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1952-12-04 第15回国会 参議院 文部委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月四日(木曜日)    午前十一時二十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     若木 勝藏君    理事            川村 松助君            木村 守江君            梅原 眞隆君    委員            黒川 武雄君            高橋 道男君            山本 勇造君            梅津 錦一君            矢嶋 三義君            木内キヤウ君            三好  始君            岩間 正男君   国務大臣    文 部 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    保安政務次官  岡田 五郎君    文部政務次官  廣瀬與兵衞君    文部大臣官房会    計課長     小林 行雄君    文部省大学学術    局長      稻田 清助君    文部省管理局長 近藤 直人君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君   説明員    大蔵省主計局勤    務       相澤 英之君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育及び文化に関する一般調査の件  (教育施設確保に関する件)   —————————————
  2. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) これより本日の委員会を開きます。先ず予算中心とした教育一般問題を議題といたします。今こちらに見えているかたは保安庁政務次官岡田君。
  3. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 補正予算の審議をするに当つて文部大臣がお見えなつておりませんので、それまでに私は一、二の大学教育施設の問題について質問を申上げたいと思います。大学並びに高等学校義務制学校教育施設の問題は随分未解決のまま残つておるようですが、数ある大学の中でもその施設充実についていろいろ問題がある中に、当面非常に大きく問題になつているのは、或いは新発田の分校問題とか、或いは従来ずつと前から問題になつております水産大学の問題とか、商船大学の問題とかあるわけですが、私先ず一番に商船大学校舎についてお伺いいたしたいと思います。保安庁政務次官にお伺いいたしたい点は、元の商船大学校舎駐留軍から接収解除になつたのはいつか。それから現在その接収解除なつ商船大学校舎はどういうふうに使用されておるかという点を先ず伺いたいと思います。
  4. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) お答えいたします。第一問の元の高等商船校舎接収解除なつ月日でございますが、この点につきまして、私着任早々でございまして、正確な月日は今まだ申訳ございませんが、手許に記録がございませんので御答弁いたしかねます。次に第二問の接収解除後におきまして、保安庁庁舎といたしまして利用いたしておりまするのは御承知おき頂いておる通りと存じまするが、保安庁庁舎、第一幕僚監部庁舎、又第二幕僚監部庁舎として現在利用いたしております。
  5. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 接収解除となると同時にこの建物文部省に管理替えされていると思いますが、その点如何ですか。
  6. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) お答えいたします。今まだ文部省に私は管理替えされてないと思いますが……。
  7. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大学学術局長答弁を頂きたい。
  8. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) その点甚だ申訳ございませんけれども所管局長がおりませんので、私只今ちよつとお答えいたしかねますので、後刻調査してお答えいたしたいと思います。
  9. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 清水商船大学当局から元の東京高等商船学校校舎是非とも帰りたい、接収解除された今日、再び商船教育の場として確保して頂きたい、こういう陳情保安庁当局は受けておられるかどうか、更にそれに対してどういう所見を漏らされておるかという点についてお答え願いたいと思います。
  10. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) この問題につきましては、商船大学学生さんは勿論、商船大学関係のかたがたからたびたび陳情を相受けております。長官は勿論のこと、私も又増原次長関係保安庁首脳部は殆んど全部熾烈なる陳情を受けております。これに対しましてのお答えは、保安庁長官といたしまして、又保安庁首脳部は勿論でございまするが、一日も早く引越したい、こういう意向であることははつきりと陳情の各位に対してもお伝えを申上げておるのであります。ただかような意向をいつ実現できるかという問題は、御承知のように保安庁はその業務の性質上、第一幕僚監部、第二幕僚監部、即ち陸上の保安隊関係と、海上の警備隊関係の何でございますが、これもできるだけ近くの土地に引越さなければならない。即ち簡単に申上げますれば、保安庁本庁と、第一幕僚監部、第二幕僚監部、監部でございますが、この三者が一緒になつて引越さなければならない、こういうような関係からいたしまして、相当引越先施設を必要といたす次第でございます。従いまして引越先施設につきまして、いろいろと外務省の関係を通じまして交渉をいたしておるのでございまするが、これも私たちの予期しているように、急速に運ばない、こういう実は実情に相成つておるようなわけであります。一方、かような引越先を探すという以外に、むしろ新らしく施設を設けたらという希望からいたしまして、二十八年度保安庁関係予算におきましては新らしい施設関係の費用を実は大蔵省関係のほうへ要求をいたしておるのであります。かようにいたしまして、引越先を探し廻るにつきまして八方手を尽しておるようなわけであります。父御質問の線からそれるかとも存じまするが、保安庁自体業務能率向上の面から行きましても、できるだけこの都心に近付くということを私たち関係者希望いたしておるのでありまして、かような面から行きましてもできるだけ早く引越したい。できるだけ早く伝統歴史を持つておられるこの高等商船、即ち商船大学にこの建物を返したいという気持は私たち関係者は熾烈に持つておるようなわけでございます。
  11. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大蔵大臣においで願いたいと希望したのはそこなんですが、大蔵大臣見えにならないのでその点明確化することができませんが、新たに施設を建設するに当つて予算要求見込がございますか、どうですか、現段階における交渉経過ですね。
  12. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) この点につきまして、私事務当局から報告を受けたのでありますが、いろいろ事務当局長大蔵事務当局と折衝いたしておりまするが、現在の段階では大蔵省としては、でき得るだけ今接収されておる家屋の返還を受けて、そこへ引越すようにしたらどうかということで、できるだけこの新築費のかからない方向に、一つ交渉を進めようじやないか、こういうような実は現在の段階においては、事務当局でそういう段階で話があるというふうに私は報告を受けております。
  13. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官見解では、あの元の高等商船校舎はいずれ明渡したい、そうして商船教育施設として使わせたい。これは明確です。ついてはその代りになるところの建物新設するか、或いは接収解除されたものを使うかという点にあると思うのでありますが、あの建物接収解除してもらつて使いたいという一つの具体的な目標がありますかどうか。
  14. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) それは実は具体的な場所は、これから折衝いたしますので、多少デリケートな関係が出るかとも実は心配いたすのでありますが、実は麻布の一連隊と三連隊、そこを目星をつけまして交渉いたしておるようなわけでございます。
  15. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大学学術局長に伺いますが、文部省側としては、商船大学要望に対してはどういう所見を持つて応じられておられるのですか。
  16. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 商船大学の御要望は承わつておりますし、教育上理由のあることと考えております。で、そういうような次第もございまするし、はた又現在清水にありまする商船大学施設に対しましては、将来これは恒久施設にしなければならない問題があるのでございますけれども、そういう問題があつて手控えておるような現状でございますので、一日も早くこの商船大学の元の校地校舎文部省所管に帰りまして、学校のため使用できることを希望いたしておる次第でございます。
  17. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ここでも文部大臣が来ていないのは非常に困るのですが、文部大臣は次のような点を承知しているかどうか、又局長としては如何に努力しているかという点について承わりたいのですが、それは清水商船大学世界の海に出て行くところの勤務者教育するのには、あの施設環境で不十分だということは、これは何人も簡単に容認されるだろうと思うのであります。で、昨年神戸商船大学新設される当時、先ず清水商船大学充実すべきじやないか。文部省事務当局でも、当初は神戸商船大学新設については相当疑問の点を持つてつたことを私は知つておるわけでありますが、まあいろいろの過程通つて神戸商船大学ができた。できたことは結構です。併し清水商船大学をあの場所にあのままの施設では、これから貿易の振興を図る我が国としては、世界海運界に進出する我が国としては絶対にこれは容認できない。従つて文部当局としては、今後の清水商船大学船員教育清水と或いは東京で分離してやるのか、或いは東京一個所にしてやるのか、こういうことは具体的な方策をすでに立てられて、年次計画を立てて進んでおられなくちやならないと思うのです。従つて当面問題になつておりますところの、曽つて高等商船学校校舎、これらの返還というものは、接収解除された現段階においては、一日も早く私は返されなくちやならないと思うのであります。先ず外国軍隊から接収され、それを解除された、ところが今度は保安庁から接収されるというような状況では、私は余りにも学生諸君がかわいそうだと思う。これで果して教育文化国家建設の線に沿つて重視されておるかどうかということになれば極めて私は疑問だと思う。そういう実情で、今後の文教政策の一環として道義高揚など叫ばれても、或いは水産大学とか、商船大学学生諸君には耳に入りません。そういう清水実情、それから神戸発足過程、そういうものを大臣は承知しておるかどうか。それに対して大臣はあなたがたにどういう見解を漏らされておるかということを間接的に先ず承わると同時に、さつき私がお伺いしました清水商船大学教育施設をどういう方針でやられるのか、清水一個所でやるつもりか、或いは分離してやるのか、東京へ持つて行こうとしているのか。私はすでに計画というものが立つていなければならないと思う。その点を先ず局長に承わると同時に、それからそのあとでよろしいですから、保安庁政務次官に、今私のをお聞き下さつたと思うのですが、本当に清水で勉強している商船大学学生諸君にしてみればそれはお粗末なものですよ、あんな所で非常にこの進歩した世界海運界に一体送り出せるかどうかということなんです。ああいう学生諸君は四月二十八日独立したから、駐留軍解除してくれたから自分のものになるからというので、一日千秋の思いで待つて陳情して来た。駐留軍解除なつた、ところが保安庁が依然として頑張つてつて譲らない。こういうことは本会議或いは各委員会で問題になつておる憲法九条の戦力その他の再軍備の問題、自衛力漸増の問題と関連があるわけでありますが、ああいう若い正義感に富んだ、純粋な商船大学学生諸君に納得せしむべきかどうか、先ずああいう学生を納得させ、吉田内閣が掲げている道義高揚など真先にやるとすれば、先ずああいう学生諸君が納得できるような教育施設というものを真剣になつて考慮してやらなければならない。この点についての保安庁政務次官の御所見を承わりたい。
  18. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) 仰せの通りでございます。私の個人的なことを申上げて誠に恐縮でございますが、実は私前国会におきましても、運輸委員といたしまして、海運界の増強、船員充実という問題につきまして、相当の関心を持ち、又相当この問題につきまして尽力をして参つた私の浅い経験からいたしましても、是非々々私はこの清水商船大学を一日も早く商船大学としての長い歴史伝統を持つたあの越中島高等商船学校校舎に帰えして差上げなければならん。帰えして差上げて、長い歴史伝統を持つた校舎において、この若き学徒が教育され、教養されて、そして次の若人として船に乗込まれるというところに、私は本当の優秀な日本船員と言いまするか、海員が育て上げられるのだ、かような私は信念希望意見を持つておるのであります。又清水の現在の商船大学校舎が非常に粗雑でございまして、又環境その他の面から言いまして、これは高級船員養成には必ずしも適当だとは考えられない。むしろ越中島のほうが私は高級船員養成上適地であると信じておるのであります。かような私は信念を持ちまして、一日も早くこの保安庁関係庁舎を他に見付けまして、一日も早く旧高等商船学校商船大学に返したい、かような私は希望意見とを持つておる次第であります。
  19. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) お言葉の通りこの商船大学水産大学現状は、現在教育上非常に憂慮すべき状態でありまして、重要問題でありますので、もとより大臣お代りになりました場合におきましても、事務官その他も十分考慮をいたしております。これにつきましても、一般教育施設確保という問題については、文部大臣も案は衆議院文部委員会答弁せられた際にも、はつきりその所信を語つておられます。十分その点努力せられることが明らかだと、私ども考えております。  それから更にお話の第二点の、商船大学教育計画をどうするかというお尋ねでございます。もとよりこういう計画を準備いたすべきであり、いろいろ考究いたしております。ただ問題は、ここに水産大学帰趨という問題がからんで参ります。商船大学水産大学いずれもこれは二年課程専門学校当時に、ここに相隣合つて存在いたしておりました。すでに四年課程学生が殖えております。いずれかの一方がここに入り得る施設だろうと思います。両校相並んで元へ戻るわけに行かん。従つて商船大学以上にお気の毒な現状であります水産大学帰趨のきまらない先に、商船大学に全部返しますとか、或いは一部返すとかいうことは、私どもとしてこれは申しかねる次第でございます。御了承頂きたいと思います。
  20. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その点は大体わかりました。それでは文部省にお伺いしますが、それだけ商船大学施設について御熱心にお考えなつていらつしやるのに、接収解除になつたの管理権文部省移つておるか、移つてないかを知らないというのは、これは私極めて不満ですが、接収解除になると同時に管理権はこれは文部省に移管さるべきものだと思うのです。私は大蔵当局にそれを聞きたいわけなのです。そうして保安庁との間に、保安庁がいるならば、一時使用の契約か何か結んでおかるべきであると思うのです。その点はどういうふうになつているか、あと大蔵事務官が来ればわかるでしようし、又文部省でもそれを調べてあとでお知らせ願いたいと思います。継続使用のような取極を文部当局保安庁にさせるということは、これは私は由由しき問題だと思います。政務次官の先ほどからの発言から、保安庁方針というものがわかつたわけなんでございますが、あの建物保安庁において継続使用するような、そういう取極は恐らくされていないと思います。今後される場合においても、そういう継続使用というような取極はされないように希望いたしておきます。その点如何ですか。
  21. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) 今事務当局からちよつと聞いたのでありますが、あの建物を利用いたしまする当初は、文部次官と前の警察予備隊長官をしておりました増原、現在次長でございますが、次長との間に当分の間保安庁と言いますか、その当時は警察予備隊本部つたのでございますが、使用する、こういう話合いで実は使つておるのであります。又この取極をいつ効力をなくするかという問題は、要するに先ほど御答弁申上げましたように、保安庁といたしましては、全力を傾注いたしまして引越先を探す。引越先が見つかりますれば、先ほど申上げましたように私たち自身としてもできるだけ都心に近付けたい、こういう気持でございますので、庁舎が見付かりますれば、一日も早く引越しますことは、明らかな事実として現われて来る、かように私は考えております。
  22. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 と申すことは、あの建物管理権文部省にあるということを申されたわけでございますか。
  23. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) 今の御質問の内容がわからなかつたので、恐れ入りますが……。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今のあなたの発言は、あの建物管理権文部省にあるのだ、それは増原長官時代文部省話合いであれを使用しているので、それを継続しているのだ、こういうことを意思表示されたわけですか。
  25. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) その文部省管理権移つているか、移つてないかは、その点は私はまだ明確にいたしておりませんが、実はこの間まで保安庁庁舎米軍顧問団がおりました。その顧問団が実は引越しまして、引越すに当りまして、あすこに顧問団がいなくなつたものだから、増原次長から文部次官アメリカ顧問団が引越ししたけれども、当分の間あの庁舎保安庁庁舎として使わせてもらいたいという口頭の申入れをいたし、又口頭の約束をいたした、こういうことのようでございまして、ようでございますという答弁を申上げまして誠に失礼でございますが、私も着任前のものですから、さような答弁をさして頂くのでございます。そういうことでございまして、文部省管理権がすでに移つているのか、正式に接収解除の通知を受けているかどうか、その辺のところはつきりまだいたしておりませんので、誠に答弁といたしましては相成つておりませんが、そういう実情でございます。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これと関連いたすことでありますから、話をちよつと転換いたしますが、先ず文部省側にお伺いいたしますが、水産大学校舎、これは文部当局としては、将来水産大学施設としての建物品川にあるところの旧陸軍経理学校と、それから港区にあるところの旧海軍経理学校、この二つで充足して行こう、こういうお考えですかどうですか。
  27. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 水産大学の元使用しておりました建物土地は、これはすでに文部省所管なつております。ただその際に警察予備隊使用せしめるという条件を以て認可になつておりますので、これが継続してあるように承知しております。で、文部省といたしましては水産大学現状、それから商船大学問題等を睨み合せまして、品川の旧陸軍経理学校が若し文部省所管になり得るならばこれを水産大学に充当するのも一つの方法だと考えておりまして、その点につきましてはやはり関係省に要請いたしております。
  28. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ちよつと質問のピントが外れたのでありますが、品川の旧陸軍経理学校文部省のものに移つたならば水産大学に使いたい。で、各省と交渉中であつた。これは前委員会大蔵当局にも来て頂いて、品川の旧陸軍経理学校駐留軍から渡されたならば、これは水産大学教育施設に適当であるから渡すということを言明されておるのです。それを確認する意味大蔵大臣要求したのだけれども、今日予算委員会のほうへ行かれてしまつておいでになりませんが、これは局長あなたも確認されているのでしよう。
  29. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 前々申上げておりますように、越中島の両校舎をとにかく保安隊から返して頂きたい。返して頂いた上においてそれだけでは両大学を収用できませんので、更に品川海軍経理学校も頂戴いたしまして、三者を総合いたしまして、両大学の問題を解決いたしたいというのが私どもの念願でございます。その点御了承頂きたいと思います。
  30. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 従つて品川陸軍経理学校水産大学校舎として渡されることは時期の問題だけになつていると思うのです。この点どうでしよう。
  31. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 総合されれば私どもも非常にこれは間違いのない、見込の多い問題だと思つておりますけれども、ただ事務的に申上げますならば、まだその接収解除の手続も経ておりませんし、大蔵省の決定もいたしておりません。そういう話合いと言いますか、期待は持つておるという意味で申上げたのであります。
  32. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大蔵省局長が来るまで質問を展開いたします。文部省にお伺いいたしますが、青山議員東京水産大学校舎について質問されたのに対して答弁書が出ておるのですが、これによると港区の海軍経理学校水産大学校舎及び運動場として充当する方針だということを答弁書に書かれております。そこで随分この商船大学水産大学校舎が問題になつておるのだけれども、元の水産講習所と、それから高等商船学校、あれは一つの区画にあるわけですね。これを清水商船大学教育施設として、今久里浜で非常に気の毒な状況にある水産大学教育施設海軍経理学校陸軍経理学校に持つて行く。又保安庁としても今の越中島は適当でないから、適当な、さつき申されましたが、そこの接収解除と共に移るか、或いは二十八年度に新たな予算を編成して、それによつて新築するか、そういうふうに是非したい。こういうことを保安庁としては意思表示されているのだが、私はそういう方向に進むのが望ましいし、又進んでおるものと思うのですが、文部省見解をお聞きしたい。
  33. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 前々申上げておりますように、水産講習所の使つておりました校地校舎、それから元高等商船学校の使つておりました校地校舎をそれぞれの本来の目的として、保安庁のほうから返して頂きたいのでございます。それと関連してそれだけでは足りませんので、今の品川陸軍経理学校を頂戴いたしたい。商船大学の問題は海軍経理学校あとを頂戴すれば、それで商船大学が元の所へ復活するだけでは片付かないのであります。ですからこの三者の関連した問題として解決したいということを申上げておるのであります。その点御了承頂きたいと思います。
  34. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 では文部省大蔵省との交渉では、いずれも専門学校大学になつたのだから元のを返してもらつただけで不十分なことは明白なわけですね、そうしますと曽つて陸海軍教育施設が移譲して頂けんとなれば、新設しなければならんわけですね、従つてその移譲ということと新設ということは予算編成関連性があるわけですか。その点は文部当局大蔵当局との事務折衝はどうなつておるか。
  35. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) それは分離して考えております、今のお話のようでありますが、清水商船大学は今の清水で授業いたしております。これを改善して恒久的の施設にするという問題につきましては、今の校舎返還の問題とはこれは全く別の原因として考えるべきものだ、そういう点でこれとそれとは一つに結び付けては取扱えない問題だと御了承を頂きたい。
  36. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その話を伸ばしては困るのですが、清水商船大学環境、それからあの施設現状からいつて私は不適任だと思うのです。それは恐らく商船大学教育施設責任当局に聞いても、そういうことは発見されるだろうと思う。かるが故に元の越中島に帰ろうというわけなんでしようか。世界の海に乗出すところの高級船員教育をする環境としては、やはり政治、経済、文化中心東京附近で、国際的な感覚を涵養する必要がある。そういう立場と、それから清水商船大学は、戦時中急造したバラツクです。あれに相当の金をいろいろかけても、恒久施設になるものではないのです。そういう立場から今越中島の元の商船大学に帰りたい。又これは保安庁政務次官も認められておる。併し専門学校大学なつただけでは、それだけでは足りないから水産大学の問題は起つて来るわけです。ところが水産大学久里浜にあるから、これは新設するか、いろいろな問題があるわけですけれども、これは先般からの話合い品川陸軍経理学校の問題が起るというわけですが、ここで私は絞つて聞きますが、品川陸軍経理学校はいつになつたら渡しますか。在日米軍東京補給部隊本部は群馬県の小泉地区に移る予定になつているが、この工事着手が遅延しているとのことですが、いつ工事着手して、いつ頃あれは水産大学教育施設として使えるようになるお見通しを立てていらつしやいますか。文部省の御答弁を願いたい。
  37. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) この点申訳ございませんが、私としては見通しはございません。
  38. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 見通しがあるのですか。
  39. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) ありません。
  40. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それはどういうわけですか、どういう資料、フアクターに基いて見通しがないというのか。
  41. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 私所管局長でございませんので、最近の手続をば存じておりません。併し大学関係で間接に事情を聞いております点から見れば、まだその時期の見通しが明らかになつたということを聞いてない、こういう意味でございます。
  42. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ただ時期がずれるだけで、いずれは水産大学教育施設になるという見通しが立つているのですか。
  43. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) それは前申上げましたように明るい期待を私ども抱いております。それは大蔵省事務当局に話しました場合の事務当局の言辞その他から私どもはそう期待いたしております。併しながら政府部内の決定になつておりませんので、これは太鼓判を押して確実な問題として国会に出して申上げるまでの手続は了してないという意味でございます。
  44. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この問題はこれ以上局長質問しても駄目ですから、これは大臣じやなくちや駄目ですから大臣にお伺いいたします。  保安庁政務次官にこれとは直接関連ありませんが、私が質問を申上げる前に一般論として申上げました関連のある問題でございまするが、やはり大学教育施設として新潟大学の新発田分校の教育施設が問題に取上げられておるのですが、保安隊としては新潟大学の新発田分校をお使いになるつもりかどうか、若しお使いになるならばいつからお使いになる予定であるか、更には文部省との話合いはどうなつておるか、その三点について伺います。
  45. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) ちよつと今私その点存じません。今ちよつと調査をいたしまして……。
  46. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 おいでになるときは保安庁関係施設関係について質問するということは申上げてあるのですから、保安庁関係施設の係のかたですね、そういう人を帯同して来て頂きたいですね。保安庁の問題、すぐわかりますか。
  47. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  48. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 速記を付けて下さい。
  49. 三好始

    ○三好始君 ちよつと関連して質問してよいですか。  先ほどから保安庁施設教育施設との問題が出ておるわけでありますが、終戦後旧軍施設相当教育方面に利用されて今日に至つておると思うのでありますが、そうした施設保安庁の拡充に伴つて保安庁に返してもらいたい、こういう希望相当あるのではないかと想像されるわけであります。その現状と、将来保安隊、警備隊の拡充強化に伴い、新たな必要が生じまして、教育施設に転用されておるものを、元の関係もあつて保安庁に返してもらいたいといつたような計画なり希望をどの程度お持ちなのか、そういう状況をお伺いしたいのであります。
  50. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) この計画は、いずれ保安局長を出席させまして御説明申上げたほうが具体的になつていいと思いますが、そうさせて頂きたいと思いますが、原則といたしまして、できるだけ新らしい施設によつて部隊の駐屯施設を作りたいという、こういう方向に向つておるのでございますが、何分北海道地区だとか、急に増員しなければならないというようなところは、一時保安庁といたしましても不満足ではございまするが、借用しなければならないような事態も各地に起つておるのであります。何分御承知のように、保安隊員の厚生福祉、その他の施設から申しましても、旧陸軍施設では甚だ不満足な状態でございまするので、先ほど来申上げましたように、できるだけ新らしい施設に新らしい保安隊員を収容し、訓練いたしたい、こういう方針の下に進んでおる次第でございます。先ほど申上げましたように具体的にどことどこという面につきましては保安局長を出席させまして御答弁をさせて頂きたいと思います。
  51. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  52. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 速記開始。
  53. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大蔵大臣おいでにならないから事務当局にお伺いいたしますが、元の東京高等商船学校建物駐留軍から解除なつて現在保安庁のほうで使つておるわけですが、あの解除になつたのはいつか、それと今の管理権文部省移つているのかどうなつているのか、その点答弁して下さい。若しも文部省管理権があつて保安庁が使つているならば、これはどういう契約になつているのか、取極になつているのか、その点伺いたいと思います。
  54. 相澤英之

    説明員(相澤英之君) お答えいたします。商船大学の現在の建物が、元の建物が保安大学が使つておる。そしてこの建物解除なつたという話は、実は私最近承知いたしました。その時期はちよつと詳しく覚えておりません。それで解除になりましたならば、これは当然文部省所管建物でありますので、文部省に所属するものと承知いたしますが、その点ちよつと正確に記憶いたしておりませんので、文部省から御答弁つたら適当と思います。
  55. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 文部省も、保安庁当局のほうも知らないのですね。だから管財局長か第二管財課長か、所管の人じやないとちよつと工合が悪いのですが……。  文部大臣がおいでになつておりますから文部大臣にお伺いいたします。文部大臣は今日どのくらいいらつしやるのですか。
  56. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) おります。
  57. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先ず私文部大臣にお伺いいたしたい点がたくさんあるのでございますが、この吉田内閣の文教の基本政策、そういう点を今日お伺いいたしたいと思いますが、丁度今日大臣がお見えになります前に大学教育施設の問題を保安庁政務次官並びに大蔵事務官に来て頂いて質問をやつておりましたので、これを一応先にけりをつけたいと思いますのでお伺いいたしますが、教育施設の問題は大臣御承知の通り高等学校から義務制学校等随分未解決の問題があるわけでございますけれども、特にこの七十有余に亘る大学教育施設の問題、未解決で今後解決しなければならない問題は山積いたしておるわけなんです。その中に駐留軍或いは保安庁関連性のある大学教育施設の問題で、非常に長い間、問題になつているのが現在久里浜にいるところの水産大学の問題、それから曾つて戦時中第二の兵学校というような性格の下にバラツクで急造いたしました建物に入つていたところの清水商船大学校舎、更には新潟大学の新発田分校の校舎の問題、こういう問題が起つておるわけであります。そこで私お伺いいたしたい点は、先ず清水商船大学の問題でございますが、大臣恐らくまだ御覧になつていないかと思いますが、清水商船大学環境、それから現在の施設状況、こういう立場から今後世界の海に進出して行くところの高級船員養成をする環境並びに施設としては極めて不十分なんであります。この点は大学局長並びに保安庁側でも肯定されておられるところなんです。そこでこの清水商船大学としては、元の建物でありました越中島の現在保安庁が使つている建物、これは駐留軍から先般解除なつたわけなんですが、解除になると同時に清水商船大学が使えると、こう思つていましたところが、保安庁が居座りしておつて出ないわけですね。ここでちよつと大臣のお耳に入れておかなければならん点は、昨年神戸商船大学ができる場合、これはいろいろ議論されて、清水商船大学がああいう状況であるからあれを十分先ず充実することが問題じやないかということが議論されたわけなんですけれども、いろいろの経過を辿つてやや政治色も入りまして、神戸商船大学ができた。できたことは結構でございますが、併しできた以上は神戸商船大学も、清水商船大学も本当に海に乗出して行ける高級船員養成ができるようにしなければならないわけですが、そこで大臣にお伺いいたしたい点は、越中島にある、今保安庁の入つておるところの曽つて東京高等商船学校校舎、これを清水商船大学教育施設として確保することについて大臣は今までどういう努力をされたか、なお今後如何にこれを処理されようとされているかの点をお伺いいたしたいと思います。
  58. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私就任早々この清水商船大学校舎の問題でございますが、いろいろ事情も伺いまして希望といたしましては越中島の元の商船学校あとへ帰りたいと思い、又文部省もそれを推進しておりますというようなことを伺いましたものですから、ところがそれが保安隊ですかが入つておるという、そこでできるだけ一つ元の学校に返してもらいたいということを保安庁長官にも話しまして、そうして今すぐ行く先がないからこれをできるだけ早く一つやらなければならん、こういうことを言つておりますが、なおこれについては促進しまして、保安隊の行く先を一つ整備されましてそれから商船大学を移そう、こういうような希望を持つて努力しつつあります。
  59. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 保安庁政務次官は先ほどあの元の高等商船学校施設、あれは保安庁庁舎としては適当でないから別のところに移りたい、従つて新たに予算を組んで新設するか、或いは現在駐留軍が使つておるところの施設返還して頂いてそれに移るか、いずれかの途を選びたい、こういうように次官は先ほど答弁されたのですが、大臣保安庁側としてはどの建物一つ目標にされて接収解除に努力されておるのであるか、保安庁長官から伺つたことがありますか。
  60. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 行く先まで見付けてどうしてくれというところまで私は話さなかつたのでありますが、保安庁長官にとにかく商船大学東京に移したいから、是非元の商船学校建物を早く返してくれ、こういうことをまあ言つて促進したわけでございますが、只今伺いますれば、そういうことになつておるということですが、併し相手に建物を指定して、ここへ行つてくれという交渉は私はまだしておりません。
  61. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは大臣は御多忙だから、いたし方がないかと思うのですけれども、併し水産大学校舎じやもうこりごりしておるのです。文部大臣の仕事の限界はここまでだというので、ラインを引いておつたならば、とても解決できる問題ではないのであつて、それで私は大臣一つお骨折を願いたいのですが、そういうことを強く要望いたしますけれども保安庁としては、先ほど少し漏らしてもらつたのですが、一つの目標がある。特別調達庁のほうでおいでになつていないから只今見通しはわからないのですけれども、特別調達庁当局をしてできるだけ解除してもらつて、そうしてそこに保安隊保安庁のほうを移つてもらつて頂いて、そうして清水商船大学はここに入れるように、一日も早く入れるように是非とも努力して頂きたいと要望いたします。それにつけても私は大臣にお伺いするのですが、私は清水商船大学は見たことはありません、学生諸君の人たちに会つたことはありますが……。これは学生諸君は納得できないのですね。自分ら清水に入れないと……そうして自分らの校舎というものは外国軍隊から接収されておる、まあ占領されておるのだからいたし方がないと諦めておつたところが、四月二十八日独立すると同時に返えるだろうと思つてつたところがすぐ返えらない。併し駐留軍が近く接収解除するそうだから、駐留軍が出て行つたら自分のものになるのだろうと一日千秋の思いで待つてつたところが駐留軍あと保安庁が入つた。ところが彼ら学生諸君にすれば吉田総理みたいに今の警察予備隊とか保安隊とか、或いは海上警備隊は憲法第九条の、その他の戦力に該当しないとは彼らは思つていない。憲法九条との関連から警備隊とか保安隊、いわゆる保安庁というものは相当彼らは疑問を持つておる。はつきり解明してくれ、そういう駐留軍が出たら……。独立しても保安庁が出て来る。我々の校舎は提供されない。ところが文部大臣からは盛んに道義高揚ということを言われる。耳に入るのですね。先ずそういう点、私はあの青年層は非常に純粋ですよ。非常に理想主義なんです。まざりけのない青年層、彼らに本当に筋の通つた、憲法から筋の通つた納得のできる私は政治力、教育政策をやらない限りは、それは大きな吉田内閣一つの政策として道義高揚ということを言つて、今の学生はエチケツトを知らんというようなことを言つて学生教育しようとしてもこれは空念仏で問題にならん。これは決してそれらとは無関係ではないと思う。非常に関連性がある問題だと思う。それだけに私はこの問題を重大視すると同時に文部大臣の奮起を私は特に要望するわけでございます。御所見は如何でございますか。
  62. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 御説至極御尤もでございましてできるだけ御趣旨に副うように一つつて行きたいと思います。
  63. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで判明した点は、清水商船大学はどうしても東京に移らなければ教育の目的が達せられないという点と、保安庁当局並びに文部当局清水商船大学曽つて東京教育施設に帰えることが妥当である。それに副うことに極力努力するということは明確になつたわけでございます。この上は更に努力されることを要請いたしまして、これと関連いたしますところの水産大学の問題についてお伺いいたします。もう繰返しませんが、今の久里浜の便所を改装して研究室に使つている憐れな我が国唯一の水産大学教育施設というものは、これはもう天下周知の事実で、お気の毒千万で、前文部大臣並びに当時法務総裁であつた大橋国務大臣も視察されてびつくりされて帰られた。あの水産大学水産講習所は現在保安庁使用されて入れない。それで先ほど保安庁政務次官があの施設是非とも文部省に返す考えだ、こういうことが言明されたわけです。これとの関連がある問題でございます。それは水産大学商船大学はいずれも専門学校大学なんです。それだけの施設では足りないわけです。従来から品川にある陸軍経理学校施設、これは駐留軍が使つておるのでありますが、この駐留軍は群馬県の小泉のほうに移る。移つた後は、これは大蔵当局としては文部省のほうに管理権を移し、そうして文部省関係教育施設として使つてもらう予定だということを大蔵当局曽つて我々に答弁したことがあるわけでございますが、一体この時期はいつか、その点大臣は御存じになつていらつしやるか。それらについて伺いたい。ともかくも要点はあの水産大学実情というものは一日も私は放任できないと思うのです。まあ気の毒を越えていると思うのですね。従つて新たに今度再び大臣になられたわけですが、この商船大学並びに水産大学関連性がある問題ですから、殊にこの水産大学の問題はそれこそ文字通り一日も早く私は大臣の政治性によつて解決さるべき問題であるし、又解決して頂きたいということを強く私は要望するわけであります。ちよつと大臣の今までの交渉経過並びに見通し、今後の決意、そういう点をお聞かせ願いたいと思います。
  64. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) これもよく伺いました。只今米軍が利用しておるそうですが、旧海軍経理学校の跡はこれは品川にありますが、これへ一つつて行きたいと、こう思いまして、その努力をいたしております。ただ問題はその予定せられておるところが世田谷といい何といいまだまだ十分きまつていないわけですが、これは一つ岡崎君あたり一つ頼んでできるだけ早く向うの出先をこしらえてもらつて、そうして品川海軍経理学校というものを使いたいと考えております。これは関係当局の間では大体海軍経理学校の跡へ帰るということだけはきまつておりますが、併し向うが行く予定地にまだ十分なる検討もできておりませんし、今どこへ行くかということを考えておるわけですが、できるだけ早く一つきめさして出て行つてもらいたいと考えております。
  65. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今大臣のお言葉の中に世田谷云々という御発言がございましたが、これは確かに我々が曽つて委員会で聞いた土地なのであります。併し先ほど私ちよつと申上げましたように、青山議員質問書を出して、その答弁書によりますと、群馬県の小泉地区に建築の上移転する予定だ、こういうことが答弁書に記載されているのですが、その点、局長承知されているかどうか。
  66. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 私直接の所管をいたしておりませんので、その点承知いたしておりません。
  67. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 会計課長、どうですか。
  68. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 私が仙田谷と申しましたのは、世田谷ということを聞いた覚えがありましたので申上げましたので、はつきり世田谷のほうへ行くとかいうことはまだ頭に残つておりませんので、そういうことがございますれば或いはほかの方面かも知れません。併しいずれにいたしましても、我我といたしましては彼らの行先はどこであろうとできるだけ早く行つてもらいたいとこういう考えでございます。
  69. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 まあ官庁のセクト主義で、A省に行くとB省へ、B省へ行くとC省へ、A省のほうはB省と言つておけばいいのですが、B省のかたはC省へと行つておけばそれでいいのですが、水産大学の問題や商船大学の問題は自分らだけでは解決できないからたまらないわけですね。だから一つ学術局長、重大関心を持つておられると言つておりましたが、文部省関係答弁書を、而も大学関係のほうの答弁書を御覧になつていないのですから、その熱心のほどは知れるわけですが、もう少し積極的に努力してもらいたい。そうしてこうこうなつているから、ついては大臣こうこうこういうふうに解決して欲しい、努力して欲しいということを大臣に申出る、大臣を動かして頂きたい。そうして一刻も早くこれを解決されるように、更に努力することを私は要望しておきます。この点については主管局長にもそれに関係のあることだから、十分伝えておいて頂きたい。  次にこれと類似の問題ですが、大臣に伺う前に先ほど保安庁側にお尋ねいたしましたが、答弁して頂きたい。
  70. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) 先ほど矢嶋委員からお尋ねになりました新潟大学の新発田分校を保安隊に利用するかしないかという問題でありますが、現在の段階では、若し新発田分校が空いたならば使わしてもらいたい、こういうことで話をしておりますので、保安隊是非使わしてもらいたい、こういう実は申出をしていないそうであります。空いたら使わしてもらいたい、こういう条件になつておりますので、空かなければ従つてまあ無理に出て頂いて使わして頂こうというまでは考えておりません。それからちよつとこの問題にも関連があると思いますが、先ほど三好先生からお尋ねになりました、今後大学施設保安隊で利用するというふうなことがあるかどうか。又現在そういうものが全国にあるのではないか。こういうお尋ねもありましたので、関連いたしまして三好先生はおいでになりませんが、答弁さして頂きたいと思います。現在では具体的に全国各地におきまして、学校施設保安隊において使いたいという申入をしておる事例はございません。又将来におきましても、できるだけ学校施設を避けるというと言葉は悪いのですが、学校施設の利用を申入れることは慎しみたい。できるだけ先ほど申上げましたように新らしい施設に収容いたしたい、こういう実は考え方で努力を続けております。
  71. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私さつきお伺いした点は、いつから使つているか、それから使つてなかつたらいつから使う予定かということをお伺いしたわけなのですが、その点……。
  72. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) これは新潟大学学校校舎関係もあるようでございまして、現在まだ使つてないようでございます。
  73. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 いないようですか、いないのですか。
  74. 岡田五郎

    政府委員岡田五郎君) いない、十二月の上旬頃学校が明くのではないかという話もあつたようでございますが、現在まだ入つてもいない。従つて又使つてもいないということで、従つて先ほど申上げましたように、保安隊自体からこういう要求を出したのではございませんで、若し明いたらこれを使わせてもらいたい、こういうことになつております。
  75. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 文部大臣にお伺いいたしますが、新潟大学の新発田分校の校舎は、今お聞きのように保安庁は明いたら使わせてもらいたい、こういう方針だという御答弁を頂いたのですが、文部大臣はこれは明けるつもりですか、明けないつもりですか。
  76. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) これは私の考えといたしましては、こう考えております。大学の統合整理方針によりまして大学設置審議委員会で決定しまして、二十六年の六月に新潟の新発田分校を新潟大学に統合するという方針をきめまして、それから新潟の大学で評議員会にかけまして、そうしてそうしてもらいたい、こういうようなことになりまして、それで結局今年の六月でございますか、向うのほうへ変るということになりまして、いろいろ準備をして、それでまあ十一月末日にいよいよ移転する、いわゆる受入態勢ができてから移転する、こういうようなことを十一月八日に大学の評議員会で決定したそうです。そこで私どもといたしましては、まあ大学の統合ということに対していろいろの事情を聞いてみますというと、新発田分校は新潟に行つたほうがいいのだというようなことになりまして、大学自身が全会一致でそういうふうにきめるということならこれはいいじやないか、こういう考えなのです。それから只今政務次官からお話のように、私の聞いております範囲内では、保安隊がその建物が欲しいから大学に移転を早くしてくれ、こういうようなことになつたというような誤解が世間にあるようでございますが、これは全く反対のような感じがします。我々のほうで大学統合計画一つとして新潟のほうへ分校が移るということになつて、それじや一つ明くのじやないか、保安隊も少し建物が要るのだからそれを使わしてもらいたいのだ、こういうような話合いなつておるように私は伺つております。
  77. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣の今答弁つた点は、一応曽つて承わつたお話と一致していると思うのですが、私率直に承わりたい点は、大臣としては明けるという態度を決定したというわけですね。決定したというならば、いつ明けるという態度を決定したのですか。
  78. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) これは文部省がきめたのじやなくて、大学のほうで十一月八日に全会一致で評議員会できめた、そうして十一月の末に変わる、こういうことになり、そういう届出ですか、報告ですかを文部省によこしておる、こういうことでございます。
  79. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大学が自主的にきめた、評議員会で……、議事録にはそう残つているでしようが、きめさせたのじやないですか。それと私がお伺いいたしたい点は、これは私は大学の、殊に教員養成を行なつている大学の整備統合の全国的な問題の一つのモデル・ケースとして私は重大だと考えているわけなんです。ただ新発田の一つの問題じやなくて、全国の問題のモデル・ケースになりますので、慎重を期さなければならないと思つておりますが、従つて参議院文部委員会で、梅原さんが文部省委員長のときに本委員会で視察もし、それから随分審議して、そうして当時におきまして天野文部大臣に対して善処方を要望するところの書面を出したわけなんですね。この書面の意向というものを、新潟大学にきめさせるに当つては反映できるように努力されたかどうか。この参議院文部委員会一つの結論、これをどういうふうに大臣はお考えなつて取扱いになつたか、その点承わりたい。
  80. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 私も記憶がはつきりいたしませんが、参議院の文部委員会で御決議になつた書類はちよつと拝見しました。それには受入態勢をよく完備してそうしてやらせろ、こういうような御決議のように私は記憶いたしております。間違つておりましたら訂正いたしますけれども……、そこで文部省といたしましては、できるだけ新潟のほうに受入態勢をよくやれ、万遺漏なきを期せよというような指示を私はしておると思います。この辺のところは私就任以前でございますので、そういうふうに私が覚えておりますから一つ事務当局から詳しく御説明さして頂きたいと思います。
  81. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) この前詳細に申上げた次第でございまして、こちらの参議院の御決定の次第は大学当局に伝達いたしました。
  82. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 只今大臣が受入態勢が十分整つたならば、整つた上で云々ということは、果して受入態勢ができたかできんかということは、先般の委員会で恐らく質疑応答されていると思いますのでそれは伺いません。ただ私ここで伺いたい点は、大臣の書面を読まれて記憶されている点は第一項だけですね、第二項があつたわけです。当時の委員会としては、これは大学設置委員会の第九分科会で専門的に一応出した結論である。従つてそういう専門機関の修正というようなことを、我々が早急に結論を出すことは差控えなければならんし、又むずかしいけれども、視察されたかたの報告を聞き、又陳情者の意向を聞いた結果に基いて、我々としては地方にそれだけの要望があるならば、教育の機会均等、殊に教員養成立場から、その施設の地域的配置について十分考慮してもらいたいということは、あの新潟県の教員の配置、養成計画という立場から、最近大臣が非常に大きく報道されましたところの二年制課程は置くのが適当なのじやないか、併し立法府として第九分科会の結論に対して、二年制課程を置くのが妥当である、置けというような決定を出して、そうしてそれを押付けるというようなことは、これは立法府のなすべきことでないからこういう抽象的な言葉で、地域的配置について十分考慮するというように表現をして申入をしておつたわけなのですが、その伺いたい点は新発田に教員の配置と養成計画という立場から地元の要望もあることであるし、二年課程をあそこに存置するという点について文部当局はどういうふうにお考えになり、又新潟大学当局、具体的にいうならば評議委員会でありますが、如何にこれに助言と指導とを与えられたか、それについて大臣答弁を頂きたい。
  83. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) これは私そういうような寓意があるとは実は知らずに読んでおりましたが、第二のほうの、教育の機会均等殊に教員養成立場からその施設の地域的配置について十分考慮すること、この点は私が二年課程で教員を早く養成したいということは非常に意見が一致しましてむしろ有難いと思いますが、ただ問題は事がすでにちやんときまつてしまつた、と言いますか、方針がきまつてしまつて、そうして、あとできるだけ努力するということになつております際でございますから、この第二項のお説は私といたしましては誠に有難い御趣旨でございますが、新発田に関する限りはこの際若し受入態勢ができて、諸準備が整つておりますならばそのまま実行して差支えなかろうかと考えます。
  84. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣の御答弁はえらいところが抜けちやつたんですが、私は大臣が二年課程を大きく放送されたということだけを申上げたのであつて、私は大臣がお考えなつておる教員養成の二年課程に賛成だということを表明したわけではないんですから、これは時間がありますれば……或いは他日大臣所見を伺わなければならない重大問題でありますので、私と決して意見が一致したわけではありませんからお取違えのないように願います。  大学学術局長に伺いますが、この新潟大学の問題は随分大きな問題になつて、又私がさつき申上げましたように、一つの全国の教育大学のモデル・ケースになるという立場から重大問題なんですが、大臣はよく知らないですね、どうも大学学術局長一人の考えで、大臣に余り知らさないで、あなたのお考えを一方的に実施させようとされているのじやないかということは失礼ながら邪推できるんですが、大学局長どうですか。二年課程あたりについては地方の要望もあるわけなんですね。又現在教員養成計画は四年課程を主として、その補助養成機関として二年課程というものが暫定的に設けられているというのが今の教職員免許法に基くところの我が国の教員養成計画である。そういう立場から新発田にも地元の要望もあるし、地域的配置という立場から二年課程が妥当じやないかという点が本委員会でも圧倒的であつたわけなんですが、それを押付けるわけに行かないから、こういう委員長の名前で抽象的な表現をしたわけなんですけれども、それに対してはどういう検討を我々の意向を尊重されてされたか。それから新潟大学当局としてはどういう見解を持たれておられたのか。それから大臣がよく知つていらつしやらないという点はどういうわけなのか。これはどうも政治問題化していると思うんです。それを文部大臣が知らないということはおかしいと思うんです。その点について答弁を頂きたい。
  85. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 前段の点につきましては前回主管局長から縷々御説明申上げた次第でございまして、委員長から附帯して口頭希望せられ、十分研究するようにと要請せられました点につきましては、文部省といたしましても研究いたしましたし、又大学にそのままその点を伝えまして大学自体の研究を期待いたしたわけであります。まあその結果私どもといたしましては口頭で附帯せられましたことはやはり一号二号に文字としてお書きになりましたことと密接に関連もし、それの総合の現われだと解釈いたしております。従いまして前回大臣がお答えになりましたように、これらの諸条件が整備いたしますれば自然口頭で附帯せられました点につきましても影響のある問題だとまあ考えた次第でございます。で、今の何と申しますか、二年課程を成るべく多く各地に配置するという問題につきましてはその当時いろいろ当委員会の御意見も承わりました。と同時にこれは大学でございまするので大学程度の教育の内容を充実し、整備するという点も同時に強い要請であつて、これを如何なる程度に両立させるか、教育の機会均等もさることながら内容を落さずにしなければならんという点に大学当局の非常な苦心もあつたわけでございます。長くは申上げませんけれども元の師範学校時代には女子は新潟全県下から一ヵ所に参らなければならなかつた。男子は二ヵ所に参らなければならなかつた大学になりましてからこれは四カ所に参り得ることになつたのでございます。大学設置審議会としても私どもとしても大学当局としても従来よりも三ヵ所に行き得ることになれば、これは随分教育の機会均等ということは期せられるのじやないか、更にこれを補充する意味においてスクール・バスを整備するとか、或いはその他の設備をするということで、当時参議院において非常に論議せられました教育の機会均等ということが達せられるのじやないかというような考え方が支配しておつたことがその当時の事案でございます。
  86. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 現在なんですか、新発田の分校では平常と何ら変らないところの教育が継続されておるのかどうか、その点を承わりたい。
  87. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) まだ移つておりません。新発田の分校におきましての教育はそのまま継続されておると私ども考えております。
  88. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 局長の御答弁文部省としては新発田には二年課程は地元の要望があるにもかかわらず必要でないという結論に到達したと、又新潟大学当局もその必要を認めなかつた、こういうことだと、こういうわけですね。そういうふうに了承してよろしいのですか。
  89. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 時間的に申上げますれば、大学設置審議会の答申を受けまして文部省方針を決定してこれを大学に伝える、その以後におきましては大学が、すでに管理機関がそれ自体の行政運営の方針を決定いたしました。決定いたしました以上は大学に任せた。その任された時期においてこの御勧告がありました。従いまして直接的には大学の配慮に我々は任せましたし、又同時に間接的の立場におきまして私どもといたしましても更に勧告、助言をすべきこともありやなしやというようなことは研究いたした、こういう順序でございます。
  90. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ちよつと歯に衣を着せないで言つて下さい。そういうことはこの問題は委員会として取上げないし、又視察をしないできたものなら問題ないわけなんです。ところが問題が起つて委員会でも調査し審議した結果、こういうふうにとにかくまとまつた結論というものが得られた。それに基いて若し委員会意向を尊重されるなら大学当局に一方的に責任を負わせるのでなくて文部省としてもこちらの意図を検討されて、参議院からこういう意思表示があつた文部省としてはかくかくが望ましい、或いはかくかくが適当と思うとかというような結論に到達してその下に大学当局に指導と助言を与えられる、そうして若しも参議院の意向なり、或いは地元の輿論が正当付けられたならば一応大学設置審議会の第一分科会で決定したことでも変更されて然るべきだと思うのです。その変更されるということは私は決して誤まりでないし、本当に私は民主的な行政だと、こう思うわけです。そこで私はあなたの御答弁を承わつていると、大学当局に一方的に責任をおつかぶせてしまうような答弁をなさつておるが、そうでなくてこれを私が伺つておるのは、これは委員長から出されたのは尊重されたでございましようが、それによつて検討された結果、あなたがたとしては、文部当局としては新発田には二ヵ年制のものは必要がないという結論を出されて、その下に新潟大学に指導と助言を与えられた、こういうようにあなたの答弁をとつてよろしいですか、それと大学当局もあなたがたの意見と一致した、こういうふうに確認してよろしいか。どうもあなたの答弁を承わつておるとそういうようにとれるし、又ちよつと疑問の点もございますので、それを明確にして頂くために私はそれをお伺いしておるわけです。明確な御答弁を頂きたい。
  91. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 最後の点からお答え申上げますると、その当時におきましては、すでに問題が、大学方針が確定いたしておりまして、大学の行政運営にもう任せておつた状態の時期でございます。そういたしますると文部省設置法の文句から申しますれば、大学の運営及び行政につきましては文部大臣は勧告をしてはならんという条文もございますので、そういう運営の問題につきましては大学当局の善処に任せる、そういう意味において御意思をお伝えいたしたのであります。併し更に技術上、専門的に更に助言するような点があるかどうかというような点につきましては、文部省といたしましても第二次的にいろいろ研究いたしまして、大学のいろいろな配慮と、それによりまする運営が進んで参りまして、大学が自信を持つて十月末日前後には移転し得る報告を受けました。その間にいろいろな大学の用意も聞きました。私どもといたしましては更に技術的、専門的な援助、助言をいたしませんで、大学に任せてもいいと判断いたしまして今日に至つた次第でございます。
  92. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 では一言お伺いいたします。あなたの答弁を承わると、参議院の文部委員会からこういうような書面が出た。けれどもこれはもう行政の運営の段階なつておるから、大学当局で一切処理することであるから、文部省としては何ら検討もしない、それに尊重したところの結論を別に出さなかつた、一切大学でやられたのだ、こういうように答弁はとれるのですが、そうなんですか。
  93. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) そうは申上げなかつたと思います。先ほども只今も第一次的にはもうすでに方針を決定いたしました。大学管理機関それ自身の善処、今のところこれが第一次の問題でございます。文部大臣としては技術的、専門的にいろいろ研究し助言する点ありやなしやという点につきましては、終始検討を続けて来た。その間大学管理機関自身の検討と、それに対する各種の設営、設備その他が進んで参りまして、大学管理機関それ自身の責任において移転し得るということを聞きましたので、文部省側からはそれ以上附加えることがなかつた、かような次第でございます。
  94. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私が伺つておるのは、あなたの今の発言の中の、大臣は如何なる助言と指導をするかということを検討した結果ということは、それからずつと言つたわけですが、その検討した結果というのはどうであつたのかということを伺つておるわけです。それは新発田には二ヵ年制の課程は置くに値いしない、置かなくてもいい、検討した結果はそうなつたとあなたの答弁から私はとつてよろしいかどうかということを伺つている。そこをはつきりして頂けばあとは要らないんです。
  95. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) どういう時期に移るか、どういう施設をするかというような具体的な行政上の問題はこれは大学自体に任しております。自然そういう段階におきまして、更に文部省考えといたしましては大学設置審議会のきめました大方針程度の根本的な基本的な観点から具体的に問題を眺める問題だと思います。従いまして教育の機会均等であるとか、或いは四年の課程の内容、二年の課程の内容、或いは如何なる程度に充実できるかという問題を、新潟大学という問題を中心に検討いたしまして、やはり我々といたしましてはそういう専門的な問題といたしましてはこの場合統合が適当だという考えを変える理由を見出さなかつたのでございます。
  96. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それを早く言えば私の質問は終るんだつたんですけれども、そこでこれと関連がありますが、管理局長に伺いますが、管理局長に伺いたい第一点は、元の高等商船学校校舎接収解除なつた、けれども商船大学に未だ返つて来ない、今まだ管理権はどこにあるのか、それからこれはいつ接収解除されたのかどうか、先ず第一にこの点を伺いたい。
  97. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 商船大学越中島建物は去る二十一日に接収解除になりました。只今文部省の行政財産でございます。
  98. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは伺いますが、現在商船大学があそこに帰られないで保安隊がお入りになつておりますが、それはどういう根拠に基いて、あなたがたと如何なる話合いの上にお入りになつておるのですか。
  99. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 只今保安隊があの建物使用しておりまするわけは、接収になりまして進駐軍が入りまして、そこへ予備隊を入れたということから今日まで予備隊がおるわけでございます。で、接収解除になります暫らく前に保安隊のほうの顧問団が、これは麻布の一連隊のほうに移りまして、只今は保安隊だけがあそこに引続き残つておるという状況でございます。従いましてこれは文部省保安隊との話合いになるわけでございますが、文部省といたしましてはこれは一日も早く出て行つてもらいたい、併し保安隊といたしましても今急に行き先が決定いたしませんで、まだ交渉いたしております。
  100. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私がお伺いい施したい点は、接収中に警察予備隊がいたのと、接収解除なつた現段階において保安隊がいるのとは違うと思います。同じあの場所に同じ人間が入つてつても違うと思います。若しあの建物に事故が起つたら誰が一体責任をとるのですか。その間の取極はどういうふうになつているのか、どういうふうな条件でどういうふうな取極をしているんですか。
  101. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 従いまして今文部省の行政財産でございますので、そこを保安隊使用しておるということでございますから、一応事務的に契約をいたしまして、期限を切りましてそういう手続を進めたいと思つております。
  102. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 進めたいと思うでは困るんです。もう接収解除運動をやつているから、接収解除なつた途端に商船大学が入るか、入れなかつたならば責任の所在をはつきりした、それから期間についても文部大臣保安庁長官との間ではつきり明確にしてやらなければ問題はなかなか解決しないと思います。この点については局長も御多忙でしようが、大学学術局長にも連絡をとるし、文部大臣にも連絡をとつてもらわなければ、さつき私がこの質問をして、あなたで六人目か何かでやつとわかつた。ほかのかたは御存じになつていない。こういう点は明確にして今後努力してもらいたいと思います。  もう一つ管理局長に伺いたい点は、品川区にある陸軍経理学校、あそこにいるところの駐留軍は、或いは世田谷、或いは群馬県に移られる、現在でも群馬県に移られる予定と承わつているのですが、それが出て行つたあと大蔵省の管財局としては文部省のほうに管理権を移すつもりだということを述べられたのはあなた御承知だと思います。それを確認されるかどうかということと、それからその時期はいつとあなたは見通しを立つて努力されているか。その二点。
  103. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 経理学校におりまする米軍の補給本部が移動いたしましたあと水産大学が入りたいということで、これは文部省といたしましてもいろいろ大蔵省と打合せをいたしました結果、大蔵省もそれを了承いたしまして、これは去る十三回国会におきまして大蔵省の当局から言明がございまして、これは私もその通り了承いたしております。それからその時期でございますが、これは私外務省のほうといろいろ打合せをしております過程におきましては、なかなか時期がはつきりつかめないのでございますが、恐らく年内は困難で、年度末はどうかというところでございますが、その辺になりますと、まだはつきりした見通しはついておりません。
  104. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今私に対して答弁頂いた内容を局長文部大臣に伝え、文部大臣の出馬を要請されたかどうか、この点承わりたい。
  105. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) まだ只今までは御連絡いたしておりません。私専ら外務省のほうと折衝を続けておりますので、まだ大臣には御出馬をお願いいたしておりません。
  106. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 本日施設問題の一部、大学教育施設のうちの駐留軍、或いは保安庁関連のある問題についてお伺いいたしたわけですが、教育全般の施設の問題、随分大きい問題があるわけですが、伺つてみるとどうも私は文部省内におけるところの連絡と言いますか、そういう点が不十分なように思います。そういうことでは久里浜にいるところの水産大学のあのお気の毒な状態というものは早急に解決できないのではないかと思います。これらについては政治力の豊かな文部大臣を頂いたことではありますし、あなたがたも省内の連絡を十分とつて、今後十分努力して頂きたいと思います。時間がかかりますので、最後に一つ文部大臣にお伺いして私の質問を終りますが、只今大学施設関係を伺つたわけですが、大臣も御承知の通りに七十有余に亘る大学施設を最小限に整備するのに、文部省の計算では五百億から六百億程度必要だというのに対して、本年度あたり施設費として十三億程度しか二十七年度に認められなかつた状況でございます。又義務制の問題については大臣このたび予算折衝に先例をつけられたようですが、大臣の政治力によつて、あれを置きたいとか、或いは老朽校舎の一部復旧見通しとかが得られたやに報じられているわけでございますが、大臣予算閣議の直後において新聞記者の皆さんに語られたところを私は新聞で拝見したのですが、それによると教育施設整備の法律根拠というものがないから、だから予算をとるには非常に困難したということを話されているのでありますが、そういう教育施設整備の立法の用意があつてすでに作業を下部に命ぜられておるのかどうか、その点と、それと従来からずつと問題になつていたが、大臣も御承知と思いますが、災害復旧に関しましても、教育施設関係のは他の農林関係或いは建設関係あたりとは非常に法的に不備かあつて、災害復旧が十分に行つていない状況で、曽つてはそういう災害復旧あたりについての立法化も必要だということが唱えられたわけなんですが、それらについてもどういうふうにお考えなつていらつしやるか。更にはこれらを総括した問題としまして、義務教育教育施設の確保については地方公共団体が財政的に最も困るところであります。従つてこれらを永久的に解決するためには、やはりそういう施設確保を容易ならしめるところの立法、名前を何と付けますか、そういうものを確立しなければ賓の河原のような動きを例年繰返えきなくちやならない。それでは教育の本当の振興はあり得ない。こういうように私は考えるのでありますが、大臣にこれらの点について今日施設関係をお伺いしたわけでございますが、どういう基本的な考え方を持たれておられるのか。先般の吉田総理の施政演説の中にもございませんし、又この吉田内閣が発表されたところの文教基本政策の中にも、そういう具体的なものは何ら調われていなくて、私どもとしては是非ともそういう点を伺いたいという気持でおりましたので、この際私はそれらに対しまするところの大臣の御見解を承わりたいと思います。
  107. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) 文部省へ行つてみますというと、あれもしなければならん、これも直さなければならんとか何とかということが大学から下の小学校まで随分たくさんございまして、それを若し完成するとしますと、一年の国家財政を全部注ぎ込んでも早急にできないということになりまして、困つたことだとこう考えておるのです。併しながら何を申しましても、文教の刷新というようなことはこれは目先には結果は見えませんけれども、将来において一番国家というものを動かすことになりますから、お説のようにできるだけ文教政策のほうに第一の重点を置きまして、そうしてやつて行きたいと思います。それで実はこの補正予算で老朽危険校舎のことにつきまして、これは私は良心的に考えてみれば無理だつたと思うのですが、併しこの困つている実情をそのまま放つて置くわけにいかんというので、補正予算相当額を出したのでありますが、問題は御承知の通りに地方の学校校舎でございますね、これは都道府県が主体となつて設備をしており、又長年そうやつております。曽つて国家財政からこれを補助するとか、援助するとかいうことはなかつたものでございます。然るにもかかわらず、一例を挙げれば、これを是非早急に直して行きたい、こういう悲願を起しまして、大いに補助金政策をとつたわけですけれども、併し残念ながらこれは金の問題じやなくて、先ず第一にそういうような危険校舎に対する、即ち校舎の改築とか何とかいう問題に対して国家が補助金を出すか出さんかという原則を確立しなければいかんのじやないか、原則を確立するのに一日や二日の予算討議ではとてもいかんから延ばしてくれ、こういうわけで、それじや来年度の予算に必ず出すから、一つそれまでに原則を私は確立するから、こういうことで引下つたわけでございます。と申しますのは、私自身といたしましては、成るほど地方の校舎というものが、このような危険状態になつており、又古くなつて直していない、こういうことは何が原因かと申しますれば、戦時中軍部がこれを使用したとか、若しくはその後資金とか資材の統制をしたとか、即ち国家的要請によつて、その結果こういうふうになつているのだから、国家というものはとにかくこれに対して一半の責任を負わなければならん。この意味におきまして若し前例がなければ、前例となる法律がなければ法律を作る、こういう意味において私はこの危険校舎を来年度は主張しよう、こう思つております。その意味におきましては皆様がたの御支援を願いたいと思います。そういうことでもありますし、あといろいろ予算を検討してみますというと、厖大なる資金が必要でございますから、これが結局一時に、それがすぐ来年度に実現するとか何とかいうことではございまいけれども、できるだけこれを多く年度割に取りまして、そうして国家財政の許す範囲内において教育施設を完備して行きたい、これが私の考えでございます。
  108. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 立法化についてはどういうふうにお考えなつていらつしやいますか。
  109. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) お答え申します。立法化といいますというと、施設の問題でございますか。
  110. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私大臣に直接承わらなかつたのですけれども、新聞で見たのですけれども、結局法的な根拠というものがはつきりないから予算は、取りずらい。まあ現在の六・三整備から言いますならば、応急基準として〇・七坪、ところが〇・七坪はまだ完備しない。ところが〇・七坪では教育ができないから、或いは小学校は一人当り一・二八坪、或いは中学校は一・八坪を要するというようなことが専門家から言われておるわけなんですが、それらをこれから充実して行くに当つては、やはり一つの法的根拠が要りましよう。又災害復旧についてもその補助の根拠法律が明確化してないから文教の災害復旧が十分できない。従つて文部省ちよつと一時研究されたことがあると思うのですが、これらを解決するためにやはり一つの金庫法ですね、そういうものを立法して、そしで恒久的に問題を解決しなければ、現在は四十年以上経過した建物が約二〇%もあつて、次々に老朽校舎ができて来れば、はつきりした法典というものを確立してやらなければ、毎年文部当局と大蔵との事務折衝において、或いは予算閣議において苦労することだし、又地方公共団体も計画的な恒久的教育施設の確保はできないわけだから、どうしてもそういうところに私は解決の途を求めなくちやならない。そういうことを大臣はお考えなつて新聞記事で拝見したようなことを記者の皆さんにお話になつたのであろうかと、こういうふうに私は推測いたしておりましたので、そういう点についての恒久的な解決策に対しますところの大臣所見をお伺いしたいと思います。
  111. 岡野清豪

    ○国務大臣(岡野清豪君) それでよく御質問の趣旨がわかりました。この立法化ということにつきましては、恐らくこういうことが伝えられたと思います。補助金で危険校舎を直すということは今までの慣例並びに法的根拠がないから、若しこれが大蔵省との話合いでできるならばそのままでよろしいが、併し若しできないとなればこれは法律でも作つて補助金を出さなければならん。こういうことでございます。それから今ほかでお触れになりました災害復旧の例とか、文部関係でなくて全般の政務といたしまして災害復興のために特別会計を一つつて、そうしてやろうじやないかというような意見も折々出ました。どうも併し閣内におけるいろいろな利害関係とか、又財政の状況からそれは沙汰止みになつております。併し私の考えといたしましては〇・七を一・二六とか何とかということに直すということは、これは法的根拠は要らないのじやないかと思います。今までのところでは、これは大蔵省とか何とかというところと話合いなつておるのでございます。併しこれを法律でも作つたらどうかというようなことを事務当局考えておるらしいのであります。併し、私はこういう考えでおるのですが、法律でも作るということが果して本当に成果を挙げるかどうかということには少し疑問を持つておる。と申しますることは、御承知の通りに地方財政で今非常に完全無欠のような法律はできておるのです。と申しますことは、地方の公共団体が財政需要と財政収入というものをちやんと割出してそして差引しまして足りない点は平衡交付金で出すという、実はその立派な法律的根拠を持つておるのです。然るにもかかわらず、やはり国家財政というものは事情によりましてはその法律によつた通りの金が出せない場合が出て来るのです。そういたしますというと、まあ話合いがスムースに行つておるときならば非常に有利に予算がもらえることもあるのですけれども、法律でありますというと限度が確定しますから、その限度以上は要求ができない。それで限度までくれればそれに越したことはございません。限度を下廻るということになりますものですから、私はやはりどうしても止むを得ない。只今の補助金のごときは何十年、開聞以来の何をぶち壊すのですから、この際法律でも出して補助金とか若しくは助成金とかいうような、名前は違いますけれども、ことにして是非獲得するということも一つのこれは政治的手段として必要でございます。何もかにも法律できめるということになりましては、今度は法律をきめるときに内輪な限度のきめ方を法律でやられると思います。そうしますと、それ以上はとれないで、而もいつも国家財政の都合によつて限度以下に切下げられるというような危険もございますから私は重点主義によつてやり、同時に予算の取り方を上手にとつてつてつたほうが効果があるのじやないか。これは、私の只今の私見でございますけれども、そういう考えを持つております。併し御趣旨を尊重しましてよく一つ法律を作つたら役に立つだろう、こういうようなことがございますれば事務当局に頼みましてそんなふうなことも成案を得て見たいと思うのでございます。
  112. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これで終ります。  では事務当局の責任者はどういう研究試験段階にあるか、簡単に一つ承わつておきます。
  113. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 只今学校施設に関する立法化につきましては、義務教育の年限延長に伴う学校施設の整備に対して国が補助をする。その補助の基準及び地方公共団体と国との負担の割合等については、これは昭和二十八年三月三十一日までに法律又は政令できめるということになつておりますので、只今その義務教育の年限延長に伴う教育施設の補助金の立法化を考慮いたしております。  それから戦災復旧に対する補助の問題につきましても、これも財政法三十四条の規定によりまして、只今義務教育の年限延長の場合と同じように、来年の三月二十一日までに政令又は法律を以て基準その他を決定いたさなければなりませんので、この点につきましても立法化を考えております。それからもう一点学校が災害にあつた場合、災害復旧の点につきましては財政法十一条によりまして、国が補助金を出すことになつております。これも来年の三月三十一日までに政令又は法律を以て基準その他を決定いたさねばなりませんので、この点につきましても只今立法化につきまして研究いたしております。
  114. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 昼食抜きにやりましたので、ほかに大臣にお伺いいたしたい点もございますが、一応これで質問を打切ります。
  115. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 他に御発言がなければ本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十九分散会