運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1953-02-10 第15回国会 参議院 文部委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月十日(火曜日)    午前十一時十二分開会   —————————————   委員の異動 十二月二十二日委員木村守江辞任に つき、その補欠として泉山三六君を議 長におい指名した。 十二月二十三日委員泉山三六君辞任に つき、その補欠として木村守江君を議 長におい指名した。 十二月二十四日委員加納金助君及び山 縣勝見辞任につき、その補欠として 長島銀藏君及び小滝彬君を議長おい指名した。 十二月二十人目委員長島銀藏君及び小 瀧彬辞任につき、その補欠として加 納金助君及び山縣勝見君を議長おい指名した。 二月六日委員三好始辞任につき、そ の補欠として境野清雄君を議長おい指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     若木 勝藏君    理事            川村 松助君            木村 守江君    委員            黒川 武雄君            白波瀬米吉君            山縣 勝見君            高橋 道男君            梅津 錦一君            相馬 助治君            木内キヤウ君   政府委員    文部省大学学術    局長      稻田 清助君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工樂 英司君   説明員    文部大臣官房総    務課長     福田  繁君    文部大臣官房会    計課副長    西田  剛君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○教育及び文化に関する一般調査の件  (今期国会提出予定法律案に関する  件)  (昭和二十八年度文部省関係予算に  関する件)   —————————————
  2. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) これより委員会を開きます。  先ず最初に理事互選を行いたいと思いますが、只今から行いますところの補欠互選は、昨年の十二月二十二日に理事木村守江君が委員辞任いたしましたために行うわけであります。互選方法は如何いたしますか、お伺いいたします。
  3. 相馬助治

    相馬助治君 成規互選の手続を排しまして、委員長に選挙の方法については勿論、それから当該党派との話合いが付いておりましたら、その個人的な人名に関しまして指名権お願いいたしたいと思います。委員長一任。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 御異議ございませんね、それでは。
  5. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 ちよつと何ですか、木村君の辞任したのに対してですか。
  6. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) そうです。
  7. 白波瀬米吉

    白波瀬米吉君 ちよつと、私のほうから、何か話してありますか。
  8. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 伺つております。それじや私から指名をいたします。木村守江君に理事お願いいたしたいと思つております。   —————————————
  9. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 次に公報に掲載してあるところの順序に従いまして議事を進めたいと思います。先ず第一に、今期国会提出予定法案についての説明を聴取したいと思います。
  10. 福田繁

    説明員福田繁君) それではお手許に差上げてありますところの第十五国会提出予定法律案につきまして簡単に御説明を申上げます。  あらかじめ御了承お願い申上げたいと思いますのは、この文部省関係の十八件という予定法案になつておるのでございますが、この中にはまだ研究中のものもございますし、確定したわではございませんので、この十八件。全部出るかどうか、その辺はまだ未確定ということを御了承願いたいと思います。又この中にはもう一つ政府提案でなしに議員提案の形の法律案もございますので、そういつたこともあらかじめ御了承願いたいと思います。先ず第一番の公立義務教育学校教職員身分及び給与負担特例等に関する法律案でございますが、これは第二番目の公立義務教育学校教職員身分及び給与負担特例に関する法律施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、これは現在問題になつておりますところの義務教育全額国庫負担関係法案でございます。件名等につきましては、これはまだ確定的なものでございませんので、一応こういつた第一番目に書いてございますような公立義務教育学校教職員身分及び給与負担特例等に関する法律案というような仮の名を付けてございます。これにつきましては、目下法制局といろいろ法案の作成ついて打合せを行なつております。この一番目と二番目の法案につきましては、これは大体今月の二十日頃までに国会に提案できるように極力準備を進めてございます。それからこの内容につきましては、これは御承知のことと思いますが、義務教育に従事いたしますところの教職員給与全額国がみまして、現在の法律では半額国がみるというここになつてございますが、その関係全額に進めまして、そうしてそれと同時に地方公務員でありますところの教職員を、国家公務員に変えて行こう、こういう内容のものでございます。  それから三番目の学校教育法の一部既定でございますが、これは昨年の八月でざいましたか、地方自治法改正されましたので、その地方自治法改正に伴いますところの改正でございます。これは地方自治法改正と申しますのは、今まで学校教育法施行規則等によりまして、地方委任事項をけめておつた事項がかなりございますが、そういつたものをこの地方自治法改正によりまして法律又は政令によつてこの委任をするというような建前に改めるというような趣旨のものでございます。例えば現在の学校教育法地行規則の中で、校地、校舎の増減の届出だとか、或いは学級編成認可の問題だとか、それから就学事務猶予認可だとか、そういつた一連関係り規定がございますが、そういつたものを法律又は政令に改めるということでございまして、これは地方自治法改正に伴いました必然的な改正でございます。  それから四番目の大学管理法案でございますが、これは従来から懸案になつておりまして、この大学管理法案につきましては、文部省といたしましてもいろいろ研究いたして参つたのでございます。只今中央教育審議会が発足いたしておりますので、これに一応諮問いたしまして、そうしてその結論を得て国会のほうに御審議を願いたいというような心組みで準備をいたしております。その次の五番目の関係も、これは大学管理法施行に伴いますところの教育公務員特例法の一部改正でございます。これは表裏一体のものでございます。  それから六番目の学位法案でございす子が、これは現在の学校教育法建前から申しますと、省令でも行けるものだと考えておりますが、特に重要なのでございますので、法律にするか政令にするかということも、法制局等と十分打合せた上で決定したい、こういう工合考えております。一応文部省としては、学位法案というものを法律で進めるように準備をいたしておりますが、これにつきましてはなお法制局等十分協議をいたしまして進めたいと考えております。  それから国立学校設置法の一部を改正する法律案、第七番目でございますが、これは今度の二十八年度の予算におきまして、十二大学大学院設置するというような予算も一応認められましたので、そういつた大学院設置だとか、学部の増設等を図りたいという意味から、国立学校設置法の一部を改正する法律案でございます。  それから第八番目の教育職員免許法及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案でございますが、これにつきましては従来この試験検定等については規定がありませんので、これにつきまして今後新らしい試験検定方法をとりまして、そうして認定講習等におきまして、この単位等関係試験検定いたしてやりたいというような、試験検定制度を新たに設けるような趣旨内容のものでございます。  それからその次の九番目でございますが、大日本育英会法の一部改正に関する法律案でございます。これは現在の貸与金返還等について、その期限の猶予、免除に関する規定がございませんので、そういつた点の規定改正いたしまして整備を図りたいというようなものでございます。  それから第十番目の学徒援護会法案でございますが、これは御承知のように、現在財団法人学徒援護会というものがございまして、学生、生徒の援護を図つておりまするが、これは今後この援護会の発展を期するためには特殊法人にしたいというような考えから、でき得ればごの学徒援護会というような特殊法人を作るような立法をしたいというような趣旨で、一応研究を進めております。但し、これにつきましては議員提出等のこともございまして政府提案になるか、議員提案になるかということはまだ未確定でございます。
  11. 相馬助治

    相馬助治君 お話中誠に総務課長には恐縮でございますが、我々がもらつたプリントの「要旨」という所に、内容まで簡単ですが明記されておりますから、御説明は、このあとの分については問題の存する所、而もこのプリントから漏れている所というようなことを中心にして簡単にお願いしたいと思います。
  12. 福田繁

    説明員福田繁君) それでは内容のこれに書いてありますところの説明は省略さして頂きまして、件名と、それから予定期日等につきまして申上げ、なお足りない面が、ございましたならば、又御質問にお答え申上げたいと思います。  それから青年学級振興法案ですが、これは二十八年度の予算で若干の予算が認められましたので、青年学級振興を図る意味から、こういつた補助法を作りたい趣旨でございます。これにつきましても議員立法の御意向もあるようでございまして、政府提案かどうかということもまだ確定いたしておりません。  それから十二番目の予約出版法廃止する法律案でございますが、これはむしろ新聞紙法等廃止が曾つて行われましたが、当時これは一連関係のものとして廃止したほうがよかつたのでありますが、これは現在残つておりましても意味がございませんので、そういつた意味からこれを廃止しようということで、これは政府提案として考えております。  それから私立学校共済組合法案でございますが、これにつきましては、前に本委員会におかれましても共済制度の確立ということについて非常に御熱心な御論議があつたのでありますが、それにつきましてこれは議員提案で以てこういつた法案を作つて行きたいという趣旨でございます。  それから次は、学校給食法案でございますが、これにつきましても、でき得れば議員提案お願いしたいと考えております。内容につきましては、ここに書いておりますように、又いろいろ学校給食やり方につきまして皆様がた十分御存じのことと思いますので、省略さして頂きたいと思います。  それから十五番目の義務教育年限延長に伴う施設建設費負担に関する法律案でございますが、これは地方財政法改正になりまして、そうしてこの義務教育年限延長に伴う施設の問題につきましては、国と地方公共団体との負担区分等につきましてはつきり法律又は政令できめなければならない、而も今年の三月三十一日までにその負担区分をきめなければならないというような関係から、こういつたものを法律案として進めたいということで考えております。これにつきましては大蔵省その他との関係もありまして、なかなか進行いたしおりませんが、政府としてはできるだけこれを持つて行きたいという考えて進んでおります。  それから十六番目の公立学校施設災害復旧事業費国庫負担法案でございますが、それと次の十七番目の公立学校施設戦災復旧事業費国庫負担法案でございます。十五、十六、十七は大体一連関係のものでございます。これはやはり地方財政法改正から負担区分を明瞭にする、その他算定基準等につきまして所要の規定法律又は政令できめなければならんという工合になつておりますので、十五番目は今申しました通りでございますが、十六、十七につきましては、これは議員立法で進めるというような方向に進んでおります。  それから最後の文化財保護法の一部を改正する法律案でございますが、これはここに書いておりますような若干の改正お願いをしたいという趣旨でございます。これも議員提案でございます。  今申上げました一から十八までのこの法案につきまして、大体予定期日といたしましては、内閣のほうともいろいろ相談をいたしまして、最も急ぐものは大体今月の二十日までに国会に提案し得るように準備を進めております。今申上げました中で、第一、第二、それから第三等が第一次に国会のほうにお願い申上げたいと思つておる法案でございます。それから管理法関係は今申しましたように、中央教育審議会関係もございますので、期日はまだ未定でございます。それからその次の六番目の学位法案、それから国立学校設置法の一部を改正する法律案、これは今月中に国会のほうにお願いを申上げたい、こういうことを考えております。それから八番目は大体今月中に固めたいと思つております。それからその次の九番目の大日本育英会法の一部改正法案でございますが、これも今月中に一応考えております。それから学徒援護会法案、それから青年学級振興法案、それから私立学校共済組合法案学校給食法案等は、これは議員立法にいたしますと、期日としては只今のところまだ目通しがつかないということでございます。それから十二番目の予約出版法廃止に関する法律案は、これは今月中に国会のほうにお願いを申上げたいという予定で進んでおります。それから十五の義務教育年限延長に伴いますところの施設関係法律案は、でき得れば今月中ということを目途にいたしておりますけれども、なかなか大蔵省その他との関係もございますので、これは一応の予定でございまして、多少遅れるのじやないかということを考えております。  それから十六、十七、十八はさつき申しましたように、議員立法を一応お願いしたいという建前でおりますので、これは予定期日はまだはつきり申上げる段階に至つておりません。  以上簡単に申上げましたが、一応そういう次第で進行をいたしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  13. 相馬助治

    相馬助治君 そこに大学局長が見えるようですから、文部大臣いないのですから、政府委員席に着いて下さい。  今総務課長から極めて事務的に御説明があつたのであつて、私が聞きたいことは、今日政治的に非常に大きな問題となつておるいわゆる義務教育費全額国庫負担法に関する政府態度並びにその法案の作業の状況と今国会に提案する見通し、そういうものを文部大臣の口を通じてお聞きし、我々はこれを質さなければならんと思つていたのですが、今事務的な説明があつたので、私も事務的な立場から二、三質疑をしておきたいと思います。  先ず第一に、この法律案件名の中に、第一に公立義務教育学校教職員身分及び給与負担特例等に関する法律案世上義務教育費全額国庫負担法と言われているこの法律案については、未だ次官会議でも決定が出ない、閣議おいても懸案になつておる部面がある、こういうことを聞いておるのだが、文部当局としては確かに今言明通りに二十日までに出せるのかどうか、それまでに関係自治庁大蔵省とは話合いが付くという事務当局としては見通しを持つておるのかどうか、これを一つはつきりしておいて頂きたいと思います。
  14. 福田繁

    説明員福田繁君) 只今の御質問でございますが、大体この全額負担関係につきましては、閣議決定も一応要綱を閣議決定して頂きましたので、その方針従つて事務当局としては準備を進めております。自治庁等との関係省の間でやり方について若干のまだ調整を要する点はあると思いますけれども、大体におきまして調整はできておると申して差支えないと思います。従つて今申上げましたように二十日を目途にして現在鋭意進行させております。
  15. 相馬助治

    相馬助治君 鋭意進行しておるのはどの部面が進行しておるのか。文部省自身としては案がコンクリートされていたが、自治庁大蔵省などから実際の施行についての細かい面についての話合いが付かずに今日この法律案国会に提案されることができないでおるというのは、もうこれは世上新聞等にも伝えられて常識なんです。文部省自身が鋭意進行しておるということはわかりますけれども、今言うたように二十日までに確かに自治庁大蔵省との事務的な折衝の渡り合いが付いて出し得る見通しがあるというものであるかどうか、それを承わつておきたいというのが私の質問です。
  16. 福田繁

    説明員福田繁君) 言葉が少し足りませんかも知れませんが、自治庁大蔵省におかれまして非常に協力して頂いておりまして、予算或いは法律案の作成につきましても、現在のところ法制局で協力して審議して頂いておりますので、二十日頃に出せるという見通しでございます。
  17. 相馬助治

    相馬助治君 第四に予定しておる大学管理法案について中央教育審議会に諮問しておる、こういうことを今課長から話がありました。だから法案提出ちよつと見通しが付かない、これは非常に結構なことだと思う。こういう重要な教育の問題を諮問するために国は法律を以て中央教育審議会というものを作つたはずですから……。ところが義務教育費国庫負担というような、こういう厖大にして而も他に連関するところ多く、日本教育行政を根本的に改変するようなこの種の法案中央教育審議会に諮問しなかつたことが非常におかしいと私らは思う。これは厳粛に岡野文相責任を私は追及する考えを今日持つておりますが、事務当局にお尋ねしたいことは、こういうことは事務当局部内においても問題にならなかつたのかどうか。なお、この種法案を出して遅蒔ながら日本教育行政教育財政の基本的問題について中央教育審議会に諮問する用意があるのかどうか。事務当局の見解で結構ですから、これを一つお尋ねしておきたいと思います。
  18. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) お話のごとく文教行政に関しまする重要施策は今後中央教育審議会の議を経るというような点につきましては、文部省方針といたして参りたいと考えております。お話義務教育費国庫負担関係につきましても、前回の会議の際にもお話はいたしておりますし、恐らく明日の会議におきましても議題に上ることと考えております。ただこの法案決定の時期と中央教育審議会の発足の時期との関係におきまして、中央教育審議会おいて回を重ねて御審議するいとまのなかつたということは遺憾な事実でございますけれども、事務当局といたしましては、中央教育審議会開会の機会を捉えまして、できるだけこの会の御意向を伺いたいというふうに心掛けております。
  19. 相馬助治

    相馬助治君 そのことについては重大な疑義と意見がありますが、今は意見は言わないで私は質問をしておるのですから、稻田政府委員説明を了としておきます。  次に福田課長にお尋ねしたい。誠に不可思議なことを聞いたことは、十六、十七、十八は議員提案お願いしてやるつもりだから、いつ出すかわからないというのですが、一体政府議員お願いして議員立法にするのだというが、誰にお願いしておるのですか、如何なる党派にものを頼んでおるのですか、それからそういうことを私聞くのは、私自身一つ議員提出法案予定して法制局等意見を尋ねておる点もあります。併しながら一貫した文教政策として、やはりこれは独自な立場から議員が功を焦る形の立法をすることについては相当私は疑問を感じておるのです。そこで本来ならば議員提案にするものでも、一応は政府当局に持込んで政府提案の形でこの法律案提出されることがよろしいのではないかというふうに私は考えておる。ところが今の説明によると、文部省が作業しておいて、この件とこの件については議員立法お願いするつもりだからいつ出すかわからない、誠に私はその説明を了解するごとに苦しむわけです。もうちよつと私の頭でわかるように噛み砕いてその辺を説明して下さい。
  20. 福田繁

    説明員福田繁君) 只今お話でございますが、十六、十七につきましては、これは御承知のように、議員提案として出したいという意見が非常に強い向がありますので先ほど申上げたのでありまして、若し議員提案として出すのが適当でないということになれば、当然これは政府提案として出さなければなりませんし、文部省としてもそういつた面研究を進めているわけであります。
  21. 相馬助治

    相馬助治君 速記をやめて……。
  22. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 速記を止めて……。    〔速記中止
  23. 若木勝藏

  24. 相馬助治

    相馬助治君 適当に答弁して下さい。
  25. 福田繁

    説明員福田繁君) このお手許に配りました文部省十八件につきましては、これは当初全部政府提案で以てこれを持つて行くという予定で以て一応私ども事務的に考えた案でございまして、その後議員立法等の議も強く起つている向もありますから、そういつた面で、文部省としましては、この十八件につきましては、今国会に提案する予定で進めておるわけでありますが、若し議員立法ということになれば、そのほうに譲るかも知れないといつたような意味で申上げたのであります。その点一つ了承お願いしたいと思います。
  26. 相馬助治

    相馬助治君 了解。
  27. 梅津錦一

    梅津錦一君 私はこの際明らかにしておきたいと思うのですけれども、この文部公報というのは、これは文部省が出しているのですね。その中に而もちやんと四件に亘つて議員提出と書いてある。これはどこできめたのですか。恐らくこういうことはあり得ないと思う。公報である以上、若しこの法律案が出て、議員提出しているなら、これは公報ですから我々は承知します。提出されないうちに、而も提出とちやんと出ている、予定とも何とも書いてない、はつきり提出と出ている、こういうふうなことは私はおかしいと思う。なぜこういう……、誤植なら誤植で結構です。併し誤植にしてもおかしな誤植だと思う。これはあり得ないことがあるわけです。もうこれを見た場合に、すでにこれは議員立法で提案されているのだと思う。こう解釈する以外にない。而も我々文部委員がこのことを一つも知らない。この辺のいきさつについて一つ説明願いたい。
  28. 福田繁

    説明員福田繁君) 只今の御質問でございますが、文部公報につきましてほ、これは文部省が出しおります機関紙でございますので、正確を期するのは当然でございますが、只今申しましたような意味で、この政府が出します法律案につきましても、一部議員のかたが提案されるというような、そういつた情報もありますので、その情報をまあ載つけたのじやないか、こう考えております。従つてそれは確定的にそうきまつたというような趣旨ではないと考えております。
  29. 梅津錦一

    梅津錦一君 只今そういう情報が入つたから、そういうことになつたというのなら、正直にこういう情報が入つておると、ここに害いてもらいたい。そうしないと誤解を受けるわけですよ。ありのままのことをありのままに伝えるのなら、問題はないのです。而も国の文部行政をあずかるところの文部省が、こうした事実の間違いを伝えられては、これは文部省責任だと思うのです。これは文部省は厳然たる態度をとつてもらわないと、将来これでは困る。これは法律の問題、いい加減な問題じやないのですから、これは大きく訂正して、間違いだつたということを文部公報に出してもらいたい。私は議員立場から強く要望いたします。この点お答え願いたい。
  30. 福田繁

    説明員福田繁君) 若し間違いがございましたならば、訂正するようにいたしたいと思います。
  31. 梅津錦一

    梅津錦一君 間違いがありましたらじやない。間違つておる。提出されていないのだから当然ですよ。又議員立法のことを提出されないうちにこういうことを書くことが、文部公報の形じやないと思うのです。
  32. 相馬助治

    相馬助治君 ちよつと速記をやめて下さい。
  33. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 速記をとめて……。    〔速記中止
  34. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 速記を始めて……。その他御質問ありませんか。なければ次に移りたいと思います。   —————————————
  35. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) それでは昭和二十八年度の文部省関係予算に関する件を議題といたします。先ず文部当局から説明を願います。
  36. 西田剛

    説明員(西田剛君) 会計課の副長西田剛でございます。課長ちよつと休んでおりますので、代りまして御説明させて頂きます。  最初に文部予算の本年度の総額につきまして一言御説明申上げます。お手許に三枚刷りの印刷物がございますが、そのこ枚目の最下欄を御覧願います。昭和二十七年度の予算の規模は御承知のように三百七十四億二千七百六十五万八千円、これに対しまして二十八年度の総予算額は、一千三百四十七億二千五百六十四万六千円と相成つております。差引いたしますると、九百七十二億九千七百九十八万八千円でございます。併し二十八年度の分の中には義務教育全額国負担に伴う経費九百二十億が含まれておりますので、これを差引きまして、昨年度の経費と比較いたしますると、五十二億九千七百九十八万八千円と相成つております。なお文部省関係の総予算、国の一般会計におきまする総予算と比較して。パーセンテージを申上げますと、一四%に当つております。そのうち義務教育関係の九百二十億を差引きますと、四・四%に当つております。昨年度の一般総予算に対する比率は四%と相成つておりますから、差引いたしますると、国の総予算に対する比率の上では本年度が〇・四%の増、かように相成つております。  次ぎましてこの表に従いまして、重要事項につきまして簡単に御説明をさして頂きます。最初は義務教育の充実につきましてでございまするが、第一の義務教育費国庫負担制度の案施九百二十億五百万の内訳は、九百一億が教員の給与費に当つております。残り十九億が教材費でございます。あとの五百万はこれに伴う本省の経費でございます。義務教育全額国庫負担制度の建前は、御承知通りいわゆる定員定額によりまして行うという建前になつておりますが、この建前で教員の給与費の総体を計算いたしますると、千百五十五億に相成つております。然ろところ、これを国の予算に組みまして、国が各都道府県に対しまして定員定額によりまして、一律に都道府県に交付いたしますると、一部富裕の府県につきまして財源が偏在いたしまする一面、又国におきまする経費の増額が困難な事情もありまして、それら一部の富裕府県につきましてのロス分を二百五十四億見込みまして、残りの九百一億をこちらに計上してあるような次第でございます。教材費につきましては、学校の児童を基礎といたしまして、学校の規模に応じまして五段階の段階を設けまして、それぞれの段階に応じました教材費の補助を出すという積算の下に立つております。内容は御承知のように、教材に伴いまする各種の参考書或いは地図、模型、地球儀等を内容といたしております。次は義務教育の教科書無償配付に関する経費でございますが、これは御承知通り義務教育に関する教科書の無償配付に関する法律がございまして、これに基きまして、国語及び算数につきまして、新入学の学生児童をお祝いいたしまして、無償で配付するというものでございまして、従来の規模、内容と変らないものでございます。二十八年度の新らしい学齢の児童数は百九十二万五千名を予想いたしております。次に第三番目の公立小学校一般校舎等の整備でございますが、これは備考欄に小内訳がございますので御覧を願います。その小内訳の第一番目は、いわゆる六三建物関係でございます。これはいわゆる六三制実施に伴いまして、今日落ちこぼれと言われておるものでございまして、〇・七坪に足りない不足分の校舎を解消しようという趣旨に出ずるものでございます。その内訳は、小学校につきまして十億三千三百七十一万円でございまして、予定坪数は六万九千二百坪、補助率は二分の一という換算に相成つております。小学校につきましては十二億三千五百九十七万七千円でございまして、予定坪数は九万八千坪でございます。
  37. 相馬助治

    相馬助治君 それは中学校でしよう。
  38. 西田剛

    説明員(西田剛君) 小学校でございます。
  39. 相馬助治

    相馬助治君 前の十億が小学校で、あとの十二億というのは小学校、二つ言つたのですが……。
  40. 西田剛

    説明員(西田剛君) 若しさように申上げておりましたら訂正いたします。十億の分は中学校の分でございます。小学校の分につきましては十二億三千五百九十七万七千円で、予定の見込坪数は九万八千六百坪でございます。小学校のほうは少し細かく分れますが、これは御承知通り二部教授と不正常授業の解消及び戦災の復旧を含んでおります。それでその分を戦災の分と一般の分にお分けいたしまして、小内訳を御説明いたしますると、戦災の分が約七億六千二百万円でございまして、予定の坪数は五万一千坪でございます補助率は二分の一でございます。なお一般のほうは五カ年計画に基きまして金額は四億七千四百万で、予定の坪数は四万七千六百坪と相成つておりますこのほうは前二者と事情を異にする問題でございますので、補助率は三分の一に相成つておりますので。次ぎまして屋内体操場でございますが、これは積雪寒冷湿潤の地に屋内体操場の必要なことは御承知通りでございまして、本年度からこの種の事業が見られているのでございますが、明年度、二十八年度におきましては、六年計画の下に予定坪数として三万七千八百坪を予定いたしております。補助率は二分の一でございます。次は危険校舎でございます。これは戦時中非常に粗雑な素材を使つた建物で余り期間は経つておりませんが、非常に傷んでいるもの、又非常に古い建物で五十年近い建物につきまして一応調べましたものを基礎といたしまして年度計画を樹立いたしましたもので、二十八年度におきましては十二万千五百坪旦当を見込みまして積算いたしております。補助率は三分の一でございます。次の盲聾学校につきましては、従来の規模と同様でございまして、学年進行に伴いまして昨年と同額の経費を計上いたしております。  第四番目の特殊教育振興でございますが、これは大体前年と同じ規模内容のものでございますので説明を省略いたします。  次の教職員の保健管理でございますが、これは先生方に結核の先生が非常に多いので、その対策として考えられているものでございますが、内容は先生方の健康診断を行う、或いは又保養所を設けるというようような経費でございます。相当の増を見ておりますが、これは保養所の新設といういうのが主たる内容でございます。  六番目は教科書の編修、検定、刊行でございます。これも概要前年と同様でございますが、備考欄にありまする通り、新らしい内容といたしまして、産業教育教科書発行助成費というのが四百万見込まれております。これは特殊の産業教育関係の教科書につきましては、部数が非常に少いので、発行上いろいろ支障がございますので、国が主として編修費につきまして補助をするということを見込んだものでございます。  次は学校給食の助成でございます。これは日本学校給食会に対する補助でございます。日本学校給食会は御承知のように主として脱脂ミルクを取扱つておるのでございますが、この運営を一層円滑ならしめるため、又延きましては父兄の負担を多少とも軽減するという意味合に出ているものでございます。なおこの際学校給食関係につきましては、主たる予算が御承知のように食糧改善という観点から農林省関係予算に計上されておりますので一言附加えさせて頂きます。原麦購入費といたしまして、農林省関係の食糧管理特別会計に十六億五千二百五十万円が計上されております。なお農林本省の一般予算の中に運転資金の利子補給金が五千六百万計上されておりますので申添えさせて頂きます。  次は学術の振興でございます。
  41. 相馬助治

    相馬助治君 政府説明中誠に恐縮ですが、これは文部当局が要求して大幅に削られたものであるとか、或いは要求して認められなかつたものであるとか、或いは昨年度の予算に出ていなくて今度は新規要求で通過したものであるとか、或いは今の学校給食のお金のように他の省と連関を持つているものであるとか、そういうものだけを御説明つて、あと数字でわかるものは我々はこれをよく読んで了解する、こういうことに委員長おいて、できたらそういう重点説明一つ移行してもらいたいと思いますが、如何ですか。
  42. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) お諮りいたしますが、今相馬君からそういう動議が提出されましたが、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) それでは重点的にお願いします。
  44. 西田剛

    説明員(西田剛君) 承知しました。  次に大学研究費の補充でございますが、これも従前と同様規模でございますが、内容的に一つ新らしい点は、私立大学研究基礎設備助成費の補助ということで二千万円が新らしい内容として盛込まれております。次に国立学校の施設整備、これは新制大学その他の統合その他に伴う一般の事業でございますが、重点は戦災復旧と継続事業に置かれております。次は学術の国際交流、これは御承知通り学術会議が孤立いたしておりましたので、昨年よりも相当大幅な増資となつております。これによりますると、二十八年度は約九十名前後の有能な先生方を海外に留学さして頂ける予定でございます。次の四、五は大体昨年と変りませんので、説明を省略いたします。六の輸入図書機械等購入費、これは従来内閣の総理府の予算に計上されていたものを二十七年度文部省予算に計上いたしたものでございますが、実行上、STACの関係などもありまして、総理府の予算に計上するほうが便宜がございますので、そちらのほうに移し替えをいたしました。  三番目の育英事業等の強化でございますが、これは相当額、五億五千万以上の増額になつておりますが、主として貸付金の単価の引上を行なつたものでございまして、高等学校の生徒につきまして月額五百円の分を七百円に引上げました。大学の学生につきまして千九百円を二千円に引上げたという単価の引上が主要因でございます。  次に産業教育振興関係の経費でございますが、これは備考欄に内訳がございます通り、高等学校の設備改善費がその主力をなしております。これは二十八年度の年度当初におきまする基準から見まして、著るしく基準に達していないものを調査いたしまして、おおむね三年計画によりまして三分の一補助ということで積算いたしたのでございます。次の高等学校実習船の建造費、これは大型を五隻、小型を六隻買上若しくは新造いたしまして、水産教育振興を図ろうとする趣旨のものでございます。そのほかは別に新らしいところもございませんので省略さして頂きます。  五番の私立学校の助成でございますが、第一の私立学校振興会の出資、これは相当額の増額と相成つておりまするが、これは私立学校は非常に財政が逼迫いたしておりまして、施設につきましては国の学校施設と比較いたしますると、格段に基準に達しないというような点もございます。これに対しまして、私立学校振興会がこれらを世話する立場にあるわけでございますが、政府の出資は主として債権になつております点及び返済期限が三十五年になつておりますので、差当りましては返済金によつて当面の私立学校の建物不足を解消するというわけに参りませんので、国が援助をいたさなければならないという趣旨から十億近い増額をいたしたような次第でございます。次の私立学校の恩給財団関係、これはいわゆる健康保険等で言う長期給付、俗に恩給と言つている年金でございまして、3のほうは短期給付という不時の病気その他の救済の事業でございます。これは従来二本建で私立学校につきましては実施されて来たのでございますが、国家公務員その他健康保険等におきましては一つの組合で行なつているのが通常でございます。それで一面経済の節約を図りますると共に、内容を充実したいということで一本にするという建前をとりまして、多少の経費の増額を見た次第でございます。次は社会教育振興でございます。これは従来社会教育は学校教育に比しまして非常に立遅れた状態にありましたので、二十八年度におきましては相当大幅な増額が見られております。もとより被教育者の広汎な点に比しますれば、決して十分な経費ではございませんが、比率から言いますと非常な増額と相成つております。その第一は青年学級の開設でございます。これは現在青年学級が約一万ほどございますので、一万一千の学級を対象といたしまして、国から一学級当り八千円の補助をいたすという積算になつております。補助率は三分の一でございます。補助率三分の一として一学級当り八千円の施設の補助をいたすわけでございます。次の青少年教育の指導、これは従来見返資金によりまして支弁されておりました指導員百四十四名を国が振り替りまして持つことになつたので、非常な増額になつておりますが、そういう性質のものでございます。次の社会教育施設の補助、これは主として公民館、図書館、博物館等の運営補助率が約八割でございまして、一千万ほどが施設の改善に充てられることになつております。  次は視聴覚教育の拡充でございます。これは一般大衆を、青年教育をいたしまするには視聴覚教育が非常に便宜がございますし、各国の例に見ましても非常に能率が上つておりますので、放送教育を行おうというものでございまして、一時間五万円で三百時間を借上げて農村の勤労青年に教育放送をやりたいというのが主内容でございます。その次の全国青年大会、これは昨年流用によりまして大体同規模の経費を出して実施したものでございますが、二十八年度は正式に計上いたしたものでございます。  そのほかにユネスコ関係はこれは御承知通り、ユネスコの国内委員会が発足いたしまして、漸やく事務局も整備いたしました一方、国が独立いたしまして一本建としてのユネスコの責任を負わなければならんというような関係から所要の増額をいたしたものでございます。
  45. 梅津錦一

    梅津錦一君 一々読んでもらつているのは時間がかかるのですが、特殊な点だけ説明してもらえば大体これを読めばわかると思います。
  46. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 先ほどの通り、重点的にやつて下さい。
  47. 西田剛

    説明員(西田剛君) 次にその他の項でございますが、定時制教育振興は、これは施設の補助が一千万円、一校当り五万で二百枚、補助率は三分の一、残り百五十万はモデル・スクール分、これは新らしい事項でございますので、ちよつと御説明いたします。それから次の幼稚園の整備費も新らしい事項でございますが、同じく幼稚園約百カ所につきまして三分の一で施設の充実の関係の経費を補助しようというのが主たる内容でございます。五番目は僻地教職員の宿舎の整備費、これは今年度から新らしく認められた事項でございますが、僻地の教職員の待遇改善の一翼といたしまして、住宅を見てあげようということでございまして、予定坪数は千四百六十坪でございまして、四分の一補助でございます。その他は別に……、ずつと参りまして昨年と大体同様の内容でございます。十は新らしい事項でございますが、これは社会の要求する能力と学校教育との調整を図るために実態調査をしようという経費でございます。十一番目の文化功労者年金、これは従来郵政省関係に組まれておりましたものが、文部省に組み替になつたものでございまして、五十六人分、五十万が積算の基礎でございます。  以下人件費につきましては、本省関係は人の出入は殆んどございません。ペース・アップに伴う費用でございます。二の一般事業費は以上重要事項を除きました細々したものを合せたものでございます。  国立学校につきましては、主として人件費及び物価増によるものでございまして、そのうち約二十八億、比較増加欄に四十四億の増加の欄がございますが、そのうち二十八億三千四百万がぺース・アップによるもので、ございましてそのほか大学附属の研究所、病院等の所要の経費を計上したものでございます。新規な事業として主なるものをちよつと申上げますと、県立の広島医大が国に移管になりまして、広島大学の医学部が新設されましたこと、富山大学に経済学部が新設されましたこと、又群馬電気通信、静岡大学、山口その他の大学に短期大学が新設されましたこと等が増加の主要因でございます。  以上簡単でございますが、概略御説明を終ります。
  48. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) ちよつとお諮りいたしますが、今の御説明では、とにかく表面数字を説明された程度でありまして、特にこの予算については義務教育費国庫負担制度の実施、これらについて、給与について単価をどのくらいにしているとか、定員をどのくらいにしているとか、或いは適格者の率を計上しているかというような詳細は私は資料に基いて検討しなければわからない点があるのじやないかと思うのです。なお育英事業資金についても、或いは学校給食についてもどれだけの規模にしてやるかというようなことについて資料を頂いて十分説明を聞かなければわからんと思います。そこでそういうような資料を求めまして、次の機会でこれを検討する、こういうことにして、今日は説明を聞く程度で終つては如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 相馬助治

    相馬助治君 委員長のおつしやつた通りで結構ですが、今の場合でも資料の要求を委員長が挙げられた点について文部省が作つていいのか、例えばという意味で言われたのかをはつきりしていないと思うので、各委員からの資料の要求があろうと思うので、それらを委員長おいて取りまとめて文部省に要求し、文部省からの資料が提出されたところで、この具体的なものにつきまして検討する、こういうふうに一つして頂きたい。
  50. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) そういう意味で私は例えばと挙げたのでございます。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十二分散会