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1952-12-17 第15回国会 参議院 農林委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十七日(水曜日)    午後二時十分開会  出席者は左の通り。    委員長     山崎  恒君    理事            瀧井治三郎君            徳川 宗敬君            東   隆君    委員           池田宇右衞門君            石原幹市郎君            西山 龜七君            宮本 邦彦君            加賀  操君            楠見 義男君            藤野 繁雄君            羽生 三七君            岩崎正三郎君   衆議院議員            青木  正君   政府委員    農林省農業改良    局長      清井  正君   事務局側    常任委員会専門    員       安樂城敏男君    常任委員会専門    員       中田 吉雄君   説明員    農林省農林経済    局金融課長   林田悠紀夫君    農林省農地局管    理部管理課長  河井大治郎君    農林省農地局建    設部長     櫻井 志郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (貨物運賃等級改訂農林関係の  件)  (昭和二十七年産米穀についての超  過供出奨励金等に対する所得税の臨  時特例に関する件) ○農林漁業金融公庫法案内閣送付) ○湿田単作地域農業改良促進法案(衆  議院送付)   —————————————
  2. 山崎恒

    委員長山崎恒君) それでは只今から委員会を開きます。先ず昨日保留になつておりました昭和二十七年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税臨時特例に関する法律案修正申入れの件を議題といたします。ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止
  3. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて下さい。では、   「昭和二十七年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税臨時特(案)例に関する法律案」(坂田英一君外二十五名提出)に関する申入  右法律案は左記のとおり修正上速かに可決せられるよう御配慮を得たく申入れする   昭和二十七年十二月十六日         参議院農林委員会    参議院大蔵委員会    委員長 中川 以良殿     記  一、免税措置は「超過供出奨励金」及び「特別集荷制度による超過供出奨励金該当加算額」についてばかりでなく「早期供出奨励金」及び「供出完遂奨励金」にもこれを及ぼすこととすること  一、免税措置昭和二十七年産米穀に限定することなく現行米穀供出制度の実施せられる限りにおいてこれを継続することとすること(理由)  一、〃早場米〃は端境期における食糧需給操作上絶対不可欠の要件である、而して〃早場米〃は生産農家の献身的なる犠牲を以て奉仕せられる早期供出に期待せられるものであつて、かかる奉仕に酬いるため早期供出奨励金が支払われておるのであるから、かような奨励金に対しては、超過供出奨励金同様所得税を免除することが当然である  一、経済の自立と民生の安定のため生産農家犠牲において強行されている現行供出制度の下においてその犠牲に酬いるため設けられた各種奨励金については総て免税とすべきが当然であつて従つて供出完遂奨励金」についても免税とすべきである  一、現行供出制度の実施せられる限りはかような免税措置は継続せられるものとして毎年徒らなる混乱と煩瑣を防ぐべきである  かような申入れをすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでありますので、全会一致を以て大蔵委員会にこれを申入れることにいたします。
  5. 楠見義男

    ○楠見義男君 私はこれはちよつと希望がありますが、私も実は今まで内閣委員としていろいろ他の委員会からこういう申入れを受けたことが多いのですが、その場合に、できれば単にこういう一本の申入れ文書で、勿論これは公文書ですが、そういう文書委員会に出すだけじやなしに、できれば委員長でも行つて頂いて、その委員会でこの趣旨を強調して頂きたい。という意味は、実は参議院委員会に出すこの案と衆議院に出す案とは、衆議院に出す案は、この前もこの農林委員会全会一致で御決定を頂いて、そうして衆議院に出したのですが、その衆議院に出した案とこの案とは結論は同じですが、ニュアンスが大分違うのです。という意味は、衆議院のほうに出した場合には、米が一番大事だというなら、大事らしく割のいいものにしなければならない、そうしないと増産は期待できない。ところが現在は、一番大事なものが、一番割が悪いということになつておるのだから、むしろ義務供出のものも我々は免税、或いは減税を希望するのだ。併し差当りの問題としてこういう点を希望するのだという結論が、これと同じような結論で出しておるのですが、その前書が相当やはりニユアンスがあるのです。従つてそういう意味合からいつても、単に文書だけじやなしに、やはりこちらから大蔵委員会に出向いて、甚だ御苦労様ですが、この点を一つ強調して頂きたい。勿論お互いに各会派で出ておる大蔵委員の諸君にはそれぞれ我々もやつておりますし、又皆さんもやつて頂いておるわけですが、強調するというか、徹底をさせる意味において、そういうお取り計らいをして頂ければ、私はなお結構じやないかと思いますが、これは一つ委員長にお任かせいたしますから、どうぞよろしくお願いします。
  6. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今楠見さんから御発言がありました大蔵委員会文書を送ると同時に、委員長か誰かが行つて、一つ申入れるという意見が出ましたが、この点はどうでしよう。勿論これは只今楠見さんのお話のように、各会派とも、この問題については、一つ大蔵委員のかたがたに各会派ごと十分納得の行くようにお話願うということと、楠見さんにでも行つて説明して頂くことは如何でしようか。速記をとめて下さい。    〔速記中止
  7. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて下さい。それでは大蔵委員会農林委員会立場として楠見さんにお願いするということに御異議ございませんか。    〔「異議」なしと呼ぶ者あり〕
  8. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでありますので、さようお願いいたします。   —————————————
  9. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 次に昨日楠見委員からの発議によつて問題となつております国鉄貨物等級改正に関する申入れの件を議題といたします。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  10. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 速記を始めて下さい。只今の昨日楠見さんの御発議による国鉄貨物等級改正に関する申入れの件は、これを明日の委員会に持越すことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 御異議ないようでありますので、さよう決定いたします。   —————————————
  12. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 次に農林漁業金融公庫法案議題といたし、昨日に引続いて質疑に入りますが、只今発議者衆議院のほうでは委員会等を開かれておつて発議者が見えませんので、政府説明員として経済局金融課長林田さんが見えておりますが、一応質疑するかどうかお諮りいたします。提案者が来るまであと廻しにしますか。
  13. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 現在の特別会計では、どのくらいの申込みがあつて、その申込みに対してどのくらいの貸付がみえておるか、その資料があつたならば御説明を願いたいと思います。
  14. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 現在二十七年度で申込みを受け付けておりまするが百八十六億ほどございます。これは中金の分でございます。それから銀行のほうが三十三億ほど受付けております。今までに決定をみておりまするのが十二月十日現在で中途扱いが百二十三億、銀行扱いが二十一億ございます。それで決定は合計いたしまして百四十四億になつております。百八十六億が中金扱い政府への申請金額、それから三十三億が銀行扱い政府への申請金、それから決定金額中金扱いが百二十三億で、銀行扱いが二十一億になつております。
  15. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると提案理由では相当量増加が見込んであるように書いてあるのでありますが、資金量公庫なつたらばどのくらい増す御予定であるか、先ず資金量ます量の御見当があつたらばお伺いしたいと思います。
  16. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 資金量の増す予定につきましては、まだ来年度の予算の構成もはつきりいたしておりませんので、この際直ちに申上げることができないのが残念でございますが、私たちのほうとしましては、今後食糧増産五カ年計画もございまするし、若しその計画を遂行いたすといたしましたならば、現在の融資額の倍程度必要なんでございます。大体現在土地改良融資額が百億でございまして、二百億ほど土地改良だけに必要であるというふうな結論に達しておりまするので、来年度といたしましては、四百億要求をいたしております。で今後土地改良を推進して行きますためには、その程度の資金額がほしいという予定をいたしております。
  17. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は今この仕事をするのに二十四人のおかたが従事しておられるということであるのでありますが、資金量がまし、公庫ができたとこう仮定したならば、どのくらいの人員でやられる御計画であるか。大体そういうふうなことがわかつてつたならば、お尋ねいたしたいと思います。
  18. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 現在の予定といたしましては、中央機関だけを作る予定でございますので、総裁理事、その他役員を含め、下に至りましてはいろいろな事務をやりますところの、或いは計算をやるような人まで含めまして百二十人という一応の予定をいたしております。
  19. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 現在が二十四人であつて資金量が倍か或いは三倍するために百二十人の人間がいる。こういうふうなことになれば、資金量人員との関係が余りに大きくなるようなことになるようにも考えられるのでありますが、これについてはいろいろの仕事をする関係があろうと思うのであります。その仕事関係からいたしまして現在の貸付方法がどうも面白くないから、将来においては貸付方法も変えて行きたい、こういうような提案理由のようであるのでありますが、今後、現在の貸付方法ですが、どういうふうな手続きによつて貸付をやられるか、その大体の模様をお尋ねしたいと思うのであります。現在からしますというと、非常に貸付手続きが繁雑で、期間を要しますというような不便があるのでありますが、そういうような不便が除去せられるようなことに百二十人になればなるのであるか、そういうふうな点も一つお尋ねしたいと思います。
  20. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 御質問御尤もでございまして、先ず第一に人員の点を御説明申上げます。現在二十四人でやつておるということになつておるのでございまするが、二十四人は実は定員でございまして、そのほかに金融課定員のほうから三十人くらい応援に出しまして、五十四人くらいでやつておるのでございます。そのほかにいろいろ計算をやるものを十人くらい雇い入れまして、これは定員というのじやなくて臨時の傭人ということで、結局六十四人くらいで現在やつておるのでございます。そのほかに各局例えば農地局とか、或いは林野庁とか、そういうような各局にはおのおの融資を取扱つておりますものが、各局ごとに五人くらいずつおりまして、そういうものを入れますると、やはり三十名くらいおるわけであります。まあ八十四、五名がこれに当つておるということになつておるのであります。そのほかに、役所にいろいろ小使いとかそういうものがおりまして、こういうものを入れますと、相当になるわけであります。従いまして大体そういうようなものを入れまして百二十人という予定なんでございます。  それから第二にこの公庫ができましたら、どういう点がよくなるかという御質問でございまするが、これは先ず第一に末端機関のほうにおきましては、従来通り審査段階金融機関に託してやつて行くということに一応予定しておりまするので、その段階ではそんなに事務が敏活になることはないと考えられます。併しながら各県庁との関係におきまして、従来は県庁相当、これは農林省或いは大蔵省行政でやつておりますので、行政当局との関係におきまして県庁相当タッチをしております。併しこれが今後は簡素化される、末端段階におきましては、それが簡素化されるということがございます。それから中央へ参りますと、農林大臣と、大蔵大臣決定をするということになつております。ところが今度はこれが公庫総裁決定をすることになりますから、公庫だけで決定ができるわけであります。それから又今までの実情を見ますると、大臣もよく迭りまするし、そのたびにいろいろ印判を変えにやならん、委任状を変えにやならんということで、非常にひまどつております。併し公庫ができましたならば、役員が四年なら四年という任期をきめまして、その期間責任を持つてつて行くということになりまするので、責任態勢がはつきりすると共に、その交替によつてひまどるところの事務がなくなるわけであります。それから農林省へ参りますると、これは文書課を通したり、いろいろ通つて来るわけであります。それから各局へ行きまして、決定をするということになつております。これで相当時日を要しておりまするが、これは公庫が一本になりますと、それが必要ないようになる。それから又農林省から今度大蔵省へ参るわけでございまして、これが又大蔵省文書課を経て、大臣のところまで行きまして、そうして農林省文書課へ来て、今度はこれは委託金融機関のとこるへ行く、こういうふうになつておりまして、それが相当時日を要しておりますが、これも省かれるわけでありまして、そういう点が一本化されまして、極めて敏速に事が運んで行くということになるのであります。
  21. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 少しこれは細かくなりますが、そうするというと、借入れ申込みは、例えば農協から信連を通じて、その次は直接公庫に行くというような段階になるか、そういうふうな手続の点をちよつと御説明願いたいと思います。
  22. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 信連を通じまするのは、必ず信連を通ずるということにはなつていないわけであります。ただ中金審査段階におきまして、信連を通じたほうがいいというものだけを再委託しておるということになつております。それで申請者は、先ず中金に参りまして、中金信連委託しておりまする場合は、信連のほうへ行きまして、一応の審査を受けて、それから中金のほうに参りまして、公庫のほうへ行つて決定されるということになるわけであります。中金信連委託していない場合は、中金に直接参りまして、公庫行つて決定されるということになります。  それから銀行の場合は直接銀行行つて、そうして公庫へ来て決定されるということになります。
  23. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そういたしますというと、公庫は業務の委託中金或いはその他の金融機関委託する、こういうふうなことになつているか。その委託の大体の構想がわかつてつたら一つお尋ねしたいと思います。
  24. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 委託は従来特別会計でやつておりましたように、農林中金とほか五十四の地方銀行委託しておつたのでありまするが、これを継続いたしたいと思つております。
  25. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、委託方法は従来と変らないのですか。
  26. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 委託方法は従来通りでございます。
  27. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 従来の通りということだつたらば、公庫中金或いは金融機関と新らたに委託契約をせなければならない、でき上つたらば……。
  28. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 新らたに契約をすることにいたします。
  29. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次には従たる事務所をどこにおかれる計画があるか、百二十人の中には従たる事務所人員も含まつておるかどうか、これをお尋ねいたしたいと思います。
  30. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 従たる事務所につきましては、第三條の第二項で「必要な地に従たる事務所を置くことができる」ということに提案されておりますが、一応現在の考え方といたしましては、従たる事務所はおかないというつもりでおります。そうして百二十人も、従いまして事務所の人はそれに入れていないということになつております。
  31. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次には公庫役職員の問題でありますが、公庫役職員は、刑法その他の罰則適用のみを公務に従事するものとして取扱うということになつておるのでありますがこれは罰則以外のものを適用するということだつたら、みなすということになつたらば、運営支障を来たすというようなことであるのであるか、その点お尋ねしたいと思うのであります。
  32. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 実はこの公庫法といたしましては、公庫法の体系になつておりまするものといたしまして、ほかに国民金融公庫住宅金融公庫があるわけでございます。それで運営の今までのいろいろな実情から考えますると、国民金融公庫も、住宅金融公庫も、成るべくその公務員規定をはずしてもらいたいという要望が相当多いのでございます。それでこの前に国民金融公庫につきましては、その給与の規定につきましては、はすれましたわけでございます。住宅金融公庫は、これは役人が、公務員が執行いたしまして、やつておるということになつております。ところがこの農林漁業金融公庫といたしましては、開発銀行とか、或いは輸出入銀行とか、そういうふうな国策の金融機関がほかにあるのでありまするが、住宅金融公庫並び国民金融公庫と比べまして相当資金量も多いし、一件当り金額も多い。又いろいろ技術的な面も要するというようなことからいたしまして、公務員法をそのまま適用いたしましたならば、相当やはり支障が生ずるのでございますので、公務員法規定ははずしまして、いわゆる公務員ということでなくいたしまして、ただ刑法上のみ公務員であるということにしたわけであります。
  33. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そういたしますというと、勿論労働組合や何やというようなことも自由だということになつて来るのでございますか。
  34. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) その点におきましては、はずされるわけでございますが、いろいろ主務大臣命令に従わなければいかんということがあるのでございます。それで主務大臣命令に違反いたしましたならば、罰則適用もございまするし、主務大臣相当監督してやつて行くということにいたしております。労働法適用におきましては、公務員と別個になりますが、この公庫の運用の面におきまして支障がないというふうに考えております。
  35. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 重大な農漁村金融を取扱うのに、いろいろとその必要な時期になつて、いろいろのストであるとか、何であるとかいうようなことが行われるということであつたならば、農漁村金融に影響を及ぼすようなことはないかと思つて心配いたして、そういうふうなことをお尋ねしたのでありますが、そういうふうな点は、農林大臣及び大蔵大臣監督官庁公庫の性質に鑑みて問題がないようにすべきものである、こういうふうに考えておるものですから、お尋ねいたすのであります。
  36. 楠見義男

    ○楠見義男君 提案者は今日はお見えになる予定ですか、ならない予定ですか。
  37. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今衆議院のほうで大蔵農林連合委員会をやつておりますから、ちよつと無理かも知れません。
  38. 楠見義男

    ○楠見義男君 それでは止むを得ませんから、政府のほうからお伺いするのですが、明年度における長期農林漁業金融資金必要額は、昨日提案者から約四百億だというお話があつたのですが、この四百億という数字は、提案者としての独自の立場からの金額だと私は承知しておりましたが、只今農林省金融課長からの御説明にも四百億という数字が出て参りましたので、その点で政府のほうにお伺いするのですが、四百億の資金必要額というものを、仮にこの法律にある各項目従つて分類して行けば、それぞれの項目、例えば別表貸付金種類というものがありますが、その別表貸付金種類にあてはめて行けば、四百億の金がどういう項目にどれだけというふうになるのか、若しそのお調が、分類がありますればお聞かせ頂きたいと思います。
  39. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 先ず第一に、農地又は牧野改良造成又は復旧に必要な資金につきまして二百八億ほど考えておるのでございます。それからその次の造林に必要な資金といたしまして十八億六千万円考えております。それからその次の森林の立木の伐採制限に伴い必要な資金といたしまして三十五億を計画いたしておるわけであります。それからその次に林道の改良造成又は復旧につきましての必要な資金といたしまして三十四億六千万円ほど考えております。それからその次の漁港施設につきまして九億七千万円考えております。それからその次の製塩施設改良につきまして十八億、その次の共同利用施設につきまして二十億七千万円、第八の前各号に掲げるものの外農林漁業生産力維持増進に必要な災害復旧に必要な資金、これを三億考えておるのであります。それで大体三百九十八億になるわけであります。そのほかに農林中金昭和二十三年に復興融資といたしまして、長期資金を出しまして、そのときの閣議決定によりまして、農林漁業長期金融機構ができた場合に、その債権を引継ぐという規定がございまして、それによりまして十億ほど残つておるのであります。その債権を引継ぐのに十億ということで、四百八億ほど計画いたしておるのであります。四百八億と申しますのは四百億より八億超過いたしておりまするが、この八億は回収金が返つて参りますので、それを充当いたしたいというふうなことで、新らしい資金としては四百億計画をしておるわけであります。
  40. 楠見義男

    ○楠見義男君 今の最後の農林中央金庫の債権引継ぎの十億というのは、この法律にある三十三條このことなんでしようか。
  41. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) その通りでございます。
  42. 楠見義男

    ○楠見義男君 それから甚だ細かいことで恐縮なんですが、この七号の共同施設の二十億七千万円の内訳、例えば蚕糸畜産、その他各局関係のものがあると思いますが 局別でもいいのですか、それを一つお知らせ願したい。
  43. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 先ず第一に農山漁村電気導入施設でございますが、これに十四億五千万円見込んでおります。その次に漁田開発に一億見込んでおります。その次に水産業の兵同利用施設、これは例えば漁船の建造とか或いは製氷冷凍とか、そういうものでございますが、二十三億五千万円見込んでおります。その次に農業倉庫でありまするが、農業倉庫につきましては、木炭倉庫乾繭倉庫も入れまして十四億八千万円を見込んでおります。
  44. 楠見義男

    ○楠見義男君 農業倉庫内訳を言つて下さい。
  45. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 農業倉庫がいわゆる米麦を対象にしますのが十二億でございます。それから木炭倉庫が一億、乾繭倉庫が一億二千万円、それから肥料倉庫が六千万円、これで十四億八千万円であります。その次に畜産共同利用施設が五億一千万円、それから蚕糸共同利用施設畜産共同飼育とか或いは蚕種の製造施設、それから組合製糸施設、こういうようなものを入れまして二億五千万円、それから農機具に対しまして四億、その他に対しまして五億三千三百万円、ちよつと先ほどの計が間違つておりまして、それだけで、全部加えたものが共同利用施設になるのでございます。
  46. 楠見義男

    ○楠見義男君 数字が少し違い過ぎますので、これはあとで書物でもいいですから作つて出して頂きたい。
  47. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 承知しました。
  48. 楠見義男

    ○楠見義男君 最初の農地又は牧野改良造成復旧資金二百八億というのですが、これは先ほどもお話があつたように、本年の資金需要量に対して倍以上の資金が必要であるとするのは、食糧自給体制の確立、強化推進というようなことが大きな理由だというお話があつたのですが、まさにその通りだと思いますけれども、一方そちらのほうの五ヶ年計画で行くと、たしか資金量は千二百億でしたか、相当多額な資金需要があると思うのです。これは現在でも農地改良関係では、これも恐らく現在の二百億を超える資金需要量のうちでは、相当大部分を占めておると思うのですが、二百八億というもので、従来から引続いてやつておるもの或いは農地災害復旧のもの、それから新らしく五ヶ年計画でやろうとする資金需要、こういうものが大体賄えるのでしようか。
  49. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 災害復旧も含めまして二百八億三千万円というものを考えておるのでありまするが、これは五ヶ年計画も一応考慮に入れまして計画しておりまして、大体まあこれで賄つて行けるのじやないかと考えております。
  50. 楠見義男

    ○楠見義男君 農地局関係のかたはお見えになつておるのですが、現在の資金需要量がそのまま包含して五ヶ年計画を達成する場合に、勿論牧野改良とか、そういう方面にどれだけの資金がこの中に包含されておるかまだきいてみませんからわかりませんが、二百八億という中で、食糧自給計画、従来の農地改良災害復旧、そういうものが農地局立場からいつても認められる、これで賭える、こういうお見込でしようか。農地局のどなたでも結構です。
  51. 河井大治郎

    説明員(河井大治郎君) 農地局のほうでの資金需要量計算は、公共事業費に対応いたしまする補助事業につきましては、それぞれの補助率を異にする事業がありまして、その補助率を異にする事業ごとに内容を見まして、地元負担については、法律の上では八〇%まで貸出し得るようになつておりますけれども、実際は地元において相当負担せしむるということが適当であるというふうに認られる事業の種類があるわけでございますので、それぞれを見まして資金量計算をして出しておるわけであります。又非補助のほうの、補助をいたしませぬ事業につきましては、やはり事業の種類別に資金を算定をいたしておるわけでありますが、このほうは補助がございませんので、資金の貸出率を高くするという行き方をして、それぞれ計算をしておるわけでございます。二百八億出ております中に若干牧野のほうに廻るわけでございますけれども、おおむね現在やつておりまする資金の貸出率の平均を若干下廻る程度で、この資金計算をされておるということになつておるわけであります。個別の内容の中におきましては、地区ごとに平均して、利用種類別の計算をしておりますので、地区別にはその資金を必要としない地区もあるわけでございますので、資金の需要の高いところにはもつと高い率で貸出ができるという操作が可能でありますので、一応の計画といたしましては、おおむねこれで目的を達成せしめるものと、かような考えをいたしておるわけであります。
  52. 楠見義男

    ○楠見義男君 金融課長にお示し頂いた数字、それと今年の実際の需要額と各項目ごとに比較して、例えば一の農地又は牧野改良は二百八億、これは来年度の見込み、本年は幾らある、二号の造林の資金は十八億六千万円は本年は幾らというので、本年の状況で……。
  53. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 二十七年度の当初の計画は二百億で発足したのでありまするが、現在のところはまだ補正予算がどうなるかわかりませんのではつきりしませんが、二百八億という計画を一応持つておる次第でございます。それで二百八億の場合にどういうふうに計画しておるかということにつきまして御説明を申上げたいと思うのであります。土地改良におきまして百億、それから造林が八億、種苗養成が一億、林道が十五億、伐採調整が二十二億で、林業関係が四十六億。それから水産業の漁港の施設につきまして五億一千万円、それから塩業が十億、共同利用施設が四十六億九千万円、その内訳といたしまして、電気施設が五億、製氷冷凍が十一億、漁田開発が九千万、漁業の共同利用施設が六億三千万円、それから農業倉庫が、食糧関係農業倉庫が十二億、木炭倉庫が四千万円、乾繭倉庫が八千万円、合計しまして十三億二千万円、それから畜産共同利用施設が五億、畜産共同飼育が六千万円、農機具は一億、それから鮭鱒共同孵化が六千万円、その他が三億三千万円、こういうふうに見込んでおります。  それから先ほど申しました昭和二十八年度の一応計画として考えておりまする共同利用施設は二十億七千三百万円は七十億七千三百万円の誤りでございましたから訂正いたします。
  54. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ほかに御質疑ございませんか……。ほかにございませんでしたら、本法案の質疑は一応この程度にして、いずれ残つた質疑を明日にでもいたすことにいたします。   —————————————
  55. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 次に湿田単作地域農業改良促進法案議題にいたします。  提案者から法案の内容を一応御説明願うことにいたします。
  56. 青木正

    衆議院議員(青木正君) 私から簡単に御説明申上げたいと存じます。  昨日提案理由につきましては一応御説明申上げた通りでありますが、御承知のごとく我が国の水田三百万町歩のうち八十万町歩近くというものがすでに湿田のために単作を余儀なくされておる、こういう状態でありますので、現下の食糧自給態勢確立の面から見ましても、急速に湿田を解消しなければならん、かように存ずる次第でございます。そこで御承知のごとく雪害のために単作になつておる地方に対しましては、すでに立法措置が講ぜられておりますが、湿田のために単作の状態にある土地に対しましては、何らの立法措置が講じられてないのであります。そこで大体の法案の構想といたしましては、積雪寒冷地帯の単作地帯の振興法案、あれに準拠いたしまして、湿田のための単作地帯に対しましても同様な立法措置を講じたい、これが本案の骨子であります。この問題につきましては、勿論近く予想されておりまする食糧自給促進の法案との関連ということも当然起つて来ると思うのでありますが、現在すでに積雪寒冷地帯に対して特別の立法措置が講ぜられておりまする以上、やはりこうした特殊地帯に対しましては特殊立法の必要が当然考えられますので、こうした立法をいたすべきであると、かような見地に立つて立案いたしたようなわけであります。  そうして法案の骨子は先ほど申上げましたように積雪寒冷地帯の立法、大体あれに準拠しておるのでありまして、審議会を設けて、これによつて地区の指定等を行い、そうして地区を決定し、これに基いて農林大臣、下の段階になると府県知事が指定する、そうしてその土地につきまして総合的に土地の生産力を上げるような改良計画を立て、これに基いて計画を進めて行く、かような行き方をとつておるわけであります。  なお詳細な点につきましては、御質問によりまして御答弁申上げ、なお又いろいろこれに関連する事務的の問題につきましては、農林省事務当局から補足的に御説明を申上げることをお許し頂きたい、かように存ずる次第でございます。  なお補足的にこの法律提案するに至りました経過を、内部的な問題になりますが、御説明申上げておきたいと思います。それは積雪寒冷地帯の振興法案が成立いたしましたその後におきまして、やはり湿田に対するこうした立法措置の必要があるのじやないかということで、衆議院側におきまして当初主として湿田地帯関係の人から話が持ち上り。又農林省当局ともいろいろ打合せいたしまして、第十四国会にできることならば各派共同提案を以て提出しようという機運が、すでに十四国会の前に実は醸成されておつたのであります。十三国会に間に合いませんので、十四国会の劈頭提案すべく、それぞれ準備を進めて参つたのでありますが、解散となりましたのでその実現に至らず、第十五国会を迎えるに当りまして、継続的な、継続的と申しまするか、この機会にどうしても解決すべきであると、かような考えの下に各派共同を以て衆議院側に提案された、こういういきさつになつておるのであります。関係の府県は大体まあ三十二県ほどありますが、尤も一万町歩以上の湿田を持つておるという府県が十九府県、こういうことになつております。
  57. 東隆

    ○東隆君 この湿田単作地域農業改良促進法案の範囲は、これは全国に跨つておるのですか。只今お話ですと何県と、こういうような表現をされておりましたが、それから又頂いております資料から見ますと、北海道なんかは入つておらんようです、東北は入つておるようですが。私は湿田というようなものは、これは全国に跨つておるものだと思いますし、又積雪単作地帯における場合の湿田というものは、これは却つて惨めなものでありまして、土地を立派なものにするのには、やはり排水を完全にしなければならない。殊に春秋の期間がなくて、年中水浸しになつておる。こういうふうな所で作物が成育するはずがない。そういう非常に悪い條件を持つておるのは、却つて積雪地帯なんです。それでこの法案が、若し積雪単作地帯は、これをできるだけ除いて、そうしてそれ以外の方面に重点をおいてやつて行くのだと、こういうふうに考えると、私はこれには非常に疑問があると思います。そういう意味でどんな意図をお持ちかお伺いいたします。
  58. 青木正

    衆議院議員(青木正君) お話通りでありますが、現在積雪寒冷地帯における単作地帯に対しましては、振興法案ができておりまするので、そうした地帯の単作地帯につきましては、それによつて改善を行つて行く。それ以外の地帯に対しましては何らそうした立法措置が講じられておりませんので、この法律によつて救済するというのが大原則と申しますか、そういう建前をとつておるわけであります。併しながらお話のように積雪寒冷地帯のうちに包含されておる地区におきましても、或いはこの湿田単作地帯の法案によつて土地の改善策を講ずることが適当だという所もあろうかと思うのであります。その場合の地区の指定は審議会の議決によつて指定するのが適当だという場合は、それによつて指定するという途もできて来るかと思うのでありますが、併し建前といたしましては、一応積雪寒冷地帯におきましては、あの振興法案による、それ以外の土地の湿田単作地帯に対しましてはこの法案による、こういう考えに立つておるわけであります。
  59. 東隆

    ○東隆君 例えば特殊土壌としての泥炭地帯を考えますと、これは全部湿地なんです。湿地だから泥炭になつたのだと、こう言つてもいいくらいで、そういう広範な地帯が土地改良という仕事で以て全般的に一応なされて、それから積雪単作地帯の法律というのは、そういうような一般的なものでなし得ないところの面についてやつて行こう、こういうのが私は本旨だろうと思います。だからそのために全国的な土地改良の方針を覆すのじない、それだけのものはプラスになる、こういう形になつておるので、私はそういう意味からも、若しこの湿田、或いは、これは田と書いてありますけれども、私は当然畑も入るだろうと思うのでありますが、そういうようなことを考えるときには、これはそれを除いて考うべきでなくて、全国にこれを当てはめ、而も土地改良の特殊な面を強調するという意味で、地域を限定して、指定した土地なんというふうにすべきじやない。こう考えるのでありますが、その点はどうですか。
  60. 青木正

    衆議院議員(青木正君) 全般的に日本の水田或いは畑地を含めた土地改良の問題という面から考えますと、確かにお話しの通りと思うのであります。併しながら一面又経済効果の最もあるものという点を考慮し、そして又財政の面等も勘案いたしまするときに、とにかく一応重点的にこの湿田のために単作地帯になつておる、これを改良することによつて二毛作になるというような所は、重点的に改良して行く必要があるのじやないか。勿論国の施策として、或いは都道府県の施策としてやる場合もあるわけでありますが、その国なり、都道府県なりでやりましたいわゆる計画等に伴いまして、その下の団体の場合、団体に対する助成の途が講ぜられないと完全な効果は上げられませんので、そうした湿田地帯に対する団体への土地改良事業に対して、この法律によつて助成して行く、かような考えに立つておるわけであります。
  61. 東隆

    ○東隆君 今の言葉の中でありました二毛作田という前提の上に立つて二毛作をするのだ、二毛作をなし得る地帯で二毛作ができるようにするのだ、こういうふうに考えますと、これは気候的に非常に制約をされておりますから、そういう面ですと私は或る意味において考えられますが、この法案をちよつと見ますと、到るところに都道府県知事が出て来たり、都道府県という條文が出たり、さもこの法律は全面的に推し進めるかのように見えて、中味が実は非常に限定をされておる。お話を伺いますと、いろいろ疑問が起きたのですが、私は実のところを申しますと、これは余りまだよく見ておりませんのでよくわかりませんので、これで質疑を打切ります。
  62. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 湿田単作地帯における湿田調べによつて見まするというと、湿田が四十二万町歩で、半湿田が二十七万町歩で、併せて六十九万町歩になつておるのでありますが、この六十九万町歩を何ケ年くらいの予定で完成したいというお考えであるか。それの総経費が幾らであつて、年度計画を立てておられたならば、各年度の計画はどのくらいの予定をしておられるのであるか。又この法律が通過したならば、その予算措置はどういうふうにされるお考えであるか。先ずこの点をお尋ねしたいと思うのであります。
  63. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) この湿田面積の調べでございますが、お手許に差上げましたのは、現在積寒法で指定されておりまする地域を一応除外したものを差上げておるわけでございます。この中でどういうふうな改良計画を持つかということでございますが、農林省で調査いたしましたところによりますと、このうちで潅漑排水を施工する必要なもの或いは、何と言いますか、そのことによつて経済的に改良がなし得るものが二十一万六千町歩、それからその他の土地改良、例えば暗渠排水、客土、区劃整理、こうしたものによつて改良を必要とするものが四十八万一千町歩、こういう数字になつております。これをどういう規模でやつて行くかという問題が次に出て来るわけでございますが、私どもの大よその現在の考えといたしましては、この要改良事業の大よそ半分程度を五カ年間にやりたい、かような考え方を持つております。そういたしますと、今考えております補助率で算定いたしまして、大よそ百二十億程度の国費を要すると、こういう見当になります。百二十億程度の国費を五カ年間に支出して、今の要改良面積の半分を仕上げる。こういたしますと、まあ一年割にいたしますと、大よそ二十億乃至二十二億程度、二十数億程度と、こういう見当になるわけでございます。それで今日それでは二十八年度予算として、大蔵省に要求しておる中に、そうしたものが特定されて要求されているかどうかということにつきましては、まだこの法案は御審議中でございますので、この法案に基く予算としては要求はいたしておりません。併しこれに充て得る予算とでも申しましようか、例の特殊三法、積雪寒冷地に関する法律と、それから特殊土壌に関する法律、急傾斜に関する法律、それぞれに関しまする予算要求として考えておるものを除外した、つまり現在の特殊三法で指定されていない地域に対しましての団体の土地改良予算としては、おおよそ三十七億程度を要求いたしております。で考え方といたしましては、この三十七億の中で、この法案が通過いたしますれば、その指定された地域にその予算を皺寄せして来ると、こういう考え方が一つと、それから別に新らしく法律が通つたのであるから、その法律に基く予算を追加要求する、こういう考え方と二つあると思います。で一応当然の持論として、私は後段の措置がとらるべきではなかろうか、これはやや私見に亙りますけれども……。以上お答え申上げます。
  64. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうするというと、大体追加要求をしようというお考えは、三十七億ぐらいであるか、或いはどのくらいであるか、御見当があつたらば一つお伺いしたいと思います。
  65. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 今の三十七億と申しますのは、特殊三法で指定されております地域以外に対する団体への土地改良費として、現在二十八年度予算として大蔵省に要求しておる数字でございます。それにまあ何と言いましようか。プラス・アルフアーの予算要求をやつて行くというのが筋である、こう考えておる次第でございますが、又その額をどの程度にいたしますか、先ほど申上げましたように、要改良の大よそ半分の大よそ五分の一とこう考えますと、二十億乃至二十数億、こうなりまするので、二十数億、全部プラスということじやなしに、現在要求しております三十七億の中で賄えるものに、プラス・アルフアーを加えたものが二十数億になる、こういう計算を立てるのが筋ではなかろうか、かように現在考えております。
  66. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 この間例の食糧増産五カ年計画の話を聞きましたが、これとはどういう関係があるのですか。この計画は来年からやるつもりでしようがね。今度のそういう法律とはそういう関連の下に考えたのですか。全然別個に考えたのですか。
  67. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 食糧増産五カ年計画に基きます食糧自給促進法案、これは次の国会に提案したいというふうに考えておりますが、これとの関連性でございますけれども、促進法案は食糧増産そのもの、こういうふうに考えておるわけでございますが、この法案は提案者の御意向としては、食糧増産そのものは勿論狙つておりますけれども、そうした劣悪な地帯におきまする総合的な農地改良、農業技術の改良によりまして、劣悪な條件から解放して行くということが、その裏としてやはり当然含まれておる、かように考える次第であります。
  68. 岩崎正三郎

    岩崎正三郎君 劣悪な條件から解放して行くということは、結局まあ今度は湿田地帯がいろいろ手入れをすれば裏作もできるというふうになつて来るのでしようけれども、まあ先の見通しとして考えて見ると、裏作の麦というものなんかはなかなか値段は上らないと見られるのですがね。そういう場合にただ単にそういうことをして、湿田地帯をなくしてやるのだと言つても、湿田地帯を努力してやつても、それを作るのに損をするという結果になつてしまうと、これは何にもならないので、作る人が損をするならしようがない。そういうことも食糧増産の五カ年計画というものは、勿論、その点についてもお考えがあるかと思いますが、そういうことの関連をよく考えてやらんというと、折角立派な法律を作つても、結果が怪しくなると思うので、御答弁でも御所感でもお聞きしたいと思うのです。
  69. 青木正

    衆議院議員(青木正君) お話通りでありまして、そこでこの法案でもこうした改良計画は、その立地條件とか、農業技術の発達の程度、労働力、その他の諸條件を総合的に勘案して、最も経済的効果を挙げるようにせんければいかん。こういうふうに抽象的にではありますが、書いてあるのであります。これは私提案者の個人としての考えでありますが、裏作にだんだんに麦を作るということばかりでなしに、その立地條件に応じて、或いはいわゆる酪農の問題を取り上げるとか、そうしたものも、当然この計画を立てる場合には、それぞれ農業委員会等において考慮に入れて、最も効果的にこの改良計画を実施するというふうに持つて行く必要がある、かように私どもは考えておるわけであります。現実にこの法案が通りまして、現実に運営する場合におきましては、それぞれ事務当局をして、そうした面にまで十分の指導をするようにやつて欲しいということは、私ども提案者としての希望であります。
  70. 加賀操

    ○加賀操君 参考までにちよつと聞いておきますが、これは参考表ですから、まあ参考に聞いておきますが、積雪寒冷地帯のあれから湿田が省かれているのですが、大体寒冷単作地帯にこれと同じような湿田が総反別でどのくらいあるのですか。
  71. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) これは今お手許に差上げております湿田面積の調査は、昭和二十二年度から四年度にかけて、農林省農業改良局が責任を以つて調査した数字でございますが、北海道を入れました全国の湿田面積は七十八万町歩でございます。七十八万五百五十九町歩、それから半湿田面積は五十四万九千六百九十六町歩、こういう数字になつております。従いまして私今申上げた数字からお手許に差上げました数字の差が積寒法で指定されました地域におきまする湿田及び半湿田、こういう数字になつております。
  72. 加賀操

    ○加賀操君 そうすると大体半分、半分ちよつと少いというくらいのところだと見ればよろしいわけですね。参考ですからよろしうございます。  次に先ほどからの御答弁を聞いておりますと、この法案によりますと知事が計画を立てることになつておりますが、この知事の立てる計画は国営、それからその県の施設及び団体営全部を含めて計画を出すわけであろうと思いますが如何ですか。
  73. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 甚だ申訳ありませんが、今日そのことにつきまして、はつきりした事務当局の意見は持合せておりませんのです。ただ積寒の場合で申上げますと、私どもは最初せめて県営程度までということを一応考えたのでございます。ところが県営事業は、これは政府がきめてこの地区は採択して何年で幾ら補助をするというような、こういうようなやりかたで、非常に技術的にもむずかしいし、仕事の内容も大きいものでございますから、まだ手取り足取りでやつておる。各県ともの希望といたしましては、そうしたものじやなしに、団体営の土地改良を中心に考えてほしいと、こういう意見が非常に強力に出て参つたのでございます。それからいま一つは昭和二十四年度をもちまして、いわゆるドツジ・ラインで団体営の土地改良の補助というものが原則的に廃止された、こういう現象が一つあつたわけであります。あの法案によつて法律によりまして団体営の土地改良等を復活するということがむしろ最大唯一の狙いになつたということもあるかとも思うわけでありますが、そうした考え方がやはりこの法律にも演繹して来のではなかろうか、国営なり県営なりというものが計画としてはお説の通りかと思いますが、やはり県或いは町村、大体町村において計画をやる、町村において計画を立てるということになりますと、小さいものは小さいものということが必然の趨勢だと思います。そうしたものが盛上つて来ると、どうしても団体が中心になる。併し国営、県営というものはそれじや排除さるべきかと申上げると、そこに少しまだはつきりしない点は残つておる、こういうわけであります。
  74. 加賀操

    ○加賀操君 これは具体的にならんと非常に実施のときにもお困りだろうと思いますから、一つきまりましたらお知らせを願いたいと思います。両方一得一失がありまして、農林省の今までの技術上の立場から言えば、潅漑排水のほうにつきましては技術的に非常に慎重な態度をとられているわけでございます。その点は悪いとは申しませんが計画が総括的にできませんと無駄ができはせんかと思いますし、又一面から言えば市町村長或いは知事にこういう非常な大きな計画書を綿密に出させることができるかどうか、こういういろいろ矛盾があるようですから慎重にお考え願いたいと思います。
  75. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 どうせこれは事業における促進法案だけれども、事業が伴つて行くものなんですが、この前出された急傾斜地帯と同じようなまあ特殊法案になるということなんですが、急傾斜地帯の場合は未だに農道の補助率というようなものがきまつておりません。従つて地元ではつい先日も大会を開いて、これの決定要求というような運動をやつておるのであります。これは前十三国会に通過した法律案が、もうその法律によつて実行する段階になつて、未だにそういうものがあるということは、これは非常に困ることで、これは大蔵省当局と農林省当局との意見が一致しないというような点もありましようしするけれども、その当時あの法案を審議するに当つて、私どもは一応事務当局に早く解決してもらうことを期待して、あの法律案を実は通したわけであります。ところがこの法案も又同じような特殊立法なんでございますが、そういつたことが又起りはせんかというような気がされるのですが、提案者或いは農林省事務当局のほうで、こんなような補助率で以てやりたいというような御腹案があつたら、それをこの際承わつておきたいと思います。
  76. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 急傾斜に関する法律に基きます補助のうちで、農道関係大蔵当局と話合いがまだついていないということは御指摘の通りでございます。予算が衆参両院で可決されるまでに、財政当局との話合いはつけたいということで一生懸命にやつてつたわけでありますが、合日まで実はこの話はまだついておりません。大蔵省は農道或いは新らしい項目として今出しております索道の補助率はいずれも二割、こういう案を出して来たわけでありますが、私どものほうの事務的な当初要求は、農道に対しては四割、索道に対しては三割、こういうわけで、農道につきましては要求の半額の補助、こういう案を出して来たわけであります。これではとてもやれないということで再三交渉を重ねた結果、現在では農道も索道も一応三割、こういう程度までに話はついておりますけれども、当初要求の農道の四割というところまであと一息、いま暫く努力を重ねて何とか当初のところまで漕ぎつけたい、かような考え方を持つておるわけであります。  その次にこの湿田単作に関しまする法案に基く事業の補助率でございますが、私どもが現在事務的に考えておりますのは、積寒法でやつております補助率のほかに、農道につきましては積寒法でやつておりますものも現在二割でございます。これは余りにも酷いという声が一致しておりますので、少くとも農道についてはもう一割上げて三割にしたい、こういう考え方を持つておる次第であります。それに対して自信があるかどうかという御意見も今の御質問の中に含まれているかと思いますが、これは積寒法で指定されている分も三割までは持つて行きたい、と同時にこの法案に基きますものも極力やりたいという考え方を持つております。が、併し別に法律が通過いたしましたならば、設立される審議会のほうでは、これは私個人の意見に亘りますけれども、恐らくは私どもが考えているよりはもつと高い補助率でお話をお進めになるのではなかろうか、かような想像は持つております。
  77. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 まあ審議会がありまして、審議会で御研究頂くことは大変いいことなんですが、すでに急傾斜地帯で以て昨日もああ」つた委員会で決議をしなければならないような状態が現に起つているのであります。従つてこの法案が通過いたしましたならば、急速にその施行細則と言いますか、そういうものを決定次第、この委員会で以て農林当局から資料なり何なりお出し願つて説明を頂くといいと思うのです。そうでないことには、法案を折角通した趣旨が徹底しないことになりはしないかという心配があるのです。どうも最近ここできめたものが大蔵省の一課長、局長あたりで以て一向引つかかつちやつて実施されない。こういうようなことがしばしばあるので、こういうことは誠に委員会というものの、或いは国会というものの法律案の取扱い方に対して円滑を欠いて面白くないと思うのです。で二度と決議案を出さなければ執行ができないというようなことのないようにお取計り頂きたいと思うのです。
  78. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) お話通りに取計りたいと思います。
  79. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 只今衆議院のほうは本会議が始まるそうで、提案者が退席いたしますので御了承願います。
  80. 楠見義男

    ○楠見義男君 この法案とそれから政府のほうでお考えになつている明年度以降の食糧自給体制強化促進の御計画との関係について先ほど櫻井さんから非常に御苦心の存する御答弁があつたのですが、この湿田及び半湿田の全体の約七十万町歩について、その半分を五カ年で達成する云々のお話がありましたが、明年度以降の食糧増産計画にはこういうような湿田、半湿田は入つているのですか、入つておらないのですか、この点を先ずお伺いしたい。
  81. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 入つております。
  82. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうしますと、その食糧自給計画で入れておやりになつている場合の達成の方法は、政府としては、この法案を離れて考えた場合にどういうようなふうにお考えになつているのか、その点をお伺いしたい。
  83. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) 苦しいところ御了察頂きまして感謝をいたしますが、(笑声)どうもやり方でございますけれども、食糧増産促進法案で考えておりますことは、先ほど申上げましたように、もう増産一点張りで考える。それからこの法案で考えておりますことは、そういう立地條件にあるがために劣悪な経営状態にあるところをよりよからしめるという意味合いにおきましては、或る場合には補助率も変えて行く、増産法で行きますと別にそういうことは考えなくてもいいが、この特殊立法で行きますと手段方法としては補助率も変えて、そうした劣悪な場所でも同じような土地改良をやり、そうしてその地帯自体の総合的な開発にもなる、こういうことが考えられるのではなかろうか、こう考えております。
  84. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、一般の土世改良に比較して、こういうような特別の立法を作つたほうが却つて補助率の他の点から言つて、或いは考慮する場合に考慮し易い、こういうような趣旨に承つたのですが、実は積寒地帯或いは積寒地帯を除く湿田単作地域、これらのものが全対象になつて、私は食糧自給計画というものは立つているのじやないかと思う。食糧自給計画における土地改良或いはその他の技術改良によつて五カ年間に四百四十五万石ですが、増産するというようなことは、こういうものを除いて実は考えられないのじやないか。全く対象が同じものについて一方政府がお考えになり、又一方こういうような特殊立法ができる。ところが政府がその食糧自給計画を遂行せられる上において、いろいろ計画を推進する上において、頭に描いておられるものがあるだろうと思うのですが、その頭に描いておられる推進のと言いますか、実行上確保の方策とこの特殊立法における確保の方策とを彼此勘案比較してみて、このほうが政府の企図しておるものよりもいいものであるならば、これは私はこのほうをとつたらいいと思う。ところがその点が実ははつきりしないのですが、これはどうなんでしようか。
  85. 櫻井志郎

    説明員(櫻井志郎君) ここに現在同時に二つの法案が並べられたと、こう仮定いたしますと、私は殆んどがお説の通りかと思うのでございますが、政府では今あの法案は考えておりますけれども、少くとも今日は提案されていないというところに時間差が一つあるという問題ですね。それから仕事の内容そのものにつきましては、お説の通りでございます。積寒法で考えておる仕事の内容も、この法案で考えておる仕事の内容もやはり促進法案で考えておる内容と殆んどが一致しておる。ただ急傾斜で考えられておるものにつきましては、或る意味では一致して来ない。経済的にやや不経済な国家投資の場合が急傾斜の場合では起り得るわけでありますが、ああしたものの一部分は今の促進法案では内容は一致して来ない、こういうことが言えるかと思いますが、現在政府で考えております通りのことが財政的にもそのまま許される、こういたしますと、全くお説の通りになつて来るかと存じます。
  86. 山崎恒

    委員長山崎恒君) ほかに御質疑ございませんか。
  87. 羽生三七

    ○羽生三七君 私途中からで前の経過を存じなかつたのですが、今楠見さんのお触れになつた問題で、単作地帯から急傾斜地帯、又引続いて今日の議案というように、特殊地帯立法が続々として出て来る。そうすると丁度今地域給の問題が問題になつておるのです。あれと同じようなことになつて、今地域給が大体九一%、あと地域給の対象になつておられんのが九%、そこで政府としては近い機会にむしろそれを基本的な本給へ繰入れて、ああいう地域給の制度というものは再検討を要するということを言われておるわけです。と同じように、全部特殊立法ができて来ると、結局において今の地域給の問題と同じように九十何%がその該当というようなことになると、これは又特殊立法の中に何十%かが該当して、あとは殆んど該当しないなんということに恐らくなると思うのです。そこで事務当局や提案者だけでは私だめだと思うのです。提案者つてやつぱり議員の一部の人が発案して、仲間に署名してもらう、政府も議員が提出したものを反対するわけにはいかないというようなことになると、これはやはり今楠見さんのお話のように、食糧増産推進の法律が新しく出て来たような場合は、こういうようなやつを全部取り込んで一本にやるのが、私は特殊立法に織込む精神に反対するものじやなくて、これが予算的措置を大いにやつてもらわなければならんと思うのですが、何とか一本にまとめて体系的にやつてくれということで、それには各党各会派の政調会あたりがもう少し連絡をとつて、統一的な歩調をとつて行かないと、これは農政の上に非常な混乱を来すことがありますので、将来これに対する農林大臣自身の抱負なり或いはお互い自分が所属しておる会派を通じて、何とかして統一するような気運を促進して行つたらどうかと思うのです。ただ併しその法案に盛られておる内容を削れということでは全然ないので、それは飽くまで農業増産推進のために積極的にその施策は活かして行かなければならん。又予算的の裏付も必要だ、併し成るべく体系的に一本にまとまつたほうがよくはないか、こういうふうな感じを持つております。
  88. 山崎恒

    委員長山崎恒君) 本日はこれで散会いたします。    午後三時五十二分散会