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衆議院議員(
野原正勝君) いろいろとございますが、
概略を申上げます。
現行の
農林漁業資金融通特別会計は、昨年の四月に発令せられて、
設置の当時は御
承知の
通り資金六十億で始めたわけでありますが、昨年のうちに倍額の百二十億になり、又本年は御
承知の
通り二百億円、今回の
補正でも
通りますと、二百五十億ということに相成るわけでありますが、
資金量が非常に殖えて参りましたというふうなことで、今後も
食糧増産の
計画などが強力に実施されることと我々は確信をしておるわけでありますが、それに伴いましてどうしても今後、今までより一層大きな
資金が加わ
つて行くことになると思うのであります。こうなりますというと、これが
管理、或いは又
資金の
回収というような
仕事も今後漸次殖えて参るわけでありまして、現在
融資の
業務は、
農林省の中に職員二十四名でや
つておるわけでありますが、到底それではや
つて行けないというようなことになると思います。それから
特別会計のことは単に然らば
人員だけ殖やせばいいかということにもなるわけでありますが、
人員だけでもいけないと思うのであります。それはこの
貸付の
業務を
責任を持
つて行うということになりますというと、どうしても
長期間この
仕事に専念して当るというようなことでないと、
貸付から
回収に至るまでの
期間相当長いのでありますから、やはりできるだけその
仕事に習熟をし、
責任を持
つてやるというふうなことにするためには、
公務員がこれに当るというようなことではどうもふさわしくないというふうに考えるのであります。又公務といいましても普通の、つまり
国家の
官庁機構、役人という、
農林省でやるというふうな
仕事でなしに、別な形で行くということが好ましいのではないかというふうに考えるのであります。
それから又特に
債権の確保というふうなことになりますると、形式的には非常に厳重になるわけでありますが、
実質的には機動性を欠き、円滑な
管理回収に支障を来たす虞れがある、例えば特定の場合保証人の数の減免、延滞利息の減免等が
実質的には
管理回収上必要な場合もあるわけでありますが、国の財源であるために
財政法第八条の
規定というふうなことで、一々
法律をきめなければ行えないということに相成るわけであります。
従つてこういう点からも
特別会計では弾力性のある運営は困難であるというふうに考えるのであります。又
貸付の
決定を
金融機関に任してしまうということは、ちよつとどうもいろいろな面でうまくないと思われる点が多いのであります。それは各
金融機関別に
事業別の
資金枠の配分をすることが困難でございますし、又
金融機関に
貸付の
決定を任せる以上は、相当の補償
責任を負わせなければならんわけであります。それを重くした場合には、
資金の円滑な
貸付を阻害することになると同時に、預金者に不測の損害を与える虞れもあります。この
資金は、これは三〇%を
取扱つておる農林中央金庫は
農民、漁民の零細な預金を
資金とする
金融機関でありますから、これらの預金者に損害を与えるということがあ
つては困るのであります。現在二〇%の補償ということにな
つておりますが、現在
程度の補償
責任ならば、
決定は
政府が
責任を持
つてということで、非常に円滑に金融が行われるというふうに考えるのであります。
まあ以上のような
理由でございますが、元来が今の
特別会計を作る当時、農林金融
公庫を作ろうという
政府側は案であつたと我々は聞いておる。ドツジ・ラインその他の関屡、いろいろとそういうはつきりした大きな
金融機関を作るというようなことは、当時困難であつたというような事情もございまして、まあちよつと変則な形で、
特別会計という形でや
つて来た。やはりここまで厖大なものになれば、どうしてもはつきりした
公庫という形をとつたほうがよくはないかということを考えまして、この
公庫案を出したわけであります。