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山崎(岩)
委員 大臣の御
所見はよくわかりました。そこで私は副
総裁にお尋ね申し上げたいのであります。第十三回国会、思えば私
ども当
委員会におきまして——第十三回国会に席を持
つておつた人々は感無量の思いがあると思いますが、第十三回国会におきましては、
国鉄法の一部改正案というものを
議員提案で出した。その骨子とするところは、いわゆる
国有鉄道内部におきますところの監理
委員会の廃止、いま
一つは大臣の権限の
強化、この問題を二つ取上げまして、
国鉄法の一部改正法案というものをわれわれは上程したわけであります。当時における世論というものは、私
ども議員立法に対しまして非常な非難攻撃があつた。当代随一といわれておる朝日、読売、毎日
新聞等の社説においてすら、この
国鉄法一部改正案というものを、これは時代錯誤の立法である、あるいはこれは管理局について失敗したところの二、三の
議員が、その野望を果すことができないことのために、腹いせとしてかくのごとき悪法を上程しておるというような社説まで掲げられておる。私
どもの
考え方はそうじやなかつた。われわれとしては有名無実でありまする監理
委員会というものを廃止して、
国有鉄道の
総裁に権限の
強化を与えて、これを国会において
指名して
国有鉄道の
総裁たる者に
ほんとうの力を与え、同時に責任をも持
つてもらわなければならぬ、こういう観点に立
つて、監理
委員会の廃止というものを取上げたのであります。同時に
先ほど徳安委員からも
お話がありました
通りに、
国鉄がチーム、ワークが非常にうまくとれておる結果でもありましようが、ただいま世論がはなはだ芳ばしからざるゆえんのものは、私は
国鉄王国、あるいは
国鉄帝国主義、こういうような言葉の中に入れられるほど、チーム、ワークがうまくとれておりまして、
先輩、
後輩との
つながりもまことに強固である。
従つていろいろな
国鉄に関する
機関に、
国有鉄道の
先輩がどんどん席を持
つて、いろピれ自分の職権を濫用するという
疑いがあることのために、私は今回の
新聞紙上等における非難攻撃、かくのごとき世論の硬化というものの大きな根拠があるのではなかろうかと
考えるのであります。そこで大臣の権限の
強化ということも、また再び
考えて来なければならぬ問題であると思う。今日
国鉄当局の
方々は悪戦苦闘をされて、
国鉄四十五万の
職員を引連れまして経営の任に当
つておられる。三万キロ以上の営業キロを持
つておる
国鉄といたしましては、国内至るところ、津々浦々にその末端を
機関として持
つておられるわけであります。いろいろの御苦労の点も私
どもは
考えるのでありまするが、同時にまたこの大きな世帯でありまするがために、
一つの問題だけでありましても、投じた一石というものがまことに容易ならぬ
事態を引起しておるわけであります。この辺の実態にわれわれは思いをいたしまして、再びこの大臣の権限を
強化して、
国鉄の監督という点に万遺漏なきことを期さなければなるまいという
考え方に私
どもはかわ
つて来た。第十三回国会から今日まで、思えば三年間の日月を経過しておる。その間私
どもはこの
法律案を見送
つております。この
法律案を上程をいたしまして、衆議院においては可決されましたが、参議院においては残念なるかな、流産のうき目を見たのであります。爾来今日まで私
どもは鳴りをひそめてこの状況を観望して参
つてのでありますが、はたせるかな、この会館の問題が一石を投じまして、世論に対してかくのごとき波紋を投げかけたということは、何としても
国鉄はこの段階において反省しなければならぬ、こういうふうに
考えるのであります。私は当時を顧みてまことに感無量である。当時の
新聞紙が
国鉄側に味方をした
理由は一体何であるか、今日
新聞紙が
国鉄側に輿論の急先鋒を切
つて非難、攻撃を浴びせている
原因はどこにあるか。私たち
考えてみれば、第十三国会に
国鉄法一部改正案を上程した論議というものは、これは政治上の論議であり、
法律上の論議である。監理
委員会を置くべきかいなか、大臣の権限を
強化すべきかいなか、こういう問題が根拠とな
つて参りましたので、
新聞等におきましても、いろいろ
国有鉄道という、コーポレーシヨンの本来の使命にかんがみて、
国鉄側に味方をしたのだと今日私は了解しておる。しかるに今日
新聞紙において逆の作用をも
つて、
国鉄側にまことに辛辣なる批評を加えておるゆえんのものは、一体何であるか。私は今日までの長い間、何十時間にわた
つてここにおられる
委員の
方々が非難を浴びせ、質疑応答をいたしましたことは、これは
一つの大きなスキャンダルということに
原因を置いている結果である。あなた方の初めの
考え方がそれほど悪意でなかつたものでありましても、どうも形の上において現われたことを、取上げて参りますと、これはその部分においてはまことに芳ばしからざることがどんどん出て来るのである。あなた方の誠意のいかんにかかわらず、この起きて来ておるただいまの事象は、決してこれは芳ばしいことでないと私は思います。
そこで結論として申し上げたいのでございますが、運輸大臣は
国鉄をこのままの状態に置いてよいのか。監督権を
強化いたしまして、
国鉄総裁、副
総裁と緊密な連絡をと
つて——監督権必ずしも職権濫用でも
つてこつぴどくこれをこき使うということではないのであります。お互いに
国民が主人公とな
つて、私
どもは
国民の公僕なんだ。
国民はあくまでも主人公であ
つて、私
どもはそれに対して公務員としてわれわれの職責がおのずからあるわけであります。その点にかんがみるならば、フエアー・フレイな
考え方で
法律を改正して大臣の権限を
強化して、
国鉄ともつと緊密な連絡をとるということは、ひいては
先ほど徳安委員からも言われましたように、当
委員会を軽視するとか、国会を軽んずるとかいう問題と関連性を持
つて来るのであります。大臣の権限を
強化する。その大臣は当
委員会に出席して、
職務上においてわれわれとの間にいろいろな公務上の質問応答の矢面に立たれるのであります。従いまして私は大臣の権限を
強化して行くことが当面の
急務であろうと
考えますが、この点について大臣はいかにお
考えになるか、御
所見を承りたいと存じます。