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1953-03-05 第15回国会 参議院 農林委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月五日(木曜日)    午後二時三十三分開会   ―――――――――――――   委員の異動 二月二十六日委員西山龜七君辞任につ き、その補欠として山縣勝見君を議長 において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     山崎  恒君    理事            瀧井治三郎君            東   隆君            三橋八次郎君    委員           池田宇右衞門君            石原幹市郎君            宮本 邦彦君            楠見 義男君            山縣 勝見君            鈴木 強平君   国務大臣    農 林 大 臣 田子 一民君   政府委員    経済審議庁調整    部長      岩武 昭彦君    農林省農林経済    局長       小倉 武一君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○農林漁業金融公庫法の一部を改正す  る法律案内閣送付) ○農業災害補償法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○農業災害補償法に基く家畜共済の臨  時特例に関する法律案内閣送付) ○農業委員会法の一部を改正する法律  案(内閣送付) ○農業協同組合法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○農林政策に関する調査の件  (農業資金融通に関する件)  (肥料に関する件)   ―――――――――――――
  2. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今から委員会を開きます。  第一に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案議題に供します。本法案は去る二月二十三日に内閣から予備審査のため提出せられ、即日当委員会に付託せられたものであります。  先ず提案理由説明を求めます。
  3. 田子一民

    国務大臣田子一民君) 委員長の御許しを得まして、一言就任の御挨拶を申上げます。  三日に農林大臣を拝命いたしましたが、全くの素人でありまして、殊に引継ぎもまだ途上にあるという状態であります。併し国会法によりますと、立法活動委員会を中心として行われておるのでありまして、従つて皆さまの御支援、御鞭撻を頂きますれば、いささか以て大過なきを得るかと存ずるのであります。何とぞよろしく御願いいたします。  只今議題になりました、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律提案理由を御説明申上げます。  農林漁業生産力を増強しまするため必要な長期且つ低利の資金を積極的に導入する機関としての農林漁業金融公庫については、昨年末法律施行以来諸般の準備を進めております。四月一日を以て発足する予定なつているのでありますが、昭和二十八年度予算の編成に伴いまして、或いは農山漁村電気導入促進法施行に伴い、更には公庫役職員の待遇に関する不適当な点を改善いたしまして公庫運営の円滑を期するためこれらの理由によりまして、ここに農林漁業金融公庫法につき、二三の点に改正を加える必要を生じたのであります。  以下改正案につき簡単にその内容を御説明申上げたいと存じます。  先ず第一点は公庫資本金に関する規定であります。公庫資本金は、現行法におきましては公庫農林漁業資金融通特別会計から承継する資産と負債の差額に相当する額を定められているのでありますが、昭和二十八年度における公庫の新たな貸付資金二百四十億円の資金源の一部として同年度において一般会計より百億円の追加出資が行われることになつておりまして、これを公庫法に明示する必要があるのであります。  第二点は、農山漁村電気導入促進法施行に伴うものであります。即ち農山漁村電気導入促進法の一部を改正いたしまして、公庫電気導入施設に対し貸付を行う場合には全国農山漁村電気導入計画基準として行うものとすると共に、電気導入施設に対する貸付条件を緩和しまするため公庫貸付条件のうち、農林漁業者共同利用に供する施設に対する貸付金償還期限及び据置期間最長限度をそれぞれ二十五年及び三年と改めるのであります。  第三点は、公庫役職員に対する退職手当に関する点でございます。従来公庫役職員退職手当については、一般職公務員と同様に国家公務員等に対する退職手当臨時措置に関する法律適用があつたのでございますが、本来身分が公務員でなく恩給制度適用等もない公庫役職員に対し、公務員同一規定によりますることは不適当でありますので、この際この法律適用を排除し、公庫退職手当の支給の基準につきましては主務大臣の承認を要するものとするのであります。  以上がこの法律案提案理由並びに内容概略でございます。何とぞ慎重御審議上速かに御賛成あらんことをお願いする次第であります。
  4. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 本法律案は後刻時間がありますれば審議に入りたいと存じます。若し本日時間がなければこれが審議は後日に譲ります。
  5. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 次に農業災害補償法の一部を改正する法律案議題に供します。  本法律案は去る二月二十六日内閣から予備審査のため提出せられ当委員今に付託せられたものであります。先ず提案理由説明を求めます。
  6. 田子一民

    国務大臣田子一民君) 只今議題になりました農業災害補償法の一部を敵正する法律案につきましてその提案理由を御説明いたします。  農業災害補償制度につきましては、昨年第十三国会におきまして成立した農業災害補償法一部改正法農業災害補償法臨時特例法及び農業共済基金法によりまして制度政善がなされたのでありますが、本制度実施五年の経験に徴しまして、更に、農業負担軽減蚕繭共済制度改善共済団体性格に即した監督の適正化等必要な改善を行いまして、制度の円滑な運営を期しまするため、この法律案提案する次第でございます。  以下この法律案主要内容につきまして御説明を申上げます。  第一は、共済掛金農業負担軽減及び災害危険度に応じた共済金額個別化であります。農作物共済共済掛金負担につきましては、従来通常共済掛金標準率全国を通じて最低となる県の通常共済掛金標準率部分全国共通全額農業負担としておりましたが、全般的に農業負担軽減しまするために、通常共済掛金標準率のうち、安全割増率を差引いた率のうち、全国を通じて最低のものの三分の一の部分全国を通じて、新たに国庫負担とすることといたしました。なお、その結果従来の方法によりますと、被害程度の低い地域国庫負担割合が相対的に少かつたのでありますが、これらの地域につきましても国庫負担割合合理化が期せられることになつたのであります。  又蚕繭共済共済掛金負担につきましては、国庫農家との負担合理的にいたしまするために、農作物共済負担方法改善と併行いたしましてこれと同様の負担方法とすることにいたしました。  更に共済金額個別化につきましては、被害危険階級ごとに或る程度の幅を設けて、その範囲内で共済金額を選び得ることとすることができるように改正いたしました。  第二は、蚕繭共済制度改善であります。蚕繭共済におきましては、現行法によりますと、共済事故による減収組合組の平年収繭量の四割以上の場合に共済金支払うことにしておるのでありますが、農家災害補償法目的を十分に達成しまするために、三割乃至四割の減収の場合におきましても共済金支払うことといたしました。又蚕繭共済は、現行法では、全蚕期を通じた保険建前なつております関係上、共済掛金率は、春蚕繭夏秋蚕繭も同率であります。このため春蚕繭については掛金が割高、夏秋蚕繭については割安というような不合理があります。又最終蚕期収繭が完了いたしませんと、再保険金の額が決定しないため、共済金支払が遅れるという支障があつたのであります。これを蚕期別保険建前に改め、春蚕繭夏秋蚕繭被害の実態に応じて掛金率個別化いたしますと共に、再保険金の額を蚕期別決定することにより共済金支払の円滑を図ることといたしました。なお、これらは、従来から検討を進めて参つた問題でありますが、蚕繭共済料率改訂期なつております本年からこれを実施することといたしたのでございます。  第三に共済団体運営につきまして、農業災害補償制度の一環といたしましての特殊な性格に鑑みまして、公益的見地からの適正な監督を行い得ることとし、又役員責任を明確ならしめることといたしました。  以上がこの法律案の大要でございまして、慎重御審議の上、何とぞ御賛成あらんことを御願いいたす次第でございます。
  7. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 本法律案審議は後日に譲ります。   ―――――――――――――
  8. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 次に農業災害補償法に基く家畜共済臨時特例に関する法律案議題に供します。  本法律案は、二月二十六日内閣から予備審査のため提出せられ、即日当委員会に付託せられたものであります。  先ず提案理由説明を求めます。
  9. 田子一民

    国務大臣田子一民君) 只今議題となりました農業災害補償法に基く家畜共済臨時特例に関する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。  農業災害補償法におきましては、家畜共済は、死亡廃用共済疾病傷害共済及び生産共済の三つに分れておりまして疾病傷害共済加入いたしますには、死亡廃用共済加入していなければなりませんが、死亡廃用共済加入いたしますには、必ずしも疾病傷害共済加入することを必要としない建前なつております。併しながら第一には畜産振興上、疾病傷害共済普及徹底とこれによりまする家畜診療普遍化が必要であるという点から見ましても、又第二には、疾病傷害事故についての診療が行きわたるに従つて死亡廃用事故が低下し、従つて共済掛金率が低下するという有機的な関連性から、全般的に農家家畜共済に対する負担軽減するという点から見ましても、この二つの共済を一元化いたしますことが家畜共済事業の充実、農業災害補償制度目的達成を図ります上においても必要ではないかと考えるわけであります。  この法律案は、この点に鑑みまして、農業共済組合の中から、一部の農業共済組合につきその同意を得て、死亡廃用共済疾病傷害共済とを併せた死廃病傷共済一定期間試験的に実施させ、その実施成績によりまして、将来の家畜共済制度改善に資することを目的としております。即ち、この実験によりまして、一元化された場合の共済掛金率等共済内容の各般に亘つて基礎資料を得ると同時に家畜共済制度運営上の諸問題についても検討を加えて参りたいと考えておるのであります。  以下試験的に実施しようとする死廃病傷共済内容について御説明いたしますと、第一に共済掛金率は、実験段階でありますので、一応従来の死亡廃用共済掛金率疾病傷害共済掛金率によりまして機械的に算定せざるをえないのでありますが、一元化いたしますときには、危険率が低下することが予想されますので、収支のバランスの面からみますと若干の余剰が出ると考えられます。そこで再保険特別会計に生じるであろうこの余剰分を見合とし、実験を奨励するという意味も含めまして、共済掛金の一部の割りもどしという形での補助金を交付することといたしました。第二に、支払共済金でございますが、疾病又は傷害事故により組合員支払共済金は、従来共済目的種類ごとに一年間の支払限度を設けて濫診濫療を防止することとしておりましたが、早期診療により死亡廃用事故の低減を図るという趣旨を貫徹いたしますために、本法案によります共済については、現行のような一定期間を通じての一定金額限度は、これを撤廃することといたしております。  以上が、この法律案目的及び内容の概要でございます。慎重御審議の上御賛成あらんことをお願いいたす次第でございます。
  10. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 本法律案審議も後日に譲ります。   ―――――――――――――
  11. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 次に農業委員会法の一部を改正する法律案議題に供します。  本法律案は三月三日、内閣から予備審査のため提出せられ、即日当委員会に付託せられたものであります。  先ず提案理由説明を求めます。
  12. 田子一民

    国務大臣田子一民君) 只今議題になりました農業委員会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げたいと存じます。  農業委員会法制定せられましてから満二年、市町村農業委員会及び都道府県農業委員会が発足いたしましてから一年有半を経ておりますが、その間農業委員会は、農地等利用関係調整、自作農の創設維持農地等交換分合、又農業綜合計画の樹立及び実施についての建議、諮問答申等農民代表機関としての職責の完遂に努めて参つたのであります。しかしながら経済情勢の変遷に即応いたしましてその使命を達成いたしますためには、おのづからその所掌事務の重点が変化しなければならず、又その事務を完遂するに最も適した構成が考えられなければならないことは申上げるまでもないことであります。  このような意味におきまして農業委員会制度に関しまして、次のような方針で改正を加えることにいたしたいのであります。即ち第一に、生産技術指導につきましては、現行農業改良普及制度と相待つて生産技術指導徹底を図りまするために、市町村農業委員会の書記の一部を技術員に切替えまして、農業委員会技術に従事せしめると同時に、改良普及員事業協同組合の行う生産技術指導に協力せしめることといたし、これと共に委員会組織などにつきまして多少の改正を加えております。第二に、農業委員会制度につきましては、それが真に農民農業代表機関として自主的にも活動し得るように、都道府県農業委員会法人としての都道府県農業委員会議とし、これと同時に、第三に全国的組織を結成し得る道を開くことといたしました。  以上の考え方に基きまして、本法律案を提出いたした次第であります。  以下本法律案主要内容についてその概略を御説明申上げます。  第一は、市町村農業委員会についての改正でございます。  改正の第一点は、その所掌事務についてでありますが、新たに技術員設置されますので、その技術員をして協同組合事業農業改良普及員事業等について協力する点を明確にいたしたのであります。  なお、米穀生産者別政府買数量決定について、従来、市町村長は、個々の委員意見を聞くこととなつておりました点は、委員会そのもの意見を聞くように改めることといたしました。  第二点は、選挙による委員の定数につき、現行の十五人を十人から十五人までの間で市町村条例で定めることといたしますと同時に、選挙方法を簡素化したことであります。  第三点は、選任による委員を必置の委員といたしまして、農業協同組合及び農業共済組合の推薦した理事二人以内、市町村議会の推薦した学識経験者三人以内を市町村長委員として選任しなければならないことといたしたのであります。又委員の任期を現行の二年から三年に改めることといたしたのであります。  第二は、都道府県農業委員会議についての規定追加であります。現在都道府県にはその附属機関として都道府県農業委員会が置かれておりますが、農業及び農民一般的利益代表機能を果すには行政機関とは別個の人格を持たせる必要がありますのでこれに代り、法人たる都道府県農業委員会議設立することにいたしたのであります。都道府県農業委員会議は、郡市単位の代表者会議において農業委員会委員及び農業協同組合理事のうちから互選された者と、農業協同組合中央会農業共済組合連合会及び農業協同組合連合会代表者等を以て構成するものとし、その業務は、従来都道府県農業委員会が所掌していた事務の外、米穀市町村別政府買数量決定その他農業及び農民に対し、意見を公表し、行政庁に建議し、その諮問に答申すること、及び農業及び農民に関する啓もう宣伝調査研究を行うことにいたしたのであります。  国が毎年度予算範囲内におきまして、都道府県農業委員会議に要する経費負担乃至補助することといたし、尚法人税所得税事業税等各種の税の免除を考え、その健全な発達、公正な活動を期待しておる次第であります。  第三は、全国農業委員会議所に関する規定追加であります。全国農業委員会議所は、都道府県農業委員会議全国農業協同組合中央会全国農業協同組合連合会その他農業改良発達を図ることを目的とする法人学識経験者等を以て構成される社団法人でありまして、農業及び農民に関し、意見を公表し、行政庁に建議し、その諮問に答申し、その啓もう宣伝及び調査研究並びにこれらの業務についての都道府県農業委員会議指導連絡を行うことを主たる目的といたしているのであります。  全国農業委員会議所は、設立解散加入脱退の自由な法人でありまして全国を通じて一個とし、これに対しましては免税措置の外に、国庫補助をなし得ることといたしまして、全農業、全農民一般的利益代表団体たることにふさわしい公正にして活溌な運営を期待しておるのでございます。  以上が本法律案概略でありますか、何とぞ慎重御審議の上、速かに御賛同を得られまするよう切望する次第であります。
  13. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 本法律案審議も後日に譲ります。   ―――――――――――――
  14. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 次に農業協同組合法の一部を改正する法律案議題に供します。  本法律案は三月三日、内閣から予備審査のため提出せられ、即日当委員会に付託せられたものであります。  先ず提案理由説明を求めます。
  15. 田子一民

    国務大臣田子一民君) 只今議題になりました農業協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。  農業協同組合法制定されましてから今日まで五年有余を経過し、この間、農業協同組合は、諸種の悪条件と闘いながら、農業生産力の増進と農民社会的経済的地位向上を図り、あわせて国民経済発展に寄与するために努力をして参つたのであります。  併しながら、激しい社会的経済的変動とその間に処する主体的条件の不備のために経営不振の状態に陥つた組合も少くありませんで、そのままに放置しがたい事態に遭遇いたしましたので、適宜必要な指導を行うことにより、組織整備事業振興及び経営健全化を図つて参りましたが、特に財務処理基準令制定行政庁による常例検査実施及び農林漁業組合再建整備法制定等によりまして、今日まで相当の成果を挙げて参りました。、それにもかかわらず、今日の組合組織事業及び経営状況検討いたしますとき、なお整備強化を必要とする部面は少くないのでありまして、今後一般状勢の推移に即応する発展を期しまするためには、先ず組合指導体制整備いたしますと共に、現行制度に若干の改正を加える必要があるのであります。  これが、本法律案を提出いたしました理由でありますが、以下その主要な内容につきまして、その概略を御説明申上げます。  第一は、組合総合指導組織確立でございます。今回新たに、組合総合指導組織といたしまして、農業協同組合中央会全国及び都道府県区域設置することにいたしました。  現在、組合指導組織といたしましては、全国及び都道府県区域指導農業協同組合連合会等があるのでありますが、その法制上の性格からみましても、又その組織事業及び財務状況から見ましても、指導機関として十分なものではありません。このため、農業協同組合系統組織全国的な組織活動に必要な統一性機動性を確保し、十分に組合事業振興経営刷新向上を図り得るような指導教育を行うことが困難な状態にあるのであります。  このような弱点を克服いたし、会員たる組合のみならず広く全組合に対する指導教育全国的規模において、統一的且つ効果的に行い、以て組合の健全な発達を図るため、農業協同組合中央会設置いたすことといたした次第であります。  会員加入及び脱退は、都道府県中央会については自由といたしましたが、統一ある全国的組織確立するため、全国中央会につきましては、都道府県中央会及びその正会員たる農業協同組合及び同連合会は、これに当然に加入されると共に、全国中央会は、都道府県中央会に対しまして指導連絡を行い、又そのために必要がある場合には、都道府県中央会に必要な指示等をすることができることとしまして、その全国的統一活動を可能ならしめているのであります。而して、政府は、このような中央会活動をより活溌且つ効果的にするため、全国中央会及び都道府県中央会事業に要する経費の一部を、毎年度予算範囲内において補助することができることといたしたのであります。  なお、中央会設置に関連いたしまして、指導農業協同組合連合会設置についてでありますが、現にあるものの存続はこれを認めることとし、今後新しいものの設立はこれを認めないことといたしたのであります。  第二は、組合に関する規定整備したことであります。その一は、組合事業に関してでありますが、信用事業を行う組合は、新たに定期積金受入をも行うことができることとするほか、組合員同一の世帯に属する者及び営利を目的としない法人の貯金又は定期積金受入については、員外利用の制限を適用しないこととし、事業分量の拡大を図ろうといたしたのであります。その二は、組合の管理に関してでありますが、その主なものは、役員責任明確化であります。従来役員責任に関する規定が不備でありまして、組合運営上における責任体制確立において欠けるところがありましたので、役員組合に対する忠実義務を明文化し、且つ、組合に対する任務を怠つた場合における組合及び第三者に対する連帯損害賠償責任に関する規定を設け、その責任の所在を明確化したのであります。  以上のほか組合運営等に関する諸規定のうち必要なものについて部分的修正を加え、その合理化簡略化図つた次第であります。  第三者は、行政庁監督権を若干強化したことであります。行政庁監督権は、本来でき得る限り小範囲にとどめることが望ましいのでありますが、組合の実情は、徒らに形式的な自主性のみを尊重することを許さないものがありますので、必要最小限度において監督権整備強化いたしまして、組合健全化に資しようとしたのであります。  即ち、組合又は中央会法令等に違反した場合において、行政庁が必要な措置を採るべき旨の命令をしたにもかかわらず、これに従わなかつたときは、行政庁は、その組合又は中央会業務の停止又は役員の改選を命ずることができることといたしますと共に、特に組合につきましては、事業外事業行なつたとき等の特定の場合には、行政庁がその解散を命ずることができることといたしたのであります。  以上がこの法案の主要な内容でありまして、すべて組合の現状から真に止むを得ないものでありますので、何とぞ慎重御審議上速かに御協賛あらんことを切に希望する次第であります。
  16. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 本法律案審議も後日に譲りまして、次に衆議院議員井上亮治君ほか五十九名の提出にかかる肥料需給安定法案議題に供しまする予定でありましたが、提案者側準備の都合によりまして、本日は取やめることにいたします。  次に、この際御了承を得ておきたいのでありますが、先に水産委員会に付託になりました、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失補償に関する法律案について、連合審査を申入れておきましたところ、張る二月二十五日連合委員会が計画せられた次第でございますが、当日は取やめとなり、延期せられましたので、次回は来たる三月九日、即ち来週の月曜日に連合委員会の開催を申入れたいと存じますが、御了承の上その際は奮つて出席を願いたいと思います。  なお、当委員会に付託せられました法律案はすでに数件ありますので、連合委員会散会後、当日は引続いて農林委員会を開催する予定でございますから、これ又御了承を願つておきたいと思います。速記とめて。    〔速記中止〕
  17. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記始めて。東委員から提案なつておりますところの、固定資金の疏通化問題に関しまして、当委員会から当初大蔵大臣並びに農林大臣に申入れておきましたところ、先般その回答がありましたが、その回答に対しましては非常にまだ意を尽し得ない点が多々あるので、当時藤野委員から発言がありまして、再度当委員会からその後の固定資金の疏通化問題についての政府の考え方をいま一歩前進した方向についての何か案がないかというようなことについて論議されたのでありますが、当委員会におきましては、委員会の名を以ちまして、農林大臣並びに大蔵大臣に再度の申入れをいたしたのであります。本日議題になりまして、只今提案理由説明を聞きましたところの農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案とも相関連を持ちますところの農林金融の問題でありますので、東委員只今の発言によりまして、その後の政府の考え方について、幸い大臣がおりますが、大臣は内容はまだ細かく御存じないと思いますので、経済局長から一つ御説明、経過の御報告を願いたいと思います。
  18. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 今御質問の協同組合連合会でありますが、これが固定化債権の流通化につきましては、当委員会の申入れのこともあり、昨年中からいろいろ私共検討を実はいたしておるのであります。この間この委員会に対しまして御回答を申上げたのでありますが、その後いろいろ大蔵省とも折衝いたしまして、大体結論が得られる見込みがついたのであります。  只今考えておりますところを概略申上げますというと、主として再建整備の対象の組合でありますが、これにつきましてもう一度計画内容を洗い、更に又組合内容徹底的に洗いまして、如何にすれば再建整備が十分に完遂できるかということを先ず検討を加えて、このために何と申しますか、再建整備のための一種の審議会を作りまして、この審議会には農林中金とか、或いは只今提案理由のございましたような協同組合中央会というものもできますれば中央会の会長、それから中央の信用組合連合会の代表者といつたようなかたでありますとか、或いは関係省の職員でありますとか、その他学識経験者と、極く僅かの委員会を作りまして、この委員会で具体的な方策について検討する、こういうことにいたしたのであります。その結果個々の連合会につきまして必要な対策がでまますので、これに対して国が或る程度の助成をする、この助成の仕方につきましてはいろいろ議論があると思いまして、又御意見もあろうかと存じますが、只今農林省として考えておりますのに、十カ年以内五分程度の利子を補給するということにしたらどうか、この補給の対象といたしましては信連乃至中金が連合会に対しまして援助をする建前にいたしておりますが、この援助をいたします資金ヴオリユームに応じまして措置したい。例えて申しまするならば、固定化債権を流動化する。それを年賦に切替える、或いは利子をまけるとか或いは新しく流動資金を得る。その流動資金も普通の金利では困るということでございますれば金利を安くする、そういう元金に見合つたものを考えまして、それに対して五年以内五分程度の利子補給に相当するような助成をする。信連乃至中金に対して助成をする。こういう恰好で行つたらどうか。そこでこの法制化の問題でありますが、或いは予算化の問題でありますが、助成の問題にいたしますれば勿論早いほうが工合がいいのでありますけれども、実質は利子補給でございます。そうしますというと整備計画ができまして、整備計画が進行して信連乃至中金がどの程度援助するかということにかかりますので、予算措置は二十九年度でよろしかろうというふうに考えております。予算措置のほかに法制化の問題でありますが、これは御存じの再建整備法との関係が実はあるのであります。従いましてこの再建整備法が若しも廃案、廃案と申しますか、計画がとにかく完了して、本年の三月末ぐらいに期限が到達するということであればよろしいのでありますが、再建整備ということは、一方再建整備といつてその法律によつて進行している。ところが他方その再建整備のやり方なども実はまずいといつたようなことを表向きにするような法律を、又別に並立的に出すということは一体どういうことであろうかという、実はこういう席上で申上げるのも甚だ困る点があるのでありますけれども、問題が多分にあろうと思うのです。それからそういうことも根本にございますし、もう少し法律技術的に言いましても、ちよつと困難な問題が生じて来はしないかと思うのであります。従いまして法律にするというと、これは相当又議論も出ましようし、いろいろ時日も要する。ところが連合会の再建整備というのは一日でも早く発足を必要としますので、法律のほうを実施を急ぐと共に、更に取りあえずとにかく今申しましたような内容のものを閣議決定といたしまして、新年度から実質上発足する、こういう措置を取つたらどうか、かように考えております。大体今までのところ出ました結論みたいなものを申上げたのでありますが、なお細目につきましてまだ完全に議論の一致を見ていない点もありますので、もう一両日要するのではないか、かように考えておるのであります。
  19. 東隆

    ○東隆君 今のお話ですと、再建整備組合を中心に進める、而もその場合に再建整備関係理由が非常に薄弱化するようなことからどうも積極的にやれない、こういうようなお話があつたように私は聞いていますが、経済方面における、殊に農業協同組合関係については非常に大きな変化があるわけです。それは再建整備法が出る状態の場合には農業会が解体をして農業協同組合を作る、その場合に一番損失が現われたのは何かと申しますと、事業面では購買関係事業が非常に大きく出た。それから販売関係の方面の仕事はどちらかと申しますと、統制経済が進んでおりましたので比較的ぼろが出ておらなかつた。ところが農業会の資産の分割の場合には、そういう関係から大部分購買の方面のほうに同情をして分割した、このようなことがあろうと思います。それから比較的順調に仕事をやつておつた関係で、復員した職員であるとか、その他のものは大部分販売事業方面のものが引受けた、そのようなことがあると思うのですが、そういうようなことが統制が外れると同時に、協同組合の経済方面に大きく現われて来た。これは短期間の間でございますけれども、非常に大きな変化がそこにあると思うのです。殊に欠損の面において、あの当時故意に出さなかつた組合、そういうようなもの、或いは連合会、そんなものが相当あつたと思うが、今の経済上の変化で以て出て来た事情がたくさんあると思います。私はできるだけ早いうちに綻びを縫う、それは一針は十針に相当するというような諺がございます。この機会に再建整備に該当する組合或いは連合会、そういうようなものを却つてこの際それに限定しないで、もう少し範囲を拡げて再検討するというような、こういうような形で以てこれを取扱つたほうがいいんではないか、こういう考え方を持つわけであります。金融の疏通の問題が出て来たのも私はそういう面が多いと思うし、殊に積極的に固定した面はこれは購買方面の事業ではなくつて、却つて販売面におけるものが固定しておる。こういうような関係があるのではないか、こういうように想像いたしますので、私は今の局長の説明をされたできるだけ再建整備法に該当する組合を再検討するというその線を、もう少し拡大されたほうがいいのじやないかと、こう考えます。これは二、三日中にできまする原案に更に問題を大きくしますと、これは却つてむずかしくするとなんでありますが、できるだけそういう方面を考えてやつて頂きたいと、こう思います。
  20. 小倉武一

    政府委員(小倉武一君) 御指摘の点を分けて考えますと二点に分かれるのじやないかと思いますが、一つは再建整備の対象の組合でも指定時現在で以て抑えるというのではなく、そのものの欠損なり固定化債権について措置をする、もう一つは当初から再建整備の対象になつていない連合会について、ここで新らしく取上げたらどうかという問題でございますが、御質問の趣旨はあとのほうに重点があつたのではないかと思いますが、これは実は二つ関連をいたすのであります。問題は勿論実質的な再建整備と申しまするか、組合整備強化を促進するということでございますので、取上げる以上は指定時現在といつたようなことにとらわれずに計画を立てる、併し現在指定時で抑えて行く必要はこれはあろうかと存じます。その点は私どももさように考えておるのであります。ただ再建整備で取上げた対象外の連合会を取上げるかどうか、勿論この連合会につきましては合併したものもございますので、合併したものは当然これは取上げられると思います。合併しない、再建整備の当時は対象でなかつた、対象でなかつたというと語弊がございますが、原則的に対象でなかつたような組合連合会につきましては取上げるかどうかにつきましてちよつと難点がございますのは、こういうことでございます。それはその後のものも新らしく取上げることになりますというと、要するに建前として再建整備というものを恒久的にやるということになる虞れがあるわけであります。今度新らしく取上げた組合には漏れた、又その後半年して或いは一年後工合の悪い組合ができて、それを又問題にしなければならない、こういうことでは再建整備を慢性化する虞れが多分に出て来る、とどめがなくなる虞れが出て参りまして、そういうことでは組合の自主的な運営ということについて支障を与える虞れがございます。そういう難点が一方ございまするが、併し大体信連に与える影響とか或いは組合自体の問題としては、現在不況にあると申しまするかそういうものに似た状態にあることは同様でありますが、これは又取上げるのが筋ではないか、こういうことにもなると思う。そこでその辺をどうするかということにつきまして、私どもの見解としては御説のように実は取上げたいとかように思つております。ただ取上げるにつきましてはやはり或る程度限度と申しまするか、基準と申しまするか、さようなものが必要になつて来る、私どもの考え方としては取上げたい、かように考えております。
  21. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それじやこの問題はなお大蔵省と多少の折衝があるように聞いておりますので、後日に譲ることにいたします。
  22. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは次に肥料に関する件を議題に供します。去る二月十二日当委員会から肥料政策の確立に関して経済審議庁長官、農林大臣及び通商産業大臣に申入れておきましたが、その後すでにかなりの日数を経ておりますので、政府においてはこれについてそれぞれ作業が進められたものと考えられますので、只今からそれらの状況をお伺いしたいと思います。
  23. 岩武昭彦

    政府委員(岩武昭彦君) 肥料の問題は通産農林両省に亘つておりますので、経済審議庁のほうで調整いたしたい点がございますから、便宜審議庁のほうから取りまとめて申上げます。去る二月十二日に当委員会から肥料政策に関しまして申入れを頂いたわけでございますが、政府におきましては、実はその以前にも衆議院の農林委員会のほうからも同様趣旨の申入れを頂きまして、至急何らかの対策を講ずべきだという見地に立ちまして、昨年末の閣議決定に基きまして肥料対策委員会設置いたしまして、肥料に対する根本政策の問題並びに当面の緊急解決を要することにつきまして調査審議を求めたのであります。  その委員会肥料の製造関係の代表四名、流通関係の代表三名、消費者関係の代表四名、なお中立と申しますか、学識経験者といたしまして五名、計十大名の委員を選任いたしまして、委員長は互選に基きまして一万田日銀総裁がこれに当つております。  当委員会は一月の下旬から最近まで連続五回会合を開きまして、政府から諮問がありました事項につきまして慎重に審議いたしております。その一部につきましては、すでに意思決定を見たものがあります。以下この対策委員会の動きと、それに基きまして政府のとりました方策につきまして御報告したいと思います。  先ず第一に、対策委員会におきまして硫安のコストの問題が問題になりまして、これにつきましてメーカー側の資料の提出がありましたが、なおいろいろな原価計算のやり方等につきまして十分検討する必要があるということで、この十六名の委員の中から更に六名の小委員を選びまして、これに官庁側の担当課長が入りまして、細かい点の検討を続けて参つたのであります。何分このいろいろな原価計算のやり方等につきましては、専門的事項が多いようでありますので、更に本当のこの技術なり経理なり、或いは原価計算のやり方といつたものにつきましても専門的な知識が必要と存ぜられますので、この小委員会におきまして更に民間の専門家五名を委嘱いたしまして、各会社ごとの資料に基きまして内容検討して頂いたのであります。これはいろいろ資料の作成等の時間もあつたようでございますので、目下なお検討中でございまして、最終的な報告に接しておりません。いろいろ仄聞いたしますと、原価計算のやり方等につきまして、十分納得できるまで検討するということでございます。それからコストの問題と併行いたしまして、春肥の価格の問題が対策委員会でも問題になりまして、御承知のように春肥の需要期を控えまして、末端価格は若干上り気味の傾向であります。消費者側からも値下げの要求も強く出ましたので、対策委員会におきましても検討いたしました結果、これは先に政府の勧告に基きましてできました安定帯価格を更に下げる趣旨を以て当事者と協議すべきだという勧告を正式にきめまして、なおそれと併行しまして政府側においてコスト引下げのためには取りあえず金融の措置を講ずべしという要望もつけて参つたようであります。それでこの安定帯価格の引下げの勧告に基きまして、メーカー側並びに全購連の肥料販売業者の団体と協議を進めておりまするが、まだ協議は最終的に整つておらないように思います。ただこの間におきまして、いろいろどの辺に安定帯価格を持つて行くかということにつきまして、当事者間の話合いだけはなかなか円滑に進みませんので、政府で中に立ちまして、取りあえず安定帯価格と申しますのは、従来は一叺九百円中心で上下三十円の値幅、つまり八百七十円から九百三十円というふうにきまつておつたのでありますが、それを中心を四十円下げて八百六十円にいたして、上下の値幅を三十五円程度にすべきというふうに一応政府側から申入れまして、メーカー側の了承を得ております。従いまして新らしく一応政府の手によつてできました八百二十五円から八百九十五円の間におきまして、メーカー側と全購連並びに全肥連と申しまするか、肥料の販売業者の団体間で具体的な取極めを協議中でございます。それからこの安定帯価格の引下げ勧告と併行いたしまして、対策委員会からコストを引下げるために取りあえず所要の措置を講ずる必要がある、その一つは割当の電力量を殖やす、或いは財政資金から借りておりまする貸出の金利を引下げる、それから必要であれば外国炭の輸入についても配慮すべし、或いは運賃その他の輸送費の低減についても考慮すべしというふうな要望もございますので、このような問題については実情に即してということで、でき得る範囲におきまして実現すべく目下政府間で検討中でございます。  それから最後に議題なつておりまする一つの問題は、肥料工業は日本においては輸出産業としてどの程度まで伸ばすか、内需だけ賄えば済むものか、或いは近隣のアジア諸国の輸出をも賄うということで進むべきかどうかというふうな問題、並びにその関係からいたしましてもコストの低下について根本的な方策を立てるべきではないかという問題がございまして、この輸出の問題につきましては一応春肥の取引価格がきまつたのちに議論しようということになつております。  以上が大体肥料問題に対する措置の概要でございます。
  24. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 何か、肥料問題については、只今その後の経過を説明願つておりますが、まだ質疑がございますか。
  25. 東隆

    ○東隆君 今の一番あとのほうは対策委員会の仕事の経過のようですが、春肥の取引価格が決定した上でなければ輸出のほうの問題はやらないと、こういうのですか。これは輸出のほうは、これは何ですか、出す数量だの何だのの問題ですか、価格の問題ですか。
  26. 岩武昭彦

    政府委員(岩武昭彦君) このお尋ねの問題は、輸出の価格ということではなくて、肥料工業を輸出産業として扱うべきかどうかということが一番の問題でございます。対策委員会としましては、この当面の輸出数量云々ということは、これは行政官庁の措置でやるべきだというふうな意向のようでございます。
  27. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは経済審議庁のほうには、なお申入れに対しましてできるだけ早く一つ回答を頂く、それによつて又質疑するということで、急速に一つ御検討頂くということにお願いしたいと思うのであります。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  28. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて……。それじや本日はこれを以ちまして散会いたします。    午後三時五十三分散会    ―――――・―――――