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川島(金)
委員 私は質問の
中心を
東京都に置いているわけでありますが、現実においては一、二両という小
資本、
小業者の出願というものはほとんど受付けておりませんし、また実際
免許をされておらないというのが
実情ではないかと私は
承知しておるのです。しかしながら諸般の情勢と
実情とを考慮いたしまして、この
偏在した状況というものを
調整するという大きな決意が
当局にあります以上は、私が先ほど来申し上げておるように、過去の実績を持ち、そして
経験とその人物的な
信用からい
つても
信用するに足るものがあ
つて、しかも小
資本ならば何とかまかなえるというようなものがある場合、しかもそれが
東京都心を離れた
場所において
営業したいというようなものがあつた場合には、もし
車両の余裕がありとすれば、そういうことを十分に考慮して進んで行くべきじやないか。そういうことを考えて、
東京都内の
ハイヤー、
タクシーを通じての
調整というものを、大胆にや
つて行く必要があるのではないかという
感じが私はいたします。そういう
意味で、そういつた方面にも今後十分の余地があるといたしますれば、その余地を
調整の面に活用して行くべきではないかということを私は強く望んでおきます。
そこで第三点にお尋ねをするのですが、先ほど局長の
お話では、相当の
信用と
資力という問題を持ち出されました。なるほどお説の
通りでございます。しかしながらこの
信用と
資力というものを
調査いたします場合に、私には一つの疑問が実は今も
つて解決つかずにあるのであります。それは局長もさだめし御存じであろうと思うのでありますが、
ハイヤーにしても、
タクシーにしても、その他のトラックにつきましても同じことだと思うのですが、あらかじめ陸運局がその
信用と
資力を
調査する場合において、その出願者からそれぞれ出願人の資金計画に順じた銀行預金通帳を現実に持
つて来い、こういうことが、強制6はないと言
つているけれ
ども、実は強制的な形で行われておつたことは事実であります。今日そういうことが行われておるかどうかは私は存じませんが、つい最近まではそういうことが行われておつた。私は日本の憲法の
精神から申しましても、かりそめにも預金の秘密というものは、種の人権に準ずるところの一つの権利ではないかと思います。その権利がたまたま出願者の
資力を
調査いたします方法として、その出願者に対して預金の現在高証明ならいいのでありますが、そうでなくして、現に預金帳を持参せよ、こう要求するのが従来の例であります。私はこの問題については、
法律家ではございませんけれ
ども、非常に大きな疑問を持
つておる。しかしながら
当局側から言えば、これを強要しておるのではない。もし本人が持
つて来られるならば持
つて来てもらいたい、こう言うのであるから、別に預金の秘密を明かすようにこちらから強要しているのではない、こういうりくつは立てております。しかしながら出願する
業者の工場から言えば、何とかしてその出願にこたえてもらいたいというのが、出願者の当然の人情であります。
従つて弱い人情につけ込まれた形でありますから、いやおうなしに預金帳をさらけ出して持
つて行かなければならぬ。しかも出願者代表だけの預金帳でありますならばいざ知らず、たとえば会社組織等によ
つてやる場合には、その発起人全体の預金の現在高を証明するに足るところの預金帳を持参せよ、こういうことになる。いやなら持
つて行かなければいいのですが、持
つて行かなければ、
資力、
信用調査ができないと称して、それは却下になるであろう。これは見えすいたりくつであろうと私は思う。しかし、そういう強要ではないが、結果においては強要するという形が、民主憲法の
精神に沿つたやり方であるかどうか。私はむしろ憲法違反の疑いがこの問題にはあるのではないかとさえ考えるのであります。私は
法律家でございませんから断定はいたしませんが、どうもそういう疑念があるのでありますが、そういうことについて局長はどのようにお考えでありましようか、見解を承りたい。