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帆足委員 私はこの問題は
政府当局の方にも怠慢がありますし、またわれわれ議員としても、実はこの問題について昨日詳しい
情報を聞いたのでありまして、その責任を痛感しておるのでありますが、
気象台としても私は反省していただきたい点があると思うのです。と申しますのは、
一般国民の
常識では、
気象台というものは、あしたピクニツクに行くが
天気がいいかどうかというようなことを聞く場所が、
気象台だというぐらいに
一般市民は
考えておりまして、この
台風の国でこの問題がいかに重要な問題であり、今日の
天文科学の進歩は、この問題に対して相当の解決を与え得る段階に到達しつつあるということについての認識が不十分であります。当らぬものは何かというクイズなどで、
気象台だというよう
なつまらぬ答えを出してみずから満足しておる。まるでお稲荷さんと同じように取扱われておる。これは
気象台についての啓蒙が十分でない。
気象台が十分な
政治力を持
つていないし、
国民の
常識の中に根を十分におろしていないという点もありますので、ひとつわれわれも
気象台を見せていただきますが、もう少しこの問題についての
国民の輿論を喚起して、
気象台長も単に
技術者としての面のみでお
考えにならずに、
日本の
治山治水の問題、同時にまた
神風などのばかばかしい非科学的な迷信を打破して、将来における
日本の地位を高めるための
一つの重要な、
気象科学ということがポイントであるというような点から、大いに
考えもし、
努力もしていただきたいと思いますし、われわれも
協力したいと思いますので、一段の御奮起をお願いいたしたいと思います。
なお先ほどの
田中委員の
質問に関連いたしまして、
一言政府当局にお尋ねいたしたいのですが、実は私が昨年上海に参りましたときに、
日本の
漁船問題について
中国の
当局の一応の
意見を聞いてみました。すると
中国当局ではいろいろな
資料を出しまして私に見せてくれましたが、とにかく当時は
占領下のことでありますから、
政府当局としても十分な調査はできなか
つたと思いますけれ
ども、百隻も
漁船が拿捕されて
中国に繋留されていた。そうしてその
原因は主として魚をとる問題よりも
気象通報その他の諜報的任務をしていた、そうしていろいろなことを
連合軍に報告したり、司令部に報告するようなことを秘密に義務づけられていた漁夫長などがたくさんあ
つた。まことに遺憾であるということを聞いて——もちろん一方的
意見だけでそうでございますかと思うほどわれわれ自主性のないものでありませんから、参考
意見として聞いたのでありますけれ
ども、
政府当局にはそういうことが耳に入
つておられるかどうか、これをお尋ねしたいと思います。幸いにしてこの問題については、
朝鮮戦争が終結すれば、過去は過去として、こういう問題は少くなるわけでありますが、百隻以上の
漁船といいますと数億円に上るが、拿捕されて
政府の補償というものは、その中の一割にも補償はしていないでしよう。ですから中小漁業者の打撃というものは非常に深刻なものでございます。従いましてこういうことが、
中国側の言い分が妥当であるか妥当でないかという問題は別といたしまして、こういう問題については、やはり常に国と国との間に誤解もありますし、ましてや戦時体制のボーダー・ラインの場所でありますから、いろいろな不幸なこともありますので、常に
国際情勢については話し合い、語り合
つて、できるだけ摩擦を少くするということは、私は少くとも超党派的に必要だと思いますが、
政府当局はこのような問題について、どのようにお
考えにな
つておられるか。必要とあらばわれわれ
資料も提出いたしますが、過去のことは過去のことといたしまして、
朝鮮戦争もやがて済むでありましようから、この機会をとらえて
中国との外交
交渉に入る——保守党の方が再軍備をされようとどうしようと、これはある程度保守党としての
常識問題でありましよう。それはともかくとして、とにかく外交
交渉をしてできるだけ平和ならしめたいということは、保守たると進歩たるとを問わす、われわれ
国民の
常識であると思う。しかるに
中国のことになると、牛乳を飲むとおなかを下すとか、獣肉を食べるのは
日本の淳風美俗に反して、昔はたいの刺身だけを食べるのがいいという錯覚があ
つたように、
中共とか
ソ連とかいうと、何かキリスト教徒が回教徒のうちに行くようにこわがりまして、それと
交渉するための
努力と誠意を怠
つておる。現に今西欧諸国はほとんどすべて北京に参りまして、いろいろ話合いをしているときに、われわれは漁業問題のような重要な問題を前に控えて、現在また問題を論議するにあた
つて、こういう問題の論議をする勇気すら持たないということはまことに遺憾であ
つて、今からでもおそくありませんから、保守党であろうと何であろうとけつこうですから、ひとつ大いに誠実に
国民の立場に立
つてこういう問題を
交渉によ
つてできるだけ妥結する。武力によ
つて妥結するとい
つても武力はないのですから、
交渉によ
つて妥結する。理性によ
つて妥結することも
努力をいたしていただきたい。この問題について私のようにお
考えに
なつているか、その点だけお伺いしたい。