○
黄田政府委員 まず第一点の十八条に
規定してありますところの
競争制限的な
規定の幅がどのくらいであろうかという点でございます。これは和田さんは特に御承知の
通り、
日本で
独占禁止法というものができまして、そのアイデアはあくまで自由企業、自由
競争というアイデアのもとにできてお
つたのであります。これはむろん一面において、その
理由とするところ、ジヤステイフアイされるところが私自身もここにあろうと見るのであります。ただ
アメリカにおきましてや
つておりますクレイトン法、シヤーマン法、これを中心といたしますところの
独占禁止法というものと、それから
日本が当初つくりましたところの
独占禁止法というものとの間には非常な径庭がございます。また世界の各国を見ましても、
独占禁止法的なアイデアをと
つておりますのは、これはほとんど
アメリカだけでございまして、イギリスにおいてもこういうのはございませんし、ドイツにおいてもなか
つたのでございます。従いましてその幅が非常に広いということが事実厳として存在していたのであります。そこで
輸出組合のようなものについてでございますけれども、これは戦前において
輸出組合的なものが相当幅の広い活動をいたしまして、独占的なあるいは取引
制限的な点にまで活動を広げて行
つたという点もまたあるのでございます。従いまして、ガツトなんかに加入いたします際に、そういう古い悪い習慣というようなものがあ
つてはならない、また復活されてはならないというので、
独占禁止法のねらいというふうなものも、一応正当化されていたのでありますけれども、しかもその
考え方が非常に広過ぎたいということから、修正のまことに道理のある主張をされたのでありますが、さて今ありますところの
輸出組合というふうな程度のものでは、これは私の方といたしましては、取引
制限的なところまで行くものではない、今の
日本の状況におきましてはそういうものがかえ
つて必要である、つまりあまりに激烈なる
競争の結果、アンダーセリングの
競争が非常にはげしくて、かえ
つてその方の害毒がひどいというようなことか、
考えまして、今の提案されておりますような
輸出組合程度のものでは、十八条の対象になる
協議の目的とすべきものではないというふうな
考え方をいたしております。それから
アメリカとの
貿易の点でございますけれども、これは二年前までは一四半期が約四千五百万ドル、年間にいたしまして一億八千万ドルくらいございまして、これが最近は一・四半期五千万ドルを越えております。従いまして年間で一億ドル以上ということにな
つております。そういう点からせんだ
つてのたしかジェトロの
参考人だ
つたと思いますけれども、将来の
貿易は有望であろうということを申されたのだろうと思います。今年の上半期を見ましても、オープン・アカウント地域も、スターリング地域も――スターリング地域はことのほかひどいのでございますけれども、非常な減少を示しております。しかるにドル地域なかんずく
アメリカに対しましては、相当の上昇カーブを示しておりまして、その内容は鉄製品なんかも相当あるのでございます。このようにオープンとポンド地域が非常な激減を示しておるにもかかわらず、ドル地域に対しては相当のアツプ・カーブを示しておるということは、
アメリカとの
貿易がしかく絶望すべきものではないということを、この間ジエトロの方が言われた
理由であろうと思うのであります。しかしながらこの両国間の
貿易を比べますと、むろん入超の非常にはなはだしい例でございますので、これがカバーできる、あるいはバランスするくらいに、両国の
貿易がそのくらいまで行くものとは私自身もそこまで楽観をしておるわけではございません。
それから関税の問題がどうな
つておるかという
お話でございましたけれども、まぐろとか犬くぎとかあるいは絹スカーフというようなものに関しましては、あるものに関しましては関税
委員会のレコメンデーシヨンにもかかわらず、実現を見ずしておるというふうな
状態にな
つております。