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政府委員(斎藤昇君) 二十九年度に相成りますと、
先ほど申しましたように、国の費用は警察庁即ち
只今の
国家地方警察本部に相当する組織でありますが、警察庁の費用とそれから
地方警備局の費用これは
先ほども申しますように、二十九年度におきましても若干減少はすると思いますが増加はいたす必要はございません。問題は国家
地方警察の
都道府県において支出しておりまする現在
都道府県警察ができ上りました後に、その
都道府県警察に対する国費との差額がどうなるかという問題に相成るのでありますが、
都道府県におきまする警察費は警視以上の人件費、これは現在国家
地方警察におります警視以上の者、市町村から入
つて来る警視以上の者全部に相成ります。この人件費とそれから国費で支弁をいたします
都道府県に要する費用、それは警察用の例えば装備費、車輌でありますとか、船舶その他の警備装備費或いは教養施設、通信施設、警衛に要する費用とい
つたような国で持つ必要があると考えられる費用、この両者になるのでありますが、人件費を本庁及び
地方警備局それから
都道府県の警視以上の費用、これを合わせまして約三十億程度でおさまるであろうと考えております。それ以外に国が直接持ちまする警察の費用は百数十億で足ると考えておるのであります。二百億以内でおさまると考えております。従いまして現在二百二十億でありますから、国の直接支弁となりまするのは本年度よりも減ずることに相成ります。ただ、
都道府県において
負担をいたします費用、これの一番大きいのは警部以下の警察職員の費用でありますが、それとそれ以外の普通の警察の費用、これに対しまして国は一部
負担をすることができるとな
つておりますから、我々の望みといたしましては、少くとも二百二十億から直接国が支弁する費用を差引いた残額が、これは
府県に補助として出してもらうように、来年度二十九年度の
予算として編成をいたしたいと思
つております。少くとも直接国費は減るわけであります。それで問題は市町村が全警察費を二十九年度は支出する必要がなくなりまして、その支出の大
部分は
都道府県へ移りますから、問題は
府県のその
財源をどうするか。今日市町村の警察の費用
総額は今まで我々のほうに報告を受けましたのは、二十七年度の中頃までに議決された
予算でありまするが、それによりますると二百六、七十億であります。これをべース・アツプいたしまして、そして来年度二十八年度の
予算として我々推定をいたしておりまするのは、三百十億と、かように考えております。国家
地方警察は二百二十億でありまするから、この両者を合せまして五百三十億、全体の費用で五百三十億、そのうち国費は
先ほど申しましたように、二百億以内で二十九年度以降は足ると、こう考えまするが、少くともその三百十億程度のものは
府県に費用の
負担者は変るわけでありますから、その
財源を一体どうするか。これは
平衡交付金の操作だけでは賄いがつきません。御
承知のように
富裕府県は
平衡交付金をもらわずにおいておりまするから、この
平衡交付金を
府県へ移し替をするというだけでは
措置がつきません。従いましてここに
府県と市町村との間の或いは税制その他の
措置によりまして、他において不要と
なつた
財源を
府県へ移し替える
措置を何らかとらなければなりません。自治庁長官も言明しておられまするように、来年度までには、他方税法等の
改正によ
つて府県、市町村、国との
負担関係の
調整を図りたい、かように言明をしておられまするが、その際にそうい
つたことを織込んで、
府県と市町村の
財源の
調整を図りまして、実行をいたすのに支障のないようにいたしたい、かように考えておる次第であります。