○石井国務
大臣 内
航船の問題は、お聞きくださいました
通り、今度の
外航船の
計画造船に合せまして、
外航船一隻こしらえるにつきE型船二隻をつぶすということにいたしております。それは内
航船が過剰でありまして、今の国内の輸送
関係からすれば、このE型船はできれば百隻ぐらいをつぶすとぐあいがよくなるといわれるくらいでありますので、いろいろなことを考えておりますが、なかなか今までのいろいろな沿革もありまして、今度のような
方法でようやく六、七隻の船をつぶすということになりますれば、まずまずというところになるのではないか、こういうように思
つております。今所によりまして、ある船においては不十分なものもあるということは想像できますけれども、全体的に見ますと、今のような過剰な状態でありまするから、別に
造船の方の援助、
補助をいたしておりませんが、一方船の建造というものもちやんとや
つております。特に人を輸送する船におきまして、海難のおそれあるものは十分に注意をいたしまして、改装その他の
方法をとらせるということをこの上ともや
つて行きたいと思
つております。
それから
造船の問題でありますが、これは今お話の
通りの情勢にあります。しかし
外国用にプラント輸出として出す
造船の製品は、ただいたずらに
政府の
補助等によ
つて、すなわち
国民の税金によ
つて輸出奨励をやるという、その日暮しであ
つてはならないということは当然考えます。この問題の一番の
方法として考えられますのは、これは
海運の場合と同じに、第一に
金利の問題、第二には税金の問題でありますから、こういうものを低下する。特に輸出入銀行の利子を下げまして、長期にわた
つての貸金の回収等にあたりましては、業者に利子の
負担とそう行かないようにするというようなことなどを考えることが、まず考えられる問題であります。しかしこれだけではまだ
外国との船価の比較の上において、一割強
日本が負けておるものをどうしてもカバーできない。この問題で考えられるものは、
造船に使います特殊鋼板の
補助でありますがこれもどこまでできるか、私もつと詳しく承知したいと思
つて今話して頼んでおりますが、たとえば八幡の製鉄所で
造船用の厚板をこしらえる。そうすると聞くところによると、工場の配置がえその他をやりまして、ここ一、二年のうちにはそのために製品の質も相当よくなる、値段も下る
方法が考えられるということを聞いたのでありますが、それが数字的にどのくらいかということはまだ聞いておりません。そういうようなこと、それからだんだん技術のなれによりまして、今イギリスと比べてトン一万円も違うというものが、その差が狭まるような状態になりますれば、さつき申し上げた利子と税金の問題と合せまして、これによ
つて競争できるようになるというので、これが二年とか三年とかの期限を付して援助すれば回復するものは、私はこの際
競争しても
外国に負けないように注文をとるために、期限を置いてのことなら援助してもいいのじやないか、こういうふうに思
つております。まだこれらの点がはつきりはしておりません。そういうような線で、あなたのおつしやるような
国民の税金に迷惑をかけないで、できるだけ多くの注文をとるというような筋であります。ところが一方考えなければならぬのは、このために幾らかの金がいるのでありますが、片一方に品物の注文によ
つて外貨をうんととるということで、相当大きな利益がある。これは数字的に出すといろいろおもしろいものが出て来るだろうと思う。まだはつきりしたものはありませんが、そういうふうな大きな立場からして、結局
国家のもうけになるような
方法でこの問題を解決して行きたい、こういう占うに思
つております。
それから輸出船及び国内需要船の建造
計画に対してでございますが、今年度三十万トン
外航船をこしらえるつもりであ
つて、この間、本年度に入りまして九万何千トン、約三分の一注文を出しました。引続き出したいのでありますが、御承知の
通り予算がありません。それでは十万トン分だけなぜ出せたかと申しますと、特別に予算の配賦を受けましてそれだけや
つたのでありますが、あとの二十万トン分に匹敵するところの
財政資金、われわれの
計画いたしておりまする
方法による
財政資金は、今度の予算が通らないとやはり自由にならないのであります。延びてはなはだ残念でありますが、来月の末には、予算がかりに通ると仮定いたしますと、そのころまでに各船主から船の申入れを受けまして、準備を終
つて予算が通過いたしますれば、すぐにも船主が注文を出せるようなところに持
つて行きたいと思
つております。ただそういう場合に、この前と違うのは、
市中銀行の方で、どうしても今までの
方法では
海運業者に対する融資がなかなか困難である、もう少し何とか
政府の方で考えてくれというような問題がありますが、こういう問題は、さき申しまする利子の低下というような
方法とあわせて解決しなければならぬので、せつかく
努力中であります。