失
を与えたとは考えられないではなかろうかということが、当時の個人的な検察庁の方と話は出ましたが、これは文章上は何にも残
つて
おりません。従いまして、田中
委員
のおつしやるように、そういうものは全部不正使用である、横領である、あるいは背任である、こうして通告するということも、現在のとりきめでは当然できるわけであります。ただ
会計検査院
といたしましては、現在までの取扱いはその使途を見まして、たとえばそれが流用された先のものが、一体国で必要であ
つた
かどうかということを見まして、たとえば観桜会に
職員
が行
つた
、こういうのは全然必要な
経費
じやない。こういうのは犯罪の要因になるとして通告する。しかしながらたとえばうちを借りるのに金がない。しかもどうしてもうちを借りなければならぬ。それで
人夫賃
名義
で金を出してうちを借りたというような場合には、通告しなくてもいいじやないかという方針でで一応や
つて
おります。
田中角榮
46
○田中(角)
委員
私は、科目変更したものが一切不当な
支出
のもの、国に損をかけたものということを言
つて
おるのではなくて、私自身は、ある場合によ
つて
は、国というものは、がんじがらめになるものよりも、縦割りでも
つて
、実際においては必要な
支出
は多少区分を乱
つて
も
支出
すべきであるし、また寛大な処置を講ずべきだという持論と、逆にそればかりを表に出している場合は、それに籍口していろいろな問題が起き、しかも各省のこの批難事項を見ますと、全部がそれに籍口しておりますから、法制上に疑義のあるようなこういう事項は、どこまではや
つて
はならぬのだ、どこまではや
つて
もいいのだということの法制的な処置を講じたらどうかということを言
つて
おるのですが、まだや
つて
おらぬようです。これに対しては大蔵省自体が幾らか問題を持
つて
おるのでしよう。また当
委員会
は別の面からこういう問題を究明しなければならぬと思うのですが、今総理大臣が公共
事業
その他に対して、もう
一つ
の監査組織をつくろうというような問題に対しては、私は反対しているのです。
会計検査院
がりつぱにあるのだから、
会計検査院
の機構を大いに拡大強化して、
会計検査院
は使
つた
ものだけをやるところではない。現在の
会計検査院
法によ
つて
、使
つた
ものだけを見ればいいのだというようなことではなく、国損をかけないような事前処置も十分に講ずべきだ、こういうふうにいつも言
つて
おるのですが、どうも二年も前の
決算
報告をわれわれ
審議
しなければならぬので、そういう道は講ぜられないで遂に今まで来ておるわけです。だからこの国損というのが、いわゆる私腹をこやしただけをも
つて
国損であるという感覚自体は、今の
状態
ではまずい。出納官吏が、ある一定のわく内のものでなか
つた
ら、いわゆる出納の責に任じないはずでありますから、わくを変更する場合は、
会計検査院
と打合せを現にや
つて
おるわけです。
会計検査院
の打合せに応ぜず、許諾を得ないでわくの変更をしたものは、当然不正事実として究明すべきだと私は考えております。この五、六年の間、われわれとあなたたちとが問題を究明した過程を顧みますと、ただ
電気通信省
だけをあげて言
つて
おるのではありませんが、こういう問題はどこかでピリオツドを打たなければならぬと考えております。これはあなただけではどうにもなる問題ではなく、
検査
官を呼んで本
委員会
としてはまた相談しなければならぬ問題だと思いますが、
会計検査院
独自の考えではなく、
一般
的な感覚も織りまぜて、恒久的な対策をひとつ講じていただきたいということの意見だけ申し上げます。 もう
一つ
これは次官でもおられればいいのですが、一言だけお聞きをしておきたいのですが、
電気通信省
が
公社
にな
つて
、だんだんと不正事実が減
つて
おる、批難事項が減
つて
おるということは、国民の一人として非常に同慶にたえないわけであり、また批難事項を少くしておられるあなた方自体の
努力
に対して感謝をするわけでありますが、
一般
国民として、下からこれを見ておりますと、どうもこういう
会計検査院
の手が届かないところにもつと大きな不正があるのじやないかという考えもなくはない。これは私は与党ですから、何も政府を罵詈するのではありませんが、いろいろあなた方自体が知らない、
電話
の架設に対して六万円であるものが、十五万円出せば引けるとか、三十万円出せば引けるとかいうところに、私は相当大きな問題があると思います。これはどういう問題かといいますと、いわゆる
処分
を徹底的に行わないという問題が
一つ
あります。
支出
担当官があるにかかわらず、どうも戦後横割り式の官庁形態、企業形態というものが、みんな小切手判、及び小切手の処置というものに対して適切を欠いておるということに原因すると思います。昔は御
承知
の
通り
官房会議課長権限は五千円でありまして、今は百万円だと思います。しかるにそれが一出張所の所長の権限において何百万円もの
支出
が現実に行われておることは否定できない。こういうところに批難が帳簿上には出なくとも、国損をこうむ
つて
おることは大なるものがあると私は思う、一
電気通信省
だけに限
つた
ことではありません。特にこの
電気通信省
は
電話
をかけようとしてもできて来ない、そうして銭がないということを簡単に女の子まで言います。そのかわりに三十万円使うと三日以内に入るそうだということがちまたの声にな
つて
おる、私どもはこういう問題だけを取上げるのじやないのですが、
電気通信省
として、政府が国の官庁として
仕事
をや
つて
おるので、ただいまも
公社
にな
つた
場合、これはどこでもそうですが、監査というものがゆるやかになります。私たちがこの
委員会
でも
つて
調査を
行つて
、収拾できなか
つたの
は何であるかというと公団であります。どうして公団を一体やらなか
つた
か、早船恵吉というわずか二十何歳の青年に、二億も三億もごまかされるような監査をなぜや
つた
か、そういう権限をなぜ与えたかというところに問題があるのだ、私たちはもうこの
委員会
では処置できなか
つたの
でありますが、これからは官業というものがだんだん
公社
になり、場合によ
つて
は公共
事業
そのものも
公社
でやらせるというような意見さえもあるときに、こういうお互いにただ個人の
責任
を追及して、この批難書に現われておるような表のことだけを考えないで、すでに二十八
年度
の
予算
案を
審議
しておるときに、二十五
年度
の
決算
をや
つて
おるわけです。だから私たちはただ自分が
責任
を持
つて
こういうものを処理するのではなくて、将来かくのごときものを絶滅させたいということがこの
委員会
の目的だろうと思いますから、特別にそのような問題に対しては留意をされて、批難事項がなくなるように、また表に出ないものであ
つて
も、いろいろな風評があるものに対しては、
責任
をも
つて
監査をやられたい。
吉田賢一
47
○
吉田
(賢)
委員
ちよ
つと
物件
七五九号から七六四号、そのうちにつきまして伺いたいと思います。まず
一般
的に
検査
院が前文に総括しておりますが、過大な在庫品が持込されております。たとえば不適格品が
処分
されないまま、四億八千八百万円も持込されております。あるいはまた
年度
末に未使用のまま在庫いたしております材料が三十三億四千余万円に達しております。特にそのうちには使用の見込みのないものが五億千三百万円も含まれております。こういうことはわれわれ民間から考えますと、実に奇怪な感じがいたします。どうしてこういう不適格品を
処分
もしないで死蔵されねばならぬのでしようか。使用見込みのないものが、どうしてこう貯蔵されねばならぬのでしようか。この二つを合計すると、約十億円を越えるのであります。十億円を越えるものが、どうして倉庫に寝かされて年を越さねばならぬのでしようか。これについてひとつはつきりと御答弁を願
つて
みたいと思う。
永田良孝
48
○永田
説明
員 ただいまのお話のごとくに御
指摘
のありました事項はまことに遺憾な
状態
でございます。こうい
つた
状態
がなぜ起きてお
つた
かという御質問でございますが、この原因はいろいろございまして、二十四
年度
ごろまでの購入資材は、御
承知
のように戦時規格のものが相当多くて、材質が非常に悪か
つた
。こうい
つた
ものが主として不適用品にな
つて
おるわけでございます。そのほか当時は材料の入手がいろいろ困難でございましたので、安全を見込んでできるだけ手元に十分な資材を持ちたいというような気持も若干ございまして、どうしても購入を多くしてあ
つた
わけであります。そこでどうしてもこうい
つた
問題は、私どもの
事業
といたしましてはゆゆしきことでございまして、できるだけ手持ちの資材を減らすということにつきまして、極力その後
努力
をいたしております。この御
指摘
になりました問題で、不適用品の四億八千余万円のものにつきましては、その後全国に、こうい
つた
ものの検討を主とする担当係を設けまして、全面的にこれの利活用をはかりまして、利用できるものは修理、改造する、あるいはそれに至らないものは修理の材料にする、そうい
つた
こともできないものは、
処分
するということで、現在におきましては大
部分
これを売却、改造、転用、等で
処分
いたしました。また休眠材料として三十三億四千万円という
数字
が出ておりますが、これにつきましても、
工事
を
計画
する部門と協議をいたしまして、極力これを利活用するという方針を立てまして、その後二十六
年度
、二十七
年度
等で大
部分
を利活用いたしました。その結果、現在におきましてはこういうものは、相当減
つて
はおるのでございますが、しかしながら非常に大きな
事業
場のことでございまして、なかなか予想
通り
には
行つて
おりませんが、できるだけ
努力
をいたしまして、こうい
つた
ものを今後少くするようにいたしております。
吉田賢一
49
○
吉田
(賢)
委員
私のまず聞きたいことは、その後だんだんと過剰品の死蔵が解消されておるというようなことであれば、それはよいとしまして、当時不適格品ならば、いつまで置いても不適格品ではないだろうか。あるいは適格品に直す場合には、用途なり、あるいはその他いろいろと考究せなければなりますまいが、なぜこの五億円に近いさようなものを在庫させて年を越さねばならぬのか、こういうのです。これがもしあなたの所有物であ
つた
ならば、一日もすみやかに金にかえるとか、用途を考えるとか何とかなさるはずなんですが、そこが官庁の
行政当局
の人々は、自分の個人的な利害に直接かかわらぬというところに
一つ
の盲点があるのではないかと思うのです。なぜ積極的に、すみやかに
処分
対策の方途を講ぜられなか
つた
かというのが、質問の要点なんです。
永田良孝
50
○永田
説明
員 おつしやる
通り
にこうい
つた
ものが私物でございましたならば、非常に積極的にこの対策を講じたでありましようが、当時におきましては、こうい
つた
ものが全面的に不適用品とたいこ判が押されたわけではございませんで、何とか利活用の道がないだろうかということで検討中だ
つた
わけでございます。その後全面的にこうい
つた
ものを調査いたしました結果、それぞれ
処分
ができたわけでございます。非常に当時は残念でございましたが、
努力
の結果にもかかわらず、この
程度
のものが残
つて
お
つた
という
実情
でございます。
吉田賢一
51
○
吉田
(賢)
委員
全面的に種々検討なさ
つた
結果
処分
使用なさ
つた
ことはけつこうですが、資料の中の
昭和
二十八年三月末
電電公社
の貸借対照表によれば、貯蔵品が今度は百十八億円あります。この百十八億円というのは貯蔵品だけであ
つて
、品目の詳細が出ておりません。これは
昭和
二十五年当時から比べまして物価はむしろ下
つて
いると思うのですが、あるいは仕入
価格
の帳簿記載かわかりませんが、いずれにしても今度は百億円を越えておる。前には
年度
末未使用の
工事材料
としては三十三億四千三百万円だ
つたの
が、今度は百十八億円にも上
つて
おる。この
内容
はどうなのでしようか、いずれもが必要であり、適品であるというのか、やはりそうでなくして相当期間別の何らかの理由で貯蔵されているのでしようか、その
説明
を聞きたい。
永田良孝
52
○永田
説明
員 この三十三億四千万円の
内容
を少しく御
説明
申し上げたいと存じます。この三十三億四千万円が在庫全部ではございませんで、これは私どもの
内部
におきまして
物品
を購入いたしまして、これを一応手元で持
つて
おります。そうして
事業
場でこれを使う場合に
決算
をいたしまして、
事業
品という形にするわけでございます。
事業
品にしましたもののうち、三十三億何千万円というものが
現場
で未活用のまま寝てお
つた
という
数字
でございます。二十五
年度
末におきましても、この先ほどお話の二十七
年度
末の百十数億という
数字
に対応する二十五
年度
末の
数字
は約八十億ばかりでございます。それ以外の
事業
場へ出したもので三十三億何ぼがあ
つた
ということでございます。とにかくそういうことでございますが、在庫の数はお説のごとくに遺憾ながら相当多量でございます。しかしながらただいま物価の値上り等のお話もございましたが、通信
関係
の資材はこの二十五
年度
とただいまとを比較いたしますと、約三割
程度
の値上りにな
つて
おります。それでこの二十五
年度
の今申し上げました八十八億を今の
価格
に引伸ばして考えてみますと、大体在庫の
金額
は横ばいであるということが言えるわけであります。物量としても大体同じ
程度
であるということが言えるわけであります。一面私どもの
事業
は、御
承知
のように、最近非常に
事業
活動の幅が広ま
つて
おりますので、それとの比較におきましてはむしろ在庫材料は減
つて
いると言い得るわけであります。しかし先ほど申しましたように、百億あまりの在庫を持
つて
おるということは、非常に大きな金を寝かしているということにもなるわけでありまして、これは極力利活用でこの数を減らすということに
努力
をいたさなければならないと思います。
吉田賢一
53
○
吉田
(賢)
委員
その百十八億の本年三月末現在の貯蔵品のうちには、やはり使用見込みの乏しいものとか、もしくは不適品が含まれておるのではないか。その点、いかがですか。
永田良孝
54
○永田
説明
員 それは若干はございます。と申しますのは、昨
年度
の途中におきまして、四月から
現場
ではさしむき使わないということで、また倉庫の方へ返して来たもの等につきまして、これを検討いたしまして、不適用なものは改造するなりあるいは
処分
するなりしなければなりませんが、その道程にあるものが若干ございます。それからなお、
現場
にそのほか相当のものが寝ておると考えられますので、これらにつきましては、現在全面的にたなおろしをや
つて
整理をしておるわけでございます。
吉田賢一
55
○
吉田
(賢)
委員
現在たなおろしと言われるが、今月は六月です。大体そういうものは、三月末で締め切
つて
貸借対照表ができるのではないのですか。たなおろしをした結果、三月末に貸借対照表ができたのではないのですか。
永田良孝
56
○永田
説明
員 おつしやる
通り
でございまして、先ほどの百十八億というのは、そういうことでできておるのでございますが、なお特に
現場
において物が寝ておるという問題の重要性を取上げまして、最近におきまして、さらに繰返して全国的にや
つて
おるということを申し上げておるのであります。
吉田賢一
57
○
吉田
(賢)
委員
その若干のもののうちには、二十五
年度
に使用見込みのなか
つた
五億一千万円のもの、そういうものに該当するものはもうあとを断
つた
という御
説明
なんですか。そういうふうに
了承
していいですか。
永田良孝
58
○永田
説明
員 その御
指摘
を受けたものにつきましては、すでに
処分
は終
つた
、しかし同一の性格のものにつきましては、その後出ておるものが若干あるであろうということを申し上げておるのであります。
吉田賢一
59
○
吉田
(賢)
委員
私が尋ねたいのは、二十五
年度
末には五億円以上の使用見込みのないものが倉庫に寝かしてあ
つた
というので、それをその後
処分
したとか、何か使用なさ
つた
とかいう御
説明
ですが、さらに百十八億円のうちには若干さようなものを含んでおるような御
説明
であ
つたの
で、若干とはどのくらいな
金額
に該当するのかという点を明らかにしてもらいたい、こういう趣旨なんです。
永田良孝
60
○永田
説明
員 ただいま
ちよ
つとここに
数字
を持
つて
おりませんので、御回答申し上げられないのが非常に残念でございますが、先ほども少し申し上げましたように、現在さらに繰返して
現場
のたなおろしをや
つて
おりますので、これが間もなく済むと思います。そうすれば的確な
数字
が出て来ると思います。
吉田賢一
61
○
吉田
(賢)
委員
私どもは、二十五年の
電気通信省
の
特別会計
においてなしたごとくに、一省の
特別会計
において、十億円もの不用品、
処分
すれば金になるようなものが死蔵されておるというような事実を、さらに想像をたくましくしましたならば、各省、各庁、各政府
関係
機関あるいは各
特別会計
等において、総合すると厖大な
金額
に上るものが、あるいは死蔵され、あるいは過剰
物件
が退蔵されておるのではないかということすら考えまするので、こういうことは
予算
を適正に、厳密に正しく行うという上から見て、最も戒むべき
一つ
のケースであろうと思いまするから、こういうことを少ししつこく伺
つて
おる次第なのであります。そこで全国的に調査をなさることはたいへんけつこうですけれども、やはり
会計
年度
は三月末に終りまするので、貸借対照表が
責任
をも
つて
三月末にせられる限りにおいては、三月末現在において、正確に、全国の貯蔵品数量、その適、不適、使用の可能の分というようなことはつかまなければならぬというのが、
公社
の
責任
でないかと思うのですが、
総裁
の御所見はいかがですか。
柴田義男
62
○
柴田委員長代理
ただいま
総裁
はおられませんから……。
吉田賢一
63
○
吉田
(賢)
委員
それでは
経理
局長でもよろしゆうございます。
秋草篤二
64
○秋草
説明
員 ただいまお手元にあるのは、ぜひきよう概計の貸借対照表を出せというので、大急ぎで二十七
年度
末の概計のものをつく
つたの
であります。 御案内のように、
公社
の
決算
は、法定
決算
日——二十七
年度
は七月三十一日でありまして、財政法にのつと
つて
二十七
年度
限りはこの日に
行つて
よろしいということにな
つて
おるのであります。それでいずれにいたしましてもまだ正式なバランス・シートができないのであります。ですから、お手元のものはごく概算であ
つて
、むろん御説のように三月三十一日付の貯蔵品の正確な
数字
、及びその
内容
について、お話のような不用品が幾らあるかというような正確なたなおろしをしなければならないのでありますが、まだ一箇月たたなければ貯蔵品のたなおろし、財産目録について完了できないのであります。ただきよう概計でもよいからというので、一部だけお出ししたわけであります。 それから今の貯蔵品の額が多い、同時に不用品がたくさんあるということについては、資材局長からの
説明
の
通り
でありますが、私ども年々
検査
院から貯蔵品の回転の悪いことについては非常な注意を受けておるのでございます。ことに
公社
にな
つて
、まずも
つて
こうした不稼働資産がたくさんあるということは一番いけないことでありまして、極力この資産を回転させるという方向に昨
年度
は全力をあげたのであります。
数字
は非常に大きく見えますけれども、私どもの
事業
量の幅というものは非常に大きく今膨脹の過程にあるのでありまして、百十八億というのも、実際面とすれば、昨年に比べれば非常に大きな減り方なのでありまして、
事業
量はふえており、在庫は減
つて
おるのであります。 それから不要な品物が五億もあり、また現在も相当あるのじやないかというような点につきましては、正直のところ、これは必ずあると思います。しかしその額はやはり
事業
が非常に大きいものですから、いつもここで批難を受けましたような物の買い方でできたのではなくて、規格の変更とかあるいは材質の自然変化とか、そういう点で、自堕落な買い方をしたのではなくて、自然にスクラツプにな
つて
みたり、あるいは
機械
的に滞貨して来たというようなものは、いつのときでも必ず品物の中にはある
程度
あるのでありまして、従
つて
、毎年々々不用品の調査——私ども整理品と申しておりますが、整理品の調査とかあるいは帳外品の調査とか、そういう点を特別に調査し、それをまた技術認定して、使えるものは修繕して使う、売却するものは売却するというような措置をと
つて
おるのであります。ただここで私ども、たいへん言い訳がましくなりますけれども、先ほど
吉田
委員
から御
指摘
のように、不要
物品
がいつまでもたま
つて
いるのは何かわけがあるのではないかという御質問でありますが、事実この物の売却という点は
現場
の
職員
にとりますと非常にむずかしい気苦労の種でありまして、今までの役所ではやはり
予定
価格
なり、それを
競争入札
するなり、なかなかうるさいのであります。民間でしたら、御案内のように、物のくずがたまれば好きなバタ屋でも連れて来てそれを売
つて
さしつかえないのでありますが、
公社
になりましてもやはり役所的な慣習がありますと、その点はかなりむずかしい手続がいるのであります。物はたま
つて
来る、これをはたくならば倉庫はきれいになる、またそうしたトラブルもなくなるのでありますが、いざ物を
処分
するとなると、なかなか手続もうるさくて気苦労は多くなる。高く売れればいいのでありますが、くず物などについてはなかなか
予定
価格
も立たない。あるところでは高く売れ、あるところでは安く売れる。どうして安く売
つたの
だというお叱りも、
検査
院でなく
部内
でも受けなければならぬ。そういう点を考えると、遂に勇気を振
つて
こうした不良
物品
を大幅に売却するということはなかなか躊躇しがちである。これが率直に申して私どもの
実情
でありますので御報告申した次第でございます。だからその点を怠
つて
おるわけではございませんけれども、
公社
になりますと、その点はいくらか簡易にやれますので、今後早急にこういう不良品はなくなろように持
つて
行きたいと思
つて
おります。
吉田賢一
65
○
吉田
(賢)
委員
今の最後の御
説明
で、
処分
をするとその際に何かと手続が煩瑣であり、いろいろトラブルが起るようなこともあり得るという点は、今日までわれわれが各省の
決算
の審査、特に通産省あたりにおきましてくず鉄の
処分
等におきましても、亡者のごとく、砂糖にありがたかるかのごとく、強欲な人間が寄
つて
来たような事例も実は見ております。しかしいやしくもやはり国の財産ですから、国の財産を最も正しく管理するという意味におきまして、そういう不正なる害悪が群が
つて
来るなら来るに対して、適当な措置を積極的に講ずるという態勢をあなた方がとらなければ、同時に消極的に十億円のものが死蔵されて行くという結果になるのですから、いたずらにおつくうがり、臆病にな
つて
時期を失するということでなしに、私は何も
処分
しなさいというのではないのですが、最も適切なる管理を積極的になさることが必要である。いらぬものや不適品をじつと持
つて
いるということで
年度
末を越すということはどういうわけか、こういうことでありまするから、その点は今後におきましても、ただ
一つ
一つ
について気苦労を少く、煩瑣な手続を避けて処置をするというのではなしに、積極的にこの種の
物件
の管理、活用をするという方途を立てられることが必要なことであろうと考えるのであります。だからぜひともそういうふうに積極的な方向へと改められんことを、この際希望しておきます。 それからさつきも
ちよ
つと重大なことを聞きましたが、七月末に貸借対照表をつくればいいというお説ですが、すでに
予算
がかか
つて
おります。
予算
は当国会に二十八
年度
政府
関係
機関
予算
として提出せられ、第十一ページに
日本電信電話公社
として損益勘定が出ておる。それからその他貯蔵品取扱費回収額とか
収入
支出
の上にたくさんにこれらに関連した項目が載
つて
おりまするのて、やはりこれはわれわれの当
委員会
の
立場
からしましたならば、七月末でよいのだからほう
つて
おくというのでは、それならあなたの方の
予算
案をおつくりになる
数字
的根拠がまだ固まらぬのに
予算
案を出したということになるが、どうなんでしよう。これはたいへんなことであります。国会に
予算
案をお出しにな
つた
ときは
数字
は固ま
つて
おらなければいかぬ。固まるためには貸借対照表ができておらなければいかぬ、損益勘定がもう出ていなければいかぬというときに、七月末に貸借対照表をつくればいいのだからまだつくらずにおる、目下全国にそういう調査をさせておるというのでは、これは
予算
審議
にも疑いを持つというおそれがあります。どうでしようか。
秋草篤二
66
○秋草
説明
員 先ほどの
説明
が不十分だ
つた
と思いますが、二十七
年度
の
決算
は確かに七月の末に合計されるので目下作業中であります。できないというのは、貯蔵品のたなおろしの不要品の内訳まで出せというお話でありましたので、それは今のところまだできておらないというのであります。それから二十八
年度
の本
予算
はまさに閣議も
通り
まして目下
審議
が始まるところでありますが、これと二十七
年度
の
決算
がたまたま軌を一にしてかみ合
つたの
でありまして、本来ならば二十八
年度
の
予算
は昨年の八月、九月ごろ閣議を
通り
、そして今度の二十七
年度
の
決算
は何ら反映しないのであります。たまたま二十七
年度
の
決算
が二十八
年度
の
予算
とぶつか
つた
ものですから、そういうお考えがおありかと思いますが、私どもの今度の
決算
は今度の
予算
に間に合せてつくらなければならないというのは、
内部
的には急いでおりますけれども、特別にそういう規則にもな
つて
おらないし、また実際上は普通の
予算
の作成と前
年度
の
決算
とは非常に離れて期間があるのでありまして、とうてい見ることはできないのであります。いかがでございましようか。
吉田賢一
67
○
吉田
(賢)
委員
七月末は大蔵省の締切り時期で、貸借対照表は三月末につくるというのであれば、貸借対照表の根拠になる各般の
数字
の固まりはもうどこかにできておらねばならぬと思うのですが、どうでしようか。
秋草篤二
68
○秋草
説明
員 ですからお手元に差上げた
程度
のものは固ま
つて
おるわけであります。
吉田賢一
69
○
吉田
(賢)
委員
ですから私の、百十八億円の貯蔵品がある、その中に二十五年に現われたもののような使用見込みのないようなものが相当含まれておるのではないだろうか、不適品も含まれておるのではないだろうかという問に対して、若干あるような御
説明
もありましたので、進んでそれらについての御
説明
を伺おうとしたら、そういうことについては目下
地方
々々でいろいろと調べておるというお説が出たものですから、
地方
々々でお調べになるというようなことがまずあ
つて
しかる上二十八
年度
の貯蔵品の総計が出て来なければならない。本末転倒になる。それが私には理解できなか
つたの
であります。
総裁
が見えたようでありますから伺いたいのですが、二十五年の年末に
会計検査院
が
指摘
して、政府
説明
としましてここには全面的にその
通り
であると承認しておるのですが、不適品が四億八千万円も未
処分
のまま在庫せられ、使用見込みのないものが五億千万円も在庫して
年度
を経過しておるという事実があ
つたの
であります。その後改善されたように聞くのでありますが、これは物を扱い、物を持
つて
おる省の禍根であります。ことに通産省あたりにおきましても、この種の
物件
につきましては相当われわれは批判をして行かねばならぬ、こう考えておるのであります。相当厳格にして行かねばならぬと思うのでありまするが、幸いこのもの自体はその後適当にそれぞれ活用ないしは使用
処分
等をなさ
つた
らしいのでありますけれども、依然として相当大量のものがやはり年々持ち越されて行くようなんでありますので、やはりこれらのあとがあるのではないかということを私ども一応疑
つて
かか
つて
おるのであります。今いただいた貸借対照表によると、本年三月末に百十八億円の貯蔵品を持
つて
おるのです。こういう中には物価の値上りからすると事実上昨
年度
と同じくらいの数量だと御
説明
にな
つて
おりますが、やはり相当のそういうものがありとするならばありとして、これは何らかの積極的な方途が講ぜられる必要がある、こう考えますので、この点につきまして、一々御
承知
でないかもしれないけれども、しかしこれは
予算執行
上の
物件
に関する各省共通の大きな問題と思いますので、
総裁
のひとつはつきりとした御意見を伺
つて
おきたい、こう思うわけです。
梶井剛
70
○梶井
説明
員 ただいまの御質問は、私どもとしましてはまことに肝に銘ずる問題でございます。
物件
を非常に多額に取扱います
事業
におきましては、とかく
物件
を粗末にしやすいのでございます。ことに終戦後混乱時期におきまして納入されましたものには、かなり粗悪なものもあ
つた
ように聞いております。またもう
一つ
、官庁
会計
における
一つ
の欠点と申しますのは、こういう
事業
が現在継続
事業
でないために、なるべく繰越しを少くしたいという傾向にあります。繰越しを少くする方便といたしまして、
年度
末になりましてから急速に
物品
を購入するという弊がございます。さような処置をいたしますときには、ときとしてすぐいらない品物を買いがちなものであります。そういうものが在庫として後
年度
にいつまでも使用されないで残るという弊がございます。そういうような
関係
で、
公社
発足当初におきまして在庫品の
金額
というものは約百五十億ばかりございました。それがただいま
経理
局長がお答えいたしました
通り
に、百十八億まで減じておるのでございます。このことにつきましては、お答えいたしました
経理
局長が、つい最近まで
資材部
長として、鋭意在庫品の整理に当りまして、そうして在庫品で使用されるものは極力使用しよう、そうしてむだのものは買うまいということによ
つて
、本
年度
末におきましては、繰越しを少くする処置として、
物品
を買うということを一切とりやめました。従
つて
今後におきましては、在庫数量というものはだんだん減る一方でありまして、実際回転上必要な在庫数量まで圧縮する考えでございます。また現在の在庫のものの中には使用に耐えないものもございます。また事実今日の使用から見ましては、粗悪で使用に適しないものもございます。そういうようなものにつきまして、今全国の倉庫にわた
つて
調査を進めまして、そうして全然使用に耐えないものはこれは売却
処分
にしてしまう、それから修理して使用に耐えるものは、全部修理してこれを現用に充てるというふうな処置を講じておりますので、将来におきましてはさように不良な在庫を持つという心配はないようにいたしたいと考えております。
吉田賢一
71
○
吉田
(賢)
委員
それでは
ちよ
つと伺いますが、だたいま
総裁
の御答弁によりまして、全国的な在庫調査をや
つて
おるということでありますが、今の使用に耐えぬもの、
処分
しなくちやならぬものは大体どのくらいの
金額
になるお見込みですか。これは
予算
で損益
計算
が出ておるのですからおわかりのはずですが、大体でよろしゆうございますから……。
永田良孝
72
○永田
説明
員 先ほど申し上げましたように、現在
電話局
等の
現場
に持
つて
おる品物をそれぞれ棚おろししておりまして、その技術的な性能を検定いたしまして、その
処分
、用途等を決定するわけであります。今正確なと申しますか、集計した
数字
が手元にないわけでございますが、大体の見当といたしまして売却しなければならないものは三、四億ぐらいの
程度
でないかというふうに想像しております。なお調査の結果が判明いたしましたら御報告いたします。
吉田賢一
73
○
吉田
(賢)
委員
なおこれは
総裁
に伺
つて
おきますが、根本の方針といたしまして、私どもは、やはり
電話
電信の
事業
を扱うところの
公社
というものは、そういう技術あるいは科学的な
機械
とか資材、
施設
等におきまして、最も高度な発達をとげておるものの
一つ
であると考えております。そういうところにおきましては、全国にどれだけの支社、支所等があるか存じませんけれども、やはりこれはごく短時間に全体の数量、機能のいかんがわかるというのがほんとうで、それが一月も二月もしなければわからぬというのはわれわれには合点が行かないのであります。なぜならば、買入れるときには性能
検査
とか、数量、
金額
等、みな記帳されておる。それらの
責任
者もおるはずであります。報告はあ
つた
はずであります。こういうものを全国的に押えるということは、それはものの十日か二週間もあればできるようにな
つて
おらねばならぬのではないか。
電話
、電信のようなものを扱われるところの最も高度な、人間の神経の交通を扱
つて
行かれるところの、これは科学文明の王座を占めておる、そういうところが、相当な時間をかさなければ、自分の持
つて
おる品物の数量、価額、使用の適否等がよくわからぬということであ
つて
は、私どもはどこかに欠陥があるのではないかと思われるのであります。やはりこういうことは急速に改善の実をあげて行かれるというのでなければ、
予算執行
の面に必ずこれが弊害として現われて来ることは、
一つ
あることは二つある、繰返して行くものと考えられますが、いかがでしようか。
梶井剛
74
○梶井
説明
員 仰せの
通り
であります。どんなに
事業
の幅が大きくありましても、自分の持
つて
おる財産は常に帳簿に記入してございまして、その帳簿を調査することによ
つて
ただちに判明しなければならないのであります。ことに倉庫保管の帳簿というものがありまして、日々受払いがございますけれども、それは常に記帳いたしておりますから、そのしりにな
つた
数字
を総合すれば、ただちに
金額
は出て来るはずなのであります。ところが役所時代におきましては、
決算
というものはすべて一年に一ぺんしかしなか
つた
。
公社
になりましてから、
会社
と同じように毎月収支
決算
をするように、私は
要求
いたしまして、多少遅延はいたしておりますけれども、順次収支
決算
の形がはつきりして参
つて
おります。ところが在庫のものの中には、
工事
をやるに従
つて
撤去されたものが相当あります。その撤去されたものが、ただちに倉庫に返納されれば、それで数量は非常に明瞭になるのでありますが、撤去されたものを、また
工事現場
で使おうというような
関係
で、返納手続をしないで、手持ちにしている分がずいぶんあります。これが全国の小さな局に至るまで、そういうものが数多くありまして、倉庫における帳簿だけでは、はつきり正確な
数字
が出ないという点がございます。そういうようなものを毎月報告するところの制度というものは、今まで完全にはな
つて
おりません。それで今回全国にわたりまして一度きれいに洗いまして、今後は毎月それを報告するようにして、今仰せの
通り
にただちに在庫数量がはつきりするというふうな処置を講じたいと考えておるわけであります。
吉田賢一
75
○
吉田
(賢)
委員
総裁
はどういう御経歴か存じませんけれども、昨年の八月に
公社
が発足の当時電気通信
特別会計
から、一切の資産、負債を承継されたはずであります。その資産の
内容
は
公社
発足の瞬間にすべて確定したものを確認しなければいかぬのです。確認せずして引継ぐということは、これはできないことで、
公社
としてもできない。何となれば法人だし、役所ならばそういうことがずるずるとや
つて
行けるかもわかりませんけれども、そこはどうも論理上私どもには何か割切れぬのであります。やはり昨年の八月発足の瞬間に、一切の資産の確定されたものは確認されるということでないと、あなたの
公社
は期始について何ぼ資産があ
つた
かということはわかりません。そこで今のようなことでありましたならば、ほんとうは貸借対照表によると、昨
年度
末二十億七千八百万円の利益が上
つて
おるが、その利益もほんとうはまだどうかわからぬということに、
会計
学上はなるのではないかと思います。こういうことは私どもまことに遺憾に思いますので、ここはこれ以上申しませんけれども、だれが考えましても、あまりにもわかり切
つた
道理であろうと思いますので、すみやかにその辺はあなたのおつしやるごとく、あるいは私のただいま意見を述べましたごとき
状態
に改善せられんことを望んでおきます。 そこで同じ問題でありますけれども、やはりここにも現われております七七一号ないし七七五号についてもお尋ねしておきます。これによりますと、二百六十三ページの中ほどに、また損益勘定支弁の需品費の
支出
額は例月七億円
程度
に
行つて
お
つた
。ところが二十六年の三月という、つまり
年度
末の
支出
は一躍して四十億二千五百万円に上
つて
いる。一年間の需品費の総額は百十七億円である。ところが年末の三月になると四十億円物を買うている。これは驚くべきことであります。四十億円をもし
年度
末だから使うてしまわなければならぬということにな
つた
ら
予算
濫費の標本になりますが、恐るべきことであります。あなたはお聞きにな
つて
おらなんだか知りませんが、この
委員会
において、
年度
末に役人が旅行して、あるいは出張して
予算
を使わなければならぬように競争なさるということをいろいろ非難的な批判が出たのであります。物を買うのにも
年度
末にかくのごとく大きな割合、総計いたしますと三四%に達しているらしい。これはまことに驚くべきことであります。こういうようなことでありますので、これはやはり
年度
末に使うてしまわなければ、翌
年度
予算
を大蔵省からとるのに幾らか支障を来すという、あの共通した弊害の現われでないかとも考えるのであります。どうでありましただろうか、ひとつ
説明
を求めておきたいと思います。
梶井剛
76
○梶井
説明
員 ただいま御
指摘
になりました点は確かに
一つ
の弊害であります。従
つて
二十七
年度
末における
物品
の購入は例月よりもむしろ減
つて
おります。これは本年の三月でございます。
年度
末の購入数量は毎月よりも減
つて
おります。ですから先ほど御
指摘
の二十五
年度
において四十数億の購入
物品
があ
つた
というような弊は、
公社
になりましてからもうすでになくなりました。
吉田賢一
77
○
吉田
(賢)
委員
それはよいといたしまして、二十六年の三月にかような四十億円も
支出
いたしました原因がどこにあるのでしようか。七億円で毎月足りてお
つた
ものが一躍四十億円というのは、そこにやはり売手であるところの商人に思わざる利益を与えるということになるならば、これは涜職の危険があります。また無用な物を買うということになればさつきのような死蔵、過剰品の退蔵ということにもなります。当該
年度
におきましてどういう
状況
であ
つたの
か、ひとつ聞いておきたいのですが、当時の
責任
者がおいでにならねば困るのですけれども、
経理
局長は当時から
経理
局長ではないのですかな。だれか御
説明
はできないのでございますか。
秋草篤二
78
○秋草
説明
員 この
建設
勘定
関係
の貯蔵品の使用額がよくな
つた
ことはただいま
総裁
が
説明
した
通り
。今までのような
年度
末であるからとい
つて
物を買うことは完全に改めてございます。但したいへん申訳ないのでございますが、ここにございますもう
一つ
の損益勘定につきまして、
年度
末にな
つて
金が例月の三倍も四倍も出る。これはどこに原因があるかということにつきましては、一に役所の長い間の
予算
生活から来る
一つ
の弊風以外の何ものでもないと私は思います。
公社
になりまして
年度
末だからとい
つて
絶対物を使わなくてもいいのだ、
予算
の繰越しもできるようになりました。だからその分は幾らでも翌
年度
に自由に使えるからという制度ができたにかかわらず、——これはごく最近の話ですけれども、ほんとうのところまだ十分には改ま
つて
ないのであります。二十五
年度
のごときものは、御
指摘
の
通り
、まことに役所
予算
の弊風を如実に現わしているようなやり方でありまして、私どもは何とかしてこういう点は改めて行きたい。この根本的な原因はやはり
予算
制度について
年度
繰越しとかそういう点を脱却しなければならない。これは
公社
になると非常にやりよくなりますので、だんだん気持はなくな
つて
乗るのじやないかというふうに考えるのでございます。
吉田賢一
79
○
吉田
(賢)
委員
経理
局長の率直な
説明
には私ども愉快に思います。これは、次の行に
建設
勘定の
工事
直接費支弁は例月平均五億七千万円であるのに、二十六年三月の
支出
額は四十五億、まさにこの四十五億は年間
支出
額百八億の四二%に達する
状況
で、実に盛んなことはなはだしいといわなければならぬ。これは同趣旨と思いますので、この点役所の
予算
というものの弊害の現われという御
説明
でありますならば、まことに珍重な御発言と思います。そこで前にもどりまして、二十七
年度
年度
末の当期利益金というものは資料によれば二十億七千八百万円とありますけれども、これは七月末になると現実には
数字
は相当動いて来て、あるいは三十億円の利益になるかあるいはもつと減るかわからぬということにも考えていいのでしようか、
ちよ
つとそれだけ伺
つて
おきます。
秋草篤二
80
○秋草
説明
員 一、二億の誤差は生ずるかと思いますが、その
程度
でございます。
吉田賢一
81
○
吉田
(賢)
委員
ついでにこの際、
電話
料電信料の値上げについてすでに
予算
措置も講じているようなことを聞いておりますが、他の
委員会
においてはすでに審査しているらしいのですが、その割合と根拠について、ごく要点だけでいいから御
説明
願
つて
おきたいと思います。
梶井剛
82
○梶井
説明
員 今度の料金値上げは増収率が二割五分ということにな
つて
おります。その増収によ
つて
得るところの
金額
が平年つまり二十九
年度
におきましては約百九十億になります。その料金値上げの根拠と申しますのは減損償却が現在二十四年六月の物価指数をも
つて
されております。そのためにこれを二十六年三月の物価指数に直しますと二十二億償却が不足にな
つて
おります。それから終戦後償却が十分にされない時代がありまして、その不足を補うためには約二百六十三億の償却をしなければなりません。その分の一年分といたしまして二十七億の償却不足を計上しております。あとの残額は
建設
改良費に向けられるのであります。そのうち改良費が大体七割で
建設
費が三割であります。改良費は御
承知
の
通り
に現在の
施設
がみな相当に行き詰ま
つて
おります。でありますからその行き詰ま
つて
おりますものを打開するために、当然新しい方式に直さなければなりません。これは新しい
加入者
を入れるためではなくて、その行き詰まりを打開するために新しい方式に切りかえるのでありますから、これは改良費として支弁されなければなりません。あとの
建設
費に振り向けられておりますものは、これは本来今日の
公社
の財源といたしまして、社債を相当
金額
募集することにな
つて
おります。社債は二十八
年度
におきましては
一般
公募が七十五億であります。
加入者
負担
の社債が約四十八億であります。その社債は大体五年間すえ置きまして、そうして六年目から償還しなければなりません。その償還するのにば、本来言えばこれは積み立てておかなければならぬのでありますが、しかしその
金額
をとりあえず
建設
の方に向けて拡張して行くというのでありまして、六年目からはその
金額
によ
つて
償還して行くという考えであります。そういう根拠から値上げ率を大体出したのであります。
吉田賢一
83
○
吉田
(賢)
委員
もう一点。お尋ねをするのに
ちよ
つと落したのでありますが、
会計検査院
で
不正行為
と
指摘
いたしました以外の不当な
予算執行
につきまして、
一般
的に
公社
としては何らかの糾弾をする方法は講じて来られたかどうか。及び電気通信の
特別会計
時代においてそういう場合は何らかの対策措置を講じたかどうか。この点についてひとつ聞いておきたい。
梶井剛
84
○梶井
説明
員 ただいま御
指摘
の点につきましては
電気通信省時代
にそれぞれ処置をいたしたようであります。罪の重いものに対しましては
懲戒処分
にいたしました。また弁償を命じたものもございます。また休職にいたしたものもございます。また減俸にいたしたものもございます。それぞれその
程度
によりまして処置はされたようであります。
公社
になりましてからさような事件が絶無とは言いかねております。多少小さい問題があります。それに対しましては同様われわれは懲戒免職の措置を講じております。
吉田賢一
85
○
吉田
(賢)
委員
私の聞いておりますのはいわゆる
不正行為
とされる問題じやなしに、
検査
院の
不正行為
というのは検察庁において起訴された
案件
のみに限
つて
いるらしいのでありますが、そうじやなしに、起訴される起訴されないという、そういう検察庁の調査の対象にな
つた
問題以外の、やはり
予算
経費
の面から見て非常にむだをや
つた
、あるいは先のごとくに当然
競争入札
で購入しなければならぬものをそうじやなしに
随意契約
で買うて、事実上国家に損害を加えられておる、こうい
つた
ことですが、こういうように経済的に国に事実上の損害が加えられておるというような場合、それぞれ何らかの措置を講ずるようにして来たのですかどうか、こういう問いなんです。これは
物件
だけに限りません。あるいは労務におきましても、あるいは
工事
におきましても、
架空
名義
等々の
指摘
におきましても、七三四号ないし財務諸表等に至りまするまで、全体を通じての私の
質疑
なのです。
秋草篤二
86
○秋草
説明
員 御説のように、不正事件につきましては当然の話であ
つて
、不正でない不当事項でございますが、これにつきましても、プリントにもございます
通り
、
契約
がまずか
つた
とか、高い物を
買つた
とかいうもの、あるいは
工事
の実施段階において不手ぎわであ
つた
、そういうようなものにつきましても、それぞれ従来の官庁においてはその分に応じた
懲戒処分
は必ず
行つて
おるのであります。ただたまたま二十五
年度
のこの事項に関する分につきましては、講和が発効しまして大赦令が出ましたので、全部実際上の行政
処分
をしなくてもいいということになりましたので、実際上された人も刑期から免除されましたし、またしようと思
つて
お
つた
手続中の者も全部解除にな
つたの
でございます。昔の電通省時代におきましても、こうした特別な恩典がない場合は、当然不正でなくとも
契約
担当官、
支出官
あるいは
工事
をする者の不手ぎわ、不当についても、それぞれ一番軽いので注意、訓告、戒告というようなものが伴
つたの
であります。
吉田賢一
87
○
吉田
(賢)
委員
今の点は、注意とか戒告とか訓告とか減俸とか免職とかいろいろな段階のものがあるようですが、
物件
とか
工事
とかその他の行為とかいう事項につきましても、一々そういう審査の対象にされたというのですか。
秋草篤二
88
○秋草
説明
員 そうであります。
吉田賢一
89
○
吉田
(賢)
委員
それはどの範囲ですか。たとえばそういう場合には当該行為者に限るのですか。あるいは相当
責任
は上の方まで行くということになすべきやいなやまで協議するのですか。大臣はそういうことに関与するのですか。そういう辺が相当明らかにな
つて
来ないと、この
予算
濫費の
関係
は末端の者だけというのでは、私は不公平になる危険があると思う。いわゆる広い意味において処罰するかいなやは別といたしまして、少くとも審査の対象といたしましては、方針が誤
つて
お
つたの
ではないだろうか、制度に欠陥があ
つたの
ではないだろうか、あるいはその他に原因があるのではないだろうかということを究明しなければいけないと思いまするが、そういうふうに広くその対象を審査することにな
つたの
でしようか。もつともそういうことをわれわれ考えて行きますと、たとえば
電気通信省
なら
電気通信省内部
において、そういうような制度ができておるかどうかも問題と思うのですが、ただ
支出
責任
者である末端の者が対象にな
つた
ということになるのでしようか。もつと広い範囲で、省議にもかけなければならぬというようなことまでもなさ
つたの
だろうかどうか、その辺をなお念のために伺
つて
おきたいと思います。これで終ります。
秋草篤二
90
○秋草
説明
員 お答え申し上げます。
決算委員会
にはあるいはお届けしなか
つた
と思いますが、従来
検査
院から、必ず
検査報告
に伴
つて
、私ども電通省で
処分
一覧表というものの提出を求められたのであります。これは必ず出しておりまして、不正でなくても、そういうふうなものは必ずや
つて
おりました。それから、どういう形でそういう
処分
をするかと申しますと、特に省議のほかに懲戒
委員会
というものを設けまして、そして
検査
院の
指摘
事項に対する判断の度合を勘案しまして、それぞれに応じた
処分
をしたのでございます。
柴田義男
91
○
柴田委員長代理
質疑
はほかにございませんでしようか。——以上で
電気通信省所管
事案の
審議
は一応終了いたしました。 次に
参考人招致
の点をお諮りいたします。次回に
審議
予定
であります大蔵省所管、
検査
報告番号
四二(九十ページ)の、いわゆる虎ノ門小公園に関しまして、参考人として本件に
関係
ある
責任
者全部の出席を求めることをお諮りいたしておきました次第でありますが、この際その人選につき決定いたしておきたいと存じます。すなわち東京都知事
安井
誠一郎君、東京都
建設
局長滝尾達也君、東京都
建設
局公園緑地部長花房利市君、ニユーエンパイヤモーター株式
会社
社長吉岡照義君、以上四名を本件の参考人として
指名
するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
柴田義男
92
○
柴田委員長代理
御異議なしと認めさよう決定いたします。なお
参考人招致
の日時は来る二十四日(水曜日)の午後一時とし、参考人への
連絡
等は
委員長
に御任願います。 次に、時間も大分経過いたしましたが、次回に当該
関係
者から直接事情を聴取するための便宜上、第十五国会における本件の
審議
状況
並びに事実の概要について、
説明
を予備的に聴取いたしておく必要があろうと思いますので、この際専門員からその
説明
を求めたいと思いますが、
出席者
が少いのでございますが、いかがいたしましようか。 〔「この次がいい」と呼ぶ者あり〕
柴田義男
93
○
柴田委員長代理
それでは二十四日に
説明
していただくことにとりはからいます。 本日はこの
程度
とし、次回は明後二十四日水曜日午後一時から、
大蔵省所管物件
中一四二号(九十ページ)について
審議
いたします。 これにて散会いたします。 午後四時十分散会