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1952-12-24 第15回国会 参議院 農林委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月二十四日(水曜日)    午前十一時十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山崎  恒君    理事            瀧井治三郎君            徳川 宗敬君            三橋八次郎君            東   隆君    委員           池田宇右衞門君            石原幹市郎君            小串 清一君            西山 龜七君            宮本 邦彦君            楠見 義男君            島村 軍次君            藤野 繁雄君            羽生 三七君            小林 亦治君            岡村文四郎君            鈴木 強平君   委員外議員    小林 政夫君   衆議院議員            松田 鐵藏君            井上 良二君   政府委員    大蔵省主計局長 河野 一之君    農林政務次官  松浦 東介君    農林大臣官房長 渡部 伍良君    農林省農林経済    局長      小倉 武一君    農林省農業改良    局長      清井  正君    農林省畜産局長 長谷川 清君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林省農林経済    局農村工業課長 江川  了君    農林省畜産局飼    料課長     花園 一郎君    日本国有鉄道営    業局貨物課長  遠藤 鉄二君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (いも切干価格安定に関する件)  (海岸保全法案に関する件)  (貨物運賃等級改訂に関する件)  (急傾斜地帯農業振興対策に関する  件)  (農業協同組合の資金の流動化の問  題に関する件) ○飼料需給安定法案衆議院送付) ○農山漁村電気導入促進法案衆議院  提出) ○農業改良助長法の一部を改正する法  律案衆議院提出)   —————————————
  2. 山崎恒

    委員長山崎恒君) では農林委員会をこれから開会いたします。  先ず昨日の委員会におきまして、藤野委員から御提案になつて了承を得ておきましたいも切干価格安定につきまして、お手許にお配りしておきましたよう申入れまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  3. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ございませんようでありますので、お手許にお配りしましたよう申入案によりまして、決定いたしまして申入れることにいたします。
  4. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 いも切干価格安定に対する申入を決定して頂いたことは喜びに堪えないのであります。政府がさきに甘藷価格維持のために澱粉一等品十貫目を千八百五十円で無制限に買上げるということになつたのでありますが、これを生甘藷に換算してみますると一等十貫が二百八十円になるのであります。昨年は切干は無検査のものの八貫で千百円ぐらいで取引されておつたのであります。本年の現在の状況から考えてみますると、それが六百円乃至六百五十円で取引されておるのであります。切干甘藷の八貫俵を作るためには生甘藷に換算してみますると、二十四貫要するのでありますから、十貫で二百八十円として二十四貫をかけると六百七十三円になるのであります。    〔委員長退席理事三橋八次郎委員長席に著く〕 これに加工費は大体二百二十七円九十九銭かかるのでありますから、この生いも値段加工費とを加えると八貫が八百九十九円九十九銭になるのであります。これをさつきも申上げたように六百円乃至六百五十円で取引されておるのでありますから、是非澱粉買上げる場合に生甘藷で十貫当り二百八十円ということになつているのでありますから、この値段相当するところの価格一つ買上げて頂きたいと、こう思うのであります。又昨年は無検査のもの八貫を千百円で買上げたところのこれでアルコール造つてでも、アルコール会社は本年の一月から六月までの月産報告書によるというと二割五分の配当をしておるのでありますから、アルコール製造のほうから言えば本年も千百円ぐらいで買うても収支はバランスがとれると、こう考えておりますけれども、若しこれを現在のように六百五十円乃至六百円というようなことになつて、一方においてアルコール値段を引下げるというようなことになるといたしましたならば、農民の犠牲によつてアルコール値段が下つて来る、こういうふうなことにもなつて来るのであります。又一方のほうにおいて糖蜜であるとか或いは飼料として輸入せられておるところのとうもろこしの一部が酒精の原料に流用せられるというようなことで、この結果切干値段にも影響をするのでありますから、甘藷生産農家に対してこういうふうなことで圧迫が加わらないように施策を購じてもらうのと同様、只今買入を決定して頂いたような方法で何とか畑作農家の窮状を政府のほうで救うて頂くようにお願いする次第であるのであります。
  5. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) これは先般の委員会のときに御了承を得ておる事項でございまして、今藤野さんからお話のありました通りでございますから、この通り申入してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  6. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 次に農山漁村電気導入促進法案を議題といたします。質疑のあるかたは順次御発言を願います。
  7. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 一、二点お伺いいたしますが、この第五条で国は、開拓地における農林漁業団体が必要とするこういう施設に対しては、都道府県補助を行うに要する経費に対し補助金を交付すると、こういう規定があるのでありますが、都道府県で今まで若干補助を出している県があるようでありますが、その補助要綱などによると、農村工業なんかをやるための動力線を入れるというようなものに対してだけやつておるというような所が多いようで、真に無電燈部落などに点燈さすために補助しておるというようなところが或いは少いのではないかと思うのでありまするが、今回の第五条の考え方はやはりそういう意味考え方であるか、或いは無電燈部落に本当につけるようなそういうようなものまで一切広く含んだ意味考えておるのか、いずれまあ政令に定むるところによりきめるんだろうと思いますが、考え方を伺いたい。
  8. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 御質問の点でございますが、この法案趣旨からいたしまして、殊に開拓地におきましては一般融資でなくして補助をするということでございまするので、特定の運用でなくて例えば農村工業のために電気を必要であるといつたような場合に限りませず、例えば無電燈部落一般の燈火用のものにも法制上補助金を交付することができると、こういう趣旨だろうと思うのであります。従いましてこれは恐らく予算の額と関連して来ると思いますが、予算の許す限り開拓地に必要な電気につきましては補助金が交付できますように処置すべきであるとかよう考えております。
  9. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 まあ開拓地の気の毒な状況は私から今更言う必要は何もないのでありまして、開拓地ではむしろそういう所を一番真先にやつて欲しいということを希望しておるようでありまするから、補助要綱等を定められまする場合にはそういう点は十分考えてやつて頂きたい。  それからこういう所で電気事業をいろいろやる主体をこの法案考え方では大体自家用というふうに考えられておるのでありまするか、或いは場合によつて電気事業者にもなり得るというよう考え方も含まれておるのかどうか。電気事業者ということになれば例の公共事業令、これは何か今日の本会議臨時措置に関する法律が通るようでございますが、公共事業令いろいろ適用を受けるというような問題もあるようでありますが、考え方としては大体これはまあ自家用であるというお考えであるというのかどうかそこらを伺いたい。
  10. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) この法律によつて融資をされる団体漁業協同組合又は農業協同組合法による電気導入利用協同組合、こういうよう団体でなければならないので、電気事業者とは全然異なるものが出て来るのでありまして、自家用というのが主となつている建前になつております。
  11. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうしますとこれはちよつと細かいことになるのでありまするが、この第九条に「電気託送若しくは売買」託送というような字句なども入つておるのでありまするが、まあ託送というとよそから電気買つてそれを自分需要地に送るのを、ほかの電力会社送電線託送する、こういうようなこともあると思うのでありまするが、そういうような場合には或いは電気買つてよそへ送るというようなことになつて電気事業者というような観念になるのじやないかと思えるような場合もあるのでありますが、この託送というようなことは大体どういう場合に起ることなのか聞いておきたいと思います。
  12. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) この託送と申しまするのは、この法案趣旨では小水力発電をいたしましてそれを送電いたしまする場合に、私設の電気事業送電施設があります場合にそれに託送を頼むと、こういう場合を予定しておるのであります。
  13. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすると、それは自分の小水力なりなんなりで発電したものをよその電力会社の線に頼んで送るというのであつて施設を持たないでただ電力買つてよそに送るとか、そういうようなことは考えていないと了解していいのかどうか。
  14. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) さよう考えております。
  15. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 それから先ほどお話のあつた農林漁業団体、これは連合会はこういうことを含んでおるのかどうかということ。
  16. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 連合会も入るように理解いたしております。
  17. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 それからこの第一条の目的からいうと、農林漁業生産力の増大と農山漁家生活文化の向上でありまするが、只今無電燈部落なんかの中に、これはまあ極めて稀な小さな例かも知れませんが、農山漁家でないようなものもたくさんあるというような場合に、これも勿論なんでしようね、供給を受けたり、この範囲に入れるということになるのでしようね。
  18. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) さようでございます。
  19. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 それからもう一つ。これも細かいことですが、第四条の第一号「発電施設の造成、復旧又は取得」この取得というのはどんな場合であるのでしようか。
  20. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) この取得は、例えば会社などにおきまして自家用発電をいたしておりましたものが今遊休施設になつているといつたようなものを農林団体において取得する、こういつたような場合であります。
  21. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私は昨日欠席して聞いておりませんから改めて聞くことになるかも知れませんが、この法案は実に重要な誠にいい法案で、これが通りますると日本の到る所に大体電燈も不自由がなくなると思うので非常にいい法案だと思うのでありますが、一応お聞きしてみたいのは、この送電施設はわかりますが、発電施設がございます、この発電施設を今までの小水力というものに融資をいたしておりましたが、それの対象は五百キロであつたがそれではいけないというので二百キロにしてやつておりますが、あながち水力によつて動力の出るものを下げる必要はないので、ダムを造る以上には精一杯の能力の出るようにすることが非常にいいと思いますが、キロ数によつて小水力でなくて本当に電気事業に寄与するようなことになるのがいいわけでございますが、この法律による発電施設はどういうふうにお考えになつておるか。
  22. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) その制限を撤廃いたしまして灌漑用のダムだとか又は水利を利用しても十分やれる所をどんどんやつて電源の開発をしたいと、こういうよう考えておりましてその趣旨であります。
  23. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 この万やむを得んところで、例えば電気事業協同組合組合法によつて作りまして一時はやつておりますが、どうもやつてつてもこれは非常に経営も困難であり損である、こいつを何とかその地方々々の配電会社に買収をしてほしいというようなこともあり得ると思う。それで私に言わせると、相当ダムになり或いはキロ数を制限しないで造る時分には、やつぱし事業者とその前に工事中にでも関連をもつて作つておくことが非常にいいのであり、この法律においても通産大臣の裁定によつてすることができるとなつておりますが、現にそういう例が実はございまして、ですから松田さんもよく知つておると思うのです。ですから普通の利用組合で簡単に考え造つてつたダムでは、やつぱし事業者に見せるとこれは駄目だ、こういうこともあり得ると思うから、その時分に先ず相当キロ数の出るダムになるという計画があれば、最初からそのときは或る種の組合でやるのも結構だと思いますが、いつでも誰にでも引取つてくれるという完全なものにしておく必要があると思うがその点どう考えますか。
  24. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) 先ず予算範囲が非常に狭められておるのであつて、恒久的にそういうよう施設を行うというようなこともなかなか困難だろうと思つております。全国に二十万戸もある農村電化をやつて行かなければならないのでありまするから、こういうのが中心になつてやるべきである。それがために都道府県がリストを作つて計画を立ててやつて行かなければならない、こういうことでありまして、若しこれが発展して行つた場合においては、只今おつしやるような御意見にもなるだろうと思いますが、現実の問題としてそこまでなかなか手が伸びないことだろうと考えております。
  25. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 これは提案者にお聞きしてもちよつと無理かも知れませんから当局にお聞きしたいと思うのです。が、私が廻つてみるというと、この間も中国へ行つたら大阪の何とかいいましたが小水力発電所ができて、そこでその附近の人々はちつともそれを知らない。何だかこそこそと利用協同組合作つて、それに融資を受けてやつておるようでございますが、一時的のものを作るのは駄目だとは申しませんが、やつぱし基礎のある、貸した金はどうしても融資しなければならんと思いますから、貸した金は完全に回収のできるようなことに考えるのは、全部できればここに書いてありますように主たる農林漁業協同組合主体とすることを建前にすることが非常にいいことで、そればつかりの組合になりますと、単一組合事業が非常に困難なことになつても又困ると思うから、でき得れば若し作つてもその組合が間に合せの、にわか作りのものでなくて、相当な出資もでき相当な力を持つものでないと、やはり長い間の償還も非常に困難になつては困ると思うが、原則的に農林漁業協同組合主体にしてやらすという一本槍でも困るでしようが、若しそうでなくて、どうしても作る場合には相当に検討をして今までやつておるようにわか作りでなくて、やつぱり基礎のできたものを主体にしてやらせることが将来のためでもあり、そうあるべきだと思うのですが、その点どうお考えになりますか。    〔理事三橋八次郎退席委員長着席
  26. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) 只今申上げましたように、都道府県がそういうことを十分に計画を立ててやるべくこの法案に織込んでありまして、只今の御懸念の点はよく都道府県調査をいたしまして、そうして御趣旨よう意見でやられることだろうと思つております。
  27. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今までは送電発電もございましたが、送電の金がまあ融資ができなかつたから融資いたしておりませんが、今度融資をすることになつても、普通の小水力発電所を造るより以上の送電費がかかる場合がございますが、政府はそういうことがあるということをよく承知しておられるかどうか。短かい距離の所で小水力発電所を造るのでなくて、会社から電気買つて特別に変圧所を設けて送る、それだけで発電所を造るより以上かかる所がたくさんある。ですからそれも甚だ困ると言われてはこれはできないから、これは眼前にあることだから、現にすぐ出て来ますから、そういうこともあるということを承知の上でやつておると思うから、その点御存じかどうか伺いたい。
  28. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) その通り、よく承知しております。
  29. 小林亦治

    小林亦治君 第二条なんですが、導入申請者農業、林業又は漁業を営む者が組織する法人、こうありますが、特に農林漁業団体のみに申請権を認めたという理由はどういうことなんですか。
  30. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) 農林漁業融資の枠内で以てこの融資をせんとするものでありまして、その基本農林漁業団体ということになつておるのであります。故に農業協同組合法による只今岡村先生の言われておるよう電気利用協同組合を作つた場合も貸し与えるようにしたほうがいいのじやないか。こういうよう考え方を持つておるのでありまして、基本農林漁業特別融資のあの法律の中からこの予算だけをとつてここで推進しようという考え方を持つておるのでかようになつておるのであります。
  31. 小林亦治

    小林亦治君 お説のようならばすでにできておるその法律運用の問題だけだと思うのです。特に立法しなければならんという理由はどこにあるでしよう
  32. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) 只今までの農林漁業特別融資の中には小水力に限られておつたのであります。而してその融資が一年に五億よりありません。それでは二十万戸も無電燈農家があり、而も小水力申込が今まで約百カ所やつておりまするが、まだ数百カ所も申込が出ておるという不便を感じておるのでありまして、この法律のごとく農山漁村電気導入促進法とした理由がそこにあるのでありまして、文化なき動力なき農民漁民に対して早急に電力供給をしてやりたい、かよう考え方がこの法律作つた理由であります。  又電気導入ということに対してはあの法律には許されていないのでありまして、要するに自家受電というようなことが認められていないのでこの自家受電をどうしてもやらなければならん、即ち二十万戸もある農山漁民に対してその自家受電に対しても融資をしようとする考え方から持つて行つたのでありまして御了承願いたいと思います。
  33. 小林亦治

    小林亦治君 御趣旨大変結構で本案に賛成なんですが、この法律ができることによつてその五億という枠が拡大される見込があるのですか。それともそれがそのままの範囲内でこの法ができることによつて促進されるだけの狙いですか。
  34. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) この法案は昨年からやつておりまして、昨年の前の国会において継続審査となり国会が解散されたので廃案になつたのであります。この法律を作るべくあらゆる努力をいたしまして、本年はこの法律ができると大体において十五億程度の枠がとり得る可能性があるように私どもは考えておりまして促進しておるのであります。
  35. 小林亦治

    小林亦治君 それから第五条なんですが、非常に微温的な感じを持たれるのでありまして、いわば訓辞規定よう意味ようにとれるのですが、実は当委員会から派遣せられまして、この夏に東北、北海道を見て歩いたのであります。今おつしやる二十万戸の無電農村というものは、大部分がこれは開拓地ように見て参つておるのですが、本法制定によつてそれらが一挙でなくとも大半の解決がつくとすれば大変結構な法律なんですが。そこで第五条の政令に定むるところにより補助金を交付することができる、もつとこれを強めるような方向に参らないものでしようか。申上げたい趣旨はかいつまんで申上げますと、開拓地の場合は優先して必ず融資しなければならないといつたよう拘束規定を設けたいと思うのですがそういう余地があるかどうか。
  36. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) なかなかこの法律を作るのに、この場合開拓地に対する補助という問題が大蔵省はなかなか金額を増そうとしないのであります。そこで皆さんの御協力を得てその法律作つて強力にそれを推進して行きたい、かよう考えて第五条を入れたのであります。今のところは前年度の予算範囲内よりこれは計上されておりません。今後とも御協力願つて開拓地に対して補助を獲得したい、かよう考えております。
  37. 小林亦治

    小林亦治君 是非ように願いたいのですが、まあ五条はなきにまさる程度のもので確定的な期待は寄せられないと思いますが、おつしやるよう運用の上において第五条が真先に考慮せられるような配慮をお願いしたいと思います。これは希望です。
  38. 島村軍次

    島村軍次君 従来の小水力五百キロの問題は、今後電気事業者との関係或いは通産省等関係ちよつと聞き洩らしたかも知れませんが、五百キロに限定をした発電施設というふうになるのですか。或いはもつと幾らでもやれると、こういうことですか。
  39. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) 通産省のほうでは五百キロということに限定したく思つてつたのであります。併しそれでは折角六百キロできるところへ五百キロよりできないというので無駄な経費をかけてもいけないというのでその枠は撤廃いたしまして、農林当局通産当局とよくその点は話合つて施設に対する監督は殆んど向うがやるのでありまするから、それで通産省に対する話はまとめております。
  40. 西山龜七

    西山龜七君 これまで小水力で許可を得て融資を受けておるものとこの法案との関係、又この法案が通過しましたときにそれらのすでに借入をしてやつておるものに対して何か関連している面がありますか。
  41. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) 大体において今までのは一年据置十五年、年七分五厘の規定で以て小水力ができ上つております。ところがそれでは電気事業者との関係、要するに年一割の四十カ年償却というような、電気事業者の長期に亘る金融とは太刀打ができません。故に相当いものになつております。故にそれのバランスのとれるように三年据置の二十五年の年六分ということにしたのでありまして、要するにそれを書替をして今までのものがこの法律が制定されますと、これに書替ができ得るという考え方を以てやつております。
  42. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  43. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて下さい。
  44. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 これは私は事務当局から承つたほうがいいと思うのですが、ごく概略的な数字でいいんですが、今までやつておいでになるところの小水力ですね、これの経費発電施設のうち土木費機械費とがどういう割合になつておりますか。ごく大まかなパーセンテージでも何でもいいです。ごく簡単なもので結構です。
  45. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) この前御配付いたしました参考資料の二十七頁を御覧になつて頂きますと、これはまあキロワツトの発電の場合の大体の一例的なものでございまするが、それにつきましての建設費の内訳が書いてございまするので、それによつて御覧おき願いたいと思います。
  46. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 この数字は又私はあとで詳しく見せて頂きたいと思いますが、これが小水力でない、ほかの大きな発電との関係がどんな比率になつているか、傾向でも何でもいいですからごく大まかに一つ
  47. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 料金のほうにつきましては二十一頁に書いてございますが、今の建設費の点につきましては大体この平均によりますと、小水力のほうが土木費の占める割合は少いようであります。なお詳細は課長もおりますので課長から説明をいたします。
  48. 江川了

    説明員江川了君) 只今経済局長説明を補足いたしますと、それは観念的に申上げますと、大体メーターの落差を得るための水路というものの長さが小水力の場合は非常な落差の得やすい所でございますので、大水力の場合の半分ぐらいで済んでおるようでございます。そういう関係から水路費なり或いはそれに関連した土木費が少くなつて来ておるとかよう考えております。
  49. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 私はそれよりももつと機械類のほうに大きなフアクターがあるのじやないかということを、実はこれは早稲田の理工科先生で小水力をやつておる人がそれを非常に主張しておるのです。むしろ発電機だとかそういつたもののコストが非常に高い。で土木費水路費はそういうものではないということを言つておられるのですが、それは本当ですか。
  50. 松田鐵藏

    衆議院議員松田鐵藏君) 大体電気事業者のやつておるものは、一キロ当り十二、三万円あればできるというようなことを言つております。これが二十万円ぐらいかかるのです、小水力でやりますというと。そういうよう関係会社の経営と協同組合の経営とでは経営主体によつて非常に安くなつて行くわけであります。だがそういうようにして二十万円もかかるものですから、それの償還というものに対して思いやりをしてやらなければならんというので、三年据置の二十五年、年六分にしようという考え方を以て実は法案を作つたわけでございます。
  51. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 私はこの法案は誠に結構なことであると思います。こういうことで推進されるということについては農村のために非常に大福音であります。この点は非常に提案者に敬意を表するのでありますが、ただ現実の問題として私の調べた範囲内で似て、又施行面で以て或いは計画面で以て非常にロスが多いのじやないか。はつきり申上げれば、私は小水力の問題について前から関心を持つてつたのだが、発電機だとかそういうものの一キロワツト当りのコストをずつと地方の人たちに聞いて調べたことがあるのです、すこぶる高い。なぜ高いかというと、これは大きなものは安いにきまつておるのです。その小水力でやる場合にまあごく簡単なことを言えば、発電機一つ作る、例えば百キロの発電機にも鋳型から何から皆同じ過程を通らなければならない、五万キロの発電機を作るにも同じことをやる、それは全く同じことなんです。私は日本の国ではもう小水力日本の将来の私は動力源の解決の大きな途じやないかということを考えておるのですが、そういつた場合に従来のようなやり方ではコストが非常に高くなつていけないのじやないか、コストを下げるためにはやはり無理をしておるのですよ。落差と水量とそれからそういつたようなもので同じ発電機で以てできるよう発電所を、これを三カ所なり五カ所なり同時に作れば非常に安いものができる。  それからもう一つ従来小水力の最もいい地点はどういう所かといいますと、私が見ておるところでは土地改良方面でやつておる揚水事業一等いいのじやないかと思うのです。従来これがちつとも考えられておられなかつたのじやないかという気がされるのですが、これは最もコストを安くする問題として大事なことじやないか。それで農林省の事務当局にお尋ねするのですが、この十一条でそのことが書いてあるのですが、具体的にどういうことをおやりになるのか、具体的な例でも何でもかまいませんから承わりたいと思います。
  52. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) お話ような点は確かにございまするので、例えて申しますと設計などにつきましても、従来農林省が全面的に指導をする態勢が整備していなかつたのでございますので、今回は来年度あたりからできますならばそういう面の指導と申しますか、相談といつたようなことが十分できまするような措置を来年度の予算において講じたい、かよう考えております。  なお十一条の点につきましては、一般的な例といたしましては、栃木県の黒磯で用水路施設いたしまして、非常に簡単なことで小水力発電をいたしておる事例もございます。さようなことを今後計画的にやつて行きたい、かよう意味合でございます。
  53. 東隆

    ○東隆君 今のお話計画一つの契約の中に入れてやるというお話なんですか。それで例えば補助事業の対象として、電気工事まで補助事業の対象に移すというようなお取計らいはできないのですか。
  54. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) そこまでは実は考えておらないのでございまして、お話よう計画を作るときに、発電ができるような地点でございますれば、水力発電といつたようなことと併せてこの灌漑施設計画作つて頂くということがよかろうということになりまして、かよう規定があるのであります。
  55. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 私は時間も何だから、えらい詳しいことをこれから申上げませんけれども、開拓地に対する電気導入に対して補助金を出しているのです。だから同じ農村の電化のためにやる水路事業、そういつたものに同時に、農村のためにやる電気は当然僕は将来これは考えられていいのじやないかという気持を持つておる者の一人なんです。で将来適当な機会に農村というものを私はそういうふうに考えて行かなければ、本当の総合したコストの安い、いい電気事業というようなものは起らないのじやないかということを私は考えておる一人なんです。将来そういうことを考えて頂くように希望だけ申上げて私の質問を終ります。    〔委員長退席理事三橋八次郎委員長席に着く〕
  56. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 昨日も問題になつようでありますが、第四条の中に、第三号電気事業者に対して負担する工事の負担金、これは一体どのくらいのものであるか、御研究ができておつたならば御説明願いたいと思います。
  57. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 只今までは、この工事負担金につきましては融資も助成もいたしておりませんので、具体的な事例も実はございません。どの程度の金額になるか詳細わからないのでございますが、ただこの法律関係につきましては、電気事業者の監督の面から只今工事負担金の基準はございます。基準はございまするが、農村でこういうことをやりまする場合に、どの程度の所要資金になるかといつた計算を実はしてございません。
  58. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 第五条のことでさつき質問があつたようですが、どのくらいの補助を出される予定であるか、率か何かわかつておつたならば御説明願いたいと思います。
  59. 小倉武一

    政府委員小倉武一君) 現在今年の予算におきましては、金額はまだ僅かでございまして二千八百万円くらいでありまするが、その補助率は三十分の八であります。
  60. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 質疑が全部終つたとは考えませんが、時間の関係もございますから質疑を打切り、討論採決をして頂きたいと思います。お諮り願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  61. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) よろしうございましようか。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 別に御発言はないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 御異議いものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  64. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私は本法案には双手を挙げて賛成でございますが、次に一言申上げて賛成いたします。  本案は非常な重要な法案であり、これが通過いたしまして満足に事業が施行されますと、日本全体の農漁村はおかげさまで明るくなると思います。そこで今後事業をいたしまする関係で一番に問題になりますのはそれの融資の問題だと思いまするから、予算関係もございますが、政府は大努力をしてこの事業の支障のないように、予算確保に御努力を願いますることをお願い申上げまして本案に賛成いたします。
  65. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私も本法案の成立には心から賛意を表しておるものであります。  特に私はその農山漁村で現在まで無燈部落がたくさんあるということは誠に気の毒であり、これだけ文化が進んだ時代において一つ日本の恥であるとさえくらいに考えるものであります。そこで折角こういう法案ができるのでありまするから無燈地帯の解消ということに十分注意を払つてもらいたいと思うのであります。それで殊に開拓地関係には補助も出るようでありまするが、まあ予算でいろいろ制約される点もあり、又経済効果というようなことを考えたり、或いは又この無燈地帯のごときは非常にその地方の声が弱いのでありまするが、ややもすれば力の強い方面に動力導入であるとかそういう方面に予算の主力が注がれるようになつては残念と思いまするので、無燈地帯の解消ということに十分留意してこの法の運営を図つて頂きたいということを要望いたしまして心から賛成するものであります。
  66. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) ほかに御発言はございませんか。……別に御意見がないようでございますので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 御異議いものと認めます。  それではこれより採決に入ります。農山漁村電気導入促進法案を原案通り可決することに賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立〕
  68. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 全会一致でございます。よつて本案は全会一致を以ちまして可決すべきものと決定されました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続については慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされましたかたは順次御署名をお願いたします。  多数意見者署名     東   隆 池田宇右衞門     石原幹市郎  小串 清一     西山 龜七  宮本 邦彦     楠見 義男  島村 軍次     藤野 繁雄  羽生 三七     小林 亦治  岡村文四郎   —————————————
  70. 島村軍次

    島村軍次君 昼前でありますが、私はこの際特に、昨日委員会に経過の報告のありました海岸保全法案に関する問題について提案をいたしまして皆さんの御賛成を得たいと思います。  それはこの法案は議員提案になつてつて発案準備が進められておるのでありますが、昨日の経過から考えますと建設省との間の関係がまだ調整が十分できてないということでありまするが、当委員会におきましては例えば湖沼の所管、或いは公有水面の埋立法による施行以前のものに対する県管埋のものを除いた農林省の主張は、長い間の調整の結果ここに現われたものと認められて、海岸保全法案は目下立案中の法案を基礎にして提案されるようにそれぞれの手続を当委員会において御決定の上、適当な案文を作られて申入をされることをこの際提案いたします。
  71. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) 只今島村さんの提案になりましたことにつきまして如何取計らいましようか。
  72. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 この海岸保全法案は昨日も農林当局から経過の説明がありました通り事務当局ではどうしても解決できない法案であります。それを政治的といいますか、大体の一応建設、農林両省が九分通りの了解を得てできた法案なのです。ところが引かかつておる内容は海岸というものの管理権の所属の問題と、それから農地の重要性といいますか、この二つの問題がからみ合つてなかなか難航しておる問題なのです。けれどもそういう内容でありますが、実際はどつちが主体になるかというような問題になりますと、これは恐らく現在の行政機構がそのまま行われておる間は解決のできない問題じやないかと思います。けれども日本の実際の海岸の状況只今説明のあつた通りに一日もおろそかにすることのできない、而もこれが何ら法律的の根拠のないままに現在は施行しておるというような状態なんで、出先で以て非常に混乱が起つておるという現実を無視することはできないじやないか。従つて今日最も大事なことは早くその問題を解決することであり、その問題を解決するためには法律案が早くできるということじやないかと思うのです。比較的建設委員会のほうのかたがたは建設省方面の意向に対しては相当遠慮されておるようでありますし、そういう風潮が見えるのでありまして、この法案を早いく通したということに対しては同じような意向なんでございます。そういう意味合からも本委員会からそういう申入をすることによつてこの法案扱い方が非常に促進されるのじやないかということが感ぜられるわけなんです。従つ本委員会からそういう申入れをするということは非常に大事なことじやないかと思うのです。是非そうお取計らいを頂きたいと思う次第でございます。
  73. 三橋八次郎

    理事(三橋八次郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕    〔理事三橋八次郎退席委員長着席
  74. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて下さい。  午前中はこの程度にいたしまして休憩いたします。    午後零時三十八分休憩    —————・—————    午後三時六分開会
  75. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 休憩前に引続いて、これより開会いたします。貨物運賃等級改訂の件を議題に供します。
  76. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 参議院の運輸委員会の附帯決議といたしまして、昨日生活必需品の運賃の値上りを賃率の約一割値上を含めて二割程度以下にするようにと、こういう決議がございました。それからそのために財源が不足するのであれば、贅沢品、嗜好品等で運賃の値下りとなるものについては、現行運賃の額を限度として適当に調整したらよろしいと、こういう決議がございますので、国鉄といたしましてはその決議を尊重いたしまして措置するよう只今考えております。  その附帯決議の際に、生活必需品目を木炭、薪、加工炭、大豆、生甘藷、生馬鈴薯、生大根、生野菜、たくあん、野菜塩漬、こんぶ、砂糖、酢、味噌、めん類、かように御指定になりましたので、これらにつきましては決議の趣旨に副いまして措置をいたすつもりでおります。  この附帯決議をされる際に、国鉄の収支関係を詳しく決議の前に国鉄側から説明をいたしたのでありますが、以前から申上げております通り、不増収、不減収を建前として参つております。先週の何日でございましたか、ちよつと忘れましたが、鮮魚、木材に対する措置を際きましての総計が四千二百五十三万トンキロの減収になつておるのであります。四千二百万トンキロと申しますと約一億円でございます。大体一トンキロが二円四十銭になつております。約一億円の減収、それから更にその次に鮮魚、木材等に対する措置を講じましたので、これが一億、二百五十万トンキロでございます。金額にして約二億五千万円程度でございます。ということで合せましてはかなりの赤字になつておりますので、国鉄側といたしましてはこれはこれ以上の赤字は困るので、生活必需品の値上りを二割程度に品目を上げるといたしましても、二割程度に抑えることによります減収は非常に困るという御説明を申上げたのでありますが、その結果として、それで困るなら酒、たばこというようなものが非常に値下りになり、一割値上げにもかかわらず値下りになつてしまう。そうういようなものを見返りに上げらいいのではないか、こういうお話でありました。そうして只今生活必需品の品目を申上げましたが、それらにつきまして約二割見当にとどめますと、その減収が三億ちよつと切れるくらいでございますが、まあその見返りといたしまして酒、たばこを上げる、これは三割引上げることはできないのでございますが、極力運賃の額の範囲内で成るべく余計頂くようにしてやつて行こう、こういうふうに考えておるわけであります。その実質の各品目につきまして、それではこれを何ぼにするという計算は、昨日の決議でございますので、今日まだ精密な計算をいたしていないような実情でございます。
  77. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 食糧農産の基礎資材である肥料、農機具、農薬のようなものは大体二十二級のように承わつておるのですが、その農機具の中に噴霧磯が含まれておりますか。おらないように承わつておりますので、それについて含まれておるかおらないか承わりたいと思います。
  78. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 先ほど申上げましたように、細かい品目を整理しておりませんので、今までの表に落ちておりましたが、今後は農機具の中に入れるようにしたいと思います。
  79. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の滝井さんのお話の問題は、含まれるか含まれないかという問題じやなしに、農機具なんですね、噴霧機は。それで含まれるか含まれないかということはおかしいので、農機具として一つの標準がきまつておるならば、当然それはその等位の取扱いを受けて然るべきなことで、伝え聞くところによりますと、運輸省のほうで噴霧機は消火器だから農機具じやないというような話を承わつておりますが、そんな馬鹿な非常識なことはないだろうと言つてつたのですが、運輸省どうなんですか。
  80. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 実は私そこまで研究して見ませんでしたから、よく研究して参ります。
  81. 楠見義男

    ○楠見義男君 その問題は、今申上げたように運輸省のほうで噴霧器は消火器で農器具じやないというようなことを言つている向きもあるというようお話を実は聞いた。そんな馬鹿なことはないじやないかということで、我々まあ少し常識を疑つたわけなんですが、確かにそういうお話が出ていることは、火のないところに煙が立たないのだから、よく気をつけて頂きたいと思う。(笑声)  我々こういうふうに理解していいですか、今の運輸委員会の附帯決議の件は、先ほどお話のあつたように、できるだけ運輸省としては尊重したい。実はこの農林委員会としての要望も大体こういう程度であつたわけなんですが、これは運輸省としては国会、参議院の運輸委員会の附帯決議を尊重するということを先ほどお話になつたのですが、そういうように我々も了解して  いいわけですか。
  82. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) その通りでございます。
  83. 島村軍次

    島村軍次君 只今お話になりましたうちで、畳表、茣蓙は国鉄案になつたということは結局どういうことですか、ちよつと大別を……。
  84. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 国鉄の案は、四級の減トンが二トン、三トン、小型二トンの中型三トンとございます。そういたしますと指数が八八になります。そうして畳表は特に長距離輸送が多いのでありますので、そのうちの北海道に対しましては特に割引をしたい、こういう案になつております。それで農林省は御了解になつておる、ういうことでございます。
  85. 島村軍次

    島村軍次君 只今の問題については、いろいろ折衝の経過について御存じの通りだろうと思うのでありますが、長距離の北海道だけにとどめたということに対してのお考え方を少し伺いたいと思います。
  86. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) まあ産地が大体本州の地方にあるわけであります。特に輸送距離が長いのが北海道、こういうことで、その程度と思いまして決した次第であります。
  87. 島村軍次

    島村軍次君 この藺製品についてはいろいろ論議もあることをだと思うのでありますが、現在御承知の通り三百万戸の住宅不足がある、それから特に大衆の生活必需品としての畳等は、まだ戦争以来一遍も替えてないというような情勢下にある。而も値段はこの頃非常に下落して、これはやがて生産農家が現在の値下に喘いでいるのに、更にこの運賃値上によつて叩かれることになる。農林省のお骨折に対しては非常に敬意を表するのですけれども、北海道にとどめるということばかりでなくして、これはむしろ、かくのごとき住宅の不足しているような土地に対しての運賃は、当分の間、住宅の問題の緩和のために当分のうちこれを引下げるという措置にやつてもらいたいということを、特に希望いたしたいと思うのでありますが、これに対する御意見一つ
  88. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) まあ各運賃につきまして御要求は非常に多いのでございますけれども、全体の振合いとかいうことも考えまして、この程度にお願いしたいと思つておりますのですが、御意見の点は十分研究いたしたいと考えます。
  89. 島村軍次

    島村軍次君 最後に、それでは強い希望を申上げておきます。この藺製品の取扱いについては、いろいろ従来のいきさつは必ずしも鉄道当局の心情の及ばなかつた点があると思います。私のところも藺製品の産地でありますが……併し現在は栽培反別が非常に増加いたしまして、そうして品質本位でやつている。而も今年は生産費を割つておる。寒中に植えてそうして夏一日数百円の労力費を出してやつておる。普通の労力費の三倍ぐらいやつておる。従つて本年度は非常な減反を来たさんとするような状態でありまするので、特にこの問題については国民経済の上から只今申上げたような立場から、当分のうちでも一定の住宅問題の緩和、或いは大衆の生活にマツチするよう一つの措置をこの際早急に考えて頂きたい。こういうことを強く要望いたします。でき得れば近いうちにその措置が講ぜられることを希望いたしまして、質問を打切ります。
  90. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私は今初めてでなく、輸送課長にも大分文句を言うたことがありますが、このでん粉の運賃というのが高いというので下げてもらいたいと言うたが、逆に上つておるのです。それはどういうわけか、その理由から聞いてかからんといけない。どういう理由で上げたのか。
  91. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) でん粉は今回四級というように査定されましたのでありますが、これはトン当りの価格関係でこういうところに格付けされたわけであります。ただ我々といたしましては、北海道のでん粉は非常に長距離に輸送されます。運賃負担も相当きついことはよくわかつておりますので、本州向けのものにつきまして一割を引きまして、極力負担の軽減を図りたいと、かように思います。
  92. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 トン当りの価格関係でこうなつておるというお話ですが、本州の甘藷でん粉は距離も近いし、それでよいとも考えるふしもある。それでもいかんと思いますが、北海道は割引をされておりますが、ただ生産費に間に合わなくて非常に困つておりますが、やつと去年から引続いて、去年産の、即ち二十六年度産のものも、二十七年度産のものも、国が最低価格の保障といいますか、そういうことにしてまで生産費を維持させようとして努力しております。これはおよそでなくて、現実にそれをやつておりますから間違いございませんが、農作物の、でん粉をこうしたのでは、とてもいかんと思う。これは相当荷物も多いのでございますから、これは下げると大きいという御意見もございましようが、でん粉となると非常に何か高級品であるような感じがしておるようでありますが、本来ならばこれは農家がでん粉にするのが、これが建前であります。そこででん粉にしなければならないのでございますが、場合によりますと、いもを売つてしなければならん場合もあります。そうすると、こんなことじやとても方法がつかない、現在でも非常に困つておりますし、価格そのものも安くて生産費に間に合わないのでありますが、それを又運賃がなかなか一トンあたりにすると相当価格になりますから、それでもう今でさえ困つて何とかしなければならんと思つておるのに、運賃そのものがこう上つては方法がつかない。そこで問題は遠距離でありますが、北海道のでん粉の大半は一応小樽、釧路に集結します。その分の運賃は割引になりせん。そこで更にそこから積めば割引になりますが、そういうことで小樽から本州に向ける場合にはこれは勿論距離数も多くなりますし、当然割引になりますが、道内輸送の小樽、釧路に集結する、そのでん粉は恐らく内地の甘藷生産地から全部東京へ集められるより距離が長くなると思います。そういう関係で、私たちも損害をこうむるのでありますが、どうしてもこれはこのままでは方法がつかんので、下げてもらわなければならんと思います。課長にお願いしても、課長のほうで、これはどうもここで即答ができない、こういうふうなことを言われると思いますが、こういう査定をするのは物事を知らんにもほどがある。僕はそう言つてあるのだが、なかなか……、知らない人は聞いてくれればいいが、知らんでやるからこういう結果が出る。下げてもらいたいということは、僕は去年も行つて局長にも頼んだ。その後も下らないで、どうもこれは非常に困るので、そういうことでなしに国が買上げ価格を保障しようとして、価格の調整をしようとしているのですから、安くなるにきまつておる。生産貸を維持する程度にしたいと思つておるのですが、現在の価格では維持しておりません。そこで来年からは耕作方法が現在の価格に売れるような生産をするように督励をいたしておりますが、なかなか思うように行かんでおります。そこで運賃だけが依然として下らん。そのままでおるとか、或いはむしろ上つておるというようなことではならんと思います。今申上げましたように、北海道の小樽、釧路に集結するそのときに相当運賃を取られる。大体産地が北見と十勝の方面でありますが、大産地の北見なんかはこれは小樽に持つて参りますと、御承知のよう相当の距離がございますが、当然割引も何もないそのまま通りということになるのですから、これはどうしても変えてもらわなければいかんと思いますし、ここで駄目ならどこにねぢ込んで行けばいいのか。教えてもらつたら、そこへねぢ込んで、断じて駄目だと、こういうことをやろうと思いますが、どうなるか回答願いたいと思います。
  93. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) でん粉につきましては甘藷、馬鈴薯を含めてでありますが、農林省としては生活必需品の中に入れてもらいたいという要求をしたのでありますが、直接食料品になる部分が少くて、まあ加工原料になる分が多いというので、議論をはてしなくやつてつたのでありますが、甘藷、馬鈴薯のでん粉を含めて長距離割引、北海道のものも勿論でありますが、七百五十キロ以上のものについて長距離割引をやるというので、まあ妥協したような次第でありまして、一割というと、大体五級が四級の百十の一割引ですから、百の等級と同じものになり、近距離のものだけがまあ変らないと、こういう格好になります。先ほど貨物課長からお話がありました等級の分け方から言つて、減トンでも承知できないし、価格でも承知できないので、まあ影つて遠距離割引で妥結したような次第であります。
  94. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 どうも喉元過ぎれば熱さを忘れるというのが日本人の悪い癖で、どうもそれから直してかからなければなかなかうまく行きません。そこででん粉というものが食糧でないという観点で万事ものを行いまするから、農林省にしろその他のところでもいろいろ間違いが起つて来る。それで国鉄のほうでは送りさえすればいい、あとは何も関係がない、こういう考え方であるかも知れないが、そうではない。国鉄におつても、農林省におつて日本の食糧というものに重点を置いていつも考えて行かなければいかんと思うのです。そこででん粉は今こそこうだけれども、戦時中いも作つてもらつて食つたことは忘れて、でん粉になつたからどうでもいいのだと考えることが、どだい日本国民の誤りなんです。僕はどうしてもそのでん粉を維持して、そうしてなくしないようにして行かなければいもはなくなる、でん粉もなくなると思うのです。いもがなくなるというので、甘藷、馬鈴薯を政府に頼んで、政府は前申しましたように、食糧政策のためにどうしても維持して行かなければならんものだというので、いろいろ議論もございますが、食糧特別会計で最低価格を保障されたような形ですが、法律も何も設けないで、そうして食管の長官や農林大臣の側から見るとこれはなかなか英断です、そうして維持しようとしておるのですから、それを国鉄の運賃の等級が違うのだからこれはでん粉だから高く取つてやろうと、そういうあさましい考えでやつておることが日本の大きな欠陥なんです。本当に日本の国に住んでおる者は日本の国に住んでおるようなつもりでなければ駄目だと思う。その場だけのいい加減なことを言わないで、僕は本気にその気にならなければ駄目だと思う。これは断然下げてもらわなければいかんと思う。あなたのほうで、官房長は、本省の役所だからよく考えて見て、これはいかんことだ、これは駄目だ、こういうので立入つてよく考えてみるべきなんだ、このままでは駄目だ、どんなことがあつても承服できません。ですから僕はこれを下げるためなら何でもやる、どこに行つても下げるようにやります。一つ根くらべをしてもやらなければ駄目です。こんなことでは申訳ない。政府の施策に準じて運賃を下げたということならわかるが、依然としていもだけ上げておる、そういうことではどうにもならん。大豆はずつと下つております。が、これはおかしいですよ。雑穀と大豆とどう考えるかわからんが、どうも甚だ規格が面倒になつているから言いはせんが、でん粉だけ、甘藷でも馬鈴薯でもどうしてこう上げなければならないか。菓子と同じ話をしたが、菓子は今度は上つておる。ですから卵より高い、そんなことはわからないので、でん粉というものは農家の生産するもので、今まではその作つたものの処理としてでん粉にしておるが、いざとなつたら国民はこれを食うのだ、こういうことを常に頭から離さんように万事日本の役所におる人は考えてもらわんと、ただ繩張り争いでやつておつたんではできません。繩張争いが日本の国の滅亡のもとなんです。併し目を見張つて重要なものは重要なように取扱つて行かなければならんと思いますが、でん粉の運賃だけは私は誰が何と言つても承服できませんし、こんなことでは困ります。官房長においても一つ頑張つて、ここで何とかしてくれ、これではどうも駄目だ、こう一つつてもらいたい。そちらの貨物課長には去年暑いのに行つて頼んだことがある。あなた覚えていると思うが、それをまだ営々としてやつてつてもどうにもならん。だからどうしてもあなたも下げるように努力してもらわなければならない。局長は御意見よくわかつたと言いますけれども、よくわからんで言つておるらしいが、どうしても下げてもらわなければならん。二人で御努力を願つてちよつと来いというなら私は本当に行きます。誰にでも対決しますからそのつもりでこれは下げてもらわなければならんと思いますからよく申上げておきます。
  95. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 御趣旨の点はよくわかりましたから今後よく一つ努力します。
  96. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 頼む、頼む。
  97. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 農薬と肥料の等級はどういうふうになつておるわけでございますか。
  98. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 農薬は二十一級でございます。指数八十五でございます。肥料は二十三級で、油粕類については必要なものは減トンをつけております。
  99. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 肥料と農薬とは等級が違うようでございますが、生産資材というようなものは事の重要性から考えますると、肥料と農薬と同じような等級にしてもらつたほうがいいと思うのですが、その点のお考えを伺いたいと思います。
  100. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) みんな運賃がただなら一番いいと思いますが、農薬につきましては現在の運賃よりも相当下りますので、まあ国鉄の立場もありますし、この程度で妥結するのが穏当じやないかと、こういうので八十五で妥結したのでございます。
  101. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 運賃が下れば結構なことですが、下つても上つてもこれは肥料と同じ等級にならんというのがどういうところにその理由があるのかということをお伺いしたいと思います。
  102. 渡部伍良

    政府委員(渡部伍良君) 等級審議会の答申の第一の三項によりますと、生活必需物資並びに特定産業に急激な影響を及ぼすものについては特別の調整を加える、こういう条項があるのでございまして、それからもう一つは、第一の第一項でしたか、類似貨物との均衡、こういうようなのがあります。そういう条項によりまして、先ず類似貨物というので、まあ肥料と農薬を、同じ生産資材であるから、近づけたいというので、それでどの程度近づけるか、こういう問題になりますが、それは先ほど申上げましたように、一挙に下げることは国鉄の収入に相当影響を及ぼすということから、この程度に下げれば先ず我慢しなければいかんのじやないか、こういうふうに考えたのであります。
  103. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 今の御説明を伺いますると、同じように取扱うという根拠においては認めるが、国鉄のほうの都合でというようなふうに話があつたのでございますが、肥料というものの中にも、炭カリとか或いは石灰類というような間接的なものが入つておるのでありますが、そういうよう意味から考えますと、これは運賃の上り下りは別といたしまして、少くとも肥料と同じような等級にしてもらうのが妥当ではないかと思うのでございます。国鉄のほうから一つ
  104. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 只今農林省のほうから御説明がありました通り飼料につきましては、私どもの当初の案は肥料と飼料とはやはり性質が違うということを考えまして、肥料のほうは最初から二十三級にはめております。飼料は肥料とつまり似ておるが、性質は似ておるが、違うというようなことで、二十一級を最初当てはめてみたわけです。そういたしますと、非常に運賃が上りまして、審議会の答申にあります急激な変更ということになることを虞れまして、逐次調整をいたして参りまして、ものによりましては、二十三にまで下つて来るものもあるのです。併し建前は、やはり肥料と飼料は違うということとを今建前にはいたしておりますが、その値上りを極力少くしようという意味におきまして、最終案では或るものは二十三になり、或るものは二十二になつておる。こういう恰好になつております。主なものは二十三がむしろ多いような恰好です。
  105. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 今主として農薬についてお尋ねしたのですが、主なものが二十三級になつておるとすれば、なお更農薬などは二十三級に入れて頂くということが至当だと思うのです。それを二十一級にしておるということはどういうよう理由ですか。
  106. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 農薬は従来こういう政策割引運賃をしておらなかつたのです。それを今回農林行政の面から、肥料、飼料等と或いは農器具等と考えを同じくして、やはり重要な公共性の強いものとして扱わなければいかん。こういう御意見でありましたので、私どものほうでそれを入れまして、特別等級のほうに編入をいたしたのでありますが。これも従来がかなり高いところにありましたので、下にあつたものが上に上る場合には余り急激にはしないということで、上にあつたものが下に下るものもまあまあそう急激にはしまいということにおきまして、二十一に当てはしめるのが穏当じやないか、これはやはり理窟なんかとも考え合せましてそういうように落ちついた次第であります。
  107. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 よくわかりました。急激なる変化を避けるために、二十三級に下げるのが至当であるけれども、二十一級にとめておいたと、こういうように承わりまして、農薬の重要性は十分認めて頂いておると考えるのでございますが、併し、先ほど申上げましたように、生産資材としての重要性は肥料などとはそう大差がないのでありまして、肥料の二十三級の中に入つておるものの中でも、炭カリその他のものが入つておるということを考えますると、これは当然肥料並みに二十三級に下げて頂くのが至当だと思うのでございますが、併し、急激な変化というようなことによつて、こちらのほうの御都合でというようなことでありますれば、いずれこれは下げて頂くというような機会があれば下げて頂けるものでございますか、どうですか。
  108. 遠藤鉄二

    説明員(遠藤鉄二君) 今はつきりとお約束はできませんけれども、十分御意見を尊重いたしたいと思います。
  109. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  110. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて。
  111. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 これは運賃につきまして、数量の少いものは少々高くても安くても我慢できると思うのだが、私の言つておるのは、でん粉なんか非常にかさばる。だから近くの小樽まで送つて、小樽で売つた人はちつとも割引はなくて高くつく。仲買人が得をする。それから内地に送る分には少し一〇%ですか、一%ですか割引がございますが、そういうわけででん粉というのはどうしても引いてもらわなければならん。下げてもらわなければならんと思うのですから、農林省と国鉄のほうで協力して、必ず下げてもらうよう協力してもらうことを希望申上げておきます。そこで、お役所ばかりでいかんならば、出て来いと電報でもくれればいつでも出て来ます。何日でもいますから……。そこで、必ず下げてもらうように努力して頂くことをお願い申上げておきます。
  112. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 鉄道運賃の問題は大体質疑はこの程度でよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それではこれで鉄道運賃関係の問題は質疑をとりやめておきます。   —————————————
  114. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それからかねて急傾斜地帯農業振興対策に関する件で、政府申入れておりました問題について只今内閣総理大臣から委員長宛に答申が来ております。読みますから。
  115. 安樂城敏男

    ○専門員(安樂城敏男君) 朗読いたします。   昭和二十七年十二月二十四日     内閣総理大臣 吉田  茂  参議院農林委員長 山崎恒殿    急傾斜地帯農業振興対策に関する件   去る十二月十六日附をもつて申入れの標記の件に対する報告書を別紙のとおり送付する。  (別紙)  ○第十三回国会において成立をみた急傾斜地帯農業振興の必要をみとめ本法の目的とする当該地帯の土壌保全及び過重労働の軽減乃至解消のため農地保全並びに索道及び農道に付き補助金一億四千万円の予算を本年度補正予算に計上した次第であります。   しかしてこの内農道の補助率につきましては、この地帯の特異性に鑑み、一般の農道に対する補助率が現在の所二割であるのに対し、急傾斜地帯においては特に傾斜度が大きく、且つ、地形上工事費が多大を要する農道については、当該地方の地元負担の限界等をも考慮して、五割補助の措置も講じ得ることとし、平均四割の補助率に引上げたい所存であります。
  116. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記をとめて。    〔速記中止
  117. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて。それでは休憩いたします。    午後四時一分休憩    —————・—————    午後七時三十七分開会
  118. 山崎恒

    委員長山崎恒君) では休憩前に引続きましてこれより開会いたします。先ず飼料需給安定法案を議題に供します。提案理由説明を求めます。
  119. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) それでは只今議題と相成りました飼料需給安定法案に関して、提案理由を御説明申上げます。  飼料の国内需給の現状をみまするに、供給量は需要量に対しまして、相当の不足を告げておりますために、その価格は必ずしも低廉とは申せないのであります。特に一部の主要飼料については、生産と消費との時期に、ズレがあつて価格の季節的変動が署しいのであります。又、飼料の輸入に関しましては、国内価格の安定に欠くるところがあつて、民間輸入は至つて低調な状況であります。  而して、畜産業の現状よりいたしまするに、専業者は勿論、一般有畜農家におきましても、自給飼料の生産は未だ十分でなく、経営の中において占める飼料購入費の割合は極めて大きく、飼料価格をできるだけ低位に安定しなければ、その発展向上をみることは至難と存ぜられるのであります。政府が現に実施中の畜産振興計画におきましても、飼料問題の解決なくして、その完遂は期せられません。  以上申述べました事情の下において、飼料価格を安定し、引下げまするためには、如何なる方法を採るべきか、といいまするに、先づ、何よりも、供給の絶対量を増加することが肝腎であると思うのであります。従いまして、当面のかような要請に応じ、政府は、食糧管理特別会計をして輸入飼料の買入、保管及び売渡を行わしめ、飼料の需給及び価格の安定を図り、もつて畜産の振興に貢献せしめようとして、本案を提案することといたした次第であります。  次に法案の主要な内容を申上げます。  先ず、政府の買入対象は、農林大臣が飼料の用に供するものと認めた輸入にかかる麦類、ふすま、とうもろこしその他農林大臣の指定する飼料といたしております。  而して、輸入飼料の買入価格については、別段の規定を設けておらないのでありますが、政府所有飼料の売渡価格に関しましては、国内の飼料の市価等を参酌し、畜産業を安定させることを旨として農林大臣が定めまする予定価格によらしめることといたし、でるだけ安価な飼料供給するよう期待したのであります。  而して、飼料の需給が逼迫し価格が著しく騰貴しました場合の特別の措置としまして、政府が所有する小麦を売り渡す場合、相手に対して、その小麦から生産されるふすまの譲渡又は使用について、時期の指定、価格の制限等の条件をつけうることとしたのであります。なお、本法の適正な運用を図りますために、農林省に、飼料需給安定審議会」を設置せしむることといたしました。  以上が、本法案の概要であります。  何分夜分で大変お疲れのところ恐れ入りますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決を賜わらんことをお願い申上げる次第であります。
  120. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは一応法案説明を願うことにいたします。
  121. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) この法案は、衆議院のほうにおきましては、実は社会党、改進党の野党から、飼料需給調整法案提出をいたしました。これに対しまして自由党のほうから、飼料需給安定法案提案をいたされました。前段申上げました飼料需給調整法案は、特定飼料を農林大臣が指定をいたしまして、特に政府が所有しておりまする小麦を売渡す場合生じますふすまを飼料として買上げを行い、更に又輸入飼料を取扱おうとし、必要な売渡についての規定を設け、その公正を期するために、飼料需給審議会を設置いたしまして、円滑に運営したい、こういう案でございます。一方自由党のほうからは、現在飼料が国内におきましては僅か二十万トンから二十五万トンぐらい輸入すれば国内市場価格は安定し、需給の円滑を図るということから、主として輸入飼料の買入、保管、売渡すことを目的にして作つてつたのであります。そこでこの両案が委員会に附託をされて参りましたので、委員会としましては、両案の持つておりますそれぞれの内容を検討いたしまして、そこで飼料需給安定法案を骨子といたしまして、先に申しました需給調整法案の中に重要に取上げております。政府所有の小麦を売渡す場合の相手方に対して、その小麦から生ずるふすまの処置について一応の規定をきめますことによつて十分措置がとられると、こういうことで大体一応の妥結を見まして、更にこの安定法に対して向けておりました地域的な指定、つまり売渡す場合の地域的な指定、これは第六条に規定してありますが、更に若し政府がこうこういう条件で、こういうふうに売らなければならんとする、売渡しに関する条件がございますが、この条件に違反をしました者についての、罰則的な、懲罰的な規定がない。こういうことから売渡し条件に対する違反をいたしました者に対して、違約金を徴収したり、或は次の払下げに対しての締出しといいますか、或いは除外といいますか、そういう処置を設けることにいたしております。更に又売渡し価格、或いは売渡し先について、品目数量等をそれぞれ公表する、こういう規定を入れました。又売渡す先が、どういうところにそれを今度は処分をしたかという売渡し人に対してその報告の義務を課したのであります。更に又需給安定審議会の構成につきまして、非常に抽象的に大ざつぱに書いてありましたものを、もつと具体的に構成委員をきめる必要がある。特に実需者、つまり消費者であります。消費者の意見というものが常に取上げられないならば困るし、又これが非常に重要な関係にありますので、この点を明確に一つしてもらいたい、こういうことから、消費者代表としての実需者にこの委員会の中に入つてもらうようにいたしたのであります。  なおここに問題になりますのは、輸入の価格については、別に何の規定を設けず、売渡す場合にできるだけこれを安く売渡すというところから、ここに一定の財政的負担というものが生じて参ります。この点につきましては、差当りの場合は、相当食管特別会計において赤字を見込まなければなりませんが、御存じのように国際的な市場価格というものは、漸次値下りの状況にございますので、従つてこの法案が成立し実施されることになりますならば、将来食管特別会計における赤字の損失補填というものも減少するという一つの見通しを立てておりますし、な お又それが非常に大きく赤字になり、又飼料需給の状況が非常に窮屈になつて参りまするならば、政府が所有いたしております小麦の売渡しについて、その相手方へふすまの処置について一定の命令を発動するよう飼料需給審議会を経て行うことになつておりますから、それで大体一応の安定を図ることができるのではないか、とこういうことでお手許にあります飼料需給安定法に一本にまとめまして、本日衆議院に御決定を願つて参つたわけであります。  以上非常に逐条的な説明じやなかつたですが、大要だけ、骨子だけ御説明を申上げました。
  122. 島村軍次

    島村軍次君 飼料の需給調整の重要性に関しては、議論の余地のないところでありますが、ここに問題になりまするのは、結局輸入飼料買入れ及び売渡しに関して政府相当多額な経費を負担するという、別途畜産局の資料から見ましても、八十一億というような価額になつておると思います。只今提案者説明によりますと、価額が下つておるということでありますが、併しこれは必ずしもそれが恒久的なものとも考えられんと思うのでありまして、これらに関して政府当局意見を聞きたいと思います。
  123. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) 外国飼料を輸入いたしますのは、大体まあ政府の畜産局あたりで検討いたしますのは、大体需給から見合つて二十五万トンぐらいが大体輸入されればとんとんでないか。その二十五万トンを輸入いたします場合に、飼料の購入資金として大体八十一億ほど今日の国際価格で所費資金が必要でないか。そこでこれを我が国の国内価格で仮に売ります場合は、大体一割高ぐらいの見当でございますので、食管特別会計の赤字は大体初年度八億弱でないか、こういう見通しのようでございます。
  124. 島村軍次

    島村軍次君 それに関して今政府では大蔵省に対する予算要求はどうなつておりますか。
  125. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 只今提案者から御説明のありました明年度予定しておりまする二十五万トン程度の購入資金を約八十数億食管特別会計に計上するように折衝をいたしておりまして、この法案が成立いたしますれば、食管会計に計上されるものと考えておる次第であります。
  126. 島村軍次

    島村軍次君 従来議員提案の問題については、当委員会においてもしばしば論議されておる通り、なかなか予算の裏付けというものができないのが現状ではなかつたかと思うのでありますが、この点に関して農林省の畜産局長説明はわかりましたが、この際提案者お話のありましたように、夜分遅くなつて相済みませんが、大蔵省当局の出席を求めて、これに対して一応大蔵当局意見を聞きたいと思います。
  127. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) 大蔵当局を本委員会に御招致されることは一向差支えないと考えますが、提案者側におきましても、このことは非常に重要でございますので、折角法案が成立いたしましても、その財政的資金的な裏付けができない限りは、全く死文に等しい法案になりますので、その点については、すでに食管特別会計の一部改正の法律案を出しておりますし、又大蔵当局に対しても、各党とも資金的予算的裏付について十分折衝をいたしておりますので、若し我々提案者側の説明では満足できないといえば別ですけれども、御了承頂きますならば、一つようお許しを頂きたいと思います。
  128. 島村軍次

    島村軍次君 衆議院委員会においても、そういう問題が論議されたと思いますが、大蔵当局の意向をお聞きになつたのかどうか。
  129. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) 一応提案者側のほうにおいて、非公式でございますれども、確めておるわけであります。
  130. 島村軍次

    島村軍次君 この法律案は附則に食管特別会計法の一部改正の問題が上つているようですが、これは農林委員会に併せて審議せよということなんですか、その点について提案者の御説明を……。
  131. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) その点につきましては、事務的な取扱い等がございますから、事務当局のほうからその間の経過の説明をいたして頂きます。
  132. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) この法案成立に必要でありまする食糧管理法の改正につきましては、この安定法案の附則によりまして同時に改正が行われることを期待しておるものであります。御承知のように現在の食糧管理特別会計法は食糧だけを買うということになつております点を、食糧及び飼料をも買い得るというふうに修正をする、こういうことに相成るわけでございます。
  133. 島村軍次

    島村軍次君 期持するということは、改正案が同時に大蔵委員会にかかつておるんですか、どうですか、その点をもう一つ……。
  134. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) この法案は本文と附則から成つておりまして、これ一本の法案でございまして、只今委員会にこの案が付託せられ委員会で可決されれば、一応委員会としては可決になるものだというふうに考えておる次第であります。
  135. 島村軍次

    島村軍次君 お配りになつておる飼料安定法案のうちで括弧書きにあるのは、これは提案されたという意味ではなくして、こういうことが附帯的に期待できる、こういう意味参考資料ですか。これは提案者にお聞きいたします。
  136. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) お手許へ上げてありますその法律案に、附則の1と2の2のほうに、御覧の通り、「食糧管理特別会計法(大正十年法律第三十七号)の一部を次のように改正する。」、こうなつておりまして、「附則に次の一項を加える。」以下改正の要点が書いてありますが、従つてこの法案が本委員会の御承認を得て本会議の御承認を得ますならば改正されることになるわけであります。
  137. 島村軍次

    島村軍次君 これは委員長にお尋ねしますが、事情は、今日どうも衆議院只今つて来て一気呵成に提案されたのですからわからないようなものですが……。提案者説明によりますと、この需給安定法と同時に食管の一部改正ということになりますが、これは大蔵委員会のほうからいえば、合同審議を願うというような問題が出て来ると思うのですが、そういう点に対してどう処置されますか。
  138. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  139. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて下さい。  只今飼料需給安定法案は一応各会派でその間にお打合せ願うことにして、農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題に供します。先ず提案理由説明を願います。
  140. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) それでは私から便宜上只今議題となりました農業改良助長法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。  そもそも農業技術の改良が、食糧増産と農家経済の安定向上の基盤をなすものであることは、申すまでもないところでありまして、これがためには試験研究事業を拡充するとともに、その成果を農家に普及浸透させることが極めて重要な事柄であります。  農業技術の普及につきましては、昭和二十三年農業改良助長法の成立以来、国と都道府県との協同事業として、国から補助金を交付し、着々その成果をあげている次第でありますが、その効果を益々高めて行くためには一層試験研究を充実して行かなければならないことは勿論でありまして、特に普及に直接関係のある都道府県農業試験場の実地応用的な試験研究を拡充することが極めて緊要なことであります。  先に政府において実施いたしました試験研究機関の整備綜合により、都道府県農業試験場は普及の中枢としての性格を極めて強くいたして参つたのでありまして、普及事業の推進のためには試験研究と普及とは一体とならなければならないと考えるのであります。にもかかわらず都道府県農業試験場における、普及事業を推進するための試験研究に対する助長措置は、殆んど講じられていなかつた憾みがあると思うのであります。  食糧増産の要請が極めて緊急な現下の実情に鑑み、急速にこれが態勢を確立する必要を痛感いたしまして、ここに農業改良助長法の一部を改正する法律案を提出する次第であります。  この法案の主要な内容を申上げますれば、その第一は協同農業普及事業に必要な試験研究を推進するために、都道府県農業試験場に農業改良研究員を設置しようとすることであり、その第二は都道府県農業試験場の研究能率を向上するため、主要な研究施設を拡充しようとすることでありまして、これがため必要な経費の一部を国で補助せんとするものであります。  以上が本改正案の提案理由でありますが、何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願いする次であります。
  141. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  142. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて下さい。では農業改良助長法の一部を改正する法律案の質疑に入ります。
  143. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 さきほどの法案と同じく、非常にこれは戦事中又敗戦後において、試験研究が極めて遅れたと申しますか、統合されたような結果で、誰人も、又協同組合におけるところの品種の改良からいつても、当然必要なことであるとこう思うのであるが、その予算の裏付け、それから今提案者の、農業改良研究員を設置するが、研究員に対する十分なる技術者を同時に得られるかどうか、この見通しについて局長より一つ御答弁を願いたいと思います。
  144. 清井正

    政府委員(清井正君) 只今の御質問でございますが、本法案に関しまする予算につきましては、かねて試験研究機関に対する助成の遂に私ども年来努力いたして参りましたのでありますが、思うように行かないで、実は残念に思つてつたのでありますが、今回かかる法案提出されましたことにつきましては、私ども従来の努力よりも更に一層努力いたしまして、試験研究機関の補助助成に今後努力をして参らなければならん、こういうふうに考えておる次第であります。予算につきましては、一応只今私ども一億六千万円程度予算考えまして、只今大蔵省と折衝いたしておる最中でございます。その内容はここにございます農業改良研究員の設置につきまして補助をいたしまするものと、それから更にこの法案の第二条の第三号に書いてございまする研究施設の設置と運営につきまして、その二分の一の国庫助成をいたすということの内容でありまして、差当りは二カ年計画を以て必要な施設を助成して参る。経営につきましては今後ずつと継続して助成をする、こういうよう考えての下に出発いたしておるのであります。只今目下折衝中でありまして、確定はいたしておりませんが、なおこの法案が成立いたしました場合におきましては、法律の裏付によりまして更にこの事業を推進して参りたい、こういうふうに思つておる次第であります。
  145. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 以前に統合された試験場の分場等においては、その地方に対する適作、又寒冷或いはその他に対するところの極めて必要な分場があつた。これらの点に対しても将来経費の許す範囲において更に復活しようとする考えがあるかどうか。そういう点が一つと、実際においてこれが又充実するならば、そういうふうに非常に役立ちをすると同時に、農村に必要であるところの技術方面の不足を補うことができるが、同時に研究員を更に地方の農業会、或いは市町村におるところの改良普及員を年一、二回の講習によつて、それぞれ地方の適作方面をよく充実し、研究の成績によつた良品種をそれぞれ配分して、試験田というか、或いは試験地というか、というよう程度まで進んで今後この法案を進めるお考えがあるかどうか。
  146. 清井正

    政府委員(清井正君) 只今の御質問の点の、曾つての試験場の分場或いは支場或いは試験地というようなことで、それぞれの地方の特色のある試験研究をいたして参つた歴史があるのでありますが、それが去る年に試験研究統合機関の整備統合がございまして、相当整備をいたされたことは御承知の通りであります。そしてこれが国の地域試験場ということで只今八つの試験場がございます。更に各県の試験場があると、こういうようなことで、相当程度これは整備統合されたことは事実であります。私ども整理統合はいたしましたけれども、それぞれ必要な研究は又別途の方法で進めて参つておるつもりでございますが、なおその点に関しましては試験研究の中よりいろいろ意見がございます。又外部より実はいろいろ意見があるわけであります。併しながら今直ちにこれをもとへ戻すというわけに参りませんけれども、この問題につきましては、私ども農林省の内部で試験研究の推進会議というものを最近設置いたしまして、こういうような問題も包括いたしまして、全体の試験研究の推進についていろいろ有識者の御意見を聞く会議を開きつつあるのでございます。その委員会におきましても、無論試験研究の研究課題が問題になることは勿論でございまするが、更に只今お話の分場、支場の整理統合されたものを復活するという問題も当然問題の一部として起つて来るかと思うのであります。そういう場合におきましては、学識経験のある皆様の御意見を十分伺いまして善処いたしたいと、こういうふうに思つております。
  147. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 市町村改良普及員との連絡はどうしますか。
  148. 清井正

    政府委員(清井正君) 次の御質問の改良普及員とのことでありますが、これは御指摘の通り今まで改良普及員は政府の技術員と連絡を持ちまして種種農家の指導に当つてつたのでありますが、なかなか実際問題として試験研究と普及との関係が理想的に連絡がいつてない部面もあるというようなことで、本法律案が御提案なつたわけだと私は思うのでありまして、その意味におきまして、私どもは更に試験場における試験研究と政府の技術員、それから農業改良普及員、この三つの関連を今までより以上に密接にいたしまして、新しい試験研究ができましたならば、速かにそれを直ちに又正確に末端の生産者に伝わるように努力して行かなければならなんと思うのでございます。今後その方面につきましてますます普及員の活動等も指導し、普及員の研修等も行なつて目的を達したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  149. 羽生三七

    ○羽生三七君 今の池田さんの御質問の一番最後の点で、大体私の聞きたいこともま尽きておるのですが、この農業改良研究員の設置は、そうすると一番の狙いは、この農業改良普及員との結び付きという問題に重点があるわけでございますか。そう解釈しているのですか。
  150. 清井正

    政府委員(清井正君) 仰せの通りでございます。
  151. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 第二条に「道府県都及びその他の試験研究機関」とありますが、「その他の試験研究機関」というのは具体的にどういうようなことを指すものですか。
  152. 清井正

    政府委員(清井正君) その他の試験研究機関と申しますのは、只今も実際はやつておるのでございますが、大学の試験研究機関でございます。即ち大学でございます、それから民間にも一部研究機関がございますので、そういうものを包括のて考えておるわけでございます。
  153. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 大学は無論のことでありますが、民間の試験所においても、一つの例を挙げますと、熊本県に農友会というような随分立派な試験機関がありますが、どうも官尊民卑と申しますか、官営、都道府県営に重きを置いて、民間により以上の立派なものがあるにかかわらず、それを重視しないというきらいがありますので、この点については特に一つ今後そういうよような優れたものを活かすという意味において、特別の御配慮を願いたいということを要望いたします。
  154. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 ちよつとお尋ねしますが、この試験研究のいろいろな施設の中に、初めて見るのだが、協同農民普及事業に必要な試験研究というのは一体どういうことをするのか。実はこれを見ると、農業改良研究員の設置につき、都道府県の要する経費に対しては三分の二と、こちらのほうは二分の一というが、補助率も多いのだが、どういう研究機関か。
  155. 清井正

    政府委員(清井正君) 只今私どもの考えております内容といたしましては、従来の試験場におきましても相当の試験研究の施設を持つておるのでありまするけれども、まあ非常に経費が不十分なために、相当新らしい、新型と申しますか、新らしい型の能率のいい機械ができましても、なかなかそれを購入いたしまして設置することができないというような現状にあるわけであります。そこで今回は普及事業と密接な関連の建前上、単にこれが分析とか、或いは鑑定とかいうようなことができる機械でありましても、能率が悪いとやはり意味をなさん、従つてなるべく早くその結果を調べて早くこれを農民に知らせるようにしなければならん、そういう建前でなければならんことは無論でございます。かかる意味から、私どもといたしましては、自ら分析、或いは土壌中の主成分を早く分析する微量分析の機械であるとか、或いは殺虫殺菌のこの頃新らしい農薬等が出て参りますので、そういうものの試験、そういつたようなものを能率的にやる機械を備えようというふうに実は考えておりまして、そういうものの試験研究の一つ、特に普及事業の背景をなすところの施設というふうに考えまして、速かにそういう方面の充実を期して参りたい、こういうふうに考えております。
  156. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 二、三質問を申上げますが、農事の指導は地方でやつておりますると、やはり試験研究に携わつたものが、一番指導力があり、又農家にも信ぜられるというよう関係があるのでありますが、今設けております専門技術員も、だんだん実験から遠ざかり、農場から遠ざかりますと。指導力というものは退化して行くのでございます。従いまして、この研究員と専門技術員との人事の交流ということにつきまして、何か腹案があるかどうかということを伺いたいと思います。
  157. 清井正

    政府委員(清井正君) 含今のお話通り、専門技術員はいろいろ努力をしてやつておるのでございますけれども、やはりしよつちう試験研究に携わつておりませんので、ややもすれば、試験研究等にかけ離れると申しますか、極く最新の知識が欠けるという点がございます。そのために普及上遺憾な点があるという場合もあることは、お話通りであります。私どもといたしましては、そういう意味合におきまして、専門技術員等を教育をいたしまして、研修という見地から、最新の知識を注入することに常に努力をいたして参つておるのでありますが、なお私どもの考え方といたしましては、或いは専門技術員を県の試験場に常駐させまして、しよつちゆう試験研究につきまして接触を保つて行きたいというふうな方法を考えておりますし、或いは場合によりましては、試験場の職員、試験場の試験研究の職員を専門技術員で臨時に兼ねさせるというような方法も一部においてやつております。こういうようなことでございますが、私ども今後の運用といたしましては、専門技術員の知識を成るべく最新に保つという意味におきまして、研究所との交流ということも十分考えて参らなければならん方法かと考えております。
  158. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 その次は、農業改良研究員というものが設置されることになりますが、これが職階制の中に取入れられておるかどうかということが一つ。それから都道府県の農事試験場に設置されます農業改良研究員というようなものの種類をお聞きしたいと思います。
  159. 清井正

    政府委員(清井正君) ここに掲げております農業改良研究員の職制でございますが、この点につきましては、この法律におきましては、未だその職制についてはつきりした規定がないのでございます。この点は現在の専門技術員、農業改良普及員も同様でありまして、事実上専門技術員なり改良普及員ということに称しておりまするけれども、地方自治法の法律建前上は職制が今のところないのが建前であります。本法案におきましても、農業改良研究員の場合は、只今のところは実は専門技術員と農業改良普及員と同じように、法律上の保証というものがないということになつておるのであります。この問題は実は別途政府機関においても交渉を継続したいと存じまして、是非とも農業改良研究員と専門技術員と農業改良普及員と、この三者を成るべく地方の特別な職制ということにいたしたいということが折衝を重ねておるのであります。折衝が固まり次第、なるべく速かな機会に又適当な方法によつて法律の改正をお願いしたい、こういうふうに考えております。  それから農業改良研究員の種類と申しますか、私どもは只今予算考えておりまするのは、大体各試験場に七人、即ち種芸、化学、病虫害、園芸、畜産、農器具、農業経営というのを主といたしまして、七人ぐらいの専門員を先ず置いたらどうかというふうに考ております。
  160. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 特にこの農業改良研究員につきましては、特別な技術と長い間その職にあらなければならんというような条件がありますので、是非とも職階制に取入れて頂くということが一つであります。なおこの種類につきまして、七つ掲げられておりますが、近頃試験場によりましては、生活改善部というものを設けまして、生活改善の試験研究を主としてやつておる所があるのでありますが、それが今のお聞きしました七つに入つておらんようでありますが、それを取上げて頂くというような途があるかどうか。
  161. 清井正

    政府委員(清井正君) 只今申上げましたのは、標準的なものでございまして、生活改善を必ずしも排除しておるという意味ではないのであります。従いまして、県によりましては、或いは只今申上げました部門の一部を省きましても、生活改善の部門のほうの研究担当者をおいたほうがいいというような具体的な事例がありましたならば、これを取上げて差支えないと、こういうよう考えております。
  162. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 それから第二条の三でございますが、「政令で定める資格を有する者でなければ」云々ということが書いてございます。試験研究という、ものは必ずしも資格にはまつた人が将来伸びるということばかりにはなつておらんようであります。なかなか下から積上げまして非常に優秀な研究者になるというような場合があるのでありますが、そういう人々に対しまして途が開けておるのかどうかということをお伺いしたい。
  163. 清井正

    政府委員(清井正君) この政令で定めると申しますのは、実は政令農業改良研究員の資格試験をいたしたいという意味合で政令ということに相成つておるのであります。只今専門技術員、農業改良普及員共に試験をいたしておりますが、それと同等、或いは同等程度以上の試験を実施いたしまして、試験に合格したものを以て改良員に任命する、こういうようなことに相成りまするので、お話ように実力を持つているかたは、まあ試験に合格すれば当然任用されるということになりますので、そういつた実力者の昇進の途も開かれておると、こういうふうに考えております。
  164. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 その次の問題は、今まで補助金は十分でございませんけれども、もらつておるのでありますが、農業試験場に併置されております高等農事講習所のことでございますが、これはやはり普及事業の一環といたしまして、優秀な普及員を養成する上につきまして、或いはその人たちを通しまして試験研究の成果を農家に普及させる上からみましても、極めて重要なる施設だと思うのでありまして、これに対しましてこの試験場を拡充すると同時は、更に一層拡充強化する腹案がありますかどうかということをお伺いしたいと思います。
  165. 清井正

    政府委員(清井正君) 只今お話の点も御尤もな御意見でありまして、私どもといたしましては試験研究施設の機関といたしまして、できる限り援助をする方向に持つて参りたいと、こういうふうに考えております。
  166. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 最後にお願いしておきたいことは、折角こういう法律を以ちまして人件費の一部を補助してもらいましても、県のほうでは国のほうからこれだけ金が来るのであるから、これだけ余つた分は試験場からそぎまして、よそのほうに廻すという懸念があるのでありますが、それを一つ十分監督して頂きまして、殖えた分だけはやはり農事試験場に残しておくということになりませんと、折角のこの改良助長法も無駄に終るということになるので、その点何らかの方法でそういうことのないように十分御監督を願いたいと思います。
  167. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 第三条に農事試験場を農業試験場に改めるというのは近代化するという意味ですか、農業試験場として拡大強化する意味か、この点が第一点。  次に今三橋さんからも申された通り、最近農事試験場が改良局の監督となつて、我々は元試験所長というものは知事の次くらい、部長級でもよほどいいとこくらいに尊敬し、又農事に携わる者は知事と同等くらいに尊敬して、ここで学んだのだが、近頃改良課に属して、課長の下に属されるということになりますならば、研究試験に携わる立派は技術者がだんだん小さくなるような感があるが、この点について待遇及び拡大強化する意味において農業試験場に改めたかというのが第二点。  それから先ほど滝井さんから言われた民間の試験場で技術者が地方に適切なる良種子を得るように研究をいたされております。これは嘱託などといたしまして人事の交流と申しますか、人材を登庸してそれぞれそういう目的に適うような方法を考えておるかどうか。この点を一つお聞きしたいと思います。
  168. 清井正

    政府委員(清井正君) 実は只今第三条の農事試験場を農業試験場に改めたには格別の意味はないのでありまして、農事試験場というのは昔の言葉でありまして、最近は皆全部農業試験場と改められたわけでありまして、文章の整理上そうしたという程度に過ぎません。  その他の御意見につきましては御尤もでございますので、殊に試験場の職員の資格と申しますか、地位等につきましても試験研究機関を重視するという意味から申上げますと、当然これは重要視しなければならないことは当然な問題であろうと思います。その他につきましては各県当局とも十分相談いたしまして善処しなければならん、こう考えております。
  169. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 民間の人で有能なかたを嘱託とするということについてはどうですか。
  170. 清井正

    政府委員(清井正君) 民間の人を嘱託にするという点につきましては、只今国として嘱託制度というものはないのでありまして、不便を感じておりますので、或る程度止むを得ないということでいたしておりますが、地方の試験場におきましてやはり相当適任者がおりますれば、個々の問題といたしまして有能なかたを嘱託とされることも適当かと思います。これは個々の問題として解決したい、こういうふうに考えております。
  171. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 今局長のお言葉の中に、今の制度として特に嘱託制度はないというけれども、農事には長い間農業に携つた人が、例えば天候を見て今年はこういうものを作つたらいいということを、長い体験からよくわかつておる。又今滝井さのお話があつたように、地方において農業に堪能な人、研究者がおりますから、そういう人を入れてもらいたい。決して学校を出てこれに携わる人が必ずしも有能な人でない。本当の農業は野におけるところの研究、又専門的にその地方に適する研究をした人の意見をも参酌して、実地に適したいわゆる農産物の増産及び農業におけるところのあらゆる協力態勢は生れて来るのでありますから、この点も局長において十分留意いたされまして、近代農業の本当の基本を樹立するならば、これらを取入れて試験場としての立派な、又確実な方法を汲み上げるというような方法を取つて頂きたい。これを強く希望しておきます。
  172. 清井正

    政府委員(清井正君) 只今の池田委員の御意見十分拝聴いたしました。この点については善処いたしたいと思います。  先ほど三橋委員の御質問にお答え申上げました点について補足いたしたいと思いますが、先ほど政令で定める資格という問題につきまして、本当の実力者が任用できるかという御趣旨かと思いますが、私は無論そういうかたで試験に合格した優秀なものを任用いたしたいというつもりでおりまするが、やはり或る程度の学歴ということも資格の中に入れておかなければならんと思いまして、資格任用中に政令で定める云々と書いたわけであります。御趣旨の点は十分入れまして、成るべくそういう人材をも採用できるよう考えなければならんと考えております。
  173. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 敗戦後の試験研究機関が悪くなつたので、そこでだんだんよくしようというようなお考えかと思うが、試験場を廻つて見ますと、試験研究をする人は試験研究に没頭して非常にいいものを出しておるが、さつぱり地方には普及しない。そうして普及というようなことは、地方の改良普及員がやるべきで、試験場はそういうことはやるべきでないというようなことをいつておる。今各市町村に普及員がおりますが、試験場と普及員の結付はどういうふうにお考えになつておるか聞きたいと思う。
  174. 清井正

    政府委員(清井正君) 先ほどもお話が出たのでありますが、誠に御指摘の通りでありまして、実際私どもも注意はいたしておりますけれども、試験結果の普及化ということが不十分であることは誠に私どもとしても申訳ない点でありますが、このことも或る程度事実であると思います。こういう意味合におきまして本法案を御提出なつたものかと存ずるわけであります。私どもといたしましては今後試験の普及化、いわゆる試験の結果を専門技術員を通じて普及員に伝える。或いは農家の意向を上に伝える。こういうようなことで以て更に一層試験結果の普及化ということに努力して行かなければならん。こういうふうに考えておる次第であります。
  175. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 この試験研究でありますが、大学の象牙の塔でやれば年中試験が完全にできます。併し農業の技術研究というものは、正しく言えば年に一回しかできないというのが大体の常識であります。然るに現在の試験場の実情を見ますというと、ほかの官庁と同じように日曜は休むというようなことをやつておられますが、これは生きた生物を扱いますので、ときによれば労働基準法もへつちやらでやらなければならん代りに、又別に用事のないというようなときもありますので、ほかの官庁と同じようなことでなしに、場長の権限において、研究の必要なときにはそういうようなものを棚上にして実行できるようにやる、そうして仕事がなければ休むというよう一つ弾力性を持たして、実際試験研究が十分に生きるような方法を講じなければ、私は十分な能率が挙らない、かように実際の面から考えております。而も現在のこの試験場の行き方は、一つのたんごを担ぐにも、大体一つのたんごを二人で担いでおります。これでは実際の農家の模範にはならない。たんごは一人で担ぐのが常識であります。ところが試験場あたりで見ておりますと、一つのたんごを二人で担いでおります。これでは本当の試験研究はできつこないのであります。こういうような問題も場長に全権限を持たして、労働基準法を棚上げして、生きた生物の研究をやるということになれば、特殊な観点から食糧増産に寄与できる、そういうような方法に巾を持たすというようなお考えがありますかどうか、一つお伺いします。
  176. 清井正

    政府委員(清井正君) 只今お話の点御尤もな点でありまして、一般の行政事務と違いますので、試験場では一旦試験にかかりましたなら、時間が来たからといつて途中でやめるわけには行かない、或いは家畜を飼養いたしましても家畜に飼料をやるよう関係で、なかなか定時が来たから帰るというようなことができないというようなこともございます。その他研究の特殊性から考えまして、一般の行政事務のように時間的なことでなしにしてやつて参らなければならんというようなことが相当あるわけであります。そういう意味合いにおきまして、場長に人事の特別の権限を与えて試験研究をやりやすく、又非常に能率的にやらせるという面についても、私どもは或る程度この点は改善して行く必要があると思つております。そういう点につきましてはお話趣旨考えまして、一つ十分措置いたしたいと思います。
  177. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 お話通りでありますが、実際は偉いおかたは帰つてしまつて、当直とか或いは農夫に任して出ないというのが現在の実情であります。この点をただこういうような席上でのお答えばかりでなく、実際の研究の場合に責任者が残るということを強く要望いたしまして終ります。
  178. 小林亦治

    小林亦治君 議事進行について、本案の趣旨にはどなたも賛成のようなんですが、老婆心の上から非常に有益な御意見がたくさん出尽したように思われますので、時間の関係から、若し今晩送り込むというならば、この辺で一つ御採決願たい。(「賛成」「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり)一刻を争うものであるから採決を……。
  179. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今議事進行につきまして小林さんから御意見が出たのでございますが、いろいろこの問題について御意見もありましようが、如何でございましようか、一応この程度で討論に入ることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
  180. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 それでは動議が出ておりますから私は長いことやりません、十分間……それでは五分にしましよう。(笑声)
  181. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 議事進行について。これは両方とも実は今晩何とかして上げなければならんではないかという…飼料需給安定法が何だかおかしくなつて、あとから出たのが先に行きそうなつているが、これは一つ休憩をして、飼料需給安定法を何とか会派に行つて相談して見たいという話があるから、一旦休憩をして会派に帰つて相談をしてもらつて上げようじやないですか。
  182. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  183. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 発言を許可されたのはどうしてくれるんだ。
  184. 羽生三七

    ○羽生三七君 それはそれとして、宮本君の質疑は五分か六分ならここまで来たのだから片付けたらどうですか。
  185. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは宮本さん。
  186. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 私はこれは提案者でなく、むしろ農林省から承わりたいのですが、私は本来から申上げれば、私の見ているところでは今日の地方の農事試験場と農林省の農業改良局との連絡は、はつきり申上げて甚だまずい。而も府県の農事試験場というものは非常に研究がずぼらであり、これは経費関係その他で以て非常に荒れております。この点について根本的に私は考えなければならん点があるのじやないかと思います。この改良普及員というようなものは、こういうようなものはここに出て来るというようなことは、これは一つの組織の或いは系統の新らしい変更じやないかと思います。こういうようなものは事は小さいけれども、大きな問題を私はここに含んでいるのじやないかと思います。元来から申上げますれば、この問題について相当ここで以て質疑を継続したいと思います。けれどもまあ皆さんの御意向で以て至急上げたいということですから私はこれはやりません。後日においてこの問題について質疑の機会を与えて下さるかどうか、それを承わりたいのであります。
  187. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今宮元さんから御意見が出ましたが、いずれ本農林委員会におきまして、後日関係法案の節に宮本さんの質疑をお許しするというようなことに願いまして、できればこの法案一つ早く上げるように御協力願いたいと、かように存じます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  188. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 私は委員長の今の言葉を信じて、この問題を取扱う機会を必ず再開国会のいずれかの機会で以てお願いしたいと思います。私はこれで質疑を打切ります。
  189. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは他に御発言ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  190. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないと認めます。  それではこれより一つ討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  191. 宮本邦彦

    宮本邦彦君 農村問題が非常に大きな問題になつてつて来ているときに、こういつた試験研究を拡充するという方向に持つて行くことは非常にいいことであつて日本の農村のためにこういつた試験研究機関の充実があるということが、本当に農村を築く上において何より大事だということはよくわかつているのであります。従つてこの法案には私は賛成の意を表するものでありますが、そういつた基礎的な大きな機関であつて日本の本当の基礎的な問題を解決するその機構とか、或いは系統機関とかいうような根本の問題に、これは触れている問題であります。従つてこういつたものを考えるときには、日本の全体の農業というものの今後の行き方、或いはそのために必要な研究機関というような問題について、更に十分研究することが必要じやないかと思うので、私はそういう意味合いにおいて提案者並びに政府当局において、十分今後の格段の御研究を希望いたしまして賛成の意見を申上げたいと思います。
  192. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 私は本法案に賛成するものであります。重大なる使命を帯びた食糧増産の基盤をなすものでありますので、技術研究も結構でありますが、増産に実際間に合う指導者を養成する、技術研究の達人であつて、而も実際指導するという人間を養成するということに重点を置いて一つ進んで頂きたいということを要望いたしまして賛成をいたします。
  193. 東隆

    ○東隆君 私はこの法案に賛成をいたしますが、試験場が例の何がしとかいう人の考えによつて国立と地方にこれが分れまして、地方の試験場は非常に弱体化しております。従つてこういうようなことによつて強化をされることに私は非常に賛成をするものであります。この機会にもう少し考えなければならないのは、大学のいわゆるエクステンシヨン・ワークとしての関係、これがもう一つ加わりまするならば、もつと大きな仕事ができるだろうと、こう考えますので、その方面にもこの改正によつて十分に力が入れられるよう予算的な裏付をして頂きたいと、こういうことを付加えて賛成をいたします。
  194. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 本案には双手を挙げて賛成するものでございますが、農業改良助長法提案されたときに、私は真つ向から反対をした一人であります。それは法律そのものと、日本の現状が、人が揃わんというのが問題でありまして、私はやかましく言つたのでありますが、通してはならんという法案を通しまして、それが今になつても決して直つておりませんから改良局では、人の面に大いに努力をし、協力をしまして、一日も早く日本農業のために農業改良助長法に即応するような人を養成することが大事業でありまするから、今後油断なくこの方面に御協力されることを希望申上げまして賛成をいたします。
  195. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ほかに御意見はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  196. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでございますから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  197. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議いものと認めます。  それではこれより採決に入ります。農業改良助長法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立〕
  198. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 全会一致であります。よつて本案は全会一致を以て可決すべきものと決定されました。  なお本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議いものと認めます。  次に本案を可とされましたかたは順次御署名を願います。  多数意見者署名     小林 亦治  徳川 宗敬    池田右宇衛門  岡村文四郎     宮本 邦彦  藤野 繁雄     東   隆  鈴木 強平     羽生 三七  石原幹市郎     西山 龜七  瀧井治三郎     三橋八次郎   —————————————
  200. 東隆

    ○東隆君 この機会に皆さんにお諮りをいたしたいのでありますが、それは農村振興と農家経済安定のため農業協同組合の焦付き資産が癌になつておるのでありまして、これが流動化を図ることが焦眉の急務であると考えまして、農協の焦付き資産の流動化を中心にする農村金融の疏通に関する対策の確立について政府に対し申入をすることとし、文案は委員長に一任することの動議を提出いたしますので、皆さんの御賛成をお願いいたしたいのであります。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  201. 山崎恒

    委員長山崎恒君) お諮りいたしますが、只今東さんから緊急動議としまして、食糧増産は根拠を置くところの農業協同組合の資金の流動化の問題について、一応大蔵大臣並びに農林大臣に申入れをするということについて動議が出ましたが、その手続、文案等については委員長に一任ということでありますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  202. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでありまするので、全会一致を以ちましてさよう決定いたします。  では飼料需給安定法案につきまして、一つ各会派のお打合せを願うために暫時休憩いたします。    午後九時六分休憩    —————・—————    午後十時一分開会
  203. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは休憩前に引続きましてこれより再開いたします。飼料需給安定法案につきまして質疑に入りたいと存じます。これよりそれぞれ御質疑を願いたいと思います。
  204. 島村軍次

    島村軍次君 このうち第何条でしたか、第一条には輸入飼料とありますが、入札の方法ということは、これは買上げる場合に政府みずからが買付けをするか、或いは輸入業者をして買付けせしめるか、こういう問題……。
  205. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) 大体政府が直接買うというよりも輸入業者をして買付けさせるという考え方でおります。
  206. 島村軍次

    島村軍次君 そこでこの会計八億の問題については、予算要求を現に八億一千八百万円ですか、畜産局としてはしておいでになるということですが、食管会計のうちで本年度の補正予算においては六十何億ですか、一般会計から支出するということになつておるようでありますが、その上に本年度においてプラス八億という意味ですか、或いは来年度においての八億になりますか、それを一つと、それからこの法律通りますれば、直ちに予算措置が伴わねばいかんということになるのか、或いは法律制定と共に食管会計でありますから直ちに発動できるという問題でありますか、つまり時期的にも今直ちにこの法律を通さんでも一月になつてもいいんじやないかということに対する一つ説明資料としての意味からも承わつておきたい。
  207. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) 大体八億予定しておりますものは、現在の国際価格から勘案をして大体一割高ぐらいでないかという想定の上に見込んであるのであつて、先にも申します通り、国際飼料価格は漸次値下りの状況を辿つておりますので、来年度において最終にどのくらいの赤字になるかということは、食管の最後の帳尻で赤字の結論が出ると思います。その場合は更に八億を下廻るのではないかという見込みでおるわけでありまして、初めから八億足らんから八億を予算的措置を講ずるというのではなしに、一応万が一出ました場合は食管の赤字として処置をすると、こういうやり方に持つて行くというのが大体その赤字処置の考え方であります。そうなれば別にこの際この法案を成立させなくてもゆつくり審議して、予算とは別個に考えたらいいのではないかと、こういう一応考え方も立たんことはないのでありますが、先に申ましす通り、来年度の予算の編成に伴つて、二十五万トンの飼料を買付けまする資金的措置というものが必要であり、又それに関連する財政的な一応の対策も考える必要がありまして、鋭意予算案が政府において編成される前に本案を成立せしめておくことが、財政的裏付を考えてます場合当然の措置ではないか、こういうことから御審議を只今お願いしておるわけであります。
  208. 島村軍次

    島村軍次君 そこで法律の施行は、「公布の日から起算して百二十日を起えない期間内において、政令で定める。」こういうことを御規定になつているということの、百二十日という算定の基礎がどうであつたかということが一つと、それから百二十日以内において政令で定められる場合には、直ちに発動して食管会計で本年度内においても買上をするのか、どうか、こういうことです。
  209. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) この施行期日の問題は御覧の通り大体この法案による外国食糧の買入は来年度からやることになつておりますので、そこでまあ国会予算審議が大体二月、三月かかるということを大体予想しまして、そこで予算が成立いたし、正式に一切の準備を整えるのに、そのぐらいの日を見ておけば十分行えるであろう、こういうことでこの百二十日というのは目分量でそうきめたのでありますから、その点御了承願いたいと思います。
  210. 島村軍次

    島村軍次君 この飼料需給安定法案の必要性は今更論ずるまでもないことでありますが、食糧の総合性から考えまして、農林省の施策の上にもつと、かような多額の経費を投じてやるという前に、国内資源の開発或いは山野の利用或いは総合飼料政策というものの確立を待たずして、これを急ぐということに対する問題がある。これに対しては、例えば食糧基本法というもののうちにも畜産が取入れられてあるようで、事実は具体的のものは何らないというのは、我々多年の主張、多年の主張というのはおかしいですが、たびたび主張した問題でありますが、こういう問題に対してはもつと真剣に単なる畜産局ということでなくして、農林省全体がさよう考え方にならなければならんし、又同時にこれは国民経済の上の点からも強く強調いたしたいと、かように希望を申上げておきます。
  211. 羽生三七

    ○羽生三七君 飼料として輸入するなり或いは譲渡する小麦からふすまが出ることは、これはわかるのですが、その製粉の粉は何になるのですか。ふすまが餌になるのですか。
  212. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) 小麦を輸入するというよりも餌料を輸入するのです。但しマニトバとかその他のものもございますけれども、それは当然必要な用途に払下げをいたしまして、更に又一部そのふすまの場合におきましても、味噌醤油の原料等にも払下げるものがあるかも知れません。主なるものは餌料に指定すると、こういう建前をしております。
  213. 羽生三七

    ○羽生三七君 私の言うのは、そのふすまはわかるのですよ。小麦粉はどうなるのですか。それは入つて来るのは餌料ということで入つて来るのでしよう。餌料として小麦を入れた場合、それを製粉すればふすまはできる、それはいいのです。小麦粉はどうなるのですか。
  214. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 私餌料課長でございます。ちよつと御説明申上げます。この餌料用小麦と申しますのはマニトバ五号又は六号という餌料用小麦でありまして、それは大体アメリカ、カナダにおきましては粒のままふすまの餌になるものでございます。それから内地におきます小麦の需給状況が悪い時代におきましては、その中のこういつた低質の小麦も製粉に廻しまして、これから粉を取つておつたわけでありますが、これは大体半分は粉になるのでございます。但しこれは非常に質が悪うございまして、現在の国内の製粉屋の状況におきましては、すでに非常に嫌われて来ておる品物でございます。現在食糧庁におきましては、過去において本年度の当初から約四万トンの食料用マニトバ五号小麦を所有しておるわけでございますが、製粉屋の一斉拒否に会いまして、現在実は処分に困つておるという実情にあるのでございます。従いましてここにあります小麦は大体そのまま餌料になるものだと、こうお考えになつてよろしいと思います。説明を終ります。
  215. 羽生三七

    ○羽生三七君 そうすると、飼料として輸入したものは食糧になるということはないわけですか、全量が飼料に廻る。こう解釈してよろしうございますか。
  216. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 只今食糧庁が手持しております分につきましても、実は今御説明申上げましたようにマニトバ五号の小麦は食糧として買つておきながら、実は始末ができず、これもでき得れば餌に廻わしたいということになつております。
  217. 島村軍次

    島村軍次君 亜麻仁粕は輸入の対象になつておるのですか。
  218. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 亜麻仁粕でございますが、現在製油メーカーにおきましては、これは亜麻仁の種子を輸入して油を絞つておるのであります。現在の法案といたしましては一応対象外においております。
  219. 島村軍次

    島村軍次君 この亜麻仁の油を外国に輸出せんとすれば、畜産局が反対したとか、或いは食糧庁が反対したのかも知れませんが、そういう問題に関連してこの法案に対するかれこれの論議があつたようでありますが、お聞き及びですか、どうですか。
  220. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 只今の亜麻仁粕の問題でありますが、現在国内に相当大量の亜麻仁粕が在庫しておる。これを輸出せよ、粕のほうでございますが、輸出せよという御要求のあることは私十分存じております。と同時にこれにつきましては、現在何とか輸出の途を開きたいということを私一生県命方法を講じておるわけでございますが、そのために一番問題になりますのは亜麻仁粕は大体そのまま餌、又は肥料だという観念が一方にございますので、これは国内の肥料、これは有機質肥料でございます。有機質肥料なり、飼なりの観点から、これの輸出に対しては、農業者の方面になかなか非難があるわけでございます。従いましてこれについて私飼料課長といたしまして、どうすればいいかということを考えておるわけでございますが、これは差当り粕を輸出いたしますると、国内の粕が上るという問題がございますので、国内の粕を上げないで輸出させればいいのじやないか、そういう方法を講ずればいいじやないかということで、私ども今対策を講じております。それは大体三月までの亜麻仁粕の国内の所要量というものを一応算定いたしまして、その分だけを国内に留保して、残りを出させようという線で考えております。ただ残りを輸出させ、国内に留保いたしましても、その品物が少くなりますと、おのずから値上りいたしますので、これを値上りせずに国内に留保して行く方法といたしまして、然るべく農業団体に金融措置を講じまして、一応油屋から買取らせる。そうして安値のまま三月まで売り食つて行くようにいたしたいということで、現在油メーカーとの間にそれじや譲渡価格を幾らにすればいいかという点で現在話合いを進めておる次第であります。
  221. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 この法律を見ますると、実は飼料の輸入をしてこれを払下げるときの相手が非常に問題でございますが、うつかりするというと払下げ等の場合なんかうまく行かん、又は高くなつたり安くなつて行くのですが、この法律ではなるべくそういうことがないよう作つてあるようです。そこで五条の二項を見ますると、「入札の方法による一般競争契約によらなければならない。但し、政令で定める特別の事由があるときは、指名競争契約又は随意契約によることができる。」とこう書いてありますが、特別の事情というのはどういうのでございますか。
  222. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 只今御質問の点でございまするが、これは特別の事情とはどういう場合か、つまり指名競争契約又は随意契約によつて売払う場合がどういう場合にそういうことをやるつもりかということを御質問と思うのでございますが、原則として予決令と申しまするか、それが先ず一方にあるわけでございます。これが一般原則としてありますると同時に、この法案におきまして政令で定めようと思いまする事項は、第一にこれを払下げまする場合に、これが例えば味噌屋、醤油屋のほうに行きそうな気配がある場合、この場合は売払の相手方を、例えば実需団体たる農業団体に限定するとかいうことを考えておるわけでございます。それから随意契約による場合におきましては、むしろ、例えば非常に近々に価格が暴騰して、受入れ実需団体たる農業団体に急速売らなければいかんというような場合には隨契を用いたい、こういうふうに思つておるのでございます。
  223. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 私は最初から実需団体として、飼料というものは誰も使うのでないので、農家が使う以外に使わんということを考えても余り過言ではないと考えておりますので、営利を目的としない農業団体に払下げることが最も妥当であり、市街地の附近で養鶏などを経営しておる、或いは乳牛業者にはこれは別でありますが、主としてそういうふうにはつきりしておくことが誤りのないことで、あとのほうに書いてありますようないろいろな罰則規定などは殆んど要らなくなることと思いますが、法の上から大分差障りがあつて、直接農業団体に払下げるということはできないからこうしたのか、文はカモフラージユしようとしてこうしたのか、原則として私は当然例えば全購連に払下げて、全購連からそのほうに廻わすということになれば、何も面倒なくして行くと思うのですが、そうなると営利を目的としていないからスムーズに行くと、そう考えておるのですが、そういう考えはないかどうか聞きたい。
  224. 花園一郎

    説明員(花園一郎君) 只今の御質問の趣旨につきましては、私たち事務当局といたしましても最も尊重しできるだけそのようにやりたいと、こう思つておる次第であります。ただ国有財産の売払い規則なり会計法の関係なりで、大体国有のものを売払います場合には、やはり一応原則としては一般競争契約という建前がございますので、むしろ但書のほうへ或る場合には重点が行くと存じておりますが、そう意味において御了解願いたいとこう考えております。
  225. 羽生三七

    ○羽生三七君 時間がないのですから簡単に一言承わりたいのですが、提案者でも政府委員でもどちらでもよろしいのですが食管の会計の操作によつて、まあ相当な財政資金が要る、それから赤字が出ておる場合には八億なり九億なり要る、それは止むを得んとしても、それでまあ政府なり提案者なりが確信するだけの効果がありますか。それがあるとすれば、あとの小さい細かいことなどは問題ないと思いますか、どうですか。確信持てますか。
  226. 長谷川清

    政府委員(長谷川清君) 現在予定しております飼料は大体二十六万トン程度を予定しておるのでありますが、御承知のよう飼料値段が騰貴いたしますのは主として冬場の時期でございます。時期的に輸入飼料政府が適宜に放出するという考え方をとりますれば、二十六万トンでも十分価格の安定に資することができるというふうに考えておる次第であります。
  227. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 私ちよつと遅く来たので……、今日で審議して上げてしまおうというのですか、各会派の別に意見をまとめなくても……、私の民主クラブでは十分慎重に審議するように、衆議院側でも二十時間を要してやつた。我々は予備審査とは言いながら何もやつていない。今夜出て来て今夜上げるというのは、参議院の性格においても副わざるところだと思う。今日上げるおつもりで審議を始めておるのか、それをお聞きしたいと思うのです。
  228. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記をやめて。    午後十時二十三分速記中止    —————・—————    午後十時三十三分速記開始
  229. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて……。  ちよつとお諮りいたします。当法案につきまして大蔵委員から委員外発言を求められております。そこで大蔵委員のほうから代表者として小林委員が派適されておりますので、小林委員の発言を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  230. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでありますので発言を許します。
  231. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 委員外発言を求められているときには、前例に従つて委員を先ず許して、委員の発言のあとで委員外議員の発言を許すのが前例だが、委員長はそういう前例を破つてやられますか。特別頼むと言えば又何だが、今質問しよう思つていたので……、
  232. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 先ほどから待たしてありますから、それで今そういう工合に一つ先にお客様のつもりでやつたのですが……。
  233. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 今日は特に委員長の顔を立ててお客さんとしてそうしてあとから質問します。
  234. 小林政夫

    委員外議員小林政夫君) 食糧庁長官にも質問したいのですが……。
  235. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 食糧庁長官のほうとは今連絡をとつたのですが、まだこちらへ到着がありません。
  236. 小林政夫

    委員外議員小林政夫君) それでは聞けるだけのことを提案者にお尋ねをいたしますが、衆議院においてはなぜ大蔵委員会と連合審査をおやりにならなかつたのでありますか。
  237. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) 衆議院といたしましては、大蔵委員会との関係、内閣委員会との関係は、法案規定してございますが、御覧の通り飼料の需給調整の極めて重大な実情に鑑みて、すでに野党各派から出ております原案と、自由党から提案されました原案がそれぞれ委員会に付託されておりまして、かくのごとき条文の法案提案をされているということは、当然各常任委員の皆さんがたにはおわかりのことでございますので、別に大蔵委員会から本案の合同審査に対する申入がない限り、農林委員会農林委員会独自の見解において本案を可決することが妥当なりと考え、なおこの案件の審議に当りましては、関係政府委員を招致いたしまして、それぞれそれらに関する諸般の質疑を終りまして了承いたしましたから、それ以上大蔵委員及会び内閣委員会に合同審査を農林委員会として申込む必要のないことを認めましたので、農林委員会独自で決定いたした次第であります。
  238. 小林政夫

    委員外議員小林政夫君) この飼料需給調整法案については前以て我々のほうにも予備付託というようなことで出ておりましたが、併しよく変つているのです。前の案だとかその次の二次案だとかいろいろ。今度の案ははじめからの案かどうか知りませんが、今まで前国会においても何回か変り、最後には食管法の一部改正ということになつようでありまして、そういうようなことで大蔵委員としても、これを実際において審議を始められるのかどうかというようなことを、又目を通していても変るのではないかというような気持もあつて、そう注意をしておらなかつたのであります。而も衆議院のほうにおいては本日遅くなつてお上げになつて、その間どうも農林委員会においてこれを取上げておやりになるつもりかどうかということが、衆議院側の大蔵委員会のほうにも徹底しておらなかつたのじやないでしようか。その点は十分党内において連絡をされてのことですか。
  239. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) 今の御質問のように、成るほどこの法案は、最終案まで統一した一つの修正案が両案を一括してでき上りますまでには、いろいろの経過は勢ておりますが、先にも申します通り、社会党、改進党から提案をしております飼料需給調整法案、それから自由党から出ております飼料需給安定法案、この両案ともそれぞれ附則には食管特別会計法の一部を改正するというのがそれぞれ付いておりまして、従つて一本にまとめるいわゆる元の原案に、そういうものはすでにちやんと規定してあります、多少字句は違いますけれども。従つてそれぞれ関係委員のかたがたにおいても、すでにその法案は配布されておりますし、検討されていることと我々は考えております。なお最終に一本の成案を得まして、各党共同提案といたします場合に、一応各党にそれぞれお持ち帰りを願いまして、各党の政調会や議案審査会にかけて頂きまして、そこで各党とも共同提案にすることに了承を得まして、本案が提案され審査を得たようなわけでありますから、それらのことについては、その討議の過程を通して、或いは共同審査をすべきものであり、又それぞれの意見を附すべきであるということが御決定されて出て参つておりますので、それらの点については十分落度のないように手続をしたつもりであります。
  240. 小林政夫

    委員外議員小林政夫君) 前回参議院の大蔵委員会において、大体ここに盛られておると同趣旨の食管法が出されて、我々委員会において不備なため、それを指摘いたしましたが、我々は必ずしも本日ここに提案されておる飼料需給調整の趣旨に反対するものではありません。大蔵委員としては、参議院の大蔵委員としては大体においてこの趣旨了承しておつたのでありますが、法規的な不備のために審議未了ということになつたのであります。そういうような、当時前国会における、前と言つては悪いですか、前々会になりますか、第十三国会だつたと思いますが、そのときにおける参議院大蔵委員会において問題にした点を提案者においてはどういうふうにお考えになり、又本案に取入れてあるとすれば特にその点についての御説明を承わりたいと思います。
  241. 井上良二

    衆議院議員(井上良二君) 多分参議院の大蔵委員会において問題になりました点は、食管特別会計法の本来の会計の中に飼料会計を混同して扱うことに非常な疑議があると、従つて食糧は食糧の特別会計として一本化され運営されておるから、全然食糧と異なる飼料を食糧会計の中へ持込むことは甚だ本質的に面白くない、だから飼料ようなものを若し扱うとすれば、別個の特別会計なり或いは政府の資金制度を別に設けてやるべきでないかという意見が主なる意見でなかつたかと存じます。又そういうことにするためには、必要なその法的措置を当然講ずべきでないかという御意見であつたように伺つております。ところがここへ規定してありますものは、食管の本筋の会計と飼料の会計とを混同して同一勘定の中にぶち込みまして、そうして食管特別会計全体の帳尻がこうなる、ああなるというのとは違つて、食管の特別会計という窓口を借りまして、八十億になんなんとする貸付資金を持たして、そこで一応年間の需給のあんばいを見て、年度末にその飼料の扱い方においての勘定尻がどうなるかという、飼料は全く食管の米の会計とは別個に扱つてもらうことに話合いができて、そういうことならということで。この際別の法律一本建にいたすということになりますと、澱粉類等の買上げでありますとか、いろいろ政府が直接買わなければならん農産物がございまして、それらも併せて今後検討する必要があるので、差当りこの際は今申しましたような、一応食管の会計の窓口を利用すると申しますか、お借りをするということにして、そういうことになりますと、一応この「食糧」となつておりますものを、「食糧及飼料」と、一応規定を変える、こういうことにいたしておりますから、その点御了承頂きたいと思います。
  242. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  243. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて。  それでは暫時休憩いたします。    午後十時四十六分休憩    —————・—————    午後十一時三十六分開会
  244. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは再開いたします。休憩前に引続きまして、質疑に入りたいと思いますが。
  245. 鈴木強平

    ○鈴木強平君 何か、明日ですね、又本会議が開かれるように聞いております。従いまして今日の審議はこの程度一つ打切つて頂きたいと思います。皆さんにお諮り願いたいと思いますが。
  246. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  247. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて。それでは明日当委員会を続行するということで、本日はこれにて散会いたします。    午後十一時四十五分散会