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椎熊委員 これは重天な段階に来ておりますし、公開の席上ですから、この段階では一切を明らかにしておいた方が世間の誤解を招く憂いがないと思いますので、私は、
議長とともに
自由党に参
つて交渉した一人でございますから、私から申し上げます。先ほど来、副
議長室に野党各派の対策
委員長が集ま
つていろいろ
協議いたしました。分自党の
石田博英君からは、特に私に私的の交渉があ
つて、野党側の面目を立てるにおいては、おそらく
議事は円満に進むであろうという御注意がありましたから、面目を立てるということは、いかなることをすることかということを私はお伺いいたしました。ところが予算
委員会における
状態があのような
状態で、
議事の動きがとれない
状態にある。そこで予算
委員会においては、尾崎
委員長の不信任動議が出たとたんに休憩を宜して、
委員長は
委員長席を去らずにがんば
つてお
つて動きがとれない。そういうことで、それは正常な形でない、野党側の面目を主張する点も無理からぬ点がある。こういうので
議長に勧告をいたしまして、
議長にお供いたしまして
自由党に参りまして、この際国家の重大事であるから、予算を通過せしめ、
重要法案を通過せしめ、
衆議院の水害対策における特別立法措置を成立せしめるためには、どうしても本日一日では
会期が足りないから、
自由党の
申入れをのみたい。のむためには、
議事を円満に進めたいから、
自由党も忍ぶべからざる点があ
つても、大局的見地に立
つてそれを忍ぶべきではないか。それを忍ぶとは何を忍ぶのか。すなわち、予算
委員会を正常なルートに乗せなさい。
会議が開かれれば、尾崎末吉君の不信任
決議案が出る、それを結論づけなさい。どうなるかわかりません。
自由党は反対でしようけれども、改進党もそれに賛成ですから、おそらくそれは通過するでしよう。その際、尾崎君は自発的に辞表を出すかもしれぬ。あるいは出さぬかもしれぬ。出さぬ場合においては、趣旨を貫徹する意味におきまして、本
会議において解任
決議案を出そう。この解任
決議案には改進党も同調する。
従つて、個人尾崎君にはまことに気の毒な次第であるが、これは国家のために犠牲になるという大きな見地から、
自由党はこの人を、まあさらしものにすことではあろうが、それをも忍んでやりなさい。国家の大事だ、一尾崎君の面目の問題ではないということを、私は誠心誠意、
自由党の幹部諸公にお訴え申し上げた。
自由党の幹部諸公にと
つても、この問題は重大な問題であ
つたでございましよう。やがて首脳部の
会議が開かれたようでございます。釜谷総務会長、
佐藤幹事長、
小澤国会対策
委員長が、そろ
つて議長室に来られて、
自由党としては、尾崎君を見殺しにするということは忍びないから、あくまでそれは反対であるが、不信任
決議案を予算
委員会で
審議することに同意する。結果はどうなるか、わかりますん。それから、もしそれが本
会議に上程せられるならば、それにも反対するが、いやしくも予算
委員長が弾劾せられるのであるから、一身上の弁明を許してもらいたい。投票の結果どうなるかわからぬけれども、上程せられることには同意する。そういうことであ
つて、本日の日程の第一たる
会期延長の問題をスムーズに取上げて
審議に入
つてもらいたい。そういう
自由党の
お話がありましたので、
議長の勧告をいれたということを私どもは非常に満足に思いまして、野党側の対策
委員長の集合に出まして、
自由党はこういうふうに譲
つたから、どうかあなた方は、予算
委員会で尾崎君を弾劾するなり、あるいは解任
決議案を本
会議でやるなり、それはや
つてもよろしい。そのかわり日程の順序に
従つて、まず
会期延長を
審議してもらいたいということを
申入れいたしまして、その結果、ただいままで返事が来ません。時間を限定して、五分ごとに
事務総長を煩わして、社会党左右両派の書記長並びに
委員長の四人の会談が開かれておる席上に、
事務総長がわざわざ二、三回足を運びまして、そうして、ついただいま、九時五分前に返事が参りました。その返事によりますと、せつかくの申出ではあるが、
会期の
延長には反対である。あらゆる
方法をも
つてこれに反対すると、意外な回答を受けました。私どもは、実は
議長を煩わし、出過ぎたことではあるが、
国会のために円満なる
議事の進行をしたいという念願から奔走はいたしてみましたけれども、遂にこのことは社会党両、派のいれるところとなりません。本
会議の成行きは、私には想像がつきません。しかしながら、本日この段階に至
つて、いまだに二十八年度の予算は成立せず、政府提出、あるいは議員提出の
重要法案は山積しております。ことに
衆議院におきましても、水害対策委における特別措置というような法案は、いまだ具体的にな
つておりません。私どもはこの意味で、本日議会をやめてしま
つて国に帰るということは、私の考え方としては、国家に対しても、国民に対しても、申訳ないという感じでございます。ひたすら
会期を
延長せしめて、私ども国民の負託にこたえたいという実は考え方でおるのであります。しかるところ、
運営委員会を開きましても、諸君ごらんの
通り、社会党両派はここに
出席いたされません。各派交渉会ではございませんし、合法的
委員会でございますから、
採決等、いろんな
方法できめて行くことは一向さしつかえないのでありますが、この情景は、私ども政党政派の感情を離れて、
国会の円満なる
運営の上にはなはだ遺憾にたえない。国家のために痛惜にたえないのであります。そこで
議長におかれては、本
会議を開いていかなる態度に出られるか。これは私の関したところではございませんが、少くとも
衆議院の意思
決定をして
参議院に交渉して、
参議院もまた
衆議院の意思
決定を尊重して、七日間の
会期延長に同意するというのに、それにもかかわらず
衆議院が七日の
会期延長を
決定することができないということは、私は
衆議院の立場としては責任を全うしたことに相ならぬと思います。何とかして私は、
会期の問題をスムーズに解決したいという念願から、世間の誤解を一掃するために、今までの成行き等をこの席上において申し上げたわけであります。