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1953-07-30 第16回国会 衆議院 運輸委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月三十日(木曜日)     午後二時六分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 岡田 五郎君 理事 關谷 勝利君    理事 松井 豊吉君 理事 原   彪君    理事 川島 金次君 理事 鈴木 仙八君       岡本 忠雄君    高橋圓三郎君       徳安 實藏君    南條 徳男君       山崎 岩男君    臼井 莊一君       松原喜之次君    山口丈太郎君       世耕 弘一君    館  俊三君  委員外出席者         日本国有鉄道理         事         (営業局長)  津田 弘孝君         日本国有鉄道理         事         (運転局長)  潮江 尚正君         日本国有鉄道参         事         (経理局主計課         長)      長尾 頼隆君         日本国有鉄道参         事         (施設局停車場         課長)     金谷  明君         日本国有鉄道参         事         (工作局工場課         長)      岡  益雄君         参  考  人         (株式会社鉄道         会館専務取締         役)      立花 次郎君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 七日三十日  委員中居英太郎君及び森清君辞任につき、その  補欠として吉川兼光君及び世耕弘一君が議長の  指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  株式会社鉄道会館等調査に関する件     —————————————
  2. 關内正一

    ○關内委員長 これより会議開きます。  株式会社鉄道会館等に関し調査を進めます。質疑の通告があります。鈴木仙八君。
  3. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 一昨日に引続いて質問を継続させてもらいます。ただ質問の前にあたりまして、この調査委員会のあり方がきわめて熱意がないように世間に思われ、本日も定刻から一時間たつて、熱心なる原先生臼井先生あるいは御列席の各委員先輩等がおいでになつておりますが、何か輿論はたいへん、九分九厘非常に国鉄当局やり方に対して正当なものを受取つております。たMたMいろいろ原先生の方から伺いますと、国鉄当局はこの問題に対してきわめて熾烈に了解運動を行つているというふうなこともあり、また何かしら昨日の某新聞の論評の中にも、某委員百貨店の社長であつて、池袋の日停ビル内にある百貨店に対する営業上の反感から、国会においてこれをただしているというような、私が考えればきわめて噴飯ものの批評を書いておりまして、私ども意に介するものでありませんが、日停ビル東横百貨店は、われわれが営業を開始するずつと以前に開始したものであつて、その土地状態からいつて、そういうものを正当に判断をする人があることを私は喜んでいるものでありますが、一つの例をあげればきようなわけで、何かしらたいへん国鉄当局からいろいろなデマが流れ、あるいは私利私欲関連があるとか、これが反対的にごうであるとか、まるで私どもに対しては相当の、新聞機関を通じましてそういう説を流しておるということは、実に遺憾千万であると思います。しかしこの委員会がもつと辛辣にひとつやつていただきたいという希望のもとに、本日は原先生臼井先生から、お前ばかりこれを質問していると、とにかくそういうような単独なやり方のように思われるからというような御注意もありました。これまことにごもつともと思いますので、幸い本日は加賀山君や立花君も参考人に呼んでございますので、もちろん私も質問さしていただきますが、関連質問でもぜひ各委員全部から、今までこの委員会で私ども質問をいたしました内容も、かなりいろいろな方面にわたつておりますので、そうした点についてさらに峻烈なるところの、また叡知、叡感を集めたところの質問をしていただいて、この運輸委員会が光輝ある存在であることを天下に示したいと感ずる次第であります。これを私は委員長にお願いをして、私の質問に移りたいと思います。  さきに鉄道会館問題を取上げ、さらに同会館に隣接する旧外ぼり埋立地の分割問題を取上げましたが、そのときに機関車一千台の余をきわめて急速に売り払つた問題について質問をし、資料提出を求めたのであります。七月二十二百付の国鉄から来たこの資料を見ますと、これは予想外に重大な事件であるという印象がほとんど直観的に感ぜられたのであります。そこでこれは徹底的に調べ上げて、戦争に負け、輸送力不足のために、戦後の復興もなかなかはかどらないわが国において、六千台足らずの機関車の中から、一千七十二台を僅々五、六年間の間に、あるいはくず鉄にあるいは私鉄に売り払つてしまう。その経過掛国民の前にはつきりさせなければならないと思います。私は輸送力増強をして国家を盛んにするという念願に立つて、文字通り国家のためにこの問題と取組んでおりますので、自衛力の漸増だの急増だのといつても、輸送力がこのように貧弱では、まつたく張り子のとら同様であります。そういう信念から、わが国国鉄が少くとも西ドイツの鉄道と肩を並べるところまで、輸送力増強一本やりでまつしぐらに進まねばならぬと信じている次第であります。そういう見地と信念に立つて見るときに、この機関車売払い問題は、まことにゆゆしい大問題と言わなければなりません。これを質問しますのに三つの面から取扱つて当局答弁を求めます。  第一の点は、老朽機関車廃車としてくず鉄として八幡製鉄などへ売り払つたことがあります。これは約六百台から七百台にわたつており、主としてその売払い価格がおそろしく安い点を明らかにしたいと思います。  第二の点としては、少しも老朽でなく、まだ働き盛りの最新式機関車を、どさくさまぎれにくず鉄として売り払つたことで、その最も新しいのは昭和十八年に製造したD五二貨物用機関車昭和二十五年までに、五十七台もつぶしていることであります。当局機関車耐用年数は二十五年とあらかじの定めてありますが、この点が実に不可解であります。この老朽でもないもりを売り払つたのは、約三百台程度あると思うので、この点も究明せなければならないと思います。  第三の点は、私鉄運転用もしくはすえつけボイラー用にするために使うのに対し、古蒸気機関車として売却しにことであつて、その価格が非常に安く、一番安いのは八八〇〇型が四万二千円であります。これらの点を明らかにしたいのでありますが、第一に老朽機関車廃車くず鉄問題について質四をします。この廃車実績表を見るこ、全部で一千七十二台になりますが、別表の古蒸気機関車廃車帳によるご、私鉄へ売却したものは百五十六台となつております。これは廃車実績の中に含まれるものですか、廃車とは別ですか、この点を承つておきたいこ思います。
  4. 岡益雄

    岡説明員 私鉄へ売り払つたものも廃車の千七十二台のわく内へ入つております。くず鉄の安いという点ですが、それについては、ちよつと機関車くず鉄にする経過を申しますと、廃早に決定いたしましたものは、国鉄が自分の工場で直営で解体いたしますか、あるいは解体だけの請負をやりまして、部外の会社に解体をさせます。しかしそれは解体だけでございまして、その材料は全部国鉄が回収いたします。その中で使える部分品鉄道でよたほかの修繕車のために全部使いまし。それから鋳物とか、砲金のようなものは、もう一ぺん鋳直して、使えるものは鉄道工場で使います。また鍛造材のように鉄道かじ場で使えるものは使います。そうして残りの使えなくなつたものをくず鉄として、その他の工場から発生したくず鉄と一緒にしまして、年度計画製鉄所に払い下げておるわけでございます。くず鉄にはマル公がありまして、マル公で払い下げております。それからその中でなお修繕をすれば私鉄あたりでは運転ができるというふうなものは、これはくず鉄値段ではございませんで、運転をする機関車値段として計算いたしますが、それはやはり使いました年数を考慮に入れ、残存価格だけで売ろわけであります。むろんそのままでに買つた方でも使うわけにはいかないものですから、買つた方相当修繕費をかけて、また使えるようにする。その修繕費相当のものであろと考えております。それから新しい機関車相当廃車になつておる。その例として十八年につくりましたD五二が相当廃車された。それは戦争中につくられたもので、戦時規格であります。ことにその中でボイラー溶接ボイラーでございまして、戦争中に溶接をしてつくられたものでございますが、溶接技術者の腕前の未熟というようなことも含まれておりまして、戦後使つておるうち、ボイラー溶接部分亀裂がいきまして、相当に危険な状態になつた。それで国鉄でもX線の装置を買つて検査をいたし、修繕のできるものは修繕いたしましたが、どうにも修繕のできないものは、ボイラーがだめになつた機関車は使えませんので、それは廃車の方に入れて、前申したような方法で解体をした。新しい機関車が少しまざつておりますのは、廃車の方針としましては、老朽してもう寿命の来たものはむろん廃車になるのでございますが、そのほかにいろいろな車両事故を起して相当大きく破損いたしましたものは、やむを得ませんので廃車の中に入れます。それからボイラーとかフレームのようなものに亀裂かいつたりいたしますと、修繕相当の金がかかる。そうしますと、これは経済的な寿命がその限度に達したということにいたしまして、それを廃車にする。そういうふうかいろいろな標準でやつておりますので、そういう機関車も間々出て来るということになつておりとしす。
  5. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 あなたのふつしやそことによれば、古くなつたものは、いわゆる光物といわれております真鍮、銅、砲金というようなものを取去つて、あとに残つたものをくず鉄として、その当時の公定値段で売り払つたということなのですが、どうもそうであつたとしても、とんでもない値段開きがあるということを、あなた方のお出しになつた表によつてどもは直感する。そこで再調査してもらわなければならないし、さらにくず鉄の売払いをして、それが砲金とか、真鍮とか、そういうものの価格幾らになつておるか、表を出してありますか。
  6. 岡益雄

    岡説明員 砲金の方は出してありません。くず鉄だけです。
  7. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 私ども機関車値段が合わないから聞いているので、その中で、鉄よりももちろん真鍮が高いし、銅も高いし、砲金も高い、そういうものを売り払つた資料を出さない、機関車についてる部分品の売り払つた資料を出さないということは不都合ではありませんか。どこかへ使つているのですか。
  8. 岡益雄

    岡説明員 砲金使つておるのです。
  9. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 そうするとどんな程度のものを使つて、どんなものが古くなつて来ているか、それを出してもらわなければ、数字が合わなくなつて来るでしよう。どのくらいのものを、これは機関車として現物のまま売り払つたのと、くず鉄処理したのと、部分品をとつたもので生きているものは、どういうふうなところにどういうものがあるかということの資料を出してください。  それからあなたのおつしやる公定値段とはたいへん違うのです。それがいろいろな関係がありまして、新しいものでも使えなくなつた修繕費か高い、こういうようなことを言つておりますが、かりに一つの例をとれば、筑波鉄道か何かへ二十万円くらいでもつて走る機関車を売つている。二十万円台だつたら、ダットサンぐらいのものしかない。そこに問題の深いところがあると思う。これはあなた方くず鉄といつたつて市価よりも安い、いわゆる公定値段よりずつと安いのですよ。あなた方の売り払つた値段はつきりしてもらわなければ、これはたいへんなことになる。この廃車を決定するのは、何か技術者によつて編成された審査委員会があつて、十分に鑑定して廃車を決定するのですか、だれがきめるのですか。今あなたのおつしやるようなことは、あなたがきめるのですか。これはこの間も質問したと思いますが、現在あるものはどういうところか悪くてこの機関車は使えませんとか、場合によればどういう欠陥があつて修繕費が多くかかるということは、この間も私は要求したでしよう。場合によれば現場の人に来てもらつて説明してもらいたいと言つたでしよう。とにかく私はしろうとですけれども、四千万も、五千万もかかる機関車を、物によつては二十万円くらいで、走る機関車を売り払つてしまうというところに、問題が起きないわけはないじやありませんか。それを用いているのですから、あなた方もほんとうにりくつがあるならば、はつきりこれをこまかくいろいろなものを出して、証明をしていただくことは必要だろうと思います。たた機関車廃車にするにはどういう径路をたどつて廃車にするか、それをひとつ御答弁願いたいと思います。
  10. 岡益雄

    岡説明員 機関車現場機関区が使うのでございますが、廃車いたしますには、機関区で非常に故障か多くなつておる、どこの部分か悪くなるというようなこと声申します。そうして機関区と工場がそれを現地調査をいたします。まず大体廃車する前には、その機関車は使えなくなつて機関区か、あるいは工場に運び込まれて眠つしいるという状態が多いのでございます。そうなつたものに対しまして、本庁に廃車具申書というのが出て参ります。これはこの前の資料形式は書いしございます。そういたしますと、工作局ではもう一度よく現地から出て来ました資料を審査いたしまして、廃車するのを適当と認めましたら、廃車をしたいという伺いの書類を出しまして、関係局長をまわりまして、現在しすと、総裁の決裁か得まして廃車いたしております。その形式も出してございます。そうして工場工作局長から、この機関車廃車にきまつた、そうしてその処理解体あるいは売払いというふうに、処理を指定いたしまして、命令を出します。そこまでやるわけであります。
  11. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 くどいようですが、廃車を決定する機関車性能上の標準は何ですか。十分に使えるものを廃車をしたようなことはありませんか。これをもう一ぺんひとつはつきり答弁をしておいていただきたい。
  12. 岡益雄

    岡説明員 性能上これはもう修繕をするには非常に高い金を要する、それからもう使えないということにおいて、廃車するのでござい才して、使えるものを廃車するというようなことはないのでございます。
  13. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 あなたがただいまおつしやいました公定値段で売るが、これは決して誤りはないという御答弁ですが、別表普通くず鉄くず鋼売却調べを見ると、昭和二十年度の一万二千余トンから二十二年度は七万九千余トン、毎年ほぼ四万トンから九万トンのくず鋼を売却する。概算しますと、七年間に四十二万トン、正確には四十一万七千二百二十五トンのくず鉄日小製鉄、後には八幡製鉄へ売却しておつた。その金額か約二十四億円、正畑には二十三億九千九百五十四万一千百十五円であります。これた見比べますと、おそろしく安いと思うのでありまして、平均トン当り五千七百円で、一般の市価ではもうどうにもならぬような、ほんとうくず鉄は一トンで一万五、六千円、良質のはトン当り一万九千円から二万円というのが普通の相場であります。国鉄機関車はまず良質な鋼鉄でありますから、これを八幡製鉄やほかの二十数社へ売るのは、甲一号一トンで二千百円、甲二号一トンで千六百円、これが二十四年度の価格、二十五年度にはそれを二倍に引上げて四千五百円、二十六年度では市価へさや寄せしたのか、一万七千円くらいに引上げてあります。ところが二十六年度は三十台しか廃車にしておらない。一番多かつた二十三年、二十四年あたりはおそろしく売値か安い。なぜこんなに機関車を安く売り飛ばしたのか、もう一ぺん御答弁をお願いします。
  14. 岡益雄

    岡説明員 二十三、四年のときは、やはりマル公であつたと考えております。機関車を売り飛ばしたというのではございませんで、くず鉄を売り飛ばしたというわけでございまして、これはくず鉄値段でございます。トン数が非常に多いのは、鉄道の内部で発生する全くず鉄を、こういう値段で売つたということでございます。機関車だけではないのでございます。
  15. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 機関車には計器類真鍮部品もあり、注水器の吸込み管や、吐き出上管は銅のパイプを使つてある。この真鍮や銅もかなり大量に見積つてよいのだが、その点は先ほど全部使つているというふうにおつしやつたが、それに相違はありませんか。  それから市価では銅一トンが三十三万五千円、真鍮は一トン二十万円である。機関車の主連峰のディック・エンドには大きな砲金使つてあるが、砲金は一貫目九百円もする。こういう鉄そのほかの金属は、あなたが言われたように、全部これを生かして使つてあるのですか。汽笛、文字板空気圧力火焔器などは全部真鍮である。これをどう始末されているか。先ほどおつしやつたように、全部これは生かしてあるのかどうか。
  16. 岡益雄

    岡説明員 これは私も工場の中のこまかい点まで見ておりませんので、全部と言い切れますかどうかわかりませんが、大部分のものは再生して使つております。
  17. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 筑波鉄道へ売り払つた二十万円くらいの機関車にも、こういう高価な部分品がついているということをお忘れないように願います。やはりこれはついている。  それからこの捨値同様で国鉄機関車なるものを売り払い、四十万円で八幡製鉄などがかなりうまい商売をしたことは想像にかたくはないと思います。買つた側製鉄業者の方も一応調査をする必要がありはしないかと思いますが、これはどういう入札方式でやつたのか、この点もお尋ねをしておきたいと思います。
  18. 岡益雄

    岡説明員 ただいまの筑波鉄直なんかへ売つたものは、これは生きた機関車として、向うでもう一度機関車として動かして使うという建前のもとに売ちたものでございましから、こういうものについでは、部分品もむろんそろえて売つてあるわけでございます。
  19. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 私が質問しますのは、真鍮や銅が生きた機関車についているでしよう。あなたの方で売つたのは、高いものは全部それをはずして生かして使つてある。だからくず鉄ばかりで安いのだという御答弁に基いて、そういう高価なもののついているそのままを、二十万円くらいで、物によつては売り払つているのはどうかという質問なのです。私の言うこともよく聞いてから御答弁願います。
  20. 岡益雄

    岡説明員 価格の問題は私直接の担当ではございませんので、その担当からやつていただきますが、私の聞いておるところでは、やはりこれは一つ方式がございまして、これは古い機関車でございますから、元の原価というのは、やはり明治とか大正につくられたものは非常に安いのでございまして、そういうものから計算して残存価格幾ら、こういうものを出しまして、それに現在の市価を考慮してきめたものだ、こういうふうに私は聞いておりますので、そうなりますとかなり安くなるのじやないか、こう思つております。
  21. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 次に第二点に移り、少しも老朽でない機関車廃車した事情を聞きたいと思います。  この実績表によると、八六二〇型十九台、九六〇〇型三十四台、D五〇型二十八台、D五一型二十五台、D五二型五十七台、C五〇型五台、C五一型四台、C五二型六台、C五三型九十七台、C五四型九台、C五七型四台、C五八型二台、C五九型三台、C一一型一台、C二一型一台、合計二百九十五台、四一一〇型二十六台を加えると、ざつと三百台に上つております。そのうち八六二〇型は大正三年以降六百六十台も大量生産された最もできのよい機関車であるが、四一一〇型とともに、構内入れかえに使えば十分使えるはずであります。いわんや品川駅でも保土ケ谷駅でも戸塚駅でも八六二〇型で今でも入れかえをやつている。それ以外に至つては現在みな同じ型式の小さい機関車が全国の列車を引いて走つている。D五二型貨物用五十七台のごときは、昭和十八年製造最新式ではありませんか。どういう理由昭和二十三年までに五十一台、二十五年に六台を廃車にして売り飛ばしたか。D五二型は本線貨物用で、空車でも七十四トンの鉄を、一トン二千円の割合で一台十五万円そこくで鉄くずとして売り払う理由は一体どういうわけですか。新しくつくるには五千万円かけて一台やつとできるのではありませんか。それをそこそこ十五万円で売り払うというのはどういうわけであるか、その点をはつきりとひとつ御答弁を願いたい。
  22. 岡益雄

    岡説明員 現在つくります三千何百万円、大体四千万円になると思いますが、その機関車と、それからここに廃車しております少し小型の機関車とは、性能から大きさもずいぶん違うと思います。それから古いときの機関車でその残存価格が非常に少くて、現在の市価と比較にならないというところが、値段開きであると思うのであります。
  23. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 昭和十八年製造最新式というこの機関車は二十三年までに五十一台、二十五年に六台を廃車にしておるが、これも古いという理由なんですか。
  24. 岡益雄

    岡説明員 D五二型はさいぜん申し上げましたが、戦時中つくつた戦時規格機関車でございまして、これはボイラー溶接が非常に悪うございまして、溶接部分がずいぶん亀裂が入つてどうにもしかたがなくなりましたので、これは新しい機関車でございますか、やむを得ずこれだけ廃車しております。同じ形式でその溶接部分も助けられるものは、現在でもD五二のほかになお相当他のものも動いてございます。
  25. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 あなた方機関車をつぶすことは考えても、こしらえることはこの前も申した通りなかなかやらない。日本輸送力というものはドイツの三分の一か五分の一きりしかない。どんな程度のものでも修繕をしておこう、地方鉄道で少しぱつぱつ走つておれば、二十万円くらいで売り払つた機関車が煙を出しておれば、国鉄の機能をもつて役に立たないわけはないじやありませんか。はなから使えなかつたものではないでしよう。それが問題なんですよ。とても納得か行かない。ことに納得のできないのはD五二型ばかりではない。たとい四台でもC五七型や、三台でもC五九型は、いずれも昭和十三年から昭和十六年につくられた最新式急行旅客列車用機関車であります。どういう状況においてだれが鑑定してこれを廃車したか。D五二型五十七台、C五七型四台、C五八型二台、C五九型三台については、最終に配属されていた機関区別保守状況一別、価格別資料の再提出を求めます。適当に早く出していただきたい。なぜこれを廃車にしたか。三気筒のC五三型を九十七台、一台残らず廃車にしたのは、まつた納得する理由を見出せないのであります。検査修繕費が高くついたというが、それだけ働きがいのある機関車であるし、二気筒に改装することもできないわけではないと思います。東海、山陽で使う重レール用といつても、現在C六二型のような重い機関車と比べるならば、東北線使つているのを見れば、C五三型を地方線に運用することもできたのではないかと思います。インドネシアの国鉄わが国と同じ規格で、そこで中古機関車を求める話もあつたのである。これを輸出してもよかつたんじやないかと思つております。要するにくず鉄にして安く売り飛ばすことばかり急いでいるのではないかと思うのですが、この点をはつきり答弁を願いたいと思います。
  26. 岡益雄

    岡説明員 C五三型は最も致命的な部分フレームにきずが入り始めたということでございます。台わくの前の方にきずが入り始めたということでございます。これを防ぐためにずいぶんいろいろものを当てたりいたしまして、回復をはかつたのでございますが、一旦きずの入つたものはなかなか回復いたしませんです。これは設計上どうしても前の方の気筒部分フレームが狭くせざるを得ないような設計でございまして、どうしてもやはりそこにきずが出て来るという運命にあつたものだと思います。それで二十年も使いましたので、そこにそういうふうにだんだん出て来たのじやないか、この機関車はもう寿命が来たのではないかと考えまして、これを廃車したわけでございます。
  27. 臼井莊一

    臼井委員 ただいまの鈴木委員質問関連して、ちよつと一、二点お伺いいたしますが、このくず鉄の払下げは、入札によるのではないのでございますか、その点をちよつと伺いたい。
  28. 長尾頼隆

    ○長尾説明員 終戦後、おそらく二十六年度まではマル公がありました。従いましてマル公値段以上の売却は、法律違反になつてできなかつたのですが、マル公までの値段で売る場合には、入札をしなかつたわけです。従いまして鉄道が各部外の製鋼メーカーから、鋼材を前年度あるいはまた前期のときに購入したその実績に応じまして、マル公でその比率に従つて還元をして売却する、こういう方法をとつておりました。それからマル公がなく在りましてからは、もちろん一般入札の形式をとつております。
  29. 臼井莊一

    臼井委員 それから、さつきちよつと説明なさつたようですが、よくわからなかつたのですが、廃車したものは国鉄自体が解体するのですか、それともそのまま払い下げて、よそで解体するのでございますか。
  30. 岡益雄

    岡説明員 これは国鉄工場で直接に解体させるもりと、それがう外に解体させるものは、機関車を払い下げて解体させるのではございませんで、機関車国鉄のものでございまして、ただ解体するという作業だけを請負わせるのでございます。
  31. 臼井莊一

    臼井委員 そのよそでやらせるのはどういう理由でありますか。それともう一つは、おもにどういうところへまかせてやるのですか。
  32. 岡益雄

    岡説明員 解体する作業と申しますと、ハンマーでそれをたたき割るとか、あるいは酸素ガスを持つて来まして切るとか、そういうふうな非常に荒つぽい仕事ばかりでございまして、そういうふうなのに工場の熟練した修繕技工を使うのは非常に惜しいものでございますから、外部の請負者に請負わしている、こういうことでございます。解体する場所は工場の中でやつております。外へは持出しません。
  33. 臼井莊一

    臼井委員 もう一点お伺いしたいのですが、先ほど機関車の使えるものを払い下げる場合に、鈴木委員のお説によると、大分安く払い下げたものがあるようですが、これはどうなんですか。先ほどお話のように入札でないのでございますか。何か帳簿価格が安いから、従つて安く売つたというような話でありますが、その点をちよつと……。
  34. 長尾頼隆

    ○長尾説明員 ちよつと訂正をさせていただきますが、マル公のありましたときは今御説明した通りなんですが、マル公がなくなりましてからは、市場の適正価格を見比べまして、その値段と同じようなかつこうで、やはりわれわれの方で購入しておる製鋼メーカーの量に応じて、市場価格と同様な値段で売却、還元する、こういうふうになつております。それで先ほどの御質問マル公のときには、確かにマル公よりも市場のやみ値段は非常に高かつたわけです。そこでわれわれが一般に見ました場合には、非常に安く売り払つておるがごとく見えるわけですが、これはやみ値の方かいわゆる法律違反でありまして、役所の形態をとつておるわれわれとしては、マル公以上に売るわけに行かなかつたのでありますが、そのかわりに、それだけの安いマル公値段で彼らに売却しましただけ、われわれの方が彼らから購入する鋼材の価格についてそれだけ常に安く買う、こういうふうなかつこうで、購入方法を両者調整しておつた、こういうふうになつております。
  35. 臼井莊一

    臼井委員 車で、使える機関車の払下げは、入札でなくやるわけですか。
  36. 長尾頼隆

    ○長尾説明員 機関車そのもので売却する場合には、でき得るだけそのものの値段を有利にして売却するのが、われわれとしても得策でありますので、一つの公式がございまして、その公式に基きまして相手の方に売却する、こういうふうになつております。その公式というのは、その機関車の車齢とかあるいは重量とか、そのほかいろいろな事情をくみとるように式かあるわけですが、それによつてはじかれた値段は、どこの私鉄会社等に売り払われる場合にも同じ値段が出るわけでありまして、もし相手がこれに応じない場合には、もちろん公式通りの値段で出ないということで、その売却は中止する、こういうふうなかつごうをたどつておるわけであります。
  37. 臼井莊一

    臼井委員 そうすると入札でなく、やはり値段は一応そのときの時価とにらみ合せて大体指定してそこに売る。要するに指名で売る、こういうわけですね。
  38. 長尾頼隆

    ○長尾説明員 はい。
  39. 臼井莊一

    臼井委員 そうすると日本国有鉄道法に上ると、払い下げる場合には入札によらなければならぬということに抵触するように思うのです。もちろん例外かあつて、緊急必要な場合とか、あるいは入札にやると鉄道に不利という場合、その場合に限つているようですが、それには抵触しないのですか。
  40. 長尾頼隆

    ○長尾説明員 今の日本国有鉄道法第四十九条に、原則として一般公開競争入札で、購入も売却も、その他請負契約もするようになつておりますが、今の機関車とかあるいは鉄道の機器で、しかもそれを利用する使途が特定のものに限定されておるという一つの規定がありまして、その場合には入札によらざることができるという、れつきとした規定に基いて随意契約ができるようになつておるわけです。
  41. 臼井莊一

    臼井委員 そうすると鉄道法以外に、何かそういう内規みたいなものがあるのですか。
  42. 長尾頼隆

    ○長尾説明員 ちよつと申し上げますが「契約か、地方鉄道法(大正八年法律第五十二号)に規定する地方鉄道、軌道法(大正十年法律第七十六号)に規定する軌道等日本国有鉄道の事業と密接な関連のある事業に対しもつぱらその事業の用に供する物品を売却することを目的とする場合」という規定がありまして、この場合には随意契約によつて売却をすることができる、この施行令によつてつておるわけであります。
  43. 臼井莊一

    臼井委員 最後に一点お伺いしたいのは、現在毎年機関車は何両くらいずつ製造いたしておりますか。
  44. 岡益雄

    岡説明員 機関車は、昭和二十一年度に百十台蒸気機関車をつくつております。二十二年度に百二十八台つくつております。その後は蒸気機関車製造はやめておりまして、もつぱら電気機関車製造にかかつております。現在は蒸気機関車の発注はいたしておらないのでございます。
  45. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 廃車一千七十二台のうち、働き盛りの優秀機関車を二百台も含んでおることは明らかであります。なぜこれら老朽車でない最新式の優秀な機関車廃車にして売り飛ばしてしまつたのか。機関車に生命があれば、悲憤の涙にむせんでつぶされ、炉に投入されただろうと思います。しかも先ほど申したように、わが国輸送力はまつたく復興していない。輸送力のことを考えない官僚の連中が、みんな寄つてたかつてくだらない駅の大きなものをぶつ立てて、金もうけにばかり専念しているとしか思えない。だれもかれも死にもの狂いで窓から乗り降りしたときではありませんか。こういうふうな機関車行政、こんな残酷な鉄道経営が私は実に耐えられない、かように思うものであります。この資料によつて見ても、現在残つている五千六十六台のうち、耐用年齢を超過したものは千九百十四台、耐用年齢未満のものは三千百五十二台で、比率はちようど三対二である。二千台近くも耐用年齢を越えておりながら、新式を三百台も廃車にしたのは、一体どういうわけか。くどいようですが、これもはつきりもう一ぺんお答えを願いたい。これら新式に属する約三百台の機関車は、くず鉄にして何トンになるか。売値は合計して幾らになるか。廃車にして二束三文で売り飛ばしたのはだれが首謀したか、これをはつきり答弁していただきたいと思います。
  46. 潮江尚正

    ○潮江説明員 前段のお問いに対して御返事申し上げます。老朽でもない機関車をなぜ廃車としたかというお話がございましたが、私ども老朽というのは、必ずしも車両年齢の高いものだけを意味しないのでありまして、御指摘のような車両年齢の低い機関車でありましても、先ほど岡説明員が御説明申し上げましたように、戦争中のできは悪い機関車もございますし、また新しい機関車でありたがら、事故を起しまして台わく相当にいたみまして、これを修繕下るのには新製に近いような修繕費を要する機関車もございます。従いましてこれら廃車にする機関車は、使用しておる機関車が一挙に廃車になるのではございませんで、使用できなければ車の手配をとりまして、休車いたしましてからその状況をよく調べまして、これを生かし得るか、また生かす価値があるかという点をよく調査いたしまして、いよいよこれは廃車にした方がいいということになりましてから、廃車いたしておるわけであります。  なお輸送力云々のお話がございましたが、先ほど岡説明員の御説明申し上げましたように、現在の国鉄輸送の段階におきましては、蒸気機関車は最近すでにつくつておらないのでありまして、国鉄の近代化をはかりまして、電気機関車あるいは気動車というものをだんだんとちくつてつておりますので、今後蒸気機関車はおいおいと不要になりましたものから廃車して行くことになると思います。  なおもう一点、車両年齢声越えておる古い機関車がありながら、なぜそれを先に廃車しないかという御質問がございましたが、私どもはそうした古い機関車廃車したいのであります。これらは大体小型の機関車でありまして、これを廃車いたしますためには、小型の機関車をつくらなければならないのでございまして、そのための予算が現在の国鉄状況ではとれないのであります。大型の機関車は電化その他でだんだんと余つて参りますが、これをだんだんと押し下げまして、小型機関車廃車するようにしたいと思つておりますけれども、線路の状況その他で大型機関車を、たとえば東海道線に余りました蒸気機関車を、すぐに東北本線に入れるということはできないのであります。なお先ほど御指摘のありましたC六二という機関車は、五九よりも重いようにお考えのようでありますが、私ども線路に入れます場合の機関車の重さというものは、軸重を考えるのでありまして、その点から申しまして、C六二は東北本線にも使えるように改造した機関車でありまして、C五九などとは状況が違うのでありまして、六二の方が東北本線でない方に使えるというふうな状況でございます。前段の点だけ御説明申し上げました。
  47. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 あなたの御答弁によると、これからますます電気機関車になるから、蒸気機関車をつぶして行く、こういうふうなことに聞えろのでありますが、電気機関車ができろまでこれのめんどうを見て使わなければ、輸送力増強にはちつともならない。大体国鉄の最も主たろ仕事は何か。あんなすし詰めの電車や汽車でなく、楽に通勤もでき、通学もでき、旅行もできる汽車、電車を走らすことが、国鉄ほんとうの目的だ。何かというとすぐ金がない、赤字だというけれども国鉄はとにかく千二百億も国家の金を使つていて、昭和二十六年には千八百億も売上げをしていながら、二百億も赤字を出しておる。国鉄がこれから黒字になるということは永劫にないわけです。多くの人間を使つたり、外郭団体を使つたり、一昨日の質問にもあるように、一年に三千万円もかけていろいろの調査をする。あんな、必要があるのかないのかちつともわからないものには金をかける。金をかけるなら、こういうふうな機関車のめんどうを見て、少しでも輸送力増強してもらいたいというのがわれわれの念願なのだ。  第三の点は百五十六台に上る私鉄への売払いの問題であります。この売払い価格はほとんど随意契約の方式できまつたようだが、機関車を型式別に見ると、価格がまちまちで何の標準も見受けられない。たとえばタンク式の二二一〇型を茨城鉄道へ二十三万円で売る一方、テンダ一式の五五〇〇型を二十三万八千円で売つて、ほとんどこの価格に大差がない。あるいは九六〇〇型は、今さら説明するまでもなく本線貨物川で、一千トンの貨車を引くとか言われておるが、これを夕張鉄道へ八十六万円で売り飛ばし、天塩鉄道には同じく九六〇〇型を百四十九万円で売つている。しかも同一年度である。百五十万円で売れるものなら、それを標準としてもよいではないかと私どもしろうと考えに思う。夕張にはなぜ八十八万円で売つたか。また強力な勾配線用の四一一〇型を美唄や松尾へ売つているが、これは手を加えて使えばまだ十分に使える証拠である。これを多量に廃車にしたのは、私鉄に売つた点からも、はなはだあやしいと思う。京阪煉炭にC五三型を一台売つたのは、陸上ボイラー用が二十一万円とは安過ぎるではないか。三井鉱山へ売つた二五〇〇型は二十六万円で、小型自動車よりも安いでは左いか。百五十六台の機関車を売り払つてつた金は三千二、三百万円であるから、一台平均は二十万円程度にしかならない。機関車は粒々辛苦して今日の日本を築いて来た国民の財産であるが、何の理由があつて二束三文に売り払つたか。評価の基準を示していただきたい。私鉄側を参考人として招致する必要がある。これを厳重にこの委員会に要求をするものであります。御答弁をお願いするものであります。
  48. 長尾頼隆

    ○長尾説明員 具体的な売却値段がどうであつたかということにつきましては、正式の契約書類がございますので、それに基いてお調べ願つていただきたい、こう思つております。  それで、いずれも公式に基きまして算定してございますので、適正妥当な値段になつておるはずであります。逐一の機関車の性格に基いて、その公式に当てはめた値段がその種類々々によつて出ておるわけでありまして、決して高くもなければ安くもない。妥当なことになつておるわけであります。従つて今申されました件名につきましては、あとで全部値段の算定表を御提出して、その公式のこまかい御説明をきしていただきたい、こう思います。
  49. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 あなた方はそう説明して、資料はこれで完全なものだと言つても、世間は納得しないと思う。二十万円といえばちよいとしたおんば車の値段ですよ。とんでもない話です。生きて、走つている機関車がわずか二十万円くらいでいいという観念がわかしいのです。だから国民が運賃の値上げをされたり、税金を高くとられたりするわけなんだ。日本が負けたのはあなた方の考え方なんだ。国鉄のあなた万の考え方が誤つているから、戦争に負けてしまつたのですよ。日本輸送力で負けているのですから、これは詳細な調査資料を出していただくことと、参考人を招致していただきたいことを、この機会に厳重にお願いいたします。それから先ほどの言葉に基いておいおい私も質問をさしてもらいますが、軌道会館の問題について、立花先生がむいでになつておるから、各委員から今までの経過についていろいろ御質問があろうかと思いますが、私は関連したようなことですから、一点だけここにこの際聞かしていただいて、またさらにあとで申し上げたいと思います。  津田ざんがおいでになつておりますからお聞きします。高円寺の駅の問題で先般私がお尋ねしましたけれども、高円寺の駅は、その敷地は約三百六、七十坪のように思います。その一部が国鉄の用地で百二十坪か百三十坪、あとの三分の二は、民間が区画整理によつて個々に出した土地と私は記憶している。そこへ建てました建物二階建一地下六十坪、一階、二階で六百坪、総計六百六十坪であります。そこでこの建物は高円寺復興協力会、会長は久保島義道氏ですが、この協力会が建造をしたといわれております。そこでこの復興協力会では協和銀行から四千五百万円金を借りております。但しこのうちの二千五百万円余は権利金とか聞いております。さらに白木屋から四千五百万円金を借りている。その前にこの土地を出した住民には、駅ができたら売店をやつていいというので出させたが、できた姿のものから、一こま——一こまは一・八坪、約二坪であるが、一こま一階は三十六万円、二階は二十八万円という高値であろため、だれも手出しができなかつた。そこで白木屋がここに入つた、かようなことを聞いております。だが、この権利金をとつて、二階は白木屋が使つている、また銀行か一階を使つている、ともに権利金総計九千万円の金をとつた復興協力会は、この建物を国鉄へ無償で寄付されたそうです。これはけつこうなことですか、国鉄はこれを受入れた事実があるかどうか、この点をまず伺いたいと思います。
  50. 津田弘孝

    ○津田説明員 たいだま鈴木委員からお話のございました高円寺の駅でございますが、高円寺の駅は、御承知のように先年来、ことに戦災後におきましてはあの辺の住民が非常にふえて参りまして、駅の利用も非常に多くなつてつたのでありますが、あの駅がそのふえました旅客の需要に応じ切れない。そこで国鉄といたしましても何とかしてこれを改築したい、また改築してもらいたい、こういうような御要望がずいぶんあつたのでありますが、先日来申し上げておりますように、何分にも国鉄の工事費の最も大きな部分輸送力増強の面にさかなければならないという観点から申しまして、高円寺駅の改築費まで予算かなかなかまわり切れないというような実情にあつたのであります。時たまたまただいまお話のございました久保島某氏から申出がありまして、高円寺のあれは南口になりますか、駅を自分の金で改築したい、そしてこれを国鉄に寄付したいというような話かございまして、この財団法人はまだ設立されておらないのでありますが、これは非常にけつこうな申出でありますし、できました後は国鉄に寄付するということでありましたので、その請願を受入れまして、今お話のように、あの建物は竣工後におきましては、国鉄が所有権を取得するということに相なつております。
  51. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 竣工することになればといつて、今一階、二階は竣工しているじやないですか。まだ竣工していないというんですか。
  52. 津田弘孝

    ○津田説明員 その後請願者からの申出によりましてさらに三階を……。
  53. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 三階のことは聞いちやいない。今の一階、二階についてです。
  54. 津田弘孝

    ○津田説明員 それは竣工しております。
  55. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 私の質問はつきり聞いていてもらいたい。誤つちや困りますぜ。それで竣工したものを受入れることになつた。そこが私どもから見ると、どうもふしぎに思えてならない。かりにあなた方がその建物を国鉄の所有権にして、商売をしても何をしても、これは国鉄だから税金はかからないと、私どもしろうと考えでそう思う。これはそこにおいでになる立花先生あたりが、最も巧妙に編み出したものだろうと思います。税金はかからないし、権利金は復興協力会で建物建設についてとつている。この点ははつきりしておいてもらいたい。そしてあなた方は復興協力会に五十年間、これを無償で貸しているのか、有償で貸しているのか、これを聞きたい。
  56. 津田弘孝

    ○津田説明員 ただいま御質問の点でございますが、実はこの高円寺につきましては多少いきさつがございまして、国鉄といたしましては、やはり財団法人ができました後に正式の契約をいたしたい、久保島個人に対して営業の承認をすることはしかるべきでない、こういうよう六観点から申しまして、国鉄の所有権に帰しました後にということで、現在久保島に貸しております地籍に関しましては、いまだ土地の使用料、構内営業料、そういつたようなものを徴収する運びに至つておりません。
  57. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 運びに至つていないといつたつて、財団法人のこの復興協力会というか、新聞には財団法人東京停車場社会事業協会といつている、どつちがほんとうかわからないが、建物を国鉄でもつて寄付を受領したことは事実だ。それで五十年間貸したことは事実なのかどうか、それを聞きたい。
  58. 津田弘孝

    ○津田説明員 その点については、遺憾ながら私ここに資料を持ち合せておりません。
  59. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 あなたは資料を持ち合せていないと言うが、鉄道会館等でもいつも言うが、わからなくなると資料がないと言う。それなら資料と、はつきりわかろ人を出したらいいじやないか。総裁は病気と言い、かんじんのあなたがいつも答弁して、私どもにはわからない。それで輸送力増強のために、駅はとてもわれわれにできないから、民間の資本た入れると言う。そんな小ばかにしたようなことを言つちやだめですよ。輸送力増強していないではないですか。それでその建物の寄付を受領することを承諾して、それを国鉄から財団法人の何々協会へ五十年間無償で貸す。貸された人は、九千万円も権利金をとつて、あるいは借金をして、年間五百六十万円の家賃をとつているのです。家賃をとつているのに、今度は構内営業規則かどうの、何がどうの、まだとりきめてないのに——これは鉄道会館と同じですよ。なぜ最初にとりきめないのです。そんなあやふやなことをだれにでもするのですか。それで何か言うと、資料がないとかどうとか。かんじんだ国家の財産は一体どうなる。あなた方は総裁の言うように、国鉄の財産だつて国家のものでないなんということを新聞に出したそうですが、とんでもない考え方だ。五十年間ただ貸して、うまい脱税行為をする。あなた方も国家の官吏じやありませんか。
  60. 津田弘孝

    ○津田説明員 五十年間ただで貸すというようなうわさをどこからお聞き及びか存じませんが、国鉄といたしましては、さようなはからいをする意思はございません。
  61. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 意思はないというが、現在使つていて、商いもしているでしよう。なぜとらない。なぜとれないのです。
  62. 津田弘孝

    ○津田説明員 国鉄といたしましては、まだ手続中のようでございますか、財団法人竹設立いたしました後に、すべての契約関係を確定いたしたいというふうに考えおります。
  63. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 今契約の対象はだれなんです。寄付を受領した対象はだれなんです。もらうものはもらえるのでしよう。建物をもらえることは知つていて、賃料を中からとれ五いんですか。もらうことができるんじやないですか。だれからもらつたのですか。
  64. 津田弘孝

    ○津田説明員 復興協力会がまだ財団法人の正式の認可を得ておりませんが、その認可布受ける前の復興協力会から、国鉄が寄付を受けたということに相なるわけであります。
  65. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 それでは白木屋が使つたり、協和銀行か使つていたら、国鉄はその方から賃料をとつたらいいじやないですか。それはどうなつでいるのです。財団法人のものではないのですよ。
  66. 津田弘孝

    ○津田説明員 国鉄といたしましては、契約の相手方といたしましては復興協力会、しかもそれが正式に認可を受けました後の協力会と契約をする予定にいたしておるのであります。その手続がいまだ済みませんので、今お話のありましたような土地の使用料等を徴収しておらないのであります。しかしながら設立前の復興協力会が、高円寺の駅におきまして銀行その他に場所を貸しているということにつきましては、これは国鉄の直接の関係ではございませんので、そういつた銀行等から地代をとる、あるいは構内営業料をとるというような建前にはなつておりません。
  67. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 その話合いの対象は、復興協力会が財団法人であろうとなかろうとあなた方は建物をもらつたのでしよう。もらつたならば、国鉄のものじやありませんか。そこを使つている白木屋なら白木屋、銀行なら銀行から金がもらえるじやありませんか。それを契約の内容に入つて、とにかく家賃はわれわれの方でとるのだ、白木屋からとるのだ、協和銀行の方からとるのだ、そこが疑惑なんだ。あなたの方の国鉄のものにすれば、税金がかからない。それをあなたは、まだ財団法人にならないからどうだとか、契約一まだできない、これからやるのだとか、そんな緩慢なことでいいのですか。一体家賃を向うへとらせることを承知でもらつたのですか。復興協力会と申しますか、財団法人になる、その方へ家賃をとらせることでもつてあなた方がもらつたのですか、そうして無償で貸すことにきめたのですか、この点をはつきりさしておいてください。大体あなた方はどんな腹予算かあるのですか。
  68. 津田弘孝

    ○津田説明員 国鉄といたしましては、この復興協力会が正式に設立せられました後に、復興協力会から土地の使用料なり構内営業料なりをとるつもりにいたしております。
  69. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 くどいようですが、それじや国鉄の所有物に対して、銀行、白木屋にはどういう態度をとるつもりですか。
  70. 津田弘孝

    ○津田説明員 どういう態度と言われますが、内容がどうもはつきりいたしませんのですが、ちようど鉄道会館の際にも御説明いたしましたように、復興協力会がそういつた百貨店なりその他のものに貸しまして、そのものから復興協力会か何らかの形におきましてとりましたものの中から、復興協力会の名別において国鉄が料金をとる、こういう段取りになるわけであります。
  71. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 それではこの間秋葉原に調査に行つたとき、あなたは千分の十が規定だと言つたが、その既定方針も無視せられるのですか。白木屋で営業していたらどうまんだ。復興協力会でとつたものの中からとろというようなあいまいなことでいいんですか。あなたは構内営業料は一定の率があると言つたじやありませんか。一定の率があつたならば、千分の十は構内でやつているものからとれるわけです。高円寺においてはとれないのですか。その点はつきり説明してもらいたい。
  72. 津田弘孝

    ○津田説明員 一般の構内営業規則によりまして、復興協力会から所定の率、つまり売上げに対する千分の十に相当する構内営業料、並びに一定の土地の使用料というようなものをとるわけであります。
  73. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 間違いなく千分の十あなたはとれますか。この構内でもつて売り上げたものの千分の十、今われわれしろうとが考えても、この千分の十はとれませんぞ。あれだけの建物を復興協力会が国鉄に寄付して、無償で五十年借りても、一年に五百四十万円か五百五十万円かの家賃を全部からとつてみたつて、あなた方の方に売上げに対する千分の十払えるわけがないじやありませんか。それについて明確な御答弁を願います。
  74. 津田弘孝

    ○津田説明員 先ほど来鈴木委員から無償で云々というお話がございますが無償でないことは、先ほど来申し上げている通りでございます。もちろん所定の料金を復興協力会からとろわけです。それから千分の十に関しましては、これをとれる予定にしてわります。
  75. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 どうものみ込めないようですが、無償で国鉄は寄付されたのじやありませんか。あの建物を無償で国鉄へ寄付をしたと称しているのであるが、国鉄ではその寄付を受領したの、じや左いんですか。
  76. 津田弘孝

    ○津田説明員 その通りでございます。
  77. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 そうでしよう。そうすると、われわれは無償ということを聞いているのですが、あなたの方では無償でなく、有償でもつて貸すのだとおつしやるんでしよう。それで構内営業規則というものが立つてあれば、相手が財団法人であろうと、個人であろうと、あなた方の一つの一貫した方針があると秋葉原で説明したじやありませんか。千分の十がとれますか。白木屋から直接とれない。銀行から直接とれない。復興協力会が貸したのだからというようなことでしよう。建物はあなたの方で寄付を受領した。今度は無償じやない。有償だといつてみたつて片一方はあなたの方に、財団法人になるという復興協力会が建物を国鉄に差上げてしまう。それは銀行と白木屋から九千万円——いかなる形態でも金をとつて、そのうちの七千八百万円というものが建設費にかかつているというのが、私どもの聞いた範囲なんです。これは事実に近いらしい。あなた方もちやんと国鉄で建物について寄付をとつたというのですから……。それで千分の十というものはどこから算定できるか。白木屋と協和銀行から復興協力会かもらつたものを、全部あなた方の方へ構内営業料として差出しても、私は五百四十万や五百六十万では千分の十になるまいと思う。白木屋の売上げと銀行の売上げとは、構内営業規則からいつて、あなた方はどういうふうにこれを考えるか。どういうふうに算定するか。どこをもつて売上げとするか。これをひとつ賢明な津田さんに御答弁願います。
  78. 津田弘孝

    ○津田説明員 これはどこでも同じでございますが、今の高円寺の例におきましても、白木屋が売り上げました代金の千分の十、また銀行の場合は、これはなかなかむずかしい例でございますが、もしそれが百貨店であつたならば、坪当り幾らの収入を生ずるであろうかというような想定に基きまして、徴収をするわけでございます。
  79. 鈴木仙八

    鈴木(仙)委員 それでは銀行の売上げで千分の十にふさわしいものをとるのですか。白木屋からはもちろん千分の十とつたでしようね。それでは財団法人になろうとなるまいと、いいじやありませんか。交渉相手がどうなろうといいじやありませんか。これはあなた、詭弁ですよ。建てた大事な建物をもらうのはもらつてあとの金をもらうのに、財団法人になろうがなるまいが、そんた詭弁をおつしやつてはだめですよ。われわれ誓うのは、銀行から権利金をとり、白木屋から権利金をとつた。この権利金の行方なんです。またこれを駅がとつて国家の利益に一つもならない。そうでしよう。権利はとられて、からつぽのものである。構内営業規則に準じて千分の十とつてみたつて、そんなに大したことはな一い。おそらくは私はとれないと思う。たたそのからくりが疑惑なんですよ。みんなが出した三分の二の土地も国鉄でまとめてとつておる。建物には固定資産税というものはかからぬでしよう。国家の収入にならないのです。そういうことを、結託はしていないでしようが、だれがこういうことを考えたか。先般もまた何かしら——これは間違えばはなはだ失礼だがとにかく鉄道会館立花さんあたりが、権利金をとるとパンパン屋になつたりパチンコ屋になるおそれがある。だから権利金はとらない。三年間の家賃前納をする。これは私はよくわからぬが、税金関係は一体どうなるか。権利金をとれば相当な税金をとられるが、家賃ではこの見解はどうだ。しかしながらおそろしく高いものである。三箇年の前家賃なんというのは聞いたことがありませんよ。こういうことは国家のために一つもならぬということです。あなた方は輸送力増強を考えておられるかもしれぬが、こういうことをやつていたのでは、国鉄はいつまでたつてもどろ沼みたいなものです。赤字の続出です。あなた方がやつてまる以上は、一銭たつて黒字になりつこない。こういうことが全国至るところ目ぼしいところにある。だれが考えたか。おそらく立花あたりが考えたのかもしれぬ。こういうことは軌はではありません。その場所々々によつてやり方は違つておるけれども、金はつつぽ抜けだ。国鉄の収入にもならなければ、国家の収入にもならぬ。輸送力増強にもならぬということを私は申し上げておきたい。全部あなた方はやめるべきだ。このほうはいとした輿論に対してあなた方はやめるべきた。れんくとして、いる言ものじやない。そんな答弁はやめだ。答弁にならない。もつと研究してやりなさい。資料をよく探しますとか、相手がどうとか、そんなことは子供に言いなさい。もらうものはもらつた。今度は家賃を幾らとるのかということになると、相手がどうとかこうとか、そんなことが成り立ちますか。そんな考え方だから国民が迷惑をします。私の質問はこの程度で打切ります。
  80. 臼井莊一

    臼井委員 鉄道会館のことで一点お伺いしたいのです。資料をいただきましたが、まだいただいたばかりで十分調査しておりませんが、前回いただいた資料の中で「東京駅八重洲口本屋建設に伴う費用負担及び構内営業その他について」というので、これは国鉄鉄道会館との契約になるものだと思うのですが、これはすでに契約として成立しておるのでございましようか。その点をお伺いいたします。
  81. 津田弘孝

    ○津田説明員 資料として差上げましたものの中で、鉄道会館鉄道との関係を規定いたしまする基本的な契約といたしましては、九月二十五日付の国鉄総裁から株式会社針道会館発起人代表加賀山之雄に差出しました書類、それに基きまして一日越えた二十六日に、株式会社鉄道会館取締役社長加賀山之雄から国鉄総裁に対しまして請書が出ております。これによりまして両者の間に契約関係が成立したという次第でございます。
  82. 臼井莊一

    臼井委員 その第二条に「基礎部分の工事費は、折半負担とする。」ということになつておりますが、この基礎部分の工事費は、国鉄で必要なだけ、たとえば一階、二階くらいの程度をつくるのと、地下二階、地上十二階をつくるのとでは非常に違うと思うのですが、その基礎部分が折半ということはどうも了解できないのですが、これは私の考えが間違つておりますかどうですか、その点をお伺いします。
  83. 金谷明

    ○金谷説明員 御説明申し上げます。元の協定はそういうふうになつておるのでございますが、御指標のように折半というのはおかしいじやないかというよう議論が出まして、いろいろ検討いたしまして、各層の空間を全部振り割りまして、それによつて配分的に分担することにしたいということで、改訂を進めてわります。
  84. 臼井莊一

    臼井委員 どうも今ごろになつてこういう重要な問題の改訂を進めつつあるということは、私は解せないのですが、この基礎部分の工事費が、たとえば鉄道で現在使う一階だけでございますか、それだけの基礎の費用とすれば一体幾らかかるのか。それから地下二階、地上十二階の費用とすればどのくらいに当るのかを、ひとつこの次までに計算をお出しになつていただきたい。  それからもう一つ、第五条で、電源設備は国鉄が負担するということになつており、その他の配線や何かは使用の区分に従つて負担するとなつておりますが、この点はたとえば鉄道で使う、今申し上げた一階なら一階の電源の施設と、それから地上、地階合せて十四階の使う電源設備というものは非常な設備だろうと思いますが、一体どれだけの差があるのか。われわれ民間人が何かやつても、ちよつとトランス一つ上げるのだつて、たいへんな馬力によつてえらい差です。ですから、これを国鉄が全部負担することが妥当であるかどうかということを疑問に思つておるのです。この点もあわせてひとつ……。
  85. 金谷明

    ○金谷説明員 この点も御指摘のような疑問が出るのでございまして、今度の改訂では削除したい。会館で使われる電源は会館で持つてもらうというように改正するようになつております。
  86. 臼井莊一

    臼井委員 そうするとやはりこの設備の点も使用量に従つてですか。それによつてということでありまするが……。
  87. 金谷明

    ○金谷説明員 国鉄の使用する部分には国鉄の電気を入れ、会社の使用するところには会社の電気を入れる、こういう建前でございます。
  88. 臼井莊一

    臼井委員 その入れる電気はやはり国鉄の同じ系統のものを入れるのですか、あるいは東電なら東電というふうに別のを入れるのですか。
  89. 金谷明

    ○金谷説明員 国鉄の方のは国鉄の電気を入れます。会社の方のは別に配電芸社から入れます。
  90. 臼井莊一

    臼井委員 そうするとやはりこれも最初のやり方とかわつたわけですね。  もう一つお願いいたします。この契約書の中で、実際のと今度かわつて来たのと、どういう点がかわつて来たのであるか、この次までにその点をひとつ御指摘願いたいと思う。
  91. 關内正一

    ○關内委員長 川島金次君。
  92. 川島金次

    ○川島(金)委員 委員長にお伺いしますが、きようは総裁は御欠席のようですが、副総裁はこの席に見えられるのですか。
  93. 關内正一

    ○關内委員長 副総裁は決算委員会の方へ行つております。立花参考人と加賀山氏は、これも決算委員会の方へ行つておりまして、やがてこちらへ見えるはずです。
  94. 川島金次

    ○川島(金)委員 委員長にちよつとお伺いしますが、これは議事進行についてでありますが、鉄道会館等の問題について、そもそもの事書してこの会議にかけたのは運輸委員会であり、運輸委員会の専任の形で行われた。先般も委員会のどなたかから、委員長と決算委員長との折衝によつて、何らかの形で一応この問題に関する限りにおいては運輸委員会の専属に移してほしい、そういう姿に直すことがよろしいのではないかというお話がありました。委員長もそれを了承しておられたようでありますが、その点は委員長は折衝されましたか。折衝されだとすると、どういう経過になつておりますか。
  95. 關内正一

    ○關内委員長 お答えいたします。お話の通りでありまして、決算委員長の方へ私よりその旨交渉するはずでありましたが、決算委員会の進行ぶりが非常に深い点と申しましようか、非常に熱度が加わつて、この際こちらからさような申込みをすることは、かえつて向うの審議窮押えるようになるのではないかと考えましたから、適当な時期と思つて今日に及んだのであります。従いまして決算委員長の方には交渉いたしておりません。
  96. 川島金次

    ○川島(金)委員 おそらくこの委員会委員長にそのあつせん方を依頼したことは、決算委員の審議を妨げるとか、横やりを入れるというような意味合いではなくして、同じ国会の中で、しかも一方は決算委員会、一方は運輸委員会、この二つの委員会が同じようなことを審議しておるということは、国会の審議の形からいつてもあまり芳しいものではないと私は思つております。これはことに決算委員会委員長は、分自党といわれる鈴木委員の属されておる党の代表者が委員長ではなかつたかと私は思つておりますが、委員長もめわせて鈴木委員とともに相談をされて、決算委員会運輸委員会とは何らか話合いをつけて、もし並行して審議しなければならないような実情になつておるとすれば、たとえば運輸委員会では午前中にやるとか、あるいは一日おきに決算委員会とこちらとが交互にやりとか、でないとせつかくわれわれ次員会か総裁の出席を必要としたり、あるいは副総裁の出席を必要とするにかかわらず、たまたM決算委員会で同じことをやつておるので、この出席が求められない。こういうことになりますと、審議の進捗も若干の遅延を来すということを免れないと思うのでありますし、同時にまた審議の紛淆を来すきらいもないとは思われない。従つてこれは委員長に私からも重ねての希望でありまするけれども、必要とあれば急に委員長から本委員会鈴木委員とも御懇談を願い、鈴木委員からさらにごあつせんを願つて委員長と向うの委員長との折衝の上で、何とかこれをこちらの一本にまとめたい。それが不可能であれば、両者が並行するにしても、交互に譲り合つて審議の進捗をはかる、こういつたことを私は必要とするのではないかと思うのです。この点は委員長において積極的にひとつ何らか、審議の進捗についての決算委員会との話合いを私は進めてほしい。こういうふうに思うのですが、どうでございますか。
  97. 關内正一

    ○關内委員長 川島君の御発言の御趣旨は私も同感でありまするので、なるべく御発言の御趣旨に沿うように善処いたしたいと思います。
  98. 臼井莊一

    臼井委員 もう一点、ちよつと落していましたからお伺いいたしますが、鉄道会館を東京駅のあそこへ建てる。反対側から見ると、鉄道があそこの今度新築される駅の上の権利を鉄道会館へ貸したということになると思います。要するに鉄道は一階だけで済むものを、あと地上十二階建てる。その屋上の権利を使わせることを契約したというふうに見るのであります。そういうふうに解釈してよろしいのでありますか。
  99. 津田弘孝

    ○津田説明員 今臼井委員のおつしやつた通りでございます。法律的に言えば賃借の関係並びにその施設内で構内営業を行うことを許するということになると思います。
  100. 臼井莊一

    臼井委員 そうすると、これも先ほど機関車の例で申し上げたのですが、本来であると、やはり何か告示して競売といいますか、何かそうしなくちやならぬじやないかと思いますが、その点の御解釈はどういうのでしようか。
  101. 津田弘孝

    ○津田説明員 ただいまおつしやいました点が、鉄道会館につきましてのいろいろな御疑問、問題の中の一番重要な一つではないかと思うのであります。法律的に申しますと、国有鉄道法の四十九条にこのような条文がございます。「日本国有鉄道か売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、公告して、一般競争入札の方法に準じ申込をさせ、その最低又は最高の価格による申込者又は申込者との価格その他の条件についての公正な協議を経て定めた者とこれをしなければならない。但し、緊急な必要のある場合、一般競争入札の方法に準じてすることが不利である場合又は政令の定める場合においては、この限りでない。」つまりこの法文の趣旨といたしましては、一般競争入札によるのだ。今の賃借の例におきましても、これは公法上の賃借であり、あるいは私法上のそれであり、いずれにいたしましても公開競争入札によるのが原則である。しかし一般競争入札の方法に準じてすれば不利である場合には、この限りでないということがうたつてあるのでございます。われわれの解釈といたしましては、今度の東京駅の中央停車場を整備する。そしてそこに旅客交通に附帯するところのいろいろな施設を整備するというような事業は、だれにやらしてもいいという趣旨のものではございません。あるいは最高の価格でではなしに、最低の値段で請負う者にやらしていいというわけのものでも必ずしもないと思うのでありまして最も鉄道の計画に協力できる、また鉄道関係の仕事につきましても、一番よく知識なり経験を持つているというような者にさせることがいいのではないかというような結論に到達いたしまして、この四十九条の但書の条文を適用いたしまして、一般公開競争入札の方法によらなかつたのでございます。  なおもう一つ申し上げておきたいことは、この四十九条の但書の中に、政令の定める場合においては一般競争入札によらなくともいいという条文があるのでございますが、この政令の定める場合と申しますのは、国有鉄道法施行令の第三十三条の六項に「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」という条項があるのでございますが、今申し上げましたように今度の事業は、その性質あるいは目的が、競争を許さない場合に当るのではないかというふうに考える次第でございます。四十九条の但書と今の国有鉄道法施行令の三十三条の第六項によりまして、一般公開入札の方法によらなかつた、これが法律的な根拠でございます。
  102. 臼井莊一

    臼井委員 鉄道当局か、非常に重要だと言われ、これは一般競争入札の方法に準じてなすことが不利である場合ということを適用したと思うのです。これは解釈の相違であるが、私は必ずしも鉄道の幹部でなければ鉄道に理解もないし、また契約するのに不利だと断定することは少し早計ではないかと思う。なるほど鉄道によく理解もあられるし、協力もできる立場にある方でありましようが、しかし見方によれば、鉄道総裁をやられたような偉い方であれば、逆に鉄道の方で言うことを聞かされるということも私はあり得ると思う。従つてこれは解釈の相違でありますが、他に適当な人があることをはたして探されたかどうか。聞くところによると、相当の人でやはりこういうことならやろうという考えの方もあつたということであります。また財界の有力者の方を仰いでやるという方法もあつたのではなかろうかと思うのであります。はたしてこの第四十九条のこの条項の適用が適当であるかどうか。これは私ばかりの意見ではいかないのでありますが、しかしこういうところに、せつかく善意であつてやられること、いろいろな疑惑を生む根本があり、要するに逆の裏を考えられるのでありますから、非常な問題が起るだろうと思うのです。没して私は悪意に解釈しておるわけでありませんけれども、よほどこういう大きな問題のときには、しかもこれが一つの例となつて、全国四千からの駅にもやろうと思えばやれる事例となることである以上は、この条項を適用して、みな特殊の契約をするということの一つの前例となし得るのであつて、ただ単にこれは鉄道会館だけの問題ではないというふうに考えるのですが、この点はまたいずれかの機会に論ずることとして、私があまり申し上げると他の御質問のじやまをいたしますから、これはこの程度でとどめておきます。
  103. 川島金次

    ○川島(金)委員 私は、せつかく参考人の方も来ておりますので、総裁もしくは副総裁にお尋ねをしながら、また会社側の方にもお尋ねをしたい、こう考えていたのでありますが、当局側の総裁、副総裁がおりませんので、それに対する質問は留保いたしまして、さしあたつてたまたま今日わざわざ出て来られました会社側の責任の方に、若干のお尋ねを申し上げておきたいと存じます。  まず第一にお伺いいたしますことは、私は先般の本委員会において、株式会社鉄道会館の問題は、いやしくも国民の議場である国会の中の議題に供せられまして、しかも単に議題に供せられたというだけでなしに、ややもすればその論議の経過から見まして、国鉄並びに会社側にも必ずしも好ましい経過を見せておらないではないか。ことに端的に申し上げますと、その間に若干の国民的な立場から見ると疑惑すら注がれておるというような経過をとつておることは、いなめない事実ではないかと私は考えておる。そこで私は、問題の是非善悪は別といたしまして、問題の解決をいずれはぜなければならぬ。その解決を促進する意味合いにおきましても、できることならば、この際株式会社鉄道会館の責任ある立場の方々から国鉄当局と話合いの上で、ある一定の最小限度でもけつこうであるから、期限を付して一時工事を見合せ、その間に急速に国会の論議を終結いたしまして、その終結をまつて明則な、からりとさつき晴れの、さみだれが晴れたような形において、堂々と力強く再出発をすることが好ましいことではないか。そういう意味で天坊副総裁は総裁にかわつて鉄道会館との話合いでそういうことはできないか、こういうことを私が申し上げましたときに、そのことについて私から結論的に具体的な意見を申し上げることはできないが、そういうことも一つの考え方と考えるから、早急に当事者と懇談をして何らか対処したい。こういうことを副総裁はこの席上で言明されたのであります。そこで立花さんが見えておるそうですが、立花さんあるいは加賀山社長にそういう話が国鉄側から何らかの形において、公式にせよ、非公式にせよ、懇談的にお話があつたかどうか、その点をひとつまず伺いたい。
  104. 立花次郎

    立花参考人 疑惑を生んだということについては、私どもの非常に至らなかつた点をおわびするわけでありますが、工事は今白熱的な勢いで進行中でございましてこれをやめることは莫大な損失を及ぼすわけであります。副総裁あるいは社長とそういうお話合いがあつたかどうかということは存じませんが、私は何も伺つておりません。
  105. 川島金次

    ○川島(金)委員 そのことは速記録にも残つておりますから、あとでごらん願いたいのであります。私のただいまかいつまんで申し上げましたことに、全面的な同意の答弁をしたわけではございませんが、そういうことが問題解決の一つの促進になるならば考えたい、こういうことをはつきりと言われたことは事実であります。そこで立花さんにお伺いしますが、あなたはそういう考え方を持たれないか、その点はいかがでございますか。
  106. 立花次郎

    立花参考人 私どもの目的といたしておりまするところは、日本にはずかしくないような停車場をつくろう。それには非常に莫大な資金がいるのでございまして、私どもとしましては、二十数億の資金を集めなければならぬ。その仕事を一生懸命やつて、それをどんどんつぎ込んで、世界に恥じない駅をつくつてやろうということが目的なんでございます。とうていこれを今中止するというようなことは、非常な経済上の打撃になりまして、信用を失うことであります。何か疑惑を晴らす道はほかにもあると存ずるのでありまして、工事だけはぜひ続行しなければ、再びできないはめになつてしまうことを憂えるのでございます。
  107. 原彪

    ○原(彪)委員(改) 関連して……。ただいま世界に恥じないようなりつぱな駅をつくろうという御答弁でありまするが、私の考えでは、数日前にも私申し上げたのですが、後藤新平きんがおつくりになつたと称せられる古い駅は全然別に、新しい十二階建のまつ四角なビルデイングが建つとなると、あそこのシンメトリーといいますか、一貫した中央駅という感じが出ないのであるます。またあの丸ビルよりまつ四角な駅が、文化国家日本の中央の駅として、建築上文化的な駅であるということには、私は非常に疑問があるのです。そればかりでなく世界のどこの駅を探しても、ロンドンだつて、アメリカの市だつて、その中央の駅にデパートを持つておる駅がありましようか。私はこれを探して見ましたが、見つからないのです。最近海外に出られた人の話を聞いてみても、一国の首都にデパートを持つておる駅というものはありません。私は今度東京のあの鉄道会館の下を見ましたが、ほんとうにあれは駅ではなく、デパートの面積の方が多い。はずかしからざる駅を建てようとおつしやるけれども、一体あの駅の形式、様式等について、どういう方法でおはかりになつて、あのような均衡のとれない、元の駅と一つも連関のない駅をお建てになるような方向に持つて行かれたのか、その手続についてちよつと承りたい。
  108. 立花次郎

    立花参考人 これはあるいは国鉄の方からお話した方がいいかとも存じますが、私、二年半ほど施設局長をしておりまして、その前から八重洲口に何とかしてりつぱな駅をつくりたいということで、しばしば委員会をつくつてつたことがございますので、その関係で私から御返事してみたいと思います。  まず第一に世界に恥じないと申しましたのは、その当時の気分といたしましては、三年くらい前に完成したと思いますが、イタリアのローマに耕しい非常にりつぱな駅ができたのであります。これは全部ローマの国有鉄道の出資でございますが、すばらしくりつぱなものでございます。ああいうものを日本でつくりますには、わずかなお金ではとてもできない。しかし、日本はイタリアより下ではない、戦争には負けたけれども、復興の意気込みを示して何とかしてやつてみたいというのが、その当時の私ども一つの念願でございました。  それから形態の問題でございますが、これは各人の主観の問題でございますが、実は部外からも有数なる建築家数名の参加をいただきまして、どういう駅がよろしいかということについて会合を、もうすでに三年くらい前になるかと思いますが、やつたことがございます。そして大体現在のような形態が一番近代的であるという結論をそのとき得たのであります。その詳しいことにつきましては、国有鉄道の万に記録があると存じますから、それをお調べ願えればおわかりになると思います。  それから私どもとして一番慎んでおりますことは、利権的に駅をつくるという問題でございます。要するに民間の資本を入れて駅はできましても、これが公共の利益を阻害するというのでは何もならないのでありまして、民間の資本は導入するけれども、公共の用途は阻害されないということが、一番私どもの根本の考え方でございます。そういう観点からいたしまして、利権的な考え方は一つもないのでありまして、できるだけりつばな駅を最小限度の民間の協力を得てやりたい。そこで今お話の点が問題になるかと思つてここに図面を持つてつております。これは四折ほどの平面図でありますが、この赤い部分は全部どなたも入れるので差します、そういう部分株式会社鉄道会館が半分負担して建設したわけでございます。そうしてこのわずかに緑の薄く塗つてありますところだけか、鉄道会館が店舗その他にしておるところでございまして、これたらば緑のところをやることはまだ相当できると思うのであります。しかしながら私どもはそれを絶対にやらない。それからまたこの間現場を御視察いただいたと思いますが、あの店舗にいたしましたものにつきましても、平均坪当り十五万円程度の仕上費をかけております。ほとんど現在世界で第一流の設備になつておりますイタリアのローマの中央駅等も、非常にたくさん店舗がございますが、これも国有鉄道において一つの型をもつて、きちつとやつたものでございまして、まあそれに劣らない程度の仕上げをしたつもりでおるわけでございます。
  109. 川島金次

    ○川島(金)委員 それでは立花さんに重ねてお伺いをいたしますが、この鉄道会館というものは、公衆の利便、福祉、ことにとりわけて東京ステーシヨンを中心とする乗降客の利便ということが先決に考えられて出発したものか、あるいはまた国鉄の今日の財政状況から見て、何らかの形で国鉄の、東京の玄関口ともいわれる東京駅の景観を改めると同時に、あわせてこの経済団体の活動を通じて国鉄の財政にも大いに寄与するという、公益優先の立場でこの会社が計画されたのか、公益優先ではなくして、もつぱら株式会社の名称が示すがごとく、利益追求の経済団体として、発足はもちろん、今後とも経営の上においても、そういう基本方針で臨んで行くという考え方であるか、その点はいかなる考え方て臨んでおられますか、お伺いしたい。
  110. 立花次郎

    立花参考人 もちろん世界に恥じない停車場をつくろうというからには、乗降客の利便とか、あるいは東京の中央駅としての世界に誇るに足る景観ということは、根本的な条件であります。そうでないものをつくるくらいなら、やめた方かよろしいのでございます。それでははたしてそれか国鉄の財政に寄与するかしないかということでございまするが、私が考えまするのに、大体従来の国鉄の用地使用料、建物使用料あるいは構内営業料金、そういうものから算定いたしますと、大体において年々三千万円ないし五千万円を国鉄に納付することになると思うのであります。それで国鉄はりつばな駅ができた上に、毎年相当の雑収入を得られまするから、国鉄の財政にも寄与するものではないかと私は確信しております。その株式会社の問題でございまするが、株式会社鉄道会館は、鉄道の職員の一万五千人くらいの株主が、一億七千万円の出資をしてくれた。もちろんこれは私どもそういうつもりでなくて、一般公募をするつもりでおつたのでございますが、職員の方の応募があまりに多かつたために、公募は即日締め切るというような形で、今日構成されておるのであります。それででき上りました後も、二十数億円の借入金をかかえておるのでありまするから、それを返済いたしますには、相当長い時期がかかると思います。おそらく二十年くらいの間は順次借入金を返済することになると思うのでございまして、とうてい高率の配当はできないのてございます。しかしながら職員の株主の皆さんも、東京駅をつくろうということで、こぞつて自分のりつぱな職場をつくるという御趣旨から、応募していただくことになつたと私どもは確信しております。それでもちろん六分なり、八分なりの配当はしなくちやならないと思いますが、高率の配当は望まれてないのではないか、これは完全な財産株として将来永遠に栄えるような方法であればいいのではないか、こう私どもは考えておる次第でございます。
  111. 川島金次

    ○川島(金)委員 今立花さんのお話によると、経済団体であるから配当も確保しなければならぬ。しかし一面においては世界に恥じない大ステーシヨンをつくつて、さらに困難な国鉄の財政にも寄与する、たいへん器用なお話を承つたのでありますが、そういうことはあなたが言うべくして行われないのではないか。すなわち今あなたが言われた通り、不当な配当をするようなことは万々不可能である、こういうことをもつていたしましても、その一面においては国鉄の財政に大いに寄与するのだという考え方を持つておるということとはきわめて矛盾する、そういうことは別といたしましても、今のお話を聞いておりますると、とにかく経済団体であるから利益を配当しなければならぬ。利益を確保しつつ、できれば国鉄の財政にも寄与したい。あわせて世界第一のステーシヨンをつくるのだ、こういうお話でございます。そこで私は前段の質問の続きに入るのですが、私の考えからいたしますると、この国鉄会館の問題が議会の問題とまで取上げられてしかもそれが日々の新聞紙上を通じて、われわれの常識から申し上げれば、必ずしも好ましからぬ形において報道されておるということだけは、立花さんといえどもこれは否定いたしておらないところであると思います。こういう事態を続けて行つて、なおかつ工事をしているときと、そういう事態を一日も早く円満な姿に解決するという促進の考え方に立つて、最小限度の、これは具体的には今申し上げられませんが、最小限度の期間市与えていわゆる冷却期間とでも申しますか、そういつたものを与えて、明るい形に立ち直つてから工事の強力な推進をはかることと、今のような現状において曇りでもなければ晴れでもない。欝々たる形において工事が進まれて行く。その工事の進まれて行くに伴つて、私はこれから会館に利用するところのあなた方が考えておりまするところの多くの店舗、あるいはその他の個室等の申込み、あるいは修理、こういつた形の上から見ましても、必ずしも何でもなかつたときに比べれば、非常なマイナスが必然的にそこに起つて来るのではないか、そのマイナスを考えた場合に、むしろそのマイナスを抜きにする方法は、今申し上げましたように、何らかの形でこの問題を円満な、明朗な姿に立ち帰らぜ、再出発をはかるための最小限度の期間を置いての工事の見合せというか、また何か表理の言葉がありますれば別でございますが、そうした形をとつた方が、われわれが国民の立場において考えておるような円満な、しかも明朗な姿においてこの問題の解決が促進され、その解決の上に沿つた工事が強力に再出発できるようなことになるのじやないかという期待と希望をほのかに持つておる立場のものであります。そういう意味合いにおいて、私は先ほどあなたにそのお尋ねをいたしたのでありますが、そういうことはともかく、これは経済団体である。従つてたとい数日でも十日でも工事を中止することは、株式会社自体の経済の上に致命的な打撃があるから、いかにこの問題が紛糾しようとも、あるいは問題化しようとも、この上おもしろからざる事態になろうとも、われわれは会社の建前上断固としてこれを遂行しなければならぬという頑強不敗の精神をもつて、今後これに対処するという不動の決意を持つておられるかどうか。その点は私の立場から考えた場合に、きわめて重大な事柄だと思いますので、重ねてあなたの見解を伺つておきたい。
  112. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。私は鉄道会館の役員の一人でございまして、鉄道会館の意思として申し上げることはできないと存じます。私個人の見解からいたしますれば、法的調査によりましてこれが中止を命ぜらるるならばいたし方ないことでございます。しかしながら会社として考えまするならば、一旦工事を中止するということは、非常に莫大なる損害が参ります。ただ単にその請負者の損害声補償するというような小さた問題でなくて、この工事を完成いたしますのは非常にむずかしいのであります。今後十数億円の借入金をしなければならぬ。これは信用の問題でございます。それで信用が失墜される。現在すでにそういう問合せがあるのでございますが、そういうことは今後この事業の遂行を困難にしてしまうのではないかという点を、非常に憂えておる次第であります。  なお明朗 不明朗の問題がありましたが、私どもは先般来決算委員会のお呼出しを受けまして1決算委員長以下決算委員の方々が二回にわたつて現場を御視察になりました。第二回目の、つい四日ばかり前だと存じますが、二十七日でございましたか、また全部現場に来られまして、現在工事が完全ではございませんが、第一期工事をしてほぼでき上りました部分をごらんになりました。その節に私は、八重洲口は前は焼けたままで本屋も何もなかつた。それか巨ろくな仮の建造物かたくさんごたごたございまして、実にみじめなこういう写真のような状態であつたのです。ところが今日かようにきちんと整然とした駅ができた。これはいいことですか悪いことですかと聞きましたところが、これはいいことだ。非常にいいことだ、それなら、われわれはこれからまだ先に非常にたいへんな、金を借りて仕上げるという大問題があるのですから、なるべく応援していただきたいのだ、こう申しましたところが、このことはいいことなんだが、そこに至るまでに多少不明朗な点がある、その点だけをわれわれは糺弾しているのだというようなお話を承つたわけでございます。私どもといたしましても、多少不明朗な点は明朗にすれはよろしいのでございまして、日本の中央停車場というものはやはり世界環視の的である。これを何とかでつち上げるということは、どうしてもしなくちやいけないことではないか。一たびこれを挫折きせまして、立つあたわざるがごときことをしたならば、はなはたもつて物笑いの種になるじやないかということを非常にわそれるわけであります。その点私なんかの心中を御了察願いたいと思うのであります。
  113. 山崎岩男

    ○山崎(岩)委員 ただいま川島委員に対するところの立花参考人からの御答弁であります。川島委員の御質問の要旨を考えてみまして、私はこう考えます。川島委員は物事を平面的にばかり考えておられますか、これを立体的に考えることを多少やつていただきたいと思う。この問題は、鉄道会館の理想とするところは、経済団体として利益の追求かあらねばならない。あるに相違はない。しかしながらその一点でもつて、この会館の目的とするところを汚してはならないと思うのです。これは利益の追求をすると同時に、一方において、立花氏がたただいま答えられたことくに、これは国鉄当局に対しましても莫大なるところの利益を提供する、財政上に寄与するという考えをもつて出発した。しかしながら経済団体であつて、そこに三十億という莫大な借款をする以上は、それに対するところの償還をして行かねばならぬ。しかしながらこの投資に対するところの利益というものをも、やはり確保して行かなければならぬ。私はこれが正面衝突をする、その目的が、二つの相反するものでないと考えるのでございます。このことは一つの直接の価値、すなわち利益を追求するということと、国鉄の財政に寄与するという間接の価値とが両立して、この会館の目的が達せられると考えられる。それを利益追求の経済団体であるがゆえに、社会公共のために何ら寄与するところがないというような考え方は、これは即断でありまして、当然に立花さんの考え方というものはくみ入れらるべきものであると思う。私どもは是として認めなければならぬと思う。国鉄自体の経済上の立場から考えて、この会館を設けることは当然なんです。ただ、今お話のごとく、その経過において多少の不明朗性があつた。そこでその不明朗性さえ除去するならば、われわれはこれを完遂するという熱意を持つてやらねばならぬという立花さんの立場は、私は適正た考え方であると思う。  そこで私は津田さんにもお尋ね申し上げたいと思うのでございますが、この不明朗性というものが那辺にあつたかということ、今までの当委員会における質疑において、一つの目標が定まつた。そこで目標が定まつた以上は、それに対しまして国鉄当局として当然解決して行かなければならぬ、態度をきめて行かなければならぬと思うのです。局長さんは、今までの質疑応答において、鈴木委員その他の委員があなた方の責任として追求されたところの不明朗性が、一体どこにあると考えるか。それに対してどういう解決の処置を講ずればいいかということの判断が、当然沸いて来なければならぬと思う。そこであなた方はどういうお考えを持たれたか。この際私は、川島委員の質疑に関連をいたしましてお尋ねを申し上げたいと思います。
  114. 津田弘孝

    ○津田説明員 先ほど来川島委員並びに山崎委員からお話のございました点でございますが、先日来取上げられました会館の問題につきまして、いろいろな角度から御検討をいただいておるわけでございます。またこの委員会だけでなしに、決算委員会でもお取上げ願つておるわけでございますが、だんだんとお話をお進めになるに従いましてはつきりいたして参りました点、また問題の所在並びにこれが解決の方法というようなことにつきまして、時間を拝借して申し上げたいと思うのであります。  いろいろと御疑問を持たれ、また一部から疑いの目をもつて見られておりまする点は、今回鉄道会館をつくるにあたりまして、国鉄総裁から前総裁であるところの加賀山之雄氏に対しまして特に依頼があり、またこれに対して、その計画に賛成をして事業が始まつた。その間に、国有鉄道法の精神等によつて、公に、たとえば入札というような方法でやつたならば、もつと明朗であつたではないか。何か鉄道の者ばかりで、今の総裁から前の総裁に頼んでやつたというような点で、明朗性を欠くというようなところが一点あると思うのでございます。それからもう一つは、こういつた大きな事業、またこの土台になりまする契約を締結するにあたりまして、最も大事な賃貸借の根本、たとえば地代あるいは構内営業料金、そういつたような点をきめずに、包括的な契約をした点が疎漏ではないかという点が第二点。それから三番目には、これはいろいろとお話の間に出るのでございますが、国鉄といたしましては輸送力増強に対して、もつと予算なりに力をいたすべきであるにかかわらず、たとい中央停車場とはいえ、駅の本屋というようなものに予算をかけるというようなことは妥当ではない、こういつたような点ではないかと私は思います。  第一の点につきましては、私どもといたしましては、国鉄法の解釈から申しましても違法ではない。先般来何も加賀山之雄でなくても、幾らでも適当な人がいるではないかというようなお話もあつたのであります。国鉄といたしましては、今回の事業の性質上、また公益性、公共性という点から考えまして、前総裁の加賀山氏に依頼することが適当であつたというふうに考えておる。これは見解の相違と申しますか、認識の問題ではないかというふうに考える次第でございます。  第二の点でありまする賃貸料をきめずしてやつたことは、非常に疎漏ではないかという点につきましては、私どもといたしましても、確かにそのような御意見は十分了承できるのでございます。先般来総裁その他から説明を申し上げておりまするように、地代をきめまする根拠になりまする地価というものの評価につきまして、いろいろと意見が違う。公のものではございまするが、たとえば勧銀の評価率と、あるいは中央区の税務署の評価率と、世上いわれているあの付近の地価というものは、二倍も三倍も、あるいは十倍も違うというようなことでございまするので、非常に慎重を期しました結果、坪幾らというような地代あるいは建物使用料をきめずにやつたという言い訳は、十分に私どもの方としてあるのでございますが、それならば大体概算でもとつておけばいいじやないかというような御意見はごもつともでございます。従いまして多少遅れたのでありまするが、きわめて最近、一両日のうちに一定の仮定のもとに、あの付近でありましたならば、いろいろな説はありますが、たとえば坪十五万円あるいは十万円というようね想定に某きまして契約の当初にさかのぼつて一両日中に徴収をいたしたいと考えております。  第三番目の輸送力増強をおろそかにして、駅舎の設備云々というような御意見に対しましては、これも先般来御説明を申し上げておりまするように、国鉄の本年度の予算の工事費の関係でございますが、五百五十億ほどのうちで、駅の本屋に充てられますものは、わずかに百分の一にもすぎない五億程度のものでございまして、その中で今回の東京の中央停車場の工事もまかなわれるわけでございます。輸送力増強の面におきましては、車両の増備とか、あるいは線路関係増強、あるいは保安関係の保安度の向上というような方面におきまして、大部分の予算を投じておるのでございまして、駅舎の部分、駅本屋の部分には、きわめてわずかな比率の分しか計上されていない。その中で東京の中央停車場、これはいろいろと先般來御説明申し上げておりますようなふうに、山手、京浜の分離の問題とか、いろいろな鉄道の輸送上の都合から申しましても、工事を進めて参らなければならないことに関連をいたしまして、若干の予算を東京駅の中央停車場、非常に高度の利用率のあるところの八重洲口にあの程度の駅舎を設置する。しかも民間資本等を導入いたしまして、七割、八割までは会社が持ちまして東京駅ができるということならば、あの程度の問題は輸送力増強その他の経費と見合いまして、妥当ではないかというふうに考えておるのでございます。先日来の御審議によりまして、だんだんと問題の所在がはつきりして参りました点は以上の三点ではないか、またそれらに対しまして国鉄としての見解は以上でございます。
  115. 川島金次

    ○川島(金)委員 同僚の山崎君から関連があるというので私も了承いたしたのですが、私の質問が平面的だとか、立体的だとか、そういう関連質問の仕方というものは、委員会の慣例からいいましても越権のさただと思います。私が質問をいたしておりますことは、聞きたいところを聞いておる。私の意見はまだ言つておりません。ただ問題の解決を促進いたしたいがための私の底意から出発しておる質問である。同原の山崎君にしても、もはや国会生活数年に及んでおる。山崎君にしては同僚の同じくわれわれが質問しておる底意がどこにあるかくらいのことは、賢明なる山崎君御賢察願えれば仕合せだと思います。関連質問でそういう質問り仕方というものは越権のさたであります。関連質問と称してそういう質問の仕方はありません。私も議会生活をいたしておりますけれども、そういう関連質問の仕方はありません。私は問題の解決を促進するための基礎に立つての積極的な質問であります。
  116. 關内正一

    ○關内委員長 川島君、本論に入つてください。
  117. 川島金次

    ○川島(金)委員 よく言つておかぬとまたやると困るから……。     〔山崎(岩)委員「君の言葉が、多過ぎる」と呼ぶ〕
  118. 關内正一

    ○關内委員長 御静粛に願います。
  119. 川島金次

    ○川島(金)委員 鈴木委員が一日半も二日もやつておるのに……。
  120. 關内正一

    ○關内委員長 川島君、本論に入つてくだざい。
  121. 川島金次

    ○川島(金)委員 そういうよけいな口をきくのではありませんよ。(「議事進行」と呼ぶ者あり)議事進行なら議事進行でやればいいのです。ある程度教えておかぬとわからぬ。  (山崎(岩)委員「教えておくとは何だ」と呼ぶ〕
  122. 關内正一

    ○關内委員長 山崎君、御静粛に願い  ます。
  123. 川島金次

    ○川島(金)委員 質問を続けます。立花ざん、私は何も今の山崎君が感じたような立場で私が質問しておるのではない。だからあなたがおつしやる通りに、また津田局長も言われる通りに、国民に対して不明朗な印象を強く与えたという事態は、いなめない事態になつておるのです。そこでこの問題をこのままほつておいてただいたずらに国会の問題としてお互いに議論をして行くことは、必ずしも好ましい結果を早く得られるとは私は考えられない。そこでこの問題をして一日も早く不明朗な印象を払拭して、そして明るく、強く正しい数十年の伝統に立つ国鉄の姿のままにおいて、この問題の早急な解決をはかるようにするためにはどうすべきか、こういう積極的な方針を立てて国民の期待にこたえる、こういう積極性が、国鉄側にも会社側にも私はほしいというのであります。そういう意味で私の質問は行われたのであります。しかも私が先ほどなぜああいうようなことを言うたかというと、これが個人としての純経済団体である株式会社鉄道会館の工事であり、営業だけにとどまるものであれば、われわれはいらざるおせつかいであります。しかしかりそめにも東京ステーシヨンの用地、ステーシヨンの敷地、施設、これはことごとく国有財産である。国民の所有する財産であり、国民の所有財産である。その上に施工されるところの一つの事業であります。従つてこの事業の明朗か不明朗かということは、国の政治のやり方の上にも影響するところが大きいのであります。国鉄総裁の行政的な責任にもつながることであり、それを監督する運輸省の責任にも通なろことであり、ひいてはそれが吉田内閣の行政的な措置に対する不明朗性というものを引伸ばして行くようなかつこうにならざるを得ないことは言うまでもないのであります。そこで私は積極的に明るく片をつけるために、国鉄鉄道会館当局がじつくりと相談をしてどうしたならばこの問題が一日も早く明朗に片づくか、そして明るい力強い姿で再出発ができるか、そういうことの知恵とくふうを少しはめぐらすべきではないかと思うのです。この委員会でこの問題が取上げられてから、すでに三旬のもなんなんとしております。そしてその途中においては、決算委員会で最後には国鉄総裁を罷免するのしないのというような、政治的な問題にまで発展しかねまじきありさまになつている。こういう事柄については、加賀山社長にも立花さんにも、十分の責任を相ともにわかつという、この立場はなければならないと思う。その立場を考えれば、何とかしてこの問題を早急に解決するという精神が、おのずと沸然として沸き上つて来なければならぬ。ところが私どもが承知しておりまする範囲によりますれば、そういう沸き上り方、積極的な熱意というものがどうも少いのではないかという印象をわれわれは受取つて、いるのである。そういう印象の立場にあるわれわれとしては、先ほど申し上げましたような立場において、今申し上げました私の意見を申し上げまして、あなたの御見解なり、国鉄側の見解なりを先般来尋ねておる。私のこの提案する一つの見解は、それは不可能であるか、他にこういう方法ありというようなことくらいの積極的な熱意があるべきだ、こういう立場に立つて私はそのお尋ねをしたのであります。そういう立場に立つ者も議会の中にはいるということを了承の上で、立花さん並びに加賀山さんなどは、この問題をどう早急に解決するかという、具体的な何か構想をせつかくめぐらしているのかどうか、その点について、くどいようでありますが重ねて伺つておきたい。
  124. 立花次郎

    立花参考人 私どもといたしまして、はなはだ疑惑を持たれましたことは、非常に不徳のいたすところでございまして、まことに申訳ないと思つておりますが、私どもは一番痛切に何とかこの問題が明朗になつてくれないかということを望んでいるものでございます。本日決算委員会では、あらゆる帳簿を全部持つて来いとおつしやいましたから、全部持つて参りましたが、帳簿を公開してもこれが明朗になるかぎか、いろいろ問題があるのでございますが、あるいは特殊な委員会をつくつていただきまして、そういう委員会の監督のもとにやるとか、いろいろ見方があるかと存じます。できるだけ私どももそういう措置を考えまして、国鉄にも進言いたしまして、国民の皆さんの協力のもとに、あるいは監視のもとに、何とかして世界に恥じない中央駅をつくり上げてみたいと存ずる次第でございまして、今後ともいろいろ御指導いただく筋がありましたら、どしどし御忠告賜わりたいとお願いする次第であります。
  125. 川島金次

    ○川島金次君 われわれはそういうごあいさつを受けようというのではなくして、この当面の事態を事態として認識しながら、どう打開をして、国鉄本来の面目に沿つた姿、また鉄道会館の当事者も、ややもすれば世間の疑惑を投ぜられておるが、その疑惑を払拭する形において出直りができるかという、知恵者もたくさん皆さんの中にはそろつているのですから、十分に私は当局が腹を割りながら協議をすれば、そこにおのずから通ずる道が現われて来るのではないか、こういうことをわれわれは考えておる一人でありますので、お伺いしたのですが、そういうことに大いにひとつ熱意を持つた立場を強くとつてもらいたいと思うのであります。  そこで続いてお伺いをするのでありますが、先ほど申し上げましたように、津田局長からの率直な告白もあつたのでありますが、どうもこの問題の終局の目的とするところは、別に大きな議論もなく、大問題にもなつているわけではなくて、むしろ基本的なところに、われわれの社会常識から判断して、若干のふに落ちない形のものがある。そこにそもそも問題の出発点があつたのだと私も感じておる一人であります。これは津田さんも長い間国鉄に職を奉じておられたのでありますから、そういうことはただちに感ぜられることであろうと思いますが、国鉄の当事者か長年かかつて設計をし、そしてその設計した方々がやめて、会社をもくろんで、そしてその後輩であるか同僚であるかは知りませんが、その同僚あるいは後輩の人たちにその事務的なものを引継がした形で、お互いに契約を適当に結んだ、こういう感じはだれから見ても払拭し切れない問題だとわれわれも感じられる。まずそういう出発のところに若干の誤りがあつたのではないか。これは法的に誤りとか何とかいうことは別として、社会通念の上からいつて、そういうやり方が国民に納得されるやり方であつたかどうか、そういうところにまず第一の問題があつたろうと私は今日も思つておりますが、そういう事柄について今日立花さんはどういうふうに考えられておるのか、あれはまつたく法律上にももちろんであるが、道義上にも対社会的にも寸分の間違いのない形であつたと、今でも確信を持たれておるかどうか、そういう点についての今日の見解をあなたにあらためて聞いておきたいと思うのです。
  126. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。あまり口幅つたいことを申し上げると、またおしかりを受けるかしれませんが、私は満二十五年間国有鉄道におりまして、最後の四年間ばかりいろいろ責任ある位置におりまして、そのとき一番痛切に感じましたのは、鉄道のいろいろなものを利用して、一種の利権感で動かれる方が非常に多いということを痛切に感じておりました。それでこれははなはだ第三者から見れば、ひとりよがりであると言われればそれまでの話でありますが、日本の中央の東京駅は、利権の観点からやつたのでは建てられないということは、私が身にしみて感じておるところであります。しかしこれは私の個人の主観的な問題で、そんなことはないのだと言われればそれまでのことでありまして、こういうところで御答弁申し上げる必要はございません。結局一定の形式をとりまして、東京駅をやらせるのには、だれにやらせたらいいか、いかなるやり方でやるへきかということについては、国民の皆様が納得なさるような方法によつて、その責任者をきめるというやり方をとるのが妥当ではないか。今回そういうようなことを長崎総裁が考えられまして、八重洲口の整備協力会という会合を二へんも持たれたのであります。それでこういう相談をされてからやられたのでありますが、それはどうも今回問題になつておりますように、全国民的に明朗を欠いておつたという点が遺憾なのではないか。今後もこういう問題がございましようから、何とかそういう点を明朗化するような機関に、正式に諮られるやり方をとることがいいことじやないかと考えておる次第であります。今回のことは、スタートが悪かつたからというわけで、おしかりを受けたり疑惑を招いておるのでありますが、はなはだ残念でございまして今後は、そういう点は明朗に何とかするような法的処置と申しますか、そういうものがいるのではないかと、ひそかに考えておるような次第であります。
  127. 川島金次

    ○川島(金)委員 私も微力ですが、少しは外国も歩いて来た一人であります。従つて先進欧米諸国のステーシヨーンなども見ないわけではありません。ですから東京駅が日本の中央駅としてりつずになることは、あなたばかりでなく、われわれといえどもその点については別に異存のあるわけではございません。ただ今申し上げましたように、目的は非常にりつばな目的であつたけれども、その目的を達する段階というか、方法というか、方式の中に、何となく国民が割切れぬという問題が残つておる。そこに問題として取上げられた発端があるということは、繰返して言うまでもないのでありますが、その上にあなたは当局の立場で長くおつた方ですから、重ねてお伺いするのですけれども、ものの契約をいたします場合に、経済的行為を伴う契約をいたします場合に、総括的な、概括的な、金銭的なものについて何らの表示もない、きわめてあいまい抽象的な形において契約をするこの契約の仕方というものは、社会通念の上から見ましても、また社会上の慣行から見ましても、また役所と民間との契約のならわしから見ましても、おそらく例がないに近いのではないかと私は思うのです。国鉄対民間において契約を締結をいたします場合に、この国鉄会館との契約と同じようなことが、六十年の間に行われておつたということならば、これはまた問題でありますが、そういうことはほとんどなかつたのではないかと、私は社会的な常識で想像いたしておる。しかるにかかわらず、この問題に限つてはそういうことがなされておらないで、結果においては国鉄会館がどういう責任を負うのか、窮極においては国鉄にどういう形において経済収入があるのか、そのことがまつたく不問に付せられたと同じような形の契約書がで幸いるように、われわれには読まれる。こういう契約の仕方というものは、おそらく立花さんといえども、これでいいのだというふうに割切つて判断はできないだろうと私は思うのですが、その点あなたの御感想はいかがですか。
  128. 立花次郎

    立花参考人 お答えいたします。どうも今回の議論には非常な誤解があるように思うのでございます。私も実はあまり詳しく知らないのでありますが、今の御指摘はまさにその通りでございまして、あれは基本契約でございます。その基本契約に基きまして、どういう店に貸すということは、これは鉄道局長の権限になつておるから、私ども鉄道局長に伺いまして一々承認をとつております。それからその面積が幾らになるかということは、書類が出まして、それから用地代はこう査定をする、何はそうするといつて鉄道局長から徴収令書が私に参りまして、それでお金を払う。きちんとそういう契約をいたすわけで、こまかい普通のこういう契約が現在進行中なのでございます。その進行中もほとんど八割は完成しておるのでございます。ただあまり厖大でございまして、ただ大きな駅があつて小さな土地がある、それを貸すという場合と全然違う。駅をつくることそのものを共同でやつておる。たとえば解散からあとにつきましても、国鉄が出しました金は一億であります。会社が全部出しました金は三億三千万円くらいになると思います。そういうようにしてできまして、一つ一つの店について別の契約があるわけです。これは進行中なのでございますが、それを全部お出しすれば、普通の契約の方式がわかつたと思うのであります。しかし厖大なものでありますから、根本契約だけを出されて、それですべてがなされているかという誤解を生んだのではないかと思います。事実はそうではございませんで、あれが基本契約で、あれが会社にも参りましたし、東京鉄道局長にも参りましたし、東京鉄道局長と私どもで、どの店をだれに貸すのだというこまかい面は、どんどん打合せをしております。ほぼ八割くらいまで終つておりまして、ただいまは賃貸料をきめて、向うから徴収令書が来ればすぐお払いするといつた段階になつておるのであります。普通そう行われているので、普通の通りなのであります。ただ基本の方針はどうだという憲法みたいなものは本庁においてきめられるわけで、それだけで契約が済んでおるわけではないのであります。その点について非常に誤解があるようでございまして、議論の当初において飛躍があつたのではないか、そこで誤解を生んだのではないかということを私どもは考えておる次第でございます。
  129. 川島金次

    ○川島(金)委員 あなたのおつしやる通り手続はその通りでしよう。それは常識で判断できるのです。しかし私どもが申し上げておるのは、基本的な手続上の問題ではなくして、契約者間に——基本的な契約条項だからそれでいいじやないかと言われればそれまでですが、基本的にも私は限度かあると思う。たとえば名店街には一つ設計があつてこれからあなたの方に何ぼかの収入がある。従つてその何ぼかの収入の予定に従つて国鉄と大体事前の折衝をしてこれに対して何割納める、あるいは国鉄の方は何割もらいたいとか、そういうある基本的な形においての、若干もつと前進した具体的な契約がなされなければならぬ。これは私どもの常識です。国鉄の世界ではそういう常識でないのだと言えばそれまでですが、私ども常識から判断いたしますと、事の大小を問わず、そこのところまで前進した基本的な契約というものがあるべき筋合いのものだ。たとえば一つのオフィスを貸すのにも、あなたの方でまた貸しをするのですから、幾らで貸すかわからない。しかし幾らで貸すかということは、あなたの方の随意だ。しかし大体どのくらいの収入がある、これに対して国鉄にどれくらいの賃貸料を払うという、あらかしめの予定だけは立てられなければならぬ。その予定の上に立つて基本的な契約が概括的にでもうたわれなければならぬ。私の社会常識から判断すればそうならざるを得ないのですが、それほお前の社会常識が違うのだ、その他の契約はこういう大ざつぱなものだと言われてしまえば何をか言わんやですか、あなたの今のお話では手続して、そのうちすつかりきまれば、それから国鉄に折衝して賃貸料をきめる、そういうことは社会的にはあまり行われてない、私の寡聞な知識や経験の中ではない、私はこう思う。当局とあなた方とがあまりなれ合い過ぎた、そういうところから、こういつた事柄が起つて来ていると世間は思つておるわけです。われわれもそう思わざるを得ないわけです。そういうことについて私はあなたにお伺いしておる。従つてもつとしつかりした契約——人々に見せられても具体的にうなずける契約の仕方というものがあつたはずだと思うのですが、そういうことができなかつたのか、あつたんだけれども実情においてできなかつたのか、あるいは鉄道の慣行上そういうことをしなくてもいいというような例もあつたので、こういうことになつたのかどうか、その点をお伺いしたい。
  130. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。その点については実は先ほどのお尋ねを誤解しておつたのでございまして、やつと御趣旨がわかつたのでありますが、その一年間にどれだけの金を国鉄に納入すべきかという点につきましては、あの契約の何条かに構内営業規則によるとはつきり書いてございます。それで私どもがあまり多年鉄道におりまして知り過ぎているせいか、それから概算いたしまして、大体三千万円はどうしてもとられる、うんととられれば五千万円、三千万円から五千万円の間はとられるだろう、国鉄のもくろみ書には大体三千万円程度あげてありますが、もうそれで十分じやないかと私は思つております。しかしながら一般の方にはそういう事情はわからないから、何だ、構内営業規則だけではどうでもなるじやないかと言われれば、それはもう少し外部の方に見られてもよくわかるようにしておいた方が、誤解を招かないでよかつたのではないかということを、今から考えれば考える次第でございます。ただ私どもには明瞭にわかつておりました。
  131. 川島金次

    ○川島(金)委員 その当事者間でわかつておるから、それでいいというものでなくて、先ほど来申し上げましたように、この問題は国の所有関係につながつた契約です。従つて国民の支払う税金とのつながりのある問題、こういう関連を持つち問題でちるだけに、やはり国民の目の前において、納得され、了承される形で、親切な姿において、熱意のある積極的な形において、いろいろの問題がとりきめられ、とりきめられた上に立つて物事が進められて行く、こういうことでなければならなかつたはずだと私は思う。にもかかわらず、それがあまりなれ合い過ぎた、そこまで気がつかなかつた。国民はみんなそんなことは知つているだろうと言つてしまえばそれまででありますが、ぼくらから言いますれば、要するにそういう人たちの心づかいが非常に欠如しておつたということだけは言えるのであります。その欠如から来る誤解が、一層輪に輪を描いて、今日のような問題として取上げられておる、こういう形になつているのではないかと思うのであります。  そこで、さらに続いてお伺いいたしますが、この種の工事の契約について鉄道の最近の習わしによりますと——一時は公開入札といわれまして、やかましいときがありましたが、最近はそれがまた元に復活しているような事情のようであります。そして従来の強力な基盤を持つた国鉄出入りの請負師によつて、独占ということではないのでありますが、ほとんど独占に近い工事の請負の仕方が行われておる。鉄道会館もこの例にならつておるようでありますが、この鉄道会館の請負を命じます場合に、国鉄総裁とも協議の上でなされたのかどうか、その点はどうなつておりますか。
  132. 立花次郎

    立花参考人 お答えいたします。今回の工事は外部と申しますか、鉄骨の部分とか、本館の鉄骨からコンクリートまでの構造体は国鉄でやりたい、こういうたつて国鉄からの御希望がございます。実は一階から下は全部国鉄の所有でございますけれども、上は会社の所有でありますから、会社でやつてもよろしいのでありますけれども、続いておるものではあり、また国鉄は将来の管理上、上に非常に贏弱なものが来て、地震や何かのときに困るというようなお考えもあつたのだと思いますが、どうしても国鉄においてこの工事をしたいのだという御希望がありまして、私どもはそういう国鉄に委託をいたしました工事につきましては、工事費を予納いたしました。それから監督費も出します。そういうようなやり方であります。それですから国鉄に委託しました工事につきましては、全然国鉄の考え方で指名競争入札をやられております。それは私どもの関知するところではないのであります。それから室内の仕上げ工事、これはそこを借り在といういろいろの商人がたくさんあります。そういう人と中をとりまして、その人の御希望をいれてつくるのであります。国鉄には向かない工事であります。その部分は会社の所有になるものでありますから、会社が店へ入りたい人の希望を聞いて請負料をきめたわけであります。これは会社でありますから、自由にきめられるわけであります。なお東京駅の今度の鉄道会館の本建築は、日本でまれに見る鉄骨の建物でありまして、普通の鉄筋コンクリートではないのであります。非常に珍しい構造であります。まわりの足場を全然つくらないという方針で計画しておるのであります。足場をつくらぬということは、駅でもありますし、特殊なことでちりますが、アメリカあたりではやつておりますが、日本ではまだやつたことの左いものであります。そういう関係もありまして、この鉄道会館の本屋をつくる請負人というのは、私ども常識的に申しまして日本でも五、六社しかありません。これ以外のものはやろうと思つても間違いであります。実力がないのであります。しかしながらそういうことは常識の問題で、表面いえばオープン・ビッドでありましようけれども、事実はそういうわけであります。そういう点も国鉄で御参酌になつて、指名競争入札をやられておると思つております。
  133. 金谷明

    ○金谷説明員 私今のことに関連しまして御説明いたします。工事の面でございますが、主たる工事は会館の方から国鉄が委託を受けまして、普通の請願委託と同様な手続をとつて工事をやつております。会館自体でおやりになります工事は、この前からの図面でありました赤色で塗つてあります会館が専用されます部分の内部仕上げ、及びそれに付随した小さい工事だけでありまして、その他の工事は全部国鉄が委託を受けまして、一般の請願工事と同様な扱いで、予納金をとりまして契約でやつております。入札の面は法規に基きまして、工事は東京工事事務所長がやつておるわけでありますが、本庁の決裁を得まして指名競争入札をいたしておるわけであります。工事の種類も非常にたくさんありまして、あれだけの工事を一件の工事件名でやつておるのでございません。ずいぶんだくさんの工事件名にわかれまして、その都度入札をいたしましてやつております。
  134. 川島金次

    ○川島(金)委員 他の同僚委員からの質問かありますので、あと一、二点だけ伺つて、あとの私の質問は保留しておきたいと思います。この株式会社の方の側でのもくろみ書を私どもいろいろ見せてもらつておるのでありますが、この説明書によりますと、会社の負担額は九千七百十二万三千円、国鉄が負担するのは高架下部分は四千四百四十二万円、合わせて一億四千百五十四万六千円と説明してありますが、この高架下の部分について、民間の会社は、九千七百十二、三万円で工事が終るのに対して、名店街の三箇年間の前家賃は総額三億三千二百万円入つているように聞いたのですが、これは事実ですか。
  135. 立花次郎

    立花参考人 その最初の見積りにおきましては、いつの見積りでございましたか、最近におきまして、私どもは二億数千万円でできるという予定でおりましたか、現在でき上りましたところは、やはりガラスは磨きガラスを入れたいというようなことで、三億三千万円ばかり会社の金がかかつております。名店街から取りましたのは、三箇年分で前家賃として大体三億円とつております。この三億円は非常に誤解があるのでございますが、これはまつたく収入ではございませんで、借入金であります。要するに会社が銀行から借りるかわりに、各店から借りたのでありまして、収入ではないのでございます。それはまだ開かない店もございますが、平均七月半ばから開いております。そうすると、これが七月からは家賃収入となるのでありまして、店は三箇年何も払いませんから、会社はさきにもらいました前家賃を順次収益勘定に移して行くのであります。三年間三億円の借入金は、家賃収入として三年間で収益勘定に入つて行く、こういう勘定でありますから、まつたく借入金でございまして、収益でございませんから、銀行から借りたと同じことであります。
  136. 川島金次

    ○川島(金)委員 今のわ話によりますと、どういうように解釈していいのですか。たとえば野村証券なら野村証券から前家賃として一千万円なり二千万円なりもらつた、これは三年間の家賃だから、七月から開店しておつて三年間は野村証券からは一銭の家賃も入らない、さような形ですか。
  137. 立花次郎

    立花参考人 さようでございます。
  138. 川島金次

    ○川島(金)委員 そうすると、今立花さんのお話によりますというと、鉄骨連絡上屋の分も入れてのお話だと思いますが、高架下部分の予定工事額は、この明細書によりますと九千七百万円です。この九千七百万円の工事部分の高架下部分の収入を、私計算してみますと、一億二千三百万円になる、約三千万円弱よけい収入がある。そうすると何のことはない、要するに前家賃という体のいい権利金で建物が建つて、しかもこの部分に関する限りは計算上は余つておる、こういう形になるわけです。これは私が計算したのですが、こういう形に実際なつておりますかどうか。
  139. 立花次郎

    立花参考人 お答え申し上げます。高架下につきましては、平均の仕上費がそれより少し高くなりましたが、店屋からとりました前家賃よりも、かかつた金は少いと思います。従つて前家賃から工事費を出しましても、もちろうん少しは残りがあります。しかしながら、三箇年間全然こちらは家賃をとりませんで、そうして今後毎年高架下につきましては年に坪当り、私の概算では七千円から八千円くらいの、いろいろな用地代とか使用料とか払つて参ります。だから高架下は多少有利であるということは事実でございます。
  140. 川島金次

    ○川島(金)委員 今申し上げました通りだといたしますと、こういうふうに会社側がかけた金よりも、三箇年分の家賃とは言いなから、若干でもよけいに入るというような計算が成り立つということは、一体あそこの部分が会社のいわゆる価値ではなくて、国有財産の用地の上に施設されるという形においてのみ、初めてそういう価値というものがここに生れて来たのだ、あれがよその場所でありますれば、その場所なりに、これほどの前家賃なんかとれない。そういう高価な国民の財産の上に施設されて、しかも工事費予定額よりも、前家賃の収入の方が、たとい一箇所の例ではありますけれども、三千万円も多い、こういう形に一方はなりながら、一方において会社が国鉄側に支払いますところの、いわゆる使用料といいますか、その料金は単なる規則の上だけにとどまるところの金額で、それでいいのだ、なるほど規則からいえばそれで済むのではないかと思いますけれども、そういう形で一体はたしてあなたのおつしやられるところの国鉄自身の収入の上にも、公益を高めながら、十分に寄与したいというこの心構え、この精神が一体その程度で貫けるものなりとあなたは考えられておるかどうか、私は若干その点は疑問がありますので、ここに重ねてあなたの御見解をお聞きいたしたいと思います。
  141. 立花次郎

    立花参考人 御質問の要旨はよくわかりました。先ほど申し落しましたが、名店街の方の建設をするばかりでなく、会社は先ほど申しましたように、赤く塗つてお見せしました一般のコンコースとか、便所とか、廊下とか、待合室とか、全部半分持つわけでございます。そういうお金がどのくらいになるかと申しますと、逆にこういうことを言つてもよろしいのでございます。会社は今回開きました部分には、三億三千万ばかり工事費を出しておりますけれども、会社の財産として残りますものは、現在国鉄との間に清算中でございますが、一億五千万か六千万じやないかと思います。これは非常にむずかしいのでございまして、境のガラスがどつちに属するかということまで一々計算するのでございますから、たいへんですが、そうすると里際三億三千万の工事費をかけまして、会社の財産として残りますのは、一億、五千万円といたしまして、一億八千万と号ものが、一種の権利金なんでございます。要するに会社といたしましては営業権として処分いたします。その営業権に属するものは、国鉄に対する寄付になるわけです。そういうふうにして、三億三千万かけましても、はつきり額は申し上げられませんが、一億六、七千万のものが、国鉄に対する寄付になつております。それからなお、それを寄付したにしろ、大体会社は三年分の前家賃でああいうものをつくつたじやないか、三年間はただだろうけれども、三年たてばえらい収入があるじやないか、これはまことにごもつともであります。家賃の今の分も大体三年後には一億円近く入る予定でございます。しかしながら工事費を差引いてもこれは三千万円かそこらになると思いますが、それでなお莫大な金が残るじやないか、これはまことにごもつともでございますが、その金で二十数億円の借入金を返還して行くわけでございまして返還してなお六分なら六分、あるいは八分という配当をするわけでございまして、あまりに高率な配当をすれば、国家の何といいますか恩恵を蚕食して、非常な利益をはんでおるんじやないかということになるかとも思いますが、普通の六分なり八分なり配当することになれば、普通一般の常識でございますから、そうも言えないのじやなかろうかと存ずるのでございます。
  142. 關内正一

    ○關内委員 長本日はこの程度にとどめ、明三十一日午前十時より開会いたすこととし、明日の参考人として加賀山之雄君及び立花次郎君を招致いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 關内正一

    ○關内委員長 御異議なければさように決します。  これにて散会いたします。     午後五時十一分散会