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国務大臣(佐藤榮作君) いわゆる高速道路の
構想につきまして、まだ実情を申上げない結果が、お尋ねの点も私どもの
考えと離れておると思うのでありますので、大変時間を拝借して恐縮でありますが、少しお話をいたしてみたいと
思います。
只今波多野さんから幅員二十二メートルということを言われましたが、大体高速道路といたしましては幅員三十五メートルくらいを
考えております。なぜ幅員三十五メートルということを
考えるかと申しますと、大体四車道ということにいたすのであります。真中に緑地帯をとりまして、左右に二車道ずつとるわけであります。車が並行して
二つ二両が走れるという
構想でございます。だから非常に高速のものと、ややスピードの落ちたものも一緒に通れるわけであります。同時に又
只今木村さんからのお尋ねがありましたように、非常な高速度で走る
考え方でありますので、普通の道路とは、場所によりましては立体交叉をする
考え方でおるのであります。道路自身が全部平面交叉というものではなくて、場所によりましては立体交叉をする。それで通常の交通とはこれを区分するという
考え方で参るわけであります。最近の道路は御
承知だと
思いますが、非常に進んだ高速度道路になりますると立体交叉をいたしまするし、それと在来の道路との繋がり方も迂回路と申しますか、それによ
つて繋ぐ方式をと
つて参る。そのようにいたしますれば、高速道路が
通りましても、
一般交通とは区分し得ることに相成るのでありまして、いわゆる楽にその道が通れるとか通れないとかいう問題は先ずないと申しますか、これは別な
考え方で処理して行かなければならないと思うのであります。
そこでかような高速道路を
考えますゆえんは、先ほど来申上げました
通り、どこまでも現在の東海道の交通量、更に自動車の発達の
状況等を
考えまして、それに合う道を作
つて参るわけであります。
従つて完全鋪装の道路になることは当然であります。そこで昨年来
調査を進めておるのでありますが、なかなかこの道を造るについてはいろいろな誤解もありましようし、又場合によりましては却
つて近距離輸送には不便じやないかというお話もこれは勿論起るのであります。殊に都市附近を
通ります際には、その路線の選定等でいろいろ問題がある。例えば横浜だとか、或いは御殿場、名古屋、一宮等におきましても、その路線の選定についてはいろいろの問題があるわけであります。
従つて今後それらの点も地方と十分話合いの上で最後の路線の決定をしなければならない問題だと
思います。又
只今御
指摘になりましたように、
調査をいたす場合におきましても、相当この中心線が動くということを想定をいたしまして、百二十メートルの幅について
調査をいたしておるわけであります。この百二十メートルの
調査をいたしまして最終的にどういうように線路を決定しますか、これは今後の問題になるわけでございます。かような
調査は二十八
年度を以て完成する予定であります。それから又その
費用はどうしてやるか、先ほども
波多野委員からのお尋ねがありましたが、国内道路の整備費を全部これに注ぎ込むようなことでは、勿論国内の要請に応える筋でもないのでありますので、これが資金の獲得につきましては格段の留意をいたさなければならない。そこで或いは外国の技術と外国の資本を導入してこの道路を建設したらどうか、こういう
考え方になるわけであります。道路に資本を投下して、そうしてこれを有料道路、賃取りの道路にいたしました場合に採算がとれるかとれないかという問題になるわけでありますが、現在有料道路の制度は皆様がたの御協賛を得まして、各地に賃取りの橋を作つたり、賃取りの隧道を作つたりいたしております。これと同じような
構想で特別な高速用に供する道路でありますので、料金を取ることによりまして採算がとれて参るのじやないか、こういうことを
考えております。まだそれが具体的には
只今の
状況の下においては進んでおりません。道路の発達は外国等の例を見ましても、いろいろ特殊な
構想がそれぞれあるのでありまして、公共事業費で作
つておる道路、或いは又有料道路の制度、更に又道路会社等をこしらえまして、そうしてその採算の下に経営さすとか、いろいろな方法があるわけであります。又道路の維持或いは保守というような問題につきましても特別な財源を確保して、そうしてそれで賄
つて行くとか、いろいろ各国の例等もありますので、これらをも十分斟酌いたしまして、最終的な結論を出したいと
思いますが、この点につきましては、まだかくかくするというところまでこれはまとま
つておりません。
以上で先ほど来のお尋ねの点にお答えしたかと
思いますが、概略申上げた次第であります。