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1952-12-04 第15回国会 参議院 予算委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年十二月四日(木曜日) 午後一時三十四分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
岩沢
忠恭
君 理事
高橋進太郎
君 森 八三一君 内村 清次君 山下 義信君
委員
石原幹市郎
君 石坂 豊一君
池田宇右衞門
君 川村 松助君 楠瀬 常猪君 郡 祐一君
白波瀬米吉
君 杉原
荒太
君 平林 太一君 山本 米治君 石黒 忠篤君 小野 哲君 加藤 正人君 片柳
眞吉
君
西郷吉之助
君
新谷寅三郎
君
田村
文吉
君 溝口 三郎君 佐多
忠隆
君 三輪 貞治君 波多野 鼎君 松永 義雄君
吉川末次郎
君 堀木 鎌三君 千田 正君
政府委員
大蔵政務次官
愛知 揆一君
大蔵省主計局次
長
石原
周夫君
大蔵省理財局長
石田 正君
大蔵省銀行局長
河野 通一君
中小企業庁長官
岡田
秀男
君
事務局側
常任委員会専門
員
野津高次郎
君
常任委員会専門
員
長谷川喜作
君
常任委員会専門
員 正木 千冬君
説明員
国民金融公庫
総 裁 櫛田 光男君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
昭和
二十七
年度
一般会計予算補正
(第一号)(
内閣送付
) ○
昭和
二十七
年度
特別会計予算補正
(特第一号)(
内閣送付
) ○
昭和
二十七
年度
政府関係機関予算補
正(機第一号)(
内閣送付
)
—————————————
岩沢忠恭
1
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 只今より
予算委員会
を開会いたします。 本日は
中小企業
問題につきまして、
通産省中小企業庁長官岡田秀男
君の
説明
を聞くことにいたします。
岡田秀男
2
○
政府委員
(
岡田秀男
君)
中小企業庁
といたしまして、現在のところ
中小企業
の問題の
対策
といたしましていろいろや
つて
おりますことを概略申述べさして頂きます。 昨年一時
朝鮮ブーム
によりまして一時
景気
が好くな
つて
おりましたが、去年以来の
景気
の沈滞によりまして、
中小企業
が非常に困
つて
いることは申すまでもないことであります。その関連におきまして、
中小企業
問題が最近非常に重大に成相
つて
来ているのであります。その当面の問題もさることでございますが、
中小企業庁
といたしまして、過去並びに現在において、ずつとや
つて
来て参りますことも合せて申述べさして頂きたいと存ずるのであります。 私
ども
といたしまして、
中小企業対策
の大きな旗印といたしておりますものが、先ず第一には
組織化
の問題、第二といたしましては
中小企業
の
合理化
、
内部
を健全にする問題、第三といたしましては
中小企業
の
金融
、
信用力
の確保の問題を合せました
金融
の問題、その他
一般
問題といたしまして税の
関係
をどうするかという問題、或いは
中小企業
の人々は
経済情勢
の
資料
が入手しにくいから、その点を我々のほうで極カニュースを流すという問題、或いは見本市をやりますとか、その他
市場開拓
の問題を坂上げるというふうな、いろいろの一連のその他の問題、
四つ
に分け得るかと存ずるのであります。
中小企業
の
組織化
の問題といたしましてまは、
中小企業
はそれ
自体
として
中小企業者
が全身、全
財産
を投げ打
つて
仕事
をされておりまする
関係
上、いわゆる
会社
の
経営
よりは身が入
つた仕事
をされているという特徴もございまするけれ
ども
、その財力が非常に弱く、
販売力
も弱いというふうな
関係
から、どうしても
経済変動
が参りますと、そのあふりを直接に受けやすい、さような
意味合
から、特に又戦後
親工場
の力が弱
つて
おり、或いは問屋の力が弱
つて
いるというふうな
関係
も併せまして、我々といたしましては
相互扶助
の精神に基きまするところの
協同組合
の
結成
ということを強く推進して参
つて
いるのであります。丁度
中小企業等協同組合法
が制定されまして、すでに三年を経過いたしているのでございまするが、その間、
組合
の
結成数
から申上げますと、概ね二万八千
組合
ができているのでございます。それによりまして
関係
しておりますところの
中小企業
の数は、大体全
中小企業
の数をどう抑えるかによ
つて
多少違うかとも存じまするが、概ね六割
見当
のかたがたが
中小企業
の
協同組合
に
関係
しておられるようにまあ推測いたしておるのであります。ところがこの
組織化
の問題で一番我々が今後
努力
いたさねばならんと
考え
ておりますのは、数の点では月に二百くらいの
組合
が今でも増加しつつあるのでございますけれ
ども
、その中身におきまして、本当に
組合員
のために役に立つような
活動
を堅実にや
つて
おりますところの
組合
が何ぼあるか。過去の
統制時代
におきまして設立されましたところの
統制組合
の看板を掛け直しただけで、ただ名前は
協同組合
でございますけれ
ども
、殆んど休眠しているような
組合
がどのくらいあるか、その点を把握いたしまして、若し
組合員
の数が余りに大き過ぎて、
活動
がしにくいというふうなことがございますれば、むしろこれを分断いたしまして、同志的な結合にふさわしい姿に改組するというようなことも
考え
られる次第でありまして、最近
大阪等
におきましてもさような
事例
が多々ありまして、改組いたしました結果、中金の
金融ベース
にも乗つたというような
事例
もございます。そういうような
意味合
におきまして、今後は
組合
の
内部
を強化いたしまして、
組合員
のために役に立つ
組合
に育
つて
行くという
方向
に
努力
を傾注いたしたいと存じまして、新たに
組合診断制度
というものを設けまして、従来一
企業
の
診断
でありますとか或いは産地の
診断
でありますとか、又縦の
系列
の
診断等
をや
つて
おりましたのと加えまして、
組合内部
の
診断制度
というものを強力に推進いたしまして、そうして先ほど申しましたように、
中小企業
のために本当に役に立つ
組合
を育
つて
行くという
方向
に
努力
いたしたいと存ずるのであります。そうして
協同組合
が本当にその
組合
のために役に立つ
活動
をするところの
一つ
のよすがといたしまして、
共同施設
を作るということが
考え
られるのであります。一人一人の
組合員
によりましては買うことができない
機械設備
或いは
運送機関
というようなものを備えることによりまして、非常に利益を受けるということが
考え
られるのでありまして、私
ども
といたしましては、過去二十二年以来
共同施設
に対する
補助金
の
制度
を設けまして、本
年度
までにおおむね五百数千万円の
補助金
を約七百八十ぐらいの
組合
に出しておるのであります。本
年度
の
予算
が二億円でございます。これは甚だ御自慢にならん
数字
でありまして、私
ども
といたしましては来
年度
におきましてはこれを相当増額いたしたいという気持を持ちまして
大蔵省等
と
目下交渉
中でございます。 第二の
企業
の
合理化
の問題につきましては、従来から
企業
の
診断制度
というものを設けまして、そうして今年からはその
診断員
の
登録制度
も設け、有能なる
診断員
を動員いたしまして、それによ
つて企業
の
診断
をやる、そうしてその欠点の所在を
はつ
きりと掴みまして、
改善方策
を
勧告
いたすということを従来からや
つて
参
つて
おるのでありまして、すでに
工業関係
におきましては八千件
程度
の
診断
をやり、
商業
につきましては三万件
程度
の
診断
をや
つて
来ておるのであります。この
診断制度
を振返
つて
見ますると、やはり従来
診断員
の素質において不十分な点があつた。殊に東京、
大阪等
の大都市におきましては有能なる
診断員
を得ることが比較的容易でありますけれ
ども
、
地方
の
府県
に参りますると、これがなかなか十分でないのであります。又
県庁
の
職員等
を
短期養成
をいたしましても、
養成
を受けました
県庁
の
職員
が短期間に他の職務に転ずるというような欠陥もございます。大都会におきますところの有能な
診断員
を
プール制度
によ
つて地方
の
診断員
と結付けるというようなことも今後是非やりたい。それから
診断
の結果かようなふうにやつたらよろしいでしようという
改善方策
を
勧告
いたしまするのでありますが、その
勧告
した
あと
におけるところの
指導
が完璧を得ておらないように思うのであります。保健所における
巡回看護婦
のような
制度
がございまして、自宅療養しておるところの患者を巡回して
看護婦
が廻る。そうして医師が
勧告
しました
療養方法
を実際にや
つて
おるかどうかというようなことを見廻り、更に親切に
指導
しておるわけでありまするが、私
ども
といたしましても、
勧告
をやつた
あと
において
中小企業者
がその
勧告
を
如何よう
に採用しておるか、又その
勧告
に従おうとして果して順調にや
つて
おられるかどうか、非常な困難な事態に遭遇することはないか、例えば
金融
の問題にいたしましても、事後の
指導
によりまして
診断
と
金融
とを結付けるということも可能になる場合が多かろうと思うのであります。さような
意味合
におきまして私
ども
の
希望
といたしましては、
巡回指導員
のごとき
制度
を各
府県
に設けまして、この
勧告
の結果を活かすような
指導
をやりたいというのが私
ども
の
希望
でありまして、これもいろいろとまあ
折衝
中に相成
つて
おる次第であります。 なおこの
診断
の
一つ
のやり方といたしまして、
企業
に
系列
の
診断
ということをいたしておるのでありまするが、これが丁度
親工場
と
下請
との間におきますところの
下請代金
の
支払遅延
の問題の解決にも或る
程度
の役に立
つて
おるように存じまするので、今後は更にこの
系列診断
に大いに力を入れて参りたい、かように
考え
るのであります。又
あと
で申上げたいと存じまするが、
金融
の問題にいたしましても、
中小企業
が資力が弱いという点から
金融
がつきにくい面が多いことはもとよりでありますけれ
ども
、その
帳簿
その他の
経理関係
が非常に不備であるために、そのために金が動かないという場面も非常に多いと存じまするので、
経理
の
指導
、簡単な
帳簿
によりまして
経営
の
内容
がそこに記帳される、それによりまして
金融
も
改善
し、税の
関係
も円滑に行くというふうな
方向
に
指導
したい、着々や
つて
おる次第でございます。 なお
設備
の
改善
、つまり
中小企業者
の弱みの
一つ
といたしましては、持
つて
おりますところの
設備
が非常に古い、陳腐化した
機械
を非常な無理な
状態
で動かしている、
労働強化
によ
つて機械
の悪い点を補おうというふうな苦しい
状態
も見受けられるのでありまして、何とかしてこの
設備
の
改善
を図りたい。かような
考え
から先般の議会において、成立いたしました
賠償指定
の
国有財産
の解除に伴いまするところの
賠償機械
の
交換制度
というものを今動かしておるのであります。これは
賠償指定
にな
つて
おりました
機械
のうちから、おおむね五万弱の
機械
を
中小企業
の持
つて
おりますところの旧式な
機械
と
交換
をしてやろうという
制度
であります。目下各
府県別
に枠の割当ができた
状態
であります。これによりまして或る
程度中小企業
の
機械
の
近代化
ということに役に立とうかと存じておるのでございます。なお
全国
の
府県
の中におきましては、
府県
で
機械
を
自分
が買いまして、これを
中小企業
に貸しておる
府県
があるのであります我我といたしましてはこういうふうな点も若しできますることならば大いに促進をして行きたいというふうな
希望
を持
つて
おるのであります。
金融
の問題が、
中小企業
問題と申しますと、どちらかと申しますれば、さような今概略申述べましたようなこともさることながら、
金融
の問題が
中心
であるように現在はな
つて
おります。特に年末を控えましてさような点が多いのでございまするが、私
ども
の
金融対策
といたしましては、先ず第一に
市中金融一般銀行
、
金融機関
に対しまして
中小企業
に対する
金融
を極力や
つて
もらうようにこれを進めて行く、更に
中小企業
の
専門
の
金融機関
に
資金源
を供与いたす、それによ
つて
これを大いに育成して参る。更に
中小企業者
の
信用
の足りません点を補充して参るために
信用保険
をや
つて
行くというふうなことが一応の
中心
をなしているのでありまして、最近の
中小企業者
が金に困
つて
おりますという点を、私
ども
でも非常に心配をいたしているのでありまするが、私
ども
の調べましたところによりまする
手形不渡
の
状況
を
ちよ
つと見ましても、昨年におまましては
全国
で
月平均
が約二千五百件ぐらいでありましたのが、本
年度
に入りまして四月から九月までで
平均
三千六百件
程度
、四割強の増加を示しているようでありまして、而もその
平均金額
が約十万円
程度
であるということから推して見ますると、
中小企業
の
不渡
が非常に多い。
従つて中小企業
の
金融状態
が悪化しているというふうなことの
一つ
の現れではないかとも
考え
ているのであります。そうして
金融機関
の
状態
を見ますると、全
金融機関
の
貸出額
が本年の、これは少し古いので恐縮でございますが、七月で二兆四千六百億ぐらいでありまするが、
中小企業向け
が七千四百二十二億、約三%に相成
つて
いるのであります。
全国銀行
の
状態
を見ますると、本年の七月
貸出総額
が一兆八千五百十七億、そのうち
中小企業向け
が四千五百五十三億あるのでありますが、昨年の、
ちよ
つと月が食い違いますが、六月におきまして
貸出額
が一兆二千十二億、
中小向け
が三千三百九十五億、そうしますと
貸出総額
におきましては六千五百億、約五割四分殖えておるのに対して、
中小向け
の
貸出
は千百五十八億、約三四%の増ということに相成
つて
おりまして、
全国銀行
における
中小向け
の
貸出
がだんだん圧縮されておる
状況
が分るのであります。それに対しまして
中小企業専門
の
銀行
におきましては、二十六年の六月に千三百五十六億であつたものが、今年は二千八百六十九億
中小企業向け
に
貸出
されまして、全
金融機関
の
残高
のうち、二十六年におきましては約二七%を
中小企業専門機関
が
取扱
つて
おりましたものが、本年の七月では約三九%に伸びておるというふうな
状態
でありまして、どうしてもこの全体の趨勢を
考え
ますると、大
銀行
に対しまして
中小企業専門店舗等
の設立を慫慂する、いろいろと
お願い
をいたすことの
努力
を今後も当然継続せねばなりませんと同時に、やはりこの
中小企業専門
の
金融機関
を大いに育成鞭撻することをいたしませねば、
中小企業
の
金融
というものは解決できないということが、そういう
数字
からも分るかと思うのであります。それによりまして、又年末がいよいよ迫
つて
参りまして、特に年末
金融
という問題も別な観点から取上げて
対策
を講じなくちやならんというふうなことと相待ちまして、最近私
ども
のほうで
大蔵省
に
お願い
いたしましたりいたしまして打ちました手は、先ず
国民金融公庫
に対しまして
政府出資
を三十億と
資金運用部
からの
借入
を二十億この
補正予算
で
お願い
をする、而もその
資金運用部
からの
借入
は、仮に
予算
の
国会通過
が遅れましても別途
法律
を
お願い
いたしまして、その
法律
が通ればすぐ見合いの
借入
ができるような
方法
も講じておられるのであります。又商工
組合
中央金庫、つまり従来は
協同組合
又は
組合員
だけの
専門
の
金融機関
でございますが、これに対しまして国庫から二十億の貸付を行うということが
補正
で盛られたのであります。私
ども
といたしましてはこの二十億を単なる二十億ならしめず、これを最も有効に活用する方途につきまして目下
大蔵省
と鋭意
折衝
中でございます。又
預託金
につきましても、本年の十一月に年末
金融
の繁忙を予想いたしまして、特に
中小企業専門
の
機関
に五十億の
預託
の増をやる、そうして従来の
預託残
、
中小企業
向
金融機関
、つまり商工中金、
相互銀行
、
信用金庫等
に対しまして
預託
にな
つて
おりました百八十億のものと合計いたしまして、これでまあ
中小企業
の
金融
の金の余裕をつけるということをいたしたのであります。なお
信用保険
の
特別会計
におきまして、当初
予算
におきましては
金融機関
との間におきますところの
保険契約
の枠が七十二億、それから
信用保証協会
を相手といたしますところの
保険
の枠が二百四十億と相成
つて
お
つたの
でありますが、
金融機関
との
関係
におきまする
保険契約
が随分伸長いたしまして、七十二億大むね使い果すような恰好になりましたので、これを倍に殖やしまして、
中小企業向け
の
金融機関関係
の
保険
の充実を図つたような次第でございます。先般の第十三
国会
で通過いたしました
特定中小企業
の安定に関しまするところの
臨時措置法
の、その後の
状況
でございまするが、現在綿、
スフ織物
の
関係
で、
地区別
の
調整組合
が二十六設立されておりまして、更に
全国
一本の
連合会
と、それからその他の
地区
の
調整組合四つ
が
認可申請
中でございます。なお絹、
人絹織物
の
関係
におきましては
石川
、福井、富山、桐生の四
地区
において
輸出向け
の絹、
人絹織物
の
調整組合
が設立されておるのでありますが、このほかに
石川
におきましては
内地向け
の
織物
の
調整組合
が
認可申請
の準備に相成
つて
おるのであります。その他
繊維雑品
につきましては五
組合
ができておりますほか、
編みレース等
で
全国
一本の
調整組合
が設立されておるのであります。
マツチ
その他全部で数十の
調整組合
ができておるのでありますが、実際
調整規定
を発動いたしまして動いておりますのは
マツチ
の
調整組合
と
輸出入絹
の
染織関係
の
組合
との二つのようにな
つて
おります。その他につきましてはまだ本当に
調整
をやるという段階までは至
つて
おらないように存ずるのであります。 以上概略を申上げたのでございまするが、足りませんところは御質問によりまして補なわせて頂きだいと思います。
田村文吉
3
○
田村文吉
君 これは
統計資料
の必要上からも問題になるのでありますが、
中小企業者
というものは
全国
で
幾ら
あるということにな
つて
おりますか、又
中小企業
の
定義
でありますが、現在ではお扱いの上から行くというと、
組合
に加入しておるものだけが
中小企業者
ということにしてあるのか、その辺のところを
一つお知らせ
を願いたい。
岡田秀男
4
○
政府委員
(
岡田秀男
君)
中小企業者
の
定義
が先ず第一に問題になろうと思うのでございますが、
中小企業等協同組合法
によりますと、
従業員
三百人以下のものが
組合
の
対象
になると相成
つて
おります。又
開発銀行
で
中小向け
の
設備資金
の
貸出
をいたしておりまする
関係
から参りますると、
資本金
一千万円以下で且つ
従業員
三百人以下ということに相成
つて
おります。或いは又
日本銀行
の
別枠融資
の
関係
では、使用人が二百人で、
資本金
がそれぞれの従来過去の
便宜
のためにいろいろ
定義
が違うのでございまして、私
ども
といたしましては、これを少くともこの際統一したほうがよろしいのではないかと思いまして、
資本金
一千万円以下、或いは
従業員
三百人以下というふうに統一するように今いろいろと話しておるわけでございます。又私が先ほど申上げました
金融
の
残高
のときに、
中小企業向け
の
残高
が
幾ら
ということを申上げたのでありますが、これは
統計
の
便宜
上、
資本金
三百万円以下の
会社
だけがあの
統計
には載
つて
おるのであります。
統計
の扱い方又はいろいろな従来のそのときどきの都合によりまして
中小企業
の
定義
が違
つて
おるのでございます。先ず先ほど人数の場合に約六倍
程度
のものが
組合
の
関係
に入
つて
おるのじやないかと申上げたのでありますが、これはまあさような
意味
でありまするから、どこで線を引くかということは非常に困難でございまするが、大体まあ三百万人
見当
と押えまして
協同組合
の
関係
が六割
見当
まで出ておるように思われる。かように申上げたのであります。
田村文吉
5
○
田村文吉
君 その
一体中小企業
の
企業庁
という庁があるのだが、その
対象
になる
中小企業者
というものの
定義
が
はつ
きりしていないということが、すでに非常に困る問題なんでありますのと、一体
中小企業対策
というものは終戦以来非常にやかましく言われているが、さつぱり実は実効が挙らない。そこでわざわざ
企業庁
というものを作つたらいいだろうというので、
通産省
の中にそういうものを
作つたの
でありまするが、これは
金融
の
関係
と
税金
の
関係
以外には実は何にもお役に立たんと申しては甚だ相済みませんが、効を奏し得ない。そこで私は
一体中小企業
というのでお
考え
にな
つて
いるところの、困る困るというものを
自分たち
が何とかして助けて行きたいという御
対象
は、一体どの
程度
までする、
資本金
は
幾ら
なら
幾ら
、それから
従業員
は何人にする。その場合にどうしてもつと詳しく、御
統計
もできているか知りませんが、あつたらば知らせて頂きたいのでありますが、商売人の人と
工業家
、
メーカー
というものと、それからトレーダー、商売をする人、これの区別を
一つ
して、
メーカー
の中にも例えば
織物工業
或いは
鉄工業
の
下請
をや
つて
いる。そういうようなものによりまして、そのときどきによ
つて
始終
状況
が変
つて
いる。そういうものは更に
はつ
きりしておらんので、そういうものをもつと
統計資料
がありますならば
一つ
はつ
きりとさして頂いて、これに対する
折角
二十億の金を出す、三十億金を出すもいいが、もう少し
はつ
きりと
実態
を掴んでや
つて
もろうということにならないというと、金が活きて来ない、こう
考え
るのであります。そこで取りあえず伺いますが、
一体中小企業
者を細かく分類された
統計資料
をお持ちでございますかどうか、それを先ず第一にお伺いいたします。
岡田秀男
6
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 先ほど申し落したのでございますが、
資本金
一千万円とか三百人とか申上げましたのは、
工業
の
関係
でございまして、
商業
の
関係
につきましては
協同組合
の
中小企業等協同組合法
によりましたので三十人以下に相成
つて
おるのであります。
金融
の点から申しますれば先ほど申しましたように、どこまで
中小企業
の
対象
として
金融
をいたすかという点は、例えば
開発銀行
ならここでやる、或いは
信用保険
ならどうというふうにそれぞれの
法律
によりまして、或いは
取扱方針
によりまして、
中小企業
の限度がきま
つて
おるわけでございます。
中小企業
の
統計
をとる場合にどうするかという
統計
上の立場から申しますと、
金融残高
の
統計
は今のところ不幸にいたしまして
資本金
三百万円以下のものを
中小向け
の
貸出残高
と見る以外に
統計
の問題はございませんし、さようなわけでございまして、本当に
中小企業
を或る線でぴつと或る線を引きますのも、全体の
統計
というものが現在のところまだ不備の
状態
でございます。
田村文吉
7
○
田村文吉
君 必ずしも
資本金
を三百万円と切るとか、切らんとかいうふうな問題でなくても、実際
中小企業
或いは
商工業家
と
一般
に
考え
られる、これに対しては
金融
なり或いは税の問題なり、その他
先ほどお話
があつたような問題の点で
施策
を
考え
てやるということになりますると、それによ
つて
おのずから
方法
が変
つて
行くのでありまするが、甚だ
定義自体
が漠としておりまして、
内容自体
がわからん、こういうことでありますというと漠然とした金を融通してやれとか、漠然とした
税金
をまけてやれとかいう以外に
方策
が立たない。
折角企業庁
というものがあるのですから、それならばもつと適切な
はつ
きりした
データー
を掴んで、この
データー
によ
つて
或いは
下請工業
は今日
特需関係
の上から
言つて
こうな
つて
おる、或いは
織物関係
では絹
織物
はこうであるし、綿
織物
はこうである、こういうようなものでおのずから事情が皆違
つて
おる、それに適応するような
施策
というものは当然持
つて
行かなければならない。それをただ漠然として、失礼な
申分
でありまするけれ
ども
、
共同施設
をしてやるとか、或いは
診断
をやるなんというのは、実は本当を言うと
製造家
としては迷惑で、
診断
をや
つて
もらうよりは実は金を廻してもら
つて
、俺が一生懸命やるほうがよほどいいと言うような人が多いのであります。そこでただ形式だけにならないで、もう少し
実態
をお掴みにな
つて
行くべきである、こう私は
考え
ますので、もう少し細かい
中小企業者
の内訳の何か
統計資料
はありませんか、こういうことを
お願い
する次第であります。ないとおつしやれば、これは止むを得ない。若し
企業庁
が真に
中小企業
のために尽してやりたいというお
考え
があるならば、こういう点を細かく突込んで、そうしてこれを分析して、これを活かしてやる
方法
をとる。決して
中小企業
だけがよく
つて
、大
企業
が悪いということはあり得ないのですから、無論皆
関係
はしておりますが、それにいたしましても、それぞれの事業の
内容
を分析して、そうしておやりになる必要があると思うのですが、これは意見でありますが、取りあえずそういうような何か分類された
資料
がございますか、ございませんか、あつたならば
一つ
頂きたい、こう申上げておるのです。
岡田秀男
8
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 分類した
資料
。私ここに手許に持
つて
おりませんですが、帰りまして調査の上後刻お知らせいたしたいと思います。
田村文吉
9
○
田村文吉
君 結構です。
岡田秀男
10
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 私
ども
の
考え
といたしましては
工業
といたしましては三百人、
商業
としては三十人という
一つ
の目安によりまして、
中小企業
を理論的には三百人でどうだということは非常に疑問があるのでございますけれ
ども
、三百人と三十人ということを一応の目安として区切
つて
取扱
つて
行きたい。但しマイニングなんかになりますと、その三百人なんというのが非常に都合の悪い点もございますから、若干色合いは付けなければなりませんが、大筋につきましては
工業
につきましては三百人、
商業
につきましては三十人というのを
一つ
の基準として扱いたいというのが、まあ現在の段階でございます。なお先ほど申しましたように分類別の
統計
につきましては後刻調べました上で又お知らせいたしたいと思います。
田村文吉
11
○
田村文吉
君 もう
一つ
、それで結構でありますが、先刻
組合
の数が二方八千とかいうお話でありましたが、大体
中小企業庁
としては
中小企業者
と目すべきものは大よそどのくらいの数とお掴みにな
つて
おりますか、これは
定義
のきめ方できまる問題ですが、いわゆる
一般
の観念の上から
言つて
中小企業者
と称するものは一体日本にどのくらい数があるか、どのくらいの数を見込んでおられるか。
岡田秀男
12
○
政府委員
(
岡田秀男
君) お答えいたします。いろいろな
統計
書等によりまして、まあむずかしい
定義
の点は抜きにしまして、事業所の数とかいろいろ押えてみて、大体三百万前後の事業所があるように
考え
ております。
山下義信
13
○山下義信君 今の
企業
診断
というものをやつたというのですが、
工業
が八千件で
商業
が三万件でしたか、そういう
企業
診断
をやつたという、それに関連した
資料
を頂きたいと思いますが、どうでしよう。
診断
した結果、そうしてその
診断
したそれらの
企業
の利潤
状況
はどういうふうにな
つて
おるかということを併せて、
資料
がありましたら頂戴したいと思います。
岡田秀男
14
○
政府委員
(
岡田秀男
君)
中小企業庁
といたしまして
企業
診断
をやりますのは
診断
の方針、要領、各業種別に対する業種につきましては、かような点を特に注目して、
企業
の
診断
をや
つて
下さいというふうな根本方針をきめまして、それを各
府県
に流すわけでございます。
府県
庁が各
企業
からの申入れを受けまして
診断
をいたしまして、それを私
ども
のほうへ報告して参るわけであります。私
ども
のほうでは
診断
をいたしました相手方に対しまして、
診断
の結果、あなたはこの点についてどういうふうに思われますかということをあの丸
ちよ
ん式の様式によりまして世論調査をいたしておるのであります。その世論調査によりまする
資料
は、まあ回答率が四割八分くらいでございますが、
府県
から参りますその
資料
は、余り件数その他報告の形が
はつ
きりいたしてない点もあるのでありますが、帰りましてその点をよく整理いたしまして、或いは全部が全部の
資料
がございませんかも知れませんけれ
ども
、相当整理できます限りのものをお届けいたしたい。実施
機関
は私
ども
のほうで直接いたしておりません
関係
から、若干の御満足の行かん点があるかも知れませんことをお断わりいたしておきます。
松永義雄
15
○松永義雄君
企業庁
のかたに伺いたいのですが、
銀行
局長が見えておるから差障りになるかも知れませんが、
預託
という金がありますが、これは
銀行
なり或いは
信用
金庫なりに
中小企業
融資のためとして指定されて、そして廻されている金があるのかどうか。先ずそれから先に
企業庁
のかたに伺いたい。
岡田秀男
16
○
政府委員
(
岡田秀男
君) お答えいたします。
一般
市中
銀行
に
預託
されました場合に、往々にして
日本銀行
から借りとつた金を返すという
方向
へ廻される場合もあるやに拝聴いたしておりますが、最近の
預託
において、私
ども
が
大蔵省
へ
お願い
いたしておりまするのは、
中小企業専門
の
金融機関
へ主力をおいて、その
貸出
状況
を睨んで
預託
をして頂きたい。かようにまあ
お願い
しているわけでございまして、
大蔵省
におかれましても、
預託
の場合に私
ども
の
お願い
してあります点を十分
考え
ておやり下さ
つて
おりまするから、かなりの効果が挙
つて
おるものと確信いたします。
松永義雄
17
○松永義雄君 今まではないということになるのですか。そういう金は出ておらないのですか。
中小企業
の融資のための
預託
というものはないのですか。
岡田秀男
18
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 例えば商工中金でありますとか、
相互銀行
とか
信用金庫等
に
預託
されますれば、これはもう
中小企業
に貸すことを使命とする
銀行
でございますから、自然
中小企業
へ向けての短期資金になりますけれ
ども
、
金融
はつ
くものと
考え
るわけであります。
松永義雄
19
○松永義雄君 そこでお聞きしたいのは、
信用
金庫なり
相互銀行
は大体
中小企業
が相手ですから、同じ
中小企業
のほうに廻されると
考え
られるのですが、実際その通りに
中小企業
の融資のために使われているのでしようか、どうでしようか。各
信用
金庫なり或いは各
相互銀行
なりが
預託
として廻
つて
来た金を
中小企業
のために廻しているのですか。
岡田秀男
20
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 私
ども
のほうといたしましては、商工中金につきましてかなり監督権限も持
つて
おりまするので、中金を例にして申上げますと、
預託
が相当な額が入
つて
参りますと、すぐはこなせませんから、一時はコールなんかに出すこともありますけれ
ども
、最近ぐつと
預託
をされましたのちプールして参りますると、逐次
貸出
しのほうに廻りまして、少くとも中金につきましては、
預託金
が
中小企業者
の
金融
に役に立
つて
いるということがその
数字
上
はつ
きりいたすのであります。
佐多忠隆
21
○佐多
忠隆
君 今
預託金
の問題が出ましたが、先ほどの長官のお話だと、年末
預託
増五十億くらいというようなお話でしたが、これは
中小企業
関係
だけの
預託
増のことをお
考え
ですか。そうすると、これは
大蔵省
のほうにお聞きしたいのですが、全部の年末の
預託
増はどのくらいというお見込ですか。
河野通一
22
○
政府委員
(河野通一君) お答え申上げます。これから年末にかけて指定預金を或る
程度
増額するということは、まだ結論的にはきめておりません。今後の情勢を見まして或いは
考え
なければならん場合があるかという
程度
であります。ただ尤もこれは御承知の通り
預託金
の性質は国庫の余裕金の
預託
でありますから、国庫の収支
自体
に余裕がなければできないわけであります。そこらあたりも睨み合せて
考え
ますと、年末に若干の国庫の収支上の余裕があ
つて
も、来月にな
つて
すぐ引揚げるのでは
預託
の
意味
をなしませんので、やはり数カ月の間の一応の収支というものを
考え
なければなりません。それらの点から
考え
ますと、只今のところではまだ
はつ
きり国庫としての余裕があるかということがまだきま
つて
おりません。
一般
論といたしましては、先般申上げましたように、これから国庫の支払というものは相当殖えます。去年よりも相当
程度
殖えますわけでありますから、
一般
としては、私はそう窮屈な年末の
金融
状況
ではないと思います。ただその場合に
中小企業
のほうにそれが潤おわないかということは、これは確かに問題がありますので、今度の
補正予算
等でも極力中小
金融機関
に対して政府資金を流す
方法
を今
考え
て御審議を願
つて
おるわけであります。一部はすでに本日ここに
国民金融公庫
につきましては衆議院の大蔵
委員
会を通過いたしましたが、これらの資金をできるだけ活用する、
中小企業
に対して放出をできるだけ速かに且つ多い額に年末に出す、こういう
方法
を極力促進することによりまして、
預託
の問題はできれば国庫の支出等の
関係
等を見合せましてや
つて
参りたいと思いますけれ
ども
、もう暫く研究をしなければならんと
考え
ております。若しやるといたしました場合に、これはまだきまりませんけれ
ども
、やるといたしました場合には、現在の
金融
状況
から申しまして、やはり中小
金融
を
中心
として考うべきだと、かように
考え
ております。
岡田秀男
23
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 先ほど
中小企業向け
の
預託
の増五十億と申しましたのは、去る十月十一日にすでに年末を予測して増加されたのが五十億ということでございまして、今後の問題ではないのでございます。
ちよ
つと念のために申上げておきます。
佐多忠隆
24
○佐多
忠隆
君
大蔵省
の今のお答えだと、国庫収支の
状況
がまだ
見当
が付かないというようなお話ですが、もうすでに十二月に入
つて
おるし、大体の
見当
は、もう正確の
数字
としては出るのは少し遅れるかも知れませんが、大体の
見当
はお付きになるのじやないかと思うのです。同時に年末
金融
としてどこいらに出さなければならないか、或いは少くとも需要としてはどこいらからどれくらいの需要が来ているというような予測は、一応正確にや
つて
おられるのかどうか、その点をお伺いいたします。
河野通一
25
○
政府委員
(河野通一君) お答え申上げます。国庫の収支は、全体といたしましては、先般当
委員
会で理財局長から御
説明
申上げました通り、
年度
内八百八十億の撒布超加ということをや
つて
参
つたの
であります。この
数字
は現在
一般
会計だけでなくて全体に亘
つて
おりますから、必ずしも
はつ
きり
一般
会計
自体
の収支とは結付かないのでありますけれ
ども
、これらの
状況
から見ますると、むしろ国庫の
預託金
というものは引揚げるべきものではないかと私
ども
は
考え
ております。従いまして、国庫の収支の
状況
だけじやなくて、やはりそういう
預託金
をしたほうがいいとは思いますけれ
ども
、どうしてもしなけれどならんところまで来るかどうかの判断の問題を、私
ども
は年末にかけてして行かなければならん、こういうように
考え
ております。若しやるとした場合には、先ほど申上げましたように、
中小企業
の
金融機関
に重点を置いて
預託
をする、こういう
考え
でございます。
佐多忠隆
26
○佐多
忠隆
君 そうすると、今のお答えだと、資金の供給の面から見れば、国庫に余裕はないから、
ちよ
つと今のところ、出すよりかむしろできれば引揚げたいぐらいだというお話ですが、需要の面から見れば、必要だという面から見れば、そつちの欲しいという面から見れば、必ずしもそうでない実情なんで、非常に問題が起きていると思うのですが、そちらのほうの、需要者の側から見て、どれぐらいの需要がすでに要求されているのか、その辺はもう
見当
をつけておかれなければ、時期的に
言つて
間に合わなくなるのじやないか、若しお出しになるにしても……。というのは、よく今まで政府の
預託金
を、各中小の
金融機関
まで、これまで年末にかけてお出しになるのだけれ
ども
、年末に押詰
つて
お出しになるために、受取つた
金融機関
は、
信用
金庫にしても或いは
相互銀行
にしても、受取つたほうではそれをその時分にな
つて
から
中小企業
に融資をするというような時間的な余裕がないために、
自分たち
の手許に保留して市中
銀行
あたりに預けて、単に利鞘を稼いでいるというのが今までの実情じやなかつたかと思う。これは専ら時期を、年末に切迫してお出しになるからこういうことになるので、これは
中小企業
のためと称しながら、単に
金融機関
に利鞘稼ぎをさしているに過ぎないというような結果にな
つて
いる。そういうことを
考え
れば、やはり
預託
の時期という問題が非常に重要な問題になるし、従
つて
又どれぐらいの需要があるかというようなことは、もう今頃から一応の
数字
なり一応の
見当
はつ
けておかれて然るべきだと思うのですが、その点はどういう用意をされているか。
河野通一
27
○
政府委員
(河野通一君) お話のように国庫収支のほうからは、なかなか
預託
ということが簡単に行かないような
状況
であるにかかわらず、需要の面ではこれは相当強く需要が起
つて
来ておることはお話の通りであります。需要はどの
程度
かというお話でございますが、これは言葉は非常に悪いので語弊があるかも知れませんが、多ければ多いほどいいという実情であろうと思います。ここらあたりはやはり財政の
状況
その他から見て適当なところで押えなければならない、十分であるかどうかはいろいろ御議論があろうかと思いますけれ
ども
、どうしてもやはり押えて行かなければならない。こういうことに相成るわけであります。なお先ほど
中小企業庁長官
から
説明
があつたように、この十月に指定預金約百二十億でありましたか、そのうち中小
金融
専門
機関
に五十億を
預託
を追加いたしたのでありますが、これらはやはり年末へかけての資金需要の旺盛なところを見越して、実は年末
金融対策
とまでは行かないまでも、年末へかけての資金の需要が旺盛にな
つて
来るところを見込んでの、そのうちの
中小企業
に対して五十億を追加いたしたのであります。これもやはり年末
金融
の一環としてお
考え
願いたいと思う。なお今後の問題につきましては、
先ほどお話
申上げましたようなところで御了承頂きたいと思う。
佐多忠隆
28
○佐多
忠隆
君 ただ今後お出しにならないのならば、時期その他の
見当
をおつけになる必要はないと思いますけれ
ども
、若し何らかお出しにならなければならないというおつもりならば、少くとも十五日以前とか或いは二十日以前とかに出して行かなければ、今までのように二十五日とか、二十八日とかにお出しにな
つたの
じや何にもならないという感じがする。それだけの御用意があるのかどうかという点をお聞きしたい。
河野通一
29
○
政府委員
(河野通一君) 出すときめました場合には、できるだけ年末にかか
つて
もう
折角
出しても使えないというような
状態
にならないように
考え
ております。
波多野鼎
30
○波多野鼎君
ちよ
つと関連して……、今の
説明
聞いていますと、もう年末に対しての中小
金融
を緩和するために新たに政府
預託
をする余裕はないのだ、むしろ今までの
預託金
さえも或いは引揚げなければならんかも知れん情勢にある、こういう見通しだと了解していいのですか。
河野通一
31
○
政府委員
(河野通一君) 先ほど申上げましたように八百八十億の撒布超過と申しまするのは、
一般
会計だけでなくて全体の金繰りの問題になると思います。例えば
資金運用部
で相当
程度
払超をするといつたような
状態
でありますから、国庫預金の
対象
になりまする
一般
会計の
状況
としては、必ずしもそのまま余裕
自体
があるかないかということは少し別の問題とお
考え
願いたい。主として支払超になりまする原因は、
資金運用部
の約五百五、六十億ですか、これが大部分を占めておるわけです。
波多野鼎
32
○波多野鼎君 それじや改めて聞きますが、
一般
会計として新らしく指定預金をするような余裕があるかないかということを
一つ
じやあ改めて……、あるのかないのか。
河野通一
33
○
政府委員
(河野通一君) これは先ほど申上げましたように非常に余裕は少い、
一般
会計の収支
自体
から見ると、非常に出すのには困難をするという
状況
にあることは事実であります。その点をどの
程度
捻り出せるか、実はこれは私所管をいたしておりませんから、所管のほうと現在どの
程度
搾り出せるかということを今検討はいたしておるわけであります。そう簡単には国庫収支
自体
からは出て来ないということだけを申上げたいと思います。
波多野鼎
34
○波多野鼎君 すでに十月に年末
金融対策
の一環として指定預金を殖やした。それほど準備がいいのだ、政府は……。準備のいいことをや
つて
おるのに、今十二月の今日は四日ですか、五日ですか、にな
つて
まだわからんということは
ちよ
つと理解しにくいので、政府の言わんとするところは、
一般
会計の中においては新たに指定預金する余裕はないのだということを、
言つて
はまずいから濁しておる、言いたいのだが言えないのだというところじやないですか。
佐多忠隆
35
○佐多
忠隆
君
ちよ
つと関連しましてね、
金融
政策上出すべきか出すべからざるかというお答えは
お願い
をしません。これは改めて大蔵大臣に
お願い
をしますが、事務的にい
つて
国庫に余裕ができるのかどうか、
預託
する
資金源
になる余裕ができるのかどうか、事務的にどういうお見通しにな
つて
いるか、どうですか。
河野通一
36
○
政府委員
(河野通一君) この問題は先ほど
ちよ
つと申上げましたが、仮に
預託
をいたしました場合に、それをいつ引揚げるかという問題にかかると思いますが、一応今の私
ども
国庫収支の計算は
年度
で切
つて
おりますから、三月末までに、若し非常に苦しい場合には三月末までに引揚げることができる、これは
年度
間を通ずるならば、一時出しても
あと
は
年度
末においてはこれを引揚げるという措置もできるわけです。その
意味
においては短期ではあるけれ
ども
出せる途はないではない。併しその場合には国庫の収支の事情によ
つて
は
年度
内に引揚げなければならんという問題が起
つて
来る。これらの点で現在ではその点が余裕があるかないかということが、なかなかその引揚時期に関連いたして参りますから、むずかしいと、こういうことを申上げたい。
佐多忠隆
37
○佐多
忠隆
君 政策的な判断は
あと
に聞きますが、政策的な判断でなくて、今お話のように国庫
自体
の余裕金を一体三月、
年度
末までにどれくらいと測定をし、それから第三四半期の年末までにどれくらいと予測をしておられるか、事務的にどれくらいと予測しておられるのか、それをお伺いしたい。
波多野鼎
38
○波多野鼎君 その問題も私はまだ質問を打切
つて
おりません。
岩沢忠恭
39
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 今理財局長が来ますから……。
佐多忠隆
40
○佐多
忠隆
君 それからさつきお話の
国民金融公庫
の出資ですか、三十億、融資二十億、合せて五十億が年末
対策
の一環になるのだというお話で、而も
法律
の改正によ
つて
その資金の操作も早目にできるように
なつ
たという御
説明
だつたようですが、これは二十億の分だけについてですか。更に三十億の問題も、それを仮に
予算
がこの二十五日なり二十八日にきま
つて
も、その前に出資さるべきものをすでに運用するように準備ができているのかどうか。
河野通一
41
○
政府委員
(河野通一君) 今御提案申上げておりまする
法律
案では、
資金運用部
からの
借入
二十億について
予算
が通過いたしません前でも、その二十億分については
法律
が通れば出せると、こういうことにいたしたいと
考え
ております。
佐多忠隆
42
○佐多
忠隆
君 そうすると、
あと
の三十億の出資分についてはそういう特別な措置をしなくた
つて
、
予算
は非常にもめると思いまかすら、ぎりぎりのところまで審議を続けると思いますが、そうすると非常に
予算
がきまるというのは遅れて来る、そこで三十億は年末
金融対策
にはならんということになる公算が大なんですが、そのまま放
つて
置かれるのかどうか、その点を……。
河野通一
43
○
政府委員
(河野通一君) 私
ども
は
予算
が成るべく早く通過いたしまして、この三十億分についても本年中に一部でも使えるようにいたすことが
希望
せられるのであります。併しこの三十億を年内に使
つて
しまうというわけには参りませんので、この金は本
年度
末、来年三月末までにこれを使
つて
行くわけですから、いずれにいたしましても本年中に使い得る金額はその三十億の極く一部であると思います。そのことは
希望
はいたしますけれ
ども
、どうしても
予算
が年末ぎりぎりまでなるという場合には、二十億と回収金その他の余裕金で以てできるだけ多額に融資をして行く、こういう方針で
国民金融公庫
と相談をいたしております。
佐多忠隆
44
○佐多
忠隆
君 そうすると、三十億の分は年末
金融対策
にならなくても仕様がないというようなおつもりですか、それとも今のところの
予算
の見通しでは、もう衆議院のほうも相当ずれて来ておるのです。参議院も
予算
の審議権を放棄するわけに行かんから、相当な期間をかけてやらなければならん。そうすると物理的に
言つて
二十五日なり二十八日というようなことになることはもう当然だと思うのです。それを見通して本当にあの三十億を全部使うということはないでしようけれ
ども
、あの三十億も年末
金融対策
の
一つ
だとお
考え
にな
つて
おるのかどうか。そうして大臣は昨日そういうふうな御
説明
を本会議でなさ
つたの
ですが、若しそれを文字通りにそうお
考え
にな
つて
おるのならば、別途
予算
がきまらなくた
つて
何とか使えるような
方法
なり措置なり何かをば講ぜらるべきだと思うのです。その点はどういうふうに……。
河野通一
45
○
政府委員
(河野通一君) 先ほど申上げた通りでありまして、私
ども
はできるだけ早い時期に
予算
が通過いたしまして、この三十億の一部分を使えるようになることを
希望
はいたしますが、万一それが非常に延びるという場合におきましては、先ほど申上げました
借入
金の二十億と回収金その他の金額をできるだけ有効に使うことによ
つて
年末を過して参りたい、かように
考え
ております。
佐多忠隆
46
○佐多
忠隆
君 そうすると、例えばその二十億の金はこれ又年末に使い切るものではなくて、
年度
末までに使う予定にな
つて
おるのだから、その金を流用して三十億のうちの
年度
末までに使うべかりし予定のものに振り替えて使うんだ、それで何とか都合
はつ
くんだ、金繰り
はつ
くんだというようなお気持なんですか。
河野通一
47
○
政府委員
(河野通一君) 先ほど申上げました通り、三十億の出資分についてこの年末に一部でも使えると、年末
金融
について非常に寄与すると思います。思いますけれ
ども
、それができなかつたら非常に支障が起るかと申しますと、今申上げましたように、大体
国民金融公庫
といたしましては十二月中に三十五億
程度
の
貸出
を
考え
ておるのでありますが、その
程度
の
貸出
につきましては、大体従来の回収金と、それからまだ従来から権限を得ておりまする
借入
金が若干残
つて
おりますので、これらを活用することによりまして、何とかや
つて
行けるのじやないかというふうに
考え
られます。
波多野鼎
48
○波多野鼎君
ちよ
つと理財局長が来られる前に聞いておきたいのですが、現在指定預金の残額は
幾ら
にな
つて
いますか。
河野通一
49
○
政府委員
(河野通一君) 先般
資料
を差上げてございますが、現在で
残高
は三百九十億。その内訳を申上げましようか。
波多野鼎
50
○波多野鼎君 それはいい。まあ四百億ですね。ところでこの間大蔵大臣が衆議院の
予算委員会
で
説明
したところによると、例の防衛費の使い方ですねこれを見ていると随分あるですよ。防衛分担金の残
つて
いるのが二百二十一億、安全保障諸費に至
つて
は五百十五億、合せて七百三十六億、まあこれだけが
年度
末に使われるかどうか、これも疑問なんだというようなあいまいな
説明
をしておりましたが、指定預金の残が四百億で、こちらのまだ恐らく三月末までに支出しなくてもいいと思われるものが七百億以上もあるという実情にありながら、どうしてこんなに詰ま
つて
おるのですか。一月の税収入が来なきや駄目だというような
意味
なんですか。
石原周夫
51
○
政府委員
(
石原
周夫君) 国庫全体の問題につきましては理財局長から申上げますが、1只今お尋ねの点の一部を私のほうからお答えをいたします。波多野
委員
御指摘になりましたように、防衛経費と申しまするか、防衛支出金、或いは安全保障費というような面におきまして支出が遅れているのは事実でございます。そこで、これは歳入の
状況
その他の経費の
状況
とも勿論
関係
があるわけでございますが、それが今日まで比較的事
一般
会計に限
つて
見まして、歳入歳出の点で余裕が生じた
一つ
の理由であるということは申せると思います。ただ今後におきましては、大蔵大臣も申上げましたように、今後引続き支出の予定がございまするので、従来そういう
状況
であつたから今御指摘のような経費の点につきまして、引続き大きな余裕が出るということには必ずしも参らんと思います。
波多野鼎
52
○波多野鼎君 これは大蔵大臣に聞きたいのですがね。衆議院の
予算委員会
での
説明
じや実にぼんやりしていますよ。どういうところで今後例えば安全保障諸費のごときはどんな予定にな
つて
いるかさつぱりわからない。これでは衆議院ではこの点突込んだ質問はなか
つたの
で、あいまいの点が残
つて
おるのですが、それから防衛分担金でも同じこと、七百億以上というのはどうも余るようです。これは大蔵大臣に聞きますからいいですが、国庫余裕金が今のところないと、
従つて中小企業
金融
のための年末手当というものは新らしくは講ずる余地がないというのが政府側の答弁のようですね。そうなら理財局長の
説明
を聞かなくても大体
見当
はつ
くのだが、そうなら別途の
方法
を講ずべきじやないか。中小
金融
について何か別に
考え
るところはないか。財政国庫余裕金というものを当てにすることができないとすれば別に何か
考え
ることはないか。
考え
なくてもいいかということを聞きたいのですが。
岡田秀男
53
○
政府委員
(
岡田秀男
君) お答えいたします。国庫余裕金の
状態
につきましては
大蔵省
側から御
説明
がありました通りですが、例えば中金におきましても日銀からの
借入
れを殖しますとか、コールを引揚げますとか、債券の発行を、これは従来通りでございますが、やりますとかによりまして、大体この年末に五十億前後の資金は
貸出
し得る
状態
にな
つて
おります。それでまずまず大体年末
金融
を賄えるのではないかという
見当
がついておるわけです。その他につきましては、
国民金融公庫
については只今御
説明
があつたようなわけでございまして、或る
程度
の……それから日銀のいろいろな操作等は例年の通りおやりになることであろうと思いますので、いろいろな点から先ず何とかや
つて
行けるのではないかというのが一応の見通しでございます。
波多野鼎
54
○波多野鼎君 それでは我々が心配しておつた国庫余裕金の
預託
がなければ
中小企業
の年末
金融
というものは非常に困るのではないかと、こう予測しておつたことは間違いであ
つて
、そういうものはなくても商工中金の操作によ
つて
乗切れるという確信をお持ちなんですね。
岡田秀男
55
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 大体行けるのではないかと申上げたのでありまして、先ほど
銀行
局長からもお話がありましたように、その
状況
を見ながらいよいよのときには
大蔵省
としても
考え
るということを申上げたわけでありまして、その辺のところも睨み併せまして、先ず何とか行けるのではないかとかように
考え
ております。
波多野鼎
56
○波多野鼎君 いよいよのところというのは現在来ていると、僕らから言わせればいよいよのところはもう今日来ている。十二月四日、五日において来ている。これから二十日過ぎていよいよというようなことを
言つて
みたところでこれはもう来年にな
つて
しまう。だから今何か策がありそうだということを申上げておるのです。
愛知揆一
57
○
政府委員
(愛知揆一君) 今日の予備審査においては具体的な事務的な
数字
をお調べになることが目的であろうと思いますが、こういうふうに
考え
ておりましたし、又先ほど来も佐多君の御質疑もそういう点にあるように思いましたので、私は差控えておりましたが、政策的なお尋ねのほうに入
つて
参りましたので、私から
便宜
大臣に代
つて
只今の
考え
方をお話いたしたいと思います。 国庫の余裕金の問題につきましては、正確な
数字
の見通しについては理財局長から後刻お答えがあろうと思いますが、併しその国庫の
預託
ということをやることがいいか悪いかについては私は理論的にいろいろ問題があろうと思います。併し現在の段階におきましては、年末の
金融
に関する問題のみならず、中小
金融
或いは
金融
の緩和ということにつきまして、できるならばこれは
一つ
の
方法
であろうというのがかねがねの
大蔵省
の見解であるわけでございまして、これは年末に際しても先ほど来
中小企業庁長官
から詳細に御
説明
いたしましたように、すでにこの秋頃からこういう
状態
を予想いたして現在のところは三百九十億円の
預託
を
金融機関
に対してや
つて
いるわけであります。而もその
内容
の相当の部分はいわゆる庶民
金融機関
に重点をおいていることは
資料
によ
つて
御承知の通りであります。でこれは十月頃から始めて大体この年末を越してなお相当の期間回収をしなくても大体行けるであろうということまで見込んでおりますから、この年末の
預託金
の
対策
というものは勿論すでに進行中でありまして、従
つて
年内に回収をするなどということは全然
考え
ておりません。それから別に
国民金融公庫
なり、或いは商工中金なり、或いはその他の
方法
によ
つて
できるだけのことを
考え
ているわけでございます。例えば
国民金融公庫
にいたしましても、これからの
状態
を見通しまして、且つ従来の
国民金融公庫
の
経営
の実績から申上げまして、今回の
補正予算
と二十億円の
借入
金が取りあえずできれば、何とか乗り切れるであろうという目算は一応つけているわけでございます。併しながら、それからいま
一つ
前提条件になるが第三四半期の政府資金撒布超過がどのくらいになろうかという見込であります。これは昨日も申上げましたように、昨
年度
に比べれば今
年度
のほうが約二百億乃至三百億多いと我々は見込んでおります。従
つて
全体のこの
金融
の
状況
というものはそう悲観する必要はないものでございます。 それから今
一つ
最近の
状況
としては農中の預金の
状況
、
一般
的な預金の還流
状況
からみていわゆる全体としてはそう悲観をしなくてもよろしい
状況
にあるというのが私の見通しでありまして、大体こういうような客観的な情勢でありますが、併し何と申しましても中小
金融
の具体的の需要のある所に成るべく適切に金を流したいと
考え
ております。これは申すまでもございませんが、そういつた場合において、本日以降においても常時情勢を津祝いたしまして、どうしてももう少し出すほうがいいということであれば、私は
預託金
を増額するということもその
一つ
の
方法
であると
考え
ておるわけでございます。でこれは何月何日にどのくらいの需要があるからそれに対してどうというようなそういう細かい点に至
つて
までの計画性というものは私
ども
は今日持
つて
おりませんし、又そのほうが正しいと思
つて
おります。併し今後の年末までの
状況
について、勿論年末の通貨の発行
状況
がどのくらいであることが望ましい、或いはどうなるであろうということも大いに頭に入れて、必要ならば私は
預託金
の増額ということも
便宜
の措置としては追加して行うことができるというふうに私は
考え
ております。
波多野鼎
58
○波多野鼎君 どうも
予算委員会
をや
つて
お
つて
、この
予算委員会
は事務的なものをやる、この
予算委員会
は政策的なものをやるのだというそういう制限はないのであるから、次官は遠慮せずにいつでも答弁に立
つて
頂きたい。何も我々は拘束されておらない、審議の上において今の次官の
説明
で大体の
見当
がつくのですが、
一つ
理論的な問題として
預託
制度
の問題について問題があると言われましたが、私も同感でございます。大体この
預託
制度
ができたのはドツジ政策の結果なんであります。このようなものができるということは、およそ
予算
編成の上において歳入の過少見積か、歳出の過大見積かどつちかであるに違いない。だからその点は別の議論として議論するが、年末が迫
つて
各方面から中小
金融
についてのいろいろな訴えがある、この訴えに対して政府はどういうふうに対処するかということは、これは我々
予算委員会
としては当然取り上げなければならない問題であ
つて
、今日それを取り上げたことは決して我々の行過ぎでも何でもないのであるから、その点は次官は誤解のないように願いたい。
預託
というものはドツジ政策の落し子みたようなもので、これは妙なものである。とにかくこの年末を乗り切るために若し
預託
の余裕があればやるということを政府が言うことによ
つて
、中小
金融
の方面に
一つ
の安心を与えるということは、これは政治のやり方だと私は思う。ところが先ほど聞いていると、もう何もありませんといつたような意向、答弁が多過ぎる。それはまずい感じですね。私は、で、大蔵次官がまあ情勢を刻々注視しながら、年末に向
つて
打つべき手が、打たなければならん事情に迫られれば手を打つのだと、どこからその
預託金
を引ずり出すか私知りませんが、とにかく何か
預託
する必要があれば
預託
しますというような
説明
をされたので、まあ一応辻褄が合うのです、政治としては。で、私はもう少し政府が中小
金融
の問題について真剣に
考え
たほうがいいという感じを述べておきます。大蔵大臣に代
つて
でありますが、大蔵大臣にはもう少し聞きたいことがある。どうか政務次官は今ここで答弁されたことをお忘れなく、年末に際して大活躍をされることを
希望
いたしておきます。
愛知揆一
59
○
政府委員
(愛知揆一君) それで、
ちよ
つと私の申上げたことが舌足らなかつたかも知れませんから補足いたしますが、国庫の余裕金があれば必らず
預託
をするということではございませんで、それよりは年末の
金融対策
が非常に重要である。その際に若し必要があ
つて
且つ余裕金があるならば
預託
をいたさなければならないと、それが適当な
方策
だと私は
考え
ておるわけであります。なおこれは
預託金
だけの問題ではございませんで、御承知の通りに
日本銀行
の別枠の融資というようなものも、中小
金融対策
としては
考え
られるわけでありますし、いろいろの
方法
論が
考え
られるかと私は
考え
ておるわけであります。それから余裕金があるようなことは、ドツジの落し子で、けしからんという趣旨のお話がございます。これもいろいろ御議論のあるところだと思うのでありますが、併し例えば第一次大戦の
あと
の好
景気
の時代などには自然増収がやはり相当多かつた。それは経済
活動
が情勢によ
つて
違いますので、これといろいろ
考え
合せて見まするならば、必らずしもこれは悪いことだとは私は言えないのじやないかというふうに
考え
ておりますことを併せて申上げておきます。
波多野鼎
60
○波多野鼎君
ちよ
つと今の大蔵次官の言葉に言うところがある。この間大蔵
委員
会でもその問題が
ちよ
つと出たのですが、攻府側は今あなたの言われたことと同じことだ。欧洲大戦の
あと
どうだつたとか、不
景気
の
あと
どうだつたとか、国庫不足金が大きく殖えた時代もあつたとか、過剰金がうんと出た時代もあつたとか、それはその通りだ。そんなことは聞かなくてもわか
つて
おるのだ。去年の十一月から見て、それほど大きな激変が日本の経済にあつたとは思わないのです。まあそのことは又別の機会にやりますが、今年のこの大きな国庫余裕金というものについて、私は初めから二十七
年度
予算
の編成のときから指摘しておつた点なんだから、必ずこれは黒字が出るということは、この
予算委員会
でもいろいろな人が指摘した点だ、それはそれでいい、それだけ私は言うておきたい。
佐多忠隆
61
○佐多
忠隆
君 今の大蔵次官のお話にもあつたように、年末の
預託
をするかどうかという問題は、
資金源
があるかどうか、供給源があるかどうかという点だけでなくて、需要なり或いは更には
一般
的な
金融
情勢なりと睨み合わして判断をしなければならんというお話で、これは尤だと思います。それならばもう一遍お尋ねしたいのですが、供給源としての国庫にどれくらいの余裕金或いは不足が出るかという問題も、理財局長が改めて
説明
をされるから、そつちの場合に譲りますが、需要のほうは、今の大蔵次官のお話では、そういうものをちやんと調べたものは持合せがないとおつしやるけれ
ども
、時期的に
言つて
、もう年末の
預託
を、需要の面から見て必要であるか必要でないかというような判断の
資料
としての
数字
なり、
見当
はもうすでにおつけにな
つて
いなければならないはずだ。それをおやりにならないで、ただわんわん騒ぐからとか、少しあつちこつちに恐慌
状態
ができたから、まあつかみ金を適当にや
つて
おくというようなことでは、いまわしい問題その他が出て来るので、そういうことのないように、少くとも事務当局あたりはもつと
はつ
きりした計数的な
見当
を立てておかれて然るべきだと思うのですが、従
つて
私は繰返してお聞きしたいのですが、一体資金の需要額というようなものをどういうふうに
見当
をつけておられるか、特に
中小企業
その他はどれくらい必要だと、少くとも称しておるかどうか。それから最近においては繊維恐慌その他であつちこつちいろいろな問題が起きておると思いますが、これらに対しても資金の
対策
をやらなければならないでしようが、それに関連をして、中小の
企業
がどういうふうな資金需要を持
つて
おるか。それらのことを
一つ
これは大蔵次官でなくて事務当局に計数的に御
説明
を願いたい。
河野通一
62
○
政府委員
(河野通一君) お答え申上げます。私
ども
といたしましては大まかな資金需要の
数字
は一応持
つて
おります。これは非常に大まかな
数字
で、ありまして、大体産業資金として第三四半期に大体どの
程度
出るか、又どの
程度
が適当であるかという
見当
はつ
けております。併しながらそのうちで中小
金融
のほうへどの
程度
の金額を予定するかというような
数字
はなかなか実は困難で、御承知のように只今いろいろ
説明
がありました
金融機関
の
数字
は、主として政府
機関
乃至は準政府
機関
的な中小
金融機関
の
数字
についての問題が多かつたと思うのです。御案内のように普通の
銀行
でも中小
金融
、殊に
地方
銀行
はそうでありますが、相当大きな分量を占める中小
金融
をいたしております。
相互銀行
、
信用
金庫も又然り、これらはただ今お話のありましたような指定預金だけを
資金源
として中小
金融
をや
つて
おるわけではございませんので、そのほかの非常に大きな部分は、預金を集め或いは積金を集め、無尽の掛金を集め、そういつたことで中小
金融
全体の資金を
取扱
つて
参
つて
おるわけであります。その上にこれらの
金融機関
で賄い切れないものを
国民金融公庫
なり、或いは商工中金は若干違いますけれ
ども
、
開発銀行
なり、そういつた
金融機関
が、何と申しますか、政府財政資金を流す
機関
として中小
金融
をなしておる、こういうことに相成
つて
おるわけであります。その全体の
数字
としては、大体の
数字
は持
つて
おりますけれ
ども
、補完的な政府
機関
としての
国民金融公庫
なり或いは商工中金、準政府
機関
でありますが、こういつたものの資金の、これらに対する資金の需要がどの
程度
が適当であるかという点につきましては的確な
数字
は持ち合せておりません。
佐多忠隆
63
○佐多
忠隆
君 私がお聞きしたいのは、その資金の総額の需給の問題等々は別の機会にお聞きするので、それは必要ないのです。ただ問題は、今お話のように中小商
工業
のために
預託金
の
制度
をやるとすれば、問題はもう限られて来るので、
相互銀行
であるとか或いは
信用
金庫であるとか、商工中金であるとか、
国民金融公庫
であるとか或いは
信用
組合
、こういうところに
預託
の問題が具体的の問題になる。これらのところは必らず年末の資金繰りの問題を
数字
を挙げてちやんと計画を立てていると思う。そしてその計画の中には、今
銀行
局長がお話のようにそれ以外の
資金源
もあるでしよう。それら全部を引つくるめて一体中小商
工業
をそうひどい破綻に追い込まないで越年をさせるためにはどういう資金繰りをしなければならんとか、従
つて
更に
預託金
をもう少し要求をしなければならんとか、或いはもう
預託金
は必要でないんだとかいうような見込はほぼ立てていると思うのです。従
つて
本当に計数的に科学的に、
預託金
の必要か否かというような問題を本当に計数的に科学的に御判断になろうとすれば、それらの
機関
についての金繰りから、
大蔵省
としては
大蔵省
の
一つ
の見通しを持
つて
おらるべきはずだと思う。それを私はお聞きしているのですが、それを是非出して御
説明
を願いたい。
河野通一
64
○
政府委員
(河野通一君) お話の点につきましては、先ほど政務次官からも申上げました通り、現在のところでは私
ども
は今般の
補正予算
及びそれに関連する中小
金融対策
として一応計上いたしておりますもの、及び先ほど申上げました十月に実施した指定預金、これらの特別措置と申しますか、そういつた応急の、応急と申しますか、年末へかけての
対策
で以てまあ何とかや
つて
行けるのではないか、かように
考え
ております。併し今後の情勢でそれじやどうしてもいかんという場合に、国庫の余裕のある限りにおきましては……、どうしてもいかんという場合には、指定預金の問題も
考え
なければならんのじやないか、こういう
意味
であります。
佐多忠隆
65
○佐多
忠隆
君 そうすると、今の判断からはもう
預託金
、指定預金の必要はないのだから、
資料
の準備もしていないのだ、情勢が変
つて
来れば違うのだというようなことにしか結論が出ないのですか、そういう
意味
で準備をしておられないのかどうか。
河野通一
66
○
政府委員
(河野通一君) 中小
金融
全体についての
数字
につきましては、只今申上げましたように的確な
数字
は実は持
つて
おりません。それから何と申しますか、
一般
の根になる民間の中小
金融
以外の、政府の何らかのバツクによつた、特別のバツクによつた
金融機関
の資金繰りにつきましては、
国民金融公庫
につきましては大体資金需要に対して何%
程度
の貸付ができるようなところで先ず先ず何とかや
つて
行けるのではないか、そういつた
数字
はここに持
つて
おります。
国民金融公庫
につきましては三十五億
程度
でこの年末にかけて融資をして行きたいといつたような
数字
はここには持
つて
おりますが、中小
金融
全体についてのそういつた
数字
は持ち合せておりません。
岩沢忠恭
67
○
委員長
(
岩沢忠恭
君)
ちよ
つと、理財局長が見えておりますから、先ほどの質問に
一つ
関連させてお答え頂きたいと思います。
石田正
68
○
政府委員
(石田正君) 私御質問のときにおりませんので、或いは的外れな
数字
を申上げるかも知れませんが、そのときは適当に御是正願いますれば又申上げたいと思います。 国庫の
状況
でございますが、大体本
年度
におけるところの国庫の対民間収支の実績を一応申上げたほうが御理解に資するところが多いかと思いますので申上げますが、大体今年の会計
年度
で申しまして、第一四半期中におけるところの実績は、大体国庫が二百六十億ぐらい民間から引揚超過に相成
つて
おります。それから第二四半期におきましては三百八十八億の引揚超過でございました。結局第一四半期と第二四半期とを通じまして六百四十八億、こういうふうな
数字
に相成
つて
おる次第でございます。その後第三四半期に入りましてから、十月だけの、今度は民間に対しまして散超に転じまして、その
数字
は五百五十七億に相成
つて
おります。又十一月につきましては二百四十九億でございます。この十月、十一月におけるところの散布超過の
数字
を合せますと八百六億に相成るのでございます。従いまして第一四半期、第二四半期におきましては揚超、十月、十一月に至りまして散超になり、その
数字
は第一四半期、第二四半期におけるところの引揚超過をオーバーいたしまして、結局四月以来十一月までの実績は約百五十八億ばかりの散布超過に相成
つて
おる次第でございます。それから私たちの手許におきましては、毎月毎月の散布或いは引揚の
状況
というものを予測いたしております。この予測は非常にむずかしいのでございまして、的確に当らんことのほうがむしろ通常でございますが、大体の大勢は間違
つて
おらんつもりでおります。只今のところ、この十二月中におきますところの見込を的確な
数字
で申上げることは、却
つて
誤解を招く虞れがあるかと思いますが、大体事務当局といたしましては七百億乃至八百億ぐらいの散布超過に相成るのではないか、かように
考え
ておる次第でございます。 今問題にな
つて
おりまするところの指定預金の
関係
でございまするが、この
関係
は元来指定預金というものは、国庫が民間から金を揚げ過ぎたというような場合に、それを緩和するところの
一つ
の便法のような形でスタートいたしておるのであります。又国庫が散布超過に転じまする場合には、その指定預金を引揚げることによ
つて
調整
をするというような大体の
方向
で参
つて
おるのでございまして、その点から申しますると、この年中におきましては、以上のような政府の対民間の散超が多いのでございますから、私たちの指定預金の筋だけから申上げますならば、これはむしろ引揚げる時期に入
つて
おる、こういうことが言えるのではないかと思うのでございます。ただ産業界の
実態
を勘案いたしまして、その事業上どうしても止むを得ないという場合におきまして、指定預金をする余地が全然ないかどうかという問題に相成りますると、これは今のような
状況
でございまするので、だんだんと金繰りは苦しくな
つて
参
つて
おります。従いまして手持の短期証券を
日本銀行
に肩替りするというような形において資金を調達しなければならんという面も起りつつあるわけでございますが、併し短期証券の額というものは相当ございまするので、全然資金的に不可能かということになれば必ずしも不可能ではない、適当であるかどうかという問題にむしろなるのではないかと、かように
考え
ておる次第でございます。
佐多忠隆
69
○佐多
忠隆
君 そうすると今のところ、ただ政策を離れれば国庫には余裕が全然ないというふうに
考え
ておいていいのですか。
預託
すべき
資金源
としての余裕はないと。
石田正
70
○
政府委員
(石田正君) 大体の
方向
としては散超のときには指定預金というものは引揚げるべきだということを申上げたのでありまして、併し資金を捻出するのに然らば全然資金に事欠いておるかと申しますと、短期証券を仮に
日本銀行
に売払うということによ
つて
資金を調達する途は皆無ではない、こういうことでございます。
佐多忠隆
71
○佐多
忠隆
君 それは国債を肩替りするというようなものはありますか。
石田正
72
○
政府委員
(石田正君) 私が
考え
ておりまするのは食糧証券及び外国為替証券、要するに短期証券だけでございまして、国債を申上げておるのではありません。これは国庫といたしましては国庫
一般
の問題指定預金は
一般
部の問題でございまして、
一般
部というのは国債を持つものではないのであります。
岩沢忠恭
73
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 佐多君、いいですか。
佐多忠隆
74
○佐多
忠隆
君 もう理財局長はいいです。
岩沢忠恭
75
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) これに関連しまして、
国民金融公庫
の総裁が見えておりますから、この
説明
を
一つ
、櫛田
国民金融公庫
総裁。
櫛田光男
76
○
説明員
(櫛田光男君)
国民金融公庫
の年末
対策
を
中心
といたしまして、大体今後来年の三月末までにどういうことを
考え
ておるかということを先ず概略御
説明
申上げたいと存じます。 先般来各所からいろいろ報告その他を出しまして、又過去におきまする各月の申込
状況
等を勘案いたしました結果、大体十二月から来年の三月まで二百九十五億くらいの申込があるのではないか、大ざつぱに申しまして三百億ということに相成ります。年末、この十二月におきましては、そのうちで大体百十八億、大ざつぱに申上げまして百二十億
見当
の申込があるのではないか、かように存じます。他方資金といたしましては、只今政府のほうから御
説明
ございましたように、
一般
会計から出資三十億、又
資金運用部
から二十億の拝借をできるような工合にお取運びにな
つて
おるわけであります。そのうちでただ出資三十億のうちで十億は、軍人遺家族に対します国債を担保として貸付けるために留保いたしまして、又五億につきましては、母子家庭に対しまする特別な貸付のためにこれを留保することと予定いたされております。従いまして新らしく普通貸付、
一般
の貸付に当てます資金としては三十五億ということに相成るわけでございます。そのうちで、そのほかに回収金が大体現在毎月十億
見当
ございます。四カ月間で大体四十六億
見当
の回収金があるのではないかと見込まれます。他方又現在までのところ
資金運用部
からの
借入
残が八億残
つて
おります。これは十二月に入りまして、実は今日拝借をいたすことにな
つて
おりますが、八億であります。かれこれ合せまして、全体的に申しまして、大体三百億近い
見当
の申込があるといたしまして、過去の経験から申しまして、少くともその三割
程度
はどうしてもお貸付をしなければならない。そういたしますというと八十八億ということに相成るわけであります。その財源といたしまして先ほど申上げました三十五億、政府から新たに頂きまする資金のうちの三十五億、それから回収金四十六億、それから過去にまだ借残にな
つて
おります八億というようなものを当てますと、大体とんとんになるわけであります。本月、年末におきましてはどういうことに相成るかと申しますと、大体百十八億のお申込に対しましてその三割
見当
の三十五億は是非お
貸出
しをしたい、そのほかに軍人遺家族
関係
におきまして四億
見当
、合計三十九億というものの貸付を予想いたしております。その資金の源泉は、本月の回収金が十億から十一億
見当
になろうかと思
つて
おります。それから
資金運用部
からの借残がまだ八億あります。それに加えまして、
補正予算
が成立いたしまする前におきまして、今
お願い
いたしております
法律
案が通りますれば、すぐさま
資金運用部
から一時
借入
金を二十億円いたします。大体これで以て三十九億の貸付が賄えるのではないか、かように
考え
て、現在いろいろな手筈を進めておるような
状況
でございます。簡単でございますが……。
佐多忠隆
77
○佐多
忠隆
君 そうするとまあ御
説明
で
はつ
きりな
つたの
ですが、
借入
金二十億は年末までに一応
貸出
予定に全部繰入れておるというふうに了解していいでしようか。
櫛田光男
78
○
説明員
(櫛田光男君) 仰せの通りでございます。
佐多忠隆
79
○佐多
忠隆
君 それから従来の実績からして申込の三割
程度
は出さなければならない、出していいだろうというお話でしたが、我々が今政府から聞いておるところは、これまでは
国民金融公庫
その他に余り出し方が足りなか
つたの
で、今度は大いに奮発して、これだけ殖やしたのだ、大いに積極的にな
つたの
だというような話、そうだとすると、今までは三十%であ
つて
も、これからは五〇%なり七〇%はお貸しにならなければならないはずだと思うのだが、そういう点が何ら見られていない。殊に申込のほうは今まで非常に皆落されておりますので、今に至
つて
なお申込んでおるのは、相当厳選された、或いはもう初めから見込のないものは辞退をして来ておる、辞退をしてしま
つて
おるのが多いので、この申込というやつは相当固いものじやないか。そういう点から
考え
ても、比率はもつと上げなければならない。にもかかわらず従来通りに三割
見当
しかおやりにならないというのはどういうことですか。
櫛田光男
80
○
説明員
(櫛田光男君) これは
一つ
は申込が累月、毎日殖えて参りました。例えば昨年の十二月におきましては四十九億八千万円、大体五十億の申込でございました。今度の見込では大体その倍以上の百二十億、大体申込が半期ごとに五割以上殖えて来るような
状況
でありますので、資金に見合せますると、只今おつしやいましたように、従来の実績が大体二割五分から三割近いところの貸付をいたしておりましたが、できれば四割、五割になりますれば結構かとも存ずるのでありますが、そういつた
関係
からいたしまして、現在の見込では少くとも三割はどうしても確保したいという
程度
にとどまらざるを得なか
つたの
であります。その点は何と申しますか、いたし方なかつた次第でございまして、御了承願いたいと思います。
佐多忠隆
81
○佐多
忠隆
君 今の総裁のお話によると、今年にな
つて
から非常に殖えて来ておるというようなお話ですが、これは
国民金融公庫
には申込んでもなかなか貸してもらえないのでもう諦めたというようなのが相当あるにもかかわらず、なお且つ非常に殖えておるので、これはやはり資金の需要が去年に比べて今年は非常に殖えた。それだけ
中小企業
なり庶民大衆は非常に苦しくな
つて
、
金融
を必要としておるのだという実情をそのまま反映しておるものだと思うのですが、にもかかわらずそれに十分に応えられないで、過去の比率ぐらいしか応えられないというような
状況
であるとすれば、政府が非常に大振舞をやつたようなことは何ら充たされていないことになると思うのですが、これは
一つ
愛知さんに、その点をどうお
考え
になりますか。
愛知揆一
82
○
政府委員
(愛知揆一君) 先ほどから佐多さんのお話で、今度の公庫の
予算
で政府としては大盤振舞をやつたように
言つて
おるというようなお話でございましたが、実はそこまでは
言つて
おりませんで、中小
金融
については先ほ
ども
申上げましたように、できるだけの力を入れなければならない。そこで公庫の増資や
借入
金の措置を講じたわけでありますが、私は先ほ
ども
申上げました通り、公庫の従来の実績等に鑑みて、この
程度
ならば先ず適当のところまで融資ができるであろうというところで以てこの
数字
といたしたわけでございます。決してこれならば十二分か、或いはそれ以上に融資をすることができるというふうには
考え
ておらないわけでございます。
波多野鼎
83
○波多野鼎君 申込の三割
見当
だけしか融資しない、その
程度
融資すればそれで
金融
公庫としてはいいんだ、というのは
一つ
問題がある点だが、それは抜きにして、七割落す場合ですな、七割落す場合に、
金融
の基礎に乗らんから落すというのもあろうし、乗るんだけれ
ども
、資金がないから落すんだという場合もあると思うんですがね、この
金融
に乗らないから落すんだというのはこれは別なんだが、乗るけれ
ども
資金源
がなくて落すというのはどれくらいあるんですか。
櫛田光男
84
○
説明員
(櫛田光男君) そのときどきによ
つて
違うわけでありますが、まあ大体大雑把に見まして、
資金源
さえ都合がつけば何とか貸して上げなければならないであろうと思われる方が三割から四割乃至四割五分ぐらいの間だろうと思います。それでありますから先ほど申しましたように、この三割という最低ラインはともかくもこれを確保できそうだということだけ申上げたのでありまして、果してこれで以て十分であるかということは、私
ども
感じといたしましてはまだ若干の不足があるという工合に感じております。
波多野鼎
85
○波多野鼎君 そうすると申込の一割乃至一割五分というのは
企業
の基礎が確かであり、貸しても間違いないと公庫のほうで判断しながら、而も財源がないから、
資金源
がないから貸さない、というのが一割から一割五分というんですね。
櫛田光男
86
○
説明員
(櫛田光男君) 大体そういう計算にな
つて
おります。
波多野鼎
87
○波多野鼎君 そこで大蔵次官に聞きたいんですが、その申込の一割か一割五分というのは、今総裁が
言つて
おるように、貸しても間違いないというのが落されているという
状態
を救うことはできませんか、
考え
ておらんですか。
愛知揆一
88
○
政府委員
(愛知揆一君) 実は先ほど衆議院の大蔵
委員
会で
国民金融公庫
法の一部改正の
法律
案が審議されて、満場一致で可決をせられました。そのときに附帯決議がございまして、将来更に公庫の
資金源
を増加することについて十分の配意をせられたいという趣旨でございましたが、この点については昨日大蔵大臣からやはり同
委員
会におきまして、そういう趣旨については十分政府においても
考え
ますということを申上げておりますようなわけでございます。私
ども
といたしましては、今総裁からお話のありましたようなことは十分公庫とも連絡を今後密にいたしまして、将来の問題としては、成るべくこれを殖やすように
考え
たいと思うのであります。ただ勿論申すまでもございませんが、財政計画全般の総合的な立場ということも忘れることはできないのでありまして、それと睨み合せまして、成るべく御趣旨に副うようにいたしたいと思
つて
おります。
佐多忠隆
89
○佐多
忠隆
君 さつきの
預託金
の問題ですが、非常に小さく細かくなりますが、まあ
預託金
を全然やらないということになれば別ですが、私たちのところに陳情に来ておるのは、名古屋の市会あたりからですが、
信用保証協会
に対して
預託
をしてくれないかというような
希望
意見が出て来ておるんですが、これは一体今の
制度
ではできるのかできないのか、できるように改めるのにはどうすればいいのか、その点を
一つ
。
愛知揆一
90
○
政府委員
(愛知揆一君) この点は
銀行
局長からお答え申したほうが正確かと思いますが、現状においては
預託
はできないと私は思
つて
おります。それから将来の問題といたしましても、
信用
を保証するということと、それから現実に
貸出
すということとは、これは分けて
考え
るべきではなかろうか、私はかように
考え
ます。
佐多忠隆
91
○佐多
忠隆
君 これに対しては各
地方
公共団体は出資の形か何かで出しておると思うのですが、これは政府から更に
地方
公共団体と並んで出資する等々のことは
考え
ておりますか。
愛知揆一
92
○
政府委員
(愛知揆一君) これは懸案でございまして、何と申しますか、私といたしましては、政府の出資というようなことが
一つ
の研究問題だと思います。で、若しそういうことができるようになれば、保証協会の存在価値というものは非常に大きくなるというふうに
考え
ますが、但しそう
なつ
たからと
言つて
全額保証するかどうかということは別問題でありますし、その
程度
であ
つて
果して
金融
が円滑になるかどうかという点については、多少まだ研究の余地があろうかと
考え
ております。
佐多忠隆
93
○佐多
忠隆
君 更にこの点はさつき
岡田
長官から
信用
保証
制度
を拡充強化するというようなお話もあつたようですが、
中小企業庁
としてはこの問題をどういうふうにお
考え
になりますか。
岡田秀男
94
○
政府委員
(
岡田秀男
君)
信用保証協会
そのものに直接国がタツチするかせんかの問題につきましては、先ほど政務次官からお話があつたと同様でありますが一私
ども
といたしましては、
信用保険
のほうといたしまして、
信用保証協会
の保証債務は五〇%
保険
でとることにいたしております。それによりまして
信用保証協会
の
活動
分野がかなり拡が
つて
行けることにな
つて
おりまして、現在の
制度
といたしましては、
保険
で保証協会の裏打をしている、この点を更にどういうふうにするかということもまだ研究すべき問題かと存じております。
佐多忠隆
95
○佐多
忠隆
君 それから
岡田
長官にお尋ねしますが、先ほどのお話で、この
中小企業
の
共同施設
についての
補助金
を五百万円出したというお話ですが、更に
予算
として二億だけあるんでというようなお話のようでしたが、ここのところが
はつ
きりわからないので、もう少し詳しく御
説明
を願います。特にこの
予算
というのは、当初
予算
でこれだけ入
つて
いたというお話なのか、或いは今後これを取ろうとしておられるというお話なのか。
岡田秀男
96
○
政府委員
(
岡田秀男
君)
協同組合
の
共同施設
に対します
補助金
制度
は二十二
年度
から開始されまして、本
年度
までに五億数千万円の
予算
がまあ成立して、それによ
つて
運用いたしておるわけであります。本
年度
の成立しておりまする
予算
が二億円でございまして、来
年度
といたしましては、
中小企業庁
といたしましては、これを相当に増額いたしたい、かように
考え
ておるわけでございます。
佐多忠隆
97
○佐多
忠隆
君
共同施設
としてはどういうものをお作りにな
つて
いるか。
岡田秀男
98
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 一番数の多いのは、例えば
商業
の
協同組合
等におきまして、運搬
機関
でありますところのトラツクでありますとか、或いは倉庫を作りますとか、これは倉庫は
工業
の
関係
においてもございます。或いは又繊維の
関係
で共同の仕上加工の
工場
を作るとか、或いは醤油の
組合
で糟を処理する共同の施設を作りますとか、いろいろございますが、従来
補助金
を出しました
共同施設
の一覧表でございますれば別途調製してお目にかけてよろしいかと思います。
佐多忠隆
99
○佐多
忠隆
君 それを
あと
で出して頂きたい。 それからこれは
大蔵省
のほうにお尋ねしたいのですが、
銀行
局長に。
中小企業
の特殊店舗をお作りにな
つたの
ですが、それによ
つて
中小企業
への融資というのが相当殖えたかどうか、その点は店舗の融資
状況
のところで
ちよ
つと出ておりますが、これは店舗だけの問題ですから、これをひつくるめて全体市中
銀行
の
貸出
として、こういう特殊中小
金融
店舗を作つたために、それに資するところが非常に大であつたという実績が、すでに数学的に出ておるかどうかという点を
数字
によ
つて
御
説明
を願いたい。特に更にその点は、
中小企業
融資の割合が各
金融機関
別に、特に市中
銀行
、信託
銀行
等についてこの一両年の間に割合として殖えて来たのか、割合としては減
つて
来ておるのか、その辺の推移
状況
を詳しく御
説明
を願いたい。
岡田秀男
100
○
政府委員
(
岡田秀男
君)
便宜
私から申上げます。
中小企業
持別店舗が二十五年の四月二十日以降現在までに七十二店舗ございます。本年八月までの累計で申しますと、
貸出
金額が九百三十億八千万円、申込の九三%に相成
つて
おります。件数といたしまして三十一万一千六百八件
貸出
をいたしております。申込件数の九四%にな
つて
おります。
残高
で申しますと預金
残高
三百十億六千万円、
貸出残高
百二十四億であります。この中小特別店舗は預金につきましては中小以外の預金も受入れておりますから、この比較だけでは
貸出
が悪いということには相成らんと存じます。 それから先ほ
ども
ちよ
つと申上げたのでありますが、
全国銀行
の
貸出
の
状況
は二十六年、七年と比較してみますると、
全国銀行
で
貸出総額
が、昨年の六月をと
つて
おりますが、一兆二千億
程度
であります。そのうち
中小向け
つまり
資本金
三百万円以下のものに対する
貸出
が三千三百九十五億円でございます。
中小向け
の
貸出
の比率が二八%でございます。本年の、これは六月でございませんで七月で多少比較がむずかしいかと思いますが、大体比較できると思うのでありますが、一兆八千五百十七億、そのうち
中小向け
が四千五百五十三億でありまして二四%に相成
つて
おります。パーセントだけから申しますれば、昨年と今年とでは
全国銀行
では低下しておる
状況
であります。
佐多忠隆
101
○佐多
忠隆
君 そうすると、そこに非常に問題があるのです。
中小企業
の特殊店舗あたりを作
つて
非常に
努力
しておられるような恰好だけは見せられるけれ
ども
、実績においては今長官のお話のように、昨年は
全国銀行
で二八%の
貸出
があ
つたの
に今年は二四・六%に下
つて
おるというような
状況
なんですが、これはどういうことを
意味
するのか、これは
大蔵省
のほうに
一つ
。
河野通一
102
○
政府委員
(河野通一君) お答えを申上げます。今のお示しのように
数字
の割合からいいますと、総
貸出
高の中に占める中小
金融
のパーセンテージは確かに下
つて
おります。尤もこの中小
金融
とは何ぞやという
定義
は非常にむずかしいと思いますけれ
ども
、一応従来からと
つて
おりますところでや
つて
おるのでありますが、ただ絶対額におきましては相当増加をいたしておりますことは間違いないのであります。先ほど
岡田
長官からのお話のように絶対額から申しますれば相当殖えております。併しながらややともすれば
一般
の
銀行
が中小
金融
についてどうも熱意が足りないという声はたびたび聞いておりますし、私
ども
もその点は承知をいたしておりますので、できるだけ中小
金融
に対して力を入れるように従来からもたびたびそういつた点で
努力
をいたして参りましたが、今後におきましてもこれらの点について一層
努力
をいたして参りたいと、かように
考え
ておる次第であります。
佐多忠隆
103
○佐多
忠隆
君 どうも今の御
説明
じや
はつ
きりしないのですが、問題は絶対額ではおつしやる通りに若干殖えてはおりますけれ
ども
、併し総額の絶対額の増加は更に多いので、総額では非常に殖えておるにかかわらず
中小企業
に対してはその割合に殖えていない。従
つて
二四・六%というようなむしろ激減していると
言つて
いいくらいに低率を示しているので、ここらから見ればこのことが
中小企業
を悪くしておる原因の
一つ
でもあると思うのです。これらの点は特に
一つ
大蔵省
としては配慮をして頂きたい。特に
中小企業
特別店舗が設けられたのだが、その実績を今
岡田
長官のお話によると三百十億の預金
残高
があるうちに
貸出
の
残高
は百二十四億だ、半分以下しか
貸出
していない、この特殊店舗を設けられるときの話は、私の聞くところによると、新しい所に支店を開設することを許して、それからそれが同時に特殊店舗に
なつ
たんじやないかと思
つて
おる。そこで
銀行
は特殊店舗を設けながら同時に預金を集める特権を得たことにな
つて
いて、特殊店舗の名の下に三百十億を集めながら百二十四億しか出していないというような
状況
にな
つて
おるので、中小
金融
の特殊店舗を設けたことは、
中小企業
に対する
貸出
を殖やす以上に預金を殖やさせておる。そういう
意味
では
金融機関
に対して特別に恩恵を与えておる結果にしかな
つて
いない。これらの点は少くともその店舗で集めた
程度
のものは出せるように特別な配慮をされる必要があるのではないか、この点を
大蔵省
はどういうふうにお
考え
にな
つて
おるか。
愛知揆一
104
○
政府委員
(愛知揆一君) 佐多さんのおつしやることは私御尤もだと思うのであります。ただ
統計
の取り方、或いは
中小企業
の
定義
等の
関係
で、必ずしもこの
数字
が
実態
を現わしておるかどうかわからん点もあろうかと思うのであります。 それからなおこれは事務当局から正確に答えてもらうことにいたしますが、必ずしも中小
専門
の店舗で集めた預金の中の僅かの比率だけしか
貸出
に行
つて
いないというのではなくて、これは当該店舗とその本店との
関係
において、審査等の
関係
において実際は
貸出
されておりますが、その当該店舗の
貸出
分として計上されていないというような点もあろうかと思いますけれ
ども
、御趣旨は誠に御尤もでございますから、今後におきましてもますます十分の配慮を加えて参りたいと思います。
佐多忠隆
105
○佐多
忠隆
君 そういう技術的な計数の整理だとか何とかいうような問題もあろうと思いますが、少くとも特殊店舗を設けられた趣旨からい
つて
、今後は預金
残高
、
貸出残高
が同じ
程度
になるくらいにその特別店舗は特別なサービスをするように特段の
一つ
督励をおやり下さるように、而もこれは
数字
的に
はつ
きり現われて来るのですから、この次の報告の場合には必ず
数字
的にその問題が解決されているように、特別な
施策
なり配慮をされることを強く
希望
しておきます。
波多野鼎
106
○波多野鼎君 これは
大蔵省
に聞いたらよいかと思いますが、中小
金融
の
一つ
の問題として、親
会社
といいますか
親工場
とそれから
下請
工場
との
関係
、
親工場
が
下請
工場
に代金を払うという場合に随分長い期限の手形で払う。受取つた
下請
工場
は
金融
の枠がない。何日も手形が割れない。原料が買えない。しようがないから高利貸に走
つて
行
つて
原料を買
つて
親工場
に御奉公をすると、こういうようなことが中小
金融
の
一つ
の大きな「がん」にな
つて
いるということは、
大蔵省
よく知
つて
いることと思うのでありますが、そうであればこれを矯正する何らかの
方法
というものが
一つ
考え
られなければならないと思うのだが、そういう点については何か
考え
るところがあるのですか。例えばこういうことですよ、指定預掛金、余りこんなものにこだわるのはおかしいと思うのでありますが、とにかく指定預金が出て来ないと……政府が民間から吸上げ過ぎたから民間に返すのは当然なんだから、指定預金というものにこだわりますが、例えば普通の
銀行
に指定預金をする場合に、その
銀行
が大
企業
にこれを貸付ける、そのとき何か
下請
工場
から買入代金というものを優先的に払えとか、何とかいつたような条件でも付けて貸してやるというひも付で、指定預金をするというようなことも
一つ
の
方法
だと思いますけれ
ども
、そういつたことを
考え
たことがありますか、どうですか。
銀行
局のほうから……。
河野通一
107
○
政府委員
(河野通一君)
親工場
といいますか、大
企業
と
下請
企業
との間の
金融
の問題につきましては、お話のように非常にうまく行
つて
いないところがあることは事実であります。殊に大
企業
におきましては、極端な場合には手形さえ書かないという例さえ実はあるわけです。そういうような
状態
は非常に是正しなければならないことで、少くともちやんとした手形を書かせるように
指導
はいたして参
つて
おります。 それから、手形の期限でありますが、どうしても
金融
の
状況
から申しましても長くな
つて
参るということも多いのであります。これらを
法律
的に、何か例えば六十日をこえるような手形を禁止するといつたようなことを
考え
たらどうかという御議論もすでに一部には出てお
つたの
でありますが、これは御承知のようにそういうことをすれば却
つて
更に手形さえ書かない事態さえ起るだけでありまして、そういうことを
法律
的に一律に禁止するということは結局却
つて
金融
難を助長する結果にもなるという点も考慮しなければなりませんので、私
ども
はできるだけこれを内面的に
指導
と申しますか、誘導をいたしましてできるだけ手形は必ず書く、而もその手形の期限をできるだけ短期間のものにして行くという
方向
に導いて参りたいと
考え
ているのであります。今御指摘の指定預金に何かひも付をしてそういうふうなことができないだろうかというお話でありますが、これもなかなか
金融
全体の問題として指定預金をそのままひもをつけてそういつたほうの
金融
に必ず廻すようにということもなかなかむずかしいのでありまして、趣旨といたしましては、指定預金の
制度
等がこれらの
金融
の円滑化に資するように使
つて
もらうことを望むのでありますけれ
ども
、そういつた技術的にちやんとひもをつけて指定預金を流すということは現在のところではなかなか困難だというふうに
考え
ております。
波多野鼎
108
○波多野鼎君 親
工業
と
下請工業
との
関係
で、今局長が言われたように手形を書かないところさえある。実にこの頃の大
企業
というものの横暴は極まりなく、そのために
中小企業
は泣いている。手形を書いても九十日というのは当り前、百何十日というのが一ぱい出ている。而もそれを現金化してくれと言えば
親工場
のほうで値引をしてくれ、値引をすれば現金化してやる、実に強制的な叩き買をしようというので
金融
の面から圧迫して強制的に値段を引下げて買込むという、そういう横暴なことをや
つて
いる。その大
企業
に対して国家的な、而も資金の援助というものをや
つて
おる。まるで国の政治のやりかたは
中小企業
を泣かせるように結果においてはな
つて
いる。そういうつもりはないのでしようがどこか手が抜けていると思う。そういう点をもう少し政府当局において
考え
てもらえないでしようか。これはこのままで置けば
中小企業
は参る。
仕事
があつた
つて
儲かりはしないからどんどん赤字にな
つて
しまう。その点での手抜りが何かどつかにありはせんか。お互いに
考え
てそういう大
企業
の横暴を防ぐ途を、而もこれは
金融
面にかか
つて
いる問題だから
金融
面で防ぐ途を
考え
なければならん。 それからもう
一つ
中小企業
の中で中小の
商業
者の問題ですが、この頃デパートの進出が非常に激しいということから小さな店はぐんぐん圧迫されている。こういうことを申すのはどうかと思うのだが、例えば戦争前項に百貨店法というものができ百貨店の営業というものに或る
程度
の規制を加えて中小の商店が生きる途を開いてやる、それだけの政治をやつたものです。この頃じやそれがない。どんどん百貨店というものは燎原の火のごとくに手を伸ばして小さな商店はたまらないですね、この大きな競争力を前にしては。こういう点については何か
考え
たことがありますか。
岡田秀男
109
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 前の
下請
の
関係
でございますが、私
ども
のほうもこの問題につきましては非常に頭を悩ましておりまして、先ず第一に
下請
関係
の中小業者に
協同組合
を作らせまして、これによ
つて
幾分なりとも話合が個々にやるよりはうまく行くようになりました実例がありますので、さような
方法
を先ず第一段として進めて参
つて
おります。 もう
一つ
は
下請
関係
の処理といたしまして、
下請
の名前を出しまして事の処理を図るということは実際問題といたしまして不可能な
状態
にあるわけであります。何々
下請
工場
に対してお前のほうでこういう不都合なことがあるじやないかということになりますと、その
下請
工場
に注文を出さないということがどうも現在の日本の
下請
工場
の技術のレベル等から
考え
まして、大体はさような
状態
であります。そこで我々といたしましては、
中小企業庁
なり或いは公正取引
委員
会なり或いは若干の
金融機関
等の応援を得まして、何か協議会なり何かの組織を作りまして、そこに例えば各
会社
のバランス・シートを調べてみまして、どうもこの親
会社
はかなり
下請
をいじめているのではなかろうかというところから調査を進めて行
つて
、或る
程度
の
資料
ができたらその親
会社
に対して適当な
方法
で何とかしたらどうかというような、技術上の
勧告
でもやるというようなことでもや
つて
みたら多少とも効果があるのではなかろうかというふうなことも
考え
まして、今公取委ともいろいろ相談をしているようなことなんです。先ほど
銀行
局長が申されましたように、
法律
によりまして
一つ
何かやれというような要求は私
ども
のほうにもかなりあるのですが、必ずしもその
方法
がよろしいかどうかにつきましては多大の疑問がございますので、何かそういうふうな柔い形ではありますが、案外そういうところで効果がなかろうかというふうなところから研究いたしておるのであります。 なお商店と百貨店との問題につきましては誠にこれは御同感でございますけれ
ども
、目下のところでは差当り直接これをどうかするという手がないわけでございます。商店に対しましては、極力
専門
店としての魅力乃至力を発揮する、或いは商店街を
結成
するとか、さような
方向
で別の持味を発揮するように
指導
をするというところを現在のところはや
つて
おるわけであります。
波多野鼎
110
○波多野鼎君 それでは、百貨店がどんなふうな営業をや
つて
いるか私はよくは知りませんが、例えばべらぼうな催物をや
つて
みたり、いろいろなことをしてお客を引いてしまう。商店のほうではそんな資力はないのだから指をくわえて見ているというようなことで、一種の不正な競争を百貨店がいどんで来ておるのではないか、不当競争の形にまで行きつつあるのではないかという感じを持つのですが、そうだとすれば公正取引
委員
会あたりを通じて、この百貨店の行過ぎた行為に対しては規制を加えることは当然だと思う。そういう点などについてもつと
一つ
調査をして下さ
つて
商店を何か擁護してやるような
方法
を講ずべきだと思う。私も実はよく知らんものだから
はつ
きりしたことは申せないのですが、どうも新聞あたりの広告を見ているだけで百貨店の競争力というものは少し度を過ぎているのではないかという感じがしてしようがない。
岡田秀男
111
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 御趣意の通り調査もいたしてみたいと存じます。なお
一つ
の例でございますが、東京の郊外に布地
専門
の某
商業
協同組合
がございまして、これが共同仕入なり簡単な共同加
工場
等も設けましてや
つて
いるのでありますが、これは大資本力を持
つて
おりますデパートよりもまだ安いものを提供しておるということで、かなり繁昌をしまして店舗の数もどんどんふやしているというような稀な例かも知れませんがございますので、一面百貨店の競争が不当な競争にまで来ておるかどうかというところにつきましては、私
ども
もともとと研究いたしますと同時に、商店といたしましても
協同組合
の組織を利用するなり、又我々のほうでもかなり
専門
家も備えておりますので、そのほうの
指導
によります更生策を講ずるなり、今後とも
努力
をして行きたいと思います。
波多野鼎
112
○波多野鼎君 百貨店の問題、あまり取上げても妙だと思うけれ
ども
、もう
一つ
申上げたいのは、百貨店が
中小企業
から品物を買う場合、製品ですね、あの場合の買入条件というものは苛烈ですね、苛酷極まるですね。例えば酪農製品、農林省あたりで酪農奨励などをや
つて
いますが、酪農製品というものは百貨店で叩かれてしまう。持
つて
行きようがない。農林省の政策というものは百貨店でこわされて行く。そういつたような例はいろいろな商品についてある。こういう営業の仕方というものは私はどうも横暴極まると思う。こういうものに対してもやはり調査してもらいたい。
松永義雄
113
○松永義雄君 それに関連しまして、新聞に出ていたのですが
メーカー
自身デパートに出張して、繊維業者かと思うのですが、それは非常に安いには安いということになるでしようが、問屋を通さないために問屋その他の商店から非常な不平が起きているということが掲載されているのですけれ
ども
、あれは一体デパートが部屋貸をしているのか、デパートの計算において
メーカー
を招いてああいうことをや
つて
いるのですか、どつちなんですか。
岡田秀男
114
○
政府委員
(
岡田秀男
君) 甚だ申訳ないのですがその点につきましては私
ども
も調査不十分であります。
千田正
115
○千田正君 大蔵当局に特に伺いたいのは、最近の東京都の周辺のみならず各東北
地方
或いは信越
地方
において闇
金融
が非常に盛んなことです。而もこの
金融
のために多くの健全な農家であるとか或いは
中小企業
のうちの特に小
企業
がばたばた倒れている。こういう点を方々で我々は感じ又見て来ておるのですが、この闇
金融
はどういうわけで発生して来てそうしてこんなに蔓延して来たか、こういう点を研究した場合において、恐らく我々の感じは皆さんと一緒だろうと思うのですが、この
中小企業
の人たちが
銀行
或いはその他の
金融機関
を通じて
借入
金をしたいけれ
ども
その
方法
について技術的に非常にむずかしい。手取早いところから借りてそうしてや
つて
行こうという結果がいろいろな破局を生んで来ておる。而も最近の
状況
を見ると年末を控えましてこの周辺の各県におけるところの闇
金融
で動いている金は大体十億を超しておる。各県共にこういうような
状況
の中で非常な不健全な
金融
状況
が続いて来て、又この年末に際して破産が相次いで来ておる。こういう
状況
なのでありますが、この闇
金融
その他に対して
大蔵省
においてはどういうふうに
考え
ておられるか。この点について愛知大蔵次官にお伺いしたいと思うのであります。
愛知揆一
116
○
政府委員
(愛知揆一君) 最近のいわゆる闇
金融機関
の問題は、
大蔵省
当局或いはその他の検察
関係
の当局におきましても非常に頭を悩ましておる問題でございます。結論から先に申しますと、政府として
はつ
きりした態度がまだとれていないわけでございます。これは沿革から申上げましても非常に長くなるのでありますが、只今千田さんの御指摘の通り、
一つ
には最近数年来の非常な
金融
梗塞ということもその自然発生的な原因の
一つ
に挙げられると思います。それからいま
一つ
は極めて最近になりますると、これを利用しておる人たちが最近までのところでは相当巨額な利益が得られておるようでございまして、普通の
金融機関
を利用いたしまするよりは相当有利な利廻りがとれるというようなことも又最近の話題にな
つて
お
つて
、相当の資金量が動いておるその原因の
一つ
にな
つて
おるかと思うのであります。
銀行
局長が非常に苦労されて鋭意この
対策
に没頭されておりますから、詳細は
銀行
局長から答弁をしてもらうようにいたしますが、大蔵当局或いは政府全体としてできるだけ速かにこれに対しては
対策
を講じたい。 ただ
一つ
だけ
はつ
きり申上げておきたいと思いますのは、現在のところかくのごとき
金融機関
或いはその他の類似の団体は政府において何ら責任をとり得ないものである。現在のところではこのことだけは
はつ
きり申上げておかなければならないと思うのでございます。
千田正
117
○千田正君 もう一点
大蔵政務次官
にお尋ねしますが、今の後段の御答弁にありました政府としては何ら責任をとり得ない立場にあるということは、早く言えばそういう不正
金融
その他に対しては法的根拠がないからでき得ないという
意味
の御答弁でありますか、もう一度お聞かせ願いたいと思います。
愛知揆一
118
○
政府委員
(愛知揆一君) 大体その通りでございますが、御承知のように貸金業としての届出を法規の手続によ
つて
と
つて
おりまするものは、これは
法律
上の根拠からいえば、当局としても或る
程度
の責任を持たなければならないものでありますが、その他大部分のものにつきましては、法の不備を利用しておりまするところの実質的に言えば私は違法行為ではないかと思うのでありますが、併し今日のところは
法律
関係
から申しますると、法の盲点に根拠をおいている存在でございます。従
つて
先ほど申上げましたように、現状においては政府としては責任がとり得ない、こういうことになるわけでございます。
松永義雄
119
○松永義雄君 今の次官のお言葉は、あれですか、取締上から責任が持てないという
意味
ですか、経済上からは何ら
対策
を持つことができないというのですか、どつちですか。
愛知揆一
120
○
政府委員
(愛知揆一君) これは
法律
論から申しましたのでありまして、従
つて
取締という点からい
つて
責任が持てない。或いは更に進んでその監督というようなところについても現状においてはなかなか責任がとり得ないのであります。従
つて
何とかして一日も早くこれに対する
はつ
きりした態度を明確にしなければならない、そういう段階に入
つて
おると思います。
松永義雄
121
○松永義雄君 そのことでよく言われるのですが、酒の密造は酒を安くすれば密造がなくなる、こういつたことがしばしば繰返えされているのですが、それと同じようにそういつた金を借りたいというような人たちに、適当な
金融
の途を開いて頂いたら、自然高利貸のお世話にならんで済むのじやないかということが
考え
られるのですが、そういうものに対して何か
方法
をとりたいという
考え
はないでしようか。
愛知揆一
122
○
政府委員
(愛知揆一君) これはご尤もでございまして、正常な
金融機関
がより多く発展すればこういうことは大体その根拠がなくなるであろう、こういうふうに
一般
論としては
考え
るのであります。併し先ほど申しましたように、そういうところを利用したのであ
つて
は面白味がないというような、率直に申しますると多少投機的な人間の欲望というものもここに
関係
を持
つて
来ておるというような点で、必ずしも酒の造石高を殖やせば密造は経済的になくなるということと大体は似ているかも知れませんが、これは様相を異にしているのではなかろうかと思います。
佐多忠隆
123
○佐多
忠隆
君 現在の闇
金融
については政府としては責任を持てないのだというようなお話だ
つたの
ですが、これは
ちよ
つと言葉が不穏当だと思うのです。というのは、
銀行
局長としては
法律
の不備なり或いは盲点をつかれたものだから、現状としては何ともいたし方ないという御返事であれば、我々了承するのですけれ
ども
、
大蔵政務次官
が政府としてはとおつしやると、どうも了承ができかねるので、殊に
金融
政策その他に関して今まで十分な
対策
を講じなかつた結果のあだ花がそういうところに咲いている問題もあるでしようし、若し
法律
に盲点、欠陥があるならば速かに
法律
の改正をする責任もあるのだし、そういう
意味
では先ほどのお言葉は少し不穏当と思います。
愛知揆一
124
○
政府委員
(愛知揆一君) 佐多さんから誠に適切な御注意を頂きまして誠に有難うございました。非常に私は率直に
法律
論から申上げたのでありまして、不穏当な点は
一つ
勘弁して頂きたいと思います。
岩沢忠恭
125
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 本日はこれを以て散会いたします。 午後四時六分散会