○岩間正男君 あなたは何か共産党のなにということをおつしやいましたね。いつでも共産党、共産党と
言つて、共産党を言えば何か問題が
解決するような錯覚を持つのはやめなさい。とんでもない話だ。ここに理由を示します。例えば米軍の撤退についてこれは
日本国民が希望していないようなことをあなたたちは
言つている。ところが見て御覧なさい。例えば最近の輿論調査は随分これは変
つて来ています。一例を示して見ます。朝日新聞の二月十一日の世論調査であります。これによりますと、第一に米軍の問題、あなたはアメリカ軍隊に引続き
日本にいてもらいたいと思いますか。早く帰
つてもらいたいと思いますか。これに対して、いてもらいたいというのは三三%、帰
つてもらいたいというのが四二%であります。意見なしが二五%であります。これは一年前、何年前の調査から見ればものすごいこれは変化であります。こういうことは
言つていなかつたと思う。ところがこのような事態がはつきり輿論調査にも現われているのであります。それからアメリカは
日本に軍隊を置いたり、大砲や戦車、軍艦などを貸したりしていますが、これは
日本のためを
考えてのことだと思いますか。アメリカのためを
考えてのことだと思いますか。
日本のためというのは七%に減
つています。アメリカのためだというのが四四%であります。その他双方のため、その他、わからない、こういうふうにな
つておりますけれども、アメリカのために
日本が使われ、そうして基地化され、これによ
つて軍事化され、
日本の
国民と
国土が挙げてそつちのほうに持
つて行かれるということについては、
日本のためにや
つているというのが七%に対しまして、アメリカのためだというのが四四%にな
つている。こういうことを見て頂きたい。又これと関連しましてアイゼンハワーのアジアの
政策、巻返し戦術、こういうものについてどうか。こういうことにつきましてもいやな気がしたというのが一九%、今更無責任な発言だというのが一七%、
日本は戦争に巻き込まれたくないというのが七〇%、こういうことを認めている。当然だ、それでよいというのは六%、これはあなたたちの仲間かも知れないのであります。(笑声)こういうふうにものすごいのです。又こういうような巻返し戦術によ
つて平和が来ると
考えているのが八%、平和は来ないと
考えているのが三九%どちらともいえない、これが一六%、わからない三七%、こういうふうに輿論がはつきり示していると思うのです。又朝鮮戦争についてこれは早く終つたほうがよいというのが八五%、もつと続いたほうがよいというのがこれは大体特需
関係かも知れませんが、これは三%であります。(笑声)こういうふうにはつきり
日本国民の輿論が示しているのだ。最近の姿だ。私は根拠なく
言つているのではない。何でもそれを共産党、共産党の主張だとか……共産党は無論
日本国民の大多数が当然民族の独立と平和のためにや
つて行くその問題について闘うのは当り前じやないか。政党の任務です。それをや
つて当り前だと思う。そういう点ではむしろ我々の主張が全
国民の主張に合致して来るのは当り前だ。あなたたちこそはずれている。こういう点から
考えて
吉田総理の私は一言承わ
つて私の
質問を終りたいと思うのでありますが、少くとも輿論政治ということを前提にされている、民主主義の政治を前提にされているその立場におきまして、このように
日本の輿論が最近大きな変動を示している。この事実は何かというと、あなたが和解と信頼、そうして必ず講和を結べばよくなる、今までよりも悪くなるはずはないと
言つて結ばれたところの講和条約が一年後には現実的に目に余るところのいろいろな態勢、我々は
一つの軍事基地化だけの問題を通じてこのことを申したに過ぎないのでありますが、経済の面、外交の面、内政の面、最近の場合五大法案に関連した逆コースの面、あらゆる面において
日本の戦争の危機を非常に我々は
考える。これに対して不安でたまらない。それから現実に
生活が脅かされていることが起
つている。
従つてこのような
国民の輿論に対して
吉田総理ははつきりこの
国民の輿論を聞いて、これに善処するところの政治をすべきであると思うのでありますが、これはどう
考えられるか。私は
吉田総理の最後の答弁を求めるところであります。若しもこのような輿論の政治を、輿論に対して真剣率直に聞いてこれに従うところの政治をしないというなら即刻
吉田内閣は退陣すべきだ。私はそういうことを附加えまして
総理の最後のこれに対する答弁を求めます。