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鈴木(仙)
委員 すでに北の端は鉄鋼ビルを建てさせて、その分だけを坪六万円で売り
払つた。その利益は
国鉄予算のどこに計上されているか。赤字財政に苦しんでいる
国鉄のどこに計上されている。それを売り
払つたことがあるとしたら、どとに計上されているか。
しかもその隣接地に第二鉄鋼ビルを建てる計画が進んでいるというが、これは一体どうか。第一及び第二鉄鋼ビルについて、その詳細を
説明をしていただきたいと思います。
国鉄は、もしそれが真実ならば、土地売買業者にな
つてしまうような問題である。
第二鉄鋼ビルの次に、国際観光会館というのを計画し、その社長に前運輸次官平山孝君がすわ
つて、
国鉄側と土地及び建設費などを打合しているというが、これは真実かどうか。この
説明をしていただきたいと思う。
さらに鍛冶橋の方面からは、東京工事事務所が四百五十坪も使用中で、その隣には
国鉄労働会館というのができる予定というが、これは一体どうな
つているか。労組側と土地使用上、どういうとりきめをや
つているか。
法律にこれは違反しないかどうか。
これと類似の建物として、品川区大崎の国有地に
機関車労働組合の
機関車会館というのがすでに完成しているというが、土地貸借
関係は一体どうな
つているか。
国鉄労働会館の予定地の隣に、
日本石油カルテックスの大きな建物ができるといわれているが、これは真実であるかどうか。
日本石油側とはどういう
法律上のとりきめをや
つているか。
日石予定地の隣には、さきに述べた東京工事事務所が千代田区の所有地を使
つているために、千代田区に対して提供する代地がある。ガード下の三駒を加えると、土地は百八十坪だ。千代田区と
国鉄側とどういうふうな
法律上の手続をふんでいるか、
その隣接地には四百坪に科学技術者連盟の建物をつくる計画がある。その代表者には牛島次官以下津田営業局長が予約されているというのがもつぱらの風説であるが、これはどうか。
こうして呉服橋方面の国際観光会館に法学士の事務官系統が金もうけのために立てこもり、鍛冶橋方面には科学技術者連盟に工学士の技官系統が大挙立てこもり、両々相ま
つて国鉄官僚の大集団を八重洲口につく
つていることになる。この辺の実体はどうだ。
その上に千代田区の区有地百八十坪と科学技術者連盟の四百坪を加え、五百八十坪の面積で高層建築をつくり、これを小佐野賢治氏を社長とする国際興業をして、いわゆるバスの終点をビルディング式に集めたバス・ターミナルをつくるというが、この点は一体どうか。バス・ターミナルは
国鉄輸送における駅と
列車の
関係と同様で、米国に最近できたバスターミナルなどは、
輸送力不足の
わが国には設ける必要はないと思うが、この点はどうか。バス・ターミナルがなくてもバスは動くので、現在の
わが国はバス一台でも多く走らして、
座席定員制に一日も早く到達させるのが、ほんとうの正しい交通政策である。この点、
国鉄総裁の意見はどうであるか。
鉄道会館には
国鉄の編成に属する東京操機工事事務所の従業員と
国鉄の機械を使
つて工事を進あておるというが、この状況はほんとうであるか。これをどう
考えるか。
バス・ターミナル計画には、バス営業の最大企業体である東京都を除外しておるというが、この点はどうか。
混乱錯綜した
国鉄官僚の
関係建物は、大きさも規模もまちまちであるが、これが都民の財産である旧三十間堀を巻き上げるときの口実とした弾丸
列車用の土地になるとは、だれの目が見ても受取れないではないか。
問題は
一つの
鉄道会館だけではない。八重洲口に並列して建設した官僚資本の傍若無人のやり方を、
国鉄総裁は
輸送力増強の見地から一体どうこれを見ておるか。また運輸大臣はこれをどう監督するのでありましよう。
総裁が強調した通勤輸送を増強するという原則と、こんなむだな工事に莫大な金を注ぐことと、何の関連性があるか。
ぼくの
質問は足早にやりたいと思います。
同僚議員からいろいろあるが、ただ一点私は最後にこれを申し述べたいと思う。ここに現在問題にな
つている「株式会社
鉄道会館の誕生についての御挨拶」
昭和二十七年九月、取締役会長渋沢敬三、取締役社長加賀山之雄、尊勝取締役立花
次郎、伊藤滋、三木常任監査役、この方々の名前で、
「東京駅を首都玄関にふさしい宏壮にして機能的なものとしたい」という願望は
国鉄関係の皆様は勿論のこと、全国民が久しく
考えていたところであります。今回
国鉄本庁から
国鉄の計画に協力して民間の不動産会社の形体をとり立派な駅本屋を建設経営する計画の立案を命ぜられましたので、ここに「株式会社
鉄道会館」を設立した次第であります。
本冊子はもとより計画中の駅本屋の原案の草稿ともいふべきもので最終決定案ではありません。然しながら一日も早く皆様にその骨子を御披露申し上げて御後援願いたい希望から作成場したものであります。
上述のように「株式会社
鉄道会館」はいはば
国鉄の子会社ともゆうべきもので設立の当初より
国鉄とは密接不可分の
関係にあります。株主も大多数が
国鉄関係者でありその建設は
国鉄の施工する工事と協力して行われます。しかしこの建設には民間各位の御協力が必要でありますので近い将来に新株の募集も考慮して居ります。
ここに会社設立についての御挨拶を申し上げると共に今後の絶大なる御後援を御願い致します。さらに
御挨拶
日本国有鉄道総裁
長 崎 惣 之 助
皆様御承知のように東京駅八重洲口の整備は多年の懸案でありまして、各方面から強く御要望がございましたが、今度
日本国有鉄道では
国鉄開通八十周年を記念致しまして、東京駅八重洲口に近代的停車場を建設致す事こなりました。
しかるにこの建設には二十数億円と云う巨額の資金を要するもので、御存知のような
国鉄財政の
現状では、
国鉄のみの力では其の建設は困難な実状にありますので、鉄道
関係者並びに広く民間の資金を集めて、株式会社
鉄道会館を設立してこの事業に協力致させる事になりました。
何卒首都の表玄関口を立派に作り上げるとゆう観点からいたしまして、是非とも広く皆様の御協力を御願いしたいと存ずる次第でございます。
私が読みましたこういうものがあ
つて、金がない
国鉄が、金がないにかかわらず、
鉄道会館にはあらゆるカを総動員をして協力をし、その工事も
国鉄の職員を使
つてや
つておるというじやありませんか。法案のために、こういうことを
質問するなというのはけつこうです。与党の各位の
お話はけつこうそすけれ
ども、われわれは国民の代表です。現在の
国鉄というものは十分に反省してもらわなければ、百の
法律をこしらえてもしかたがない。
日本の
輸送力というものを絶対的に増強してもらわなければならぬ。されがわれわれの叫びだ。それは
委員会で、
委員長のあなたに、
国鉄のこの法案を審議するとき、関連
質問したらよかろうというお許しを受けてある。それを他の
委員が制止をしたり、大きな声を出してこれをとどめたり、あたかも
鉄道会館の
事件の真相の発覚を恐れるような口ぶりでも
つて、この
委員会での本員の発言を制止するようなことがあ
つては、これは重大な問題である。この運輸
委員会で驚いたことは、一人の
委員が発言をしていると、他の
委員が、まあそれはいいじやない、やれい何たとかかだとか、年中そんなことをや
つて一体どうなる。われわれだ
つて国民の代表で出て来ている。何が悪い。
委員長からそういうふうな人間にはよく言
つて聞かせなさい。簡単ながら、以上をも
つて私の
質問は打切ります。