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1953-08-01 第16回国会 衆議院 運輸委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年八月一日(土曜日)     午後二時十四分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 岡田 五郎君 理事 關谷 勝利君    理事 松井 豊吉君 理事 原   彪君    理事 鈴木 仙八君       岡本 忠雄君    徳安 實藏君       南條 徳男君    山崎 岩男君       臼井 莊一君    岡部 得三君       館  俊三君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      植田 純一君  委員外出席者         日本国有鉄道副         総裁      天坊 裕彦君         日本国有鉄道理         事         (経理局長)  高井 軍一君         日本国有鉄道理         事         (営業局長)  津田 弘孝君         日本国有鉄道理         事         (施設局長)  江藤  智君         参  考  人         (株式会社鉄道         会館専務取締         役)      立花 次郎君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 七月三十一日  委員楯次郎君辞任につき、その補欠として勝  間田清一君が議長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  株式会社鉄道会館等調査に関する件     ―――――――――――――
  2. 關内正一

    ○關内委員長 これより会議を開きます。  株式会社鉄道会館等に関し調査を進めます。臼井莊一君
  3. 臼井莊一

    臼井委員 先般御質問申し上げたことについて二、三それに関連してお伺いいたしたいのですが、日本国有鉄道法の第四十九条によると、賃貸、譲渡の場合においても入札によらなければならない、こういうことになつておるのに、個人指名契約をされているように伺つておるのでありまするが、そうすると、この条項によると、入札にするよりは国鉄に有利だと認めてそういう方法をとられたと解釈するのでありますが、しからば実際にどういう点が有利であると国鉄側において御解釈になつておるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  4. 天坊裕彦

    天坊説明員 鉄道会館仕事と申しますが、この前にもたびたび申し上げましたように、鉄道会館をつくつて東京駅をつくる、こういう仕事内容として鉄道会館契約いたしたのでありますが、その契約国有鉄道法の四十九条の、鉄道のこうした売買、貸借、請負というような契約は、すべてこれを原則として一般競争入札にするという原則があるにかかわらず、随意契約を結んだその根拠なりその理由なりは、どういうわけかというお話でございますがその点いろいろと御疑問が多いようでございますので、ひとつ詳しく申し上げたいと思います。  この構内営業許可契約は、法律的には公共用物である鉄道用地なり停車用施設を、その用途なり目的を妨げない限度において他人に有償で使用させる、いわば公的色彩の強い契約で、その性格は、純粋私法上の賃貸借等に準ずる契約でございますが、純粋私法上のものとも言えないような性格のものでございまして、一般に公告して競争入札方法に準じて申込みをさせ、最高の構内営業料を支払うという申込みをした者と契約を締結すべきではないかという疑問でありますが、この内容が非常に複雑で、たとえば国有鉄道と共同して首都玄関口にふさわしい八重洲口駅というものを新設するというようなこと、あるいは旅客または停車場に出入する公衆利益を供することを目的とする営業を営むものであること、こういうことがこの許可内容でありまして、国有鉄道におきます本件契約目的は、単に有利な構内営業料を徴収することだけが、その目的ではないのであります。すなわち国有鉄道と共同して駅舎を建設したり、国有鉄道目的に合致した旅客公衆利便の向上に資する営業を営むということにあるわけであります。従つて相手方において本契約上の違反があつたときは、国有鉄道事業に著しき支障を来す結果となり、一般公開競争入札方法に準ずることが不利であるばかりでなく、本件契約目的は、前に申しましたように、単に有利な料金を徴収することだけが目的でなく、またその性質も、国有鉄道と共同して駅舎を建設したり、国有鉄道に協力して、旅客公衆利便を供するもので、これまた一般公開競争入札方法に準じて契約することには適しないものというふうに考えたわけであります。以上本件契約一般公開競争入札方法に準して契約することは不利であり、またしれに適しないものでございますが、国有鉄道法四十九条但書、同法施行令二十三条第六号により、本件契約の目出なり性質は、一般公開競争入札方法に準じて契約するには適しないものと考えまして、国有鉄道の業務についての長い経験と、国有鉄道公共性についての深い理解と認識とを持つている者が首脳者となつて経営している株式会社鉄道会館代表者と、随意契約をしたわけであります。
  5. 臼井莊一

    臼井委員 御趣旨はわかりましたが、しからばこういう契約をやつたら有利であつたというような、具体的な事例が何かございましたか。加賀山前総裁契約したために、こういう点が非常に有利に契約できたというような、具体的な問題はございませんでしようか。
  6. 天坊裕彦

    天坊説明員 この許可の際に、もしこの工事が途中で打切られるというようなことになつては非常に困るという意味で、契約の当初にそういうふうに匂えたのでございまして、それでは今出銭的にどれだけ有利になつたかということは、今のところ言えないと思います。しかしたとえば高架下利用等につきまして、こちらの言う通りの設計で話が進んで来たということは、もし営利的な、こちらの趣旨を了解しない相手方であつたならば、話がなかなかつきにくいものであつたろうと想像されます。
  7. 臼井莊一

    臼井委員 しかしこの契約の実際を見ますと、国鉄の方が有利というよりは、むしろ不利になつているのじやないかというふうに思われるのであります。その点については、先般伺いましたら、契約を正すという二点がございましたけれども、なおその後にこの契約に不利な部分があるからこれを直そうという部分があつたら、お示しいただきたいということをお願いしてありますが、まだ出ておりません。いずれ出していただけると思いますけれども、一番大きな問題は権利金の問題です。権利金をとらなかつた理由、またはとれなかつた理由ちよつとお伺いたしたい。
  8. 天坊裕彦

    天坊説明員 私どもとしましてこうした鉄道用地を使わせる場合に、国有鉄道性格上、いわゆる市場権利金というものを標準にして、そのままこれをとるということは、鉄道事業性質にかんがみまして、その点はそうはできないのじやないか。でございますから、私の方ではその近所の地価というようなものを、税務署あたりが税額の査定の場合に考えておる実情、あるいはまた勧業銀行等の評価、こういうものを参考にしてきめておるかつこうでございます。
  9. 臼井莊一

    臼井委員 どうもその点が納得が行かないのでありますが、鉄道性格上とれないのではないかというふうな、鉄道側のお考えのようでありますけれども、しかし権利というものは世上ではつきり認められておるものであります。権利金としてかりにとれないとしても、他に何かかわるべき方法で――国鉄が単に一営利会社利益をそのまま与えるということは、これは不当であつて、やはり何らかの形で国鉄がそれに相当すべきものをとり得る方法があろうと思うのでありますが、その点お考えにならなかつたのでありましようか。
  10. 天坊裕彦

    天坊説明員 営業局長からもつけ加えられると思いますが、用地だけの問題に関しましては、非常に低額なもので従来やつております。それは通常の社会通念にあまりに隔たりがあるというようなことで、構内営業料というふうなものが結局生れて来て、これを合せて一応の通念に近いものになつておるのが実情であるというふうに考えております。
  11. 臼井莊一

    臼井委員 国鉄側通念とわれわれ社会人通念とは、どうも少し違うように思うのであります。そこでお伺いしたいのは、権利金というものは、国鉄としては全然とれないものであるかどうか。またがつてそういうものをとつたことがないということであるのかどうか。その点をお伺いいたしたい。
  12. 津田弘孝

    津田説明員 先ほど天坊総裁から申し上げましたことで御納得行つたのではないかと思いますが、今の構内営業料として売上げに対しまする一定の歩合、これが言つてみれば権利金がとれないかわりにとつておるというふうにわれわれは考えおるのでありまして、今まで権利金という名前においてとりました実例はございません。
  13. 臼井莊一

    臼井委員 そうすると、権利金にかわるべきものとして構内営業料に基いて賃貸料をとつておりますが、これは普通のデパートなどの貸料や、普通一般社会において行われておるよりは相当高額になつておるのでありましようか。
  14. 津田弘孝

    津田説明員 市場そういつた売上げというふうなものを参考にはいたしておりますが、現在規定できまつておりますところは百分の一ということにきまつておりまして、一般市場における権利金等と比較いたします場合には、まだある程度安いのではないかというふうに考えております。
  15. 臼井莊一

    臼井委員 そうしますと、一般の市価より安いということで、中に入つておる商人の方の便宜をはかるという意味においては、必ずしも悪いとは言えないでしようが、しかし先ほどのお話権利金はとらぬかわりに、ある程度賃貸料に加味しておるというお話とは矛盾するように思うのです。権利金はとらぬかわりにある程度高くすることは、中に入る側でも了解しておるのであり、ことさらに過分に一般人に、特に営利会社あたりに有利にするということは、必要ないのではないかと思うのですが、お考えはどうですか。
  16. 津田弘孝

    津田説明員 臼井委員からお話の点はごもつともでございます。前々申し上げておりますように、われわれが現在つくつておりますところの構内営業規則、その中に百分の一というような率も定められておりますが、どうも今日の新しい事態に即しないものが、その構内営業規則の中には多々ある。今後この構内営業規則を――たとえば民衆駅というような、昔は予想もしなかつたような形態が続々と現われて来ているというような状況にかんがみましても、近くこれを根本的に改正したいというようなことで、目下研究、立案をいたしておるような次第でございます。その際にはやはり先ほどお話になりましたような、一般市場に常識になつておりまする権利金との均衡というようなことにつきましても、考えなければならぬではないかと考えております。
  17. 臼井莊一

    臼井委員 将来の問題は別として、ここに莫大な、普通であればとり得べかりしものが、国鉄なるがゆえにとれないのであるか、あるいはまた故意にとらなかつたのであるかということは、問題だと私は思うのであります。たとえば、とる方法があるではないかというようなことは、高円寺においては建物を建てて、そしてこれを国鉄寄付したというようなことを言つておるのであります。そうすると権利金という名目ではないけれども、何か鉄道施設というようなものを、鉄道会館をつくるについて、ほぼそれに相当する額のものだけを会社側においてつくつて、そしてこれを国鉄寄付する、こういうこともすればできたのではないかと思うのですが、この点をなさらなかつたのはどういう理由でございますか、その点をお伺いしておきます。
  18. 江藤智

    江藤説明員 お答えいたします。ただいまの御質問は、どうも鉄道地価一般相場に比べて安いようである、この問題につきましては実はいささか私からも御説明申し上げたいのでございますが、そういう安い、あるいは一般相場に比べて高い金がとれないから、そのかはりに駅の施設一部分をこしらえて寄附するようにしたらどうか、こういう御質問だろうと思うのでございます。これにつきましては前々から設計概要等で御説明いたしておりますように、皆様のお手元にお配りいたしました平面図で、黄色く塗つておる部分をわれわれは共用部分として設計いたしております。しかし実質は旅客のためのコンコースであり、待合室でございまして、これは八重洲口駅施設そのものとして必要なものなのでございます。ただこれに対しまして鉄道会館の方に店などを許しますから、そこに入るお客さんもとにかくそこを使うであろう。要するに改札口より外でございますから使うであろうという名目で、折半負担にいたしておるのでありますけれども、この部分はもともと駅施設プロパーのものなのでございます。この部分に対しまして折半負担をしておるわけでございまして、大体高架下あるいは鉄骨部分等を入れまして一億五、六千万円という金は、先方のその部分に対する寄付である、こういうふうに考えられるわけでございます。  それから国鉄土地に対しまして権利金をとることができるかどうか、こういう問題なのでございます。これにつきましては、社会実情はああいう場所に対しましては、権利金というものが普通に考えられるところなんでございます。しかし従来国鉄土地国有地でございまして、いわゆる鉄道省時代考え方相当にまだ伝わつておるのでございまして、そういう国の土地賃貸しまして、一般のマーケットで考えられておるようなそういう権利金をとるということは、考え余地があるというような説もございますし、また実際にそれをとるといたしましても、これは非常にまちまちでございます。われわれの方の専門屋がいろいろと調べましてもまちまちであつて鉄道のような公共企業体であつて、場合によつては非常に営業も制限しなければならないという場合に、どの程度にこれを定めるかということは、なかなかむずかしいのでございます。ちようど構内営業規則というものがございまして、用地のほかに売上げに対しまして百分の一をとるという規定がございますので、一応これが用地料のほかにとる権利金に当るものである、こういうような考え方事実行つて参つたのであります。しかしながらはつきりと名目を立てましてとり得る場合、たとえば埋立地のところで先般御説明申し上げましたように、カルテックスの給油所に貸しましたところは、埋立条件の中に将来下水暗渠をこしらえるという条件国鉄が負つておりますので、これは坪当り二万五千円くらいの当時金であるのでございます。そういうような義務を国鉄が負つておりますから、そういう金はとにかく前取りをして、こちらの方に納めなさい、こういうようなことで金をとつている事例もあるのであります。しかし何分にもその後地代が統制されまして、非常に安い金で昭和二十六年までは押えられておりました。そのために実際にそういうような地代で一度貸しますと、急にそれを上げるわけにいかぬ。そういりものに引きずられて来るという傾向もあつたことはいなめないわけでございます。しかしこういう問題につきましては、できるだけ早く適切な用地料あるいは使用料をとるように、改訂いたさなければならぬというふうに考えておる次第であります。
  19. 臼井莊一

    臼井委員 どうも今の御説明だけでは私は納得行かないのであります。たとえば営業料にしても、千分の十ということは百分の一ですが、銀座あたりの特にああいうにぎやかなところになると、売上げの一割くらい場代としてとつておる。そのほかに相当権利も払つておる。これはもちろん営利本位の店でありますから、とり過ぎておると思うのであります。従つて値段もそれだけ高くなつておるというふうに考えるのでありますが、しかしこういう安い値段で貸すのに、さらにこれをそのまま権利金をとらぬということは、これは不当に営利会社の方を有利にしておるというふうに解せざるを得ないのであります。従つてどうもこの鉄道法の第四十九条にぴたり当てはまつたふうには、私は解釈ができないのであります。さつき申し上げたように過当な施設をしてそれに該当する金額のものをつくつて寄付するという方法もあるということを申し上げたのに対して、約一億六千万に該当する広場をとつておる。これは私は図面で拝見しただけですからよくわかりませんけれども、しかしそれはおそらくただ広場にしてあるのではなくて一いろいろ品物を並べたり、小ケースをつくるという――これは私が想像するだけで違うかもしれませんが、そういうふうに解するのですが、また駅を利用するためでなくても、たとえば映画館に入るとか、あるいは事務所デパートの買物のために集まる人のお使いになることであつて、必ずしも鉄道寄付したということにはならぬし、しかもこれが折半であるとすれば、これは少しも寄付したということでなくて、半々に共用するということ心おいての理由でそういう方法とつたので、これはあたりまえのことであり、権利金に該当すべきものを国鉄寄付したというふうに考えないのでありますが、この点のお考えはどうでありますか。
  20. 江藤智

    江藤説明員 お手元にお配りいたしましたこの図面でございますが、この図面の中で赤い部分鉄道会館が店を開いておる場所でございます。それから黄色い部分先ほど共用部分と申したのでありますが、この黄色い部分はちようどここに乗車品の大きいコンコースと、それから降車品コンコースとがありまして、これはちようど改札のすぐ外のところで、お客が並ぶところでございますし、とにかく表からの出入りというところで、これは完全に駅の一部分考えていいのであります。先ほど申しましたのは、大体高架下鉄骨部分でございます。本屋の黄色い部分につきましては、折半負担でございますが、数字ははつきりいたしませんでしたので、差引いて申したのでありますが、これを加えますとさらにそれよりも多くなります。この部分はむろんここを通りまして、店に入る人もおるでしよう。しかしながら店をつくらない場合には、国鉄がどうしてもつくらなければならない部分、こういうように駅の設備と考えていい部分なんでございます。それからその金も向うの方が予納して、そしてうちの方と一緒にいたしまして、財産は国鉄寄付するというかつこうになつておりますから、これは厳格に、内容的にあるいは実質的に申しまして、それだけのものを国鉄寄付しておるというふうに解釈してしかるべきものだと私は考えおります。
  21. 臼井莊一

    臼井委員 どうもそれくらいのあれでは、寄付解釈してもささたるものだろうと思います。  なお立花さんが立案されるについて、先般お伺いしますと、日本首都の、しかも中央東京駅であるから、りつぱな鼻をつくろうということで御立案されたということでありますけれども、しかし一階だけが国鉄が駅として使うので、あとの十一階というものはデパートであり、また事務所であり、また一階も相当シヨー・ルーム式のものがあるように見受けられるのでありますが、さらに映画館もできる、こうなると駅というよりはデパート事務所という方が、率からいつても言えそうに思いますが、どうなんでございましようか。ほんとうに駅ということに主眼を置いたのか、あるいはデパート主眼を置いたのか、この点立花さんの御考えを承りたい。
  22. 立花次郎

    立花参考人 私ども何と申しましても駅をつくりますのが一番のねらいでございます。それではただ駅なら一階でよろしいじやないかというお説があるわけでございますが、京都の例をとりますと、京都駅は私の在任中に焼けたのでありまして、これを何とか直さなければならない。ところが京都などは完全に二階以上の使い道は実際はないのであります。それで一階でいいじやないかという議論もあつたのですが、あの京都駅の広場の前に小さな一階建をつくることは、何と申してもみつともなくてしようがない。そこで率直に申し上げて必要はないのですが、八階建のタワーをつくり、それから一般建物からすれば四階建に相当する大きさのものをつくり、それは四階建にする必要はないので二階にして使つておるのであります。外国の例で申しますれば、フィラデルフィアあたり二十階ぐらいのビルディングの下に駅の出入口があるというのもあります。これは少し極端な例かと存じますが、私ども東京駅を設計いしますときには、どの規模がよろしいかということで、三、四年にわたつて議論したと思うのでありますそのと凄いろいろ案がございまして、特に大学教授の方、その他有名な建築家にも御参加願いまして、案を立てたのでありますが、結局今のような程度のもの――もつとも十二階か八階かということで問題になりましたけれども、今のようなものにほぼきまつたのであります。ところが国鉄といたしましては、駅施設はすでに丸の内側の方に入つておりますので、八重洲口側には、そういう駅施設は上の方にはいらない。それで建物を建てますには相当の資金がいる。従つて何にそれを貸すべきかということで、ずいぶん議論をしたのであります。ただ駅でございまするから、なるべく駅にあつて便利なものがいい。また便利なほど有利に貸せるというわけでありましていろいろ議論をした末、五階まではデパートに貸す。しかし、そのため駅の出入りが非常に混雑してはいかぬというので、デパート出入口は、一階のほんの片方にわずかだけつくつた。それからデパートに行きます自動車については、わざわざ二階の裏の鉄骨の屋根を使いまして、そこに自動車を上げ、そこから出入りさせよう。このように駅の方をなるべく侵さないように配慮いたしたのでありまして、デパートに貸すなどもうけ主義ではないかと言われればどうも弁解する余地はないかと存じますが、デパートがあるかゆえに駅の施設を侵すことのないように設計上万全の注意を払つておるのであります。
  23. 臼井莊一

    臼井委員 私、その方の専門家ではないのですが、ただこれが国鉄が全部やつておるものならば、まだそこに安心する余地があるのですが、少くとも鉄道会館なるものは株式会社であり、営利会社である以上、これに当られる幹部の方は、利益を上げるということにまず第一に主張を置くのがあたりまえであり、またそうしなければ株式会社会館に対しては不忠実である。そう考えると、今の立花さんのお言葉だけを全部信用してよろしいかどうかという点に非常に疑問があるのでありまして、今後これができ上つてみればわかるじやないかということになるでありましようが、それでなくても東京駅は今後ますます混雑して来る。ことに常磐線東京に乗り込んで来るということになり、またほかの線もそこに乗り込んで来るということになると――ほかの線を引込んで来るということについては、私は終戦直後に、私、千葉県ですが、千葉県からの通勤者便宜をはかるために、浅草橋駅からカーブを描いて東京駅まで線路をつくつてくれと陳情したことがあります。なぜかならばあの当時秋葉原が非常に混雑しておつた。いかに割引してあるからといつて房総方面からの乗客を貨物同様にして乗客が送り込まれて、あそこで乗りかえて、さらに上野の方面から来るお客さんと非常に混雑をする。そこで将来中央線が一ぱいになつたときに。その方面住宅地域からお客さんが楽に乗れるように、秋葉原からカーブを描いてくれという陳情に行つたが、てんで木で鼻をくくつたような、何だ、いなか者が来て何を言う、われわれはもつと大きな構想を持つておると言つた。そこでその構想は何かといつたら、錦糸町のところに地下鉄を持つて行つて、あそこにターミナルの大きな建物をつくつて、そこに集中する。従つて浅草橋から秋葉原カーブを描くというようなことは考えておりませんという、けんもほろろのお言葉であつた。私たちはそれがたといむだのように思えても、むだではないから、都市計画の方と話をして、建物を建ててもいいけれども、まず広場をこしらえてくれ、ふだんは道路として使えるじやないか、鉄筋の建物がどんどん建つてからで簡に合わないからと申し上げた。ところがそんなことには耳も貸さないで、いまだにあの混雑の状態で、われわれも向うから東京に来るときには、あそこでわざわざ乗りかえる。一戦前あれが複々線の計画がありましたが、戦争のためにやめになつた。これは将来私は復々線にしなければならないと思う。複々線にしたならば、わざわざあそこで乗りかえをしなくても、東京駅ヘカーブを描いて持つて来て――新しくつくる急行だけでも持つて来なくちやならないと思うが、おそらくその計画がいまだに立つていない。こういうふうにほんとうにお客さんの利便考える上においては金がないとか、もつと大きな考えを持つているとか言いながら、こういう利益のために、しかも国鉄に有利というよりも、会社の利益のためにどうも私ははかつておるように思う。これが今日輿論が非常に高まりつつあるゆえんだと思う。私はそういうことはあまり取立てて申し上げたくないけれども、こういうふうになつて来たのをそのまま捨て置くことはいかぬので、はなはだ失礼であるけれども、私どもは追究するわけなんです。しかも会社のための利益ということがありとするならば、私は皮肉な申し上げ方をするかもしれぬけれども国鉄のためというよりも、国鉄の職員の、しかも幹部のための利益であつて、そうして国鉄自体の、国民の財産のためではないのでないかというふうに私は極端に思う。しかもやめられれば国鉄の幹部の方はみんな池袋にしても、高円寺にしても、重役に入つておられる。こういうことで国鉄のために協力するといいながら、会社が国鉄に協力にいうよりも、国鉄がそういう営利会社に協力する災いのもとをつくつているのではないか。これが一つか二つかならまだいいですが、全国四千幾つかの駅が次々にこういうふうになつたら、私はこれは重大な問題だと思う。しかも東京の駅がりつぱなものをつくりたいということはけつこうでありますが、賠償の問題等があり、あまりでかいビルばかりどんどんつくることが、はたして日本の国のためになるかどうかということを疑問に思つておる。吉田内閣の放漫政策といわれる原因は、一つはそこにあると思う。フィリピンから来ても、賠償の能力がないと言いながら、ビルのあの状態はどうだということを言われる。そういうふうに大きなビルディングをどんどんつくることが、外国から来て、非常に日本はぜいたくをやつておるというように見られる一つになつておる。ぜいたくな自動車ということもあるでしよう。こんなことで日本の国がいいかどうかということを非常に疑問に思う。東京のあそこに駅をつくれば、一般の人は株式会社が建てたものではなくて、東京駅ということであれば、国鉄がああいうものをつくつたというふうにすぐ感ずるでしよう。しかし地方の駅というものはちつともできていない。千葉県の房総方面なんか、さつぱり新線もできなければ、何もできていない。今度ディーゼル・カーが通ずるそうですけれども、いまだに計画された駅などは手がついていない。用地買収が進んでいるくらいで、そのために都市計画が行き詰まつて、今につちもさつちも行かないというふうな現状です。そういうふうなことを十分考えていただかなければならないと思うから、憎まれ品をたたくわけです。立花先生はりつぱな東京駅をつくると言うけれどもデパート事務所のりつぱなものが幾らできても、その駅が、ほんとうに駅としての機能をりつぱに果すものでなければ、私はりつぱな東京駅とは言えないと思う。たとえば三越、白木屋、松坂屋など、方々で地下鉄と連絡しておる。しかしだれが三越を駅だとおつしやる方がありましようか。皮肉な言い方ですが、たとえばあれは松坂屋のデパートとはいつても、地下の部分は駅だけれども、駅のデパートとは言わない。東京駅にいいものをつくろうとしても、はたしてそれが将来いい駅になるかどうか、非常に疑問に思います。われわれもそういうところの責任を感じますから、こういうふうになつて来た事情は、ひとつ疑問のある限りは問いたださなければならぬというふうに、私たちは感じておるのでありまして、先ほど申し上げたように、鉄道は前に権利金とつ事例もなし、国鉄はとらぬでもいいという御方針のようであるのを奇貨として、そうして退職官吏がそういう権利をみな押えて行つてやるというようなことでは、ゆゆしい問題であると思う。それならば、将来権利金がとれるというふうなことに、はつきり法律でもつくるとかしなければ、とれることができない。いろいろ報告を伺うと、全国重要なる都市は、みなそういうようにやられるそうであります。そうなりますと、非常に国鉄に不利であつて、また国民にも不利であるというように考えるので、少し憎まれ口をたたくわけであります。私ばかりあまりしやべつていても何でありますから、これくらいにしておきますが、二階建の駅だけつくる場合の基礎工事と、地上十二階、地下二階建をつくるときの基礎工事と、どのくらい違いがあるかを出していただきたいと思います。
  24. 江藤智

    江藤説明員 お手元にすでに差上げてございます昨年の親協定によりまして、基礎は折半負担、それから上の方の建物の過重のための一階以下の太ガリ部分は会社が持つ、こういうような基礎についての協定に相なつているのであります。一応そのときの考え方 は、基礎というものは、もちろん国鉄として一階、あるいはああいう場所でございますから、いろいろな機械設備のために地下一階は必要でございます。駅の設備は一階と申しましても、普通の建物の二階分に相当するくらいの高いものになることは当然でございまして、国鉄だけでやりましても、そういうものの基礎は必要であります。その上に会社の方の建物が乗るわけでございます。これをはつきり計算することはむずかしいので、一番簡単な折半という線を一応出したのでございます。それからこれも理論的には一応上の建物がそのために大きくなりますれば、鉄骨なり、コンクリートなり、柱や、はりが大きくなつて参ります。これは受益者負担の建前で会社が見る、こういうような考え方で一応進んだのでございますが、実際問題としてこれを出すことが非常にむずかしい、と申しますよりも、一つの仮定を設けまして、そうして差引するわけでございますから、十人十色でその答えがかわつて来るわけでございます。そこでまたああいう大きな工事をやりますと、その間に設計変更が起つて参ります。その設計変更のたびに太がり部分をはじき出して参ることはとうていできない相談でございますから、最も簡単な、しかもだれが計算しても答えが出るような方法にかえる必要がある、こういうわけで一拳ばかりいろいろと研究いたしまして、そしてその部分を改訂いたしたのでございます。その書類は今月初めに向うの方に問い合せまして返事が七月二十四日に参つたのであります。これは資料としてもうお手元に配りましたか、あるいは準備をいたしておるのでございますが、それはこういうふうに考え方をかえたわけでございます。すなわち第二条「基礎部分の工事費は、折半負担とする。」というのを削除いたしました。それから第三条の「躯体は、一階以下の部分については高層部分を附加するため一階以下の躯体が強化される部分の費用は会社の負担としその他は国鉄の負担とする。」それから「二階以上は全額会社の負担とする。こういう二条と三条を一緒にいたしまして、第三条に「駅本屋の工事費は、土工基礎及び躯体については財産区分による建物の室内容積の比率によつて国鉄及び会社が負担する。」こういうふうにわけたのでございます。たとえば前の契約でございますと、基礎をつくらせますために根掘りをいたします。現場でもごらんになつたと思いますが、たくさんの根掘りをいたします。この根掘りでも、考え方によりますと、基礎のための根掘りとも考えられますし、あるいは地下室をつくるための根堀とも考えられるのでございまして、いろいろ議論がわかれます。そこでまずこの根掘りであるとかあるいは基礎であるとか、こういうものは、結局その上を使用する実際の部屋の空間の割合で持つたらいいじやないか。すなわち実際にその建物を有効に使う面積が十でございまして、国鉄がたとえば三であり、会社の方が七である、こういうふうに出ましたならば、それを使用する割合で全部の基礎の値段を三と七との割で割つたらいいじやないか、こういう考え方であります。それから鉄骨あるいはコンクリートのいわゆる躯体であります。こういう内部仕上げをのけまして躯体の金でございますが、これも上の方の柱は確かに小さうございますが、だんだんと柱が太くなつて来る。そういうのは結局上の方にそういう部屋をつくりますために、下の方が基礎になつて来ておるのでございますから、下の方が太くなつておるのも上の方が受持たなければいかぬ、こういうような考え方で、全部ならしまして、これに要する鉄骨やあるいは躯体のコンクリートの費用を、有効なそれぞれで使う空間の割合の比例で割つて出そう、こういうふうに改訂いたしたのでございます。これで割りますと、一応だれが計算してもはつきりした数字が出ますし、筋も一番通るであろう、こういうふうに、十分研究いたしました末に改訂いたしたのでございます。その結果前の契約と今度の契約とでは、結局基礎や士工の面におきまして、会社の方が七千九百万円増加することになります。しかしながら躯体の方で七千二百万円会社の方は費用が軽減されまして、差引七百万円この契約のために会社の方が費用増になるという結果に相なつておるわけであります。従いまして、一階でこしらえたならば幾らで、これをつくつたら幾ら、こういうものは実際一階でつくるという設計そのものが非常にむずかしゆうございますし、そういうこともやつてみたのでございますけれども議論がたくさん出ましてはつきりといたしませんので、その数字を出しておらないわけでございます。
  25. 臼井莊一

    臼井委員 一階を設計することはむずかしいというようなお話でございますが、これはそんなに――大体現在進行中の一階の形態で、ただ基礎と、それから上へ十一階足す、その基礎となるべき太がりの部分がどれだけよけいかかるかということは、計算で大体出ると思う。私は建築家じやないから知りませんけれども、どうも今御説明を聞いておると、せつかく七千何百万か契約改訂によつて有利になつたのが、また上の方で使用面積によつてこれをわけてしまうために、差引四百万くらいしか国鉄側の有利にならぬというお話ですが、常識上から考えても、下の基礎というものは、一階をつくるのと十二階をつくるのではえらい差ができるし、下へ打込む杭においても、またコンクリートの厚さにおいても、えらい差ができるのじやないか。たとえば掘立ての小屋を建てるのと、相当がつちりした瓦ぶきの家を建てるのでは、基礎が簡単なものでも違う。これは建築家に私の方で計算させても出ると思います。そういうことを計算して、どれだけの差があるかということ、もちろんこれがはつきり出るというと、それだけ会社に有利にはからつていたのじやないかということになるから、これはあまりお出しになりたくないでしようけれども、われわれとしては、いかに忠実に皆様方がやつておられるかということを知りたいから伺うのであります。
  26. 江藤智

    江藤説明員 もともと親協定がこういうふうになつておりますから、これをはつきり出したいと思いまして、国鉄だけでなく、民間のこういう鉄骨工事に対する専門の建築事務所の方にも委託いたしまして、数字を拾つた資料はございますが、非常に専門的でございます。もしこの会社が来なかつた場合に国鉄がどういうものをこしらえるであろう。結局こういう設計になりますと、一応十二階をこしらえまして、そうして一階だけをすぽつと切つて上がなかつたならはこれたけたというような考え方で参りますか、あるいはほんとうに国鉄だけでこういうデパートを入れない場合だつたら、一体どういう設計で行くだろうか、こういうような考え方がまた頭に入つて参るわけでございまして、この会社がなかつた場合にどういうかつこうになるかということにつきましては、非常な議論が出て参るわけであります。それからこの設計そのものですぽつと切つた場合も、はたして今度は地下一階くらいはうちの方だろう、あるいは基礎の面で考えて、いやこういう場所だからして将来のことも考えて、地下二階まではつくるべきだという議論も出まして、われわれ技術屋といたしまして設計いたします場合に、もうけさしてやろうとかなんとかいうことでなくして、ほんとうに設計はいろいろやつてございます。その結果いろいろ議論がわかれるものだから今申しましたように結局こしらえる。利用するのは空間でございます。普通でございますと床面積で参りますけれども、停車場の場合は大体二階に相当するくらいの広い場所でございますか、結局空間で行くのが一番公平であろう、こういうようなことできめたのでございまして、もし必要でございましたならば、非常に大部な資料になるのでございますけれども、そのときのいろいろな計算の資料や青写真などもございますので、御説明いたしてもよろしゆうございますが、今お話いたしましたような理由で非常にはつきりしたものが出にくかつたというお答えをするわけであります。
  27. 臼井莊一

    臼井委員 こまかい計算を出さぬでも、大体同じような建物でやつて、十二階建てるときと一階建てるときの比率の基礎の部分はどのくらいになるというような、おそらく最大公約数式のものは概念的に建築のあれとしてはあるのじやないかというふうに思うのです。しかしそういうものがないので、こまかく計算を出さなければならぬとするならば、大体どのくらいあるのだか、計算できるものならひとつしていただきたいと思うし、この点は専門の建築家に聞いてみなければわかりませんけれども、お示しをいただきたいと思います。  それからこの改訂になつ契約書、これをもう一度こちらへあらためてお出しいただいて、それによつてとつ検討いたしたいと思いますので、ひとつ資料としてお出しをいただきたいと存じます。  私一人お話してもあれでありますが、鉄道が公社として独立採算制をもつて行く以上は、遊んでいる土地なり品物をできるだけ有効に使つて、その足りない部分を補つて行くようにしなければならない。石炭が上つた、給料が上つたというので、すぐ運賃の値上げをすればいいというようなことであつてはならないと思うので、その点において今回の問題はどうも相当疎漏な面があるのではなかろうか。従来吉田内閣によつて絶対多数を占められたので、われわれのやることにたいてい何でも通るのだということで、どうもほかの議員というものを甘く見過ぎていたような欠点があつたのじやないかと私は思う。従つてこれはつくべきところはついて、ひとつ大いにいわゆる改進党の健全野党振りを発揮すべきであろうと思うので、ひとつ納得の行くまでお伺いしたいというのが私の考えでありますが、あまり一人でしやべつても何でありますから、あとはひとつそちらにお譲りいたします。
  28. 關内正一

    ○關内委員長 この際委員各位にお伝えいたしておきますが、本会議開会の告知べルが鳴りましたときには、たとい発言中でありましても休憩を宣することにいたしますから、あらかじめお含みおきを願いたいと思います。原彪君。
  29. 原彪

    ○原彪委員(改) 私は資料がまだ全部そろいませんので、本格的な質問はあとに譲りたいと思うのですが、この際私は一言委員各位に御了承をいただきたいことがあるのでございます。それは私の党の改進党の立場からして、一言申し上げなければならぬと思うのでありますが、過日の決算委員会における国鉄総裁の罷免の決議の場合において、わが党のとつた態度でありまするが、わが党の立場としましては、国鉄総裁の罷免については、国鉄会館等の案件について十分な審議を尽して、罷免するに足る材料が出た場合には罷免すべし。またそれだけの材料が出ない場合には罷免すべからず。その態度が現在きまらないので、態度としてはこの国会終了後も継続して審議していただきたいというのがわが党の趣旨であります。しかるに過日の決算委員会においては、その決議案が急拠社会党から上程されまして、わが党はその際に罷免すべからずという方に賛成したのでございまするが、その決算委員会のわが党の委員が罷免すへからずという方に賛成した理由というものは、まだ材料が全部出ない。今の段階では罷免すべからずという意味でございますので、その点御了承をいただきたいと思います。国鉄会館の問題につきましては、私の質問はあとに保留さしていただきます。
  30. 關内正一

    ○關内委員長 鈴木仙八君。この際鈴木君に御注意申し上げておきますが、この国鉄会館調査にあたりまして、鈴木君の御質問の時間は従来合計三十時間にわたつておりますので、あと六人の自由党の方は一人もまだ質問に入つておりません。六人の方がまだ残つておりますので、その辺のところを十分御勘案くださいまして、御質疑をなるべく簡潔に願いたいと存じます。
  31. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 臼井さんからお話がありまして、施設局長さんからいろいろ明快な御答弁を得ておりますが、きわめて妥当な御答弁であります。またたいへんよくお心づきになりまして、地下工事のごときは、十分に研究をして、今までの契約内容と違つて、今度はその主要面積によつて基礎工事その他を按分をして金をやるというふうに聞きましたが、それはそうなくてはならないことです。しかしこのくらいのことはあたりまえのことで、私の最初に申し上げたのがこの点であつて、少くとも国鉄当局には技術を専門とせられる方がたいへんおいでになるし、いろいろな外郭団体もあり、この間もわれわれがちつとも知らないような外郭団体に、年間三千万円も金をかけていられるというふうなことであります。まず私ども考えるのは、船頭多くして船山へ上つてしまうというような形があつて、この問題が世間からいろいろと指摘をされ、輿論脚光を浴びて、初めてあなた方は周章狼狽をして、そうして契約内容をかえたり、あるいは地代とおぼしきものの取立てて、どうとつたらよかろうかというふうな考え方をしていられる以外の何ものも私は見受けられないのであります。  そこでかりに、この基礎工事の問題もそうでございますが、まず十一階をデパートその他いろいろ事務室あるいは娯楽施設等で使う。そうして駅が一階の一部分を使う。そういうふうな場合に、いわば私どもはしろうとでございますが、この十一階の高層建築物をささえるところの支柱の強度計算によつて、そのために柱が大きくなりますが、それらの面積がどのくらいになるのか。駅を主体とするならば、およそこれだけの大きなものをささえるには、直径二メートルくらいのものがたくさん駅構内に林立するのではなかろうかと思います。ゆえに先ほども立花さんがおつしやいましたこの形式至上主義というか、よその国の例を引きまして、二十階建の駅があるから、日本もそうしなければならないというような答弁でありましたけれども、私は駅の持つ生命からいえば、大衆に対して高度に利用させる、簡素な駅でもよいではないか、かように考えます。ひとり東京八重洲口ばかりが、この駅本来の目的からはずれまして、そうして十一階をよそに使わしめまして、これにはいろいろ煩雑な問題も出て来るでしようし、またそのために雑踏を避けられないというようなときに、口はささやかなりとも別につけてあるというふうな立花さんのお言葉もありましたけれども、しかし何も好んでここに百貨店をこしらえて、あるいはその他の娯楽施設をこしらえて、人を寄せ集めるというようなことをしなくてもいいじやないかと私ども考えます。むしろそこにおりた客を早く四散をさせることに専念をすべきである、私はかように考えます。かつて京都駅の構内において一大惨事が現出をしたことがございます。そういうふうなことを考えますと、まず離合集散がすみやかに行われるような形に持つて行くべきじやないかと私は考えております。これは後ほど申し上げますけれども、まずこの十一階の、駅が使わざるところのものをささえる支柱と申しますか、それに要する面積はどのくらいであるか、これを御答弁願いたいと思います。鉄道会館は、鉄道弘済会が進出するを極力阻止して、できるだけ一般業者との権利的結託を行つているといはれているが、この点はどうでございましよう。以上二点について御答弁がお願いしたいと思います。
  32. 江藤智

    江藤説明員 鈴木委員のおつしやいました停車場の設計の根本観念といたしまして、旅客公衆ができるだけすみやかに街路の方からホームの方に流通するということは、これは停車場設計の根本観念でございます。普通の建物ですと、その家にできるだけ足をとめるように、いろいろと考えを及ぼす点もあるようでございますが、少くとも停車場におきましては、できるだけスムーズに、水の流れるように、旅客を町からホームへ、ホームから町へ導くのがその原則でございます。この点につきましては、八重洲口におきましても十二分に考えたつもりでございまして、お手元に差上げました図面におきましても、まん中のところに乗車コンコース及び降車コンコースがございまして、それからすぐ列車ホームでございます五、六、七番線にとにかく連絡するようになつております。またその両側に電車旅客専用といたしまして、一二、三、四番のホームにつながる通路があるのでございまして、これらはいずれも他の支障を受けずに直接入れるように設計してあるのでございます。たまたま東京駅は御知のように、非常に表側の駅が長いのでございまして、二百メートルもあるのでございます。こんなに長い駅は寡聞にいたしまして、私世界中にあるということを知らないのでございますが、それほど長いために、その間にいわゆる旅客の通路として必要でない面積が出て来ておるのでありまして、その場所をいわゆる鉄道会館の使用にさしておるわけであります。またそこからエレベーターその他で上の方に上るようになつておるのでございまして、もちろんこれがある場合とない場合とでは、それはない方がそれだけお客が少いのでございますから、混雑は確かに少いと思います。しかしながらこれを入れますしても、将来とも旅客取扱いには支障がないというふうに私たちは確信しておるわけであります。ただこの旅客の扱いだけでなくて、最も心配いたしましたのは、これらに入るための自動車の駐車の問題でございまして、これにつきましては、駅前広場に百台程度しか置けませんので、そのほか鉄骨の上にも置かせるどか、あるいは地下街ができました場合には、その地下二階に駐車をする条件をつけるということを十分考えたのでございます。一こういうような面が解決されるならば、裏の方の駅といたしましては非常にスムーズな、旅客公衆に便利なものに相なるというふうに私は考えております。  次に、上に乗る建物のためにどういうぐあいになつておるかというお話でございますが、ただいま私の方に参つておる資料といたしましては、要するに一階以下が国鉄部分でございまして、国鉄のために必要な鉄骨が約三千トン――これは実際のトン数でございます。二階以上の部分に対する鉄骨が約四千二百トン、こういうようなふうになつておるのでございます。ただ二階以上……。
  33. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 答弁の的がはずれている。時間がなくなるから……。つまり支柱が大きくなつたら、それでもつて貴重な場面がさえぎられないか。つまりあなたの言う流通度合いが……。的はずれの御答弁は、時間が制約されているのだから……。
  34. 江藤智

    江藤説明員 それは失礼しました。これはちよつと今立花さんから教わつたのでありますが……。
  35. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 民間会社の人に聞いて答弁するのか。あなたは政府の答弁委員ではないですか。
  36. 江藤智

    江藤説明員 さつそく調査いたしまして、幾らの大きさであるか調べてみたいと思います。
  37. 津田弘孝

    津田説明員 弘済会の関係で、きわめて簡単に御答弁申し上げます。鉄道会館が弘済会の店をつくることに対しまして、極力拒んだというような事実はございません。ただこういうことは申し上げておきたいと思うのでございますが、今度鉄道会館の中に入りまする名店街等の店は、新しく全部入つて参るものでございます。弘済会は従前ともあの八重洲口の駅に、三箇所でございましたか、四箇所でございましたか、タバコ等を売る店を持つておりまして、その点が今の新しく入ります名店街と違いますもので、直接に国鉄賃貸契約をしたいというような申出がございましたので、会館と弘済会と国鉄と三者で協議いたしまして、円満に現在のところに弘済会は出ておるわけでございます。
  38. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 次に天坊さんにお尋ねしますが、名店街というか、あるいは今度できるこの鉄道会館は、大分うわさが飛んでおります、このうわさというやつは、やむを得ないものであります。私どもは、新聞や、何かサンデー毎日あたりでも、大丸と拮抗して鈴木の百貨店が権利がとれなかつたからといううわさもあるそうで、しかも名誉に似たうわさで、私はどうもそんな大資本家でないのですが、まず入居する店舗の選択については、天坊総裁東京鉄道管理局営業部長が、官庁の職権を濫用して暗躍をし、大きな役割を果しておるというが、その他の局課長なども大分入店をするために、その権利獲得のためにいろいろあつせんをして、お金もうけをしているものというふうな、うわさです。うわさがあるが、たとえばすし屋の入居についても、有名な一流店が申し込んでいたが、これを天坊一派は全部――これは投書ですから……。全部不合格に決定し、二葉鮨という一向に聞えていない、四流、五流どころのすし屋を名店として合格として合格さしたのは、天坊総裁のつるの一声という話であるが、真相はどうか、この点、御答弁願います。
  39. 天坊裕彦

    天坊説明員 鉄道会館がどういう店を入れるかということの種類、どういう店の種類を入れるかということは、契約書にもございますように、鉄道と相談することになつておりまして、これは主として営業局でやつております。中にどういう店を、具体的に何々を入れるかということにつきましては、私は一向存じません。
  40. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 デパートは大丸に決定して、何らほかの出願者と比較検討も行わなかつたのは、加賀山氏が参議院議員に出るときの選挙資金を、大丸が負担するという取引によるもので、一説によると、八百万円、町の評判になつているが、真相はどうか。大丸が国鉄幹部をごちそう攻めにして利権を要求していたことは、国鉄部内でもとりざたがあるが、その真相はどうか。これをお尋ねします。
  41. 天坊裕彦

    天坊説明員 先ほど申しましたように、中に入れます店につきましては、私どもはほとんど関与いたしておりません。
  42. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 さらにこれも投書が、長いが時間がありませんから……。森田派の違反が発生した前後、長崎総裁が加賀山氏に、お前は桜木町事件の責任者として退出をしたのだ。ふびんに思つて国鉄の共済組合の金まで使つて鉄道会館をつくつて、君を社長にしてやつたのに、何が不足か。その上その株式払込金まで使つて参議院議員になりたいのかと食つてかかり、そのとりなしに天坊総裁が大苦心をしたという、この投書の一片があるが、この事実はどうか、これをお尋ねします。
  43. 天坊裕彦

    天坊説明員 私その話は全然覚えがございません。
  44. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 さらに、立花さんがおいでになつておりますから、立花さんにお伺いします。このデパート大丸について権利金は幾らおとりになつているか。あなたのいわゆる権利金でない、三年間の家賃という名案の一部を幾らおとりになつているか。一坪についてどのくらいにきめ、そうして金額をとるのかどうか、これをちよつと御答弁願いたい。
  45. 立花次郎

    立花参考人 大丸との約束におきましては、これは商売政策上と思いますが、大体ほかに漏らさないという約束になつておるのでございますが、ここでお問いになられると言わなくてはいけませんか。
  46. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 それは調査委員会だから言わなくてはいけません。そんなことではだめだ。
  47. 立花次郎

    立花参考人 大分傍聴人もいらつしやるからなんですが――では申し上げます。七億五千万円でございまして、そのうち七億円は長期借入金でございます。それから五千万円が敷金みたいになると思います。保証金として七億円、そのほかに敷金として入る五千万円で、総額七億五千万円であります。
  48. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 そうしていわば間代というか、家賃というか、それはどのくらいおとりになるのか。またその七億の元金には利子をつけるかどうか、その点をお伺いしておきたいと思います。
  49. 立花次郎

    立花参考人 七億の保証金につきましては、年二分の利子をつけまして、でき上りました後、三箇年関すえ置きまして、後十二箇年間で返済するということになつております。それから家賃は詳しいことは省略させていただきますが、初年度の家賃は年間二億円という約束でございます。
  50. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 初年度の家賃が年間二億円ですね。それから後はどうなりますか、次年度、三年度は……。
  51. 立花次郎

    立花参考人 こまかい協定をみな言わなければいけないのですか。これは言わないという約束になつているので、はなはだ困るのですが……。
  52. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 この鉄道会館の問題は、あなたはどうお考えか知りませんが、私は国民の代表としてこれは決して正しきものとは考えていない。そこで運営委員会の議に上り、決算委員会の議にも上り、しかもここに調査委員会が設けられて、あなたは証人としてここに出席されているのですから、あなたはここではつきり言わなければ困りますよ。
  53. 立花次郎

    立花参考人 第二年度が二億一千五百万円、第三年度が二億三千万円、こういう約束になつております。
  54. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 あなたの知つている限り、第四年度、第五年度、第六年度、第七年度、さらに十年後はどうなつておりますか。
  55. 立花次郎

    立花参考人 三箇年の契約ですから、それは別に契約することになつております。
  56. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 そうすると、三箇年間の契約をして、その後契約の改訂を行うというように聞きおいていいですね。
  57. 立花次郎

    立花参考人 そうでございます。
  58. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 さらにあなたにお尋ねします。これは投書ですから、こういうことはあねたの権利で自由ですが、社会ではやはりこれらも問題にしております。この会社直属の喫茶店は、立花氏の国鉄在職中から入居場所設計して、立花氏の細君が関係して私的独占になつておる。ほかの業者はまるで手出しができなかつたというが、こういう事実があるのですか、どうですか。
  59. 立花次郎

    立花参考人 御説明申し上げます。その喫茶店はバリという名前になつておりますが、それは実は塩瀬総本店に貸すことになつておりました。ところがいろいろ複雑な事情が向うにございまして、向うが断つて参りましたので、亀井堂というおせんべい屋さんが今そこで四坪ばかり借りております。その裏の倉庫にしてもいいような窓も何もないところでありまして、倉庫にしようかと思つておりましたが、私どもの会社の者も、将来家賃を取立てるのに、少しは自分で商売してみたいというようなことを言うものですから、そこで、直営喫茶店にしたのでございます。  それから家内の件につきして、はなはだ誤解があつては悪いと思いますので、よく御説明申し上げておきます。私どもちようど七月一日の開店を目ざしましていろいろやつておりましたときに、工事はまだほとんど全面的にやつておりますし、たいへんな騒ぎでございまして、ねこの手でも借り伝たいというような騒ぎでございました。たまたま私の家内が、そういう喫茶店の室内装飾とか、あるいはレコードはどういうものを集めるかとか、あるいはコーヒーのコップはどういうものにしたらいいかということについて手伝つたことは、私もよく存じております。しかしながら誤解を受けてはいけませんから申し上げておきますが、私の会社は私の家内に対しまして一文の交通費も払つておりませんし、一文の謝礼もしておりません。現在全然うちの会社の職員でもなければ、何ら関係がございません。ただ手伝いをさせただけでございまして、この点何かうわさがあるとしますれば、そこに原因があると思います。
  60. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 鉄道会館の建設工事については、立花氏が在職中からいろいろと采配を振つている停車場会社から移つて来た伊藤某が実務責任者となつて、独占的に大林組に内定したというが、真相はどうか。また付属工事の水道、暖房などは、国鉄幹部と特殊な交際を持つといわれる西原株式会社に独占的に決定されている。西原の方から鉄道会館に人間を差出して、お手盛り案をつくらせておる。外の業者は全然受付ていない。設計で見るとわが国初めての巨大建設物であるから、これを一社に水道工事などをやらせずに、数社に並行的にやらせるのが常識ではあるまいか。この点御答弁をお願いします。
  61. 立花次郎

    立花参考人 私が在職中からやつてつたというのは、今回の計画ではございませんで、日本全本の停車場の問題につきまして、職責柄当然やつてつたわけでございまして、今回の計画は退職後お話がありまして、私が参画してやつたわけでございます。  それから大林組の問題は私はそう聞いておりません。これは国有鉄道に委託した工事から始まつておるのでございまして、何度も指名競争入札がありまして、ずつと工事を引続いてやつておると思います。そのほかに鹿島組、鉄道建設興業、その他たくさんの請負人が入つております。なお衛生工事につきましては、西原は日本で有名な会社でございます。しかも指名入札によつて西原がとつた次第でございます。
  62. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 さらにあなたがおいでになつたついでに質問をいたしますが、立花氏は国鉄在職中に三鷹の旧中島飛行機工場跡に、中央遊戯場という営利施設をつくることに力を注ぎ、三鷹駅からその遊戯場まで職権をもつて引込線を引込ましたというが、その真相はどうか。
  63. 立花次郎

    立花参考人 これは今回のことと全然直接関係がないわけでありますが、私が職権をもつてやるということはとうていできないことでありまして、やはり庁議として決定いたしまして、その建設をいたしたのであります。ただその当時、災害復旧工事のようなつもりで、早くやつてみようじやないかという企てをやらせましたのは私でございます。
  64. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 これは鉄道会館と違うというふうな観念を捨てていただきたいと思います。鉄道会館等の調査で、国鉄にからまるわれわれが不審に思うことは全部この委員会で出していただき、そうしてこれを調査するのがわれわれ委員の責任でありますから、どうか以後あなたのお考えをかえていただきたいと思います。  そこで、そういう新線が中央線三鷹から敷設されているが、新線の敷設は運輸大臣の許可を要する定めになつているから、国有鉄道法第五十三条の違反事件ではありませんか。庁議できめたといつても、運輸大臣の許可を得たかどうか、この点をお尋ねしておきたいと思います。
  65. 立花次郎

    立花参考人 私は得たと了解しております。
  66. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 大体何年の何月ごろですか。
  67. 立花次郎

    立花参考人 すでに三、四年前のことだと思いますから、記憶がここではつきりしておりません。記録を調べていただけばわかると思いますが、これは国鉄なり運輸省の方なりから御返答いただいた方がいいと思います。
  68. 江藤智

    江藤説明員 記録によりますと、昭和二十五年十月二日営企第六百十四号によりまして、総裁より運輸大臣あて申請、旅客営業開始方についてというのが出ておりまして、二十六年四月八日に運輸大臣から運輸営業開始の許可ごいうのが参つております。ちよつと記録を調べただけでございますが、こういうふうになつております。
  69. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 立若さんにお尋ねしますけれども、あなたは施設局長在職のときに、真に国家国民のことをお考えになつて、すべてを公平におやりになつていたかどうか。
  70. 立花次郎

    立花参考人 仰せの通りやつていたつもりでございますが、不徳のいたすところで、あるいは誤解を受けたかもしれませんが、私自身としては誠心誠意いたすつもりでやつてつたつもりでございます。
  71. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 あなたの態度は誤解を受けたかもしれないかとおつしやいますが、誤解どころではなく、あなたの態度は全然なつていない態度だというふうに思う。真に国民のことを考え、国家のことを考えましたなら、あのような鉄道会館をでつち上げて、しかも営利会社をぶつ建てて、ただいま現施設局長からいろいろ臼井君の質問に対して御答弁がありましたけれども、この権利金というようなものはなかなかとりがたい、こういう意味の御説明のようでもあり、また地代に似たものの収入を得るのにも、付近の槽勢とか、あるいは土地の位とか、その他を勘案してから今後これをとるというふうな、きわめてずさんな国鉄当局の答弁に尽きている。これがあなた方のねらいなんだ。そうしてカルテックスからは、日本石油からはまずその当時の金で二万五千円くらいの地上権とおぼしきものをとりました、こう言うている。それであるのに、今度は平山さんのやつているあの国際観光会館の敷地からは、一銭もとつていない。年問千八百円くらいのごく少い、すずめの涙のような金を地代としてとるのであると先般は答弁せられている。このとうとい土地に対するところの収入を得る一貫した考え方にまるで欠けている。それがあなた方のずるいところなんだ。国鉄を背景にして次から次へ事業を興し、国鉄の力を利用しての利潤追求以外の何ものでもないと思うが、真に立花さんにして誠心誠意おやりになつていたら、八重洲口には二十五万から二十六万の乗降客があるかもしれませんけれども、たとい五万人、三万人・二万人でも、国民大衆が駅の不完備なために困るところは全国随所にある。そういうふうな点に対してあなたは何らお考えになつていない。さらに根本の問題であるところの輸送力増強に対しても、少しも考えていない。そういうふうなやり方が、現在の国鉄の幹部、並びにかつての幹部の間にいろいろと行われておるので、そこが今回のこの事情を究明するわれわれの気持なんであります。  そこで立花さんは、この三鷹においてて鉄道を敷いたことを、ごく簡単に、私はそれがよいと思って敷きましたというふうな御答弁であります。かつてあの池袋駅の問題について、あなたと私はお話をしたことがある。あなたが施設局長時代にわれわれは多くの人とともに、その熱意に動かされて八千人の署名運動を持つてあなたにお会いに行ったたことがある。いつ行つてもなかなかあなたにおいでにならない。十回行って一ペんも会えないというような状態でした。たまたま政務次官室であなたと会見したときに、あなたはきわめて傲然たる態度で、さつき臼井君が言われたように、自分一人りこうぷつて、そうしてわれわれを眼下に見下すような態度をとつて国鉄は赤字で苦しんでいる、金はない、一人の職員を雇うにもすべては金だ、政府で金を出してくれない、あなた方が予算を何とかしてとつてくれなければいけないと、ばかの一つ覚えで、こんなことばかり言つていたじやないか。そしてこの間天坊君が説明したように、汽車であるか電車であるか知らぬがまだ二十回くらいしか運転してないような線絡を敷設するというようなことは、言語道断である。二十回ぐらい走らせて、輸送力増強と何の関係があるか。そういうあなたの頭だから、日本の国はだんだんさびれて行く、亡国の兆になり、国民は塗炭の苦しみにあえぐ。国鉄の幹部が本来の自分たちの目的を忘れて、金もうけに専念している。将来のいすを予約してすべてを許可し、国鉄を背景にして、そのカを借りてあらゆる施設をつくる。このほか諸種の問題についても今世間でいろいろうわさされている。失礼だが、すべての元凶は立花君、あなただといわれている。上が上なら下までも決してよい空気は発生しては来ない。とにかく鉄道会館のあの敷地四千九百坪というものに対して自分たちの営利会社が物を建てて、地上権も払わない。それであなた、てんとして恥じませんか。  もう一点、板橋の東口の駅の創設に対してもそうでしょう。大衆がああやつて要望しているのに、あなたは冷眼視している。冷やかな態度をもつて、今申した通り国鉄は赤字に苦しんでいる。だから、できがたいといつて、あなたは五百万かければできるちつぽけな、ささやかな駅をつくるのにも、地元民から二百五十万円という零細な金を集めさしたじやないか。寄付さしたじやないか。それならば、この日本で有名な、第一といわれる八重州口の駅をつくるのに、誠心誠意国鉄のために働いて来た、国家国民のために働いて来たというあなた、五百万円の駅をつくるのに半分の金を寄付させたあなたが、なぜ地上権とか何とかの意味でこれを寄付しませんか。これだけの駅をつくるのだから、私どもの方の会社でこの駅の建設費は全部持ちましようと、何であなたは言えないか。そのくらいのことは言えるでしょう。われわれが、あるいはここにいる代議士諸公が、全国のこつちの陸橋の問題、ホー ムの問題、駅舎の問題ー-簡素でもいい、国民が便利であればいい、大衆がそれによつて少しでも潤えばいい、そういう問題に対してわれわれが陳情に行つたつて、あなたは傲然たる態度をとつて、まるで弓削道鏡のような態度をもつて、ひざ組みをして、くわえタバコで冷笑をしている。いつだつてあなたの態度はそうじやありませんか。われわれは真剣になつてあのときあなたに会つている。ばくは朝の運動で肉離れをして、医者から三日間絶対安静だと言われたその朝あなたに会つた。陳情団の要請にこたえなければならぬ、この熱意に動かされなければならぬ、それであるのに、あなたは今言つたような冷ややかな態度をもつて答弁をしたじやありませんか。国鉄の大幹部としてその衝に当つてつたあなたが、真に国民の声を聞き、国鉄の財政状態を考え、国家のあり方を考えるならば、自分の営利会社、しかも密接不可分の国鉄の子会社と称しているじやありませんか。その専務取締役になつ立花君、かつて施設局長立花次郎、五百万円かければ大衆が喜ぶ駅がつくれるのに、二百五十万円寄付させたあなたが、自分がつくる八重洲口建物――それは形式至上主義もいいでしょう。二十階建、三十階建もいいでしょう。あなた方は自分のカの及ぶ限り五十階でもつくりたいでしよう。自分たちの利潤が多くなればなるほど、許されるなら八十階でもつくりたいでしよう。そうしたあなたがまずもつて誠意をもつて、誠心誠意やるというのだつたならば、この鉄道会館をつくる場合にこの駅だけは私どもの方の民間資本によつて、会社でもつてつくつて寄付しましようとなぜ言わない。なぜあなたは言えない。この点について所信を申し立ててごらんなさい。
  72. 立花次郎

    立花参考人 私の国鉄在職中の態度のはなはだ悪かったという点につきましては、幾重にもおわび申し上げます。    なおこの鉄道会館の建設につきまして、権利金云々のお話でございますが、株式会社鉄道会館が投じます工事費は、総額約三十億近くでございまして、株式会社鉄道会館の財産となりますものは、多分二十五億くらいでございまして、五億円くらいは会社の帳簿上はいわゆる営業権として処理しなければならぬものでございます。これは財産が国鉄に移るのでございまして、裏から申しますれば、国鉄に五億円くらいは寄付したことになるという勘定でありまして、これは権利金と言えないとおつしやれば、それまででありますが、そういうような関係になつております。
  73. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 立若さんにさらに重ねて質問しますが、あなたどうです。鉄道会館をやつて、今輿論の反撃にあつても、やつぱりあなたの倣岸不遜な態度、その鉄のごと精神で、これをやめよぅとは思いませんか。何とかして七階なら七階、これを収縮したいというような考えを持ちませんか。みんな迷惑しておるのですよ。これは国鉄の幹部中現在でもあなたがやつて来たこの鉄道会館に、どのくらい迷惑しておるかわからないのですよ。しかもあなたの知らないような人が迷惑しておる。あなたが施設局長の在職中にいわゆる日停、池袋の日本停車場株式会社の問題、この間も陳情の各位が行きましたときに、あの問題もあなたに話したじやありませんか。るるお願いしたじやありませんか。陸橋を何とかしてください。あのために非常に大衆は迷惑している。万が一のことがあるとたいへんでございますよと言つたじやありませんか。桜木町事件の直後ですよ。あなたのような賢明な方はお忘れじやないでしよう。間もなく日暮里でああいうような事件だつてつたじや ありませんか。そこであの日本停車場株式会社をつくるについて、民間からただ同様に土地を取上げておる坪百二十円、百三十円、あるいは高いので百七十円、これを国鉄の職員が行つて、みんなその交渉をしているのですよ。しかもできたものは、銀行がそこへ店をすえ、百貨店が大半を使う。池袋駅というあのネオンは、こんなに小さなものですが、東横百貨店というのは、それよりも何倍か大きく掲示されておるじやありませんか。それで今まであつた口をふさいで、そうして大衆は不便を忍んで遠回りをして入つて行くのですよ。あなたは一ぺんでもごらんになつたことがあるか。われわれがそういう陳情をし、かたがた大新聞でこの問題を取上げて記事にしておつても、あなたごらんになつたことがございますか。おそらくあなたには駅のことはわからない。あなたがわかつておる駅というのは、繁華なところにある駅だけだ。東北線の釈も幾つもあなたは知つていない。あなたの口からこん なところの駅は知らなかつたということを聞いたことがあるが、そのくらいあなたは業務に不熱心である。国家のことなんかちつとも考えていない。誠心誠意、利潤追究ばかり考えているのが、立花次郎君、あなたです。国家のことなんか考えておりません。それであの日停ビルの姿、あなたの在職中のできごとじやありませんか。今住民は何と言つております。怨嗟の声に満ち満ちているのですよ。この聞この質問をしたら、津田さんは、ゆえに国鉄は気がついて、こつちへ品を設けまして、今ではさような非難はないという御答弁である。これは国鉄が気がついたのではない。あなたは傲慢不遜であつたけれどもいろいろの人々が熱心にこれを取上げてくれて、中には政党人もおります。代議士の方もおります。そうしてもちろん陳情を何十回となくやつて、ようやく非を改めてこしらえてくれたのが、現在の北口のあの出入品です。これは切符を売つていない。いわゆる国鉄のばかの一つ覚えで、赤字々々、一人の人でもふえれば予算がいります、予算がありません、何しかしてください、政府に言つて、ださいと言う。いくら予算を国鉄に与えて見たところで、こういうようなことをしていたんでは、もう永劫末代、日本国有鉄道によつて黒字になるということは絶対ありません。まず入るをはかれということもあります。とにかく入るをはからなければならないので、この地上権の問題のごとき、これを何とかして幾らでも活用をして、赤字を埋めるという考え方にどうしてなれないか。あなたが在職中にどうしてなれないか。自分が鉄道会館みたいなものをこさえて、そうしてこうなれば法律をのがれる、これは法律にひつかからない。家賃の取上げ方も、権利金でとると税金がかかる。三箇年分の家賃の前取りをしておけば大丈夫だ。あるいは安い利息でもつて何億の金でも借りておけば大丈夫だ、こういうような考え方ばかりだ。少しでも自分たちの会社の利潤を大きくしようというのがあなた方の考え方で、国鉄のことを考えぬ、国民のことも考えぬ、国家のことも考えぬ。そのために国鉄が赤字になればなるほど――昭和二十六年、千八百億の収入があつて二百億も赤字が出ておる。ただちに国民は二割の運賃の増額をしいられなければなりません。迷惑するのは国民だけだ。みんなあなた方が、いや立花さん、あなたが先例を開いた、この高円寺だつてあなたの企画だということを聞いておる。高円寺の駅は、津田営業局長はこれから調査、研究をして資料を集めて、この場代の取立てをいたします、構内営業料をとりますと言つておる。しかしこの収支の予算書には、きわめてうまく法律をくぐつて――これはあなたがさしずしたのじやないでしよう。あなたのお知恵をだれかがまねたのかもしれません。この高円寺の駅舎国鉄寄付をして、国鉄はこの寄付を受領して、あとのこの家賃の取立ては、相手の財団法人がきまらないうちはこの交渉はできないなんと、そんな答弁がありますか。津田さん、今日は資料も持つて来ておるでしよう。この高円寺の復興協力会から幾ら家賃をとるのか、これを明確に今日は御答弁をしてもらいたい。しかしながら申し上げておきますが、高円寺の駅舎、これを寄付した人々のこの関係書類の内容には、駅に寄付をしても、家賃を一銭も払わない。五十年間無償で借りてあるということが、この予算書にはつきり上つている。しかもこれをめぐつて三割も自分たちのとうとい土地をとられ、区画整理をされたあの住民の間に、怨嗟の声がほうはいとして起つておる。この予算書には、津田さんがこれから資料を集め研究すると言うが、どこにも家賃を払うということは出ていない。この点も津田さんから御答弁が願いたい。すべてがそうだ。あわてふためいて、今ごろになつて秋葉原を取立てました、いや、鉄道会館は今後地上権に似たこういうふうなものをうんととろうと思つておるとか、あるいはこういうとり方をしたいとかいうことをちよいよい言う。あなた方は臭いものにふたをする以外に何事も考えていない。日本の現在の状態を見てごらんなさい。輸送力の増強なんかなつていないじやありませんか。この間もこなまいきに輸送力を増強する。何が輸送力の増強ができますか。何年たつたつて西ドイツの半分くらいの輸送力きりなくて、一般国民大衆に対して、朝晩の通勤、通学をすしづめのような状態にしておるあなた方、金もうけばかりしてそこへ頭が行つておるから、輸送力増強という本来の目的には頭がからつぽになつておる。そのため日本人はみんな不健康になり、脚気や神経痛やリューマチスや肺結核になる。このすし詰めされている状態をごらんなさい。山手、京浜の分離問題だつて、大正十二年から計画されて、これに手をつけていますか、さらにあなた方は考えてない。それで、ここは人が集まる、だれでも目をつけるというような盛り場に近いようなところへ、あなた方が衆知を結集して駅を建てる。何とかして法律をくぐり抜けて、税金をとられないようにして、そうして自分たちのふところを肥やそうというのが、国鉄の幹部諸君だと世間でいつているではありませんが。そういうことで国家がどうなりますか、一体国民がどうなると思いますか。これらのほうはいとして起つている輿論に対して、あなた方はてんとして恥じないのですか。一体あなた方は、この問題に対してどういう処置をするつもりですか。これからあわてふためいて、なまじつか権利金みたいなものをとつてごまかそうというのですか。あなた方の決心をこの機会に伺つておきたいと思う。まず津田さんから、高円寺の問題はどういう資料が出て、幾らとることになつているか。今これは裁判問題になつている。この点をはつきり御答弁が願いたい。  私ばかりあんまりしやべつていると、また委員長から御注意がございますから、私はこの程度にしておきますが、さらに天坊総裁以下国鉄幹部の、今後に対する決意をこの機会に一応伺つて、私の質問はこれで打切ります。
  74. 津田弘孝

    津田説明員 高円寺駅の土地建物使用料――建物国鉄寄付したのでありますから、建物使用料はかかりませんが、土地使用料構内営業料につきましては、年額営業料として二百十二万円、用地使用料として十一万円、合せまして二百二十三万円をさつそく徴収をいたしたいと思つております。財団法人がまだ設立されませんでしたので、現在まで遅れておりましたが、しかしながらいつまでも待てませんので、これは久保島氏に対して要求をしたいと思います。
  75. 天坊裕彦

    天坊説明員 戦後駅舎のこわれたものが多くできまして、これに対していろいろな方策を考えておつたのでありますが、さらにその後国有鉄道が御承知の公共企業体という性格で発足することになりまして、場所によつてはとにかく駅のかつこうができればいい――そこから収益を必ず幾ら幾ら上げなければならぬという気持にならないうち、まず駅のかつこうができればいいというようなところもありました。しかしながら同じでき上るものについては、これはどうしてもすつきりしたものにつくりたい。ですから、できるだけ市とか商工会議所の寄付というような姿でやつて行きたいという気持もあつて、そういうものでできたところもあります。とにかく会社でやりたいというお話で、これは内輪では議論がありましたが、まず駅舎ができればいいという気持でスタートしたものもございます。しかしながらただいま鈴木委員も、あるいは臼井委員お話になりました通り、終戦後停車場建設の問題も、もちろん各地で御要望はございましたが、私どもとしては、それ以上は戦争でこわれました、あるいは使い古した鉄道の輸送復興の仕事が、もちろん本体の仕事でございまして、これに万金の策をつぎ込んで行かなければならぬのは当然のことであります。そのためにいろいろと苦心をいたしまして、輸送力の増強には――皆さん方からお考えになれば、まだ物足らないところがたくさんございましよう、私ども歯がゆいと思うようなところもございますが、その方針についてはどうもかわりはないわけであります。しかしながら一方で鉄道の金を比較的使わずに駅舎ができて行くものならば、これもまたある程度まででかして行きたいという気持もあつたわけであります。それに片方で鉄道の財産管理という点につきまして、ただいま御指摘になりました通り、必ずしも十分でなかつたということを私はつくづくあらためてまた反省せざるを得ないのでありまして、この点は従来裁量の幅が非常に広くできておりまして、そういうふうな点、あるいはまた鉄道が大きく方向転換しなければならなくなつた今日においても、あるいは人間の心構え、あるいは制度なり、あるいは機構なりというものが、即応して大きく転換ができてないというところに、欠陥があつたのじやないかと考えます。将来こうした財産管理の問題については至急に方針を改めて、がつちりした態勢をつくりたいと考えます。もちろん輸送力増強の本体の仕事は、これを忘れることなく、というよりもいま一層力を入れてやつて行きたいと考えております。
  76. 關内正一

    ○關内委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後四時七分散会