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1953-07-31 第16回国会 衆議院 議院運営委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月三十一日(金曜日)     午後三時十八分開議  出席委員    委員長 菅家 喜六君    理事 坪川 信三君 理事 椎熊 三郎君    理事 正木  清君 理事 土井 直作君    理事 加藤常太郎君       荒舩清十郎君    生田 宏一君       今村 忠助君    小澤佐重喜君       尾関 義一君    高橋圓三郎君       田嶋 好文君    田中  元君       田渕 光一君    丹羽喬四郎君       藤枝 泉介君    三和 精一君       山中 貞則君    山田 彌一君       小泉 純也君    齋藤 憲三君       佐藤 芳男君    園田  直君       長谷川四郎君    淡谷 悠藏君       島上善五郎君    田中織之進君       山本 幸一君    池田 禎治君       松井 政吉君    山下 榮二君       山村治郎君    中村 英男君  委員外出席者         議     長 堤 康次郎君         副  議  長 原   彪君         事 務 総 長 大池  眞君     ――――――――――――― 七月三十日  委員荒舩清十郎辞任につき、その補欠として  田中角榮君が議長指名委員に選任された。 同日  委員田中角榮辞任につき、その補欠として荒  舩清十郎君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員助松君死去につき、石田博英君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員生田宏一君、田嶋好文君、田渕光一君、山  田彌一君、渡邊良夫君、長谷川四郎君及び井手  以誠君辞任につき、その補欠として中川源一郎  君、高橋圓三郎君、丹羽喬四郎君、藤枝泉介  君、田中元君、齋藤憲三君及び田中織之進君が  議長指名委員に選任された。 同日  委員中川源一郎君、高橋圓三郎君、丹羽喬四郎  君、藤枝泉介君、齋藤憲三君及び石田博英君辞  任につき、その補欠として田嶋好文君、橋本登  美三郎君、田渕光一君、山中彌一君、長谷川四  郎君及び山村治郎君が議長指名委員に選  任された。 同日  委員橋本登美三郎君及び佐藤芳男辞任につ  き、その補欠として生田宏一君及び齋藤憲三君  が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  会期延長に関する件  決議案取扱いの件  本日の本会議議事に関する件     ―――――――――――――
  2. 菅家喜六

    菅家委員長 これより開会いたします。  鳩山分党より発言を求められておりますので、これを許します。
  3. 加藤常太郎

    加藤(常)委員 昨日、同僚の中君が突然発病いたしまして、その折には皆様方の真の御親切と、発病後いろいろ治療の問題に対しまして心からなる処置を賜わり、また関係事務当局にもいろいろ御迷惑をおかけいたしました。手厚き看護のもとにいろいろ手当を尽したのでありますが、そのかいなく、昨夜この席の隣の副議長室で永眠されましたことは、まことに遺憾にたえない次第であります。遺族の方、御本人といたしましても、思いあきらめられないと思います。しかし、議員として職に倒れることは、武士として戦場に倒れたと同様でありまして、はなはだお気の毒でありますが、遺族並びに本人にとつては冥してよいと思います。また、その発言が真に党利を離れて、国会運営を思う真情からなされたことを思い起しますと、この席で倒れたあの姿を見ると、ほんとうに何と申し上げていいかわからないのでございます。皆様方に対しまして心からなる謝意を表し、御遺族の方も同様であると思いますが、昨日のことに対しまして、わが党を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
  4. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいま鳩山分党加藤君から御発言がありました通り同僚委員であります中助松君が、昨日委員会の中途にして発病され、不幸にして昨夜なくなられたのであります。われわれ一同まことに痛惜哀悼にたえない次第でありまするいずれ、後刻中君に対する弔意その他の件はお諮りいたすつもりでありますが、一同にかわりまして、一言哀悼の意を表する次第でございます。     ―――――――――――――
  5. 菅家喜六

    菅家委員長 それではまず第一に、会期延長の件をお諮りいたします。本日午前十時、議長より各常任委員長の招集がありまして、会期延長の件に対して諮問があつた次第でございます。常任委員長が全員集まりまして、この件を協議いたしましたところ、従来の慣例は御承知のごとく、第一国会以来、自由党のみの常任委員長でございましたから、そういう取扱いはありませんでしたが、このたびは各会派より常任委員長がお出になつておりますので、採決等方法を用いず、この問題の最終的決定を見た次第でございます。その折稻村君、赤松君、成田君等より、会期延長する必要なしという御意見発表がありました。これに対して森懲罰委員長小島委員長尾崎委員長等より、会期を一週間延長することに賛成だという御意見発表がありまして、大多数の委員長会期延長に賛成する旨の意見発表がありました。それを御了承賜わりたいと思います。反対は四名の常任委員長であります。そのままをここに御報告いたす次第であります。
  6. 正木清

    正木委員 ただいま委員長から御報告があつたのでございますが、そこで私は、委員長を通じて議長にお伺いしたいのでございます。衆議院規則に基いて、会期延長取扱い方について、この議運が開かれる現在までに、参議院側議長とどのような協議がされたか、そうして現実に会期延長をしなければならないということが、一体どういう事情でそのことが出て来たのか。私の常識から申し上げますと、衆議院としては、会期延長をしなければならないような重要案件は、われわれが努力することによつて本日中に解決する、かように考えられるが、衆議院側で本日中にどうしても上らないと思われるようなもの、それから参議院側事情はどのようになつておるか、そういう点をも報告願いたい。
  7. 菅家喜六

    菅家委員長 委員長を通じて議長お尋ねでありますから、私から一応御説明申し上げたいと思います。この問題は、重要な問題でもありますので、先刻理事会を開きまして、理事会におきましても、大体の経過は御報告申し上げておつた次第ですが、昨日午後八時三十分、自由党小澤佐重喜君より議長に、会期を一週間延ばしてもらいたいという申入れがありましたので、議長はその申入れを受けまして、従来の慣例によつて公報並びに電話速達でもつて常任委員長に御通知になりまして、本日午前十時に常任委員長会議が開かれた次第であります。そこで、会議においてそれぞれ質問がありましたが、その席におられた田中郵政委員長からも種々質問があつたのであります。まず、この申入れ者である小澤佐重喜君に委員長会議に来てもらつてその理由をただそうということで、常任委員長会議小澤氏の出席を求めまして、質疑応答が行われました。その間において、参議院審議状況等についてお話等もありましたが、何人も参議院審議状態はかくかくであるというはつきりした見通しは持ち得ないのであります。そのうちに常任委員長中には、参議院常任委員長をここに呼んで審議状況を聞くべきであるという御意見もありました。さりながら、御承知通り国会法建前上、その院は、院の建前によつてとりきめるべきことでありまして、本日までの慣例も、政府より申入れのあつた場合も、あるいは運営委員会申入れのあつた場合も、その他の場合においても、すべて院がきめたことを、議長を通じて参議院に交渉するのが今日までの慣例であり、また国会法建前だと思うのであります。そこで、審議状況についても一応事務総長から説明がありました。ざつくばらんに申し上げますと、重要法案条約案件一つと、スト規制法の問題、その他二、三件が参議院において現在まだ審議が行われておるような状態であるから、この際会期を延ばすのが正当であるという意見に大多数が一致を見た次第でございます。なおその間において、参議院にもこのことを申し入れたらどうかという御意見もあつたのでありますが、衆議院より参議院申入れをするのは、国会法に示しております通り議長を通じてなさるべき性質のものでありまして、自由党小澤佐重喜氏が衆議院に申し入れることはできますが、参議院に申し入れるどいうことは、国会法の許さざるところであります。今日までの取扱いも、しばしば会期延長のことがとり行われたのでありますが、この慣例を重んじて、今回も前回同様の取扱いによつて、この議運にかかつた次第でありますから、さよう御承知を願いたいと存じます。
  8. 正木清

    正木委員 ただいまの委員長の御発言で、ある部分においては了承できる点はございますが、そこで、議長議長の権限として、この会期延長の件を議運に諮る前に、当然こうした重要なことについては、参議院議長とも何らかの形で協議しておることがあるのかないのか、あなたの御指摘になつたように、通商航海条約あるいはスト規制法案等審議状況、そうしたことが会期延長理由であるとするならば、当然国会法に基いて、議長参議院議長とこのことを協議されたと私は思う。これは私の常識による判断です。そこでその点について、一体議長はそのような処置をとられたのか、とられないのか、本来ならば、私は議長に御出席を願つて聞くことであるが、あなたを通じてお聞きします。
  9. 菅家喜六

    菅家委員長 了承しました。ただいま正木君からのお尋ねでありますが、正木君はこのことを御承知だと思うのであります。常任委員長各位意見を徴し、さらに議運決定せざる前に、衆議院議長参議院議長と交渉いたすということはあり得ないのでありまして、また従来もそういうことはやつておりません。しかしながら、時間的のこともあるから、常任委員長会議で大体きまつたときにおいて、非公式に、常任委員長会議ではこういうことがきまつたという二とを、事務の方から参議院の方に申し入れております。その前に、事前衆議院議長参議院議長に、会期延長したいという申入れがあつたから協議をしたということは、今日までの慣例ではございませんし、国会法建前において、そういうことはなさるべきものでないという見地に立たれて、議長はそういう行動をとつておられません。そのことは、先ほどもそういう説明事務総長よりあつた次第であります。さよう御承知を願います。
  10. 正木清

    正木委員 たいへん失礼をいたしました。委員長から今お教えを請うたわけでありますが、そういたしますと、私の衆議院規則二十条の法文の解釈に、あるいは間違つておる点があるかもしれませんけれども、一応この二十条の解釈について、私は常識的に意見を申し上げてみたいと思う。あなたは、この議運意見を徴しない限り、慣例の上においても、衆議院規則の第二十条の意味においても、議長参議院議長協議することができないのだ、こういう御解釈のようでございます。しかしこの二十条によりますと、「各常任委員長意見を徴し参議院議長協議した後、議院がこれを議決する。」従つて院議に諮る前に、並行してもよろしいし、あとさきになつてもよろしいが、この第二十条の法律の解釈によるならば、議運に諮らない前でも、非公式であつても、議長は当然参議院議事進行状況から見て、与党である自由党からかような申入れがあつたが、参議院議長としての意見はどうかということは、常識上当然さるべきものだというのが私の意見であります。あなたは、そうではないのだというように御解釈なつで、私に対してたいへん親切にお教えくださつたが、重ねてこの法の解釈について、委員長または事務総長からも、この点明確に御答弁を願いたい。
  11. 菅家喜六

    菅家委員長 なお事務総長からも、事務的な今日までの取扱いもありますので、お話を願うことといたしますが、今の問題は、二十条の解釈通りに取運ばれておる次第でございまして、これに反したる取扱いはいたしておらないのであります。今の正木委員お話は、「各常任委員長意見を徴し参議院議長協議した後、」云々とある。まだ常任委員長とも協議をやらない前に、まだ議運にもかからざる前に、衆議院議長参議院議長と交渉するということはあり得ないのであります。これをよくお読みになるとわかるのであります。議長が、各常任委員長意見を徴し、参議院議長協議した後、その後に院議できめるので、この通りに運んでおるのであります。なお、私の話だけでは御納得が行かないようでありますから、事務総長からも一応御説明申し上げまして、それでわからぬ点は、また御質問を願います。
  12. 正木清

    正木委員 事務総長の御意見を承る前に、私は、今日まで委員長は名委員長で、実に頭脳明晰な方であると信頼しておつたが、私はあなたに、今あなたがおつしやつたようなことを質問しておるのではない。公報にも明瞭になつておりますように、昨晩八時何十分かに、与党である自由党国会対策委員長小澤さんの名をもつて会期延長事務的な手続がとられた。そこで今あなたがおつしやつたように、議長は、電話速達その他の方法でもつて、本日の午前十時かに、この二十条に基いて各常任委員長意見を徴するために常任委員長会議が招集された。そこで、先ほどあなたが劈頭にわれわれに報告なさつたように、その結果が現われたわけでございます。そこでこの議運が開かれる間に、その間相当の時間的なゆとりがあつたわけでございますので、当然議長としては、この二十条に基いて各常任委員長意見を徴したのですから、その結果、われわれは参議院重要案件進捗状況その他はわかりませんが、それはあとで伺うことにして、参議院議長協議した後というのですから、そこでそのことが、一体公式的にも非公式にもなされたのかということをお尋ねしておるのであります。
  13. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまの御質問は、大体私から申し上げたので、私の申し上げることは尽きておると思います。議長並びに事務総長よりお答え願つた方が適当だと思います。まず事務総長に一応御説明願います。
  14. 大池眞

    大池事務総長 委員長からのお話でありますので、一応私から事務的な面でお答えを申し上げます。御承知のように、会期延長、もしくは会期決定という問題につきましては、常任委員長意見をまず徴した上で、両院議長協議をし、その協議がととのう場合に、ととのわない場合と、いろいろございましようが、そういう手続をふんだ上で、本会議の議決を要する、こういう手続が、二十条に規定してあるわけであります。従いまして、今回のような会期延長の問題が起つた場合には、まず延長するがいいか悪いか、また延長するなら幾日が適当であるかという点について、本院の議長参議院議長協議をする事前に、常任委員長意見をまず徴する。これが法の命ずるところであります。従いまして、今度はその常任委員長意見を徴しまして、常任委員長衆議院側意向がわかれば、それをもつてただちに参議院議長と相談することも、法には何ら禁止はございません。禁止はございませんが、一番最初のときより、常任委員長意見を徴しただけで、すぐ参議院に持つて行つて衆議院意向はかくかくであるということを相談ずることが穏当か不穏当かということがございまして、その前に、常任委員長意見はかくかくであるが議院運営上さらに会期が延びるか、延びないか、しかも幾日延びたらいいか、こういう問題がございますので、当議院運営委員会諮問をして、議運の御決定をまつて、その御決定を持つて衆議院はかくかくの意向にきまつておる、これで協調をしてもらいたいということで参議院に申し出るのが、従来からの先例でございます。従いまして、その間に、議長議運諮問をする前に、議長自身の御意見に基いて参議院議長に相談するがいいか悪いかという政治問題は、私どもわかりませんが、そういうことはかつてつておりません。従いまして、今回もそういう会期延長申入れがありましたので、さつそく常任委員長の御意向も徴しまして、その常任委員長意見を、まず議院運営委員会に御報告申し上げ、その上で議院運営委員会の御決定といいますか、御意見で、七日がいいとか悪いとか、いろいろな御決定はございましよう。その意見がまとまつたものを持つて参議院の方へ参りませんと、かりに常任委員長意見の方は七日でも、この議運が、それではいかぬ、もつと短かくせよ、もつと長くせよという意見がないとも限らないわけでありますから、そういうことの意見のまとまつたもので参議院と交渉する、こういうことが従来の先例でありますので、その手続をとつておるわけであります。従いまして、常任委員長会議ではかくくになつたから、それを議院運営委員会諮問をいたしまして、いずれ正式に決定次第、議長としては、参議院議長に公式な御協議を申し上げるのが今までの実情でございます。議長から議長には従来やつておりませんで、ただ事務的に、こういう事情なつたから、その旨参議院の方でも十分了承して、議長のお耳にも入れて御相談を願つてもらいたいという非公式な申入れだけは参議院の方にいたしてあります。それが今までの実情でございます。
  15. 正木清

    正木委員 私は、あなたの言葉じりをとらえるわけではないが、この二十条の精神は「各常任委員長意見を徴し参議院議長協議した後、」ということが条文に明確に出ておる。禁止事項だの何だのというのではありません。従つて政治的にどうこうということは、この二十条の解釈から行けば出るものではないので、かりに、ここで議長がわれわれ義運に諮問されたとしても、私の常識判断から行けば、まだ三時半をちよつと経過したばかりでございましよう。十二時まで時間がある。従つてわれわれ護院においては、私の常識判断から行けば、十二時まで努力を払えば、会期延長をしなければならないという理由を見出すに苦心をする。そこで問題になるのは、開会劈頭委員長の言われた、一体参議院スト規制法案がどのような形で今審議を進められておるのか、通商航海条約がどのような審議状態にあるのか、その他重要法案がどのような審議状態にあるのか、与党自由党からの会期延長は、私どもの聞いておる範囲では七日間ですが、はたしてその七日間が妥当なのか、三日間が妥当なのか、それとも両院が心を合せて努力することによつて会期延長いたさなくともできるのか、そうした具体的な経過のお示しがわれわれになくて、いきなり協議事項ではありませんが、政治的には折衝したかもしれませんということでは、われわれは了承できない。議運というものは、やはり筋道通つた運営こそが議運の生命だと思つておる。従つて、そういう順序を立てた、衆議院規則なり、国会法に基いた筋道通つた処置を、当然議長としては、われわれ議運諮問される前になさるべきではないのか。私は、議長は御老体でもあるし、御多忙でもあるから、委員長を通じという言葉を使つたのですが、場合によつては、議長から直接この点を詳細にお伺いしてもけつこうです。
  16. 原彪

    ○原副議長 ただいま議長は、ちよつと歯の治療行つておられますので、間もなくお帰りになると思いますが、かわつて私から一応お答えいたします。この問題は、ただいまお話になつております通りに、一応国会法規定通り常任委員長会議を開きまして、各委員長意見を徴しました上、正式に参議院との交渉は、あらためて議院運営委員会にかけて後すべきかと考えまして、ただいまのところ議長は、公式の折衝参議院とはいたしておりません。
  17. 正木清

    正木委員 では原副議長にお伺いするのですが、あなたは、われわれ運営委員会に対して、常任委員長意見を徴して、会期の問題で現在諮問されておるわけです。私は、繰返しておるように、衆議院としては会期延長をするほどの重要案件は、十二時まで努力すれば残つておらないと思う。参議院事情が、会期延長の重要な案件であるとするならば、参議院における重要案件審議状況は一体どうなのか、それすらもわれわれに報告せずして、いきなりこの問題をここで報告されまじて、まだ正式案件にはなつておりませんけれども、かかること自体が、私は不用意ではないか、こう思いますが、副議長いかがでございましよう。
  18. 原彪

    ○原副議長 一応正木さんの御説はごもつともだと思いますが、法規上必ずそうしなくてはならないというわけ合いのものでもございませず、参議院と交渉いたしました結果を顧みまして、議長として運営委員会にお諮りをいたしまして、またそこで御協議願つた上で、再度参議院との折衝を重ねるということが、一応皆様の御審議の上には御便宜であろうかとも思われますが、しかし先ほどの常任委員長意見が出ておりますことについて、一応議院運営委員会として衆議院側意見をおまとめ願つて、それをもつて参議院折衝した方が、一層参議院との折衝上便利ではないかかように考えております。
  19. 菅家喜六

    菅家委員長 正木君にお尋ねしでおきますが、正木君の御意見は、そういたしますと、従来の慣例によらないで、常任委員長会議決定を見たならば、ただちに正式に参議院と交渉すべきものであるという御主張なのでございますか。
  20. 正木清

    正木委員 私は、必ずしもそうではございません。やはり慣例なり、前例も重んじますけれども、法の精神の上からいつて委員長会議終つて、この議運が正式に開かれた。その間に相当時間があるということが一点、従つて、公式であろうと非公式であろうと、このことを議運に諮る限りにおいては、参議院側で現在重要法案審議がどのような状態になつておるかということは、当然議長を通じてわれわれに報告つてしかるべきものだ、それを私は言つておる。全然参議院事情がわからないで、正式にこのことがかりに議題なつたとしても、われわれわかりませんので、判断のしようがない。
  21. 菅家喜六

    菅家委員長 参議院審議状態のことを聞きたいという御意見ですか。
  22. 正木清

    正木委員 それと同時に、今日までの議長の……。
  23. 菅家喜六

    菅家委員長 どういう点をどこに、どなたにただされんとするのでございますか。
  24. 田中織之進

    田中(織)委員 正木君の尋ねておることは、衆議院規則二十条に、常任委員長会議意見を徴して、参議院議長協議し、議院がこれを議決する、こういう規定になつておるから、先ほど委員長報告された、こういう申入れがあつて常任委員長会議を開いたという経過報告だけわれわれ了承しておる。従つて委員長報告された会期延長に関する事項報告のうちに、参議院議長協議した事実があるかどうかということを正木君は尋ねておる。先ほど副議長の方で、それがないということになつておるのですから、そこでわれわれとして、これは委員長に伺つてみなければいかぬのですけれども、会期延長に関する議長諮問をここで議題とするのかどうか、私は、経過報告しか現在の段階では受けていない。
  25. 菅家喜六

    菅家委員長 そうお受取りになりましたら、あらためて宣告してもよろしゆうございますが、従来の運営委員会の……。
  26. 土井直作

    土井委員 今の問題に関連して……。大体いろいろの議論がありましたが、委員長から、常任委員長会議において協議された事項の御報告があつたわけです。それで正木君が、参議院の方の関係をるる述べて、参議院の情勢がどうなつておるかということがわからぬからということで、やがて会期の問題が議題なつた場合に、会期をどれだけ延長するのが妥当か、妥当でないかというようなことについての標準が、かかつて参議院審議状況にあるわけです。従つて参議院審議状況がどうなつておるかということを考えれば考えるほど、二十条の問題をこの際はウエートを強くして、そういう事前折衝が行われなければならないのではなかつたろうかということを指摘されておるわけです。しかしながら、そのことは議長が参られれば、さらに詳しく御説明等があり、またそれについての見解等もあると思いますが、私の聞きたいと思いますことは、本日の運営委員会において、あらかじめ協議されなければならないものが何と何か、事前におわかりになつてつたらお知らせ願いたい。それによつてわれわれは、どれを先に審議すべきであるかということの判断の資料にもしなければならぬ。本日協議すべき事項のあらましを、この際、わかつておりましたら御報告願いたい。
  27. 菅家喜六

    菅家委員長 土井君からのお尋ねお答えをいたします。常任委員長会議経過を便宜上申し上げましたことは、もちろん報告でございますが、便宜的に申し上げたことでございまして、従来の議運取扱い上、すでにこのことは、私は議題にいたしたつもりであります。常任委員長会議経過報告のみでは議題にならないという御不審の点ごもつともでありますから、あらためて会期延長の件について議長より当委員会諮問がありましたので、これを議題といたします。  次に、保留になりておりました外務大臣の不信任決議案取扱いの件を議題に供したいと思います。次に、先ほど提出されております予算委員長尾崎末吉君解任決議案、勝間田清一君外百六十五名より提出になつております案件議題として御審議を願うことにしております。その他留保になつておりました案件がかなりありますので、順を追うて、議題として御協議をいたす予定でおります。右お答え申し上げます。
  28. 土井直作

    土井委員 ただいま委員長からの御説明によりますと、会期の問題と、岡崎外務大臣の不信任決議案の問題と、尾崎予算委員長に対する解任決議案等がございますが、この場合、いろいろな慣例等もありまするし、また先例もいろいろの形において行われおりますけれども、国会構成という面から考えてみますと、会期の問題もしかりでございますが、国会の構成、ことに予算委員長の問題等は非常に重要な事柄で、国会構成上重要な問題であります。従つて会期延長の問題よりも先議すべきではないかとわれわれ考えておる。なぜそういう議論をするかと申しまするならば、国会が召集されました当初でありまするならば、当然会期も何もきまつておりませんから、まず劈頭会期の問題を決するということが、構成上必須の条件であることは言うまでもないわけでございます。ところが今の段階においては、会期は本日の十二時まであるわけでございます。会期はあるのでありまするから、会期延長を先議すべきであるということよりも、むしろ、現に会期のあるうちに起つた、しかも国会構成の重要な部分である予算委員長の解任という問題が、当然先議されなければならぬ問題でないか、かように考えるわけであります。先例並びにその他のことを私は知らぬわけではございません。十分知つておりますが、まずこの構成問題を先議する、そういうものを審議して、なお会期の上において時間的な切れができて来るならば、そのときには会期の問題を云々するということはあり得るかもしれません。御存じの通り、今四時でありまして、これから解任問題を本会議で論議いたしましても、十二時までには十分完了する余地がある。しかして後、会期の問題を論議してもおそくはないではないかと考えられるのであつて、議案の取扱いの問題について、私はまず第一に、会期の問題よりも、構成問題である尾崎予算委員長、岡崎外務大臣に対する不信任、あるいは解任の決議案を、まずこの運営委員会ではどう取扱うかということの問題を先議していただきたいということを申し上げます。
  29. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいま土井君よりの御発言はお聞きの通りでありますが、委員長といたしましては、土井君御承知通り先例によつてこの取扱い案件を先議条件としてお諮りいたしたのでございます。しかしながら、この先例がよくない、先例を破つて新たなる方法によるという多数の御意見であれば、それは別個の問題でございます。一応当時の速記録もございますが、土井君はよく御承知のはずであります。昭和二十七年七月三十日、石田博英君が運営委員長のときに、第千三国会の最終日に、会期延長議長不信任案とがちようど一致して提出されたことがございます。その場合、会期延長議長不信案に優先するものとして、そのときの運営委員会はそれを取扱つております。会期延長に関する議決権は、国会としての権限行使であるから、おのおのの院の組織構成に関するものとの見解によつて、かく取扱われたのでございます。しかもそのときの速記録を見ますと、会期延長に関する議事が最優先する、次に議長不信任案に関する議事を取運ぶ、その次にもし内閣不信任、あるいは国務大臣不信任等に関する議事がありますなら、その次にするということの申合せをして、この案件を取扱つておるのでございます。この先例によつて委員長は……(発言する者多し)私の説明終つてから御発言を願えば、順次許しますから、静粛にお聞きとりを願います。委員長は、議長より諮問になりましたので、この先例に基いて、会期延長の件が最優先であるから、これを議題としてお諮りいたした次第でございます。委員長が取扱つたことに対して、もし御異議がありまするならば、ここで各党、各委員の間において意見を述べられて、その意見に基いて決定することにおいては、委員長は少しもやぶさかではございません。取扱いは右の趣意によつて取扱つた次第であります。
  30. 坪川信三

    ○坪川委員 ただいまの土井君の御発言でございますが、多年社会党の代表として、国会運営の権威として知られておる土井君の発言としては、まことに了解に苦しむ点があるのでありまして、この問題につきましては、私は、少くとも院の存続に関する重大な問題でもあり、しかも前例によりまして、まことに妥当、適当なる申合せもしておられるのでありますから、今委員長報告されましたような線に沿つて、この会期延長の件を先議すべきであるということを申し上げたいと思います。
  31. 土井直作

    土井委員 ただいま坪川君から、特に私の名前をさしてお言葉がございましたが、私は、委員長が今の問題をかけたことについて、その委員長のかけた方法がいけないというような意味で申し上げておるのではないのであります。委員長としては、先例従つて、あるいは従来の慣例従つて会期の方が優先的に、国会の構成の重要な部分であるという立場から、これを先議すべきであるという立場をとつてかけられたことについては、私はそのことについて文句を言つておるわけではない。ただ会期の問題が優先すべきであるが、しかしそれは国会が開会された劈頭の場合において、会期がなくては会議を進めるわけには行かないという建前であります。この前の議長の不信任の問題と、会期の問題とを論議いたしましたときには、自由党が絶対的多数の立場で、非常に横暴をきわめたときのことでございます。そうして多数の力によつて、しやにむにこれを押し通して行つたという事実の上に立つておるのでありまして、特に申合せの事項でもございませんし、そのときには、ただいま松井君からもお話いたしましたように、石田委員長のとつた態度に対して、椎熊委員は口をきわめて(「よけいなことを言うな」と呼ぶ者あり)そのやり方の横暴を責めたわけであります。そこで私は、会期がこの十二時まであるのだから、その間に起つた問題で、なお審議をなすべき時間的余裕のある限りにおいては、国会の構成の部分だけに、ことに重要な予算委員長の解任の問題であり、しかも今予算委員会を開けとか、開かないとかいうことでもめておる状態である。従つて委員長の解任問題は優先審議すべきではないか、これは会期中の問題だ。そういう建前でございますので、ただいま委員長会期の問題を劈頭議題にされましたが、その審議方法を変更されて、まず尾崎委員長の解任問題を先議として、この運営委員会にかけていただきたいということであります。
  32. 菅家喜六

    菅家委員長 わかりました。よく了承いたしました。ただいまお聞きの通り土井君からの発言でございます。先ほど委員長は、先例従つて、これが先議案件であるとして議題としたのでありますが、お聞きの通り土井君は、これを先議せずして、尾崎予算委員長の解任決議案を先議として議題にせよとのことでございます。これに対して、まず第一に採決をいたしたいと思います。     〔「委員長横暴だ」「まだ十分意見の交換がされていない」「そんな非常識なことがあるか」と呼び、その他発言する者多し〕
  33. 菅家喜六

    菅家委員長 動議が出た以上は、採決をいたします。土井君の動議に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  34. 菅家喜六

    菅家委員長 起立少数でございます。賛成少数でございます。否決されました。  それでは土井君の御発議は否決されましたので、あらためて……。     〔「先例だ、慣例だといつても、かつて自由党が多数のときのことだろう」「従来の慣例からいえば、各党の意見が徴されておるじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕
  35. 菅家喜六

    菅家委員長 発言を求めてから発言をしてください。静粛に願います。
  36. 土井直作

    土井委員 私が提案いたしました事項につきまして、委員長がただちに採決というような方法をとられましたこどは、従来の慣例から行きますと、少し早かつたのではないか。たとえば従来でありますならば、一応改進党の意見を聞き、それから左派の意見を聞き、私の方の意見は、私が出しておりますから、聞く必要もありませんが、分自党の意見も聞き、小会派の意見も聞いて、しかる後、数の上できわめて明確であるならば、必ずしも採決でなくて、従来は行つたわけであります。従つて、そういう平和的な手段方法をとつていただくことが必要ではないかと思われるし、ただいま私の動議が否決されたというけれども、いつ採決されて、どういう形であるのか、起立であるのか、挙手であるのか、そういうこともまだ明確でございませんので、ひとつそういう点については、はなはだごめんどうではあろうと思いますけれども、もう一度綿密にして、しかも円満なる手続方法を……。
  37. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいま土井君からお話があつたようであります。しごくもつともでございますが、私のとりましたことについて、一応の釈明を申し上げておきたいと思うのであります。(発言する者多し)一応静かにおのおのの意見を聞くことにいたしましよう。それは、この案件を取扱うにつきましては、各党の理事会を開きまして、その理事会にもこのことをかけまして、かくのごとき取扱いをするという話合いによつて臨んだのでございます。いまだかつてない採決の方法をとつたとおつしやるのでございますが、むろんこれは今回初めてでございます。先ほど来から委員会経過を見ておりますと、従来の方法とは異なつた態度によつて正木君が初めなされておるのでございます。そういたしますと、委員長としても、正規の方法議事運営をいたすよりほかないのであります。さりながら、ただいま運営の先輩である土井君から御発言もあり、土井君の御発言もしごくごもつともだと思いますので……。(「取消すのか」と呼び、その他発言する者多し)淺沼先生、ちよつとお静かに願います。そこで従来は各党の意見を聞いて、しかる後に採決の方法を選んで来たのでございますが、先ほど発言者が多く、委員長の宣告もあるいは聞き取れなかつたと思いますので、土井君が御発言なつたのでございますから、これに対する各党の態度を御表明願います。しかる後に……。
  38. 島上善五郎

    ○島上委員 委員長は今、私どもによく徹底しませんでしたが、何か宣告めいたことを言われた。これを一切取消すわけですね。
  39. 菅家喜六

    菅家委員長 今お聞きの通りでございます。聞き取れなかつたようでありますから、取消して、あらためて各党の態度を表明していただくことにいたします。
  40. 坪川信三

    ○坪川委員 ただいまの問題につきましては、先刻私が申し上げました通り、院の存続構成に関する重大な問題でありますから、ただちに先議すべきだと思います。
  41. 椎熊三郎

    椎熊委員 会期延長の件は、理事会でこういう順序にきめてあるのですから、それを変更する必要を認めません。まず会期の件を決定して、逐次、次に入る。
  42. 田中織之進

    田中(織)委員 本件は、先ほど土井君が述べられたように、本日十二時までまだ会期がある。ことに予算委員会は、本日の公報でもつて招集することになつておりますが、まだ予算委員会が開会されない。これが予算委員長解任要求決議を、われわれが早く処理してもらいたいという、きわめて重要な理由であります。さらに会期延長の問題は、先ほど坪川君は、きわめて切迫した問題であるということでございましたが、先ほどの原副議長からの御答弁にありましたように、自由党からの申入れに基いて、本日午前、常任委員長意見を徴することも終了したのでありますけれども、まだ参議院議長との間の協議も行われていない。さらに、けさほどの常任委員長会議のときに明白になつたことではありまするけれども、自由党は、衆議院側にだけ申し出ておる。しかし参議院側には、会期延長の問題を申し出ておるのかどうかということは明白でございません。参議院公報にも見当りません。そういうようなことで、会期延長の問題は、延長する必要ありとするならば、当然参議院において重点的に、何ほどの会期延長をしなければならぬかということがきめらるべき筋合いのものだ。さようなことが、当該参議院において現在の瞬間まで、何ら動きを示しておらないということは、まだ十二時までの会期の間に、参議院は、かかえておる重要案件を、あるいは議了することができるかもしれない事態を意味するかもしれぬ。私はそういう意味合いにおいて、会期延長の問題は、切迫した問題ではないと思う。また法文の上で、会期は先議事項にしなければならぬという規定もございません。さらに前例を申されましたが、その前例は、自由党多数横暴時代に、多数をもつてつた悪い先例でございますから、十分この残された会期内におきまして、先議すべき事項はただちに本会議を開いて先議しなければならない。これが本委員会の持つて行き方だと考えるのであります。その意味において、会期延長の問題を先議事項とすることに反対いたします。われわれの要求いたしております予算委員長解任決議案をいかに取扱うかということを、本委員会においてまず先議せられんことを望みます。
  43. 加藤常太郎

    加藤(常)委員 この会期延長の問題は、同僚の中君が、昨日委員長に対して、かような問題を考慮して言つたところが、昨日の委員長は、会期延長の問題はないと、かようにつつぱねていながら、突然本日この問題を出して来た。国会法第二十条によれば、この問題の審議方法も判然としております。しかし今回の会期延長は、衆議院側の問題でなく、参議院側の問題であります。ところが参議院側の問題に対しては、われわれもいかなる法案が山積しており、また政府の思つておるところはどこであるというような、何らの材料も出さずして会期問題を先議せよということは、今までの自由党の絶対横暴をそのまま踏襲した結果だと思う。現在予算委員会が、三階において審議最中であります。この問題は、院の構成からいつても、さつそくこれを解決しなければならない重大な問題でありますから、わが党といたしましては、この問題を先議いたしまして、会期延長あとまわしに願いたい。
  44. 中村英男

    ○中村(英)委員 この問題については、二つの意味から申し述べたい。一つは、まだ十二時まで相当時間がある。参議院審議経過判断できない。そういう点からも、私はあとにすべきだと思う。いま一つは、水害対策その他の委員会審議経過を見ても、非常に審議を遅らしておる。そういうことを片方でしながらこの問題を先議するというようなことは、政治道徳上からも少しおもしろくないというような考えから、会期延長問題はあと審議したい。
  45. 池田禎治

    ○池田(禎)委員 先ほどから委員長のお言葉を承りますと、自由党国会対策委員長小澤君が、議長に対して延長の申出をされた、かように承つたのでありますが、議長がお見えにならなければ、副議長でもけつこうでありますが、いかなる資格において小澤君の要請をお取上げになつたか、まず承りたいのであります。
  46. 菅家喜六

    菅家委員長 それは副議長お尋ねになるのですか。
  47. 池田禎治

    ○池田(禎)委員 副議長が答えてくれなければ、委員長議長の気持を表明できますなら、委員長から…。
  48. 菅家喜六

    菅家委員長 その点、先ほどからしばしば明らかにした次第であります。なお、これは委員長よりも、事務的な問題であるから、事務総長お答えが当然だと思います。
  49. 池田禎治

    ○池田(禎)委員 どなたからでもけつこうであります。     〔「議長の代理を事務総長がするのか」と呼び、その他発言する者多し〕
  50. 菅家喜六

    菅家委員長 淺沼君、静かに願います。委員外発言禁止します。
  51. 大池眞

    大池事務総長 私でけつこうでございますか。――それでは一応お答え申し上げます。従来から会期延長の問題は、議員の方から、会期延長してもらいたいという申出の場合もあつたのでありますし、参議院の方から、会期延長してもらいたいという、こちらへの申出があつたこともありますし、政府の方から、会期を幾日ぐらい延ばしてもらいたいということの申出があつたこともございます。今回は議員の方から、小澤佐重喜君外自由党全員の要望といたしまして、会期延長を七日してもらいたいという申出が正式にございましたので、そこで議長といたしましては、会期延長する場合には、まず常任委員長意見を徴した上で当委員会諮問をいたして、参議院議長協議をした後、議場の問題としなければならないので、そういう手続をふんでおる最中でございます。一応事務的な面についてのみお答えいたします。
  52. 池田禎治

    ○池田(禎)委員 それではお尋ねいたします。衆議院において一週間の――これは正式には出されておりませんが、八日とか、いろいろと世上にはうわさされておりますが、そういう大幅な会期を必要とするところの議案が、現に衆議院において残されておるかどうかということを伺いたい。
  53. 菅家喜六

    菅家委員長 池田君に御交渉申し上げますが、今、会期の件を先議として議題にするかしないかのことがきまりました際に、今のような御質問はどうかと思います。
  54. 池田禎治

    ○池田(禎)委員 先議するということを先ほどお話なつたから、私の方は、先議するにはそれだけの理由が先になければならぬ、理由があつて先議するということにきまるのでしよう。きめてからは遅い、そういうことがきまつてしまえば、いやおうなしに……(「反対ならそのときやればいい」と呼ぶ者あり)先議してからも反対できるが、先議をかりにきめれば、その理由あとにつけるのはおかしい。当然その理由を承りたい。
  55. 山村新治郎

    山村委員 この問題について、実は第十四控室自由党として重大な問題を発表したい。なぜかといえば、現に予算委員会が開かれておつて、この予算委員会において総理並びに各閣僚に、わが党といたしましても、三木氏が質問することになつてつたのであります。ところが、先ほど椎熊君からも開会前にお話がございましたが、芦田さん並びに和田さんの質問に対する答弁があつた後において、突然、自由党質問者の反対を無視いたしまして総理が帰つてしまつたというようなことは、実際には、政府みずから議事の進行を妨害しておる。それで、もしもこのような問題を、少くとも会期延長する場合においては、議員はもちろん、同時に与党並びに政府においても、お互いに力を合せて、なめらかな議事運営をして参らなければならぬと思います。お互いに議事進行に努力しなければならぬ。ところが、かんじんの与党の総裁吉田茂そのものが、野党からの質問をおつぽり投げて家へ帰つてしまうというふしだらさをこのまま容認しておつたら、議会の権威がいずこにあるか。私どもは、まず第一に、予算委員会におけるわが党の三木武吉氏の質問に対する内閣のはつきりした答弁を聞かないうちは、この問題を先議するしないという問題について、議論をするだけでも行き過ぎだと思うのであります。はつきりしたこれに対するところの答弁を得たい。
  56. 菅家喜六

    菅家委員長 どなたにですか。
  57. 山村新治郎

    山村委員 委員長でけつこうです。
  58. 菅家喜六

    菅家委員長 その案件と、先議するかしないかという案件とは関係ありません。重大な関係ありというのは、山村君の御意見でありまして、委員長としては、それと関連してこの案件を先議するしないということをきめる考えは持つておりません。予算委員会の開会のことに関しては、別個の問題として考えなければなりません。一応議長から当委員会諮問になりました以上は、その案件議題として、それを先議するかしないか、反対論があつたときには、各党の意見を徴して従来も採決しておつたのでありますが、各党の態度は、すでに党代表の理事諸君から……。     〔発言する者多し〕
  59. 土井直作

    土井委員 採決の前に、ちよつと御相談というか、意見を申し述べたいと思います。先ほど来からの委員会の空気を見ておりますと、事態が非常に険悪な形になつてつております。それで国会運営の上において、もとより法的にそれぞれ採決の手段によつて処理して行くということは、必ずしもそれが悪いというのでなく、やむを得ないことであろうとは考えておりますが、こういうような事態になつて参りまする場合において、でき得るならは各党の首脳の間で、なお国会運営のために円満を期するような形をとりたいと思いますので、暫時休憩をしていただくような方法を願いたい。     〔「反対「賛成」と呼び、その他発言する者多し〕
  60. 山村新治郎

    山村委員 委員長は、私が先ほど、総理大臣が議員の発言を無視して、予算委員会からなまけておるということを、そのまま黙殺するような答弁をされたが、そのように了承してよろしいか。
  61. 菅家喜六

    菅家委員長 よくお静かにお聞き取りを願いたいのであります。総理大臣が無視したとか何とかいうことは、運営委員長の答弁する限りの問題ではございません。そういうことは、何ら私に関係ないことでございますから、私にお尋ねになつても答弁をいたしません。
  62. 椎熊三郎

    椎熊委員 予算委員会における尾崎末吉君に対する不信任案の問題等も、目下問題になつております。私は、それはそれで進行してもいいと思う。私は、もし私どもと自由党との非公式ながら約束したことを無視して、委員長が横暴なことをするなら、私どもは解任決議案に賛成するの用意を持つておる。従つて、この問題を先にするかあとにするかなどということに、時間をかけて議論する必要はないと思う。会期の問題は会期の問題でやる。外務大臣の問題は外務大臣の問題でやる。尾崎委員長の問題は尾崎委員長の問題としてやつて、着々やれば二十分か三十分で、ことごとく諸君の意見は解決する。何もどつちを先議するかということに重点を置いて論議する必要はないと思う。ですから、本日の運営委員会案件を、先刻の理事会決定した通りの順序によつてつてもらわぬと、今後理事会というものは、何らの権威もないことになります。土井君や正木君等も、理事会には参加してきめたことですから、その決定に基いて着々きめて行つたらどうですか。
  63. 正木清

    正木委員 土井君から出ておる休憩の動議の取扱いはどうなりましたか。
  64. 松井政吉

    ○松井(政)委員 先ほど土井さんが、円満に事を運営するために、暫時休憩してほしいということでしたが、これに対し賛成の意見を申し上げます。というのは、そうでなくても会期延長するかしないかとか、会期最後の日というものは、恒例によつてにぎやかになるものだ、従つて普通以上に採決等を避けて、話合いができるならば、議運というところは話合いをして行かなければならぬ。ところが先ほど菅家委員長の言うには、要するに、従来と違つた形ができておるから、従来と違つた形をとる、従つて成規の形で採決するとおつしやつた。そういうことになれば、今度は最後の日で、例の通りにぎやかになりますから、それならば議運はいらないじやないか、本会議で正式な手続をとろうじやないかという議論も出て参りますので、そういうことではぐあいが悪い。さらに予算委員会も、にらみ合いのままやつておる状態であるから、やはり円満に事を運ぶために、暫時休憩してほしい。
  65. 菅家喜六

    菅家委員長 松井君にお答えいたします。委員長は、従来の取扱いと異なつ取扱いをいたしておりません。理事会を開いて、理事会においては、この順序によつてやるということに決定をしております。さらにそれによつて委員会を開きまして、各党の態度も表明願つて採決をした例はたくさんあるのでございます。急にというお話がございましたが、本日はすでに一時間待つてくれないかという御交渉があり、二時間待つても、二時間半たつてもできないということは、最終日に至りましてまことに遺憾なことでございます。これはやむを得ませんので、休憩はいたしません。採決をいたします。   会期の件を先議するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  66. 菅家喜六

    菅家委員長 起立多数でございます。会期延長の件を先議いたします。     〔「それなら本会議でやるぞ」と呼び、その他発言する者多く、退場する者あり〕
  67. 菅家喜六

    菅家委員長 進行いたします。ただいま多数をもつて会期延長の件を先議すべしということに決定いたしましたので、これを議題といたします。御発言を願います。
  68. 椎熊三郎

    椎熊委員 国会会期延長することは好ましいことではございませんが、参衆両院の今日の議事の進行過程を見ますとき、重大な予算案、あるいはスト禁止のごときは、自由党の原案をわが党が修正したものが、今回の国会に原案として出しておる。従つてわが党は、この会期中にぜひともこれを通過させたいという念願を持つておる。これは参議院のことですが、衆議院においても、最も重大な国民の関心を集めておるものは、今回の水害対策の特別立法の点である。われわれはこれだけの重大な水害を見て、これだけ長い間国会を開いておつて、この水害対策に対する特別立法もつくることができないでこの国会を閉会してしまうということで、どうして国に帰られましようか。何日会期を延ばしても、私どもは命がけで、この立法だけはしなければならぬという責任感を持つておる。従つて適当な期間の会期延長は、私どもは当然であると考えまして、自由党申入れの七日、とりあえず短かきに失するとは思いますが、一応それに賛成いたします。
  69. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまお聞きの通りでございますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければ、会期は七日まで延長することに決定いたしました。
  71. 椎熊三郎

    椎熊委員 会期の問題は、本院だけでかつてにばたばたきめて行くという問題でもありません。今、本院における多数の意見がわかつたのですから、議長においてはこれを基礎にして、早急に参議院と御交渉を開始願いたい。そこで円満なる解決を見ればよし、意見の相違があつた場合は、国会規定に基いて、衆議院決定通り会期延長が実現するのですから、急いでやつてもらいたい。  なお、会期延長の問題だけでなく、本日は外務大臣の不信任決議案という問題もあり、さらに予算委員長の解任決議案等もありまするから、これらの取扱いについては院の構成に関する重大な案件ですから、すべての案件に先んじてやる性質のものです。従つて会期の問題が本会議決定したら、ただちに社会党両派提出にかかる外務大臣不信任決議案を上程して、論議の結果採決せられんことを希望いたします。なお、尾崎末吉君の解任問題につきましては、目下三階で紛争中でございます。わが党は、その態度はまだ決定しておりませんから、本会議中でも、場内交渉において態度を明確にいたします。もし小澤佐重喜君その他に対する非公式な交渉を無視せられて、かつて横暴、気ままなことをするにおいては、尾崎末吉君といえども私どもは仮借するところはございません。断じて解任の決議案に賛成するやもはかられずということを、念のため申し上げておきます。
  72. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまお聞きの通りでございます。従いまして、これより議長参議院議長に対して交渉をいたすのでございますが、その間当委員会は休憩をいたしておきたいと存じます。時間も正確に六時までという時間を切つて参議院に交渉をいたしたいと思います。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議ないものと認めまして、六時まで時間を切りまして、議長においては参議院議長と交渉せられんことを望みます。しこうして参議院がこれに同調すれば問題はございません。もし参議院において、本院の決議に反対の決議がありますときは、再び当委員会を開きまして最終決定をしなければなりませんので、時間は必ず六時に各員の当委員会に御出席を希望する次第でございます。なお、この問題がきまりました次は、重要な案件の岡崎外務大臣の不信任決議案、これは政府の構成に関する重大な案件でございますので、これを次の議題にいたすことに決定いたしておきますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 菅家喜六

    菅家委員長 さよう決定いたします。さらにその次に、社会党両派より提出されております予算委員長尾崎末吉君に対する解任決議案は、交渉によつてその取扱い決定することにきめておきたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 菅家喜六

    菅家委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
  76. 田嶋好文

    田嶋(好)委員 実は椎熊委員発言に関連しておるが、社会党両派、分自党、小会派は退場いたしました。私たちは、この退場を、退場したとのみ見て見のがすことはできない問題が含まれていることを知らなければならない。あの人たちの退場は会期延長に反対の意味においての退場である。しかし、今椎熊さんのお説の通り、水害対策というものが非常に重大である。水害対策は超党派的に審議されております。会期延長に反対するということは、結局水害対策に対して何ら対策を必要としない、水害対策を考えなくてもいいという野党退場各派の意思だとわれわれ認めなければならぬと思う。この点に対して、何か委員長において、退場に対する、処置を適当にとられんことを要求しておきます。
  77. 椎熊三郎

    椎熊委員 私は、退場せられることは自由なんですよ。こつちがいろいろ想像をたくましゆうして、退場した意味などを想像しても、所詮何の役にも立たぬことです。ただ本会議が開かれた場合、与党たるの責任上、いかに本会議をスムーズに進行して行くかということは、与党にかけられたる重大な責任だと思う。みだりに野党を刺激したり、みだりに抗争するようなことは、かえつてひいきの引倒しで、与党としての態度でありませんから、はなはだ出過ぎたことでございますけれども、どうか慎重にしていただきたいと思う。
  78. 菅家喜六

    菅家委員長 もう一言お諮りをいたしておきます。本日の議事日程は公報に示しております通り、第一から第五までは、昨日大蔵委員長から説明がありまして、そのまま流会になつ案件が一番先に載つておりますから、この日程の一番最初に会期延長の件を坂上げ、その次に順を追うてやるという本日の決議であることを、再確認しておきたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 菅家喜六

    菅家委員長 さよう決定しておきます。  六時まで暫時本委員会は休憩いたします。正六時開会いたします。     午後四時三十八分休憩      ――――◇―――――     午後九時十二分開議
  80. 菅家喜六

    菅家委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  議長より発言があります。
  81. 堤康次郎

    ○堤議長 先ほど自由党から、七日間の会期延長申入れがありまして、参議院の方へ協議を、たしましたところが、先ほど参議院から、これに同意する旨を返事して参りました。そこで、こちらの申入れ参議院は気持よく受けてくれたのでありますから、どうか本院におきましても、円満に本日の会期延長議事が進行するよう、諸君の御協力をお願いいたします。(拍手)
  82. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまお聞きの通り議長より御報告がありました。本委員会決定通り、すなわち、本院の決定通り参議院においても会期は一週間の延期ということに同意をいたして参つたわけでございます。従いまして、両院意見がここに一致を見た次第でございますから、この問題は、先ほど決定いたしました通り、日程の第一に会期延長の件を議題として諮ることにいたします。
  83. 山村新治郎

    山村委員 先ほど議長からのごあつせんによりまして、何とか議事を円満に運ぶために、野党各派に対しましてある種の動きがあるように聞いておつたのですが、その点いかがですか。
  84. 菅家喜六

    菅家委員長 議長からお答えを願うことにいたします。
  85. 堤康次郎

    ○堤議長 それは、自由党の方へも譲歩することを申し入れまして、気持よく承諾をしてくれました。そのことを社会党両派の方へ申し入れまして、今までいろいろ協議されたそうでありまするが、両派においては、合法的に、会期延長にはあらゆる方法をもつて反対をするという旨の通告がありました。
  86. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまお聞きの通りでありまして、議長が、先ほど来数時間を要して御奔走なさいましたことに対して、正式に返事があつた次第でございますが、遺憾ながらこれは円満に進まずして、こうなつた次第でございますから、さよう御了承を願います。
  87. 椎熊三郎

    椎熊委員 これは重天な段階に来ておりますし、公開の席上ですから、この段階では一切を明らかにしておいた方が世間の誤解を招く憂いがないと思いますので、私は、議長とともに自由党に参つて交渉した一人でございますから、私から申し上げます。先ほど来、副議長室に野党各派の対策委員長が集まつていろいろ協議いたしました。分自党の石田博英君からは、特に私に私的の交渉があつて、野党側の面目を立てるにおいては、おそらく議事は円満に進むであろうという御注意がありましたから、面目を立てるということは、いかなることをすることかということを私はお伺いいたしました。ところが予算委員会における状態があのような状態で、議事の動きがとれない状態にある。そこで予算委員会においては、尾崎委員長の不信任動議が出たとたんに休憩を宜して、委員長委員長席を去らずにがんばつてつて動きがとれない。そういうことで、それは正常な形でない、野党側の面目を主張する点も無理からぬ点がある。こういうので議長に勧告をいたしまして、議長にお供いたしまして自由党に参りまして、この際国家の重大事であるから、予算を通過せしめ、重要法案を通過せしめ、衆議院の水害対策における特別立法措置を成立せしめるためには、どうしても本日一日では会期が足りないから、自由党申入れをのみたい。のむためには、議事を円満に進めたいから、自由党も忍ぶべからざる点があつても、大局的見地に立つてそれを忍ぶべきではないか。それを忍ぶとは何を忍ぶのか。すなわち、予算委員会を正常なルートに乗せなさい。会議が開かれれば、尾崎末吉君の不信任決議案が出る、それを結論づけなさい。どうなるかわかりません。自由党は反対でしようけれども、改進党もそれに賛成ですから、おそらくそれは通過するでしよう。その際、尾崎君は自発的に辞表を出すかもしれぬ。あるいは出さぬかもしれぬ。出さぬ場合においては、趣旨を貫徹する意味におきまして、本会議において解任決議案を出そう。この解任決議案には改進党も同調する。従つて、個人尾崎君にはまことに気の毒な次第であるが、これは国家のために犠牲になるという大きな見地から、自由党はこの人を、まあさらしものにすことではあろうが、それをも忍んでやりなさい。国家の大事だ、一尾崎君の面目の問題ではないということを、私は誠心誠意、自由党の幹部諸公にお訴え申し上げた。自由党の幹部諸公にとつても、この問題は重大な問題であつたでございましよう。やがて首脳部の会議が開かれたようでございます。釜谷総務会長、佐藤幹事長、小澤国会対策委員長が、そろつて議長室に来られて、自由党としては、尾崎君を見殺しにするということは忍びないから、あくまでそれは反対であるが、不信任決議案を予算委員会審議することに同意する。結果はどうなるか、わかりますん。それから、もしそれが本会議に上程せられるならば、それにも反対するが、いやしくも予算委員長が弾劾せられるのであるから、一身上の弁明を許してもらいたい。投票の結果どうなるかわからぬけれども、上程せられることには同意する。そういうことであつて、本日の日程の第一たる会期延長の問題をスムーズに取上げて審議に入つてもらいたい。そういう自由党お話がありましたので、議長の勧告をいれたということを私どもは非常に満足に思いまして、野党側の対策委員長の集合に出まして、自由党はこういうふうに譲つたから、どうかあなた方は、予算委員会で尾崎君を弾劾するなり、あるいは解任決議案を本会議でやるなり、それはやつてもよろしい。そのかわり日程の順序に従つて、まず会期延長審議してもらいたいということを申入れいたしまして、その結果、ただいままで返事が来ません。時間を限定して、五分ごとに事務総長を煩わして、社会党左右両派の書記長並びに委員長の四人の会談が開かれておる席上に、事務総長がわざわざ二、三回足を運びまして、そうして、ついただいま、九時五分前に返事が参りました。その返事によりますと、せつかくの申出ではあるが、会期延長には反対である。あらゆる方法をもつてこれに反対すると、意外な回答を受けました。私どもは、実は議長を煩わし、出過ぎたことではあるが、国会のために円満なる議事の進行をしたいという念願から奔走はいたしてみましたけれども、遂にこのことは社会党両、派のいれるところとなりません。本会議の成行きは、私には想像がつきません。しかしながら、本日この段階に至つて、いまだに二十八年度の予算は成立せず、政府提出、あるいは議員提出の重要法案は山積しております。ことに衆議院におきましても、水害対策委における特別措置というような法案は、いまだ具体的になつておりません。私どもはこの意味で、本日議会をやめてしまつて国に帰るということは、私の考え方としては、国家に対しても、国民に対しても、申訳ないという感じでございます。ひたすら会期延長せしめて、私ども国民の負託にこたえたいという実は考え方でおるのであります。しかるところ、運営委員会を開きましても、諸君ごらんの通り、社会党両派はここに出席いたされません。各派交渉会ではございませんし、合法的委員会でございますから、採決等、いろんな方法できめて行くことは一向さしつかえないのでありますが、この情景は、私ども政党政派の感情を離れて、国会の円満なる運営の上にはなはだ遺憾にたえない。国家のために痛惜にたえないのであります。そこで議長におかれては、本会議を開いていかなる態度に出られるか。これは私の関したところではございませんが、少くとも衆議院の意思決定をして参議院に交渉して、参議院もまた衆議院の意思決定を尊重して、七日間の会期延長に同意するというのに、それにもかかわらず衆議院が七日の会期延長決定することができないということは、私は衆議院の立場としては責任を全うしたことに相ならぬと思います。何とかして私は、会期の問題をスムーズに解決したいという念願から、世間の誤解を一掃するために、今までの成行き等をこの席上において申し上げたわけであります。
  88. 堤康次郎

    ○堤議長 私は、きようは非常に歯痛がはなはだしいので、今椎熊君が敷衍をしてくれましたが、あの言葉は、私が申し上げたい全部であります。ただ、ちよつと申し上げておきたいと思いましたのは、尾崎君の不信任案が予算総会に出、本会議で解任案が出た場合においては、改進党はどういう態度に出るだろうということを椎熊君はつけ加えておられました。その事柄は、私から申したのではありませんから、そのことだけを除いて、あとのことは全部私の申し上げるべきことを、歯痛のためにかわつてつてくださつたのでありますが、まことに事ごこに至つたことは、私にとつて断腸の思いであります。国民は政局の安定を希望し、経済の安定を希望し、生活の安定を希望しておる。しかるに、今なお予算案が通過しない、この段階において会期延長ができないということは、まことに私は断腸の思いにたえないのであります。しかもまた、参議院に対してこちらから申し入れて、参議院は気持よく同意してくれたのに、この会期延長審議未了になるようなことがありますれば、まことに私は感慨無量なものがあるのであります。なるべくこれを通すように、諸君にも十分の御支援を願いたいと思います。
  89. 菅家喜六

    菅家委員長 ちよつとお諮りすることがあります。
  90. 加藤常太郎

    加藤(常)委員 委員長ちよつと………。
  91. 菅家喜六

    菅家委員長 もう時間がありませんから、一回だけの発言でお許し願いたいと思います。加藤君。
  92. 加藤常太郎

    加藤(常)委員 時間の都合もありますので、わが党のこの問題に対する現在までの態度についての報告を申し上げたいと思います。先ほど椎熊君から、るるその後の経過についてお話がありました。この労苦に対しては深甚の謝意を表します。わが党としても、いたずらに時間を引延ばして、この会期延長を否決しようという気持はありません。われわれは、でき得べくんば国会の権威を高めて、円満な国会審議をはかりたいために、先ほど両社会党に対しまして、慎重なる考慮のもとに、円満に、合法的に議事を進めてもらいたいということを、国会対策委員長並びに幹事長から申し入れました。それに対しても御返事があるそうでございますけれども、それまでは、わが党の態度といたしましては、決定の留保をお願いいたします。
  93. 菅家喜六

    菅家委員長 次に、一応御報告申し上げますが、議員篠田弘作君を懲罰委員会に付するの動議が提出されております。今澄勇君外二十四名でございます。この案件は、先ほど議運決定いたしました取扱い案件が済みましてから、この問題を取扱うことにいたします。さよう御了承願います。  本日の本会議は九時四十分に開会いたすことにいたします。明日は定刻より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後九時二十六分散会