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1953-08-01 第16回国会 衆議院 議院運営委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月一日(土曜日)     午後四時五分開議  出席委員    委員長 菅家 喜六君    理事 坪川 信三君 理事 椎熊 三郎君    理事 正木  清君 理事 土井 直作君    理事 加藤常太郎君 理事 荒舩清十郎君       生田 宏一君    今村 忠助君       尾関 義一君    田嶋 好文君       田中  元君    田渕 光一君       三和 精一君    山中 貞則君       山田 彌一君    渡邊 良夫君       小泉 純也君    佐藤 芳男君       園田  直君    長谷川四郎君       淡谷 悠藏君    井手 以誠君       島上善五郎君    山本 幸一君       池田 禎治君    松井 政吉君       山下 榮二君    山村新治郎君       中村 英男君  委員外出席者         議     長 堤 康次郎君         副  議  長 原   彪君         事 務 総 長 大池  眞君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  七月三十一日の本会議議事に関し堤議長より  説明聴取決議案取扱いの件  本日の本会議議事に関する件     ―――――――――――――
  2. 菅家喜六

    菅家委員長 これより議院運営委員会開会いたします。  まず協議事項に入る前に、議長に対して質問通告がありますので、これを許すことにいたします。
  3. 山本幸一

    山本(幸)委員 この際、議長ちよつとお尋ねいたしたいのですが、御承知のように、われわれは今国会の冒頭に議長、副議長に対して、あなた方を選挙するときは、国会を民主的に運営していただこう、こういうことを前提にして、あなた方を信頼して選挙いたしたのであります。ところが、昨夜のあの議長のとられた運営の仕方については、私ども実は非常な意外の感に打たれたのであります。従つて、私どもが選んだ当初の目標とは、非常に違つて来たような結果を持つて来ました。私はそういうようなことを考えましたので、この際ひとつ議長に対して二、三点、議長のお考え方についてお伺いいたしたいと思うわけです。  まず第一にお伺いする点は、これはいろいろ規則、法規上の関係があつておやりになつたことと思いますけれども、昨夜の本会議は、私の記憶では、振鈴が鳴り終らぬうちに議長開会を宣せられたと考えております。これは絶対間違いないというのは、私は振鈴が鳴り終らぬうちに入つて、しかも扉を入ると、すぐあなたが開会を宣せられた。そのときはまだ振鈴が鳴つておる最中であります。そういうことは、議長として一体どういう考え方で、いつもに似合わず、さようにあわてて開会を宣せられたのか。その点をまずお尋ねいたしたい。
  4. 堤康次郎

    堤議長 きのう特にあわてたというわけではありません。いつもと同じコースで、少しもかわつておりません。いつもは……(「うそを言うな」「その通りだ」と呼ぶ者あり)よく聞いてください。いつもは、定数に足りないものだから長らく待たなければならぬが、昨日のは、定数にすみやかに充足いたしましたがゆえに、私は始めたのであります。特にきのうに限つてということではなく、いつもと少しもかわらないコースであります。しかし振鈴終つていたか、いないかということは、私には記憶がありませんが、ただ定足数に足りたから始めた、こういうことでございます。
  5. 山本幸一

    山本(幸)委員 質問を継続いたします。議長のお説では、いつもと一緒だというお言葉でございますが、私の入つたときには、野党はどなたも入つておられぬが、自由党方々はほとんど入つておられた。あるいは、ほとんどに近い方が入つておられたと私は見たような感じがいたしますが、野党は私が入つたときは入つておらぬ。この点を記憶いたしております。もちろん一人もとは申しませんが、おおむね入つておられぬ現状つたことは間違いないわけです。従つて私は、かりにいつもの通り手続でおやりになつたといたしましても、やはり常識上、しかも議会運営を円滑にやるという建前から参りますならば、少くとも各党が入つて来るのをお待ちになる、しかも振鈴終つておらぬときですから、徳義上、そうするのが当然だと思う。またそれがなければ、今後の議会運営を民主的に行うことはできないと思つております。議長開会を宣せられる当時、各党が入つてつたかどうかという点の御記憶をひとつ伺いたいと思います。
  6. 堤康次郎

    堤議長 そのときには自由党の人もたくさん入つておられました。改進党もたくさん入つておられました。社会党左派の人もたくさん入つておられました。社会党の右派を鳩山自由党の方も何人かよくわかりませんが、相当の人が入つておられました。私は、振鈴が鳴れば、もつとすぐに入つてもらいたいということを常に念願しておりまして、私は振鈴が鳴ると、ちよつと皆さんがあの議場に入る時間をかげんをしまして、もうこれで入る時間だなというときに私は入ります。きのうは、ちつともかわつておりません。
  7. 菅家喜六

    菅家委員長 まだありますか。
  8. 山本幸一

    山本(幸)委員 まだ三、四点あります。私は、ただちにこれをもつて責任を追究するという考え方で言つておるわけじやないのです。ただ、私ども今までの慣習常識から参りまして、大体は、振鈴終つてから開会せられるのがおおむねの常識だと思つておりますから、その点を申し上げたのであります。さらに各党は、自由党を除いておおむね入つておらぬと申し上げましたが、その中で、特に分自党方々は、私の記憶では一人だけだと思つております。分自党方々は、ほとんどおられなかつた。私はそれ以上は議論しようとも思いません。おのずから明らかになることですから論じませんが、その点をひとつ記憶いただきたいと思います。  その次に、もう一つお尋ねいたしたいことは、御承知のように、議長が何か発議、発言せられるような御様子でございました。そのとき私は、かねがね議長意思であるかどうか存じません、あるいは議長が他の者からそういう入れ知恵をされたかもしれぬ。(「失礼なことを言うな」と呼ぶ者あり)失礼じやないのです。私は想定して言つておるのですから、その点どうだかわかりませんが、少くともそういうような考え方で行けば、何か私は陰謀があるかのごとく感じられたわけです。そこで議長開会を宣せられると同時に、私は御承知のようにかけ上つて議長不信任案をお出ししたわけです。そのとき議長は、もちろん発言中であつたことは私は記憶いたしております。その発言が何をなさつてつたか存じません。何をされておつたか、私は全然そばにおつてわからなかつたわけですが、私がお出しした不信任案について、議長はこれをお受取りになつたかどうか。お受取りになつたならば、そういう取扱いはどうせられると思われたのかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  9. 堤康次郎

    堤議長 何か陰謀をといつて陰謀などというものは全然ありません。入れ知恵がよしんばありましても、一度私の頭で消化して、私の意見として出したのでありますから、その点御心配のないように……。それで書類でございますが、それは私が、開会を宣します、お諮りいたしますといつて発言をいたしましたときに、大勢壇上にかけ上つて来られまして、そうして事務総長から、議長不信任何々――議長不信任までは聞えましたが、そのあとのことは何のことだかよく私はわかりませんでした。そこで私は予定通りに、自分がちやんと書いて行つておりましたから、その通りを読んで、そうして別に発言通告がありませんから、いつものように起立に問うて、定足数に満ち、多数の起立があると認めて、そこで可決の宣告をいたしました。そうして散会をしたのであります。ちつともそうかわつておりません。
  10. 山本幸一

    山本(幸)委員 堤議長態度は、まことにりつぱでした入れ知恵があろうと、陰謀があろうと、われ関せずという態度は、私はまことにりつぱだと思う。その点はりつぱであると思いますが、そこで今議長が言われたように、そのときは議場騒然としておつたことだけは事実でございましたね。私自身ですら、議長発言がさつぱり何だかわからぬ。お前はのぼせておつたからだと言われるかもしれませんが、さつぱりわかりませんでした。私は、そういう当時の情勢から考えるときに、議長がどんな案件を取扱つておられるのか、私ですらわからぬのですから、まして議席におられる諸君は、ほとんどわからぬ方が多かつたと思います。ところが与党の人は、私の主観で行けば、もし陰謀があつたとするなら、かねがねから議長が何の発言をしようと、口まねだけしようと、音がしようとしまいと、予定態度をおとりになつてつたことだと思うわけです。少くとも私はそばにおつてわからなかつたが、私以外の各野党諸君は、議長発言内容はさつぱりわからぬ。どんな案件を取上げておられるか、さつぱりわからぬ従つて議員としては、それに対する態度の表明はおのずからできない。私は、そういう情勢の中で、何をせられるのか知らぬけれども、突然自由党を中心にして皆さんがお立ちになり、議長はそそくさとどこかへ行かれてしまつた。こういうことが、はたして正しい議会運営であるかどうか。この点は、議長りつぱな方ですから、ぜひひとつ正直にそのお腹を言つていただきたいと思います。
  11. 堤康次郎

    堤議長 そそくさと、ということでございまするが、ありように申し上げます。私は、三十年来箱根神社信徒総代として、昨晩は宵祭りであるから、どんなにおそくても行かなければならぬというので、途中まで行つて、そうして事務総長電話をかけて、きようはちよつと行くのは不穏当だと思つたから、そこから引返して家へ帰りました。これは、三十年一度も欠かさないという慣習従つて神社に参拝をしようとした。そそくさとやつたわけでもありません。幾分議事を急いで解決したいという気持はありましたよ。しかし私は、たんたんと処理したつもりでおります。
  12. 山本幸一

    山本(幸)委員 もう一つそれと関連してお聞きしたいのですが、今私が申し上げたような情勢の中で、議長が姿を消されたわけです。そこで議長も御承知のように、衆議院規則の百五十条によりますと、こういうことが書いてあるわけです。「議長表決を採ろうとするときは、表決に付する問題を宣告しなければならない。」と、かようになつておりますね。衆議院規則百五十条は、もう一ぺん申し上げますが、「議長表決を採ろうとするときは、表決に付する問題を宣告しなければならない。」こういうように明らかになつております。要するに、表決を採ろうとするときには、表決に付する問題を宣告しなければならぬと、衆議院規則では明らかにいたしておりますけれども、昨夜の、今申し上げた状況騒然としておつて、私ですらも、あなたのそばにおつた私ですらも聞き取れなかつたのでありますから、従つて各党議員諸君は、ほとんど何もわからないという状況です。そういうような状況でありましたならば、おのずから、私は何を発言せられたか知らぬが、発言せられた結果が明らかにせられるような議長態度がなければならぬと私は考えておるわけです。従つて、私どもはそういう見地に立つて、昨夜のやり方は、あれはどうも合法性を欠いておるとしか考えられぬ。従つてどもは、あれはまつたく無効であるという考え方を持つておりますが、議長は、一体この百五十条に対してどういう解釈をお持ちになつておるのか、御説明を承りたいと思います。
  13. 堤康次郎

    堤議長 それはその通りつたのです。ただマイクを何者かに切られていた。それで徹底しなかつたそうでありますが、それは私には、切られておるか、切られていないかがわからない。それは不可抗力であります。私は正当に宣言をして、そうして採決をいたしました。別に不審はないと思つております。
  14. 菅家喜六

    菅家委員長 はなはだ皆さん恐れ入りますが……。(「まだ質問が残つておる」と呼び、その他発言する者あり)おやりになるのはいいのですが、あとの方もありますから……。それではなるべく簡潔に……。
  15. 山本幸一

    山本(幸)委員 その次に私がお尋ねいたしたいことは、私どもは、実は昨日の議院運営委員会におきまして……。     〔発言する者あり〕
  16. 菅家喜六

    菅家委員長 静粛に願います。静粛に。今発言中でありますから静粛に願います。(「衆議院規則通りつておるのじやないか」そんなことを論ずる必要はない」と呼び、その他発言する者あり)発言中でありますから静粛に願います。田渕君、発言中であります。どうか御静粛に願います。
  17. 山本幸一

    山本(幸)委員 もう一、二点お尋ねいたします。私どもは、昨日この運営委員会で、不信任等の問題が出た場合には、これは当然院の構成上に関する問題ですから、私ども観点からは、これを先議していただきたいということを強調したわけです。ところが多数で押し切られて、それはだめだということになつたわけでございますが、しかし私は、少くとも議長不信任案を私みずからが持つて行つてお出ししたわけです。それを事務総長がいかようなことを言われたか、これも私ははつきりわかりませんが、どうもそのときの事務総長態度に、私ども非常な不満があるわけです。そこで、こういう不信任案が出たことは事実で、事務総長があなたの目の前で見せたことだけは私は見ておりますが、そういうものを、ごらんになつても、議長はそのときには採決をとられるような様子もなかつたわけです。発言内容はわかりまんが、採決をとられるような様子もなかつた。その前に、あなたは不信任案ごらんになつたのですから、おのずから私は、不信任案が出れば、議長議長席に着いておられることはいけないことだと思う。なぜその問題を先に取上げてやらなかつたのか、そういう点をひとつ議長に、議長良心によつてお尋ねいたしたいと思います。     〔「答弁の必要なし」と呼び、その他発言する者あり〕
  18. 堤康次郎

    堤議長 どうかひとつ、私はありのままをたんたんと申し上げますから、皆さん、ひとつ静かに聞いていただきたいと思います。もうありのままを、ありのままに言うのだから、何とも思つていない。不信任案が出たということは、私の頭には入つておりません。それは不信任案という以上は、文書をもつて成規手続を経て提出せられるものと私は思つております。ただ議長不信任議長不信任と大勢かけよつて来られたのは、私はただ、議長はだめだとか、不信任だとかいう言葉の一種だと思つたので、成規手続を経た不信任案提出されたとは私は承知いたしません。御存じの通りのあの雑沓の中でありますから、よほど頭のよい者でなければ、それはわからないと思います。いわんや私には、それが議長不信任案だという頭はありません。事務総長は、あとから聞きますと、その通り言われたそうですけれども、あの雑沓の中ですから、私はそれが頭に入つていない。だから、別にそれを先議しなければならぬものだ――私の長い間の議会生活で、議会構成上、不信任問題というのは重大なことでありますから、そういうものが出れば、まずそれを先議するということの常識は持つております。しかしあの場合には、成規手続を経た不信任案提出されたとは、私の頭には入つておりません。これはもう私の良心に銘じて、偽らざるその通り心境であります。
  19. 菅家喜六

    菅家委員長 まだありますか。
  20. 山本幸一

    山本(幸)委員 あります。この問題に関連して、この点は重要ですから明らかにしておきます。
  21. 菅家喜六

    菅家委員長 次の発言者もありますから、どうか簡潔に……。
  22. 山本幸一

    山本(幸)委員 今、堤議長の応対では、自分は先議すべきだと思う、こういうことを明らかに実証せられたわけです。ところが、成規手続であつたかどうかは自分記憶がないとおつしやつた。私の方は、少くとも皆さんが演壇に上られる前に、文書をもつて事務総長を通じて議長に渡しておるわけです。私の目の前で、事務総長議長に出しておることも私は見ております。従つて成規手続でないとは言えないと思う。もしそれを確認していないとすれば、事務総長の怠慢か、議長が意識的になさらなかつたのか、どちらかだとしか考えられない。従つて私は、事務総長にそのときの現状を御説明いただきたいと思います。
  23. 堤康次郎

    堤議長 それは事務総長が申し上げるより、私の方がよけいはつきりすると思います。それは私が、これより開会いたします、お諮りいたしますといつて会期延長の問題を私は議場に提議したのです。提議する以前に、さような成規手続をもつて書類提出せられたということは断じてありません。
  24. 大池眞

    大池事務総長 山本委員から、事務総長にそのときの状態を説明せよ、こういうお話でありますので、そのままを申し上げます。ただいま議長お話通り開会宣告いたしまして、その開会宣告の前に、最初、お諮りいたしますということを一番最初に言われたので、まだ開会をしておられませんということを申し上げたところが、そうだ、ということでやり直しまして、開会宣告して、お諮りいたしますということで議長発言内容に入つた際に、山本さん、ほかにもう一方、名前は存じませんが、お二人が上つて来られて、成規手続をとつた不信任案提出されたことは事実であります。従いまして、成規手続議長不信任案文書で届けられた旨を申し上げまして、それが提出されましたということを申し上げましたが、ただいま議長のおつしやる通り議長はすでにお諮りいたしますということで、宣告する際でございまして、議長には私の申し上げた意味が十分徹底せずに、諮るべき問題を諮つてしまつた。その諮ることは、議運で決定された通りのことを諮つてしまつたということでございまして、一応実情だけを申し上げておきます。
  25. 山本幸一

    山本(幸)委員 あなたは、私の申し上げたことが不徹底だとおつしやつたのだが……。
  26. 大池眞

    大池事務総長 不徹底だとは言つておりません。
  27. 山本幸一

    山本(幸)委員 議長に徹底しないと言つた事務総長の言つたことが議長に徹底しなかつたと思われると言つたが、あなたは徹底されるような意思があつたのですか。
  28. 大池眞

    大池事務総長 それは私は、その不信任案提出されたことは議長に申し上げなければならないので、事前不信任案が出ておれば、その不信任案取扱いは、当然まず議運にお諮りして、いつこれをやるのかということで当然やつておりますけれども、それは事前に出た場合で、本議場で直接出たものについては、後刻どうするならどうする、あるいはこの場合すぐ取上げるなら取上げるという問題は、議長さんがおきめにならなければならぬ。出たものを私だけで握つておくわけには行きません。そこで、これが出たことを御報告申し上げたのでありますが、御報告申し上げたときには、議長さんはお諮りをして、議題に入つてつたのでありまして、その際は私は御報告するほかありません。
  29. 山本幸一

    山本(幸)委員 私のとつた手続は、私みずからやつたのですから、ただいまから開会いたしますと言つたとき、すぐ出したことは間違いありません。それは間違いないんです。それをそうでないと強弁せられるなら、そこで私は議長にさらにお尋ねしたい。議長が昨夜、時刻の記憶はありませんが、辞表提出せられたわけですね。事務総長に対しまして辞表提出せられた。そこでその辞表提出せられたが、またいつの間にかそれが撤回されておると私どもは伺つておるのです。そこで議長辞表提出せられたときの心境は、これは私ども観点からすれば、どうもあの運営のしぶりが不手ぎわで、不公平で、独裁的で、こういう点に議長さんが反省せられて、これはいかぬというので辞表提出せられたと私は思つておるわけです。そこで、その辞表を撤回せられたわけですが、その間のいきさつを伺いたい。(「そんなもの必要ない」と呼ぶ者あり)同時に、私がもう一つこれと関連して申し上げたいことは、事務総長は副議長に対して、ただいま議長から辞表提出になつた――私の聞き違いかどうか知りませんが、提出になつた、そこでその辞表は、自分が預かつておるがと、こういう報告をしておる過程に、議長から何か電話がかかつて行かれた。こういう経過を私は伺つておるわけです。その間、どうも臭いところがある、そういうふうに感ぜられる。従つて、あなたからその当時の状況をお聞きしたいと同時に、事務総長からもう一ぺん、そのときの模様を詳細に御説明いただきたいと思います。
  30. 椎熊三郎

    椎熊委員 議事進行に関して発言を求めます。議院運営委員会は、本会議運営を主としてやる会議であります。本日は会期延長までして、国家非常の際、重大なる案件を解決したいという念願で、この運営委員会は正規に開かれております。一刻も早く本会議を開いて、日程に従つて慎重なる審議を開始するというのが私どもの務めでありますので、昨夜以来起りました議長の一個人の身辺に関する内輪の話などをこの際議論せられることは、私どもにとりましては迷惑しごくでございます。なお、本日は劈頭に議長不信任決議案等も出ますので、それらの問題に関する質疑、その他討論は堂々本会議でできる問題であります。われわれはその案の内容に立ち入つて審議するの権限を持ちません。従つて国会運営上の軌道に乗つた審議を正式な形において進められんことを希望いたします。     〔「議争進行について」と呼び、その他発言する者多し〕
  31. 菅家喜六

    菅家委員長 お待ちください。まだ発言を許しておりません。発言通告もありますから、今お諮りいたします。ちよつとお待ちください。  ただいま議事進行について椎熊委員より御発言がありましたが、御承知のごとく、本日の協議事項はまことに重大なる案件がたくさんあります。先ほど来の山本君の御質問は、すでに質疑内容が尽きておると思います。従いまして、従来の運営の方針に従つて協議事項を主として協議をいただきまして、その後において時間がありますならば、先ほど質問を伺いたいと思います。ただ先刻から発言しておられますので、さらに一人だけ、これについての質問を許しまして、ただちに協議事項に入ることにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議ないという多数の御意見でございますから、それでは山村君に発言を許します。
  33. 山村新治郎

    山村委員 私どもは、この国会運営が、なるべくなごやかに進行されるようにということを希望して、昨日来行動をとつて参つたのでありますが、今椎熊君から議事進行についての御発言がありました。これは練達の椎熊君の御発言としては受取りかねるものがあります。というのは、この運営委員会は、本会議の問題を議するのだからという前提のもとにあなたは話されたが、院の構成に重大な関係のある議長辞表を出された、出されないという問題を、ここで取上げないでどこで取上げるのですか。ほんとうはこれは……。     〔発言する者あり〕
  34. 菅家喜六

    菅家委員長 委員外の者の発言を禁じます。これ以上発言されれば退場を命じます。
  35. 山村新治郎

    山村委員 従つて、私は二点だけ伺いたいと思います。先ほどからの議長答弁を聞いておりますと、しごくあたりまえのことを、あたりまえにやつてつたのだというような御答弁があつたわけであります。これにつけ加えられて議長は、長年の問議会の体験を持つところの自分であるから、そのことは十分わきまえて行動をとつたということをつけ加えられておるのであります。その点から思いますとき、きのうの会期延長の問題が、与野党間においては相当の大きな問題になつておるということは、おおうべくもない事実であります。そのとき、各党方々が完全に席に着いたか、着かないかを見きわめないで、すぐ一方的に宣告をくだすようなことが、はたして不当な問題であるか、ないかということは天下周知のことで、何人も不当なりと断じておると私は思う。ことに卒直に言いますならば、われわれいわゆる三階組の連中から見ますと、ベルが鳴つてさつそく部屋を出て行くと、階段の降り口のところで喚声があがつた。そのときには、もう会議終つてしまつておるのであります。こういう点、今までのように、今までの普通のことをやつてつたのだというようにあなたがおつしやられるということは、今後の会議運営からいつても、非常に問題だろうと思います。従つてあなたとしては、おそらくこれはほんように良心があられる立場から、あなたの御良心は確かに無理をやつたということをお感じになつておるはずだと思います。この無理をやつたというお感じが、あなたが辞表提出せられた根本の、良心の命令ではなかつたかと私は思うのであります。従いまして、私ども特に三階のものからいたしますならば、今後のこともありますから、きのうのことは確かに違法であるかいなかは別にいたしましても、少し不当であつたということは、議長それ自身から卒直に認められるのがよいのではないかと思うのであります。なお、先ほど山本さんの御質問の間に、辞表を出されたことについてのいきさつ等について御質問がありましたが、これは関係ないといつて委員長からこれに対する答弁をはばまれておるようでございます。事実におきまして、きのう議長がお帰りになつたあとにおきまして、副議長さんはあなたの辞表を一応受取られて、副議長の権限において、一応会議を開こうかという御決意までなさつた模様でございます。それがいつの間にか辞表が撤回されたということで、そのためにわれわれは十二時までおつたのでありますが、会議が開かれないで、そのままになつたのでございまして、非常にその間のことは、今後の会議運営をなめらかにするためにも、私は与党の皆さんの立場からいつても、はつきりさしておくことがいいのではないかと思うのであります。特にあなたが辞表提出され、また撤回されたことにつきましては、大部分の方が知らないうちに行われておるようでございますし、特に奇怪しごくなことは、この辞表を持たれた大池事務総長が、どこに行つたかわけがわからぬ、行方不明になつたというようなことは、今後の議会運営のために、最も公平であるべき事務総長の立場としては、いささか遺憾の点があると言わざるを得ないのであります。そういう点から、差迫つて重要問題がたくさんありますが、与党の皆さん方のお考えのごとく会期延長されておるのでありますから、その点から行きまして、この問題は今後のこともありますから、決していいかげんでなく、ぜひともその真相を発表せられて、できることならばなめらかに、話合いのうちに議事運営されんことを希望いたします。
  36. 菅家喜六

    菅家委員長 山村君は質問でなく、委員長にそういう注意を促すということでございます。委員長は了承いたしました。議長の方におきまして……。(「必要なし」と呼び、その他発言する者あり)お静かに願います。議長の方においては御答弁がありません。
  37. 堤康次郎

    堤議長 いや、ちよつと答弁いたします。
  38. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは堤議長
  39. 堤康次郎

    堤議長 それは、私はきのうの会議の責任を感じて辞表を出したのではありません。開会のベルが鳴ると、私は最も早く出まして、定足数に達するのを待つておりまして、定足数に達すれば議事を始めるのであります。しかし、きのうのは重大な問題でありまするから、もう少し長く待つておればよかつたのでありまするが、幾分早く、私もこの大問題を国民仰望の大問題と思いましたから、きようは、会期の終らぬうちにこれを議了したいという気持で、幾分待つ時間が少かつたかもしれません。しかしながら、大体においてどの程度まで待てばどのくらいの人が入るかという認定はなかなかむずかしいものでありまして、そのときに私は、なるべく急ぎたいという心境で、定足数をはるかに超過したから始めたという気持は、ひとつ御了承を願いたいと思います。  それから事務総長の行方不明ということでございますが、事務総長は、私のうちにそれを持つて来てくれという私の電話によつて来られたので、決して行方不明でも何でもありません。隠れたことも何もない。正々堂々とやつておるのであります。ふしぎなことはございません。
  40. 山村新治郎

    山村委員 辞表を出された理由は、今議長が言われました通り議長御自身が、きのうは少し早過ぎたかもしれないということをあなたはお認めになつておるようです。ところが、それが理由ではないという御説明がありましたが、しからばいかなる理由によつて辞表を出されたか。     〔「必要なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 菅家喜六

    菅家委員長 議長から御答弁がありません。  それでは協議事項に移ります。(「事務総長答弁」と呼び、その他発言する者あり)一度に発言されても、やかましくて聞えません。そういたしますと、私は正規によつて進めるよりほかないのであります。(発言する者あり)委員外発言をするとは何ですか。委員外発言する人があれば退場を命じます。(発言する者多し)土井君に発言を許しました。(「灰ざらをしまへ」「灰ざらを返せ」と呼び、その他発言する者あり)土井君に発言を許しました。
  42. 土井直作

    ○土井委員 静粛にしてください。
  43. 菅家喜六

    菅家委員長 静粛に願います。
  44. 土井直作

    ○土井委員 先ほど来から、昨日行われました会議の問題についていろいろと質疑がございました。私は年来、国会においていわゆる与野党の、何といいますか、戦略的な面でいろいろかけひき上やられるといつたことは、これは万々承知をしておりますが、この際議長に端的にお聞きしたいと思いますことは、一体昨日のような会議の進め方というものは、これでよいかどうかということについて端的にひとつ答弁を願いたい。ああいうやり方がよいのかどうか、これを議長からひとつ答弁を願いたい。
  45. 堤康次郎

    堤議長 昨日のあの問題を、ああいう経路によつて、すなわち六時から成規手続でやるというのを、なるべくは円満に運行したいというので、各派の対策委員長の御会合を願つたり、各党に私が出向いて説得したりいたしまして、非常に努力をしたのであります。ところが、最後にそれが不調に終りましたので、幾分自分の責任もあるから、早くしなければいかぬなという気持が相当あつたでありましようが、しかしこれは、あの場合ああいうときにはやむを得ないことだと思つております。私はそれに対して責任は感じておりません。ただ将来の問題で、なるべくやめたいという気持を持つたことは事実であります。
  46. 土井直作

    ○土井委員 なお、お尋ねいたしますが、議長は昨日のような議事運営の仕方というものについて、必ずしもよいことではなかつたというようなお言葉を今述べられておりまするが、議長として、将来また昨晩のような事態が生ずる場合に、再びああいうような処置をとられるような意思がおありであるかどうか、この点について伺つておきたいと思います。(「同じケースのものは起らない」と呼ぶ者あり)これは議長不信任案と関係があるのでありますから……。
  47. 堤康次郎

    堤議長 土井さんのきわめて妥当なるお尋ねでありますから申し上げますが、将来ああいうことが、同じ事態が来れば、やはりやるでありましようが、それと同じケースのものが起るとも想像できませんから、なるべくそういうことのないようにして行きたい、こういうことでございます。
  48. 土井直作

    ○土井委員 もとより将来同じケースのものが起るとは考えられないのでありますし、また将来について、議長は、そういうようなことに対しては、再びきのうのようなことをやらないといつたような、そういう含みのあるお言葉がございました。これは議長が就任当時において、民主主義国会を守るために最善の努力を尽すと言われた言葉を裏書きしておられると思うのであります。そこで私はさらに議長にお伺いしたいと思いますことは、この点については、議長の一身上の問題でありまするが、重大な議長心境上の関係ではないかと思います。われわれが知る範囲においては、あの散会をいたしましてから後に、議長辞表を書く時間的余地は十分なかつたと推測できるのでありますが、あらかじめ辞表を持つて事に当らなければならなかつたところに、何かそこに含みがあつたのではないかと考えられる。そういう含みがあつた形を前提として会議を進められるということは、これは平和的に、あるいは円満に議事進行することを最初から考えておらなかつたのではないか。この点は、議長心境として一体どうであつたかということを聞いておくことが重要な関係があると思いますので、これは卒直にお答え願えればけつこうだと思います。
  49. 堤康次郎

    堤議長 非常に土井さんのごもつともなお尋ねでありますから卒直に申し上げますが、辞表を預けたのは会議に入る前であります。それは、もう正直に申し上げるが、その通りであります。それは、私は勝間田さんと加藤さんとの御返事は、必ず円満に妥結するものと期待を持つておりました。ところが、もう余すところは三時間に足りない。それに、あらゆる方法をもつて反対をするとおつしやる以上は、私は、なるべく国家の大局から見て延長したいと思つておりましたから、どうも事によると両方の間の意思の疎隔を来すかもしれない、そうすれば、私はもうやめたい、これが偽らざる心境でありまして、会議に入る前に渡しておいたのであります。
  50. 土井直作

    ○土井委員 ただいま、私は非常に重大なことを議長に伺つたのであります。議長は、会期延長することはきわめて重大である、こういうことを前提にしておりまするが、議長は、会議に入る前にすでに辞表を出しておりながら、議長の職権を行使するということは、これは明らかに矛盾ではないかと思われる。少くとも辞表を出しますならば、事前に出したならば、事務総長はただちにこれを副議長に伝達して、議長辞表を出しました、こういうことでなければならない。事務的手続はそうあるべきである。また議長は、自分辞表提出した限りにおいては、議長席に着くということは明らかに矛盾であつて、おそらくそれは、議長会議が終了された後に辞表を出されたものと私は考えたいし、そうでなければならないと思われるのでありまするが、議長さんのお言葉の中には、ちよつとふに落ちないところがあるのであつて、できるならば御訂正を願いたいと思います。
  51. 堤康次郎

    堤議長 土井さんのきわめて含みのある、同情のある御質問で、私は感謝をいたしまするが、しかし、どうもうまく行かぬ場合にはやめなければならぬかもしれぬというので、事前に総長に預けておいたのであります。議場に入る前にあらかじめ預けておいたのであります。まだそのときには、申達してくれと言つたのではありません。ああいうときでありますから、なかなか辞表を書くのでも相当の時間もかかるし、あらかじめ用意しておいた、こういうことであります。
  52. 土井直作

    ○土井委員 私は、議長のお言葉ではありますが、これはぜひ訂正していただきたいと思います。議長の今の御答弁によりまするならば、あらかじめ預けておいたというならば、いつそれを執行してもらいたいというような時間的関係についての御指示が事務総長にあつたかどうか、この点を伺います。
  53. 堤康次郎

    堤議長 それは、あらかじめ用意をしておいたのでありますから、申達するときには、もう一度私はそれを言うつもりでありました。
  54. 土井直作

    ○土井委員 しからば、その後議長は、その申達することについて事務総長に何か申しつけをされましたかどうか、この点をお伺いします。
  55. 堤康次郎

    堤議長 それは、私自身としては、もう一刻も早くやめたいけれども、改進党から推薦せられたのでありますから、改進党総裁にも言わないでこれをやつてしまうということは、これは普通のことではないから、松村君によく了解を求めて、了解が得られたならば出してもらいたい、しかし事重大でありますから、とにかく家に来てもらつてよく相談をしようといつて、うちに来てもらうように、うちから電話をかけた。私が申し上げることは、私は何も未練も野心もないので、ありのままをたんたんと申し上げておるのでありますから、この辺でどうか御了承を願いたいと思います。
  56. 土井直作

    ○土井委員 そこで、議長のきわめて素朴な、偽りないただいまの答弁を聞きましたので、これ以上は、議長の方のお言葉もありますから、私は議長については追究いたしません。そこで事務総長にお伺いしたい。事務総長は、ただいま議長お話によれば、議長は党の幹事長等とも相談して、しかる後に辞職の決意を決定されなければならない、その間事務総長に預けたのだというお言葉でありました。しかるに事務総長は、まだ議長から電話で呼ばれない前に、副議長に、議長辞表提出しておりますということを、いかなる権限といかなる見解によつておやりになつたのか。単に預けてあるものであるならば、まだ明確に出処進退が決定されておらないはずである。しかるにかかわらず、今のお言葉をそのままにわれわれが受取るならば、事務総長は、辞表提出したというのでなくて、辞表を預かつておりまするが、まだ議長辞表提出したということではないという報告ならば、それは私はいいと思いまするけれども、すでに辞表提出いたしましたということを、明らかに副議長にまで申し出ておるはずであります。この点の消息と、その責任の所在、また事務の取扱いを、いかにしてそういう処置をとられたか、この点をお伺いしたい。
  57. 大池眞

    大池事務総長 お答えを申し上げます。議長辞表を私がお預かりをしたことは、議長がただいまお話通りであります。従いまして、議長が正式にこれを提出したということであるならば、その辞表のあて先は、当然副議長になつておるのでありますから、私は議長からその辞表ちようだいすると同時に、何はさておき、構成の重大問題でございますので、副議長の手元に差上げなければならない。従いまして、もしそうであるならば、私はその通りにいたします。ところがただいま議長のおつしやる通り、一応これを預かつておけということでお預かりしたのでありますので、それで私は、副議長あての辞表をそのままふところに入れておつたのであります。そうして会議が終りまして、これを正式に差出してよいかどうかということの指示を議長さんから受けて、その指示のあつたときに、副議長にただちに提出手続をとる覚悟でおつたのでありますが、私は議長の補佐役でもあり、副議長の補佐役でもありますから、議長からお預かりしたことの意味を副議長に申し上げたのであります。それを私は副議長に、議長から辞表を預かつております、こう言つたのか、提出いたされましたと言つたのか、おそらく提出いたされましたと言つたでございましよう。それは提出いたされましたとは言いましても、私の手元に出されておるという意味のことであつて、それが正式の提出であるならば、私は預かつておりません。副議長に差上げます。そのうちに議長から電話で呼ばれたということでございます。もし言葉の言い誤りでありますれば、言い足りなかつた点について、私は副議長にあやまります。
  58. 土井直作

    ○土井委員 まだ割切れない点もありますが、この種の問題をさらに論議するということは、この場合私は適当ではないと思いますので、この程度をもつて、私の質問を打切ります。     ―――――――――――――
  59. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは大体質問も尽きたようでございますので、協議事項に移ることにいたします。先ほど多数の意見によつて決定いたしましたので、時間も大分たつておりますから、協議に移ります。  衆議院議長不信任決議案が勝間田清一君外百三十一名より提出になつております。今日までの議運取扱いは、院の構成に関する重大案件でありますので、この衆議院議長不信任決議案を一番先に日程に載せたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議ないものと認めまして、衆議院議長不信任決議案を上程いたすことにいたします。  次に、保留になつておりました岡崎外務大臣不信任決議案、鈴木茂三郎君外百三十一各提出、この案件を次に上程いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 菅家喜六

    菅家委員長 それではそのように決定いたします。  次に、予算委員長尾崎末吉君解任決議案、これが勝間田清一君外百七十三名より提出されておりますが、これを次の日程に載せることに御異議ありませんか。
  62. 坪川信三

    ○坪川委員 尾崎予算委員長に対しまして不信任案を出されておられます党派の方々にお願いいたしたいと思うのでありますが、尾崎予算委員長は辞意を表明されまして、ただいま手続中であります。従いまして、本案件に対しましては各党間においてお話合いをいただきまして、御撤回をいただけますならば幸いだと思います。
  63. 土井直作

    ○土井委員 私は、ただいまの問題について発言をしようと思つたのではないのでありますが、ただいま坪川君からのお話がありましたので、今ここでそういう事態が起きたから、それをただちに撤回するとかいうようなことを申し上げることは、これは僭越でありますので、提案しております各党と十分相談いたしまして、その問題は後刻御回答するようにしたいと思います。ただ、私が今申し上げようと思つたことは、参議院から回付されております恩給法の一部を改正する法律案の問題は、これは時間的に非常に切迫しておる問題でありますので、これを尾崎君の解任決議案の前にやつていただきたいというような意味で申し上げようと思つたのでありますが、その取扱いをひとつ協議願いたいと思います。
  64. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいま土井君より御発言がありました恩給法の一部改正の問題は、しごくごもつともな意見でございます。時間的に急ぐ必要もありますので、議長不信任決議案、外務大臣不信任決議案が終りましたら、その次に、簡問な案件でございますので、恩給法の一部を改正する法律案を上程することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。  さらに、予算委員長尾崎末吉氏解任決議案の問題について坪川君より御発言がありました。できることならば、この案の御撤回を願いたいと思います。もしできない場合は、御本人が辞職されれば、この問題は自然消滅になるのであります。従つて、この決議案は御撤回願うのが当然だと思いますが、ここで御決定できなければ、場内交渉においてこれをやることに御異議ありませんか。
  66. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 念を押しておきますけれども、前例もあることですが、尾崎氏の辞表は撤回される見通しはないでしような。
  67. 菅家喜六

    菅家委員長 そういうことはあり得ないことだと思います。
  68. 坪川信三

    ○坪川委員 そういうことはございません。
  69. 淡谷悠藏

    ○淡谷委員 私は議事の運行上、さつきから不満を感じて発言を求めております。昨日来数回発言を求めておりますが、委員長は、どういうわけかお許しがなかつた。私は昨日、分自党の方方のお話を聞きまして、この席で倒れた中代議士のことをはつきり思い出すのであります。この会期延長について、中氏はたいへん心配されまして、もし会期が切迫してから、このような延長案が突然出た場合、非常に混乱することがないかどうかと言われたことは、これは皆さんよく御存じだろうと思います。はたせるかな、その中氏が倒れました翌日、この延長案が出て参りました。しかもこの延長案が出るやいなや、日ごろ非常に公平で、かつ温厚である委員長態度が、がらつとかわつてしまつたのであります。私は、はなはだ遺憾に思います。十分に議運において意思を述べることを許さない結果、昨日のようなまことに残念な結果になつたのでございます。私は、決して委員長だけを責めませんけれども、少くともこの国家重大の場合、国民が待望する重要法案を審議する議会の本義に立つならば、この運営委員会がこの重大なかぎを握つておるのでありますから、事案のいかんにかかわらず、私は慎重に、公平なお取扱いをお願いしたい。特に議事進行中、与党をもつて任ずる諸君が、さまざまな悪罵を飛ばして発言を妨害するがごときことは厳重にお取締り願いたい。さつきから委員長は、傍聴者の中から出ておりますごく小さなやじに対しても、おそろしく神経質になつて、退場を命ずるなどとおどかしておりますが、与党諸君の暴言は許しております。特に今村忠助代議士から議員を侮辱するがごときやじも出ておりますが、こういうことは議院運営上もつと委員長において取締られて、少くとも議院運営委員会運営に当る委員長は、中氏がこの会期延長案を心配して、あれほど激越な演説をやつたとたんに倒れておるのでありますから、この記憶の前にも、もつとまじめに、公平な議事運営をしていただきたいと思います。
  70. 菅家喜六

    菅家委員長 淡谷君から委員長に種種御注意、また御注文があつたようでございますが、了承いたしました。決して発言を許さないというようなことではございません。従来の運営の慣例に従いまして、各党の代表の人の発言がある場合には、その人のが済みますれば次の党に移るという取扱いを今日まで堅持して参りました。そういう意味で、すでに山本君は数十分にわたつてやられましたので、その次の発言者がありますから、そういう意味で淡谷さんに発言を許さなかつたのであります。今後は十分注意いたしまして、かくのごときことがないようにいたします。不規則発言についても、かなり委諸員君にも御注意申し上げたのでありますが、これらについても、委員外も、あるいは委員諸君も、他人が発言している場合には謹聴されるようお願いをし、またかくのごとき運営をいたして行きたいと思つておりますので、さよう御了承を願いたいと思います。
  71. 山本幸一

    山本(幸)委員 答弁だけはぜひさしていただきたいと思います。さつき椎熊さんが私の質問中に、質問が終るとすぐ、議長答弁に立たれるのをさえぎつて、必要ないというようなことで、まあ、それはそれでいいのですが、質問に対する答弁だけはぜひさしていただきたい。そのことは、今後ぜひやつていただきたいと思います。
  72. 菅家喜六

    菅家委員長 お聞きの通り、大体議長は丁重にお答えになつたようでございます。今後そういうことがありますれば、むろん答弁を阻止することもいたしませんが、答弁を強要することもできません。御趣旨は了承いたしました。
  73. 椎熊三郎

    椎熊委員 先般、大蔵委員長が重大なる案件、期限付のもの等、五件かの報告をしておりますが、そのままで定足を欠いて流会になつておるのであります。これは日限の非常に切迫しておる問題もありますから、できれば本日の最後でもけつこうですが、上程して審議をしてもらいたい。
  74. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまお聞きの通り椎熊君より御発言になりました先日の本会議において大蔵委員長より御報告になりまして、そのまま流れておりました法人税法の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、信用保証協会法案、この五件がそのままになつておるのでありますが、四番目の国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、これは、すでに自然消滅をいたしおります。七月三十一日をもつて切れた案件でありますから、いずれこれは、次の機会において適当な方法によつて、議員立法によつて第四番目は決定いたしたいと思います。その他の案件に対しましては、社会党左右両派より討論があります。これは恩給法が終りました次にこれを上程いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
  76. 島上善五郎

    ○島上委員 きようの今までの案件は、いずれも重要な案件でございますので、私どもは、各案件ごとに記名投票をされんことを希望いたします。
  77. 菅家喜六

    菅家委員長 今お諮りしようと思つておりましたが、採決の方法は、衆議院議長不信任案、岡崎外務大臣不信任案は当然記名投票ということになります。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 島上善五郎

    ○島上委員 その他の案件もです。
  79. 菅家喜六

    菅家委員長 恩給法もですか。
  80. 島上善五郎

    ○島上委員 満場一致以外のものは全部です。
  81. 土井直作

    ○土井委員 その他の法案については、特に記名投票でなければならぬ必要もないし、今日に至つては、すでにそのために時間を空費する必要が私はないのではないかと思われますので、起立採決等によつて処理をしていただく。それからなお、本日の議院運営委員会において、懲罰の問題もどうするかきめていただく。付言して申し上げたいと思いますことは、ただいままで決定された日程が、本日全部審議されるとは考えられない場合もありますから、もし時間その他の関係があつて、途中で打切るような場合があれば、議場内の交渉によつて、適当な場所で打切つていただくような含みと余裕を持たしておいていただきたいと思います。
  82. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまの土井君の発言に対して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければ、さよう決定いたしたいと思います。
  84. 椎熊三郎

    椎熊委員 今島上さんの発言のように、一切の案件を記名投票でやることになりますと、採決のとき一人が異議を申し出ると、やらざるを得ない。
  85. 島上善五郎

    ○島上委員 出るかもしれません。
  86. 椎熊三郎

    椎熊委員 それで、今の土井さんのようなお話もあるので、常識上、会議が長くなるようなことをするのはどうかと思う。
  87. 土井直作

    ○土井委員 今ぼくの提案したことが採決されたのじやないですか。
  88. 島上善五郎

    ○島上委員 土井君の建設的な意見はよくわかりますが、私どもは、きようの議運のこの運び方から見て、ずいぶん考えさせられるものがある。ですから、議場の中で成規手続をとることがあるかもしれませんから、それだけ申し上げておきます。
  89. 椎熊三郎

    椎熊委員 そういうふうに、協定を破つてやられると困るので念のために聞いたのですが、せつかく土井さんが、ああいう常識的な御提案をなさつて皆さん大部分が御賛成なんですから、どうかそういうことは常識的にやつてもらいたいのです。
  90. 島上善五郎

    ○島上委員 とにかく、昨日以来のこの議運運営から、私どもずいぶん考えさせられるものがある。ですから、成規手続をとることがあることを保留しておきます。
  91. 菅家喜六

    菅家委員長 なお、お諮りいたしておきます。本日は大体これだけの日程を上げるのは容易なことではないと思いますが、懲罰動議の取扱い、その他のことについても御協議を願いたいのであります。篠田弘作君を懲罰委員会に付するの動議、新たに森三樹二君、北山愛郎君、長正路君、木村武雄君、伊藤卯四郎君、以上五君に対する懲罰動議が、有田二郎君外百何十名かで出ております。これは明日の議運において取扱いを決定いたしたいと思いますが……。     〔「日曜にはやらない」と呼ぶ者あり〕
  92. 菅家喜六

    菅家委員長 ちよつとお諮りいたします。明日の問題ですが、大体委員長の考えとしては、重大な会期延長ということで一週間やつたのに、日曜を休むのもどうかと思うのです。案件も、こまかい案件ではありますが、かなり輻湊しておる。参議院も、会期末に至つては日曜も休まずにやつてつたのですから、委員長の考えでは、日曜も開会いたしたいと思います。しかし、諸君の多数の意見が休めということになれば、無理には主張いたしません。ちよつと速記をとめて懇談いたします。     〔速記中止〕
  93. 菅家喜六

    菅家委員長 速記を始めてください。  それでは懲罰動議の取扱いは、明後月曜日の本委員会において協議をいたしたいと思います。  議長不信任決議案に対する討論のことを協議いたします。討論の通告は出ておりますか。
  94. 大池眞

    大池事務総長 まだ出ておりません。
  95. 土井直作

    ○土井委員 わが党は、中村高一君が趣旨弁明をいたします。
  96. 椎熊三郎

    椎熊委員 私の方は、あるいは変更になるかもしれませんが、竹山君が反対討論をやります。
  97. 坪川信三

    ○坪川委員 自由党は、反対討論本多市郎君。
  98. 正木清

    ○正木委員 私の方は古屋君ですが、あるいはかわるかもしれません。
  99. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは、かわつたときは場内で……。
  100. 加藤常太郎

    ○加藤(常)委員 私の方はありません。
  101. 中村英男

    ○中村(英)委員 私のところは、大多数は賛成です。
  102. 菅家喜六

    菅家委員長 お諮りいたします。今の小会派の問題は毎度問題になることでございますが、いかがいたしますか。
  103. 島上善五郎

    ○島上委員 まとまつたら、やらせるということでいいでしよう。
  104. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは、まとまつたら場内において委員長までお申伝え願います。それでは今のところ、反対、改進党の竹山祐太郎君、自由党の本多市郎君、賛成、古屋貞雄君、趣旨弁明は中村高一君、これだけでございます。  討論時間等は、次の問題のあとで申し上げます。  次に、岡崎外務大臣不信任決議案に対する討論者を決定いたしたいと思います。趣旨弁明はどなたがおやりになりますか。
  105. 島上善五郎

    ○島上委員 勝間田清一君。
  106. 坪川信三

    ○坪川委員 自由党の反対討論は佐々木盛雄君。
  107. 椎熊三郎

    椎熊委員 私の方はありません。
  108. 土井直作

    ○土井委員 私の方は西村榮一君です。
  109. 加藤常太郎

    ○加藤(常)委員 私の方は、議場内で申し上げます。
  110. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは重ねて申し上げますが、岡崎外務大臣不信任決議案に対する討論者は、趣旨弁明が勝間田清一君、反対討論が自由党の佐々木盛雄君、賛成討論、社会党の西村榮一君、鳩山分党は場内において交渉の予定であります。  この両決議案の討論時間のことについてお諮りいたします。従来の慣例によつて、いかがでございましようか、十分程度ということで……。
  111. 山本幸一

    山本(幸)委員 もう少し時間がいります。
  112. 土井直作

    ○土井委員 従来の慣例がありますから、多少のことは認めていただきたい。
  113. 菅家喜六

    菅家委員長 大体十分程度ということにしておいて……。
  114. 島上善五郎

    ○島上委員 従来の慣例でも、重要案件は十五分やつたこともあります。この岡崎外務大臣不信任決議案は特に重要な案件ですから、趣旨弁明は十五分にしていただきたい。
  115. 菅家喜六

    菅家委員長 趣旨弁明はいいのです。
  116. 土井直作

    ○土井委員 岡崎外務大臣に対する不信任案の西村君の賛成討論は、十分というが、十五分ぐらいはかかるかもしれませんから、お含みを願いたいと思います。
  117. 菅家喜六

    菅家委員長 原則的にはそうしておきまして、議長の方で三分や四分の余裕は認めるということできめておきたいと思います。
  118. 中村英男

    ○中村(英)委員 私の申し上げたのは、岡崎外務大臣不信任の問題が統一されていないということを申し上げたのでありまして、議長の方は統一されております。
  119. 菅家喜六

    菅家委員長 反対ですか、賛成ですか。
  120. 中村英男

    ○中村(英)委員 賛成です。
  121. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは場内において中村さんから御交渉願つて、場内交渉で皆さん協議を願うことにいたします。
  122. 土井直作

    ○土井委員 委員長にまかせます。一本になつた発言を許す、一本になれない場合は従来の慣例でやる。
  123. 菅家喜六

    菅家委員長 了承いたしました。  なお、お諮りいたします。重要なことでございますけれども、中助松君に対する追悼演説を本日行いたいと思いますが、時間の関係でどうでしようか、分自党の方にお諮りいたしますが、一番終りのころになりますので、明日以後にやることの方がいいのじやないでしようか。
  124. 加藤常太郎

    ○加藤(常)委員 やるなら、きよう劈頭に願いたいと思います。
  125. 菅家喜六

    菅家委員長 月曜日の劈頭でどうですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 菅家喜六

    菅家委員長 それでは中助松君に対する追悼演説は、明後月曜日の本会議の一番初めにこれをお願いすることにいたします。  本日の本会議開会時間は六時、次回の本会議は明後月曜日といたします。  なお、事務総長より一言御相談があります。
  127. 大池眞

    大池事務総長 先ほどおきめ願いました不信任の二つが終りまして、三番目の恩給法の回付案をのむことのお諮りをして、その次に、この前流会になつておりました大蔵委員会の日程一から五までを上げるということにお話合いがまとまつたようでございますが、そのうちの四は、委員長からもお話通り元がなくなりましたから、当然省かれまして、一、二、三、五、だけが残りますが、これはどうしても修正しなければならない問題があるのであります。従いまして、こちらでこのまま向うに通しました場合には、参議院の方から修正されて返つて来ることもあり得ることを御了承願いたいと思います。
  128. 菅家喜六

    菅家委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後五時二十四分散会