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1953-03-13 第15回国会 参議院 本会議 第34号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月十三日(金曜日)    午前十時三十四分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第三十三号   昭和二十八年三月十三日    午前十時開議  第一 航空業務に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定締結について承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)  第二 道路整備費財源等に関する臨時措置法案衆議院提出)(委員長報告)  第三 飼料品質改善に関する法律案衆議院提出)(委員長報告  第四 主要農作物種子法の一部を改正する法律案衆議院提出)(委員長報告)  第五 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第六 社寺等無償で貸し付けてある国有財産処分に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)(委員長報告)  第七 金管理法案内閣提出)(委員長報告)  第八 小額通貨整理及び支払金端数計算に関する法律案内閣提出)(委員長報告)  第九 法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一〇 統計法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 諸般報告は朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。  この際お諮りいたします。文部委員長から、義務教育学校職員法案ほか一件の審査に資するため、長野県に、末村守江君、木内キヤウ君、岩間正男君を本月十五日から二十四日までのうち三日間、長崎県に、高橋道男君、矢嶋三義君、相馬助治君を本月十五日から二十四日までのうち五日間の日程を以て派遣されたい旨の要求書提出されております。委員長要求通り議員を派遣することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて委員長要求通り議員を派遣することに決しました。      ——————————
  5. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 日程第一、航空業務に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定締結について承認を求あるの件(衆議院送付)を議題といたします。  先ず委員長報告を求めます。外務委員長徳川頼貞君。    〔徳川頼貞登壇拍手
  6. 徳川頼貞君(徳川頼貞)

    徳川頼貞君 只今議題となりました航空業務に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議経過と結果を御報告申上げます。  政府の説明によりますと、我が国は、日本国との平和条約第十三条司の規定により、連合国の要請があつた場合に、当該連合国との間に国際民間航空運送に関する協定締結するための交渉を開始することになつておりますが、連合王国はこの条項に基き協定締結交渉を開始する意向を示して参りましたので、両国政府代表者間の交渉の結果、航空業務に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定案が作成され、昨年十二月二十九日に署名が行われたのであります。この協定日英両国間の定期航空業務の開設を目的とするものでありまして、前文、本文十九カ条、末文、附表及び附属交換公文から成り、附表両国航空企業航空業務運営する路線を定め、その運営の権利を相互に許与すると共に、運営開始の手続及び運営条件双務的基礎において定めております。而してこの協定は、先に本院で承認を与えました日米間の民間航空運送協定と殆んど同一のものでありまして、ただ、国際民間航空条約、いわゆるシカゴ条約遵守の建前からシカゴ条約規定と重複することを省いた点、運賃の決定方法統計表の提供、路線変更批准条項の有無について異なるのみであります。又この協定では、附属交換公文において、沖縄に対する日本残存主権について日本国が有する請求権を害するものでない旨を明記しておる点は、日米間の協定と異なるのであります。ところで連合王国は、平和条約第十三条(b)に基き、我が国との航空協定締結されるまで、平和条約効力発生後四年間、我が国において航空業務運営する一方的な特権を有しております。従つて、この協定締結により、我が国連合王国との関係でこの片務的状態を解消することができると同時に、我が国航空企業も又英国航空企業と平等の条件連合王国に乗入れを行うことができるようになるわけであります。  外務委員会は、三月三日、十日及び十二日の三回に亘つて審議を行いましたが、質疑応答議事録に譲ることといたしまして、その際、政府から「航空計画としては、来年度中にロンドンまで乗入れることは困難であろうが、シンガポール乃至はカラチまでは延ばしたい計画である」旨の返答がございました。又「濠州までの路線事情によつて東京——ジヤカルタ間にとどめたこと、国際路線に就航する我が国の会社は、競争上、一社として強力なものとし、更に国内幹線はこの国際路線一本にする予定であること」等が政府の答弁により明らかとなりました。かくして三月十二日討論を経て採決を行いましたところ、全会一致を以て承認すべきものと決定いたしました。  以上御報告申上げます。(拍手
  7. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本件採決をいたします。本件を問題に供します。委員長報告通り本件承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  8. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本件全会一致を以て承認することに決しました。      ——————————
  9. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、  日程第三、飼料品質改善に関する法律案、  日程第四、主要農作物種子法の一部を改正する法律案、(いずれも衆議院提出)  日程第五、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案、(内閣提出衆議院送付)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。農林委員長山崎恒君。    〔山崎垣登壇拍手
  11. 山崎垣君(山崎垣)

    山崎垣君 只今議題となりました農林関係法律案につきまして、農林委員会におけるところの審査経過及び結果御報告申上げます。重要な農業資材であるところの肥料及び農薬等につきましては、これが品質の保全に対して、すでに肥料取締法及び農薬取締法実施せられているのでありまするが、畜産におけるところの基礎資材であるところの飼料に関しましては、これが品質改善向上について従来しばしば、問題となりましたが、未だ何らの措置が講ぜられることなく今日に至つておるのであります。然るに、戦時戦後に亘つて飼料不足の下において不正又は不適当な飼料が横行いたしまして、需要者に対しては不測の損害を与え、又善良な供給者に対しては多大の迷惑を及ぼして来たのでありまして、飼料品質向上均質化を図ることが畜産振興のため緊急不可欠の要件であるとの見解を以て、本法律案提案ざれたのでありまして、その目的とするところは、飼料登録検査等を行うことによつて、その品質を保全し、以て飼料の公正な取引を確保すると共に、家畜家禽飼料管理合理化に資せんとするものあります。  而して本法律案の主な内容大要次のようであります。第一は、飼料製造業者又は輸入業者に対して届出義務を課し、第二は、届出をした者の希望によつてその製造又は輸入した飼料について登録を行わしめ、第三は、登録を受けた飼料にはその容器又は包装の外部に保証票を添付せしめ、第四ば、飼料にその品質が低下するような異物を混入し、又飼料成分又は効果に関し虚偽の宣伝をなすことを禁止し、第五は、農林大臣飼料取締上必要があるときはその職員をして必要な場所に立入検査を行わしめ、又都道府県においても所定の方法によつて取締措置をとることができることとなし、第六は、登録飼料製造業者又は輸入業者の違反の場合の行政処分について規定し、第七は、以上いろいろな事項を励行するため必要な罰則を設けんとするものであります。  なお本法施行期日は原案においては「昭和二十九年四月一日」ということになつておりましたが、衆議院において施行期日を「公布の旧から起算して九日をこえない期間内において、政令で定める。」と修正されて、当院に送付せられたのであります。  委員会におきましては提案者及び政府当局との間に、検査取締機構及び設備、検査方法、必要な経費及びその予算的措置本法による措置肥料取締との関係及びその調整本法対象となるべき飼料の種類及び成分量希望登録或いは強制登録適否異物混入の認定及びその当否、飼料用輸入とうもろこし醗酵原料横流れ防止甘藷飼料化、その他諸般事項について質疑を行い、各方面から検討が加えられたのでありまして、これが詳細は議事録によることに御了承願いたいのでありますが、取りわけ、本法律案規定せられておるように登録飼料製造又は輸入届出を行なつた者希望による希望登録制にすることについての適否について関心が払われ、この点について、提案考及び政府当局から、「飼料事情の現段階において今直ちに強制登録制をとることは尚早であうて、行過ぎと思われ、却つて飼料の流通の円滑を阻害する等の反作用が憂慮せられ、需要者に対しては登録飼料優位性を、又供給者に対しては登録必要性を指導普及せしめることにまりて、強制によらないでも大よそ登録に向つて進み、申請が実行せられるものと認められる」との趣旨見解が述べられたことを一言申上げておきます。  かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、三橋委員から、本法運用の適正を期して畜産農家を保護すると共に、飼料供給者を萎縮せしめて飼料の円滑な流通阻害することを防ぐため、大要次のような附帯決議を付することの提案がありました。即ち、  一、本法案に見るような希望登録制によるときは、本法が所期する飼料品質改善に関する成果はその一半を失う憾みがある。よつて政府は、本法施行後において、常時その実行状況を精査し、その結果によつては速かにこれを改正するよう遺憾なく措置すること。  二、政府は、本法第十五条の異物混入禁止規定適用を誤まり、徒らに無事の者をして法に触れしめるがごときことのなきよう、これが運用に万全を期すること。  三、政府は、分析検査及び板締機構を整備して、本決の運用に遺憾なからしめること。  次いで岡村委員からは、今後事態の推移に即応して制度改善を加えること希望して賛成があり、小林委員からは、本法案には遺憾の点が残されておる淡、附帯決議誠意を以て励行せられることを条件として賛成があり、飯島委員からは附帯決議実行政府誠意と責任を期待して賛成があり、又宮本委員からは、本法律案こそ真に実情に即しても最も適例なものであるとして賛成があり、続いて採決の結果、全会一致を以て三橋委員提案にかかる附帯決議を付して原案通り可決すべきものと決定いたしました。右御報告いたします。  次に、同じく衆議院議員中馬辰猪君ほか二十四名の提出にかかる主要農作物種子法の一部を改正する法律案について報告いたします。  稲及び麦類主要農作物の優良な種子を確保する目的を以て、第十三回国会において主要農作物種子法が制定せられたのでありまするが、国会におけるところの当該法案審議経過に鑑み、且つその際の要望に応えんとする趣意を以て本改正法律案提出せられたのでありまして、本改正法律案の主な内容は次のようなものであります。即ち、第一は、本法対象となる主要農作物は、現行法においては、稲、大麦、裸麦及び小麦となつておりまするが、これに新たに大豆を追加し、第二は、優良な種子生産するため行う審査は、現行法においては圃場審査に眠られておるのでありまするが、今後はこれに引続いて生産物審査をも行うこととなし、第三は、主要農作物の優良な種子生産する用に供するため、都道府県においてこれら種子の原種及び原々種の生産を行うこととなし、第四は、都道府県はその管内に普及すべき主要農作物の優良な品種を決定するため必要な試験を行うこととなし、第五は、以上諸施設に対する国の助成について規定せんとするものであります。  委員会におきましては、提案者及び政府当局との間に、国の補助金及び補助率の実相、本法対象となるべき主要農作物の拡大、優良な種子普及対策確立及びその実施方法本法実施するため必要な経費の国と都道府県との負担区分及び都道府県における負担能力種子検査に関して本法農産物検査法との関係及びその調整、国における主要農作物種子更新計画その他の問題を中心として、質疑か行われ審査が進められたのでありまして、これが詳細は会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。かくして質疑を終り、討論に入りましたこころ、三橋委員から、「本法を一段こ整備して主要農作物種子改良普及の完璧を期し、差当つて本法適用を、更に菜種、とうもろこし、馬鈴薯及び甘藷にまで及ぼすと共に、優良原種子普及対策確立し、その効果を促進すべきである」との趣旨希望を付して賛成があり、続いて採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。  右御報告いたします。  続いて農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案について報告いたします。  農林漁業金融公庫法は、本第十五回国会において成立し、昨年十二月二十九日公布せられ、公庫は来たる四月一日発足する予定になつているのでありますが、公庫の円滑な運営に資するため、ここに二、三の改良を加えんとするものでありまして、改正の主な点を申しますと、第一は、公庫貸付資金資金源の一部として、昭和二十八年度において一般会計から百億円を追加出資するため、これに必要な規定を設けんとするものであり、第二は、公庫役職員に対する退職手当について、これを一般職の公務員に対するものと同様に坂扱うことは不適当であるとの見解を以て、主務大臣承認を受けて特別な基準を設けられることとし、第三は、農林漁業金融公庫法及び農山漁村電気導入促進法が制定せられたことによつて、これら両者法律に対してそれぞれ必要な改正を行わんとするものであります。  委員会におきましては、政府当局との間に農業金融疏通、既往において土地改良のため融通せられた米国対日援助見返資金貸付条件農林漁業金融公庫法によつて貸付けられる同種資金貸付条件調整公庫における農山漁業電気導入関係資金貸付及びその貸付条件公庫役職員退職手当支給基準承認方針農山漁村に対する電気導入事業合理化並びにこれが一環としてこれら事業に対する融資の調整その他の問題について、質疑を行い、検討が遂げられたのでありまして、これが詳細ば会議録によつて御了承願いたいのであります。かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、三橋委員から、農業金融疏通に関する対策確立並びに土地改良事業に対する米国対日援助見返資金及び農山漁村電気導入促進法制定前におけるこれら事業に対する農林漁業資金貸付条件調整改正等希望を付して賛成があり、又岡村委員から、農業協同組合連合会における医療施設に対する農林漁業資金の融通を、災害復旧に限定することなく、造成改良にまで拡大することを希望して賛成があり、続いて採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。  右報告いたします。(拍手
  12. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  13. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて三案は全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  14. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 日程第六、社寺等無償で貸し付けてある国有財産処分に関する法律の一部を改正する法律案、  日程第七、金管理法案、  日程第八、小額通貨整理及び支払  金の端数計算に関する法律案、(いずれも内閣提出)  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 議長(佐藤尚武君)(佐藤尚武)

    議長佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。大蔵委員長中川以良君。    〔中川以良君登壇拍手
  16. 中川以良君(中川以良)

    中川以良君 只今議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審議経過並びに結果について報告を申上げます。  先ず社寺等無償で貸し付けてある国有財産処分に関する法律の一部を改正する法律案について申上げます。  本案の概要を申上げますと、社寺境内地処分審査会及び社寺保管林処分審査会は、    〔議長退席、副議長着席〕  昭和二十二年以来、政府社寺等無償で貸し付けてあつた国有財産を当該社非等に対し無償譲渡又は半額売払いの処分を行う場合の諮問機関として、大きな役割を果して来たのでありますが、現在の段階におきましては、すでにその設置目的を達成したものと認められるに至りましたので、この際これらの審査会に関する規定を削除しようとするのであります。委員会審議におきましては、種々熱心なる質疑応答が交わされたのでありまするが、その詳細は速記録によつて承知を願いたいと存じます。かく質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  次に金管理法案について申上げます。  従来、政府は、金につきましては全面的に価格及び配給の統制を行い、新産金はすべて強制的に買上げると共に、加工用金政府保有金のうちかし割当売却することとし、又政府の買入価格払下価格及び業者販売価格は、すべて政府が公定をいたしておつたのであります。併し、最近における金生産及び金に対する実需に鑑み、対外決済準備に必要な金以外の金につきましては自由な価格で自由に取引できるようにし、以て金鉱業を育成しようとするのであります。その内容は、政府強制買上をする金は、新産金のうち政令で定める割合のもののみとし、これに伴う割当制度加工用金売捌き業者等監督制度を廃止し、金の取引を自由にいたそうとするのであります。ただ、自由取引実施に伴い、国内及び国際事情を考慮して、金の取引実態把握に必要な報告表徴することができることにいたそうとするものであります。本案審議に当りましては、種々熱心なる質疑応答が交わされたのでありますが、その詳細は速記録において御承知を願いたいと存じます。かく質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定をいたした次第であります。  最後に、小額通貨整理及び支払金端数計算に関する法律案について申上げます。  本案は、最近における取引実情に即応し、一円以下の臨時補助貨幣並びに一円未満貨幣小額紙幣及び日本銀行券整理すると共に、一円未満通貨発行を停止することとし、これに伴い、現金支払の場合における支払金端数計算基準を定めて、取引円滑化に資そうとするものであります。その内容について申述べますと、第一に、一円以下の補助貨幣一円未満貨幣小額紙幣及び日本銀行券は、本年七月三十一日限り、その通用を禁止し、翌日以降明年一月三十日までの間に日本銀行及び郵政官署において他の通貨に引換えることとし、引換えに当つては、五十銭以上一円未満端数一円と引換えることとしたのであります。第二に、一円未満通貨発行は、当分の間、行わないこととしたのであります。第三に、債務の弁済を現金支払により行う場合には、当事者間に特約がない限り、五十銭未満端数は切捨て、五十銭以上一円未満端数一円として計算することとしたのであります。  本案審議に当つては熱心な質疑応答が交わされましたが、その詳細は速記録によつて承知願いたいと存じます。かくして質疑を終了し、討論に入りましたところ、木村委員より、この際、速かに貨幣制度について根本的な検討を加え、経済の実態に副うような制度確立せられたいとの要望を付して賛成の意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上御報告を申上げます。(拍手
  17. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  18. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて三案は全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  19. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 日程第九、法務省設置法の一部を改正する法律庁案、   日程第十、統計法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出衆議院送付)  風上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。内閣委員長竹下豐次君。    〔竹下豐次君登壇拍手
  21. 竹下豐次君(竹下豐次)

    竹下豐次君 法務省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審議経過並びに結果について御報告いたします。  先ずこの法律案提案の理由と改正の要旨を説明いたします。本案の主旨は、少年院法第二十一条第二項の規定による経過措置として、従来少年刑務所の一部を特に区別して特別少年院に充てておつたのであります。然るに本年四月一日以降この措置を継続することができなくなりまするので、政府はかねてその対策につき準備を進めておりましたが、準備も整いましたので、四月一日を以て新たに少年院設置し、少年刑務所等少年院に転用し、又分院を本院に昇格させることといたしまして、少年院の増設を行おうとするものであります。  これを個々の施設について御説明申上げますると、奈良少年院大分少年院盛岡少年院千歳少年院及び松山少年院は、いずれも新たに施設を設けて新設いたすのであります。又現在その施設の一部を特別少年院に充てております久里浜刑務所石切刑務支所愛知少年刑務所及び新光学院は、少年矯正教育に適当な施設でありまするので、これを少年院に転用して、それぞれ久里浜少年院河内少年院愛知少年院及び新光学院設置するものであります。神奈川少年院は先に工事未了のため一応分院として設置いたしたのでありまするが、その完成も近くなりましたので、これを本院とすることとし、又、和泉少年院は、現在の浪速少年院の分院共善学寮を拡充して、これを本院に昇格させると共に、この際その名称を改めんとするものであります。なお、右改正のほか、少年院の位置について行政区画名変更による所要の改正をいたしておるのであります。  内閣委員会は、本法案について、法務委員会との連合委員会を一回、内閣委員会を一回開きまして、本法律案審議に当つたのでありまするが、その審議によつて明らかになりました点は、先に説明いたしました少年院の新設、分院の本院への昇格、少年刑務所  の転用等に要する営繕工事費備品費等昭和二十八年度予算額は九千二百  二十五万円であつて、定員には何らの変動がないということであります。内閣委員会は一昨日の委員会におきまして本案につき採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと議決いたしました。  次に統計法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審議経過並びに結果を報告いたします。先ず本案内容を説明いたします。昨年八月の行政機構の改革に伴いまして、統計委員会が廃止せられ、その所管事務行政管理庁に移管されたのでありまするが、昨年八月二十一日統計報告調整法実施に伴いまして、統計法字句改正を行うべき点が二カ所、即ち統計法第八条但書中「統計委員会」を「行政管理庁長官」に改める点、及び同但書中、統計報告調整法字句の下に法律番号を加える点、並びに統計法第十桑中、整理漏れによる字句の削除等、数点につき整理を要するのでありまして、この法律案はこれら法文の整理に関するものであります。内閣委員会にお寺ましては、前後二回委員会を開き、本案審査いたし、一昨日の委員会におきまして採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと議決いたしました。  右御報告いたします。(拍手
  22. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  23. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  24. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 参事に報告させます。    〔参事朗読〕 本日委員長から左の報告書を提出した。放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件議決報告書      ——————————
  25. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) この際、日程に追加して、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求むるの件(衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長報告を求めます。電気通信委員長溝淵春次君。    〔溝淵春次君登壇拍手
  27. 溝淵春次君(溝淵春次)

    ○溝淵春次君 只今議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基き国会承認を求むるの件について、電気通信委員会における審議経過並びに結果を御報告申上げます。  本件は、日本放送協会の昭和二十八年度の収支予算、事業計画及び資金計画について、国会承認を求めんとするものでありまして、その内容といたしまするところは、先ずその収支予算におきましては、収支総額はおのおの八十二億八千一百余万円でありまして、前年度に比べて約六億円の増加となつております。その内訳は、ラジオ放送関係七十六億四千七百余万円、テレビジヨソ放送関係六億三千四百余万円となつておりまして、この両者の経費の彼此流用はできないことになつております。ラジオ放送関係の資本収入は十億六千四百万円、事業収入は六十五億八千三百余万円となつておりますが、この事業収入の殆んど全部が受信料収入でありまして、その算定の基礎となつておりまする受信契約者数は、年度初頭において一千三十万、年度内の増加六十万と見込み、受信料月額は二十七年度同様五十円としております。次にテレビジヨソ放送関係においては、資本収入六億四百余万円、事業収入二千九百余万円でありまして、受信契約者数は、年度初頭二千百、年度内の増加二万三千二百と見込み、受信料月額は二十七年度と同じく二百円として算出しております。次に事業計画におきましては、ラジオ放送については、受信困難な地区の改善、地域別放送及び放送番組の充実に主眼を置き、テレビジヨン放送については、大阪及び名古屋における放送開始及び将来建設しようとする都市における必要なる調査をいたすことを主眼といたしております。又資金計画においては、本事業計画に基きまして、年度中における資金の出入に関する計画をいたしておるのであります。  以上の協会の収支予算、事業計画等につきまして、郵政大臣は、放送事業運営上妥当であると認めるとの意見を付しておるのであります。  電気通信委員会は、本件につきまして、郵政省当局は勿論のこと、日本放送協会会長並びに理事者について詳細綿密な質疑をいたし、慎重審議をいたしましたのでありますが、今その主なる点を申上げますると、大電力放送局の周辺における小電力地方放送局の廃止問題、国際放送に関する政府の交付金の問題、ラジオ放送の費用とテレビジヨン放送の費用との彼此流用禁止問題、放送施設の減価償却費問題及びテレビジヨソ受像機の輸入の問題等であります。その他各般の事項について熱心な質疑が行われたのでありますが、その詳細は速記録によつて承知を願いたいと存じます。  かくいたしまして、本三月十三日質疑を終え、討論に入りましたところ、日本社会党第二控室を代表して山田委員、自由党を代表して鈴木委員、労働者農民党の水橋委員、緑風会を代表して新谷委員及び緑風会の尾崎委員から、それぞれ希望を付して賛成の意見を述べられました。討論を終え、採決に入りましたところ、全会一致を以て原案通り承認すべきものと議決いたした次第であります。  右御報告申上げます。(拍手
  28. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより本件採決をいたします。本件を問題に供します。委員長報告通り本件承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  29. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 総員起立と認めます。よつて本件全会一致を以て承認することに決しました。  議事の都合により、本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 副議長(三木治朗君)(三木治朗)

    ○副議長三木治朗君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程決定次第公報を以て御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十八分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、議員の派遣の件  一、日程第一 航空業務に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の締結について承認を求める件  一、日程第三 飼料品質改善に関する法律案  一、日程第四 主要農作物種子法の一部を改正する法律案  一、日程第五 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案  一、日程第六 社寺等無償で貸し付けてある国有財産処分に関する法律の一部を改正する法律案  一、日程第七 金管理法案  一、日程第八 小額通貨の管理及び支払金端数計算に関する法律案  一、日程第九 法務省設置法の一部を改正する法律案  一、日程第十 統計法の一部を改正する法律案  一、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件