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1952-12-19 第15回国会 参議院 農林委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十九日(金曜日)    午後二時三分開会   —————————————   委員の異動 本日委員千葉信君辞任につき、その補 欠として三橋次郎君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山崎  恒君    理事            瀧井治三郎君            東   隆君    委員           池田宇右衞門君            石原幹市郎君            西山 龜七君            宮本 邦彦君            加賀  操君            楠見 義男君            藤野 繁雄君            羽生 三七君            三橋八次郎君            岡村文四郎君   委員外議員            野溝  勝君   衆議院議員            野原 正勝君   政府委員    農林大臣官房長 渡部 伍良君    農林省農業改良    局長      清井  正君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       倉田 吉雄君   説明員    農林省農業改良    局特産課長   徳安健太郎君    食糧庁業務第二    部食品課長   長沢  武君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○てん菜生産振興臨時措置法案(衆議  院提出) ○政府に対する申入れに関する件   —————————————
  2. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは只今より農林委員会を開会いたします。  てん菜生産振興臨時措置法案を議題に供します。速記を止めて下さい。    午後二時四分速記中止    ——————————    午後二時四十三分速記開始
  3. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて下さい。
  4. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) 第六条の末項でなくて、第七条にそれが規定されておるようでありますが、併し趣旨につきましては規定されておることについては間違いないようでございます。そこで私は一体かようりな、この生産振興すべき事業ですね。政府はかような監督乃至は必要以上の干与をしなければならん理由について私は疑問を持つものであります。特にこれが公団であるとか、統制会社とか、いわゆる政府出資の機関であるとかいうなら、これはまあこういう考え方もいいと思いますが、併しそうでないのです、実際は。それは幾ら助成をしてあるからというような意味で、政府は或る程度監督をせられます。併しこれで見ますると、麗々しく「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」というような、こういう議会を馬鹿にした条文を入れるものではないのです。こんなことを未だ曾つて法文に見たことはありません。これはどういう意味でこういうことを入れたのですか。私は微力でございますが、見たことはありません。
  5. 清井正

    政府委員清井正君) 只今野溝委員の御質問でございますが、これは私から申上げたらいいかどうかわかりませんが、まあ事務当局意見としてお聞き願いたいと思います。これはここにございますように、一定最低生産者価格というものを農林大臣が定めましてこの最低生産者価格買つたてん菜から製造されたてん楽糖政府が買う、こういう建前になつておるのでございます。その価格をきめます場合におきましては、その最低生産者価格買入れた計算によりまして所要の経費を計算いたしましてそうして適切なるところにおいて製造に関する費用を加えて基準の買入価格をきめる、こういうふうにてん菜価格からずつと積み上げまして、てん菜糖価格がきまる。こうい、りようなことになつておりまして、結局政府てん菜糖価格をきめるに当りましては、当然製造業者であるところの会社に対しまして必要があります場合には、かかるような報告の聴取ができる、或いはその他の措置ができるような規定を設けておくことが適切ではないか、こういうふうに実は考えられるのであります。無論なにもいたしませんならば、それまででございますけれども政府が最後の買入をするてん菜糖価格をきめます以上は、きめる過程についてのいろいろの調査事項が必要となつて参りました場合には、これは当然こういうよりなことができる権限事務当局にあつたほうがいいのじやなかろうか、こういうふうに考えるのでございます。第三項について、こういうような規定がないというようなお話でございましたが、これは特に立入検査というようなことが書いてありますことは、それは断り書を書いた意味で、むしろ立入検査意味を緩和すると申しますか、そういうような意味で、普通こういうような規定をいたしまする場合においては、こういうようなことを書くのが最近の例であるように聞いております。
  6. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) これで打切わたいと思いますが、御趣意をお伺いすればよくわかるのでございますが、これは受ける感じというものは実に私どもおかしく感ずるのです。ところが最近の法文並びに体裁と言いましようか、こういうようになつて来ているというのですが、最近の云々というよりは、実際、むしろこういうことを書くこと自体が、私は却つて如何にも業者が社会不安と言いましようか、こういうことの監査なり、必要以上の監視と言いましようか、監督と言いましようか、不安を感ずるということを大体政府は感得しておると思う。わかつておると思うのです。だから、そういうわかつておるようなことを必要以上に与えること自体、すでに改めていいと思うのです。みんなこういうふうに書いてありません。政府の助成したものは全部書いてありますか。私はそれならば、これから又改めて質問しなければならんが、こういうことが全部書いてあるという今お話がありましたが、私はそれは承服いたしません。そういう点から、これは或る意味においては必要以上に強い政府の介入なんです。むずかしい言葉で言えば、或る程度基本的人権をも脅威せしめている考え方から、こういうものが出ているのです。ですから、こういうことでなくしてもう少しく民主的に私は今の政府考え方を現わして行くことができるであろうと思います。余り時間を割いては失礼でございますから、これ以上私深くは申しませんが、特に日本国民生活必需品であるところの砂糖の原料のてん菜生産振興をしてやろう、しようという御趣旨つたら、片方のほうで轡をはめて鎮をつけて、不安を起すような、そんな二一大作の五にならんような考え方法律の立て方というものは、これは矛盾も甚だしいと思うのです。だから、こういう点を今後改めるか、さもなければ、こういう点については十分研究してみるというつもりがふるならば、私はこれ母上質問をいたしたくないと思います。この程度で省略いたしたいと思いますが、どうかこの点だけお伺いしておきたいと思います。
  7. 清井正

    政府委員清井正君) 只今重ねての御質問でございますが、先ほど私が通例あると聞いておると申しましたのは、立入検査権限云々の第三項についてのお話について、そういう例があるということを申したのであります。更にこういうようなものについてこういうような監督規定が必要であるかどうかということについての御意見でございますが、無論これは、こういう規定をおきましても、徒らに私ども農林大臣の命によつて製造業者に対して云々と、ここに書いてあるようなことを徒らにやるということではないのでありまして無論価格をきめます建前にある以上は、必要がありますれば、こういうことができるという権限事務当局に与えてもらうほうがよいと、こういう趣旨でこの規定ができておるものと解釈いたすのであります。書いてあるからと申しまして、これを振廻してどうこうという趣旨のものではないのでありまして、又そういうことをしては相成らんと思うのであります。ただ私個人の見解を申しますならば、やはりこれはてん菜一定価格で買い、而もそれに一定の積算をしててん菜糖買上価格をきめるということであります以上は、やはりこういう規定があつたほうが事務当局としてはいいのではないかと、こう私個人としては思つておりますが、実際問題といたしまして、これを徒らに濫用するとかいうようなことはないのであります。必要のありましたときにおいてのみその措置をとるというふうにいたさなければならんものと考えております。
  8. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) ちよつと関連して……、それでは簡単に、実は砂糖関係を持つておる台湾砂糖輸入に関しまして、これと関連をしておりますので、関連質問としてお許しを願いたいと思います。  聞くところによるというと、台湾砂糖相当量輸入をしたということを聞いたのでございますが、その台湾砂糖が非常に高いものを輸入しておるのでありますが、どうしてそんな高いものを輸入したかということをだんだん聞いてみたところが、日本肥料と、硫安を高く見積つて交換と言いますか、取引をしておるのだから、向うから来るものも高ければ、こつちから行くものも高いから、国民に迷惑にないというような話をちよつと伺いました。その取引事情についてお伺いしておきたいと思うのです。
  9. 渡部伍良

    政府委員渡部伍良君) 台湾砂糖硫安とのバーターという問題はしばしば出ておりますが、現実にはバーターした例はまだ出ておりません。むしろ台湾砂糖を安く日本肥料を高く売るためにバーターしたほうがよいではないかという研究はやつておりますです。現在までのところは全然バーターで入つた例はありません。
  10. 野溝勝

    委員外議員野溝勝君) どうも有難うございました。
  11. 楠見義男

    ○楠見義男君 食糧庁から頂いた資料の最初の昭和二十七年、二十八年の需給推定表なんですが、供給の欄の二十七年合計国内生産一万三千トンとあるのですが、この一万三千トンの中のてん菜糖はどのくらいになりますか。
  12. 長沢武

    説明員長沢武君) これは供給面てん菜糖政府放出の中に入つております。全部買つて供給するのは政府だけなのであります。政府放出の中に入つております。だから、一万三千トンは全部白下糖でございます。
  13. 楠見義男

    ○楠見義男君 それから昨日食糧長官からお話があつた本年三万トン買うという計画お話なんですが、これはい一つ生産てん菜糖を三万トン買うわけですか。
  14. 長沢武

    説明員長沢武君) これは二十七年産のものでございます。もう二十六年産はございません。
  15. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、二十七年の生産はトン数に直して幾らくらいになりますか。
  16. 長沢武

    説明員長沢武君) それが約三万トンと見込まれております。
  17. 楠見義男

    ○楠見義男君 甚だ細かいのですが、改良局から頂いた昭和二十七年の産糖高四十七万一千ピクルで、少し数字が合わないように思うのですが……。
  18. 長沢武

    説明員長沢武君) それはですね。去年の歩留りに比べまして、今年の歩留り予定よりもいいということなんであります。それで初めの低い歩留りで見た場合の計画、それから長官の言われたのは最近の実際の事情から推しまして当初の計画が殖えて三万トンになるかも知れない、こういうことなんであります。
  19. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうするとこの改良局のほうりの歩留りは昨年の一二・五〇、この表で行くと一二・四〇になつておりますが、この四〇が五〇以上になると、こう考えてよろしいわけですか。
  20. 長沢武

    説明員長沢武君) 昨年度はよかつたのでありますが、歩留りが……、本年当初は一二・二三程度にみております。逆に見ておつたわけであります。低くみておつたわけであります。去年の価格推算のときには一二・一二にみておつた。実績をみたところが五くらいになつた。本年は初めの計画で申しますと、一二・二三くらいにみておつたのが、実際は一二・四〇は出ると、そうなりますというと三万トンぐらいに出る、こういうことであります。
  21. 楠見義男

    ○楠見義男君 この表は一二・四〇%で以て四十七万一千ピクル、この歩留りさつきお話では悪くなるというのでしよう、二一・四〇くらい。そうすると、四十七万ピクルはもつと少くなるのじやありませんか。
  22. 長沢武

    説明員長沢武君) そうじやありません。当初我々の計画のときとには低くみておつたのですが、実際は一二・四〇出る、反当。が案外よかつた。併せまして殖えるということであります。本年の歩留りの確たるところはこの二月以降になりませんとわからない、現在進行中でございます。
  23. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、二十七年産のものは全量買上げるというわけですね。
  24. 長沢武

    説明員長沢武君) 現在の糖価関係では全量売つて来ると見込んでおります。それを買うことになつております。
  25. 楠見義男

    ○楠見義男君 二十八年産、二十九年正し座すべてこれはてん菜については全量員上げるということになりますか、どうなりますか。
  26. 長沢武

    説明員長沢武君) それは糖価関係において非常に国内糖価が上るような事情があれば別でございまするが、今のような状態のままと考えますれば、先ず全量出て来ざるを得ないであろう、一定期間は全量買上げる、こういうことだと思います。
  27. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、その二十七年産のものは今の補正予算の三万トンの買上げで買つて行きますね。それから二十八年産のものは、今年の十一月頃からだんだん始まつて、そうして精糖して行く、そいつ買つて行く場合には、やはり同時に、二十八年産のものをやる場合には、当初予算に組むか補正予算に組むか、どつちかしなければならないわけですれ。
  28. 長沢武

    説明員長沢武君) そうでございます。その通りでございます。
  29. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは提案者に伺うのですが、甚だ皮肉なことですけれども提案者を見ますと、自由党のかたが非常に多いのですが、今のお話のように全量買上げる、全量買上げるという場合には、又これは普通の価格政策違つて価格補償政策ですから、今の状況で行けば必ず割高のものを買つて、そうして政府ピクル、例えば千円なら千円の損をして売つて行くと、こういうことになるから、結局全量買上げる、従つてそれは政府予算に左右されると、こういうことになるわけですね。その場合にその法律の二条で行きますと一定計画を立ててそいつ農林大臣承認を受ける、こういうことになつているのならば、自由党のほうで今まで言つておられる、成るべく統制をしないというのじやなしに、逆にこれに関する限りは作付統制とまでは言えなくても、そういうような生産計画というものを立てて行かなければ政府政策とマッチせんわけですね。そこで変な話ですが、あなたに聞くのは変だけれども自由党政務調査会農林部長をやつておられるから伺うのですが、こういう自由党政策が変つたと解釈していいわけですね。
  30. 野原正勝

    衆議院議員野原正勝君) この案は別に自由党だけの案ではありませんので、おつしやる通り自由党関係者が多かつたということは事実ですが、各党の共同提案であります。又自由党政策が変つたかという大袈裟な表現はどうかと思いますが、自由党は必ずしも実は自由経済ばかりやつておるのじやないので、時に臨んでは、やはり或る程度計画性を持つた農業政策と、今度の食糧自給体制五カ年計画、今これも大きな目で見れば、やはり計画的な生産力の増強を目指してやつておるので、決してよく世に言われるような野放しの自由放任、主義ということでなく、我々はときには立会演説会なんかでやりますけれども、そういうのでは決してないのでありまして、北海道農業の特性から考えまして、寒冷地農業振興するためにやはり一定の構想があり、又その計画の線に則つてだんだん進めて行くというのがよかろうと思います。決してこれは政府から押付ける統制ではなくして、北海道長官が農民の意思に基いて立てられた計画政府に申出てもらう、それを承認して行く。これはやはりそれが保護政策であるだけに国としても北海道がどんな農業計画を以て進めて行くのかということは的確なところを或る程度事前に知つておく必要がある。例えば砂糖輸入計画を立てる場合にしても、北海道砂糖はこれだけできるから、何もそんなに他の高い砂糖を買わなくてもいい、そういつた面から見て、国の予算を立てる場合においても、やはり或る程度計画を考えて行く必要があるという意味でございます。その点は一つ別自由党政策云々というようなことには余り触れないと思います。
  31. 楠見義男

    ○楠見義男君 だんだんとこの計画性が附与されるようになつて来て、農業のために非常に私は幸いに存ずる、どうかよろしくお願いします。そこでですね。政府のほうに伺いますが、この生産振興計画というものは今お話のように下から盛上つてつて来る、これを承認するということになれば、勿論豊凶の違いはありますけれども、普通の状態で行き、而も政府のほうから言えば、一つ増産計画を年々持つておられるわけです。その増産計画にマッチするような振興計画を出して来れば、これは承認せざるを得ない。ところがこの承認をするときには実はこれも法律に載つておるように、一月には大体のことを、四月には実際の価格を作るのですが、昨日の話では一月には大体のことを作つておかなければならんというお話ですが、そこで予算上はそれによつて翌年の予算で、さつきも申上げたような買入れの予算というものを本予算追加予算で計上するということにならなければならないのですが、予算を束縛されることになりますが、それは当然これを承認したら予算は組まなければならないということになると思いますが、それはそういうふうに理解してよろしいですか。
  32. 清井正

    政府委員清井正君) 確かにお話通り生産計画を樹立いたさしまして、それをこちらで承認するということにいたして参りますので、先ほどの資料等にもございますが、大体年次別並びに作付面積の増或いは反収の増等計画いたしまして、同時に又品質改善によりまして歩留り引上げるとい、りような方向で、この計画を持つて行く。私どももそういうふうに指導をして参らなければならん、こういうふうに思つておる次第であります。そこで予算の問題でございますが、当然これは時期的にはずれまして来年度予算承認する際に、無論予定をいたしてこの計画承認しなければならん、こういうことになると思うのであります。予算項目につきましては、過日御説明申しました通り、主として反当収量の増或いは種子の購入或いは原種圃経営等によりまして、産糖高引上げるというような方向に持つて行くわけであります。同時に実際問題といたしましては、一月にこれを承認いたす場合におきましては、その背景となる予算を当然私どもといたしては編成をいたしまして、関係方面とも相談をいたしまして、できる限りこちらの所期の計画通り予算を常に努力したい、こういうふうに思つております。
  33. 楠見義男

    ○楠見義男君 昨日の質疑応答の中で、提案者とそれから官庁側との間の連絡はどうかという御質疑がほかの委員からあつたのに対して、それは十分できておる、こういう御説明提案者側からも又政府側からもあつたのですが、その官庁の中には大蔵省は入つておりましようか。
  34. 長沢武

    説明員長沢武君) 大蔵省も入つております。
  35. 楠見義男

    ○楠見義男君 それでは次に内容なんですが、五条の一項の製造されたてん糖の中で政令で定めるものに限るという、一部買入れられない対象のものもあるような書き方なんですが、これはどういうことを予想しておるのでしようか。
  36. 長沢武

    説明員長沢武君) これは糖度とか品質規格の問題でございます。例えば糖度が九〇何%以上とか、包装はこういうのだとか、そういう問題が主であります。
  37. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、それは品質規格によつて価格差はあつても、製造されたものは全部買うと、こう理解していいですか。
  38. 長沢武

    説明員長沢武君) そのように理解されていいと思います。
  39. 楠見義男

    ○楠見義男君 それからもう一つ資料の問題ですが、改良局からの資料で一番初めのページなんですが、契約面積実測面積が非常に或いは千町歩或いは二千町歩というふうに、こういうふうに違つておるのですが、これはどういう事情なんですか。
  40. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) 只今契約面積実測面積との関係でございますが、契約面積作付けの前にきめるわけであります。その後八月、九月に各一筆調査をやりまして、その調査でまとまつた数字がこれであります。そういう違いであります。
  41. 楠見義男

    ○楠見義男君 それについては、これは別に契約違反とか何かというような問題は、生産者とそれから製造業者との間には起らないのですか。
  42. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) それは起りません。
  43. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、同じよう、なことが、今度は計画を立てる場合に、農林大臣承認する、ところがそれに基いて少々無理でも予算を立てて、これは実際の生産が例えば農林省のほうの計画で行けば、五年後には現在の四十七万ピクルが百万ピクルを越える、こういうようなことで行く、こういう法律まで作つてやろうというときに、その実行において違つた場合には、これは仕方ない、こういうことで行くわけですか。
  44. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) この問題につきましては、前に改良局長から御説明申上げました増産奨励施設内容関連して来ると思います。この中で農林省といたしましてはてん菜糖栽培作業能率改善或いはてん菜作経営改善促進事業、こういうことで各産地の町村ごと生産計画に対する協議会を開きまして、道庁からの指導奨励と相まちまして計画をやつて行きたいと、かように考えております。従つて今までのただ契約をしてあとで実測をするという行き方じやなくて、もう一歩進んでその生産計画の樹立につきまして積極的な指導をして行つて、その点の食い違いをなくしたい、こう思つております。
  45. 楠見義男

    ○楠見義男君 その指導というものは、結局或る程度割当のようなことをやるのですか。
  46. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) まあ大体現在の栽培しております生産者増反と、それから新規の作付増反になると思いますが、この点につきましては、北海道庁で大体の計画性を持たせて、各町村と協議してきめる、こういうことに相成ると思います。
  47. 楠見義男

    ○楠見義男君 それからその次の「反当収量増加可能性」という表なんですが、これで行くと、反当収量が大体三倍から三倍半くらいに上つている。結局これはこういうところの種というものは、どういうようなふうになつて参りましようか。
  48. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) この「反当収量増加可能性」の資料でございますが、これは現在北海道庁におきまして、従来余りてん菜を作つていなかつた地帯を対象にして、一つモデル部落と申しますか、そういうものを指導いたしましてやつているわけであります。その指導いたしましたところの実際の効果を、ここに一例として挙げたのであります。種につきましては現在は特に優良品種を配しているというわけでもございません。
  49. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は日本てん菜糖が特に戦時中からいい種がだんだん途絶えて、そうして退化と言いますか、そういうことも大きな原因じやないかと思つており、又昨日の一代交雑種お話を伺つたりして、一層そういうような気持もしたのですが、ところがこの「反当収量増加可能性」の表を見ると、種の如何にかかわらず、こういうふうにできるとこういうので非常に意を強くしたわけなんですが、これはどういう特殊な術、どういう経営方法をやつておるのか。
  50. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) これは種の特に優良品種をやつておるだけではないと申上げたのですが、この問題につき」ましては、ここに備考に書いておりますように、いわゆる「特殊技術経営方法を実施した。」と書いてありますが、これは御承知のように北海道の深土耕、混属耕、こういうものを入れまして、それによりまして非常に地方の培養と申しますか、維持に努めたいという点が大きな原因とされております。
  51. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 この法律によつて見ますると、「公布の日から施行する。」と書いてあつて、それから法律効果は三十七年三月三十一日だから、十カ年になりますが、今の資料では五カ年計画になつておるのでありますが、十カ年間では日本消費に必要な砂糖を、この法律によつて奨励して消費量を充たすようにされるという計画であるかどうか、その点を。
  52. 清井正

    政府委員清井正君) 只今お話でございますが、なるほどこの計画におきましては、五カ年間で六万四千トンを最小限度増強いたしたい、こういうことで計画を作つておるのでございますが、この法律のほうが十年間有効ということになつております。これは私のほうと申しますか、事務的に作つておりますところの年次別生産量は、これは変更しておりませんが、この五カ年計画法律に記載されておりますところの十年計画の第一次計画とでも御了解願つて結構かと思いますが、その第一次の五年計画が済みまして、引続き第二次計画と、こういうふうになつております。
  53. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうしますと、第一次の五カ年計画に要する経費は、大体どのくら、の経費であるとお考えになりますか。その点をお尋ねしたいと思います。
  54. 清井正

    政府委員清井正君) ちよつと只今はつきりした数字を申上げられませんが、私ども第一年日円であります二十八年度、明年度の予算といたしまして、只今計画いたしておりますのは、約五千万円程度計画いたしております。これはまだ我々の計画の段階でありまして、最終決定ではございません。逐次金額を増強いたしまして進んで参りたい、こう考えております。
  55. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 砂糖国民に必要な最小限度をこの法律によつて確保しようとすることであれば、必ずその目的を達成するためには、できるならば予算面においては各年度毎の継続費を見積つて行かなくちやできないじやないか、継続費がなくて年度ごとに多くなり少くなりということでは、五カ年計画の目的を達成することはできないと、こう考えているのでありますが、大体において総金額が幾らである、そうして第一年度は幾らだ、第二年度は幾らだと、こういうふうな継続費的の予算を組まれる考えはないかどうか。政府の、殊に前農林大臣がこの委員会で説明されたところによるというと、食糧増産については継続費として組んで、その年度に必要なものを各年度ごとに組むようにしなくちやならない、そうするのだ、こういうような方針を説明しておられたようでありますが、これについてそういうふうな計画がないのであるか、あるのであるか。只今は、昭和二十八年度は五千万円ぐらいだということでありますが、その点更にお伺いしたいと思うのであります。
  56. 清井正

    政府委員清井正君) 只今継続費のような思想を以てやつたらどうかというお話でありますが、御趣旨は誠に結構ではございますが、無論私どもといたしましては、只今二十八年度の数字を申上げましたけれども、二十九年度、三十年度以降、この五カ年計画に即応いたしまして計画を持つておるのであります。無論その内容につきましても、昨日来御説明申上げました通り原種圃、採種圃、種子の購入等ございますから、一年計画事業では無理でありましてこれはこの年度中継続いたしまして支出をいたさなければ無理であると考えるのであります。従いまして私ども所要の計画に従いまして、昨日来御説明申上げておりますところの助成計画を、今後引続き一増強して参りたい、こういうふうに考えておるのであります。
  57. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 これは私まだ確実なことは知らないのでありますが、聞くところによりますというと、アメリカでは澱粉から結晶ぶどう糖を作つてその結晶ぶどう糖を砂糖に二割混入して使用している。そしてこれは砂糖のみ使用するよりも非常に皆から好まれている。でありますから、アメリカでは将来砂糖を使用する場合においては、必ず二割の結晶ぶどう糖を加えて砂糖を使用するようにしよう、こういうふうな方針のように伺つているのであります。若しこういうふうなことになるといたしましたならば、日本における澱粉の消費の方面も一方面が現われて来るし、又砂糖の輸入も減ずることができて、外貨の支出に非常に有効になるのじやなかろうか。外貨を少く使用していいことになるのじやなかろうか、こういうふうに考えられるのでありますが、結晶ぶどう糖を砂糖に混入するというようなアメリカの例がどういうふうな状況であるか。又日本ではこの点についてどういうふうな研究が進められているのであるか。その状況を承わりたいと思うのであります。
  58. 長沢武

    説明員長沢武君) 只今お話はデキストリンのお話のようでありまして、藤野委員のおつしやる通り我々も聞いておるのでありますが、実は目下手許には確実な調査がございませんので、追つて詳しく調査いたしたいと思つております。日本においてそのようなことについて実施できるかどうかの研究をしているかどうかというお話でありまするが、我々のところでもいろいろ研究いたしておりまするが、日本の場合澱粉が割高でございますので、今のところでは自由企業としては相当困難ではないか、特に糖価が、百万トン計画が達成せられまして、かなり限界コストに近ずくような相場状況にな’りますと、なかなか自由企業としては困難ではないかというように考えております。
  59. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 できるだけアメリカの例があつたらば、一つ調査の上、後刻印刷にして御報告を願います。
  60. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 質疑があまりないよりでございますから、質疑を打切つて評論、採決に入つたらいいと思いますか、お諮り願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今の岡村さんの動議に御異議ないようでありますので、進行いたしたいと存じますが、ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  62. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて。他に御発言もないようですから、質疑は尽きしたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
  64. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今御審議を願つておりますてん菜生産振興臨時措置法案は、日本砂糖の需要から見まするにしても、北海道農業関係から申上げましても、重要な法案でございます。そこで今後政府があらゆる面に助成をしなければならんことになると思いまするが、助成をされても、政府のほうでは相当の消費税をとつておりまして、今までも随分その希望を申しておりましたが、なかなか思うようにならんで今日まで来ております。そこで無暗なことは申上げませんが、第一に種子の改良普及に全力を挙げてもらわんと、アメリカのてん菜日本てん菜はまるで話にもならんようなことでございます。そこで、土地も違いましようが、主として種子に関係があると思いまするから、あらゆる面で十分なる助成をし、ますます希望通り計画通り収穫が上りますように御努力を願いまして、本案に賛成いたします。
  65. 加賀操

    ○加賀操君 私、次の希望を添えて本案に賛成いたします。先ずこの法の運用につきまして一番大切なことは、政府が告示することになつておりまするが、この告示が遅れますと非常に農家のほうに心配をかけますので、成るへく早い機会に告示をして頂いて、安心して作れるようにさしてもらいたいと、かように考えるのであります。  次の点は、書いてありまする通り、これは寒地の農業経営を合理化すると、こういう点にあるのでありまして、その中で最も大切なのは、このビートが家畜と完全に結びつくと、こういう点でございます。これができなければこの法の最終目的は非常にむずかしく相成ると思います。過去の拓殖計画におきましても十分考慮したのでありまするが、実績は思うように行つておりません。政府におかれては、よく過去の経験を研究されまして、完全にビートと家畜が結びつきまして、それによつて農家の経営が安定になるように、農林省各部局間で完全な一致した御方針をとつて実施して頂きたいと、この二点を加えて賛成をいたします。
  66. 西山龜七

    ○西山龜七君 我が国が砂糖消費量の大部分を輸入に依存して砂糖の需給の安定を図らなければならないという現状におきまして、輸入砂糖は相場の変動が非常に激しくありまして、且つ貴重な外貨資金を要し、特に一朝有事の場合におきましては……、それらのことを考慮するときに、最低限度の内地の砂糖の維持育成は最も必要なことであると思います。故に私は、本法案に賛成すると共に、内地各地に生産する砂糖に対しまして政府において早急に適切な対策を立てられんことを要望いたしまして、本案に賛成するものであります。
  67. 東隆

    ○東隆君 この法案に賛成をいたしますが、てん菜を栽培するごとによつて北海道、殊に亜寒地帯における農業経営がこれで確立をして行くと、こういう意味で私は非常に重要な法案だと、こう考えるわけであります。このてん菜には、実は論議をされていない問題で重要な問題があるわけであります。それは肥料の問題でありますが、窒素質肥料として硫安が、これはてん菜には非常に害になる、却つて生産を阻害するようなことになりますので、これが栽培が進むに従いまして恐らくはチリー硝石輸入の問題が起きて来ると思います。そういう面においてこれは海外から輸入する肥料でありますので、特にこの点について留意をして頂きたい、こういうことを附加えまして賛成をいたします。
  68. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ほかに御意見ないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成のかたの御起立を願います。    〔賛成者起立〕
  70. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 全会一致でございます。よつて本案は全会一致を以て可決すべきものと決定されました。なお本会議における委員長の口頭報告の内容等事後の手続は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないものと認めます。次に、本案を可とされましたかたは順次御署名を願います。   多数意見者署名     瀧井治三郎  東   隆    池田宇右衞門  石原幹声郎     西山 龜七  宮本 邦彦     加賀  操  楠見 義男     藤野 繁雄  羽生 三七     岡村文四郎  三橋八次郎
  72. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御署名洩れはございませんか……、ないと認めます。   —————————————
  73. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 三橋委員から別の問題で発言を求められておりますので、許可いたします。
  74. 三橋八次郎

    ○三橋八次郎君 農業の機械化は我が国農業にとりまして極めて重要な事柄でありまして、参議院、衆議院を通じまして議員団を結成いたしまして機械化の促進を図るべく努力して参つておるわけでありますが、機械化の重要でありますことにつきましては、今更申上げるまでもないことと存じます。今までのいろいろな資料につきましてはお手許に配付をいたしておりますから、あとで御覧を願いたいと思うのであります。丁度食糧を五カ年計画を以て増産するというような計画のある折柄でございまして、是非共この五カ年計画に織込みましてこの農業の機械化を促進して頂きますように、委員長から委員各位にお諮りを願いまして、委員長から政府のほうに申入れをして頂きますると結構だと思いますので、よろしくお願いいたします。
  75. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今三橋委員から農業振興のための機械化農業の点について、これが奨励指導の点を政府に申入れるようにというような御意見でありますが、政府に対しましてそうした趣旨の下に申入れることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでありますのでさよう決定いたします。文案その他の点につきましては御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  78. 山崎恒

    委員長山崎恒君) では次に湿田単作地域農業改良促進法案を議題にいたします。  では今日は提案者の出席がありませんので、これで散会することにいたしますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでありますので、本日はこれを以て散会いたします。    午後三時四十一分散会