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1953-03-19 第15回国会 参議院 文部委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月十九日(木曜日)    午前十一時三十分開会   —————————————   委員の異動 三月十八日委員松平勇雄君及び梅津錦 一君辞任につき、その補欠として黒川 武雄君及び高田なほ子君を議長におい て指名した。 本日委員郡祐一辞任につき、その補 欠として岡田信次君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     若木 勝藏君    理事            川村 松助君            堀越 儀郎君    委員            岡田 信次君            白波瀬米吉君            油井賢太郎君            高橋 道男君            西田 天香君            山本 勇造君            高田なほ子君            矢嶋 三義君            木内キヤウ君            岩間 正男君   国務大臣    文 部 大 臣 岡野 清豪君   政府委員    文部省大学学術    局長      稲田 清助君   事務局側    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       工藤 英司君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国立学校設置法の一部を改正する法  律案内閣提出)   —————————————
  2. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) これより本日の委員会を開きます。  昨日に引続きまして国立学校設置法の一部を改正する法律案質疑に入ります。御質疑のある方はお願いいたします。
  3. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 昨日の質問に続いて若干お伺いいたしたいと思います。先ず私立大学大学院開設状況はどうなつておりますか、その点お伺いしたい。
  4. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 私立大学につきましてはすでに今日まで設置しておりますものが二十三大学でございます。これは修士課程のみでございます。更に明年度以降を目途といたしまして、現在申請中でありますものが修士課程について六大学博士課程について九大学でございます。そういう状況でございます。
  5. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 昨日の答弁によりますというと、大学院定員は全国で三千人だというのでございますが、希望者はどの程度あるのでございますか。
  6. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 三千人と申しますのは国立大学のみでございます。国立大学卒業生が大よそ四万八千人程度ございます。それに対しまして大学院で用意いたしております定員が全体で三千名と申すわけでございます。志望者という仰せでございますが、まだ予算成立いたしません、法律もできません今日、現実的に志望者を募つていないので、その点はまださたかではございません。
  7. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 三千人という数字はどういう根拠の下に出たのですか。
  8. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) これは昨日もお答え申上げましたように、大学が相互間に大学基準協会を組織いたしまして、大学基準協会において大学院基準というものを作成いたしました。この大学院基準をもとといたしまして大学設置審議会審議基準をきめておるわけでございますが、これらにおきまして、研究課程によつても違うわけでございまするけれども人文関係におきましては教授一人において学生二人を指導するというような標準がそれぞれ立つております。これらによつて大体計算いたしまして、なお当該研究科教授力或いは設備等がその基準で計算されたものに十分である場合にその定員を認めることにいたしております。
  9. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 旧制大学卒業生という者はその当時年間どのくらいであつたか、数字を伺いたいと思います。
  10. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 国立が大よそ一万二千人、私立がやはり大よそ同数であつたと思います。
  11. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 旧制大学当時に国立で一方二千の卒業生が出ておつた。で、今度新制大学に続く大学院を新設するに当つて定員三千人、それで日本学術文化水準維持向上が図り得るか、その点どういうふうにお考えになつておるか、御答弁を伺いたい。
  12. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 旧制大学につきましては御承知のようにすべての学部研究科を置いておつたのでございますけれども大学院学生といたしましては全体を通じまして在学生特別研究生が千六百五十人という数字基礎にして考えますと二百人くらいな定員であつたかと思うのです。併し御承知のように旧制大学院におきましては新制大学院のように一つ課程を履修するということは、ございません。ただ在籍いたしまして、二年間いて指導を受けて、論文を出せば博士になるという恰好でございますので、新らしい大学院定員をこうした厳密な基準において計算したように、旧制大学院におきましては予算としても或いは法制といたしましても定員という観念はなかつたと思います。単に実人員として、全体を通じて例えば特研生が千六百五十人いたというただ事実があつただけでございます。
  13. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私が伺つておるのが明確にならないからお答え願いたいと思うのですが、国立大学旧制の場合において一万二千卒業者が出ておつた新制大学に積重ねられた大学院修士課程というものは、旧制国立大学修士課程はまあまあ関連ずけて考えていいのじやないかと思うのです。私はそう考えておるのですが、そうなりますというと、大学院定員三千人、旧制大学は一万二千人だとしますと、全的に眺めた場合に水準が低下するのじやないかというような感じがするのですが、そういうことはございませんか。その点説明して頂きたい。
  14. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 旧制大学を本年まで卒業いたしました者は、なお旧制大学大学院が存続いたしますので、そちらに希望者は入るわけでございます。新制大学につきましては御承知のように、年限からいいますれば、従来の旧制大学より一年短縮いたしております。その意味において新制大学大学院旧制大学大学院よりも一年手前で出発して、そうして在学年限が二年という勘定に相成るわけであります。低下しておるというお話でございますが、年限としてはこれは同様に相成るというふうに考えまするし、更にその上に博士課程を設けるということになれば、博士課程においては相当従来以上充実した教育がなし得ると考えます。同時に先ほども申しましたように、旧制大学院は別にここで或る単位を履修するという構想でないのでございます。ただそこに在籍して適当に教授指導を受ける、論文を提出したい者は提出するというだけであります。特別に定員とか或いは用意すべき講座であるとか、或いは教授組織、或いは特別の学生経費とかいうようなものは旧制大学院においては全く見てなかつたわけでございます。新らしい大学院におきましては一つ課程として扱いますので、そうした点について特別に予算的の配慮を設けておるわけでございます。
  15. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私の伺いたい焦点は、旧制大学当時の大学院新制大学に続く大学院とは性格も違うことであるし、修業年限も違つておりますし、学制全般がずつと変つて来ておるわけですから、大学院志望者がどの程度あるかはわからないとのことでございますけれども、できるだけ大学院学生諸君が進んで勉強、研究できるような環境をこしらえ上げるということが、日本学術文化水準向上のために絶対必要だ、こういう考えの下にこの三千という数字考えますと、どうも納得しかねる点があるわけなんですが、まあ三千の数字の出た根拠については先ほど説明がありましたが、どうも私それで十分了解できません。全く大学院に進んで研究したいという学生さんはどの程度おられるということを全然つかんでいらつしやらないのですか、その点重ねてお伺いしたい。
  16. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) この点につきましては、大学当局としてもなお極く最近まで大学設置審議会審査が継続いたしておりましたことでもあり、又我々の側から行きますれば、先ほど申上げましたように、予算法律も未成立であるときに、現実的に生徒募集ということをいたしますことは控えるべきことだと考えまして控えておつたわけで、現実的にはまだ遺憾ながらつかんでないわけでございます。
  17. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは次にこれと関連する点をお伺いしますが、それは当然大学院設置については私は人件費並び施設整備に要する経費というものを伴うと思うのです。今朝配付されました予算案によりますと、国立文教施設整備費として三億六千万円が計上されているわけです。これは当初二十八年度の年間予算としては文部省は五十三億を要求した、ところが先国会に出された予算案に約二十億が出ておつたわけですが、このたび暫定予算に三億六千万円と出ておるわけですが、恐らく大学院設置すれば、私はその施設設備費というものは相当必要なものではないかと思うのです。この大学整備についてはいろいろ問題があるし、昨日も若干御質問申上げたのですが、私必要だと思うのですが、どの程度予算化されておるか。人件費には先ほど提案理由によると、大学院開設によるもの雷名とあるが、十二大学大学院設置して百名程度でよろしいのかどうか。これは人的な面からも又物的な面からも日本基礎的並びに応用的な研究というものは非常に環境が不十分であると、世界の水準に非常に立ち遅れているということが識者の間で強く論じられているのですが、ここに新たに大学院が新発足しようとするに当つて私はそういう点は是非とも是正されなければならんと考えるのです。それから人の関係の百名、それから施設並びに整備費はどういうふうになつているのですか、その点答弁を求めます。
  18. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 只今の点も前国会の機会にお答え申上げたのですが、第一に大学院につきましては、先ほど申上げました大学院設置基準におきましても、学部人員学部施設を以て充当いたしまして、特別に大学院の専用の人的要素というものを要求してないわけでございます。又事柄の性質からいいまして、学部と或いはこの大学院というものは同じ講座基礎として施設を共用いたしましてでき得るものでございます。ただ一部の私立大学等におきまして、従来研究室等の設けがない部面につきましては、この際大学院のためのいろいろ建築その他をお作りになつているというのがございますけれども国立大学につきましては旧帝大、旧官立大学基礎とした十二の大学につきましては、一応施設としては置き得るという見込を以て我々も計画いたしましたし、設置審議会におきましても審査合格いたしておるのでございます。併しお話のように学部それ自身といたしましても、なおその施設を充実する必要があると考えまして、例えば十二大学のうち工大その他につきましては、理学部その他の建築費を前回要求いたしておつたわけでございます。それが二十億のうちにあつたのでございますが、今回暫定予算といたしましてはつかみで二ヵ月分相当を計上したわけでございます。勿論全体の予算成立いたしませんと行き渡つた計画はできないのでございますけれども大学院と建物との関係はそういう考えをいたしております。  更に百名というのは何かというお尋ねでございますが、一応私どもはここに計画いたしました十二の大学につきましては、講座組織が一応十分であると考え計画いたしたのでございますが、更にその講座につきまして、いわゆる不完全講座と申しまして、定員の欠けておる部面があるのです。これを年次進行によつてよそ四ヵ年で充足するとすれば、最初の年は官名充足すれば出発し得るという計算をいたしておる次第であります。
  19. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大学院は現在ある大学施設設備を利用してそうしてやるから云々という答弁でございますが、これは私若干理解できない点があるのです。ということは、確定はいたしておりませんが、この大学の問題については、政府としては学問を主とするところの大学教員養成を主とするところの大学職業教育を主とするところの大学の三つに性格付けしようという御見解を持つておられるわけです。従つて大学院を新設するに当つてもそれと併せ考えられていると思うのですが、このたび大学院を設けるところの十二大学は、これはいずれも皆さんがたとしては学問を主とするところの大学にしようと、こういうように予想されているところの大学でございます。併し大学には大学使命があるし、大学院には大学院使命があるわけです。学校教育法の五十二条によりますと、大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」こうあるのです。第六十五条の「大学院は、学術の理論及び応用教授研究し、その深奥を究めて、文化の進展に寄与することを目的とする。」こういうふうに大学及び大学院をそれぞれ定義ずけておるわけです。こうなりますと、今既設の大学施設設備で事足れりと政府大学設置審議会考えておるという点は、私は理解いたしかねるところがあるわけですが、この点について文部大臣答弁を煩わしたいと思います。
  20. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答えを申上げます。私は只今のところでは、今まではいろいろ意見も持つておりましたけれども解散になりまして当然総辞職するのでございますから、文部大臣として、私といたしまして後の新内閣にいろいろの制約を与えるようなことは差控えさして頂きたいと思います。
  21. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 新内閣を制約するような意見は発表して頂かなくても結構ですが、現在あなたははつきりと文部大臣でございますから、文部大臣の御見解を承わりたいと思います。
  22. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 文部大臣といたしましては、只今程度におきまして十二の大学はやつて行きまして、将来は施設の完備とか又いろいろな条件が備わりますれば、だんだんと大学院を殖やして行くということに今までは考えておりました。
  23. 岩間正男

    岩間正男君 関連して、今すでに解散をした後の管理内閣だから文部大臣は答えられないと言うが、この法案そのものが第一出されておるのは非常に問題だと私は思うのです。これはやはり先の政策を拘束します。大学院を発足させるとすれば……。そうでしよう。更に大学を拘束するのです。この法案を撤回されたらどうですか。今の言葉とこれは非常に矛盾します。文部大臣でない、もうそういうような政策に関することについてここで答弁できないということになれば、非常にこれは撞着だと思う。その点は如何ですか。
  24. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 御承知通りに、この四月一日からは大学院に入り得る学生が出て来るわけでございます。そうして教育根本方針といたしまして大学院をおいて、その大学院に学ばせることができることにしなければならない、暫定措置でございますから、最小限度の点において私はこの際皆さんの御審議を願うべき筋合のものと思います。併し将来如何にして行くかということにつきましては、私は言明を差控えさして頂きたい、こう考えます。
  25. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に私は大学設置審議会の件について昨日に引続いて更に若干お伺いしておきたいと思います。昨日の質疑応答では、大学学術局長は、大学設置審議会人事権には絶対介入しない、大学院人事については教育公務員特例法第四条を適用してやるのだ。ただ大学院がその大学成立つか成立んかという、そういう立場において検討するのであつて人事には介入しないのだ、こういうような御答弁があつたわけでございますが、本日朝日新聞の朝刊に早稲田大学北沢先生が「大学設置審議会の逸脱」という題目の下に見解を発表されている、これを拝見しますと、私は昨日懸念したような点が多々出ておつたわけなんです。朝日新聞でもあるし、大学教授が堂々と名前を出して執筆されている以上、若干やはり私は問題があると思うのです。大学学術局長は問題がないような御答弁をされておりましたが、この記事を見ても随分問題があると思うのですが、従つて私は重ねてお伺いいたしますが、大学設置審議会委員諸君は、この科目は何々教授に担当さすことは認めない、個々科目の適、不適を、個々担任者の適否を云々するということを実際やつているんですか、やつているんじやないかと思うんですね、又は別の報道するところによりますと、この慶大の法学部教授会は、人事に介入するならば大学院設置しないと強硬態度をきめたということも報道されているわけです。これは私相当重大な問題だと思うんですが、もう一遍文部省当局のはつきりした見解を述べて頂きたいと思います。
  26. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 昨日お答えいたしましたことと繰返しになれば恐縮でございますけれども学校教育法の第四条と第六十条によりまして、この大学院設置いたします場合に、文部大臣が認可するに際しましては大学設置審議会に諮問するわけでございます。従いまして大学設置審議会がその申請のあります大学につきまして、大学院研究科、又研究課程についてそれが成立つかどうかということを調査せられるわけでございます。その調査に当りましては、勿論施設であるとか図書であるとかいうようなものも見まするけれども、或る研究科を構成する、それに関連する教授の氏名が出ておりますれば、それらの方々によつて十分その課程を構成するだけの教授力があるかどうかということも審査せられるわけでございます。そういう意味において研究科成立つか或いは専攻コース成立つかということを審査する上において教授という面に触れて参るわけでございます。従いまして仮に或る三人の方で研究一つコース申請された場合に、設置審議会の側で、これでは研究科が成り立たんということを言われることはあり得ると思います。その場合に大学側は、それじや研究科をやめるか或いは別の方をそれに加えて教授力を更に充実して、研究科をこれではどうかと言われるか、或いはその研究科コースを他と合せてもう少し教授力を全体的に楽に充実することを考えられるか、それらはまあ大学において自由に選ばれるわけでございます。要するに大学設置審議会研究科が成り立つか、大学院が成り立つかということを答申せられるだけで、ただその審査の過程において大学側とそうしたいろいろ御相談があるわけでございます。と申しますことは、別にそれらの某々の教授大学院教授として教授してはいけない、或いはこれを排除すべしというようなことを毛頭申上げておるわけではないのです。その点について多少誤解があつたかも知れませんけれども当該の早大の総長設置審議会の会長でもあり、慶大総長その他教授は皆設置審議会常任委員その他で加わつておられる。各大学とも皆誤解を持たれつつあつたことだと私どもは確信いたしております。
  27. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私が質問申上げるわけは、先の国会に出されました義務教育学校職員法案の内容と通ずるものがあるわけであります。と申します点は、現在の日本のこの義務教育というものは法律に基いて教育が行われている。一つの教科についても文部省一つ基準を定めて、そうして末端で教育が行われているのです。従つて大きな基準というものが示されて、国の方針というものが示されて、その枠内で教育委員会自主性によつて民主的な教育が展開されているわけなんです。私はその国の方針に逸脱したような事例は一切ないと思う。従つて何も中央における指揮監督というものを強化する必要はない、こういうように私は考えているのでございますが、或る意味において先般の義務教育学校職員法には文部省中央においての指揮監督権というものが否定はされていない。この大学院の場合を考えましても、大学には教授会というものがある。で先ほどあなたが答弁されたように、人事においては学校教育法の第四条を適用してやる、こうなれば基準というものだけを示して、その基準の範囲内において各大学が自由に取運ぶことができるようにしておくことが、研究の自由及び学問の自由というものが確保されるゆえんだと思うわけです。それを大学設置審議会運営が紙一重で、口頭で如何にうまいことを言おうとも、運営によつてその大学院の何々教授は適当でないとか、この教授にやらしたほうが適当だとかという点に介入して来るということは、これは私は学問独立研究の自由という点から相当に私は重大な問題だと思う。こういうふうに考えているから私は伺つているわけですが、大学設置審議会の内部、更に文部省内においてもこれについて何か反省されたようなことはないのでございますか。
  28. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 運営につきましてお話のように細かい配慮を用いなければならんという点につきましては私どもも念願いたしまするし、又大学設置審議会それ自身も常に御注意になつておられることだと考えております。又大学設置審議会それ自身の構成も御承知のように大学が相互相寄りおりになつた大学基準協会から選んだ人々とか、或いは公私立大学協会国立大学協会というような方面からお選びになつた方を基礎として構成されておりまするし、適用いたします基準先ほど来繰返し申上げておりますように、御自身大学がああいうふうにお作りになりました大学院基準、これによつてつておられるわけでございまして、決して別に統制めいた性格は本来ないのでございます。ただ運用につきましていろいろな場合において起ります誤解或いは摩擦等につきましては、先般来大学設置審議会とされても十分慎重な態度を持しておられるわけでございます。
  29. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 要は憲法第二十三条に謳われておりますところの学問の自由はこれを保障する、学問独立というものは是非とも確保堅持して参らなければならない、この線から逸脱するようなことがあつてはならない、こういうふうに私は考えるものでありますので、今後その点については十分意を払つて頂きたいと思います。  我が国の大学の問題についていろいろ伺いたいことがあるのでありますけれども、今度の緊急集会に提案されました本法案大学院設置に限定されておりますので、私の質問はこれで打切りたいと思います。
  30. 岩間正男

    岩間正男君 この大学院学生に対して奨学金がどうなるかという問題ですが、これは大体今文部省計画されておる全貌をちよつと話してもらいたい。
  31. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) これは旧制大学院新制大学院に分けて御説明を申上げたいと思います。旧制大学院につきましては、現在いわゆる特研生といたしまして千三百人余り、予算定員といたしましては千四百六十人を用意いたしておりますが、育英会奨学金を貸与いたしまして、将来その人々研究機関に従事いたしますれば、そういう奨学金返還を免除しようという計画を以ていたしておるわけでございます。その返還免除の点につきましては、前国会法案を提出いたしまして、遂に不成立に至りましたけれども、将来そういう方針で行きたいと私どもは念願いたしておるわけでございます。この研究奨学生につきましては、従来前期二年、後期三年であつたのでありますが、いろいろ就職その他の状況を見まして、前期三年、後期二年といたしたわけでございます。  なお、これの単価につきましては、一般の公務員ベース・アツプ等に伴いまして、従来前期が九千円でありましたのを、二十七年から一万七百円にいたしました。又後期につきましては一万八百円でありましたのを一万三千百円に値上げをいたしておるようなわけであります。それから新制大学院につきましては、育英会のやはり奨学金を貸与いたすわけでございます。これは予算といたしまして、大学院在学生の二○%程度に貸与することにいたしたい、その単価は四千円を計画いたしております。
  32. 岩間正男

    岩間正男君 新制大学は何年くらいですか。
  33. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) これは修士課程が二年でございます。それから博士課程になりますと、丁度この特研生式に扱いまして、もう少し単価を増して考えたいと思つておりますが、これはまだ先の計画にいたしたいと思つております。
  34. 岩間正男

    岩間正男君 今度の該当者はどのくらいの予定ですか。今度の予算はどのくらいですか。
  35. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 新制大学につきましては五百名を計上いたしております。
  36. 岩間正男

    岩間正男君 これにする増額の要求は文部省は聞いておると思うのであります。どうですか。現状を見て増額の要求があるということは考えていないのですか。額についても、それから該当人員についてもこの要求が非常に出ておるようでありますが、この点どうですか。
  37. 稲田清助

    政府委員稲田清助君) 御指摘になつております点は旧制大学特研生についてだと思います。特研生は先般来要望いたしておりますのは、先ほど申しました前期から後期に移る場合にその定員が約四分の一に落ちるわけでございます。四分の一に落ちると、そこで特研生たることをやめなければならない。だから四分の一に落さなくて、後期の幅をもう少し広くしてくれないかという要求がございます。更にその単価につきましては、昨年末のベース・アツプのときに改善いたしました。それまで要求がございましたけれども、現在その単価につきましては恐らく特別に要求はないのじやないかと思います。更に返還の猶予免除の問題について成るべく楽に免除するようにという要求がございます。これは先ほどお答え申上げましたように、育英会法の改正が成立ちますれば、この改正法規に基いて措置いたしたいと思つております。
  38. 岩間正男

    岩間正男君 これは大学院だけではなく、一般の大学奨学金の問題と関連するのでありますが、今度の予算で見ましても、大体人員それから単価の問題においても自然増という面だけの一応補充があるわけでしようが、額においてそれを除けばないと思う。こういう点が非常に学生諸君から要望されておるところです。これについて今の大学院の問題とも関連して来るのでありますが、大学院が作られる、こういうことで、実はまあ一般の課税を終つたら、大学院は特殊なものだということで、そういう適用がだんだん薄くなる、こういう方向を文部省はとつておられるようであります。大体大学院をこのように設けなければならないという現実的な要求は、実は大学というものは、昔の大学に比べて非常に内容的に低下しておつて、いわば昔の高等学校程度である。従つて当然大学院を了えなければ実際の学問の要求は充たされておらない、こういうところから起つておると思う。従つてこれに対する要求というものは非常に現実的に起つておると思う。今最近はそういうようなことはないというお話はありますけれども、それは文部省にそういうような要求をしておるのかしていないのか知りませんが、我々のところには非常にあるわけです。こういう点から考えまして、もつとこの額を非常に殖やすということが重要な課題になつておるのじやないか。大体今の大学生の生活覚ますというと、これはしばしば繰返されたように、殆んどがアルバイトをやつておる。最近特徴的に大きく出ておるのは、血液クラブというようなものを大学内で作つておる。東北大学に例を挙げますというと、大体この血液クラブには四百人入つておるそうであります。そうして月三回か五回、甚だしきに至つては週二回ぐらい血を売つたりしておる。一回七百円、そういうことで何とか学問を続けなければならないというところに追い込まれておることは、如何にも日本の悲惨な現実を物語つておる。これは東北大学の例だけではありませんが、ほかの大学を見ましてもこういう血液クラブというものが結成されておる。最近では一般の国民の間にもそういうような血液を提供するものができまして、そうしてそういう組織ができたために、一回七百円、これも安くなつて五百円くらいに落ちておる。大学のほうの需要が減つておる。非常にこれは血をしぼるような話で、ここで話すのも痛々しい状態でありますが、こういう状態が起つておることを文相は御存じかどうか、今度これに対して大学院を含めて、一体奨学金の問題というものはもつともつと根本的に肩を入れて解決しなければならない問題であるというふうに考えるのですが、この点についてどういう見解を持つておられるか、お聞きして置きたいと思います。
  39. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) 余りたくさん私は接しておりませんけれども学生が血を売つて学問をしておるということは耳にいたしております。その点につきましては私非常に痛心いたしておる次第であります。それで、今回育英資金を、二十九億を三十五億に増して、六億殖えておりますが、これで私としては満足いたしておりません。併しいろいろな事情がございまして、その程度しか額を増すことができなかつたのを、この点遺憾に思つております。学生に対して同情をいたしております。
  40. 岩間正男

    岩間正男君 根本はどうですか、大学学生が血を売らなければならない、血を売るという事態を文相は認めますか。これはどうも我々は認められないように思いますが、そうすると国家の政治の恩恵がそこまで手が入らなかつた考えられる。現実に今申しました東北大学一つを挙げても、四百人ほど入つて、血液クラブに参加しておる。そうしてこれを、相当な自分の勉学の費用或いは生活の費用に充てているというこの現実ですね。こういうものに対処して今のこの奨学金の問題というようなものは根本的には何ら解決していない。成るほど六億殖えたということを言いますけれども、これは単価が値上りしておる、更に自然増もある、こういうことが殖えておるのであつて、何らこれは実質的には殖えておるのではない。こういう現実がはつきりしておるのだ。従つて殖えていないと思う、これはどうでございますか。こういう現実が足下に起つておる、こういうようなときに、文相としてはこれに対してどういうような見解を持たれますか。血を売つて学問を続けておるというのは余りに悲惨である。このどうも封建時代の遺物のような感じが現実の日本には起つておる。この問題、これを文相はどう考えられるか、これを認められますか。
  41. 岡野清豪

    国務大臣岡野清豪君) お答えいたします。非常に遺憾なことだと存じまして、将来これに対して対策を十分考究しなければならんと、こう考えております。
  42. 岩間正男

    岩間正男君 将来ですか……まあ尤も解散になつたのだから、これは将来ということになるのは仕方がありませんが、甚だ遺憾ですな。
  43. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 他に御発言ありませんか……本案に対するところの御質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  45. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 賛成でございます。  私は希望を申上げたいと思います。先ほど矢嶋君の質問によつても明らかであるのでありまするが、それに対する文部当局の御答弁は私は意に満たないのであります。本年度卒業する新制大学卒業生大学院を希望しておる者の数をまだ御調査になつておらないようでありまするが、すでに卒業年次になつて就職する者、或いは大学院に行きたい希望の者ははつきりしていると思うのであります。もう少し御親切に調査されれば希望者の数が把握できるのじやないか、この点甚だ遺憾に思うので、希望者が多数あるにもかかわらず、大学設置審議会でありますか大学設置要領によつて教授一人当り大体二人ぐらいという基準で定められて、多数の進学希望者を阻まれるような措置になつておるということは甚だ遺憾だと思うのであります。必ずしも多数を擁する必要はないかもわかりませんが、大学教授一人に対して二人くらいに世話ができるという基準にはもう少し考慮を要する余地はありはしないか。専門学問を究めようという学生でありまするから、試験によつて三人でも四人でも十分でき得るのじやないか、こういう点を考慮されて、実施に当つて希望者の数をできるだけ収容できるよう御考慮を得たいと思うのであります。それは先ほど矢嶋君の質問にあつたように、旧制大学においては一万二千名も出ておる。ところがそれに匹敵するような新らしい新制大学大学院定員三千名と打切られおるという、その点、四分の一に減つているわけでございます。新らしい高等学校も新制大学も、旧制に比べると非常に学力の低下していることは、これははつきりわかつているだろうと思うのであります。殊に新制大学においては二年間というものは一般教養を、専門的な知識を得るのは僅かに二年であります。そうなると一般文化向上という点においてはこれは認められるのでありまするが、更に深く研究するという専門的の知識を得るのには非常に貧弱であろうと思うのであります。これを与えるのにはどうしても大学院というものが必要になつて来るのでありますが、その大学院を設けられるに当つて大学設置基準基準要領によつて極く固く考えられているということは、甚だ私は遺憾と思いまするので、その点十分考慮されて、進学希望者をできるだけ収容できるようお考えになり、更に大学院設置についてはもつと拡充できるような御考慮を払われんことを希望して本案に賛成いたします。
  46. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は本法律案に賛成の意を表明するものであります。  先ず第一に本法律案提案理由に示されているように、緊急事項として本緊急集会に提案されたことを妥当と認めます。それから次に戦後我が国の大学並びに官、民間を通じての諸研究機関において基礎的並びに応用研究施設、設備が諸外国に比して非常に低位にあるということは否定することのできないところでございます。ここに学年進行によつて一応十二の大学大学院を設けられるのでありますが、希望といたしまして、先ず学校教育法の第六十五条、これが十分活かされるように配慮を要請すると共に、第二点といたしましては、只今堀越委員からも述べられましたが、広く門戸を開放するところの処置を講じ、学生諸君研究心を満足させるように処置しなければならない。  第三点といたしましては、戦後の我が国の教育諸法規並びに教育のあり方といたしましては、基本的に教育の機会均等ということがあるわけでございますので、この教育の機会均等ということを絶対に忘れない、この基本線に沿つて今後大学院運営をして頂きたい。具体的に申上げますならば、旧制大学当時でも大学院に残り、或いは大学院以外に大学に残つて研究を続け得る学生諸君という者は、当時の華族様か或いは資産階級のいわゆる特権階級の子弟の一部に限定されておつたと私は思います。教育の機会均等が打立てられた現代において、学生諸君が、岩間君の質問にもありましたように、優秀ではあるが家計困難なために、素質を持ちながらも学術研究ができないということは、教育機会均等という立場から本人に気の毒であると同時に、国家的に考えた場合においても、人物経済の立場から非常に損失だと、こういうふうに考えますので、教育の機会均等の精神を生かし、心身ともに優秀な学生でありましたならば、如何に家庭が貧しかろうともその研究心を十分満足させ、ひいては国家の再建に寄与できる、学術文化向上に寄与させることができるように今後意を払わなければならない。是非ともそういうふうに政府当局で善処することを強く要請いたしまして、私は賛成の討論を終る次第であります。
  47. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 他に御発言はございませんか。
  48. 岩間正男

    岩間正男君 私はこの法案に遺憾ながら反対せざるを得ないのであります。  第一に先ずこんなに押詰つた緊急集会でこの法案審議しなければならないというところに追い込んで来たところの政府の責任を私は問いたいと思う。もう少し十分な準備をして学制の発足をしなければ、これはあらゆる困難が起るということは六三制によつてすでに証明されておる。大学院の今度作られるというのは、まるでところてん式に、年齢がもう大学を終つて、それからまあ当然大学院に入る生徒もあるのだから止むを得ない、いわば進退谷まつたという恰好で以てこの法案を通さなければならない。こういう形でこれはやるべきような筋合いのものではない。もつと一国のやはり文教政策の中に根本的なこういう施策が貫いておつて、そして十全なる準備と態勢を整えて、然る後に発足しなければ、それをやらないことによつて、いつでも発足したものは栄養不良で、名目だけは大学院であり大学であり、看板は掲げておりますけれども、内容は甚だ貧困であります。こういうような植民地的様相を呈しておるのであります。そういう点から何か一種の、この大学院を作るということによつて、そういう止むを得ない面から仕方がないという形でこの法案に賛成せざるを得ないところに追込れた形で通すことは私は不面目だ、こういうことではいかんと思います。これが反対の第一点であります。  第二点は、この法案について十分に内容を審議するところ少いのでありますが、大体先ほども問題になりましたところの大学設置審議会、この審議会の案というのは非常に審議会そのものが、構成が、これは官僚的であると思う。もつとやはり学の平等、自由というものを開放し、本当に国民の大学を作るという建前からすれば、もつとこういうような大学に対する見解というものを広く国民の間から求めなければならない。而るにこの構成を見ますというと、いわゆる専門家というような建前で以てこれは独断されておるのであります。こういう点から作られる大学院というものは、国民の大学院になることは到底できない、当然性格上……。そうして再び昔の独善的な大学の形態を作り出す危険が十分にある。こう考えるのでありまして、新しい時代の学制体系の面から見まして、この大学院というものが再び昔の旧帝国大学時代的の、象牙の塔に立籠るというような空気をこれによつて醸成するというようなことが起るというと、非常にこの点は日本文教政策の不幸だというように考えるのであります。  第三点は、やはりこれに対する財政的裏付の問題であります。日本教育改革のすべてを見まして全般的に問題になることでありますが、財政的な裏付が実に十分でない。今日大学院を発足させるということを言つておりますが、そのいわば仮装建築といわれますところの大学院の実体はどうか、誠にこれは問題にならない。ここで多く言を費す必要がないほどであります。研究室の状態、それから教授研究費の問題、或いは研究施設の問題、更にいろいろな諸設備、更にこれを運用するところの運営費、こういうものにおいて実にこれは貧困を極めておる。そういうような母体の上に大学院を作つたものとしても、これは明らかに栄養不良に陥るだろうと思うのであります。先ほど私は質問の際に、学生奨学金の問題を一例として挙げたつもりであります。この一例を見ましても、如何に現実はこういうような名前だけ、体裁だけいいところの名目的な……、学制を真に培養するような経済的な基盤に欠けておるかということをこれは明らかに示しておるのであります。こういう点から考えて、少くとも文教予算の十全なこれに対する裏付というものが行われないとするならば、そうして日本にもこのような大学院ができた、これが学の最高権威であるというような一つの幻想を持つとするならば、これは日本教育改革、教育体系の中で全面的なやはり一つの錯覚に陥るのじやないかというふうに考えられたわけであります。こういう点から考えまして、どうしても大学院設置するならば、それだけの財政的準備を政府は今までとらるべきであつたと思う。ところがこの点において甚だ欠ける点があつた。こういう形で発足するところの大学に対して、私たちは多く期待することができない。  こういう点から考えて、私は今反対論として挙げましたそういう点を十全にこれは改革するというような、そうしてその面に立つて初めて本当のこれは大学機能というものがここで営まれるのだという観点から、現実に止むを得ないから、仕方ないのだからという形でこういうものを発足させて、あとはこれに十分な栄養を送り得ないという現在の文教政策そのものの一つと関連しまして、この法案に賛成することができないのであります。
  49. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 他に御発言はありませんか。……別に御意見もなければ、討論は終局したものと認め、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案を可決することに賛成の方の御起立を願います。    〔賛成者起立〕
  51. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 多数でございます。よつて国立学校設置法の一部を改正する法律案は多数を以て可決することに決定いたしました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとしまして、御承認願うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 御異議ないものと認めます。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附すことになつておりますから、本法案を可決することに賛成された方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     岡田 信次  白波瀬米吉     堀越 儀郎  高橋 道男     西田 天香  山本勇造     矢嶋 三義  油井賢太郎     木内キヤウ  高田なほ子     川村松助
  53. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 署名漏れは、ございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 若木勝藏

    委員長若木勝藏君) 本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後零時二十八分散会