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1952-12-18 第15回国会 参議院 農林委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十八日(木曜日)    午後二時七分開会   ―――――――――――――   委員の異動 十二月十七日委員三橋八次郎君辞任に つき、その補欠として千葉信君を議長 において指名した。  出席者は左の通り。    委員長     山崎  恒君    理事            瀧井治三郎君            東   隆君    委員           池田宇右衞門君            石原幹市郎君            西山 龜七君            宮本 邦彦君            加賀  操君            楠見 義男君            藤野 繁雄君            羽生 三七君            岩崎正三郎君            岡村文四郎君   衆議院議員    高倉 定助君   政府委員    農林省農業改良    局長      清井  正君    食糧庁長官   東畑 四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林省農業改良    局特産課長   徳安健太郎君    食糧庁業務部第    二部食品課長  長沢  武君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○政府に対する申入れに関する件 ○てん菜生産振興臨時措置法案(衆議  院提出)   ―――――――――――――
  2. 山崎恒

    委員長山崎恒君) では只今から委員会を開きます。先ず昨日保留となつておりました楠見委員の発議に上る国鉄貨物等級の改訂に関する申入れの件を議題といたします。なお国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案は、政府原案通り本日の衆議院会議に上程の予定のようであります。申入れ原案につきましては、お手許にお配りいたしておきました二つの案の通り決定されたものといたしてお差支えございませんか。    〔「異議な」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでありますので、お配りしてあります原案に基きまして申入れをいたすことに決定いたしました。
  4. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 続いててん菜生産振興臨時措置法案議題といたします。本法律案は昨十七日衆議院を通過して本委員会に本付託となつております。本法律案につきましては、先日提案理由説明を聞いたのでありますが、なお提案者及び政府に対して質疑があれば、質疑を願いたいと存じます。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  5. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて。
  6. 加賀操

    加賀操君 提案者が来ておられませんので、政府のほうにお聞きしますが、今までの審議経過から見まして、この提案議員提出なつているのでございますが、この提案につきましては、政府提案者と、或いは政府各省或いは庁の各局部内で十分に連絡をとられて提案されているのかどうか。これは提案者に聞くはずですが、提案者がおられませんので、政府のほうで、例えば予算措置或いは省令措置について、提案者と十分な御審議の上提案されたのかどうか、お尋ねしたいと思います。
  7. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) てん菜生産振興措置法提案にからみまして、予算につきましては農林省は勿論でありますが、大蔵省とも十分連絡をいたしている次第でございます。
  8. 加賀操

    加賀操君 では大体このてん菜生産振興について、予算その他の計画を一応政府から御説明願いたいと思います。
  9. 清井正

    政府委員清井正君) 只今の御質問てん菜に関する予算でございますが、生産奨励関係について私から御説明申上げたいと思います。てん菜生産奨励につきましては、戦前にはいろいろ予算措置があつたようでありますけれども、戦後はちよつと途絶えておりまして、昭和二十六年度と本二十七年度の両年度におきまして七百五十万円の予算が計上されているのであります。それは病害虫防除費という内容でございまして、専ら生産者に交付いたしまして、てん楽生産についての病害虫を防除する費用ということになつているのであります。明二十八年度予算につきましては、本法律案の中にも、一部生産計画等のことが語つてあるのでございますが、私どもといたしましても、現在のてん菜の反当収量或いは品質等は、よほど戦前と較べまして低下をいたしているような状況でありますので、このてん茱生産条件改善いたしまして、生産費を低下するということを併せてやつて参らなければならん、こういうふうに考えておりますので、今後てん菜生産についての反当収量の増と品種改良ということを主といたしまして予算措置を講じて参りたい、こういうふうに考えまして目下大蔵省と折衝いたしている最中でございます。  大体の項目といたしましては、いわゆるてん楽優良品種普及促進でありますが、優良品種の利用及び最近輸入されましたところの外国産の優良品種普及を図りまして、原種圃採種圃の設置をいたして行きたいというのが第一点であります。第二点はこの優良品種普及いたします間、暫定的に外国品種を入れますために種子購入を予定している、こういうふうに考えております。第三点といたしまして病害虫防除費であります。これは先ほどちよつと御説明申上げました二十七年度までの予算にはあるのでありますが、更にこれを拡充いたして参りたい、こういうふうに考えております。その他栽培作業の能率改善問題、或いは経営改善の問題、或いは技術指導の問題という各般に亘りまして予算を計上いたしまして、先ほども申上げました品質或いは反当収量改善に資したい、こういうふうに考えている次第であります。
  10. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 食管特別会計におけるてん楽関係予算概略を申上げます。補正予算でこの法案に関しまして見ております予算買入数量三万トン円貫入単価は一ピクルあたり五千六百円、トンに直しまして九万三千三百三十三円という予算を計上いたしております。売却のほうは本年度中一万トンと見ております。差引二万トンは翌会計年度に持越をするのであります。売却単価は一ピクルあたり四千六百二十円、トンあたりは七万七千円、こういうふうに算定をいたしております。実際の買入れの決定予算五千六百円でありましたけれども、最近きめましたのでは五千五百七十円、予算より若干低い価格買人価格決定をいたした次第であります。この差額等につきましては今後実際の買入れ、売払いが終りまして、主としてこれは来年度になりますが、来年度の決算を見て、繰入れその他の問題を考えよう、こういうことを大蔵事務当局とは話合を進めておる次第でございます。
  11. 楠見義男

    ○楠見義男君 勉強する材料資料があつたら、資料によつて勉強したいと思つたのですが、資料の御配付はありましようか。配付されたのは法案説明を印刷したものだけですが、大体こういうものが資料として欲しいと思うようなことを、この機会に細いことになりますが、お伺いしたいのですが、これは主として長官局長よりも直接この仕事に当つておられる課長或いは技官のほうがおわかりだと思いますから、どなたでも結構ですが、御説明を願いたいと思います。  先ず第一は従来の輸入糖価格とそれから国内てん菜糖価格との、これは主として自由経済当時の状況と、それから統制経済の場合は、これは恐らく一本だと思いますが、その価格の推移を比較したいと思いますが、若しそれがわかつてれりますれば、詳細は資料を出して頂いて、概略はこの席で若しできれば御説明を願いたいと思います。  それから第二番目は国内におけるてん茱生産事情の変遷と申しますか、この事情を承知いたしたいのでございます。  それから第三番目は従来のこのてん楽糖に対する保護助成の歴史と申しますか、経過といいますか、これが若し今改良局長が御説明なつたような程度のものだけであれば、それで結構だし、それ以外のことがあれば、その点をお伺いしたいと思います。  先ず課長さんからお伺いするのは大体その四点です。
  12. 清井正

    政府委員清井正君) 只今の楠見委員の御質問でありますが、不十分な点は後刻又資料その他で御説明申上げたいと思います。  生産事情についての御質問でございますが、まだ一部資料にいたしておりませんけれども、一部持つております資料がありますので、大体申上げてみたいと思いますが、大体契約面積は最近数年間一万五千町歩から一万八千町歩なつております。契約戸数が大体六万四千前後でございます。それから耕作者の一戸あたり平均面積が二反七畝、二反八畝、多いときには三反くらいになります。総収量戦前に、一番多いときが五億八千万斤ぐらいになつておりますが、最近は三億から四億の間でございます。反当収量は一番多いときは過去に四千斤ということがございますが、今年度は二千九百四十斤ということになつております。歩留りは一番高いときは一四%八八というときがございましたが、最近は4から一三%近所でございます。産糖高は一番多いときは七十万ピクルでございましたが、今年度は四十七万ピクルでございます。大体こういうような大雑把な数字でございますが、いずれ又詳しく数字にいたしましてお出し申上げたいと思います。  それから三番目の国の補助奨励措置はどうかという御質問でございましたが、補助奨励と申しましても、戦後の数字及び措置につきましては、先ほど申上げた通りでほかにございませんが、戦前におきましても若干同趣旨種子購入補助であるとか或いは共進会農機具補助といつたような補助助成措置が講じられて来ているのであります。例えば大正十二年から昭和元年までに、合計で百二十九万円、昭和二年から昭和二十年までに合計二千百四十三万円という補助金が、只今申上げたような趣旨生産者等に交付されているわけでありますが、これはいずれも和金の収入を或る程度目当にして出したように聞いているのであります。その程度しか現在のところ資料はございません。
  13. 長沢武

    説明員長沢武君) 只今質問のございました自由時代価格比較手許にございませんので、あとから詳細に調べて提出いたします。
  14. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 只今の楠見さんのお尋ねなさつたと同じことを、もう少し、一つあと資料でよろしうこぎいますから、資料の御提出を願いたいと思います。それは最近数カ年間の砂糖輸入量、それから金額、それを輸入国別一つお示しを願いたいと思います。それから二番目には我が国てん菜糖甘蔗糖生産数量、若しできるならば、生産原価消費者価格、こういうふうな数字をお願いしたいと思つております。それからてん菜甘蔗栽培をしているところの府県別作成反別、それから我が国における砂糖の最近における川遠別消費量、そういうふうなものを資料としてお願いいたします。
  15. 長沢武

    説明員長沢武君) あと資料提出するようにいたします。
  16. 楠見義男

    ○楠見義男君 先ほど加賀さんからの御質問によると、大体この法案提案されるに当つて提案者政府各省との間に緊密なる連繋があるそうですから、従つて或いはさつき私が申上げたように主として提案者に聞きたいことが多いのですが…
  17. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 提案者が参りましたから。高倉定助先生です。
  18. 楠見義男

    ○楠見義男君 高倉さんにお伺いして、若し高倉さんがお答えになつた点で不十分な点は補足して政府のほうからお答え頂きたいのですが、それは法文の内容に入つてお伺いいたしますが、最初に第三条ですが、第三条で、国は毎年度予算の範囲内において必要な補助をすることになつておりますが、提案者としてこのてん菜生産振興計画を実施するために、必要な経費としてどの程度のことを予想され、又補助としてどの程度のことを頭の中で御期待になつているのか、先ずこの点をお伺いいたします。
  19. 高倉定助

    衆議院議員高倉定助君) 実は昨年の、二十七年度てん菜に対してれ今までの千斤当り二千円では、到底畑作作物に対するものと比較しまして、その生産費が償わないというので、生産費から割出しまて、そうして生産者のほうでは、少くとも三千円以上にしてもらわなければでき得ないというような観点から、三千円を要求したのが、昨年の買上げによつてきまつた。本年も今後におけるところの経済的いろいろの関係も変つて参りましようけれども、生産価格を割らないところのもので買上げてもらいたいというのが骨子であります。
  20. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の千斤当り三千円というのは、精糖にするとてん菜糖では結局どのくらいになりましようか。
  21. 長沢武

    説明員長沢武君) 歩留りは現在本年度につきましては、一二・四%とされておりますので千斤から百二十四斤、それから三千斤からですと三百七十二斤と押えております。
  22. 楠見義男

    ○楠見義男君 計算すればすぐわかるのですが、その煩を避けるために実は伺つているのですが、先ほど提案者高倉さんからお話になつたてん楽は千斤三千円ということが一応目安になつているのですが、そういう価格から見て、それをてん菜糖にした場合のピクル当り価格はどの程度になるだろうか、そのピクル当り価格が実は知りたいのです。
  23. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 企業の計算を入れて申上げると、五千五百七十円という計算になります。それから買上げは五千五百七十円……、三千円、こういうふうにお考えを願います。
  24. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは提案者に伺つたほうがいいのか或いは政府のほうに伺つたほうがいいのか、どちらでも結構ですが、若しわかつておるほうからお答え頂ければいいのですが、てん菜生産費調と言いますか、そういうものがありましようか、例えば三千円が適当か二千円では低過ぎるかというような、我々素人が検討する材料としての生産費調、そういうものがあつたらお知らせ頂きたい。
  25. 清井正

    政府委員清井正君) 実はてん菜についての生産費調は正確なものはございません。ただ一部、道庁方面で過去に調べたものが一部ございますが、調査戸数が非常に少うございまして、ちよつとこれは申上げる数字としては如何かと思いまして申上げにくいのでございますが、ただ考えられますことは、いろいろてん菜を植付けいたします際に、大豆小豆菜豆馬鈴薯その他競合作物の環境をいろいろ考えて行かなければならないと思いますが、そういつた豆類なり、いもの生産費と、比べますと、やはりてん楽を植付けする場合の単位当り生産費というものは余ほど高い金額になるのではないか、この程度のことは申上げられるかと思いますが、正確な金額は誠に申訳ないのでありますけれども、確たる数字は申上げられません。
  26. 楠見義男

    ○楠見義男君 それじや食糧長官に伺うのですが、五千五百七十円という買入価格ができた根拠ですがね。これは予算委員会で伺えばいいかと思いますが、その煩を避けてここでわかつていれば伺いたいのですが……。
  27. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) それでは、五千六百円と申しますのは丸く言いましたので、正確に申しますと五千五百七十円であります。その場合における原価の考え方でありまするが、先ほどの御質問趣旨を若干取違えまして、これは甜菜糖百斤が五千五百七十円でございます。原料はこれよりずつと大きくなる、一応原料費を二千五百十八円と見込んでおります。それから運搬その他の諸経費を八百九十四円強としております。それから労務費、賃金その他の雑費でありますが、これが三百六十七円弱程度と見ております、それから燃料費、これは石炭、コークス、薪等を合せまして一千十一円強であります。その他補助材料費修繕費減価償却費、金利、諸経費等を合せまして八百十六円強でございまして、合計しますと五千六百七円でありますが、パルプ等の副収入がございますので、これを三十七円程度引きまして五千五百七十円、こういうように考えております。歩留りは一二・四%、先ほど申上げましたような数字なつておりますが、実は一昨年政府が買いましたものは原料は二千円で買つたのでありますが、今回三千円になりまして、而も買上値段は昨年は五千六百円であつたものが五千五百七十円で三十円今度は引下げたわけであります。原料が大体千円上つております。五割アップしておるのでありますが、政府買上価格は大体昨年より少し低いということになりまして、これは歩留りその他を随分切り詰めましたり、或いは一般であれば単独会社でありますので利潤等もみるのでありますが、これもみなかつた。その他の諸経費等労務費以外には値上りを各方面から吸収してみなかつた等の理由によりまして相当合理化を図つたつもりでございます。
  28. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の御説明原料費二千五百十八円というのはてん菜に直して千斤あたりどのくらいの値段でございますか、やはり三千円になるのですか。
  29. 東畑四郎

    政府委員東畑四郎君) 歩留りは八百六斤に三千円をかけたものが大体合う、こういう計算なつております。
  30. 楠見義男

    ○楠見義男君 三千円にみておるわけですね。生産費がわからんと実は困るので、それに近いものなら何でもいいのですが、何かはかの作物についての比較、或いはパリ勇イーでも何でもよいのですが、一朝一夕に自問自答しても納得できないようなわけで、資料でも作つて出して頂くと非常に有難いのですがね。
  31. 清井正

    政府委員清井正君) それでは私から生産費ではございませんが、なぜその三千円という数字をきめたかという経緯を御説明申上げたいと思います。それは一定の算出方法を以てきめたのでございまして、その算出方法基準年次を先ず昭和九年――十一年の平均におきまして、又もう一つ競合作物、即ち馬鈴薯大豆小豆菜豆小麦、この競合作物をもう一つみたわけでございます。そうしてその基準年次と、それから決定しようとする年次との間の競合作物値上り価格比がございますので、その値上り価格比平均をとりまして、この平均基準年次てん菜価格にかけたという計算をいたしまして出したものでございます。そうして無論この場合の価格北海道におき、ます農家稻作価格基準にいたしてございます。今その三千円の数字を申上げてみますが、その倍率だけ申上げておきますが、昭和九――十一年と昭和二十六年度の各農産物価格比は、馬鈴薯につきましては五二四・七、大豆につきま、ては四五九・六、小豆につきましては五六〇・六、菜豆につきましては四七一・一、小麦につきましては二五四・一という数字でございまして、これを平均いたしまして四五四という数字が出たのであります。そういたしまして、基準年次におきまするてん菜価格六円五十五銭に四五四をかけますと二千九百七十三円八十三銭という数字が出まして、それを、丸くいたしまして三千円という数字を算出いたした次第でございます。
  32. 楠見義男

    ○楠見義男君 その基準年次昭和九年乃至十一年におけるてん菜生産事情は、そういう価格で将来どんどん伸びるような情勢価格であつたのか、或いはこれじやとてもやりきれんというような程度価格であつたのか、その当時の生産事情、その価格をバツクにした生産事情というものはどういう事情つたのでしようか。
  33. 清井正

    政府委員清井正君) 御質問の点に的確には当て嵌らないかと思いますが、只今手許に持つております資料で、昭和九年頃におきます生産事情だけ申上げてみたいと思いますが、昭和九年におきましては作付実測面積が一万町歩でございまして、その総生産甜菜は四億三百万斤でございまして、反当収量が一番多うございまして、このときは反当四斤ということになつておりまして、歩留りは一四・八八という結果、産糖高といたしましては五十八万七千四百ピクル、こういう数字を示しておるのでございます。十、十一年も、それより少し下りますけれども、割合にいい成績を示しておる状況でございますが、これに基いてこの価格についての判断については私もちよつと正確にお答えいたしかねるのであります。
  34. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつと今の説明を伺うと、反当収量からいつても或いは含糖率からいつても非常にいいように思われるのですが、ということは、逆に言えば、最近のほうが非常に悪い。そこで生産者経営を維持し或いはてん菜生産振興させるということが目的である場合に、従来の他の作物値上り率というものを均衡をとつてかけたというだけでは、実は生産における内容基準年次に比べて最近が非常に悪いとなれば、生産者の立場から言うとなお不十分じやないかという、ちよつと感じを持つんですが、そこでやはりそのためには基準年次と同じような反当収量なり、或いは含糖率というものが持たれるような生産助長方法が必要だと思うわけなんです。そこでそれについては先ほど優良品種普及についての今後の御計画があるように伺つたのですが、今まではこれはどうなんでしようか。実は私今自分の経験を言つては恐縮なんですが、満洲あたりでやつているときには、品種がだんだんと退化して行くので、毎年ドイツから品種を入れてそうして品種の退化を防いでおつたのですが、今までの内地における、主として北海道でしようが、北海道品種の維持と言いますか、そういうことはどういうふうにやつてつたのでしようか。
  35. 徳安健太郎

    説明員徳安健太郎君) 只今楠見委員からの御質問の点につきまして私から簡単にお答え申上げたいと思います。戦前は、改良局長からお話申上げましたように、種子購入或いは採種圃助成というようなことで、優良品種普及、更新を図つてつたのであります。いわゆる戦時中から殆んどてん菜につきましての優良品種というものも国の助成もありませんし、道庁としても、そうやつていないというようなことで、現在反収が非常に下つて来ているわけであります。我々のほうで今後の問題といたしましては、ビート一代雑種の研究が大体でき上りまして、北海道におきます一代雑種優良品種が、優良なものが組合せができまして、大体増収率が試験場の報告では二八%、二割八分くらいの増収になるというような結果も出ております。これを今後一代雑種普及して行きたいというのが一点と、それからそれを普及いたしますまでに、ここ二年ばかり実際の農家に行きますまでのずれがありますので、その間は現在アメリカでGW二一とか、そいう優良品種ができておりますので、それを一つ年度から入れまして、現在の作付面積一万三千町歩のうちで低位生産の地帯を先ず更新して行きたい、かように考えております。
  36. 楠見義男

    ○楠見義男君 さつき申上げましたように、高倉さんでも長官のほうでもどちらでも結構なんですが、四条なんですが、「政府は、第一条の目的を達成するため特に必要があると認めるときは、省令の定めるところにより、てん菜糖の製造を業とする者からてん菜糖買入をすることができる。」と、こうなつておつて二項では「てん菜生産される年の四月末日までに、前項の買入を行う旨を告示しなければならない。」、こうなつておるわけなんですが、これは普通の農産物価格支持のようなものであるならば、一応予算はかりにとつてつても、それは買うか買わないかということは、実は価格支持をする必要があつた場合に発動するのだろうと思う。ところがこの場合はてん菜は御承知のように十月か十一月頃に生産される。そうすると四月末日にその後の状況がわからないのに、特に必要があると認めて買うということがあらかじめ決まるような情勢にあるのかないのか、この文章から見ますと、ちよつと我々にはよくわからないのですが、これは価格支持というよりもむしろ毎年値段如何てん菜糖値段が上ろうと下ろうと、とにかく如何にかかわらず、買うという、そういう趣旨なのか、そうすると「第一条の目的を達成するため特に必要があると認めるときは、」というのは意味がよくわからないのですが、この四条の規定の意味をわかりやすく御説明頂、きたいのです。
  37. 高倉定助

    衆議院議員高倉定助君) てん菜は他の作物と違いまして、北海道特有作物として、大体亜麻と同じように一月一杯に大体生産者との作付反別に対して契約をする、そこで下部農家は輪作的の形式をとつていくらいくらの反別ビートにするかということを決めるのでありまして、一月一杯に大体今まで決まつてつた。一月一杯に買上価格が決まりますれば、それによつて他作物比較して作付をする、こういうことになるので、他の作物ちよつと趣きを異にしておるわけであります。それで、この四月末日までということにいたしたいと思うのでありますが、そういうように御承知願いたいと思います。
  38. 楠見義男

    ○楠見義男君 私素人でよくわからないので、大変トンチンカンな質問を申上げるかも知れませんが、あらかじめ御了承願いたいのでありますが、今のお話の、一月に契約栽増するというときの価格は、その砂糖製造業者と農家との間の契約栽培においては、価格はきまらないのですか、きまつておらないのでしようか。
  39. 高倉定助

    衆議院議員高倉定助君) ですからこの四月までに価格決定する、その価格によつて、いわゆるてん菜糖原料がきまるわけなんです。きまりますと、それで契約をする、こういうことになつております。どうしても、昨年のように遅くきまりますと、反別が確保できないというようなことで、昨年は困つたのですけれども、幸いに本年は反別が割合に少かつたのですけれども、気候のせいでありますか、含糖率も多かつたので五十万俵以上も確保することができたというような結果になつて来たのでありますが、これは異例だと思います。こういうような含糖率の多い豊作年もないと思うのでありますが、一応そういうような慣例でやつておる、こういうわけであります。
  40. 楠見義男

    ○楠見義男君 私は速記のないほうが話し易いのですが……。
  41. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記をとめて。    午後二時五十四分速記中止    ―――――・―――――    午後三時二十八分速記開始
  42. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それじや速記を始めて。  じや本法律案は明日残余の質疑を願いまし売れそれから明日採決に入るように進行いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 山崎恒

    委員長山崎恒君) じや異議ないようでありますから、さよう取計らうことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十九分散会