○津田説明員 先ほど来川島
委員並びに山崎
委員からお話のございました点でございますが、先日来取上げられました
会館の問題につきまして、いろいろな角度から御検討をいただいておるわけでございます。またこの
委員会だけでなしに、決算
委員会でもお取上げ願
つておるわけでございますが、だんだんとお話をお進めになるに従いまして
はつきりいたして参りました点、また問題の所在並びにこれが解決の方法というようなことにつきまして、時間を拝借して申し上げたいと思うのであります。
いろいろと御疑問を持たれ、また一部から疑いの目をも
つて見られておりまする点は、今回
鉄道会館をつくるに
あたりまして、
国鉄総裁から前総裁であるところの加賀山之雄氏に対しまして特に依頼があり、またこれに対して、その計画に賛成をして事業が始ま
つた。その間に、国有
鉄道法の精神等によ
つて、公に、たとえば入札というような方法でや
つたならば、もつと明朗であ
つたではないか。何か
鉄道の者ばかりで、今の総裁から前の総裁に頼んでや
つたというような点で、明朗性を欠くというようなところが一点あると思うのでございます。それからもう
一つは、こうい
つた大きな事業、またこの土台になりまする契約を締結するに
あたりまして、最も大事な賃貸借の根本、たとえば地代あるいは構内
営業料金、そうい
つたような点をきめずに、包括的な契約をした点が疎漏ではないかという点が第二点。それから三番目には、これはいろいろとお話の間に出るのでございますが、
国鉄といたしましては
輸送力の
増強に対して、もつと予算なりに力をいたすべきであるにかかわらず、たとい中央停車場とはいえ、駅の本屋というようなものに予算をかけるというようなことは妥当ではない、こうい
つたような点ではないかと私は思います。
第一の点につきましては、私
どもといたしましては、
国鉄法の解釈から申しましても違法ではない。先般来何も加賀山之雄でなくても、
幾らでも適当な人がいるではないかというようなお話もあ
つたのであります。
国鉄といたしましては、今回の事業の性質上、また公益性、公共性という点から考えまして、前総裁の加賀山氏に依頼することが適当であ
つたというふうに考えておる。これは見解の相違と申しますか、認識の問題ではないかというふうに考える次第でございます。
第二の点でありまする賃貸料をきめずしてや
つたことは、非常に疎漏ではないかという点につきましては、私
どもといたしましても、確かにそのような御意見は十分了承できるのでございます。先般来総裁その他から説明を申し上げておりまするように、地代をきめまする根拠になりまする地価というものの評価につきまして、いろいろと意見が違う。公のものではございまするが、たとえば勧銀の評価率と、あるいは中央区の税務署の評価率と、世上いわれているあの付近の地価というものは、二倍も三倍も、あるいは十倍も違うというようなことでございまするので、非常に慎重を期しました結果、坪
幾らというような地代あるいは建物使用料をきめずにや
つたという言い訳は、十分に私
どもの方としてあるのでございますが、それならば大体概算でもと
つておけばいいじやないかというような御意見はごもつともでございます。従いまして多少遅れたのでありまするが、きわめて最近、一両日のうちに一定の仮定のもとに、あの付近でありましたならば、いろいろな説はありますが、たとえば坪十五万円あるいは十万円というようね想定に某きまして契約の当初にさかのぼ
つて一両日中に徴収をいたしたいと考えております。
第三番目の
輸送力増強をおろそかにして、駅舎の設備云々というような御意見に対しましては、これも先般来御説明を申し上げておりまするように、
国鉄の本年度の予算の工事費の
関係でございますが、五百五十億ほどのうちで、駅の本屋に充てられますものは、わずかに百分の一にもすぎない五億
程度のものでございまして、その中で今回の東京の中央停車場の工事もまかなわれるわけでございます。
輸送力の
増強の面におきましては、車両の増備とか、あるいは線路
関係の
増強、あるいは保安
関係の保安度の向上というような方面におきまして、大
部分の予算を投じておるのでございまして、駅舎の
部分、駅本屋の
部分には、きわめてわずかな比率の分しか計上されていない。その中で東京の中央停車場、これはいろいろと先般來御説明申し上げておりますようなふうに、山手、京浜の分離の問題とか、いろいろな
鉄道の輸送上の都合から申しましても、工事を進めて参らなければならないことに
関連をいたしまして、若干の予算を東京駅の中央停車場、非常に高度の利用率のあるところの八重洲口にあの
程度の駅舎を設置する。しかも民間資本等を導入いたしまして、七割、八割までは会社が持ちまして東京駅ができるということならば、あの
程度の問題は
輸送力増強その他の経費と見合いまして、妥当ではないかというふうに考えておるのでございます。先日来の御審議によりまして、だんだんと問題の所在が
はつきりして参りました点は以上の三点ではないか、またそれらに対しまして
国鉄としての見解は以上でございます。