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岡村文四郎君 どうも喉元過ぎれば熱さを忘れるというのが
日本人の悪い癖で、どうもそれから直してかからなければなかなかうまく行きません。そこででん粉というものが食糧でないという観点で万事ものを行いまするから、農林省にしろその他のところでもいろいろ間違いが起
つて来る。それで国鉄のほうでは送りさえすればいい、あとは何も
関係がない、こういう
考え方であるかも知れないが、そうではない。国鉄にお
つても、農林省にお
つても
日本の食糧というものに重点を置いていつも
考えて行かなければいかんと思うのです。そこででん粉は今こそこうだけれども、戦時中
いもを
作つてもら
つて食つたことは忘れて、でん粉に
なつたからどうでもいいのだと
考えることが、どだい
日本国民の誤りなんです。僕はどうしてもそのでん粉を維持して、そうしてなくしない
ようにして行かなければ
いもはなくなる、でん粉もなくなると思うのです。
いもがなくなるというので、
甘藷、馬鈴薯を
政府に頼んで、
政府は前申しました
ように、食糧政策のためにどうしても維持して行かなければならんものだというので、いろいろ議論もございますが、食糧特別会計で最低
価格を保障された
ような形ですが、
法律も何も設けないで、そうして食管の長官や農林大臣の側から見るとこれはなかなか英断です、そうして維持し
ようとしておるのですから、それを国鉄の運賃の等級が違うのだからこれはでん粉だから高く取
つてやろうと、そういうあさましい
考えでや
つておることが
日本の大きな欠陥なんです。本当に
日本の国に住んでおる者は
日本の国に住んでおる
ようなつもりでなければ駄目だと思う。その場だけのいい加減なことを言わないで、僕は本気にその気にならなければ駄目だと思う。これは断然下げてもらわなければいかんと思う。あなたのほうで、官房長は、本省の役所だからよく
考えて見て、これはいかんことだ、これは駄目だ、こういうので立入
つてよく
考えてみるべきなんだ、このままでは駄目だ、どんなことがあ
つても承服できません。ですから僕はこれを下げるためなら何でもやる、どこに行
つても下げる
ようにやります。
一つ根くらべをしてもやらなければ駄目です。こんなことでは申訳ない。
政府の施策に準じて運賃を下げたということならわかるが、依然として
いもだけ上げておる、そういうことではどうにもならん。大豆はずつと下
つております。が、これはおかしいですよ。雑穀と大豆とどう
考えるかわからんが、どうも甚だ規格が面倒にな
つているから言いはせんが、でん粉だけ、
甘藷でも馬鈴薯でもどうしてこう上げなければならないか。菓子と同じ話をしたが、菓子は今度は上
つておる。ですから卵より高い、そんなことはわからないので、でん粉というものは
農家の生産するもので、今まではその作つたものの処理としてでん粉にしておるが、いざと
なつたら国民はこれを食うのだ、こういうことを常に頭から離さん
ように万事
日本の役所におる人は
考えてもらわんと、ただ繩張り争いでや
つておつたんではできません。繩張争いが
日本の国の滅亡のもとなんです。併し目を見張
つて重要なものは重要な
ように取扱
つて行かなければならんと思いますが、でん粉の運賃だけは私は誰が何と言
つても承服できませんし、こんなことでは困ります。官房長においても
一つ頑張
つて、ここで何とかしてくれ、これではどうも駄目だ、こう
一つや
つてもらいたい。そちらの貨物
課長には去年暑いのに行
つて頼んだことがある。あなた覚えていると思うが、それをまだ営々としてや
つてお
つてもどうにもならん。だからどうしてもあなたも下げる
ように努力してもらわなければならない。
局長は御
意見よくわかつたと言いますけれども、よくわからんで言
つておるらしいが、どうしても下げてもらわなければならん。二人で御努力を願
つて、
ちよつと来いというなら私は本当に行きます。誰にでも対決しますからそのつもりでこれは下げてもらわなければならんと思いますからよく申上げておきます。