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原彪委員(改)
日程第七六、常盤線
電化の
請願でありますが、この常盤線
電化の
請願につきましては、終戦後第一国会以来、毎国会
請願書を欠かさず出し、いつも
委員各位の絶大なる御支援によ
つて可決されて参つたのでありまするか、終戦後CTSのあつた時分に、
運輸省、CTS両方の御努力によりまして、松戸まで行
つておる電車かようやく取手まで延びて、茨城県の玄関口でありまする取手に入つたことは、茨城県民二百万のひとしく喜んでおつたところでございます。ところが取手まで
電化ができてから五年間、運輸御当局には、あの当時本
委員会において私の質問に対して、年度計画をも
つてお示しいただきました。取手の次は土浦まで、その次は水戸まで、その次は平まで、年度計画をも
つてこれをやるということを確約されたことは、速記録に明らかなところでございます。しかるに取手までできて五年間、何ら実現を見ず、まことに私は残念でたまらないのでございます。その間において
山崎運輸大臣の当時、土浦まで
電化するということがようやく省議でおきまりになりまして、きまつたのだと思うのでありまするが、予算にこれを計上するということが、確定されたのでございましようか。ここにおられまする
關谷理事がちようど政務次官のときに、私の方の県にお見えいただいて二十四年度でしたか、二十五年度の予算には計上すると大勢の前で確約されたことがございます。そういたしますと、吉田内閣かずつと続いてお
つて、運輸大臣は、今はかわ
つておりますけれども、当時のこの約束事を受継いで、少くとも私は本年度予算には土浦までは
電化の費用が載
つておると思
つておつたのでございまするが、いかなる事情か、土浦まで
電化の予算が載
つておらないのでございます。先般の国会でしたか、いろいろ私御質問申し上げたとぎに、それは柿岡の地磁気観測所が世界的な観測所であ
つて、電車を通すと非常な障害になる、その方の反対もあるので、これか調整をはからなければならぬということで、私たちから言いますると、逃げ口上で逃げられたのでございます。それほど柿岡の地磁気観測所が
電化によ
つてさしさわりがあるかということにつきまして、地元民も非常な注意を払い、私どもも先般關内
委員長と御一緒に柿岡の地磁気観測所を見て参つたのでございますが、どうも理論的な根拠はございません。向うの言うのには、柿岡から取手までは五十キロ離れておる、土浦までは三十キロ、
東北本線まで三十キロ、水戸のそばの友部まで十キロ離れておる。それで取手まで五十キロ離れておるのですが、現在やはり支障があ
つて、ほんとうの
研究は電車の通らない山夜中しかできない、こういうようなお話でありました。先般もここへ気象台長がお見えに
なつたときこの話をしたのでありまりが、そのときも気象台長は、電車に対する電流が柿岡の地震計に影響する、その限度については明確な御答弁がなかつたのでございます。現地へ行
つて観測所で聞きましても、明確な御答弁はなかつたのであります。でありますから、私はどうしてもこれは逃げ口上のような気がいたします。私の方にも科学的な根拠がないから、これと争うだけの資料の現在左いのを遺憾とするのであります。こちらは学者ではありませんので、それは遺憾でありますか、どうもその答弁があいまいであります。それならばいつそのことそういうふうにあいまいな御答弁であるならば、支障がないという前提のもとにお進めいただいても私はいいと思うのであります。昔は土浦市に常南電車という電車がありまして、土浦市から約五キロばかりあるところの霞ケ浦航空隊の飛行場まで通
つておりました。その通
つているときに柿岡の観測所はうんともすんとも言わない。それから水戸から土浦市まで水石電車というものがありました。そのときにも柿岡の観測所は反対しなかつた。たまたま
常磐線の
電化のみに猛烈な反対があるのは、ふしぎでならない。これは寛仁すると電流が強いからというようなことでは、どうも逃げ口上であると思われてならないのであります。この電力の影響については理論闘争をしてお
つても始まらないのでありますが、地元民で毎日一時間半も二時間もゆられて東京に通う
通勤者が数万人ございます。これが
列車は終戦のときと同じです。通路も一ぱいですし、デッキも一ぱいです。昨日も御質問申し上げたのですが、荷物車までも使
つて運んでいる始末であります。これが
電化されたならば、どれだけ気持よく東京へ通勤できるでしようか。ほんとうに汗水たらして国家再建のために東京に通勤している人が多いのでありますから、これができたならば、どれだけ気持よく通勤でき、気持よく仕事をし、どれだけ再建のために能率化されるかと思うのでございます。いろいろ国鉄が改善されて、ロマンス・
カーができ、あるいは温泉旅行のいい客車ができますが、それを見て私はいつも残念でたまらないのであります。勤労の精神を最もとうとばなければならぬのならば、
通勤者の気持よく通えるようにしなければ、国鉄は国民の
鉄道なのでありますから、いけないと思うのであります。大勢の人が気持のよい通勤のできるようにしてやるのが、公共企業体の国鉄の任務であろと思うのでございます。国鉄会館の問題についてはまだその結論はわかりまんが、こういうような
常磐線の茨城県民や福島県民の多数熱望しているいるものをほつたらかしておいて、余分の方に勢力を注がれていることは事実であります。そんな勢力を注ぐひまがあるならば、
常磐線の
電化に熱意を注いでもらいたいと思うのでございます。これはどうも露骨な言葉を申し上げますけれども、二十九年度の予算にはどうしてもこれは上げていただきたい。
請願というのは、
委員会に上程する
請願であ
つて、当局に
請願する筋合いのものではないのでありまして、どうか
委員の方々も私のこの悲願に賛助を賜わ
つて、二十九年度には、特に前開谷政務次官は土浦市で言明されたこともありますし、しかも同じ吉田自由党内閣でありますので、運輸政策の一環として、東京の衛星都市の通勤
列車ということでもありますので、格段の御助力を賜わりたいと存ずるのであります。当局からも誠意のある答弁を承りたいと存じます。