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1953-02-19 第15回国会 参議院 予算委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月十九日(木曜日)    午後一時三十五分開会   —————————————   委員の異動 二月十六日委員松定吉辞任につ き、その補欠として、深川タマヱ君を 議長において指名した。 二月十八日委員西郷吉之助辞任につ き、その補欠として岡本愛祐君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            左藤 義詮君            内村 清次君            永井純一郎君            木村禧八郎君    委員            石川 榮一君            石坂 豊一君            石原幹市郎君           池田宇右衞門君            大矢半次郎君            川村 松助君            郡  祐一君            杉原 荒太君            鈴木 強平君            岡本 愛祐君            高田なほ子君            羽生 三七君            加藤シヅエ君            曾祢  益君            棚橋 小虎君            西田 隆男君            深川タマヱ君            堀木 鎌三君            千田  正君   衆議院議員            田中 角榮君   政府委員    行政管理政務次    官       中川 幸平君    大蔵省主計局長 河野 一之君    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君    建設政務次官  三池  信君    建設省道路局長 富樫 凱一君   事務局側    常任委員会専門    員       野津高次郎君    常任委員会専門    員      長谷川 喜作君    常任委員会専門    員       正木 千冬君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十八年度一般会計予算内閣  送付) ○昭和二十八年度特別会計予算内閣  送付) ○昭和二十八年度政府関係機関予算  (内閣送付)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) これより委員会を開会いたします。  本日は先般の委員会決定によりまして、道路整備財源等に関する臨時措置について皆様の御意見を取りまとめ、建設委員会に申入れたいと思うのであります。なお、本日は参考人として衆議院議員田中角榮君及び政府当局から出席されておりますから、御質疑のあるかたは順次御発言を願います。  御発言に先立ちまして、この案についてなお皆様相当疑義があると思いますので、提案著たる田中君から一応案の説明を願いたいと思います。
  3. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 只今議題となりました道路整備費財源等に関する臨時措置法案につきまして簡単に提案理由を御説明申上げます。  我が国の道路の現況を見まするに、国道都道府県道を合せましてその延長約十三万五千四百キロに達するのでありますが、このうち一応改良されたものはその約十三%に過ぎないのでありまして、残る八七%、即ち延長十一万七千四百キロは未改良道路であります。而もその中には約一万六千キロの自動車交通不能の区間を含んでおるのであります。なおこれに加えてこれらの道路の大部分は砂利道なのでありまして、最近の重車輌交通によつてその路面が甚だしく損傷されておる状態であります。  然るに最近目覚ましく発達しつつある自動車は遂に戦前最高の約三倍に達し、六十五万台を数えております、而もこれらの車輌は大型化し、重量化し、高速度化しておるのでありまして、現状の道路ではとてもこれに耐えられぬ有様でありまして、道路整備は緊急を要する問題と言わなければなりません。  然るに道路整備進捗状況を見まするに、昭和二十一年度より昭和二十六年度までの公共事業費道路費によつて整備されたものは僅かに改良約七百キロ、鋪装、補修約七百十キロにしか過ぎないのでありまして、昭和二十七年度において漸く多少の予算増額があつて八十六億円となつたのでありますが、これによつても八百八十キロの改良と二百十キロの鋪装新設が行われるに過ぎない状態であります。かかる状態でありましては道路整備されるにはなお数十年を要することと考えられ、甚だ寒心に堪えないところであります。  このような道路状況及び自動車の激増に鑑みまして、一級国道及び二級国道並びに政令で定める都道府県道、その他の道路鋪装、その他の改築及び修繕に関する五ヵ年計画を確立すると共に、ここに道路を利用する者がその殆んどを負担している揮発油税を、この道路整備計画実施に要する道路法及び道路修繕に関する法律に基く国の負担金又は補助金財源に充てることにして、自動車交通安全保持と、その能率の増進とに寄与いたしたいことがこの法律提案する理由であります。  なお、地方公共団体に対する負担金割合又は補助率については、道路法及び道路修繕に関する法律施行に関する政令規定にかかわらず、政令によつて特別の定めをなすことができることとし、高率の国の負担及び補助をなし得る途を開きたいと存じております。  以上簡単に議題に対する提案理由を御説明申上げます。
  4. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 順次御発言を願います。
  5. 千田正

    千田正君 只今の御説明施行期日、及びそれによつて入るところの大体の総額はどれくらい見込んでおられるか。
  6. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。法律施行期日は、通過いたしましたら直ちに施行いたしたい、こう考えております。なお昭和二十八年度を初めといたしまして、五ヵ年間総額千百億を見ておるわけであります。
  7. 永井純一郎

    永井純一郎君 その道路五ヵ年計画、これは政府の案を僕は言うのですが、政府道路五ヵ年計画がありまして、それに対する予算計画があるわけなんですね。例えばこういう目的税がなくとも、所管省はその五ヵ年計画に対する予算措置をしてあるはずと思うのですが、それはどういうふうになつておりますか。
  8. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。今まで日本道路行政上五ヵ年計画並びに十ヵ年計画というような案を作らなければならなかつたわけでありますが、何分にも非常に少い道路費しか組まれなかつた実情からいたしまして、これが厖大な五ヵ年計画を組むようなことができなかつたの実情であります。それによりまして、この法律案によりまして、新らしく昭和二十八年度から五ヵ年計画を作成いたし、この法律によつて生まれる財源を以てこの五ヵ年計画を遂行して参りたいというのが本法律案提案の主な趣旨であります。
  9. 永井純一郎

    永井純一郎君 これはたしか私も詳しくはわからないのですが、自立経済計画を立てたときにそれに基く道路計画があるはずだ、港湾計画と一緒に。それに対する予算の裏付けの計画もあるはずと思うのです。それが達成されないから、今のような政府予算措置ではなかなか行きそうにないから、こういつたような目的税を取入れるということなのか。いろいろな陳情があつたものだからそれでただ無計画出しておるのか。政府が従来持つてつた計画と今度の目的税にまでしてやろうという計画とはどういうふうに話合いができておるかということになるわけです。
  10. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。二つ理由によつてこの法律案出したわけでありまして、その一つは、日本道路整備のために一級国道及び二級国道重要地方道を十五ヵ年くらいで整備をいたしたいというためには年間約五百億程度道路費を計上しなければならないわけでありますが、先ほども申述べました通り昭和二十七年度において僅か八十六億であります。そのような状況においては道路整備を行うことができないという建前から、新らしく本法律案によりまして道路整備五ヵ年計画を樹立し、これが新らしい財源を求めて道路整備を行いたいというためにこの法律案を起案いたしたのであります。  第二の理由といたしましては、現在禁止税的な性格を有するガソリン税法があるのでありますが、これに対しては一面においてガソリン税の軽減を要望する声もありますし、特にガソリン税を廃止しなければならないという極端な議論もあるのでありまするが、現在の国の財政状況から見まして、ガソリン税現行法通り当分施行せられて行く以上は、少くともガソリン税税収入よりも下廻るような金額道路費として計上されるような状況であつてはならない。特にアメリカを含む諸外国は殆んどガソリン税道路目的税として規定をいたしておるのでありますし、日本以外の諸外国におきましては、一、二の国を除きましては、ガソリン税収入よりも道路費が少いなどというようなことはないのでありまして、現在の状況において現行揮発油税法によつて徴収せられる税額と同じ金額道路整備費用に当然盛るべきである。こういう二つの観点から本法律案提案いたしたわけであります。
  11. 永井純一郎

    永井純一郎君 千百億ですか、全部で……、それによつてあれですか、五ヵ年間かに全部もう道路整備するのですか、千百億で……。
  12. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。大体五ヵ年計画の大略案といたしまして、事業費の総金額が二千七百五十五億八千余万円であります。これに対する予算額といたしましては千六百六十億を計上いたしまして、揮発油税収入予想額、いわゆる本法律案を以て財源に充てたいという金額を千百億円計上いたしておるわけであります。
  13. 永井純一郎

    永井純一郎君 それで全部できるという計画ですな。
  14. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これで、この法律は御承知の通り揮発油税相当額だけで道路費全額を賄うというのではなく、当然一般財源からも賄われて行くことは論を待たないのでありまして、いわゆる従来の公共事業費中の道路費にプラスをして考えておるのでありますので、新設を含まない、一、二級国道及び重要地方道の殆んど全部が自動車交通ができるようにという程度まで完成をする予定であります。
  15. 永井純一郎

    永井純一郎君 そうするとそのガソリン税で賄う千百億ですか、それ以外の不足分は、全部を整備するための総額からガソリン税で賄う分を取つた残りですね、これについては政府との話合いができて、それだけの措置は今後三年間か五年間か知りませんが、必ずそういうことにやりましようというような話合いができた上のこの法案提案なんですか。
  16. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは法律案にも書いてあります通り、これが計画に対しましては閣議決定を経ることになつておりますので、只今説明申し上げましたのは、建設省事務当局をして作らしたものでありますから、いずれ実際の計画立案に当りましては、閣議の了承を得て決定するわけであります。
  17. 羽生三七

    羽生三七君 今日は大蔵省出ていないのですか。
  18. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 今呼んでいます。建設省が来ておりますから……。
  19. 羽生三七

    羽生三七君 今の永井委員質問と関連することなんですがね、この法律が通れば、これに基いて施策が行われなければならない。これは当り前の話ですが、ただ問題は、この場合、建設省側でなしに、大蔵省当局としても、財源上従来のガソリン税というものは相当多額なものになるわけでありますが、それを道路整備費に振替えて、年々年度予算に計上して行くという、そういうことがあらかじめ協議されておるのかどうか、この問題はどうでしよう。
  20. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。大蔵省建設省との間にも事務折衝もあつたと思いますし、私自身も多少の折衝はいたしたのでありますが、政府部内の本法律案に対する統一的な問題といたしましては、これよりも一歩進んだ了解事項閣議で行なつておるようであります。政府道路整備のために現行揮発油税法目的税法に改めたい、で、但し実施の時期その他に対しては追つて協議をしようということが、第四次吉田内閣成立の当初に当つて十大緊急政綱をきめるときに了解事項となつておるようでありますから、政府部内では、それよりも或る意味によつては弱い本法律案につきましては完全に了解がついておる。こう言つても過言でないと、こう考えるわけであります。
  21. 羽生三七

    羽生三七君 大蔵省側はそういうことを了解の上で、まあ将来について道路費を大幅に拡大して行くという一応の考え方があるといたしましても、その、大蔵省の言う、或いは政府の第何次計画かによる道路整備費というのは、弾丸道路とかそういうものを含めてのことで、今提案者お話なつたような純粋な、例えば鋪装等を含む路面整備、そういう純粋な路面整備費用とは違うのではないですか。今大蔵省の言うのは、弾丸道路を含めた道路一般開鑿費ですか、そういうものの予算が非常に予算規模として多くなつて行くということを意味しておるのではないですか。
  22. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) この法律案提案者の私といたしましては、いわゆる東京、神戸間の高速度道路等は含まず、全国の非常に遅れておる道路全般的整備を図りたいというのが目標であります。
  23. 羽生三七

    羽生三七君 私個人見解で言えば、案は誠に結構な御趣旨だと思つておりますが、ただ問題は、将来こういうことに、本来政府がなすべきことを怠つたために、或る特殊の財源を振り向けて、目的税として一定の予算を組んで行くと、これが前例になつた場合、他の税目においてもこれに倣つて、又これを目的税として、当該事業発展拡充を図るというような、そういう動きが起つて来るのではないか、どうでしようか。
  24. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。この法律案を、ガソリン税目的税としての法律案であるということを前提にしてお話をする場合にはいろいろな問題があると思うのでありますが、私たちこの法律案提案いたしましたのは、政府当局、及び全国道路利用者会議等は、非常に禁止課税的で、禁止税的であるところのガソリン税は廃止するか、若しくは税率を下げるか、そうでなかつたならば当然道路目的税とすべしと、こういう決議をして、おるのでありますが、私たちといたしましては、その以前の段階においてこのような処置をとつたわけでありまして、目的税は、一つ目的のために新らしく税を徴収することが目的税でありますので、私は本法律案は厳密に言う目的税法ではないというふうに考えております。但し道路のために一つ特定財源を拘束するというようなことを考える場合には、この種のものがたくさん出るのではないかというようなことも一応考えられ、私たち立案当初においていろいろの研究をしたのでありますが、まあ例を申上げますと、この種のものに近いものとして競輪の収益の三分の一を自転車振興に充てるとか、競馬の収益の三分の一を馬産振興に充てるとかということはありますが、これ以外にこのようにはつきりとしたところの目的税的なものにどんどんと要求が起るというようなことは殆んど考えられないのではないか。ただこの法律が狙いましたところは、ガソリン税収等相当額道路整備のために盛られなければならない、こう規定しただけでありまして、国有鉄道の全収益国有鉄道の路線や路盤の改良に向けられるように、当然道路運送業の全年間収益は、国鉄に匹敵する約二千百億というのでありますから、こういう事情から勘案をいたし、又諸外国の例を見ても、当然このような措置日本の現段階においてとるべきだということを考えたのでありまして、この法律が通過したからと言つて、この種のものがたくさん出るとは考えておりません。特に自由党におきましても、このような類似のものが将来たくさん出るということは問題になると思うので、将来は一切こういうものは、この種以外には出さないということを決議をいたしておるわけであります。
  25. 羽生三七

    羽生三七君 もう一つ、これは御注文なんでありますが、先ほど提案者のほうからの御返事で、大体目的税の性質からして、全国一般道路の不整備地帯全体に均霑するのだという御返事があつて非常に我々同感であります。まあ目的税として規定される限りは、何も東海道だけを自動車が通るわけじやない、日本全国到るところ通つておる。そういうところから上つて来る収益目的税にする限りは、どうか到るところ均霑するような形で本法律案成立……、まあ仮に成立した場合成立後の施策が行われて欲しいと私は心から希望するわけであります。そうすれば或る程度整備はできますが、道路拡大整備とはいつても、結局先ほど申上げたように弾丸道路費のほうへこの財源が取られて行くというようなことになれば、余り意味のないことになりますので、その辺は提案者で十分お含みの上お願いいたします。これは私御注文であります。
  26. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) この問題につきましてはいろいろな方々からそういう御注文があるのでありまして、私たちも特にその点に留意をいたしておるわけであります。勿論この法律案を提出する前は目的税にしたほうがよろしいということでありましたが、その場合には、当然ガソリンを余計消費するところに余計金が来なければならないというような議論成立つのでありまして、そういうことはしたくない、いわゆる非常に遅れておるところの日本道路を全部改良いたしたいということが目的でありますので、本法案による五ヵ年計画は、特に特定道路整備を行わず、特に都市集中、表日本偏重というようなことを行わず、普辺的な道路網整備目的といたしたのでありまして、法律案通過の暁には、所管官庁をして立案趣旨を徹底せしめるようにいたしたいと思います。
  27. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 私ども昨日大蔵委員会との合同で御質問しましたから、その点は今日は省きますけれども、私ども見解によりますと、これは目的税じやないという見解です。目的税らしき冠を被つておりますが、目的税ではない。閣議はどういう了解をされたか、税というものを少しでも研究した者は、これを目的税だとは考えられない。要するに建設省予算が足りない、その補充財源をどこかに見つけたに過ぎないものだ、こういうふうに考えておりますが、私今日お聞きしたいのは、この第三条に基きます五ヵ年計画というものの道路計画を、年次別数字を挙げて頂きたい。そうしてそれに対して年次別揮発油税法による輸入予想表というものを五ヵ年計画とすつかり合わして、先ほど田中さんの話では更にそれが不足するというふうな状態においては一般会計負担においてその財源を充当するのだというお話でありますが、これが両省間、建設大蔵省間でどういうふうになつているか。この一覧表を当然お出しになるべきだ、御用意があるのでしようから直ぐ印刷したものを頂戴したい。それが第一点であります。  第二点は、第四条におきまして、地方公共団体に対する道路鋪装その他の改築修繕に関する国の負担割合及び補助率割合特例で定められております。特例を定めておりますが、これと本年度予算との関係はどういうふうになつているのか。本年度予算を……、もうすでにこの法案衆議院を通つておる、今衆議院における警察法財政関係予算関係とは違つて、これは衆議院を通つておる、而も閣議了解されておるというお話ならば、それによつて財政予算額として組まれているべきはずのものだ、その点はどうなつているか、これだけをお聞きしたい。
  28. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) ちよつと前以て堀木さんに御了解を得ておきたいと思いますが、私が昨日からの発言に対して、この法律案閣議了解になつておるというように御了解なつたようでありますが、この法律案衆議院建設委員会各党派で以て提案したのでありますが、当時閣議においてはこれよりも一歩進んだガソリン税目的税にしようということが了解になつているというのでありますから、この法律との直接の関連はないわけでありますが、私たちから考えますと、閣議では当時ガソリン税目的税にしようということさえも決定しておるのでありますから、それよりももつと疑義の少いこの法律案でありますので、当然もう本法律案が通過した暁には閣内における不統一な意見は起らない、こういうふうに申上げたわけでありますから御了承頂きたいと思います。  なお第四条によるところの、特例負担の率を上げることができるということが規定してあるのでありますが、これは昨日の連合委員会でも問題になつた点でありますが、私たち自体でも立案の当初から非常に問題にしておつた次第であります。ところが当然なことといたしまして、道路法改正案によりますと、今までは北海道だけが全額国庫負担特例を認められておつたのでありますが、北海道と同じような地形、地域上の特殊な地域に当つては、北海道同様全額国庫負担の途を開いておるわけであります。この法律案によりまして国の負担が大きくなつて事業量が大きくなる場合、当然地方財源不足して来るわけであります。地方財源不足に対してはどういう処置をとるか、勿論平衡交付金で然るべき処置をとらなければならないわけでありますが、その一つは、そのいわゆるカバーするというような見方からも国の補助率、いわゆる負担率を上げることによつて地方財政への圧迫という面を緩和できるのではないかという意味から、補助率をその規定にかかわらず上げようということを規定したわけでありますが、私個人の考えといたしましては、特に特例を設けて補助率を上げることの可否については多少の疑義を持つておるが、できるならば現行補助率と同じような率で平衡交付金その他によつてその差額は賄われるものであるならば、事業費を大いに上げて、少しでも道路改良の量、総延長の大きくなることを期待いたしておるというふうに考えるわけであります。  なお二十八年度の予算編成予算書の問題につきましては、多少誤差があると思いますので、いわゆる政府予算編成当時の十二月にはまだ衆議院審議中でありましたので、通過いたしておらない状況でありましたので、数字的には完全には一致しておらないとこう思つております。細かい数字政府委員よりお答えいたします。
  29. 三池信

    政府委員三池信君) 只今の御質問にお答えいたします。本法案が通過いたしましても、二十八年度の予算に計上いたします分に対しましては、補助率並び負担額を増加するという意思は政府といたしましては現在のところ持つておりません。予算上に齟齬はないと思います。
  30. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 第三条の問題……。
  31. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 五ヵ年計画法律案審議の過程において作つたものが手許にございますが、まだ年次別のはつきりした数字ができておりませんので、先ほど申上げました総額二千七百五十五億八千余万円というものだけお手許にお届けいたしたいと思います。なお細かい数字は現在できておりませんが、この法律案が公布になつた暁に建設省が作成をいたす、こういうことを考えておるわけであります。
  32. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 どうも私は不思議に思うのです。こういう法律をお出しになるならば、五ヵ年計画というものがきちつとでき上つて、そうしてその財源について建設省大蔵省当局のお打合せがあつて、そうしてそれについての計画が立つて、その中でこのガソリン税目的税らしく使うという、只今のそれに充当するというお話合いがあるべきはずのものであつて、逆に法律ができちやつてから計画ができ、そうしてするというのは逆なやり方だと、こういうふうに私は考える。昨日も私は申上げたように、これは大蔵大臣建設大臣が相談して大体きめることができるはずのものである。それをやらない、お粗末な大臣だからこういうものが議員立法として出て来ることになる。だから事務当局のほうも甚だ不誠意であつて、この五ヵ年計画というものをわざわざ法律に書きながら、五ヵ年計画はこれから作るのですという話はありようがないと思うのです。  それから第四条については四分の三と二分の一の範囲内でと書いてありますが、これだけの率をおきめになるならば、これでおやりになる、法律の権威というものが当然生じて来る。それを政府のほうが、この法律が通ろうが通るまいが従来通りやるという政府の答弁はありようがない。そういう点において我々を納得させなければ非常に困つたものである。こういうふうに考える。そういう点についてのはつきりした政府なりの行政施策が裏打ちにならなければならないこれは法律なんである。議員立法で、そういう計画はどうでもいいのだということでできる法律ではありようはずがない。そういう点について明らにして頂かなければ困る。そうして本年度予算との関連についても政府は十分これを以てお考えになるべきものである。そういうふうに考える。御答弁を更に伺います。
  33. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。この法律案を作ります直接の理由は、先ほど申上げました通り、毎年度少くともガソリン税相当額を下廻る道路費を計上してはならないと思つておるにもかかわらず、先ほど申しました通り昭和二十七年度僅か八十八億であります。本年度のガソリン税予想額は百五十八億余でありますが、それに対して現在予算書に掲上せられております道路費総額は百四十二億円で、それよりも下廻つておるわけであります。昨日の業者団体の参考証言等によりますと、今年は二百万キロリツターでありますが、総額二百億を上廻るであろうというような状況でありまして、もう世界のどこの例を見なくともわかる通り日本としては、一般の財源不足をしておるからというようなきまり文句を言わなくて、当然日本財政事情であつてガソリン税を上廻る道路費予算はつけられる状況であると私は考えております。私だけではなく、衆議院建設委員の諸君は各党殆んど一致にそのような結論を出しておるわけであります。然るに昭和二十七年度、八年度においてもガソリン税の税収相当額を下廻るような状況でありますので、何とかしてこのような、はつきり申上げますと、非常立法式なものをしてでも道路整備は行わなければならないというような結論に達して提案に至つたわけであります。なお建設委員会といたしまして、政府当局をして資料を提出せしめるまでもなく、日本道路の現状に対しては過去長いこと研究しておるのでありまして、新道路法の制定に当つて道路整備計画を立ててみましたところ、相当厖大な数字があるわけであります。私たちが集計いたしました数字政府当局が作つておる数字が殆んど類似のものであることを私は認めておるわけであります。時間があれば申上げたいのでありますが、まあ簡単に申上げて、一級国道一万キロ、二級国道一万キロ、重要地方道十三万キロ、計十五万キロ、一級国道三カ年、二級国道十カ年、重要地方道十五カ年に全然車が通れるようになり、特に一、二級国道に対して荷重制限をして、四トン・トラツクも通れないような木橋がたくさんありますので、これを少くとも永久橋にかけ替えて、世界水準とまでは行かなくとも、日本の経済再建に最小限必要な程度道路整備するためには年々約五百億ずつの費用が要るわけでありまして、それにもかかわらず八十億、百億、今年上廻つても百四十億程度道路費を計上しておるのであるならば、まさに百年河清を待つというような状況でありますので、これが新設を除く部面の改良計画的に行うためには本法律案を作らなければならないということを考えて提案したわけでありまして、勿論五ヵ年計画というのは、今まで政府が作つておりました道路整備計画の中から新設を除いて計上すればいいのでありますから、簡単にできると考えております。
  34. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 私は質問するとだんだんわからなくなつて来るのです。法律に、昭和二十八年度以降五ヵ年間はこういうふうに道路整備五ヵ年計画実施に要するこれこれの法律によつてやるのだと、こうまで書いてあるわけです。そうすると率直に言えば、その道路がきちつと五ヵ年計画ででき上つて来るはずなんだ。鉄道なんかでも、私は前身が鉄道だが、一体鉄道だつて、どこの線をどういうふうにやるかときまつて初めて議会の審議の対象になるのです。建設省道路審議会にかけてちやんとした五ヵ年計画であるならばそういうものがあるはずなんです。こういう今頂戴したような大ざつぱなものであるはずがありません。そういうものがなければならない。それで法律に五ヵ年計画と書いて、なぜこの法律が通るんですか。そのもとになる、基本のものがなくては、ここに道路整備五ヵ年計画と謳われても権威のない五ヵ年計画である。これを私は指摘せざるを得ない。だからその点を先におやりになるべきである。田中さんとしては、そういう行政庁のやることは知らないから、ともかく五ヵ年計画をやらせるのだ。建設省予算建設省が考えておるだけでは駄目で、五ヵ年計画というものは、大蔵省をして財源的にも手厚いものが出て来なければ我々審議の対象にならない。ガソリン税収入のほうは、これはどういう変化を来すかも知れません。だから一応の推定に過ぎないものであるが、できて来るはずである。それに対して田中さんの話では、お手許に頂戴したのにも、この改良等にこういうふうな財源を充てようとして千六百六十億が要るわけであつて、この五ヵ年計画でやろうとすると、もう現に毎年度三百三十二億ずつは使つて行かなければならない。大体初めからこういう事業で尻に多く行く予算は幾らでも作り得られる、計画事業としてはできて来るはずである。それで今ガソリン税のほうはそれは或いは二百億になるかも知れません。これは見込であつて、百五十億と今政府予算で見込んで出しておる。だからそういうものの対象のちやんとしたものが裏付にならないとこの法律の権威というものが出て来ない。現に第四条の規定をお設けになつても、政府としては第四条の規定のあるにかかわらずおれのほうは二十八年度に関する限りは少くとも従来の例によつてやる、財源は殖えない、こういうようなことを言つておる。それではこの法律を通しても意味がなくなつて来る。そういう点をはつきりなさらなくてはいけない。私はそういう点で大蔵委員会においても要求しましたが、これは建設大臣大蔵大臣がここへ御出席になつてしつかりした案をお出しになる責任があります、議員立法であるからといつて政府がそつぽを向いておつては困る。それははつきりした行政的な裏付けをする決心がなくてはならない。そういう点はここでも御要求いたしておきますが、その点について再度御答弁をお願いいたします。ところで御答弁が満足でないと、もうこれ以上くどくど言うのはいやですから、一応やめますが、こんな計画を見せて、「道路整備五ヵ年計画案」なんていう二枚かそこらの紙を見せて、財政上の裏付けがあると言つては困るのです。
  35. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 御尤もな御質問でありますので率直にお答えを申上げます。我々衆議院建設委員会といたしまして日本道路行政に対する資料の提出も何回か求めておるのでありまして、今までは日本道路を直すためにはこのくらいの金がかかるというような全部の資料があります。ありますが、ただ何分にも只今までは道路法が改正されてまだ半年しかたたないのであります。今まではただ一方的な予算上に計上せられる道路費を以て賄つて一ぱいであつたわけでありますので、政府が五ヵ年計画、十ヵ年計画を作つてもそれは作文に過ぎなかつたのです。そういうことを是正するために政府は当然自主的に道路整備五ヵ年計画を、できるならば三ヵ年計画を作つて進むべきでありますが、政府がやりませんので、国会の自主的決定を待つて政府をして鞭撻せしめるためにこの法律を作ろうということが一つ目的であつたわけでございます。だから第二条において、政府昭和二十八年度以降五ヵ年計画でこの道路整備五ヵ年計画を樹立しなければならない。而も一建設大臣決定したものであつてはいけないのでありますので、当然内閣の連帯責任を以て閣議了解を求めなければならない、こう規定したのでありまして、本法律案通りましたら、建設大臣建設大臣の責任において法律上当然早急に五ヵ年計画立案し、閣議の了承を求めなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
  36. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 最後に御注文して置きます。これは水掛論になりますが、田中さんのお苦しい立場も私はよくわかります。併し田中さんは恐らく私の立場になつたら私のような質問をされると思う。議員として当然の責任であるということもお考えになると思う。これは田中さんは自由党に所属しておる。そのあなた方が内閣を作つておられて、その内閣がやるべきことをやらないということで、その尻拭いを議員がやらなくちやならないというのは非常に迷惑なんです。あなた方がこういう法案をお出しになる前に自由党の内閣をしてそうして案を作らせれば、あなたはこの法律が要らないことをお認めになるだろう。それがないから出て来る。我々の常識ではわからないような、これは実際のところ議員立法としては不適当な案なんです。何故ならば、税の収入についての責任者でもない、計画を立てて、その財政的の裏付の責任を我々が持つわけになります。だから議員立法としては、本当は行政事務の実態がうまく行かないからこれをお出しなつたんであつて、行政事務がスムースに行つておればこういう法案は要らないのです。そういう意味から言いますと、私は田中さんに御注意申上げるのは、これをお出しになる以上は、率直に申して、これをお出しになると同時に政府にそういう裏付のものをはつきりさせるようなことをなさるのも又法案提出者の義務であり責任であると考えますので、どうぞそういう方面の御努力を願いたい。それじやないと、この法案自身が我々の審議の対象になりかねる部面が多いということを申上げておきます。
  37. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 御注意有難く拝聴いたして、この法律立案者、責任者といたしまして、法案通過の暁は、政府を厳重に督励しまして、できるならばこの種の法案が有名無実化すように私も希つているわけであります。国会の最高意思決定を待つて政府を鞭撻しなければならないなどということは、自由党の党員として誠に苦しいのでありますが、これももつとより大きな目的を達成するために止むを得ず提案をいたしているわけでありまして、できるならば二十九年度等は本法律案規定するガソリン税収入に上廻るような道路費が計上せられて、本法律案が自然消滅になるように期待もいたしているわけでありますし、特にこの種の法律案を新らしく提案した責任を痛感して、政府が一体となつて道路費の重要性を認識して、道路予算を多額に盛ることを要求するつもりであります。
  38. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 大蔵省関係の人は来ていないですか。
  39. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 今主計局長を探しているんですが……。
  40. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 大蔵省に対する関係質問は留保いたしまして、私は打切わます。
  41. 千田正

    千田正君 この法律ガソリンに対しての税金でありますが、当然ガソリンを使用して、使用することによつて生ずるところの運賃、例えばバス、或いはそれぞれの荷物を運ぶところの貨物の運賃等に対して悪い影響を及ぼそうと考える。そういう意味から言えば大衆課税と我々は考えざるを得ない。その点一体どういうように考えられますか。将来このようにガソリン税が徴収されたとするならば当然運賃の改訂は止むを得ずなされる、運賃の改訂がなされるとすれば当然これは大衆課税になつて来る、この点はどういうふうにお考えになつておりますか。
  42. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。現行ガソリン税によります税率というのは、先ほど申上げました通り、非常に高いのであります。一キロリツター一万一千円、これも改正された値段でありまして、世界的に言つても非常に高い税金でありまして、道路利用者等はこれが全廃若しくは減税を嘆願しているのが実情であります。併し現在の日本状態におきましても、ガソリン税を撤廃するかどうかという問題はお互い国会議員として慎重に審議をしなければならんわけでありますし、而もガソリン税というものが国民の殆んどの足にかかつている大衆課税であるということを考えて見るときには、石炭に対する消費税がなくなつているとかいうことを考えまして、当然ガソリン税、いわゆる禁止税的なガソリン税が全廃若しくは減税を行なわなければならん状況にありながらも、現在において道路利用者の意見を聞きますと、ガソリン税を全廃若しくは軽減をするという運動をしながらも、若しそれができない場合には、当然これを道路整備に当ててもらわなければならないということを言つておるわけであります。昭和二十六年度運輸省調査によりまして、平均トラツクの速度二十キロ乃至二十五キロと押えておりますものが、この五ヵ年計価を遂行することによつて道路が全面的に整備され、若し平均速度五十キロまでに上げられるとしたならば、それだけ陸上運送業の総経費の四四%乃至五〇%軽減せられるわけであります。一年間に新車十五万台として約九百億の購入代価を払うわけでありますから、これにほぼ匹敵する金額道路整備を完成するために軽減をせられるわけであります。現在におきましては、非常に高い税金を払いながら道路は全然改良してくれないということであるところに非常に問題があるのでありまして、減免もせず、現行のままで以て当分行くとすれば、少なくともアメリカ式に当然ガソリン税収入というものは道路整備費に向けられるべきであるということが主張され、全国道路利用者会議ガソリン税収入道路整備に向けるべきだということを決議をいたしているわけであります。その意味におきまして、私といたしては、将来ガソリン税が軽減せられ、又全廃されるようなときがあるといたしましても、それまで特に本法律規定した五ヵ年というものは、その税収相当額というものは当然道路費に一部繰入れるべきであるというのが本法律案の狙いであります。勿論ガソリン税の減免についてはこれから論ぜられるべき問題でありますし、特に現行法通り残されるとしても、将来ガソリン税道路目的税として正確に規定するにはまだ当分研究を要する問題ではないかというふうに考えているわけであります。この法律案が制定せられることによつてガソリン税が今までよりも殖えたり、それからそれによつて運賃の改訂を行なわなければならないというような事態は全然起らないということを申上げておきます。
  43. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ほかに御質問のかたはありませんか。では暫らく休憩いたします。    午後二時二十九分休憩    —————・—————    午後二時五十四分開会
  44. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 休憩前に引続き只今より開会いたします。
  45. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 大蔵省の側に伺いたいのですが、道路整備費財源等に関する臨時措置法案というものについて、これはまあ提案者自身も実は真の意味目的税ではないということを言つておられるので、その点は多分そうだろうと思うのですが、併し巷間にこれは目的税としてガソリン税道路整備に充てられるというふうなことがよく言われておるのですが、又その観念から非常に誤つて判断する人も多いと思うのですが、念のために大蔵省はこれが目的税だと思うのか思わないのか、それを第一点としてお聞きいたします。
  46. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 目的税という言葉の定義はいろいろございまして、必ずしもこれについての解釈が一定しておらないのでございます。我が国においては過去において財政学上言うはつきりとした目的税はなかつたのではないかと思います。アメリカにおきましては、教育費の財源に不動産取得税を目的税としてそれを支出しなければならないというふうな法制をとつておる州があるようでございますが、そういつた意味のものではないと思います。ただこれに伴いその税収が一定の財源にリンクするという意味における目的税という解釈ということになれば、或いはこれに該当する面もあるかと思いますが、そこは言葉の解釈の仕方でありますが、それに相当類似したものであるというふうには思われると思います。
  47. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 主計局長と税の性質について議論するのは一応やめておきますが、目的税であつたならば、私はもつと目的税らしい実体を備えていなければ目的税だとは思つていないのですが、だから道路整備五ヵ年計画に充当するということは、ちつともそのガソリン税自身の性質を目的税にするものではない。果してこれが目的税ならば、その目的税に副うたような使い方にしなければならない。だから交通量に応じた使い方というふうなものが、はつきり実体的に上つて来なければ目的税としてできているものだとは思えないのです。併しまあその解釈は別にいたしまして、ガソリンについては二つの面がある。成るほど外国の例によつてガソリン税道路の一定の維持修理に充てようとする事柄は相当あるわけです。ただもう一つ考えなければならないのは、非常にガソリン税というものは高率な税率であつて、税体系の上から見ても非常に過重に過ぎるという議論もある。事実又そういうことを肯かせるようような、全体として見るときにそういう傾向もあるのですが、それを一つ財源にするためにこのガソリン税について大蔵省はどういうふうな考え方を持つているかということが一つの判断の材料にならなければならん。その点について、ガソリン税について大蔵省としてはどう考えるか、将来についてどう考えるか、この点を一つ……。
  48. 河野一之

    政府委員(河野一之君) ガソリン税の税率が相当高いではないかという御質問と承わつたのでありますが、ガソリン税の税率は決して私も高くない、安いとは考えないのでございますが、イギリスその他の、或いはフランス等の諸外国に比較いたしまして、必ずしも高いというふうにも考えておらないのであります。これはまあ国柄にもよりまするから、何とも申上げられませんが、ちよつと数字を忘れましたが、必ずしも日本のみが非常に高いというふうには言えないであろうと思います。併し当面この税率を、だからと申しましてこの税率を当面上げるということはまあ勿論でありますが、更に積極的に下げるということは現在の財政状況からして困難であろうかというふうに考えます。
  49. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 大体高いか安いかということは河野君の範囲でなくて、これだけの財源が確保される見込が将来あるかないかということを、まあ河野君の立場によつて、そつちからものを言つているわけですが、問題はこの第三条に規定されている道路整備五ヵ年計画というもの自身が大蔵省とどれだけの了承の間に折衝が行われてできておるか、この道路整備五ヵ年計画なるものを大蔵省としてはどう考えるかということを言つているのです。
  50. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 道路整備の五ヵ年計画につきまして、まあ従来予算のときに、いろいろ個々的な道路その他につきましていろいろお話を承わつたことはあるのでありますが、現在この法律案において規定されております道路整備五ヵ年計画については特に内容について詳しい御相談を受けておるわけではありません。
  51. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 これはまあ基本的には大蔵大臣にお聞きするつもりでおりますが、ともかくもガソリン税そのものが幾らになるかは別として、確かに財源として一つの確定財源だということは言えると思うのです。その一つ財源を、何と申しますか、まだ生れて来ない道路整備五ヵ年計画、生れて来ない、胎児にもなつておるかなつてらんかよくわからない、実は建設省事務当局では胎児にまあなつておると思つておられる。併しどこまでしつかりした判定が出て来るかどうか、我々は法律で以て一つ計画が立つ以上は、それがオーソライズされた形で議会に出て来なければならない。こういうふうに考えると、実はこの道路整備五ヵ年計画というものはまだ陽の目を見ていないのです。どこまで陽の目を見るかもわからない。そしてどういうふうな計画なり財源を全体として按配するかもわからない。そのうちの一部に当るガソリン税というものを財源とすると言う、こういうふうな考え方になつて来ておる。もう少し極端なことを言いますと、何だかわからん道路整備五ヵ年計画というものをもとにして、そうしてガソリン税という、確かにこれは幾らになるかは別として、一つ財源というものをそこに充てようとする法案というふうに考えざるを得ないのです。成るほど田中さんのおつしやるように、第二条で政府にこういう義務付けをしておる。だから政府にそういう義務付けをしておるから、そういう胎児が生れて来るには相違ない、法律で生ませるようにしておるということは言えるのですが、これができ上るまでは実際のところわからない。それにこういうような或る種の税収を考えて財源に充当することが、大蔵省で認めらるべきことかどうか、これはまあ大蔵大臣の答弁する範囲のことだと思いますが、一応事務当局としてもこれをどう考えるか。  それから第三条のほかに第四条で、これは本年度予算編成に当つては当然政府としては考慮しなければならないはずだ。にもかかわらずさつき建設政務次官は、四条の規定はありますが、こういう特例による補助率は考えません、従来通りだと答えられた。そうなりますと、何のための四条だかわからない、こういうふうになると思うのですが、その第四条が……、その理由一つ示して下さい。併し三条に至つては更にもう少し極端だと言わざるを得ないと思うのは、そういうものに今後或る一つの確定財源を求めるために一つの税収を充てるということを考えられるかどうか、この点を一つお伺いいたします。
  52. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 道路整備五ヵ年計画は胎児ではないかとおつしやる点、御尤もな点もあると思います。ただまあこの整備五ヵ年計画といいましても、空に計画を立てるわけではなしに、従来ある国の予算道路整備改良をやつておるわけですから、そのうちの相当部分がこの計画に入つて来るものであろうと私はまあ考えておるのでございますが、ただそういう場合でありましても、一般的にこの法律案で言いますと、まあ厳格な意味目的税ではございませんが、一定の確定財源特定のものに充てるという、まあ広義の目的税的制度というものは、我々は財政を扱つております建前といたしましては歳入歳出一体の原則であり、又財政の弾力性という点から考えまして、私どもとしては好ましくないものだと考えております。
  53. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 これは河野君は大蔵省の官僚だからそう言われるのはよくわかる、併し目的税も立てれば立て得るんです。それは大蔵省の御意見、好ましかろうが好ましくなかろうが、行政全体として見てみる場合に、私はやつて行かなければならないことと考えられる一つの方策だと考えられるのですが、実は大蔵省目的税だから反対するのだということは知つておるんだが、これは実は目的税ではない。私はこの程度のものは目的税だとは考えられません。それよりももう少し前に私は大蔵省は考えるべきことがあると思う。こういう法律出し一つ財源と考えるならば、その計画一つのきちつとしたオーソライズされた国策でなければならない、年次計画が立たなければならない。そのほうが私は実質的に問題だ。そういう点について、大蔵省が形式論をされるより、はつきりしたその点のほうが……。私は、大蔵省としてはこの法律が出て来ることによつてお困りになるはずだ、こう思つて質問するのですが、その点についての御意見がなければ差支えございませんが、むしろ胎児という言葉はただの形容詞ですが、少くとも本来この道路整備五ヵ年計画というものがきちつと……、建設省事務当局も無論、私は建設省が十分努力された結果の案だということはわかります。併しおよそ議会の審議にかけられるならば、それが具体的に年次計画施行期間と、それに伴う年次的な財源がきちつとしたものでなければならん。それでなければ、私はガソリン税一つの国の確定財源として求められるかどうか、財源はあることはわかるが、こつちが暗闇では、胎児では、何と言つて建設省の中にあるうちは胎児なんです。それについて生まれることはわかるが、どんな様子で生れて来るのかわからない、実際この二条が、田中さんはこの二条で安心されているが、どんな子供が生れて来るか実際わからん。それに一つの確定財源を充当するそのこと自体がおかしいのだ、こう私は考えますが、如何ですか。
  54. 河野一之

    政府委員(河野一之君) おつしやるところは御尤もな点が相当あると思います。ただこういつた道路整備のみならず、住宅の問題でありましても、或いは漁港の計画でありましても、そういつたものが最近たくさん出て参ります。その場合に、勿論計画というものが実施できる程度の規模においてこの問題はきめらるべき問題だと私は思うのであります。その問題は、従来の法律その他の建前からしますれば、そういう計画閣議においてきめて、そうして国会に報告するというふうな措置をとつているのでございますが、その際におきましては、こういつた現在の法律案においても、目的税に類似した制度をとるとすれば、そこと相呼応して、その財源関係を見て定められるのが、私はこの法律案立案された人のお考えだろうと考える次第であります。
  55. 堀木鎌三

    堀木鎌三君 どうも河野さんの言うことはよくわからない。そういう一つの事業計画が立つたときには、大蔵省としては当然それを成るべく進行しやすからしむるための財源というものを配分するわけです。併し一方においては大蔵省は、本当に国策に副うた立て方をするかどうかということも議論になるし、議会でもそれが審議の対象になるわけです。それに対して論議の余地のない財源を充てたいという希望が出て来ることも、道路面をあずかつている人から起つて来ることは私はよくわかる。だから私は基本の計画がきちつとして国策になつていればいいというのです。まだそれがなつていないから困ると、こういうのでありますが、それらの点については河野君と議論をしていても始らないので、大蔵大臣なり、建設大臣と一応この問題については私は論議しなくてはならない。実に私どもの従来の常識とは非常に違つた形で出ている。だから第四条にこういうものがあつても、政府議員立法との間に食い違いができているということも認めなければならない。こういうものは本来そういうものができ上つてから出て来るはずのものです。ですがそれは議論いたしませんで、いずれ私は予算委員会委員をしておりますから、予算審議の際に、本年度予算とこの関係については別個に質問いたしたいと思いますから、今日はこれで打切ります。
  56. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 前に資料を要求しておりましたのですが、大蔵省主計局のほうから資料を頂いたのですが、二十八年度の道路関係予算全額と、今問題になつている臨時措置法に基く道路整備計画に相当する金額二つ出して頂きましたが、ここに相違が出ているのでありまして、二十八年度道路関係予算全額は百八十億五千五百万円、この道路整備計画によると百三十七億四千七百万円、この差額というものはどういうものか、御説明願いたいのです。  それからもう一つ、この法律実施した場合、地方財政にはどの程度新らしい負担が出て来るのか、その点もわかりましたら説明して頂きたいのです。
  57. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 道路関係の経費としましては百八十億あるのでございますが、この臨時措置法によりますと、先ずいわゆる有料道路というものはこの中から除かれる建前になつておりますので、特定道路分二十五億というのが落ちる。それからこの法律では地方負担金というものはこの計算の中に入れない、つまり国が国道を改修いたします場合にはその二分の一を地方負担するわけでありますが、そういうものは入れないで、国の純支出の分がガソリン税の収入の財源と見合う、こういうふうな建前であります。そこにこれだけの差が出るわけであります。  それからこの法律施行に伴いましてどの程度地方負担になるか。これは道路整備五ヵ年計画の内容如何によりますので、先ほど堀木委員からお叱りを受けましたが、それによりましてきまることでありまして、只今どうという数字を申上げかねます。
  58. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この道路整備費財源等に関する臨時措置法によると、いわゆる新設ですか、そういうものは入つておらないのであります。そこで政府のほうの二十八年度道路関係予算の中に含まれているその項と、それからこの臨時措置法に基く道路整備の対象というものとは違うのじやないかと思うのです。違いが出て来るのじやないか、それで私の受ける疑問は、この百八十億の二十八年度道路関係予算に対して臨時措置法に該当する予算百三十七億、こういうもののほかにいわゆる新設というものを加えたらもつと多くなつて来るのじやないかという気がするのです。その違いはどういうふうになつているのか。いわゆる新設というのは除外されているわけですね。そうしますとその新設のほうの予算を加えるとどれだけになるのか、今の主計局長のお話では、大体道路費の支出の対象が同じものと見ているような御説明なんです。そうすると同じものであるとしますと、それは道路鋪装、その他の改築、修理であつて、いわゆる新設というものはこの中に入つていないので、そこに何か新設というものが加えられるのじやないかと思うのですが、その点がよくわからないのです。
  59. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 先ほど国が直轄で直した場合の地方負担金二分の一と申上げましたが、三分の一の誤りでございます。訂正いたしておきます。  それからこの法律では木村さんのおつしやいましたように新設ということは入つておりません。でまあその新設の部分がどのくらいであるか、これは道路を一本々々当つて見ないとなかなか算出も困難であると思いますが、大体新設がありまするのは北海道の開拓道路でありまして、大体三億円ぐらいだということでございます。
  60. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、やはりこれと違つて来るのじやないのですか。先ほどの御説明では、二十八年度の道路関係予算というものと、臨時措置法によるその予算というものが大体支出対象が同じとして御説明になつているんですが、その中から有料道路の二十五億引いて、あとはただ地方負担金を含まれておるのと含まれていないのとの違い、こういうような御説明ですが、そうすると新設というのは道路費の中から除外されることになるんですか、今のお話ですと。それは又これに含まつておるとなると、片方の臨時措置法においてみんな、この百八十億から有料道路を除いたものを道路鋪装その他の改築、修理に全部充ててしまえば、新設のほうの予算はないわけでしよう。そこで食い違いが出て来るのじやないのですか。こう思うのですが……。
  61. 河野一之

    政府委員(河野一之君) 百八十億というものは道路事業の全体の予算でございます。このうちこの法律案で目途としておるものをピツク・アツプして見るとかような計算になるということでございまして、このうちいわゆる地方負担を引いたもの、それから北海道における開拓道路、全く道路を新らしく作る……シヨート・カツトする道路新設であるか改良であるか、非常に議論かありますが、それも従来の解釈で行けば改良或いは改築言つておりますが、北海道のごとき全然道のないところに新らしく道を作るというようなものを新設と考えるのですが、その分を引いた結果、それから特定道路の二十五億はこれから落ちる、こういうことでございます。
  62. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでは今のお話では、いわゆるまあ新設というものも含め、而もこの臨時措置法による支出も含めて、それから有料道路、それから地方負担分ですか、これがまあ入つているわけですね、百八十億の中には……、そういうふうな御説明ですね。
  63. 河野一之

    政府委員(河野一之君) そうです。
  64. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから建設省のほうにお伺いしたいのですが、資料まだ来てないのですが、昨日要求したのですが、この臨時措置法による道路計画というものと、それから建設省の二十八年度予算による道路計画、これは一致しているのですか。それから、当然ですから建設省にも五ヵ年計画というものがおありになるものだと思いますが、建設省の五ヵ年計画とこの臨時措置法による五ヵ年計画というものは一致しておるのかどうか。  それから先ほど堀木委員質問されましたが、年次計画でどことどこをどういうふうにするということがはつきり出て来れば、どこが一致してどこが一致しないということがわかつて来るのですが、年次計画も、それからどことどこということも具体的な費目について明らかになつておりませんから、比較することは困難なのかも知れませんが、全く一致しておるとは言えないと思うのです。ここで意図するところと、臨時措置法において意図する道路計画というものと、二十八年度予算に組まれたときの建設省道路計画というものと全く同じなのか、どこに違いがあるのか、その点が私は違いがあるはずだと思うのですが、それを本来は調整して費目を明らかにして出て来るべきものだと思うのです。そうでないと非常にこれは混乱が起きて来ると思うのです。例えば臨時措置法ではここを本年度に改築しようと思うのが、建設省のほうではこつちをやろうとしている。この分は第二年度にやろうとしているとか、そういう具体的なあれがずれているのではないかと思うのです。ですからそれは事前に本来ならば費目に当つて調整して出て来るべきものだと思うのですが、そのずれ、違いを私は資料で要求したわけです。これによると予定されている道路計画と、建設省の予定されている道路計画、あれは五ヵ年に亙つて必要なわけです。その相違点を建設省のほうからお伺いしたいのです。それの資料を要求したのですから……。
  65. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。先ほども同種の堀木さんからの御質問がありまして、いわゆるこの種の法律案を出すときには、もうすでに事務当局としては五ヵ年計画を作つておかなければならないのではないかという御尤もな御発言があつたわけでありますが、現実的に申上げますと、提案者の私といたしましては、この法律案が通過したら早急に道路整備五ヵ年計画建設省において立案せられて、そうして万全を期すために閣議に報告し、閣議決定を待つて始めて新らしいこの法律案によるところの五ヵ年計画が生れるものである、こういうふうに考えておるわけであります。ただそうするともう全然生れるか生れないかわからない胎児に対してこれだけの紐附の予算を取ろうとするのではないかというような御意見もありましたが、この法律案を作らなければならなかつた直接の理由といたしましては、建設省といたしまして前にも申上げた通り全国道路に対しては五ヵ年計画、十ヵ年計画というよりも、少くとも日本が経済再建の上に最低限に整備をしなければならない道路の総事業量というものに対してははつきりした数字があるわけであります。ところがその数字大蔵省年度予算編成の当初において常に提示をし、その中から予算の許す範囲内にという、いわゆる道路費の配付を得て、重要度の順に工事を行なつてつて来たわけでありまして、このような状態を続けて行つたならば、全く百年河清を待たなければならない。だからその賞味においては新設を除く道路改築修繕鋪装等の部門に亙つて新らしく五ヵ年計画立案し、道路整備を行うために、これが財源処置としてこの法律案提案したわけでありまして、建設省自体としてはこの法律案によるところの五ヵ年計画というものは、お手許にお届けをいたしました簡単な案を先ず第一案として持つておるわけでありまして、これに対する勿論基礎数字というのはでたら目の数字ではなく、建設省全国的な道路整備の資料を集計しまして、この法律案によつて適用せられる面だけを抜き書してお手許に配付したわけでありまして、新しく法律案通過後、この法律案によるところの五ヵ年計画が作らるべきだ、こういうふうに考えております。なお建設省といたしましては、はつきりした五ヵ年計画というものは現在ありません。ないというのはなぜかと申しますと、幾ら作つて見ても、十五ヵ年間整備を、大体の整備を行うとしても、年間五百億以上の道路費を計上しなければならないという数字が厳密に出て来るのでありますが、年間八十億、百億、今年度において漸く百四、五十億という程度でありますので、ちよつと見てもどうにもならないので、全体的な道路計画の中から、大蔵省と十分事務的折衝を行なつて、その年度に配付をせられた額によつて国で賄える範囲において順位をつけて工事をやつて来ておるというのが現状でありますので、正式に五ヵ年計画は存在いたさないわけであります。
  66. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 どうもお話を伺いますと、そんな形で我々予算を認めるということはできませんね。そんな杜撰な計画に基いてこういう法律案を出されているとは思わなかつた。二十八年度だけでも建設省計画があるはずです。その建設省がこの予算出して来たことについては、下から積上つてこの予算が現われて来ているはずなんです。事務的に費目が明確になつてですね、そういうものと、それからこの五ヵ年計画というものとぴつたり一致しているわけではないのです。今のお話によると、一応五ヵ年間となつていますがですよ、必ずしもこれに基いて立つたのじやないのですから、別に建設省建設省として予算の費目を明らかにして出して来ているのですから、これは五ヵ年間のが出て来ているが、そこに一致点がないのです。これから調整する、これから年次計画が立つて行く、まるで予算を一括道路費として認めろ、こういうようなことになつてしまうのであつて、これは随分おかしな話だと思うのです。私はこの出し方が非常におかしいので、具体的に建設省道路計画とマツチしてやつてないという点が私はおかしいと思うのです。そこで私はお伺いしたいのは、五ヵ年間計画というものは一種の継続事業的な性格を持つたものだと思うのです。これによる支出は継続費とは違うでしよう。継続費は五ヵ年の継続費を出して来た場合、それは年次的に金額ははつきりするのです。これによると、例えばガソリン税が多く取れたり少く取れたりして、その道路費が多くなつたり少くなつたりしますと、厳密な意味において継続費ではないでしよう。併しながら継続的にこういう五ヵ年間、非常に継続性を持つたものです。私はこれはやはり一種の継続的性質を持つた財政支出でありますから、継続費とは厳密に言えなくても、多分に継続的な意味を持つた経費と思うのです。それにはやはり継続費の規定を準用すべきだと思うのです。そうすると、年次計画がどうしても必要です。継続費については年次計画がなければなりません。本来ならば、田中さんがそれだけ熱心に御主張なされるならば、これは継続費としてお出しになるのが一番安全だと思うのです。私は継続費についてはいろいろ意見があるのです。あるのですけれども、何年計画でこれをおやりになろうという場合に、継続費よりももつと不要定な、不安定であると同時に、財政的には非常に困るのですが、予算的にも継続費以上のものです。継続費の場合は一応予算額はきめられますが、財源は縛つておりません、継続費の場合はですね。そこで私はどうしても継続費的性格を多分に持つておるのですから、ただ実質的には田中さんの御意見では、成るべく現在ガソリン税収入程度は減らさないで行かなければ計画が崩れるのですから、大体この程度ということになると、これは一種の継続費みたいな形を私はとると思うのです。今後ガソリン税はこのままで行けば多少増収になつて行きますから、道路費も殖えて来ると、そういうふう含みをお持ちになつていると思うのです。従つて私は、これはどうしても年次計画をこれに付けてお出しになるのが本当である。そしてもつとはつきり言えば、継続費として出されるべきだ。なぜ継続費として出すか、それが一番理想的だと思うのです。あなたの御趣旨に副うのですね。この点どういうふうに御検討になつたのですか。
  67. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) ちよつと先ほどの御質問から先にお答えしたいと思うのでありますが、建設省の二十八年度の予算の内訳は、勿論予算総額において、大蔵省に当初要求した額は、きつと五百億程度の額を要求したものだと思いますから、勿論その中から百四十二億というものを割当てられて、その中から拾い上げて重点的に作つておりますから、予算審議が終る三月の末までには当然これが確定し、各県に配分せられなければならないものでありますから、今でも第一段階における工事の候補地の表などは立ちどころにお手許に配付できると思います。但し、それとこの法律によるところの五ヵ年計画というものとマツチしないではないかというようなお話であり特に私もマツチしないというようなことをお答えしたようにおとりになつたようでありますが、そうではなく、要するに二十八年度から五ヵ年計画ということがこの法律案が通過して実施せられるならば、当然にこの法律案で以て規定する新設を除くほかの道路費で以て賄われたものは、いわゆる二十八年度第一年次分の中に含まれるわけであります。それよりも多小多くなると思います。それははつきり申上げますと、この法律案で以て、二十八年度百八十億の道路関係予算のうち、制約を受けると言いますか、適用を受ける金額は百三十億余だと思います。大蔵省が現在予定いたしております昭和二十八年度のガソリン税収入は百五十八億余だと思いますから、二十億ばかりは数の上では現在の盛られておる予算のほうが少いわけであります。だから、勿論それが二十八年度にこの法律案が通つて出して頂けることになれば、今の二十八年度の建設省で持つておるところの予算の執行の案にプラスして二十億の事業量が五ヵ年計画の第一年次案としてきまるわけでありますから、これはマツチしないとは申上げず、完全にマツチすると、こう考えてよいと思います。  このぐらいの法律案を出すならば、五ヵ年計画をもうはつきり出したほうがいいじやないかということでありますが、これは五ヵ年計画というのは、お手許に届け出ましたところの予算千六百六十億円と、それに対してこの法律案で以て予定する揮発油税の総収入額を五ヵ年間合計千百億と押えておるのでありますから、これはもうでたらめな数字ではなく、相当細かい数字を積重ねてここに出しておるわけでありますが、ただこの今考えております第一案もガソリン税収入相当額だけで以て全部賄えるわけではありません。一般財源との問題が兼ね合つて初めて五ヵ年間にどの程度財源が出せるから五ヵ年計画の最後案というものはこの程度できめようじやないかということが、政府全体の予算とも睨み合わせた結果きまるのでありますので、現在腹案としては幾らでも大蔵省のお手許に提出できるのでありますが、実際の五ヵ年計画案というものは、法律案と同時にこれを出すことは事実上不可能ではないかと、このように考えておるわけであります。この法律案が通過いたしますと、建設省には道路で以て整備しなければならない一切の資料があるのでありますから、この中から大蔵省当局及び政府部内全部の意見として、ガソリン税収入で以て見込めるものが幾らある、一般財源から見込めるものが幾らある、この法律によるところの五ヵ年間整備事業計画は幾らになるということをきめた場合に、この二十八年度の予算総額がきまつて実施個所がきまるように、総額がきまつた場合にそこで初めて約五百億ずつ計上し、十五ヵ年間で漸く整備できるのではないかと言われておるほどの日本道路網の中からこの法律で以て旅行するところの個所がはつきりきまり、そこに初めて最終的な五ヵ年計画案が実質上生れるわけでありますので、今出すとすれば想定案を提出する以外にはないと、このようにお答えする以外にありません。  なおその次に、継続費として考えたらどうかというのは、勿論道路というのは継続費で工事を行いたいのでありまして、我々の念願はそこにあつたわけであります。ところが、今までのように年度の予算予算全般と睨み合せなければきまらないというような状況でありましたので、継続的に事業を施行することができないのが日本状態でありまして、特に終戦後は継続費というものは認めなかつたというような状況もありますので、道路政策上は最も不適当な手段をとらざるを得なかつたというのでありまして、ガソリン税収入相当額がこれから五ヵ年間に亙つて本法に規定する五ヵ年計画費用に充当せらるるというならば、初めてそこに本質的に継続費と同じ運用がなされるのであつて日本道路行政上に対して画期的な進歩をもたらすものだと、こういうふうに考えておるわけであります。ただ継続費として要求した場合はこの種の法律案財源を拘束しなくても済むじやないかというのでありますが、それは当然政府が行うべきでありまして、私たちも第一次、第二次、第三次、第四次と続いております吉田内閣で、常に道路網の拡充を叫びつつ、五年間と言わず、十年間の継続事業計画をきめられて、今までにもすでに五ヵ年、十ヵ年計画の第何年次に入つておらなければならないということを考えておつたわけでありますが、如何せん昭和二十七年度までには政府はかような処置をとらなかつたわけであります。同じ問題として、去る国会に衆議院で議決をしました公営住宅十八万戸建設決議案に対しましても、これは当然政府が十八万戸造るという国会の決議を尊重して継続費制度をとればよいのでありますが、まだとつておらないわけでありますが、そのような事例に鑑みましても、この法律案が通過すれば、事実上の継続費が国会の意思によつて認められると、こういうふうに考えておるのでありまして、私としては今の段階において道路整備上この種の法律案は止むを得ない処置だと、こういうふうに考えております。
  68. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そこで、今の御答弁を伺うというと、この予算が通れば事実上継続費的なものになるとおつしやるのですが、なお年次計画というものが必要なんです。実質的に継続費は年次計画がなければいけないのです。これはもう財政法上ですね、年次計画なくして継続費的なものを出して来るということでは、我々審議の対象になりませんし、財政法違反です。年次計画なくしてはですよ。ですから、厳密に法律的に言えば、この法律案は非常に盲点を逃げているのですね。目的税と言われて、目的税じやない。成るほど目的税じやないようなところもあるのです。それから、じや継続費かというと、はつきりした財政法上の継続費ではないのですね。それが又年次計画が立たんわけなんです。本当は厳密に言えば税収入が殖えたり減つたり、ガソリン税収入が殖えたり減つたりするとすれば……。併し実質はそういうふうにしたいんでしよう、実質は……。目的税に実質はしたい。実質は継続費にしたい。実質上これが通ればそうなるだろう。であるから、なお我々は実質論を言つているのであつて、やはり年次計画がどうしても裏付けとして私は必要であると思います。そうでなければ我我予算委員予算審議する場合に無責任になるのです。特に私は継続費よりなお悪い点は、歳入において縛つてしまう点はなお悪い。私は継続費については、前の財政法を改正するときにいろいろ意見があつたのですけれども、これをまあ国会において最高決定権があるのですから年次計画についても修正し得る、こういうところで妥協が成つたようなわけなんですけれども、やはり私はそういう意味で年次計画というものが裏付けにならなければ、実質的に……。この法律案財政法の精神に、条項ははつきり言わないでも、精神に副うものであるか、私は予算委員としてそんな年次計画がない、実質的に継続費的なもの、それから実質的に目的税的なものですね。その法律形式として盲点を縫つて来たこういう法律案を我々どうも……これは議員提出なんですけれども、私は非常に欠陥が多いのじやないかと思うのであるけれども、その点、どうしても年次計画が一緒に出されないならばいけないのじやないですか。
  69. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 私の言葉が足りず、きつと意思が完全に通じないようでありますが、道路は当然継続でやるべきだ、こういうことは原則的に考えております。道路だけではなく、災害復旧にしろ、何でも継続的にやらなければならないのでありますが、道路は特に継続的に工事をやれば非常にうまく行くだろうということを考えておりますが、今までの日本予算の編成の方針から言いますと、どうしてもそういうふうには行かなかつたわけであります。その意味において、今度は少くとも五ヵ年に亙つてガソリン税収等相当額がこの五ヵ年計画遂行の費用として許されるというのでありますから、実際上継続計画ができるのであつて道路行政上非常にいいと思うのでありまして、継続費の性格を持つものであるとは考えておらないわけであります。まあ、木村さんが言われたように、私どもが盲点ばかり狙つておると言われておるのでありますが、そうも言えないのでありますが、併し政府提案で以てこの前御審議つて、現在通過しております有料道路法も、実際は工事が一年に幾ら、二年に幾らということをやつておるのでありますが、厳密に継続費というような観念でこれを処理しているのではないと考えております。但しこれだけの法律案を出すために年次計画を持たないのはいかんじやないかということは私も納得できます。ただ年次計画というのはいつでも作られるのでありますし、又現在資料はたくさんあり、その資料をまとめれば五ヵ年年次計画の案がすぐできるのであります。ただ、そのできたものが実際において最終案としてまとまるためには、政府当局ガソリン税に対する五ヵ年間の見通しというものをはつきり持たなければなりませんし、ガソリン税以外、ガソリン税の税額以外にまたがつてはならないというような財政上の相当な困難な事情があれば、お手許に配付しました千六百六十億というものを千百億に縮めなければならないかも分りません。そのためには私たちが今考えております十五年、二十年というような整備計画が、悲しいかな三十年、五十年に延びるだろうと思うのであります。そのような事情で最終的にはガソリン税税収入額の総計が幾らである、一般財源から繰入れられるものが幾らある、その額がきまつて初めて全部の道路整備しなければならない総計数からそれだけのものをピツク・アツプした場合、初めてそこに最終的な年次計画ができるのでありまして、堀木さんからもこの種の質問がありましたので、私がどうも何も持たないで、ただ建設省の窓口を拡げるために、この法律案を作つたのではないかというふうに言われましても、どうも甚だ困りますので、簡単に申上げますと、大体こういうふうになつておるのであります。新らしい道路法が今できまして、御承知の通り一級国道だけ指定いたしまして、二級国道の今指定中であります。次いで年度末までには重要地方道の指定を終らなければならないわけであります。古い道路法は師団司令部から師団司令部を結ぶものを国道とするというような、過去の日本の旧憲法観念によつて作られた道路法でありましたが、新らしい道路法は言うまでもなく新憲法の精神を取入れて、日本国の経済産業再建のために重要な路線を一、二級国道と指定するというふうに、新らしく生れ変つておるわけであります。その意味合いにおきまして、現在指定中の一、二級国道及び重要地方道等の格付けができまして、初めて新らしい意味日本道路計画というものも生れる過程にあるわけであります。只今状況で以て申上げますと、国道、指定府県道、府県道を合せますと、大体十三万五千キロであります。このうち未改良部分が大体どれくらいあるかと申しますと、驚くなかれ十万二千キロの多数に上つておるわけであります。新道路法によつて指定せられました一級国道は現在九千二百六十キロ余に亙つておるのでありますが、大体これを一万キロに数え、二級国道も同じく八千五百キロ乃至一万キロと、こういうふうに勘定して参りまして、重要地方道を十三万キロと、合計新らしい道路法によるところの重要道路というものの総延長十五万キロとして考えました場合、これに対する改良計画道路整備計画を細かく申上げればたくさんあるのでありますが、大体一ヵ年間に三百九十億乃至四百億ぐらいの金をかけなければ、一級国道一万キロ五ヵ年、二級国道一万キロ十ヵ年、重要地方道十三万キロを十五ヵ年間整備をすることはむずかしい状況にあります。それでなお一、二級国道だけを対象といたしまして鋪装いたしますといたしますと、現在鋪装済みのものは僅かの二千五百五十キロの少量であります。これが一、二級国道二方キロから現在既鋪装分を引きますと一万七千四百五十キロというものが未鋪装になつておるわけであります。これを十五カ年間で以て鋪装をし、道路の運輸交通上支障ないようにするには、年間百十六億乃至百二十億の金を十五カ年間注ぎ込まなければ完全鋪装はできないというような数字が仮定せられるわけであります。  なお一、二級国道及び重要地方道で以て重量制限をやつて全然通れない道路があります。これは私が申すまでもなく、あなたがたの府県全部そうでありますが、こういうものを全部申しますと、驚くなかれ十四万三千キロというような大きな数字を挙げておるのであります。これを永久橋に架け替え、未改良であるととろの長大橋の一部を架け替えるというようなことをいたしますと、どうしても、十五カ年、通算して一年当り百億乃至百二十億の経費を要するわけであります。これになお地方で以て負担しております鋪装に対する補助とか、修繕個所の補助を入れまして、大体三十億程度を計上する場合、どうしても現在の道路整備をするには毎々申上げている通り、一年間五百億以上ずつ計上しなければ、もう日本道路というものの整備はできない状況でありまして、建設省は常に大蔵省に年次予算の要求をするときには四百八十億乃至五百億の細かい数字的な基礎に立つて予算要求をしておるわけであります。併しその結果八十八億円の二十七年度予算が計上せられた場合は、その五百億の中から八十八億分を取り上げて工事を施行しておるわけでありますから、実際建設省が御要求になるところの資料を整えろということになれば、直ちにもできるわけでありまして、この法律が通過してのち、このたくさんある道路整備しなければならない個所の中から、五ヵ年間における総事業量を先ずきめて、それによつて重要度の高い点から工事個所を指定して行く、そこに初めて五ヵ年計画ができ上り、それも建設大臣の一方的な決定になつてはならないために、閣議決定をみて初めて五ヵ年計画決定いたすということを言つておるわけであります。この種のもので先ほど申上げましたように一つありますのは、衆議院が先ず公営住宅の基本的な数だけきめまして、政府は何とかして措置をしろ、措置ができない場合には法律案として出すぞ、今の段階においては法律案として出さないで先ず議決案としておくというのに、公営住宅十八万戸の衆議院議決があるわけであります。そういう意味におきましては、事実の問題といたしまして、法律が通過してから五ヵ年計画が作成せられるのが順当ではないかと、こう考えております。
  70. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 公営住宅の場合は、或る財源を殖してやるのではないから、やや形が似ておるようですが、それは又違うと思うのです。やはり公営住宅をどれだけ作るというような場合をこれにあてるということと同じケースになつて来るのです。ただそんなに簡単にできるなら早く年次計画を我々は出して頂きたい。そうでないと、我々はその年次計画がいいのか悪いのか、判断しなければならないわけです。五ヵ年計画、これではどこを先にし、どこをあとにするか、やはりそれは正しい年次計画であるということを我々は見て、これが適当であるかどうかということを判断するのですから、その判断の材料がない、これをきめて頂けば作るのだ、これでは我々としては非常に無責任だと思う。どうしてもこの裏付をそんなに簡単にできるとしたならば、出して我々に早くみせてくれ、こう言うのだ。ただあとは白紙委任みたいにこれを通してくれれば……、それは田中さんは専門家ですから、そういう案はすぐできるかも知れませんけれども、とにかく一般にそういうものを了解させなければ、我々が理解しないで認めることはできないわけですよ。
  71. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 重ねて申上げますが、言い落しましたので申上げますと、お説のような慎重な考えから、一建設大臣に五ヵ年計画の個所をきめるような重大な事項を任してはならないというので、閣議決定を待たなければならないというふうに慎重を期したわけであります。而もこの法律案を作る過程におきまして国会の議決を経たらどうか、五ヵ年計画案に対しては国会の承認を得るような途を開いてはどうかというような意見もあり、当時においてそのように立案されたのでありますが、これは年度の予算もアメリカの予算のように、款項目に対して非常に厳密に規定をしておるのではなく、相当幅広い財政処置に任しているのが現在の日本予算の執行の状況でありますので、特にこの種の立法によつて措置がとられるものが非常に大きな額であるだけに、行政官庁の長だけの決定に待たないで、閣議決定を待つて慎重を期したいというので、この原案になつたわけであります。  もう一つやはりどうもガソリン税の、目的税ではないと言いながら目的税だ、財源を縛るという観念が非常に強いようでありますが、私の考えからいうと、盲点をついておるからというふうになお言われるかもわかりませんが、私は根本的に幾らか予算編成財源に拘束はされても、いわゆるガソリン税収入をそのまま道路財源に全部よこせというところの目的税法案ではないのでありまして、いわゆる基本的な観念において、道路政策としては各国ももうすでに先進国はガソリン税目的税にしているのだから、日本目的税ということを考えていいのではないか、而も利用者団体もそういうことを言つておりますし、政府自体においてもガソリン税道路整備のためには止むを得ない措置として目的税にしようというような了解さへもしている現状でありますから、そのようにしてもいいじやないかということを先ず第一段に前提として考えて、第二段の具体策としては、目的税に対していろいろな異論もあるし、又目的税の可否についてもまだ論じなければならないのであるから、少くとも現在の状況においてはガソリン税税収入額と同じ額を道路費に盛るような法律案を出そう、こういうふうに考えたのでありまして、厳密に考えると、私の考えも間違つておらないというふうに考えております。特にこの法律案を出すときには河野主計局長は、ガソリン税を減免廃止をする意思はない、而も世界的に考えてそう高い税率ではありませんということを先ほど言つておられます。私としてはどうも非常に因業的な発言であつたと思つておるのでありますが、私が率直に考えて、今の財源状況から考えて、現行ガソリン税は私は非常に高い税率だと思つております。又徴税の方式も禁止税的なやり方だと思つております。思つておりますが、いろいろな立場から、角度から見たときに、これが減免せられない状態であるならば、これはもう当然道路費の一部に当てべきだという結論を私自身も持つており、建設委員会の各党出身の委員の結論もそこに到達して、この法案を作つたわけであります。又利用者団体といたしましても、減免は希わなければならない状況にはありますが、どうしても減免ができない状態であるならば、ガソリン税目的税にすべしという議決をしているわけであります。ガソリン税収入の約九〇%を納付する全国道路利用者会議も、先ず減税が第一であるが、減税ができない場合には当然目的税にすべし、場合によつて目的税法律案が通過して、道路が完全によくなるのであつたならば、五ヵ年間は現行税率でも止むを得ないということを、御承知の通り昨日業者代表としての伊能繁次郎君も発言しておられるように、ここまでガソリン税の大半を納付しておられるかたがたの叫びによつて、少くとも道路整備のためにこの額ぐらいのものは持つて一般財源を梗塞するようなことはない、世界的に考えても、これくらいの紐を付けられることによつて日本の将来の予算編成に重大なる支障に相成るという発言は、これは少くとも正しくないというぐらいに考え、又且つこれと同じような種類のものが陸続として出る虞れに対して具体的にどうするかという場合には、我々が所属いたしております自由党などでは、これ以外は絶対にこの種の法律案提案しないという決意を以てやつておりますので、その間の事情を御了承願えれば財源を梗塞するという純理論的なお言葉は多少緩和されるのではないかと、こういうふうに考えております。
  72. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 あなたと議論になりまして、何か見解の相違みたいなことになつていますので、質問よりもお互いの立場に立つた意見を述べ合つているようなことで、意味がないようであります。ただ最後に私は、これまでもずつと質問してみたり、或いは又この間利害関係者の意見大蔵委員会で聞きましたが、非常に問題があるということだけは明らかになつて来たわけです、この法律案が。それで先ず第一に、財政法上非常に問題がある。それで議員提出案ですが、みずから国会における予算編成権を拘束するような法律案出して来たということは非常に不見識極まると思うんですよ。そういう点をこれは反省する一つのいいケースだと思うのです。而も実は継続費の制度を認められておるんですが、それはできない、それは政治力が自由党にないから、そういうその欠陥をこういうふうに補つたんですが、やはり予算編成権の建前というものはそんなに簡単にこういうことによつて否定すべきものではない。そのほかに幾らでも方法はあるんです。問題は財源がないということであつて、この財源をどう捻出するか、その場合にはやはり飽くまでも合理的な方法において捻出すべきであつて予算編成権をみずから放棄するような、結果においてですね、そういうようなことの法律案は出すべきじやない。で、法律案予算よりも優先しますから、法律がやつぱり予算を拘束するんです。そういう意味でこれは非常に慎重に考えなければならん。他にもつと方法があるんです。而もガソリン税については高過ぎるということはみずからお認めになつておる、世界的にもこんな高いガソリン税はないということを業者のかたも言つております。我々の立場から言えば、これはもう大衆課税であつてガソリン税の七五%は消費税、こういうものは間接に随分やはり大衆負担になつております。これは消費者負担になつておりますが、トラツク代が高いとか、或いはバスの代金が高いとか、そういう形で消費者に転嫁されておる。我々はこういう消費税は廃止しなければならん、こういう消費税は軽減乃至廃止しなければならないんです。やつぱり税体系から言つてもどうしても我々は所得税中心にすべきであつて、消費税中心に移行すべきではない。今度すでに政府は砂糖消費税を上げましたけれども、我々はそういう点から反対で、問題は税体系から来ておる、こういうものはもつと軽減しなければならない、もつと大幅に軽減すべきである。もう基本的な政策になりますから、又見解の相違になるんですが、やつぱり財源がなぜ詰るかということはもつと大きな点から考えるべきであつて政府が大きな不生産的な支出をやつていながら……、日本の経済として防衛費なんか分担できる経済じやないんです。又保安庁費なんか八百三十億なんて負担できる経済じやないんです、日本は。そんなところに金を使うから道路費のほうへ廻つて来ないんであつて、その根本を衝かないで、そつちのほうは放つておいて、不生産費は放つておいて、そうしてこういう形で財源を他に求めるということは、これは私はおかしいと思う。財源はほかにあるんです。幾らでもあるんです。それを根本的努力を払わないでそういうふうにいたしますから私は反対なんです。田中さんの道路をもつと早く整備しなければならんという御意見については傾聴もいたし、よくわかつております。ただその緊急度にしても、同じ建設事業でですよ、災害の復旧とか、治山、治水とか、そういうものの緊急は非常に緊急性があるのです。災害の復旧なんか随分遅れております。そういう全体の建設事業のバランスから考えても道路のみをです、道路のみを優先して、そうして或る財源を確保してしまつてやらなければならないということについても、もつと広汎な経済の復興、或いは建設事業のバランスの上から言つても、やはりもつと検討すべき点があるのです。何でも早くできることに越したことはないのですが、やはり予算審議する場合には、そういう全体のバランスを考えなければならないのでありまして、そういう点からもこれは検討しなければならない。それでありますから、年次計画というものを具体的に出してもらつて、どの程度の緊急度なのかということは我々が具体的に判断するのです。あとから作るのじやいけないので、我々が判断して、これならいいと、こういうふうにして初めて予算なり財源を認める。我々に自主性を与えないで、まあ勝手と言つちや失礼でありますが、俺に任しておけというようなことではいけないと思うのであります。これも重ねてこの間小林君も御希望申上げましたが、一主計局長がガソリン税を減らさないとか減らすとか、そういうものは権威があるものじやないのであります。国会でそういうことは判断すべきなのであります。だからそんなことは権威があるものじやないと思います。そういう意味で理論的に言いまして、私はどうも非常に不満足なんですが、大分私も質問いたしまして、意のあるところはわかりましたが、併し財源の捻出方法については財政法上非常に疑義があるのでありまして、これはそんな簡単な問題じやないと思うのです。それは立場が違うからかも知れませんが、これはもつと十分に検討すべきもので、衆議院において検討が不十分であつたがために参議院においてはもつと十分にあらゆる角度から検討しなければならないと思うのであります。大体私の質問はこの程度で、あと田中さんのほうから御答弁があれば承わるし、なければそれで結構でございます。
  73. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 御答弁申上げますが、ガソリン税が高いということは私も自動車業者の一人でありますので、成るべくならまけてもらいたいということを考えているのでありますが、特に石炭に対しては一切の消費税がかけられていない、ガスや電気に対して一〇%の地方税はかけられているが、国税は全然かけられていないということ考えまして、いろいろな問題はありますが、併しさつき河野主計局長が言われたように、ガソリン税の税率が高いというのはどうかと私も思つております。これは多少資料を見ておりますと、日本に匹敵する約一キロリツターに対して一万円以上の税をアメリカの州でとつている所もあります。併しこんな問題よりも、とにかく大衆課税であるガソリン税を減免するということを私どもとしても考えておりますが、こういう問題よりもこの大きな税負担に応じているところの全国道路利用者会議決議を以て、五ヵ年間この税負担に泣いてもいいから道路は何とかしてくれということを率直に申しておる、今年間十五万台の新車が購入せられており、約九百億の高い代価が支払われているわけでありますが、この法律案が通過して、五ヵ年間道路整備が完了したとするならば、道路を利用する輸送業のいわゆる総経費の四四%乃至五〇%が軽減されるということになると、一年間に約九百億乃至千億ずつ儲かるわけであります。全くこのくらいペイするというよりも相当な事業として成立つわけでありまして、そういう意味で吉田さんがきつと弾丸道路などは、我々が一部には異論があつても、造れば民間企業としても成立つんじやというようなことをきつと言われておる一つの原因となつておると思いますが、とにかくそういうふうな効率的な国費の投下の面から考えても、今までの道路費用が余りにも少な過ぎたという一語に尽きるのだと思うのであります。この間から繰返して申上げておりますが、全世界でも、インドの例ばかり申上げてどうもまずいのでありますが、一人当り百円以下の道路費用を払つておるのは全世界でインドだけであります。その次は日本であります。アメリカは二千七百円という一人当りの道路費負担しておるのでありますから、勿論このようなことは全然考えられませんが、オーストリヤにしろ、トルコにしても、一人当り五百四十円、五倍半もとつておるのでありますから、如何に日本財源がないからと言つて財源がないということを一つの物差しにして、道路費をこれ以上に盛れないんだということは、これは予算技術士拙劣をみずから暴露するものだと思つております。けれどもその拙劣を暴露しておるのがお前の所属しておる自由党政府じやないかという、こう言われれば一言もないのでありまして、私はその意味において、予算編成権を上廻る権力はどうしても国会において議決を国会の意思を以てやる以外にはないということを考えましていろいろな問題はありましたが、私たちも敢然としてこの法律案提案をしたわけであります。勿論いろいろの議論は私たちに対しても集中せられると思つておるのでありまして、これは道路整備上の非常立法として止むを得ないという立場に立つて率直に申上げておるわけであります。私はこの五ヵ年計画が進みまして、非常に強い税負担に泣いておられるかたがたのいわゆる犠牲において日本道路が画期的に整備されて、経済再建、産業発展に寄与せられる日の来ることを私は心から希望しておるわけであります。
  74. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 結論として、道路費ガソリン税を結び付けるところに問題があるのですよ。それだけですね。それがいろいろ矛盾があるということなので、もう少しもつといろいろ突込んで研究してみたいと思いますが、今日は私の質問を終ります。
  75. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 別に御発言がありませんから、質疑は打切つたものと認めます。つきましてはこの委員会意見をとりまとめて建設委員会のほうに申出るはずでありますけれども、御覧の通り委員各位も非常に少いことでもありますし、併しながら建設委員会のほうは時間的に逼迫しております関係上、明日理事会を開きまして、本日の皆さんの御意見をとりまとめて意見書を作成して建設委員会のほうに申入れるかどうかということをきめたいと思いますが、如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) さよう取扱いますから、御了承おき願います。  本日はこれを以て散会いたします。    午後四時十五分散会