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1953-07-09 第16回国会 衆議院 運輸委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月九日(木曜日)     午後二時二十五分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 岡田 五郎君 理事 關谷 勝利君    理事 松井 豊吉君 理事 原   彪君    理事 楯 兼次郎君 理事 川島 金次君    理事 鈴木 仙八君       大久保武雄君    岡本 忠雄君       木村 俊夫君    高橋圓三郎君       徳安 實藏君    南條 徳男君       山崎 岩男君    有田 喜一君       岡部 得三君    松原喜之次君       山口丈太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  西村 英一君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      植田 純一君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  細田 吉藏君         運輸事務官         (自動車局長) 中村  豐君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       長崎惣之助君         専  門  員 岩村  勝君         専  門  員 堤  正威君     ————————————— 七月八日  三陸沿岸縦貫鉄道等敷設請願山崎岩男君紹  介)(第三〇一四号)  東北本線複線化に関する請願山崎岩男君紹  介)(第三〇一五号)  台町外二箇所に踏切番設置請願並木芳雄君  紹介)(第三〇一六号)  同(山花秀雄紹介)(第三〇一七号)  蟹田、三厩間に国営自動車運輸開始請願(山  崎岩男紹介)(第三〇一八号)  県道河野今治線国営自動車運輸開始請願(  關谷勝利紹介)(第三〇二二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  鉄道敷設法等の一部を改正する法律案内閣提  出第一三八号)  道路運送法の一部を改正する法律案内閣提出  第一三九号)  株式会社鉄道会館に関する件     —————————————
  2. 關内正一

    關内委員長 これより会議を開きます。  鉄道敷設法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。山崎岩男君。
  3. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 今般鉄道敷設法等の一部を改正する法律案が上程せられまして、そのうちに、青森県三厩付近より渡島国福島に至る鉄道、これは世界的にもまれなるところの海峡横断による隧道工事といつたような、日本の工学上におけるあらゆる技術、あらゆる学理というものを応用してなし遂げらるべき性質のものでございまして、私ども地元民といたしましては、まことに感謝感激にたえないものがあるのであります。どうかこの鉄道が、この敷設法の一部改正によりまして敷設法中に追加せられまして、一日も早く実現するよう私どもは期待いたすものでございます。  つきましては、この際お尋ね申し上げたいと思うのでありますが、この三厩渡島国福島に至る鉄道通りまして、そうして北海道と本州とのつながりの点におきまして、これはもう連絡船をもつて今日まで貨車の航送、旅客運送をやつてつたのに比較いたしまして、実に迅速に行われますことは、政府提案等においても見られる通りでございます。しかしながら一面ただいまのこの隧道が完成したといたしましても、北海道鉄道網がこんな状態でありましては、私はまだ有終の美をなすものとは言いがたいところがあると思うのであります。よつて、この予定鉄道線路図をごらんくださればわかることでございますが、この大島から江差につなぎ、江差から瀬棚に至る鉄道も、鉄道敷設法の一部改正の際に取上げられまして、そうしてこれを予定線に編入せられることが私は適当でなかろうかと思うのであります。ただいまの状態では三厩から渡島福島付近に至りましても、これが函館に終結せられる結果と相なります。それよりも大島から江差をつなぎ、江差から瀬棚を経て寿都に至り、そうして岩内からただいまの小樽札幌方向に行くということになれば、この半島の環状線ということに相なるわけでありまして、当局のお考えになつておりまする重夫なる便益を得る結果が、ここに初めて実を結ぶものである、かように思うわけであります。これにつきまして当局はどういうお考えを持つておりますか、その点御質問申し上げたいと存じます。
  4. 植田純一

    植田政府委員 ただいまの山崎委員の御質問の、この本土と北海道とを結ぶ大きな交通系絡、あるいは北海道のこの地方交通系絡というような観点からしまして、大島江差瀬棚、現在鉄道に恵まれておりませんこの地区に予定線を入れるかどうかということにつきましては、十分検討する価値があるではないか、かように存じておる次第でございます。実は今回審議会の御答申の結果によりまして、十三線追加の法の改正を提出いたしたわけでございますが、この予定線追加要望の点がまだほかにも大分あるようでございます。またすでに問題になつておりまして、今回の改正には漏れまして保留になつておる線もございます。従いましてこれらの路線につきましては、今回は十三線にとどめましたが、さらに引続きまして、建設審議会の小委員会におきまして、引続いて検討をお願いいたしまして、追加することが必要な路線につきましては、さらにまた二次的に追加の手続をいたしたい、かように考えておる次第でございます。御承知通りこの建設審議会委員の方の更新によりまして、ただいまのところ少し中断いたしておりますが、新しく委員も任命になりましたので、この建設審議会におきまして従来の方針によりまして、この小委員会におきまして、そういう点について至急にひとつ検討をいたしていただきたい、かように存じておる次第でございます。
  5. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 御説明よくわかりましたが、その小委員会に提案される際に、政府といたしましては、この路線に対して十分に関心を払われまして、どうぞこれをもその敷設法の中に入れられるということについて御意見は、ございませんか。
  6. 植田純一

    植田政府委員 この委員会に諮りますにつきまして、どういうふうな審議の模様になりますか、あるいはまたどういうふうにして新たに線路を選び出すことになりますか、これは的確には申し上げられませんが、私ども運輸当局としましては、従来からこの線が非常に問題にもなつておりましたし、たびたびの請願の点もございますし、ひとつこの線の価値につきましては十分念頭に置きまして対処したい、かように存じております。
  7. 山崎岩男

    山崎(岩)委員 御親切な御答弁をいただきましたが、私の望むところは、この海底トンネルをつないで、大島から江差瀬棚から小樽札幌に入ることが、海底トンネル有終の美をなさしめるゆえんである、こういう考え方からお願い申し上げる次第でございますから、本案がここで決議せられることは、私も満腔の敬意をもつて感謝申し上げる次第なのでございまするから、どうか引続きまして、海底トンネルに生命を与えるという観点に立たれて、十分にこの路線をも御考究くださいますようにお願いいたします。
  8. 植田純一

    植田政府委員 十分御趣旨に沿うように善処いたします。
  9. 關内正一

  10. 岡田五郎

    岡田(五)委員 ちよつとお尋ね申し上げますが、このたびの敷設法別表に十三線をお加えになるということにつきましては、結論的に私は賛成の意を表するのでありますが、ただこの予定線別表に加えることについて、鉄道建設審議会に諮られた、いわゆる根拠を一応御説明願いたいのであります。
  11. 植田純一

    植田政府委員 この鉄道建設歩議会は、御承知通り鉄道敷設法第三条に基いてできておるわけでございます。「日本国有鉄道鉄道新線敷設二関シ必要ナル事項調査審議スル運輸省ニ鉄道建設審議会置ク」こういう、できました趣旨に基きまして、いろいろといわゆる新線追加要望がございまして、運輸大臣といたしましては、この日本交通網をどういうふうに今後持つて行くべきであるかという問題の一環といたしまして、訊問いたしたような次第でございます。
  12. 岡田五郎

    岡田(五)委員 そういたしますると、この予定線建設審議会にお諮りになつたのは、鉄道敷設法の第三条の、「日本国有鉄道新線敷設二関シ必要ナル事項審議スル運輸省鉄道建設審議会置ク」、この第三条によつて付議されたのか。今の政府委員の御答弁では、これによつてというように御説明でありますが、これは建設審議会設置目的を書いたのでありまして、建設審議会のやる事項は、むしろ第四条ではないかと思うのでありますが、第四条は、運輸大臣国有鉄道総裁から新線建設許可申請をして行つた場合に、許可する場合に、建設審議会に諮る。それから二項として、運輸大臣国鉄総裁申請をまつまでもなき、運輸大臣が積極的に、公共の福祉を増進するために特に必要ありたりと認めた場合は、運輸大臣国鉄に対して、新線建設に対して必要な命令をなすことができる。認可の申請をした場合には許可を与える場合に諮る。それから運輸大臣が積極的に新線建設を命令する場合にはまた審議会に諮るということと、それから建設審議会新線建設に関し必要な事項関係各省大臣及び内閣総理大臣建議する、この三つの項目が建設審議会の任務であると私は考えるのでありますが、実際はこの鉄道新線別表というものは、将来鉄道網を完成する場合には手をつけるであろうという予定線であつて、明年建設するとか、再来年建設するとかということはきまつていない。そうすると第四条の鉄道新線建設に関しというところヘ、私は予定線まで入れるということについては多少考えさせられる点があるのではないか、かように考えるのでありまするが、過去数回にわたりまして、鉄道建設毎議会予定線の問題をおかけになり、しかも小委員会をお設けになりまして、慎重審査をしておられるのでありまするが、この法的根拠をはたして第三条によつておられるのであるか、第四条の二項によつておられるのであるか、第三項によつておられるのであるか、その点の論拠をひとつはつきりしていただきたい、かように存ずるのであります。
  13. 植田純一

    植田政府委員 第四条におきまして、この建設審議会に諮問することを義務づけられておることが明示されておるのであります。確かにこの敷設法別表改正につきましては、この第四条の義務づけられております事柄には入らないのであります。従いましてこの敷設法別表改正につきましては、法律上は必ず諮問しなければならぬというわけのものではないと考えます。ただこの第三条に、ただいまもお話がございましたように、鉄道建設審議会の置かれました目的でございますが、運輸大臣政府としての意見を立てます場合におきまして、設置してございますところの鉄道建設審議会の置かれました目的にそむかない、むしろその目的に沿つている事柄でございますので、運輸大臣がこの点を諮問いたしたわけでございます。法律的に義務づけられているというよりは、むしろ運輸大臣がこの建設審議会設置目的に沿います事柄につきまして積極的に諮問した、かような次第でございます。
  14. 岡田五郎

    岡田(五)委員 政府の御解釈のほどはわかりましたが、私は運輸大臣が諮問されるという形よりも、むしろ第四条第三項の「審議会ハ内閣総理大臣及関係大臣二対シ新線建設二関シ建議スルコトヲ得」という建議に基いて、運輸大臣が行政的、立法的措置を講じた、こういうように解釈される方が、法的根拠があつて、無理にならないじやないか、かように考えますことは、法的根拠のないことを運輸審議会にかけるということ自体が私はおかしいと思うのであります。少くとも建設審議会には法的根拠あるもののみをかける、それ以外のことで、運輸審議会にかける事項でなければ、運輸大臣行政的措置をもつて行うのが当然ではないか、かように私は考えるのでありますが、これは意見の相違になるかもしれませんから、この程度にいたしておきまして、次の質問に移りたいと思うのであります。  現在の鉄道敷設法別表に予定された線路は一体何線あるのか、また何万キロになつておるのか、また何年計画くらいでこれをやるつもりでいらつしやるのか、その辺のところを一ぺん総括的質問としてお尋ね申し上げる次第でございます。
  15. 植田純一

    植田政府委員 この鉄道敷設法大正十一年に制定されましたときは百四十九号できておつたのでありますが、その後いろいろ追加修正がございまして、現在では百六十五号あります。線数にいたしますと百九十五線でございまして、延長一万九百四十キロになつております。ほかに附則第二項によりまして「本法施行鉄道建設費予算以テ帝国議会ノ協賛ヲ経タル鉄道線路ハ本法に依り敷設スルモノト看做ス」この附則第二項に該当する路線が六十四線、延長四千八百八キロございまして、現在鉄道敷設法にいう予定線は合計二百五十九線、延長一万五千七百五十四キロでございます。このうちすでに開業しておるものが七千七百八キロございまして、未開業のものが八千四十六キロとなつております。なおこの八千四十六キロ残つておるのでありますが、これは大正十一年制定以来いろいろと情勢が変化いたしたりしておりまず今日、これを今後何年計画で完成できるという具体的な計画はございません。中には、今日におきましてあるいは着手の見通しのつかない、あるいは情勢の変化のために、荒手することにいろいろと疑義がある面もあろうという線も含まれているのではないか、かような情勢であります。
  16. 岡田五郎

    岡田(五)委員 く事情はわかりました。またたいへんなお荷物をお背負いになつておることにつきまして、御同情申し上げる次第でございます。八千キロもお持ちになり、二百線近くのものでございまして、これを年度計画を立てて示せということは、非常に無理だと存じます。またこの予定線の中には、私寡聞にしてよく知りませんが、いろいろな事情が錯綜いたしまして、予定線に編入れている線区も必ずしもなきにしもあらず、ほんとうに国土綜合開発的な見地から、また文化向上の面から、この予定線がはたして選定せられているかどうかということを、現在の文化状態国民生活状態日本経済上から勘案いたしますと、相当問題のある線があるのではないか、かように考えるのでございますが、これらの線の取捨選択につきましては、適当な機会におきまして政府みずからこれに斧鉞を加えられんことを切望いたす次第でございます。  次に、この十三線お加えになるに至つた事務的経過を、一応御説明願いたいと存ずるのでございます。運輸省におきましていわゆる机上資料に基いて、机上判断をされて、そのもとにおいて浮び上つた十三線を建設審議会おかけになつて、その回答によつて実地調査をされて、その結果、この十三線は早急に取上ぐべきだと判定を下されたのかどうか。その間の事情お話願いたいと存じます。と申しますのは、国会が開かれるたびごとに、当委員会におきまして新線建設請願は山のごとく押しかけているのであります。請願で採択されて未解決の線、いわゆる未調査線というものは、おそらく百件に及ぶのではないかと私は考えるのであります。これらの百件も、政治的、経済的に、また地方文化発展上重大な線であると考えのでありますが、かような線の中から、わざわざ第一次的に十三線を選ばれるに至つた事務的処理経過を、もし時間が許せば、できるだけ詳細にお話を願いたいと存ずるのであります。
  17. 細田吉藏

    細田政府委員 お答え申し上げます。ただいま岡田委員からお話がございました中に約百線というお話がございましたが、第一国会以来国会請願がございまして採択せられましたものだけでも、百五線に上つております。今回十三線が選び出されるまでの経過についてでございますが、この百五線を一応の対象といたしまして、この中から資料調査と申しますか、いろいろな事情をできる限りの資料をもつて調査いたしまして、建設審議会におきましては路線選定基準を、四つでございますが、きめまして、実地調査でなく、得られますいろいろな資料によつて、この四つ選定基準を基礎にいたされまして、いろいろ御検討願つたわけであります。その結果、昨年の七月二日でございますが、建設審議会は百五線中、敷設法別表追加することがいいかどうかを、さらに実地に当つて調査することが適当であるという線を十八線選定して、運輸大臣答申があつたのでございます。前に申しました四つ選定基準でございますが、その一つ輸送繋絡上必要度の高いものを優先考える。二番目は、地下資源、電源あるいは農林水産資源及び農地開発、並びに産業の振興等国民経済上効果が大なるものから優先的に考慮する。三番目といたしましては、沿線の勢力範囲の人口が多くて、その地方の政治、経済文化向上に寄与するところが大きいものを優先的に考える。それから四赤目に、特別の事情のない限り、工事が比較的容易なものを優先考える、この四つ基準であります。七月にこうした十八路線を選定して答申がございましたので、運輸省といたしましては、国有鉄道と協力いたしまして、約半年の間、実地に当つて調査をいたしたのでございます。この実地調査の結果を建設審議会にさらに報告をいたしまして、本年の二月十八日、このうち十三線を別表追加することが適当ではないか、従いまして前の十八線のうち五つの路線につきましては、いろいろな難点がございますので、これを保留するということに相なつたわけでございまして、今回この答申をいただいた十三線に限定いたしまして法律案改正をいたしておるような次第であります。
  18. 岡田五郎

    岡田(五)委員 よく経過はわかりました。そういたしますると、今山崎委員から御発言になりました線だとか、その他のいろいろな線があるわけであります。ことにたとえば十八線のうち漏れたあと路線は、第一回の査定におきましては、今おつしやいました四つ事項に該当しないということで、言葉が悪いのですが、落第したという形になつておるわけです。この落第したという線が今年に、至つて合格するというようなことがあり得るのか、合格するにはこの査定基準というものを低下しなければならない、こういうような問題も出て来るわけでございますが、その間の事情を、できれば御説明していただきたいと存じます。
  19. 細田吉藏

    細田政府委員 保留になりました五線につきましては、これは各線によつていろいろ事情が違つておるのでございまして、これがただちに、ただいま申されました落第をいたしたというものではございません。さらに具体的に調査をしなければならぬ、あるいは調査の問題ではなくて、たとえば既設の私設鉄道との関係をどう調整するかといつた点について、さらに考えてみる必要があるのじやないかといつたような関係、それから十八路線のうちには、二つのルートのいずれかということで答申されておりまして、それぞれその元が一つで、末は二つにわかれておるといえ線がございます。これについては、それぞれ強い要望がある。ところがこのいずれを通す方がよろしいかという点について、地質の問題、地形の問題その他について、さらに徹底的な調査をいたさなければ決定を見ないといつたような、それぞれの事情によりまして保留になつておるわけでございます。落第したということではございません。現にこの五線につきましても、さらに詳細な調査を続ける必要があるものにつきましては、詳細な調査を続けておるような次第でございます。
  20. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今承りますと、この新線計画については、あまりはつきりとした計画がないやに承るのですが、私はその計画について二、三御質問をいたしたいと思うのであります。  第一には、別表に加えていただくのはたいへんけつこうなんですが、しかしそれとともに、今若手いたしておらない予定線が相当数あるということを聞き、しかもそれについては、具体的に着手する計画が立つていないというようなことも聞くのであります。もしそういたしますと、たとえば新線予定線に編入されることによつて、たとえばその地方私鉄などに開発させればなお早く行くというような点、あるいは新たに私鉄などが続けて工事を進めて、その地方便益に供したい、こういう場合に、この予定線がありますために、かえつてそういつた開発計画支障を来すようなおそれが生じはしないかと思うのでありますが、そういう点どういうふうに考えておられるか、まず一点お伺いしたい。
  21. 植田純一

    植田政府委員 この敷設法別表に掲げますところのいわゆる予定線というものは、国鉄敷設すべき予定線路でございまして、ごらんの通りずいぶんたくさんあるわけでございます。必ずしもこれは何年以内に実際工事に着手するというふうなものではなくて、日本国鉄予定線路を非常に大きく網を張つた、かような性質のものでありまして、実際問題といたしましては、戦争中からごく最近まで、ほとんど新線建設というものはとまつておりまして、最近ようやく新線建設が行われておるようなわけでありますが、現に来年度以降新線をどうするかということについても、まだはつきりした方針がきまつておらないのであります。そういうような性質のものでありますが、ただいまお話がありましたように、地方鉄道私鉄をつくる場合に障害になるのじやないか、あるいはまた地方開発上じやまになるのじやないかというような御意見もございますが、そういうことはおそらくないと思います。と申しますのは、この予定線路に該当いたしておりましても、地方交通目的とするものにつきましては、地方鉄道としてその敷設を免許することができるのであります。事実予定線でありますが、地方鉄道私鉄がその区間開業しております区間が、現在におきましても相当ございます。ただいま未開業区間が八千キロあると申しましたが、このうち現在地方鉄道開業しておる区間が千四十九キロございます。そういうふうに地方事情に応じまして、むしろ地方鉄道として許した方がいいというようなところは、地方鉄道として免許しておるわけであります。そういう点の支障は全然ないかと思います。
  22. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 私は、そういうふうにして現実に即した措置をとつておられることに対しては、異議がないわけでありますけれども、その場合に、この法律別表に加えられました予定線計画というものは、一切私鉄の方に委譲されて、将来国鉄として、その予定線の権利という語弊があるかもしれませんが、そういう計画を放棄するということになるのですか。それともあくまでその予定線内に、先に鉄道を敷いて営業をしておるそれに並行して、やはり国鉄をつけるということになるのですか。それはどういうふうになるのですか。
  23. 植田純一

    植田政府委員 この国鉄予定線は、必ずしもその地方的な交通目的のためにできておるのではなくて、国全体としての交通網交通系絡という点にむしろ重きを置きまして、その予定線というものができておるわけであります。地方的に私鉄が存在しておるというような場合におきましては、もちろん常識問題といたしまして、その地方だけの交通目的のために、さらに国鉄敷設するというようなことはちよつと考えられないかと思います。しかしほんとうに大きな交通系絡を全うするために国鉄敷設するという場合に、部分的に現在ある私鉄と競合するといいますか、並行するというような事態が起つて来るかと思いますが、もちろんそういうような事態における国鉄の新線計画につきましては、慎重に考慮いたさなければならぬと思つております。しかし国鉄の全国的な交通系絡を達成するために、あるいはそういう問題が起きて来る場合もあり得る、かように考えておる次第であります。
  24. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 どうも私考えますのに、鉄道などは一度敷きますと、それは自動車などの問題とは違いまして、将来非常な混乱というか、鉄道営業困難性を増して来るということになるのであります。結果においては、あなたの御意見には賛成するわけでありますけれども、しかし大局的に見て、そういうふうに新線計画というものを進められる場合に、あとで言われましたあるいは並行して敷くということは、たといそれが大局的であつたといたしましても、その一局部的な部分につきましては並行するわけでありまして、必要以上の線路を敷くことに実はなるのでありまして、それから生じます交通業界の混乱というものは、やはり非常な弊害を伴つて参ると思います。そういう場合に予定線が、先に私鉄を敷いておつて、どうしてもその土地を経由しなければならぬ。しかしその予定線交通網を確立する場合に必要である、こういう場合には、やはりその地方鉄道というものは、当然交通網を完備する一環として、一貫行政面から申しますと、買収等の必要が生じて来ると思うのであります。しかしそれをしないで、別に並行的にそれを敷いて行くということになりますと、非常な混乱を生ずると思います。そういう点についてはよほど慎重な計画性を持になければならぬと思いますがどうかという点が一点。  それから第二点としては、先ほど申しましたように、もしこの新線なるものの別表に加えられるものが、単なる予定線として加えられるものであつて、それが国鉄を敷くという予定のために、その地方における鉄道開発が非常な障害を受ける、そのような状態になりますならば、これはかえつてそのことが阻害されるから、あらかじめ予定する必要はないのではないかというふうに思うわけです。そういうことではなくて、実際には計画的に着手されるものから、重点的に実施がされるような目鼻が立つて、初めてその予定線計画して行くということが、私は国会の権威としても望ましいのではないかと思うのですが、その辺の見解を承りたいと思います。
  25. 植田純一

    植田政府委員 第一の点でございますが、確かに御説のように私鉄がある、それに並行あるいは接近して国鉄を新たにつくるということは、よほど慎重にしなければなりませんので、よほどの場合でないとそういう事態は起らないかと思いますが、そういうことが先ほど申しましたようにきわめて例外的に起ります場合には、あるいはその鉄道の買収ということも、当然その所の状況によりましては起ると思います。あるいはまたそうでなく、並行し、接近して国鉄が敷かれたために、その鉄道を廃止しなければならぬ、あるいはまた廃止しないまでも、収益上非常に大きな損失をこうむるというような場合も、きわめてまれには考えられるのでありますが、その場合のいわゆる補償規定というものは、現在でもございますが、先ほど御審議願いました地方鉄道軌道整備法案にその点をうたつておるわけであります。しかしこれはきわめて例外的なまれな場合であつて、そういう状況下においてそういう所に国鉄を新たに敷設するということは、よほど考えなければならぬ問題じやないか、かように考えております。  それから第二の点の、すぐに実行に移すもののみを予定線にあげるべきじやないか、一応ごもつともでございますが、従来この予定線に入つておりますのも、単に予定線にあげることをもつて事足れりとしておるのではなくて、やはり実際に鉄道建設してほしいという線が累積して今日に至つておるわけであります。御承知通りこの線に入つておりませんと、実際工事に着手することができないわけです。実際鉄道建設してほしいという各地の要望が現在の予定線に入つておるわけでありまして、これが全部できるということは考えられませんけれども、予算なんかの関係であるいはうんと進捗しておるということも考えられるのではないか、かように思うのであります。しかし戦争その他によりまして、今日におきましては、ただいま申し上げたような状況になつておりますが、何分にも古いものでありますので、中には今日から考えますと、敷設する必要がないということは言えないまでも、その必要性においてどうかと思われるような線も入つておりますし、また反面におきまして、今まで入つていなかつたが、ぜひ今日の状況から見て予定線追加する必要があるというような線も、この事情の変化で相当要望があり、またそういう線が出ておることも事実でございます。そういうふうな点をいろいろ考えまして、先ほど来申し上げますように、今回十三線を追加することになつたわけであります。でき得べくんば、ただちに実施できるものということが理想でございますが、そういうふうに従来から累積しておりますし、今日新しく追加する必要も感じましたので追加いたしましたような次第でございまして、この多くの中から現実に着手する緊急性の強いもの、こういうものを選び出して今後着手するということになろうかと考えております。
  26. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 大体御答弁ありましたので、その点については了承すべき点もあろうかと思います。しかしこうして予定線に加えられている以上、やはりその予定線に加えられますと、これをただちに着工できるかのように地か民も、地元民も思つておるわけでありまして、そういう点でさらに地方、地元からの陳情が激発して来るということになりまして、そうなりますと、かえつてその着工されぬのが、何かその地方選出議員がサボつているような感じを持たされて、苦境に立つ場合もあり得るわけであります。従つてそこで私は計画性があるかないかということをお尋ねしたわけであります。  これは意見になるかと思いますが、予定線に入れてはおいたが、しかし長い年月着工されていない。あるいはその地方鉄道を新設するのは必要がないような事情の変化もあろうと思います。そういう点については、いたずらに予尼線を大きく車輪省が背負つてばかりいたのでも、これはかえつて地元民を失望させる結果になると思うので、また同時にそういうことがありますと、かえつてほんとうに必要に迫られておりますものについての着工に対しても、大きな弊害を与える結果を生じはしないかと思うのでありますが、具体的に今予定せられている線というものは、そういう事情の変化はあるかないか。またあるとすれば、それに対しては実質的にどのような計画的な線を行おうとされるかこういつた点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  27. 植田純一

    植田政府委員 ただいま抽象的に申し上げましたが、確かに当初入りましたときの事情と今日の事情と、事情のがわつておるものもあろうかと思います。しかしさればといつて、若干情勢がかわつておりましても、ただちにこの線がどうのこうの絶対に、全然必要がないというふうに断定を下すようにはつきりした線も、もちろんあるわけではございません。従いましてそういう点につきまして検討を加えまして、適当な機会に整理する必要があるのじやないかと思つておりますが、ただちにその結論には到達いたしておりません。ただいま申しましたのはまつたく抽象的な感じでございますので、具体的な問題になりますと、なかなか簡単に結論が出ません。その点につきましては、よほど慎重に取扱わなければならぬ、かようなことで今日に至つているような次第でございます。
  28. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 これは希望でございますが、私はそういう古い予定線に入つたものがあるために、その予定線の数字だけは大きくなつて、実際に新しく編入される新線の実現がそれによつて阻害される、あるいはほんとうにまじめ、というと語弊があるかもわかりませんが、国策とも言えませんが、しかし交通も概括的に見れば国策的になるわけでありますが、そういう点でほんとうにまじめに考え要望している向きについては、これはその申請もしくはその地方における特殊な事情に左右されることなしに、ひとつ勇敢に遂行してもらいたい。往々にして、聞くところによりますと、いわゆる政党線というようなうわさも高いのであります。そういうふうな、いわゆる政争の具になるようなこと、あるいは特定の利益のために供されるがごときことがあつてはならないと思いますが、そういう点についてもよほど慎重性を要する問題である。そのためにはやはり当局において相当具体的に、そういう事情にとらわれることなしに、計画的にしつかりとした構想を持つてかかつていただかないと、実際その地方のまじめな人々が、非常な不利益をこうむることになるわけであります。同時にまた政党政派を離れまして、実際にその地方開発価値があるということで、まじめに考えている者は、今申しましたように予定線に入つたから、それあすにでもできると思つているのに、何年たつても着工しないということになりますと、これはまたその地元民との間の非常な板ばさみを生ずるという結果も生じまして、困難な場合を起すことになると思いますので、私はひとつそういうことのないようにしてもらいたい。また現在においてはそういうことはないと思いますが、そういうふうな、いわゆる政党線的な線の色合いの濃いところがあるのじやないか、実際には相当必要度の高いところがあるのに、それを着工しない外れあるいは予定線に入れないで、有力者の言だから入れようというようなことがあるのではないか、また将来そういうことが起るのではないかということを、実は非常に心配するわけでありまして、こういう点についてはこの際ひとつ当局ははつきりと言明をして、将来の予定線に対しては具体的に早急に計画を立てて、公表をするというくらいの勇断をお示し願いたいと思うのですが、どうでしようか。
  29. 植田純一

    植田政府委員 確かに予定線のうちから実際に着手する線を選び出すということは、非常にいろいろな角度から検討しなければならぬ、また非常に慎重に検討しなければならぬ問題であります。それで従来におきましても、この点につきましてはいろいろの資料その他から検討をいたしておるわけであります。さらに鉄道建設審議会に諮問いたしまして、各方面の有力な方々の意見を徴しまして、決定をいたしておるような次第でございます。従いましてこの決定は公正にきめられておるとかたく信じております。  なおこの予定線追加すると、すぐにもできるような錯覚を起すというお話もございましたが、この点につきましては私ども関係の地元の方、あるいはそういうお話を持つて来られる方々には、絶えずその点は十分お話申し上げておるようなわけで、先生方におかれましても、そういう点につきまして十分ひとつお話おき願うようにお願いいたしたいと思います。
  30. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 あと関連質問があるようですから、もう一点だけお尋ねしておきますが、本年もやはり新線に着手する予定で、予算も計上されているようでありますが、それのどこに着手するかということは、非常に微妙な問題をはらんで来ますから、当局としては発表できにくいかもわかりません。しかし一体何線を本年度予定線のうちから選んで、建設に着手するための準備を進めようとするのか、お聞きしたい。
  31. 植田純一

    植田政府委員 実はこの新線建設につきましては、早急に着手すべき線といたしまして、建設審議会に諮問いたしまして、そうしてその意見によりまして大体三十線というものが浮び上つてきまつたわけであります。予算の関係もありまして、もちろんこの三十線は一時には着手いたしませんでしたが、昭和二十七年度におきまして二十四線着手いたしました。そうしてそのうち一線は二十七年度の終りに完了いたしましたので、本二十八年度におきましては二十三線継続の線がございます。さらに本年度におきましてはこの二十三線の継続と、残つております六線に着手することになつております。
  32. 原彪

    ○原彪委員(改) 大臣がお見えになりませんので、政務次官にちよつと新線建設の問題でお聞きしたいのですが、今後この新線建設の問題を政府としてはどのような方向に持つて行くか。つまり鉄道公債を発行して新線建設の資金をこの方に求めるか、あるいは政府資金を仰いでこれをするか、あるいは営業利益を充填してこれをやるか。これは単に新線建設ばかりではなく、電化の関係等いろいろ関連がございまするが、新線建設についてはどういう構想でおられるか、これを承りたい。
  33. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 建設線を先にやるか、あるいは電化等の改良のことを先にやるかということは、一つの問題だと思います。しかしこれは今の問題といたしまして、どちらを先にやるというようなことをきめるわけには行かないのでありますが、少くとも新線建設でございますと、閑散線で鉄道としてはあまり経営的には引合わない線が多い、そういうような意味からいたしましても、国家的な線で、交通網として必要だということで、新線建設をやられておるのだから、われわれの立場から申しますれば一般会計の財政をもつてやりたい、かように考えております。一方また改良的なものになりますれば、これは鉄道自体にも相当な合理化になるわけでありますから、この方面はこれは現在の改良工事の出し方でいい、さように考えているわけであります。
  34. 原彪

    ○原彪委員(改) ただいまの御答弁だと、非常に消極的な御答弁でありまして、これでは本年度の新線建設というものは当分望めないと思うのでございます。積極的に新線建設をやるならば鉄道公債を発行して、巨額の何百億、いな何千億の公債によつて、この新線敷設する以外に道はないと思うのでありまするが、政府のただいまの御答弁ですと非常に消極的におやりになつているようで、消極的な考えからすればまたこういう考えも浮ぶのであります。つまり鉄道は独立採算制であつて、なるべくもうかる線からやりたいのは当然であります。しかしまたこの新線建設というのは、もうかる線でなくても、国民の福祉のために、いわゆる開拓鉄道的な意味をもつて敷設されるということも、非常に意義のあることでございまして、われわれもこの点については賛成するのでありますが、その独立採算でもうける線と、それから辺鄙な土地の国民の福祉のために鉄迫を敷くという両方の考え方は、ここに齟齬を来すのでございますが、その矛盾をどのように御解決になるか。この一点を抽象的でもけつこうですが、お示しいただきたいと思います。
  35. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 非常に消極的ではないかというお話ですが、消極的の話をしたつもりではないのです。つまり新線建設というようなものは政府出資でやりたい、こういうことなんです。従いまして結局現在では二十八年度の状況は、鉄道公債を発行することになつておりますが、新線建設等は鉄道経営に対するあれも必ずしもよくないから、政府出資でやりたいということを言つておるのでありまして、結局調節をどうする、新線建設と改良と矛盾するではないか、それはその調節をとつて行かなければならぬと思いますが、従いまして一方建設のみをやつて改良は従だとか、あるいは改良のみをやつて建設は従だというような状況には今はならないわけでありまして、少くともさいぜんもだんだんお話もございますが、やはり予定線等もいろいろ追加されて行つて、急速にはできないけれども、それはやはり交通ということを国民が一般に希望いたしておるのであります。交通網をやつてもらいたいという一つの現われでありまして、必ずしも鉄道が利益にならないからといつてこれを放擲するわけには行かぬ、そのためには鉄道の負担にならないような国家の金の出し方をしてもらいたい、こういうように考えておるわけであります。
  36. 原彪

    ○原彪委員(改) むずかしい御答弁のようですが、その点はこれ以上申し上げません。私はこの法律では、どうも法律の形態としては満足すべき形態ではないと思うのです。鉄道敷設法の付表に、実行しない、残つている線だけでも百五十線もあるようでありますが、本来ならば、法律の形態から言うならば、本年度予算による新線建設の予算の費用は、たとえば二十億あるとすれば、その二十億で何線、どことどこの新線をやるということを建設審議会で大体の決定を見て、その決定を見たものだけをここにあげるのがほんとうではないかと思うのです。むしろこれは極端に言つたならば、何々鉄道敷設法案として単独の、つまり建設審議会できまつたものを、一つ一つ出してもいいくらいの法律なんです。それを附則だけでぞろつと幾つもあげるというのは、法律の形態としてはあまりいい形態でないと思う。あとあとまでもできない線を残しておくのは、法律の形態としてうまいものではないと思う。この点についてこれからまた来年も数回建設審議会が開かれて、また続続と何ページというページがたくさん重なるだけであつて、形態としては私はうまくないと思うのですが、いかようにお考えになりますか。
  37. 西村英一

    ○西村(英)政府委員 さいぜんもそういう御質問がありましたが、できないのに予定線追加してどうだというお話でございますが、ごもつともな点もあります。しかしまた翻つて考えてみますると、予定線に入れるということは、日本鉄道交通網のあり方をある程度示唆することになるわけでございまして、ただちに今日即通しないからいらぬのじやないかという議論はどうかと思うのでありまして、たとえば国道にいたしましても、今度道路法の改正によりまして、一級国道、二級国道等は相当広く多くとるようになりました。これもやはり交通、道路はこういうふうにならなければならぬという一つの、国のといいますか、国民の意思を表示するものであります。従つて国道の長さが長くなつたからといつて、予算がすぐにそれにマッチして行くものではなかろうと思うのであります。しかしその半面、この予定線がから手形ばかりをむやみやたらに出すということは希望いたしませんが、少くとも交通計画上必要な路線を、こういうふうに考えておるという意思表示にはなろうかと思うのでありまして、これはやはり国民の希望の現われであり、交通網が単位人口当りないし単位面積当りに、もつと普及することを希望するのだという一つの現われとして、われわれがこれを徐々に取上げるということも、これは必ずしも意味のないものではなかろう、かように考えておるわけであります。
  38. 川島金次

    ○川島(金)委員 この機会に私からも若干お尋ねをさせてもらいたいと思うのであります。この敷設法に出ておりますのはすでに百五十線、さらに本日の提案による新しい十何線を加えますと、実に百六十有余の予定線がこの敷設法にずらりと並んで、活字上から見た形は、実にわが国鉄道網の壮観を呈する堂々たる計画でありますが、先ほど来から議論になつておりますように、いかにしてこれを実現するかということが、きわめて大きな問題であろうと思います。私は久し振りで運輸委員会の方へ舞いもどつて参りましたので、戦後の事情はよくわかりませんから、ときに愚問を発するかもしれませんが、御了承を願いたいと思います。  先ほどの局長の御説明によりますと、二十七年度の着工線がすでに二十四線、その中で一線完了しておるというお話でありますが、この予定線以外に現在着工したというのはないのですね。
  39. 植田純一

    植田政府委員 ございません。
  40. 川島金次

    ○川島(金)委員 そこでさらにお伺いしますが、予定線の百六十三線でありますが、この全体のキロ数はどのくらいになりますか。
  41. 植田純一

    植田政府委員 予定線の全体は先ほどもちよつと申し上げましたが、附則第二項に該当する線を含めまして合計一万五千七百五十四キロでございます。このうち開業しておるものが七千七百八キロで、未開業のものが八千四十六キロでございます。
  42. 川島金次

    ○川島(金)委員 重複しているかもしれませんから申し上げませんが、かりに予定線を一時に着工するとした場合に、今日の物価水準でどれくらいの費用になりますか。
  43. 植田純一

    植田政府委員 大体一キロあたり四千五百万円ないし五千万円とお考え願いたいと思います。
  44. 川島金次

    ○川島(金)委員 そうすると、すぐに計算はできませんが、かなり莫大な計算になりますが、どのくらいになりますか。
  45. 植田純一

    植田政府委員 約四千億でございます。
  46. 川島金次

    ○川島(金)委員 四千億ということがわかりましたが、私は審講会のことはよくわかつておりませんが、審議会がまずこの予定線について採択の可否を決定し、それが大臣答申されて、ここへ附則として別表に次々と加算されて行くわけであります。かりそめにもこれは法律でございますから、先ほど来問題になつておるように、これがきわめてすみやかな間に実行されなければ、あまり効果はない。そこでこういうものを法律の上に次々明確に指定して行きます場合には、これを裏づけるところの国鉄には国鉄自身としての、長期的な計画に伴う資金計画ども立てらるべき性質のものだと私には一応考えられますが、そういうことについては、当局はやはり何らかの長期的資金計画を立てて、その上に立つて、初めてこういう審議会答申を採択するという形をとられておるのかどうか、その点はいかがなものでありま了か。
  47. 植田純一

    植田政府委員 実は確かにそういう計画を立てるべきだと思います。ただ御承知通り新線建設に関しましては、戦争中からずつと中絶しておりまして、昭和二十七年度、昨年度におきましては、補正予算を加えまして二十五億である。二十八年度、本年度におきまして九十億というふうに、本格的な新線建設に入つた。ようやく本年度から軌道に乗つて来たというような状態ではないかと思います。従いまして新線建設の見通しにつきましても、実は今日までは立たなかつたわけであります。今後おそらくこの程度の予算が得られるのではないか、かように考えられるのでありますが、その点につきましても実は毎年々々の予算になつておりまして、一面におきまして、継続費予算というものもございませんので、長期計画としては立てておりません。ただ本年度九十億で、先ほど申し上げました継続の二十三線と、新たに六線を着手するといたしますと、これが来年度の継続だけでも約百億くらいのものがいる、かような状況になつております。
  48. 川島金次

    ○川島(金)委員 私は別表に新たにさらにつけ加えられる十三線、これがはたして日本経済の発達と国家の進展の上に、必要欠くべからざる重大路線であるかどうかということについては、判断の材料を不幸にして持つておりません。従つてこれをまるのみにするという立場でものを言うのではございませんが、今申し上げましたようにかりそめにも建設審議会が存在し、その審議会がいろいろと経験者、当局を交えて審議をし、しかもこれが鉄道網の完成の上において必要なる路線であると答申をし、しかもその上に当局がその答申案を採択をいたしまして、法律の上に明記をするという形をとるからには、当然に私は、それがすぐに実行されないまでも、もしできないとすれば、それにふさわしい長期的な計画性というものが裏づけにならなければならぬと思う。これは法律でなければよろしいのであります。ただ国会に報告され、あるいはこの委員会に参考資料として報告されるという程度のものであれば、それでもよろしいと私は思いますが、かりそめにも一つのれつきとした法律に基いて、別表が堂々たる形で並べられて来ている以上は、何といいましても、それを実行するのだという当局に決意と心構えとがなければならぬ。その心構えを現わすためには、長期的な計画、長期的な資金計画も加えた計画性というものが、裏づけとしてわれわれに示されて行かなければならぬ。それがまた国民の前に示されることであつて、それが大いに産業開発の刺激ともなり、いろいろの意味において、現実においては実現されないまでも、文化の進展の刺激にはなるに違いないであろうと思います。そういう意味でせつかく今のお話でございますけれども、従来はさしおくといたしましても、今後は政府におかれましては、この問題についての長期的な計画を立てる。しかしながらその長期的な、資金的の裏づけを加えての計画を具体的に立てるからには、必ずしもこの法律別表に載つたものだけをまるのみにする必要はないと思うのですが、そういうことでなく、長期的な資金計画を立てて、われわれ国会にそれを示し、そうして国民の前に政府交通政策について、これだけの将来の計画を確実に持つておるのだ、そうして資金の計画もかくのごときものである、従つてこの別表の中で何線までは何年何月にでき上る、何年までには完了するに至るであろうというような明確なものが、私はつくられてしかるべきだと思うのでありまして、その点の明確な今後の方針について承つておきたいと思う。
  49. 植田純一

    植田政府委員 御承知通りこの新線建設は、莫大な経費を必要とするのであります。しかも一年限りでできるというような区間はきわめてまれでありまして、数年を要して莫大な経費がいる。かような性質であるのですが、新線建設を本格的にやりまして、現在までまだ時日もたちません。先ほど申し上げましたような実情もございまして、しかも継続費という予算もございませんので、理論的には一年々々の予算を折衝しまして、一年々々の計画を立てておるというのが実情でございます。それで実は今度国有鉄道法の改正法案でもお願いしておりますが、継続費という制度を国鉄予算にも設けまして、ある程度長期的な資金計画にのつとつて、必要な計画を立てなければならぬというような性質のものにつきましては、そういう継続費をもとにいたしまして計画を立てて行きたい、かような意図で実は国有鉄道法の改正法案にも織り込んでおるような次第であります。今後はその資金計画の見通しがつくようになりますれば、ある程度計画的な建設ができるようになろうかと思います。ぜひそうしたいものであると考えておる次第であります。
  50. 川島金次

    ○川島(金)委員 私は現在の日本国内における国有、民営を通じての路線は、この厖大な人口を擁した日本交通政策、あるいは経済発展、文化向上の大局的な立場から見ましたときに、必ずしも満足なものでない。従つてその点におきまして、一日も早く完全なものに徐々に持つて行くことを強く希望するものであります。その意味におきまして、今お話のごとくたまたま今回提案されております日鉄法の改正の中にも、継続費の予算が新たにつけ加えられることになりました。なるほど国鉄の財政、日本全体の能力、これからいいまして、必ずしも理想的なものに急速に取運ぶということは、私といえども考えてはおりません。現在国有鉄道が持つております路線の改良あるいは補修をいたしますだけでも、なかなか今日容易でないということもわれわれは十分に承知をいたしおるのでありますが、その改良と補修だけにあくせくして、大局から見た交通網の完成というものを忘れてはならないということも、われわれは大いに考えておる一人でございますので、どうぞ今度の日鉄法の改正を機会といたしまして、ただいたずらに審議会地方の陳情をいれたり、中には、そう申しては失礼でございますが、選挙運動的な路線が陳情になつて現われて、やがてはこの別表に出て来るというものも、必ずしもないではないと私は思つておるのであります。そういつた選挙対策的なものだけが出て来る。そういうものが出て来るということは、これが別表につけ加えられ、あるいは審議会の議題になつた、そして審議会の採択になつたということだけでも、選挙民、地方民の気休めになるであろう、こういつた立場でやるのでありますから、審議会ももちろん十分な審議をしておられるのでございましようけれども、すぐに実行されないものでありますから、どうしても審議についても慎重を欠くところが出て来るであろうと思うし、政府におきましても、極端に申しますれば、せつかくのこの法律でありまするけれども、すぐにやる責任もなければ、すぐにやる計画も別にない。一応別表につけ加えておけ、こういつた安易なことが行われないとも限らないとさえ、極言すれば私は申し上げられるのであります。それがいやしくも政府のこういう別表に伐る以上は、長期計画の中に確実に入つて、しかもそれが何年後には完成するのだ、こういうことになりますれば、審議会におけるところの審議のしぶり、あるいは別表につけ加えるつけ加え方も、おのずから非常にかわつて来るのではないか、こういうふうに思いますので、日本交通政策の慎重かつ遠大な計画を立てる意味合いにおきましても、どうぞこれを機会といたしまして、困難な中ではございましようが、こういつた新線計画についての、資金の裏づけのある長期的な計画をすみやかに具体的に立案されんことを、私は強くこの際希望しておくものでございます。  ついでに一言、これと直接関係はないと言えばないのでありますが、若干あると私は感じますのでお伺いをしておきたいのであります。これは局長が主管であるかどうか、私もちよつと存じ上げないのですが、このごろの大都市を中心とした交通の問題でございます。たとえば東京を中心として特に人口がますます増大し、東京都内には住み切れず、付近の各府県がさらに人口の飛躍的な増大を見ておることは、よく御存じのことであろうと思います。そのために、東京都を中心といたしまする、ことに朝夕のラツシユ・アワーにおける交通の混乱ぶりは、実に今日は言語に絶するような有様でありまして、朝夕のあのラツシユ・アワーを見ますると、一体日本に確固たる交通政策があつての上であろうかと疑いたくなるような混乱ぶりであります。これは今日の急激な人口の都市集中、あるいは都市を中心とした各近郊の都市的な人口の偏在から来る面もあるのでありまして、必ずしもこれは交通政策の担当者である政府の責任のみとは、私は感じておるわけでは決してございませんが、とにもかくにも都市を中心といたしました朝夕の交通の混乱ぶりというものは、まつたく言語に絶するものであります。この言語に絶した交通状況というものを、何らかの形において打開する必要があるのではないか。この混乱ぶりを放置することは、事故の頻発はもちろん、さらにひいては日本経済の、生産向上の上にも大きな影響があるとさえ私は感じる次第でございます。そういう意味合いにおきまして、一つ例をあげまするが、何か政府におきましては、たとえばバスの営業のごときは、あくまでも民間でやるべきだという一つの偏執した建前をとつておるようであります。なるほどバスまでも国鉄、省営がどんどん市中に乗り出して行くことは、民営の圧迫になり、民間業者にとつては一大脅威であるということは私も承知しております。従つて鉄道でやられまするバスなどは、山の上か、さもなくば人里離れた、民間の路線も敷くことのできないような、実に辺鄙なところだけを辛うじてのたのたと省営バスが通つておるというにかかわらず、一方都市を中心とした混乱をきわめた中において、とても民営のバスだけでは運び切れぬ。国鉄や地下鉄があり、あるいは公営の電車が通つてつても、なおかつそれでさえも手をつけることのできないような状態である。そういうような問題に対して、従来政府考えておつたような一つ考え方をこの際改めてはどうか。端的に申しますならば、そうした場合には国鉄もみずから乗り出して行つて国鉄のバスを動員して、そのラツシユ・アワーの混乱を打開する。そうして都市を中心とした交通政策の整備をはかるというような事柄にも、乗り出すべきではないかと私は考えるのであります。そういうことについて今日われわれが仄聞するところによると、何といつても従来の国鉄の伝統的な考え方から、そのことはただちに民間の事業の圧迫になる、こういうたつた一言で、そういうことが行われておらないということは、私は重大なるあやまちであるとさえ考えるのでございますが、そういう点について何か考えておるところがあるかどうか、その点についてこの際承つておきたいと思います。
  51. 中村豐

    ○中村(豐)政府委員 問題はバスの点であるようでございますが、私からお答え申し上げます。運輸省といたしましては、別に国鉄バスであるから絶対にいけないという考えを持つているのではないのであります。ただ国鉄バスには、日本国有鉄道に関連する範囲というふうに、性格がおのずから制限されているわけであります。それを端的に言えば、今お話のありました山の中に多いような先行、代行、短絡、培養線というようなことが、一番性格に合うわけであります。今のお話の通勤輸送緩和というような場合に、そこにすでに既設の国鉄バス線があつて、それを少し延ばしたら済む、あるいは国鉄の先行線、代行線に当るというような場合には、問題はそう大してないと思います。しかしながら東京近郊にはそのようなとつかかりもないのでありますし、また今民営バスではやれないというお話でございましたけれども、なるほど民営バスでやれないような場合には、どうしてもいけなければ国鉄バスということも考えられるのでありますが、東京近郊においては、おそらくどの民営バスを持つて来ても、またその付近を担当している民営バスは、どの会社を持つて来ても、十分やり遂げるだけの力はあると思うのであります。ただその通勤輸送を緩和できない問題として、東京都との交通調整の問題、あるいはたびたび論ぜられる陸上交通事業調査法との関係で、一つ問題が円満に行かない点があるのでございまして、これは国鉄はできるが民営はできない、力がないという問題とはまつたく別個の問題でございます。だから交通調整の問題がスムースに解決できるならば、どの民営を持つて来ても完全に解決できるところでございます。従いまして、そのような場合に民営でやれるならば、無理に全然関連のない国鉄バスを持つて来て、平地に波瀾を起すようなことは相当考えものではないか、かように考えるわけであります。具体的な問題としてはさように考えますが、一般論としては、たびたび従来の運輸大臣からも御説明しているように、民営がやれるものなら、その地区に民営があつて十分にサービスを尽しているならば、それにやらせた方がいい、けれども、その見込みもないし、サービスも非常に悪いという場合には、例外的に国鉄考えてもいい、かように見るべきだと思います。
  52. 川島金次

    ○川島(金)委員 私の質問に若干誤解があるようであります。私の申し上げておるのは、たとえば東京都を中心としての一例をあげたのですが、これは東京都に限らず、大阪においても、名古屋においても、朝夕のラツシユ時における交通の混乱状況というものは、大同小異であると思う。交通の混乱状態に陥りておることに、否定できない厳然たる事実であります。この事実に対して、いかにすればその混乱を打開できるかという基本的な問題について、私はしろうとでありますが、一例をあげて、そういう場合に国鉄がみずからバスでも動員したらどうかということをお伺いをしたのでありまして、そういう混乱時をどうしたら打開できるか。今あなたの方からは、東京都との交通調整の問題がある。それは私の想像するところによれは、地方のバスが東京都内に乗り入れることについて、いろいろな問題があるということではないかと思うわけであります。そういうことは、国としても、また運輸省としても、何か根本的に法律をつくるなり何かすれば、打開できると思うのです。ただ現状の権利義務ということだけを固執することなく、この状態をどう打開すべきかというときには、新しい法律もつくる必要があるだろし、あるいは民間だけではその能力がないとすれば、国鉄みずから乗り出して、ある一定路線に対して、朝夕のラツシユ時のときに、これを打開する一翼として国鉄も乗り出すという方法もあるのではないか、こういう意味で私はお尋ねしたのでありまして、はたして交通調整などというものは不可能なのであつて、もうこれ以上できないという建前を国鉄当局はとつておられるのですか。
  53. 植田純一

    植田政府委員 全般的な都市交通の問題としてお答え申し上げます。東京都におきまする都市交通問題が最も深刻をきわめておると考えますので、東京都を例にして申し上げたいと思います。通勤距離の拡大と申しますか、範囲の増大と人口の増かたにそつて、通勤が非常に混雑を来しておることは御承知通りであります。何とかこれを打開しなければならぬということにつきましては、各交通機関がそれぞれ苦慮しておるところであります。東京におきまして大きな役割を占めておりますところの国鉄、国電といたしましても、たとえば中央線の連結両数をふやすとか、あるいは常磐線を都心まで引入れるとか、いろいろな対策をやつておりますが、さらに根本的に、目前の混雑の緩和とは別個に、もう少し先を予想した交通輸送の緩和ということにつきましての計画を立てなければならぬという必要に迫られております。郊外電鉄におきましても同じような状態であります。従いまして郊外電鉄も都心までの乗入れの申請なんかもいたしております。また地下鉄におきましても、鋭意その計画の実施に着手しておるのであります。いずれにいたしましても、何年か先を目ざしての交通緩和のためには、相当の資金がいる。この資金をどの面におきましても一挙に充足するということは、なかなか至難なわざではないかと考えられます。従いまして、各通勤の都心に入つて参りますところの各所の土地を単位として考えまして、それぞれの実情と人の流れを十分調査研究いたしまして、どこに重点的に資金を投ずるのが最も有効であるか、最も適切であるか、またさればといつて交通機関無秩序に延長さす、あるいは許可するということも、都市の交通の秩序の維持という点から考えなければなりませんので、そういう点と、ほんとうに最も緊急必要な面に資金を放出する。その資金の入手はどうするか。これにつきましては国鉄あるいは私企業の自己資金でやれる範囲というものは、おそらく限定されて来るのじやないか。それについて何らか国家的にも考えなければならぬのじやないか、こういうようないろいろな問題をその間に包蔵しておるわけであります。従いまして、基本になりますところの人の流れ、交通の系統も、ある程度将来を見越しました交通量に関するところの的確な資料をもとにいたしまして、対策を講じたいと考えておるわけであります。東京都につきましては、ただいま自動車局長からお話がありましように、交通調整法というものがございまして、交通上の秩序の基本になつておりますが、これにつきましても、今後の交通事情に適応するように対策を立てますにつきましてはこの法律の改廃ということにつきましても、十分検討して参りたいと考えておる次第であります。
  54. 川島金次

    ○川島(金)委員 最後にもう一つつておきますが、今の質問に関連したことでありますが、先ほど私が申し上げましたように、大都市を中軸とした交通整理に関連して、たとえば地方から都心へつなぐ民間のバス路線がある。しかし民間のバス路線だけでは、とても沿道民の輸送の需要にこたえることができない。そのためにさらに他の新たなるバス路線ができれば、なお地方民の需要にこたえることができる、こういつた実例の場所も決してないわけではございません、ところがそういう問題に対して、たとえば国有鉄道の方では、その場所に向つて国鉄のバス路線を通して、沿道の経済的な要望にもこたえると同時に、一般的交通の需要に一層こたえることができる、こういう一種の計画を立てたところがかりにあつたとする。ところがその計画に対して、そういうことを国鉄がやるということは、民間業者の圧迫になる。そういうことは先ほどお話がありましたような建前で、やるべきではない、こういつたことで、たまたま国有鉄道の方と運輸省の方との意見の食い違いが来ておるという実例もあるやに、私は仄聞をしておるのであります。私はどうもそういう意見の対立、食い違いといいますかに、納得のできないところがあるわけです。今私が前段に申し上げました、ことに都心を中心とする朝夕の通勤の勤労階級の輸送の需要にこたえるだけの——今日は都心を中心として官私を問わず、その機動力を精一ばいに発揮いたしましても、なおかつなかなかその需要にはこたえられていないというのが現実なんであります。そこでその現実を解決するために、解きほごすために、国有鉄道がかりにある路線を指定いたしまして、そこに国有鉄道のバスを通すという計画がある。ところがそれに対して今申し上げましたように運輸省ではいろいろの従来の建前を理由として、それに反対をする。こういつた食い違いがあるやに私は聞いておるのですが、そういうことがありますかどうか。またそういうことに対して依然として、現状のいかんにかかわらず、運輸省はその問題の根本的な解決に積極的な方策を考えようという態度、心構えというものがないものかどうか、この機会に一応重ねてお尋ねしておきたいと思います。
  55. 中村豐

    ○中村(豐)政府委員 先ほど申し上げましたように、そのような場合に一番問題を解決する点は、どれだけの需要がありまして、それに対してどれだけの輸送力が提供されておるかという、需要供給の比較考量になると思うのであります。そこでお話のように民営バスが一応やろうと言つた場合に、その輸送力と乗客との関係を見まして、一業者で十分に運び切れないというような問題になりました場合には、もちろん何も一業者でなければいけないというのではありませんから、さらに別個の業者のバスの運行ということが取上げられるわけでございます。そこでその場合に国鉄ではどうかという問題が具体的になるわけでありますが、その場合に他に申請者もなし、国鉄がぜひやりたい。しかもただいまのように、既存のその付近を担当しておるバス業者だけでは輸送力が足りないというような場合には、これは十分検討する必要がある、取上げられる余地があるわけです。  そこでまず第一に考えることは、その付近で担当しておる業者がやるという意思があるかどうか。やるという意思があつた場合に、輸送力が十分であるかどうかということを検討しなければならない、かようなわけでございまして、それからあと国鉄をどういうふうに考えるか、こういうことに行くのが、物事の判断の筋道ではないかと思うわけでございます。そのような点で、お話の地区がどれであるか、いろいろわれわれのところにも陳情が二、三参つておりますので、そのうちの事情をよく検討しまして解決をはかりたい、かように実は思つておるわけでございます。
  56. 關内正一

    關内委員長 ほかに御質疑ございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 關内正一

    關内委員長 なければ、本案に対する質疑は終了いたします。     —————————————
  58. 關内正一

    關内委員長 次に道路運送法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。通告があります。岡田五郎君。
  59. 岡田五郎

    岡田(五)委員 大分時間もおそくなりましたので、もし委員長のお許しを得まするならば、一問だけ質問させていただきまして、あとは明日やらしていただきたい、かよに考えるのであります。それでまず第一にお伺いいたしたいことは、前国会におきまして、当運輸委員会におきまして道路運送法の一部改正に関しまして、この方面の専門家の委員の方々が数回にわたりまして御研究なすつたのであります。その委員会の主眼点は、おそらく免許の緩和、行政事務の簡素化、または健全な自動車事業の発達、あわせて交通秩序の維持、こういうような四つの視点からいたしまして、現行の道路運送法の一部改正につきまして慎重審議、御研究になつたと承つておるのであります。この小委員会におままして出されました結論と、このたび政府提案として出されました道路運送法一部改正と、各条文においてまつたく一致しておるのかどうか。あるいはこの小委員会改正案に便乗してと言つては言葉は悪いのでありますが、そうなのか、あるいは政府独自の考えをもつて改正条文をつけ加えられ、のかどうかということをまず承りまして、その後におきまして私の質問の要点をかえて行きたい、かように考えますがために、過般の国会における小委員会の結論と違つた条文につきまして、まず承つておきたいのであります。
  60. 中村豐

    ○中村(豐)政府委員 それではただいまの御質問に対しまして、先般の国会で議員提案でお出しくださつた改正案と違つておる点を、具体的に御説明申し上げます。先般お手元にお配りいたしました「道路運送法の一部を改正する法律案説明要項」というのがございますから、これについて見ていただきたいと思います。  先般の議員提案の改正趣旨は、全面的に取上げさしていただいております。多少字句についてきわめて軽微な修正が条文的にされただけなのでありまして、この点は精神的にはまつたく同一でございます。便乗さしていただいたわけではございませんが、実施後一年間の経験にかんがみまして、どうしても実情に合わないから改正いたしたいと思う点をつけ加えさしていただいたのが数点ありますから、それについて御説明申し上げます。  まず第一は、第三条の関係でございます。自動車運送事業の種類についての定義を書いてあるわけでございます。これについて二、三改正をしております。第一は一般旅客自動車運送事業、いわゆるバスでございますが、これは従来表から定義を与えてなかつたのでありますけれども自動車運送事業のうちで最も代表的な事業でありますので、これに対して路線を定めて定期に運行する自動車により乗合旅客を運送する事業というふうに、定路線、定期、乗合旅客という三つの要件を全部具備すべきものであるというふうにいたしたのであります。第二のおもな点といたしましては、貨物自動車につきましも、定路線、定期、積合貨物という三つの条件を具備すべきものといたしたのであります。それに従いまして他の事業の定義を幾らか修正いたしましたが、実質的の変更はございません。  第二の大きな改正としましては、免許基準について改正をした点でございます。第六条でございます。第六条に従来は免許基準が五項目書いてございましたが、この内容について実際に合りように具体的かつ明確に修正をいたしました。特に公益上必要であり、かつ適切なものであるという趣旨を、新しい本法ではつきりとうたつた点が重要な点であります。第六条の第三項で、先般の改正案とまつたく同趣旨の、「運輸大臣は、免許の申請審査する場合において、前二項に掲げる基準を適用するに当つては、形式的画一的に流れることなく、当該自動車運送事業の種類及び路線又は事業区域に応じ、実情に沿うように努めなければならない。」ということをはつきりとうたつたのであります。  改正の第三点は、第七条でございまして、従来は免許を受けてから三箇月ないし四箇月のうちに準備を整えて運輸開始をすることになつておりますが、その際に準備がはたして完全にできたかどうかについて確認する方法がなかつたので、結局準備不十分のままで事業を開始して、途中でだめになつてしまうこともありましたので、新しい第七条では、運輸開始の前に運輸大臣の確認を得なければならないとした点でございます。  第四の改正は、運賃及び料金について、現在は一定額でもつてきめなければいけないとなつておりましたのを、新しい第八条の第三項によりまして、バス及びタクシー、ハイヤー事業以外につきましては、最高額及び最低額というものできめてもよろしい。つまり弾力性のあるものにしたのであります。また運賃、料金については、対距離制による場合には、運輸大臣がその距離を指定する制度も起しました。これは第八条第二項第五号でございます。  次の改正点としては、バス及び路線トラツクを代表的なものとして、定期、定路線、乗合または積合せということを条件にしましたので、それ以外のものが類似行為をしてはいけないということをうたつたのであります。それは第二十四条の二でうたつてございます。但しそのような場合でも、災害その他の緊急事態の場合、あるいは一般事業者によることが困難な場合に運輸大臣許可を受けた場合はよろしい、またトラツクについてはその鉄道あるいは路線、トラツクの貨物の集配の場合であるとか、多数貨物の集散する場合はよろしいということにして緩和規定を置いて、実情に沿うようにいたしてあります。  次はまた少し元ヘもどりますが、事業区域を定めるタクシー、ハイヤー事業であるとか、区域トラツク事業にあつては、従来はその事業区域から外に出る場合には、一々運輸大臣許可を受けなければいけなかつたので、はなはだ煩雑でありましたので、今回は事業区域から外に出る場合に、区域内と区域外とにまたがるような運送、言葉をかえて言えば区域内に出発地または到着地のいずれかがある場合には、そのような運送は許可を受けなくてもしてよろしい、区域外だけで動くことはいけないというふうにしたのであります。これは第二十四条になつております。  それから第四十三条の二というのを起しまして、事業者が法令違反その他の違反行為をしたような場合に、運輸大臣が免許の取消し、あるいは事業の停止ということができたのでありますが、そのほかにそれよりは幾らか軽い制裁として、輸送施設の使用の停止ということができるようにいたしました。そうしてその場合にはその車のナンバー、登録番号標というものを陸運局長が領置を受ける。また自動車の査証を返納させるということにして、処分の徹底を期することにしたのであります。  次の改正の要点は第八十九条でございまして、従来自動車運送取扱事業者、いわゆる水屋といわれるものは、区域トラツクでもつて貸切りのみならず、積合せ貨物の運送もできたのでありますが、これを大幅に全面的に認めますと、路線トラツク事業者に対して非常な影響を与えますので、これに対しては災害の場合、あるいは公衆の利便を増進するため必要であつて運輸大臣許可を受けたとき以外は、いわゆる貸切りを利用した小口混載運送をしてはいけないということにしたのであります。  次の改正は第九十六条でございまして、軽車両運送事業、つまり荷車、リヤカー等による運送事業の場合は、従来届け出ることにしているのでございますが、これを削除して、自由にして行政簡素化をしたのであります。  次は第九十九条でございまして、自家用自動車も従来は使用届出制度になつておりましたが、旅客自動車の自家用に限つては使用届出制を廃止して、これまた手続の簡素化をはかつたのであります。  改正の最も大きな点は第八章でございまして、これは先般の議員提案とまつたく同じ趣旨で、現在の道路運送審議会制度を全廃しまして、それにかわるべきものとして自動車運送協議会を置いたという点でございます。この内容は一部字句の修正を除きましては、全面的に先般の改正案と同様でございます。  それから聴聞制度を拡張しまして、行政の民主化を徹底させることにいたしたのでありまして、これは第百二十二条の二ということになつております。  最後に道路運送に関する団体は、百二十五条でもつて従来から届出することになつておりますが、その団体の行う事業を例示しまして、一号から十号まで掲げまして、業界の連絡機関であるのみならず、行政庁に対する法律遵守及び法律励行の協力団体である旨を明らかにした点でございます。  大体以上が改正の要点でございます。
  61. 關内正一

    關内委員長 法案に対する質疑は明日に延期いたします。     —————————————
  62. 關内正一

    關内委員長 過日の委員会におきまして、鈴木委員より国鉄総裁に対する質疑の留保がありましたので、この際これを許します。鈴木仙八君。
  63. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 お許しを得まして、依然として鉄道会館の問題でありますが、総裁にいろいろお伺いしたいと思います。  国鉄が公共企業体として全国津々浦々に網の目のように張りめぐされた厖大な延長を持つすばらしい交通網と、それに付属する莫大な営造牲の維持管理と、あの大組織の上に立つ事業の運用は、一見してきわめて容易ならざるものであることは十分私も承知しております。国鉄当局も一層視野を大にして、深くその公共性に一段の自覚を持たれ、地方の一寥たる停車場に対しても、今回東京駅八重洲口に払われたる関心と注意を集中されたならば、国家のためまことに慶賀にたえないと存ずるのでありますが、全国に鉄道施設のずいぶん改装、改善を要するものが、まつたくのしろうとの私でさえ何とかならないものかと思うものがたくさんにあります。一方八重洲口の現状は、今日の国力としてむしろそのままでもよいくらいに考えられますけれども当局としてのお考えは、国際都市の体面上、その表玄関に輪奐の美を施し、錦上さらに花を添えんとする形式至上主義にとらわれた配慮の上になされるとすれば、一応お役人としての習性の上からしかたがないとの見方もありましようけれども、長崎さんほどの御造詣の深い方に対して釈迦に説法でございますが、まつたくこれは権威に対する冒涜で何とも恐縮ですが、元来鉄道と一般地上交通の連絡と、最近の特異的な自動車利用の増加に伴い、駅前広場の必要性は一層強調され、これをもつてしても予想される非常災害の場合、あるいは緊急自体の発生に備え、その利用は痛切なるものがあります。現に都内各停車場付近はいずれも都市計画によつて、広場新設のために実に住民の多くは幾何百年かの愛惜を犠牲にして、涙ながらに立ちのきを余儀なくされている現状であります。そのために多くの悲劇をさえ生じつつあるほどであります。その広場の必要性とこれの確保には、既成都市東京だけに重大な善後措置を考慮に置かるべきでありまして、この東京駅の八重洲口のごときは、あれだけの雑踏に対しあれだけの広場さえしかなく、かりにあそこに十二階建本屋を新築されましても、その拡張のためまた新しい犠牲が予想をされるのであります。しかしてあの土一升金一升と申しますけれども、まつたく土一升金一石にもたとうべき住民の利益が、建築基準法の例外としての十二階建の高層建築出現の上、さらにより大きい住民の生活を脅威するところとならないか、それを考えるとき、私どもは何か胸に迫るものがあるのであります。それも国鉄自体のためでなく、鉄道会館の十二階建が、公益にあらざる利潤追求の私的営業のために、その建物がさらに坪数を増すことによつて、その割合でその付近一帯にそれだけ平面的な被害を及ぼす、またそのために住民の犠牲において、あつてもなくてもいい、むしろ住民の方ではない方が実害が伴わない、鉄道会館関係者の利益保全に国鉄が協力をするような感じを輿論に与える今度の事柄は、私はあまりといえば言語に絶するものではないかと非難しておるその人々の言葉を信じないわけには行かないのであります。住民をとりつぶして恬として恥じないというようなことは、古来日本の政治や歴史にもあまりその類例を見ないのでありますが、どんな方法と交渉の結果、いかなるテクニツクでこの建物が、建築基準法の例外としての許可が得られることになつたか、将来の参考に資したく、また広く輿論にこたえるためにも、総裁の御明確なる御答弁を承りたいと思います。
  64. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 八重洲口の周囲の点につきましては、私と鈴木さんとは多少意見を異にするのであります。私はあれをあのままにしておくということは、いかにもまわりの美観から見ましてもあれは放置できない。やはり停車場というものはつくらなければ、東京駅の八重洲口としてはあまり見すぼらしくして、まわりから見ておかしなものではないかと私は考えます。この点はいささか鈴木委員と所見を異にいたします。どういうふうにしてあの会館の十二階が許可されたかということは、当事者でなければよくわかりませんですが、私の聞いておりますところでは、東京都にある建築に関する委員会の議を経て東京都知事の許可を得たと考えております。その他種々の整備あるいは都市計画というような問題は、首都建設委員会あるいは建設省、東京都、国鉄というふうなところで、三者協議によつて今後行わるべきものでありまして、その点については鈴木先生の御意見を十分尊重して参りたいと考えます。
  65. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 総裁は先般も名古屋、大阪その他の駅がきれいになつた。東京の表玄関であるあの八重洲口をあのまま放置しておくことはできない、だからきわめてりつぱなものをつくりたいというふうな御答弁を先般聞きました。ところで私のお尋ねしたいところは、たしかあの駅をつくるには、四千九百坪の国鉄の所有地と申しますか、それが提供になつている。しかもその上に、建築基準法では大体三十一メートル以上のものはできないということになつておりますのが、二十メートル増で五十一メートルの高層建築をあそこにつくり上げる計画が着々として実現されておる。先般いろいろ資料を頂戴いたしましたが、きわめて不明確なのでございます。大体国鉄株式会社鉄道会館とのとりきめにおきまして、資料を提出された範囲内においては、たしか一階の駅そのものの本屋に対する建築費は国鉄がこれを負担をし、そうして最も強固であるべきところのいわゆる高層不燃建築に対する基礎工事は、分担をするというふうに私は考えております。国鉄自体が、あなたのおつしやるりつぱな駅舎をつくりたい、これはきわめていいでしよう。しかし十二階の一階だけを駅舎として使つて、その上の十一階が、あるいは百貨店、あるいは浴場、あるいはホテル、そういうものに使われるということでございますが、あなたの方ではどういうふうなとりきめで、株式会社鉄道会館に対してその土地を提供されたか。これに対して、私はその内容はよくわかりませんが、私が考えますのに、現在あの地区の地上権利は相当なものではないでしようか。あの地区にまずそれだけの高層の建物をつくるには、これは利用度がかなり多いと思うのであります。従つてあの土地の地ぐらいというものは、すこぶる高額なものであると思いますが、これをどういうふうに国鉄当局株式会社鉄道会館に対しておとりきめになつておるか。これは重大なところであるので、これをはつきりとお示し願いたいと思います。
  66. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 土地は提供いたしたのではありませんで、国鉄が貸すのであります。だから料金等につきましては今後の折衝にまたなければなりません。
  67. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 料金等に対しては今後の折衝にまたなければならぬということですが、私はどうもそこが困ると思うのです。あれだけの土地を貸して、しかもその地代のとりきめさえも行つていない。あまりそれは国家に対して不親切です。あれだけの土地は、だれに貸しても相当な金が——国鉄がとれることになるかどうか知りませんが、かりに寄付という形をもつてその金は受領できぬのか、それをひとつ聞きたい。
  68. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 土地の料金のとりきめをしないのはけしからぬというお話でありますが、これはやはり一般の賃貸借との振合い等もあり、それを比較考量して決定するのでありますから、さような不当なことは行われる余地はないと私は考えます。
  69. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 はなはだどうも総裁の御答弁はあいまいなんです。私どもの社会通念といたしまして、かりに私を甲とし、乙を地主として、その乙の地主から家を建てるからその土地を貸してくれと言われても、そういうふうな簡単なことでは契約はできません。ものを建ててしまえば、地上権利というものは社会通念としてなくなつてしまう。今後に残された問題であるというが、今後地代を幾らとるかということもお考えにならずに、あれだけのすばらしい高額なものを、しかも民間営利会社の株式会社鉄道会館にそんなあいまいなことであなたはお貸しになれますか。
  70. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは国有財産の処理の規定があるそうでありまして、それによつて決定されるのであります。それから御承知のように土地そのものは私どもの方でも使うわけであります。一階、地下一階というようなところ、あるいは地下の二階でありましたか、はつきり私は記憶しておりませんが、こちらも使うのであります。
  71. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 そんな御答弁では私は満足できない。こちらも使うのはあたりまえなんです。そこが私にはあいまいなのであつて、いわば一階は自分の方の駅が使うのだ、だから土地を提供してもいい、また国家財産の処理であるからそれを研究しなければならないというが、研究するのが先でなければならない。あとで研究したづて何にもならない。しかも私はこういうふうなことは申し上げたくないのだが、あの四千九百坪の土地、しかも東京の表玄関とあなたはおつしやるが、まわりがきれいになつたから、きれいな駅舎をつくらなければならない、東京で一番の駅をつくるというその考えはきわめていい。しからばそれだけに高額な土地であり、しかも国家の土地である。国鉄自体がもうかつているならば、私どもが小さい駅の改造、あるいは危険に瀕している陸橋のようなものをこしらえてくれとか、改造してくれとかお願いしたつて、これにはきわめて冷淡である。これは今までの例を考えても、私ばかりではない、国会議員のほとんどは国鉄に対してはあいそうをつかしているかもしれない。それであるのに、前の国鉄総裁の加賀山さんや、そういうふうな施設に対して十分な考慮を払い、研究、努力をしなければならない立場に置かれている前の施設局長の立花次郎君が専務取締役になつて、あなた方のうちでよく相談をして、国鉄の中でこれを計画をし設計をして、国家の金を使つてでき上つたものを、土地はただでいいから建てろなんていうずさんなことがありますか。国鉄は国家の金を使つて、その事業がもうかつていなければ、やれ運賃の値上げだということになる。また私どもかあなた方にお願いして、駅の口一つふやしてもらいたいと言つても、人件質がかかるからそういうことはできないと言つているのに、あの八重洲口の敷地四千九百坪、まあ坪四、五十万するでしようが、それを換算してこらんなさい、十億、二十億という金が出る。その金をもつてしたら、全国の小さな駅の改造なんかは幾らでもできるではありませんか。それを私はお尋ねしたい。これはあなたの財産じやないのです。国鉄総裁の財産だつたら、この土地をただでその会社に貸してやるのもいいが、あなたの財産じやないのですよ。いかに独立採算制をとつていても国家のものだ。もう少し親切な御答弁をしてもらいたい。
  72. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私はあの土地を鉄道会館にただで貸すというつもりはありません。私人の土地の価格とか貸賃というものがございますから、相当な貸賃をとるつもりであります。しかしてそういうことは先ほども申しましたように、財産の処理規定によつて定められた法則がありますから、それに照して行こうとする方針でございます。
  73. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 この間この委員会資料を提出してくださいとお願いしたのですが、資料の提出にあたつてはきわめてどうもずさんなごときり書いてない。   東京駅八重洲口本屋建設に伴う費用負担及び構内営業その他について   昭和二十八年六月二十七日    日本国有鉄道   (高架下、鉄骨建物等の工事費)  第一条 別紙設計図の高架下、鉄骨建物、ひさし及び上家の工事費は、それぞれの使用区分により国鉄及び会社が負担し、共用部分は折半負担とする。但し、附帯設備については別途指示する。   (駅本屋の工事費)  第二条 基礎部分の工事費は、折半負担とする。  第三条 躯体は、一階以下の部分については高層部分を附加するため一階以下の胴体が強化される部分の費用は会社の負担とし、その他は国鉄の負担とする。二階以上は全額会社の負担とする。  第四条 仕上は、国鉄及び会社がそれぞれ使用部分の工事費を負担し、共用部分は折半負担とする。  第五条 附帯設備のうち電気関係の電源設備は国鉄が負担し、配線以下の設備は使用区分によりそれぞれ負担する。冷暖房、エレヴエーター、諸機械、給排水、消火等の諸設備は全額会社の負担とする。   (林産の区分)  第六条 高架下については、会社専用部分の軽間仕切、暖房、照明を会社の財産とし、他は国鉄の財産とする。  第七条 鉄骨建物については、工事しゆん功後は会社の専用部分は会社の財産とし、その他は国鉄の財産とする。  第八条 ひさし及び上家は、すべて国鉄の財産とする。  第九条 駅本屋一階以下は、機械関係の諸室、諸設備及び会社専用部分の軽間仕切、照明等を会社の財産とし、他はすべて国鉄の財産とする。二階以上は会社の財産とする。   (工事施工)  第十条 設計及び施工については、国鉄と会社とが協議して定める。   但し、駅部分については国鉄の決定による。   (構内営業及び広告)  第十一条 この施設内における営業については、日本国有鉄道構内営業規則を適用する。但し、営業者の選定については、国鉄は会社の意向を尊重し、会社は営業種目の選定については事前に国鉄の承認を要する。まだございますけれども、契約の内容については、あなたはちつとも土地に触れてない。しかも建つたものはどけることもどうすることもできない。それなのにこういうような契約の内容で、きわめてずさんです。あなたは日本国有鉄道の利益ということは少しもお考えになつておらぬ。営利会社——株式会社鉄道会館のごときり考えてない。こんな契約はばかばかしくて、私たちはこの契約を見て唖然とした。それでまだその付近の土地がどうであるか、こうであるかわからないから、付近の土地を研究するとか、調べて地代をきめるとか、あるいはその地上権をきめるとか、そんなばかなことがありますか。一体国有鉄道はもうかつておりますか。国費を使つて年中赤字々々じやありませんか。そうしてこういうような厖大な財産——それもいいですよ。国有鉄道が至るところに目を配つて、大衆のために、乗客のために、ちつともそういう本来の仕事をしないで、こういうようなことにばかり専念をしておるかつての総裁あるいは施設局長、またそれがわかつているのか、わからないのか、あなたのような御答弁では私は納得できません。もつとあなたは交渉しなかつたのですか。この機会にちよつとお尋ねしますけれども、一体工事の分担金について、国鉄はすでに株式会社鉄道会館に何分お支払いになつておるかどうか、それをひとつ御答弁が願いたいと思います。
  74. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 こちらの分担金はまだ払つておりません。一文も払つておりません。
  75. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 それではこの工事はどの程度に進捗しておりますか。
  76. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私は詳細なことはわかりませんが、せんだつてちよつと報告を受けた結果によりますと、高架下がやや完成しております。それから本建物の方は根掘りをやりつつあるということであります。
  77. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 高架下は完成して、すでに新聞等によれば各著名なる商店が、ここに店舗を広げておるというよなことを聞いております。私も現場は視察しておりませんが、しかしこれに対しては株式会社鉄道会館は、相当なるところの権利金等もとつておると思う。それから将来の駅の上屋以上十一階に対しても、相当なものをとつておると思う。あなたはお調べになるとか、わからないとか言うけれどもちよつと考えましても最近のビルの値段というものは、権利金が坪当り二十万とか三十万とか、相場がきまつておるようです。しかもあなたが日本一の場所であると自認されておるあのところは、相当なものが私がとれると思う。また家賃としても株式会社鉄道会館に人づて来るものは、高額なものじやないかと思います。そこでこの際ちよつと伺いますが、あの高架下の通路は、いわゆる宮城方面に招けるのですか。在米の駅本屋の方と八重洲口の方と貫通するのですか。それをちよつとお伺いしたい。
  78. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは貫通いたしております。但し車は通りません。自転車程度ならば通ります。
  79. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 これは株式会社鉄道会館が経営しておるのですか、そうじやないのですか。
  80. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 これは国有鉄道でやつておるのであります。
  81. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 きようは時間がありませんからこの次に譲りますが、あなたは付近の土地の実情を考えてその地代等のとりきめをやる。またその地上権と申しますか、それらに対してもとるというふうにおつしやつたように思いますが、それに間違いありませんか。
  82. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 それらを勘案しまして、今後の構内営業と申しますか、営業の料金というものとつて行きたい、こう考えております。
  83. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 構内営業といいますが、建物自体を建てさしたことに対する地上権というものは莫大な金です。この莫大な金をあなたはおとりになるように今御答弁になつたのですか、そうじやないのですか。
  84. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 土地全体については、やはり国鉄の方でもその土地を使うわけでありまして、これらの計算の仕方は、いろいろめんどうな問題が残されておると思います。
  85. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 そこが私はあいまいであると言うのです。国鉄が使うと言うても、国鉄が使うのは一階の大半でしよう。ここだけです。それの上に乗つて行く十一階のものに対しては、あなた方は家賃もとれないのですよ。株式会社鉄道会館の財産になつてしまうのですよ。そこから家賃をとれないのですよ。営業内容を調べてと言うが、そんなものは枝葉末節ですよ。駅の構内の書籍店か、くだもの店か、まあ私の想像するに、その収入は大したものじやないと思います。その上に乗つた十一階分の家賃に対しては、いかに国鉄総裁といえども、でき上つてしまえば、民間の財産ですから容喙ができない。そこで地上権というものが大きな財産になる。それに対して、軽々にものを貸して、建てることに承諾をして、この契約内容、これは一体何です。こんなことでは私どもは納得できい。運輸大臣にもこれは話さなくちやならぬ。そこであなたがお考えになつて、これでいいと思うかどうか。これをほんとうに掘り下げて、国鉄株式会社鉄道会館から、地上権に相当する額のものを寄付させるか何かの方途を講じられるかどうか、私は聞きたい。
  86. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 私はそれをどういうふうにわけてとるかは別としまして、こちらも使つておるし向うも使つておるのでありますから……。
  87. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 あなたはこちらも使つておるということが逃げ口上だ。ちよつとお尋ねしますが、国鉄が建物を建てて、民間に貸せるようなことがあるのですか、ないのですか、それを聞きたいと思うのです。
  88. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 かりに一時使用というようなことはございますが、永久的な使用の契約は、かつて例がないと思います。
  89. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 一時使用という例がありますならば、株式会社鉄道会館に貴重な土地を貸して、そこに建物を建てさして、これに莫大な利潤を追求させるよりも、今赤字で苦しんでいる国鉄自体が、なぜあれを建てないか。なぜ建ててそうして一時的な契約ででもよそへ貸さないか。しかも私の実に残念に思うのは、あの鉄道会館をつくるということは、今始まつたことじやない。前の国鉄の総裁や立花施設局長の現任の当時に、図面もこしらえ、新聞にも発表されている。かなり鳴りもの入りで宣伝もされている。それでものを建てるには、土地が第一優先じやありませんか。その土地を契約するにあたつて、何ら考えもなく、ただそこべものを建てさせて、こつちも使うのだという、そんなばかなことはありませんよ。使うのはわかつていますけれども、十一階というものを建てさせ、さらに地下二階、地下だつて相当なものでしよう。国鉄の財産はわずか駅の本屋だけで、あとはみんな株式会社鉄道会館のものになつてしまう。これは一般民間の取引だつたら、とんでもないことですよ。それをあなたがあなた自身の考え方で、これから研究するのだ、しかしこつちも使うのだからというふうな御答弁では、どうも納得ができない。本日はこの程度に打切つて、この次にはつきりした御答弁をしてもらいましよう。
  90. 松井豊吉

    ○松井(豊)委員 ただいま株式会社鉄道会館の建物について、鈴木委員より詳細なる質問があり、また総裁からはそれに適当なる御答弁があつたようでありますが、私は静かに聞いておりましたが、少しは総裁が答弁に対する徹底を欠いているような点もあると思う。私は、時間がありませんから二、三分間お伺いいたしますが、総裁に、この土地を株式会社鉄道会館に貸すという全権があるのかどうか。それからこの工事に対する土地を借用する関係、また鉄道会館が主体となつておると信じておりますが、土地を使用させるにあたつて、何らかの確たる契約ができておるかどうか、それから請負人はどなたが請負つて工事をしておるか、この三点をお伺いいたします。
  91. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 お話のように、この構造物は非常に複雑であります。確かに土地は国鉄が提供する。その国鉄の土地の上に、こちらの必要な駅舎をつくる。しかしこれは一階かそこいらで、あるいは地下一階にわずかのところがあれば済むのであります。しかしそれではあまりにも土地の利用方法がもつたいないのじやないかということは、お考えになるだろうと私は存じます。では徹底的に国鉄が全部の建物を建て得るかと申しますと、国鉄経営上必要のないものを持つことは、今日の国有鉄道法では許されておりません。そこでこの土地の利用を、ただ一階にのみ、あるいは一階と二階にとどめるというようなことはもつたいないから、何とかいい利用方法はないものかという結果が、今度の鉄道会館の計画となつて現われて来たのであります。
  92. 松井豊吉

    ○松井(豊)委員 第一点の、株式会社鉄道会館に貸し与える、分担的に利用するという御答弁でございましたが、私は、この建物が今日の姿になるまでの総裁の権限があるかどうか、お伺いした次第であります。
  93. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 そういうことはできると思うのであります。
  94. 松井豊吉

    ○松井(豊)委員 大きな事件であります。鈴木委員からいろいろ内容を掘り下げた御質問がございましたが、これは前例にもなり、また悪例にもなるような、日本鉄道関係全般から参りましても、大きな問題があるいは生じないかとも考えられる。これらについては相当調査研究する必要もあるでしようが、全国一の都会地であるこの東京駅の八重洲口の玄関にこれを建てることは——総裁の御答弁のうちに何回もございましたけれども、まず土地を貸し与え、建物を建てれば、建物を建てた者の権利であります。これはどうにもなるものじやございません。これらの問題についても、ただいま総裁は、鉄道に力がない、一階程度の建築くらいの費用は負担ができるかもしれないが、そういう関係で、もつたいないから利用したものだというような御説明でございましたけれども、その程度のものじやないとわれわれは信じております。一体一階の建物の工費はどの程度かかるものでございますか、その点をお伺いいたします。
  95. 長崎惣之助

    ○長崎説明員 全体のごくわずかなパーセンテージと記憶いたしております。詳しいことは調べて申し上げます。
  96. 松井豊吉

    ○松井(豊)委員 総裁はあまり具体的、根本の問題に対して、御勉強なさつておらないようであります。私もこの関連した問題に対して若干調査研究してみたいと思います。次回に詳細にお伺いいたします。きようの総裁の御答弁は、少しは不用意の点があると私は思う。もう少し慎重に御勉強なさつて、われわれ第三者がお伺いいたしましても、納得できるような答弁を願いたいと思う。
  97. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 私はもう質問しまいと思つたのですが、最後に総裁にお願いしておきたいのです。この次の委員会においでになるまでにはよくお考えになつて、付近の土地の相場と申しますか、地ぐらいというか、それを御研究になつて、それから今建てられている各種のビルの内容、賃貸借に対する権利、そういうものを、あれだけの大機関を持つていらつしやるのですから、よくお調べになつていただきたい。私の言うことは、おわかりにならぬかと思うのですが、建築基準法で三十一メートルきりできないものを、あなたが今おつしやつたところでは、一階ではさびしいから二階、三階とこしらえて、りつぱなものをつくりたい、これはあなたとしてよろしいのです。ところが三十一メートルを越しておるものは、日本にはあまり類例がない。東京にはあるいはどこか一箇所ぐらいあるかもしれませんが、こんな高いものはできておりません。二十メートルよけいなものをつくる。そうすると建築基準法から行くと、対側との幅一・五倍以上ということから、七十五メートルかそれ以上の広場をつくらなければならない。その点に対してはあなたはいろいろこうだ、ああだと、これが許可になるだろうというような御答弁を先ほどされましたが、私が言つた質問の趣意をはき違えている。もしこの高層建築をあなたのお考え通りにつくつた場合、国鉄では金がないから、人にもうけさしてもつくろうというあなたのお考えはけつこうですが、そのために広場をつくる上において、どのくらい犠牲を払う人があるかしれないと私は考える。これが重天なんです。それからあなたが、あくまでも国鉄でも使うのだからというふうなお考えでありたら、大きな間違いだ。日本全国至るところに、かつて国鉄の勢力者が首をつつ込んで、こういうふうなものができて来る、そういう場合にあなたの方では、今のような精神で、ただで土地を提供するというようなことは、はなはだ申し上げにくい言葉ですが、国家のどろぼうにひとしいですよ。国賊ですよ。あなたの土地じやないのですから。何たつてそうでしよう。とにかく国鉄は決してもうかつていない。二十六年度においても、千八百億の売上げで二百億の赤字ということは、はつきりは知らないが、そういうように聞いている。それによつて大衆はただちに二割五分の値上げを受けなければならぬ。全国の鉄道はほとんど株式会社で、黒字になつて、税金を納めている。国鉄は税金がないでしよう。そういうふうな経営のやり方をして、年中金がない、赤字で候、赤字で候と言つておりながら、片方でこんな大きな抜け穴ができてしまえば、黒字になりつこはない。あなたは国鉄で一番えらい大将ですから、国民の血税を抜け穴にぶち込むようなことはやつてもらいたくない。そこなんです。今あなたのおつしやつた答弁株式会社鉄道会館に対して、これから先交渉するのだという言葉を私は信じておきましよう。ただあなたの逃げ口上みたいな、自分の方でも使うのだから、土地はただでもいいというような考え方は、絶対に出してもらつては困る。しからば今後だれにでもそういうふうな取扱いをしますか。今度委員会においでになるときには、きようこの問題でわれわれみたいな盲滅法の質問をされようということは御承知なかつた上でしようが、あまりにも答弁が粗雑です。あまりにも軽々しく考えておる。あまりにも不勉強です。あなたが不勉強ということは、ただちに国民のふところに響いて来るのですよ。あなたの金ではないのです。私がかりに国鉄総裁なら、あの会館をつくらせるならば、十五億でも二十億でも国家に寄付させますよ。日本全国の鉄道行政のよくおわかりになつておる練達堪能のあなたに、そういうふうな軽々しいことをやられては、国民はたまりませんぞ。国民はほんとうに泣かされますぞ。これは国家のどろぼう以外の何ものでもないと私は思うのであります。
  98. 川島金次

    ○川島(金)委員 鈴木委員の御質問、それに対する総裁の答弁を承つておりますと、私不敏にしてこの問題はまつたく関知しておりませんでしたが、今の質疑応答から受けました感じからいたしましても、きわめて重大な事柄のようであると私も考えました。従つてこの問題につきましては、今後私どもも一応調査をして、さらに私どもは私どもの別な観点に立つて質問申し上げ、疑問を解きたいと考えます。その調査資料として、これは当るか当らぬかわかりませんが、池袋停車場デハートに対しては、どういう形式において契約されておるのか、その後どういう事情になつておるかなどについて、今総裁がお知りであるならばここで伺つてもよろしいし、詳細がわかつておりませんければ、これも鉄道会館と同様な形において、できるだけ詳しい資料をこの委員会に出していただきたいと思いますので、それをつけ加えて申し上げておきます。
  99. 關内正一

    關内委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後五時十七分散会