○
政府委員(
小平久雄君)
栗山委員からの
お尋ねの第一点は、武器製造
工場の保安の問題でございましたが、御説のように、
本法において武器と称しておりますようなものを造るに当りましては、
相当危険も伴うものも中にはあるわけであります。そこで特に火薬類と
関係のあるものにつきましては、火薬類取締法の適用を受けるわけでありますが、特に先ほど
お話のありましたように、以前からあります
工場を利用するというような際におきましては、従前はそれぞれの法に照しまして、或いは社会の通念からいたしましても、まあ安全なところに
工場があ
つたというものが、その後の時代の変遷によりまして、現在の環境を以てすれば、必ずしも適地でないというようなものが出て参
つていると
考えます。そういう場合におきましては、勿論これを再開をするというような場合におきましは、それぞれの法に照しますことは勿論のことでありますが、又社会通念からいたしましても、そういう点は十分
考慮されて利用が行われる、こうあるべきものだと我々は
考えておるわけであります。先般来、花火
工場の爆発等も御承知の
通りでございまして、非常に世人の注目を惹いているのでありますが、ただ従来花火
工場なり爆薬物を扱います
工場などの建設につきましては、その
工場を造る際におきまして、
既存の建物から幾ら離れなければならんとい
つたような規定はあるようでありますが、逆に
工場ができたのちにおきまして、住宅その他の建物が、火薬類等を扱いまする
工場からの制限距離内に、他の物件が施設をされて参る、あとからされるという場合につきましては、別段取締りの規定もないように承知をしておるのであります。そういう点につきましては、実は寄り寄り建設省等とも打合せまして、そうい
つた場合にどう対処すべきかというようなことにつきましても、実は連絡、研究を今いたしておるところでございます。
工場内部の保安の
関係につきましては、勿論
本法におきましても保管の規定等につきまして認可を要することにいたしておりまするし、更に一般的に申しまして、
工場安全に関する思想の普及、徹底というようなことにつきましても、これは十分注意をいたして参りたいと
考えておるわけであります。
それから第二点の
生産能力の点でありまするが、実は武器
生産工場の整備というものが、まだまだ整備が終
つておりませんので、現実にどれだけの
能力があるかということはなかなか正確にはとらえにくいのでございます。ただ最近の
実績から申しますと、昨年の四月以降今日までに、大体二千万ドル推度の受注をいたしております。更に又今後につきましては、現米会計年度内におきまして、約三千万ドル
程度期待ができるのではないかというふうに
考えておるのであります。これらを併せまして、年間約五千万ドル
程度、こういう推計をいたしておるわけであります。
以上の
通りでありまして、現在の需要というものは、大体が
アメリカの駐留軍からの発注ということに相成
つておるのでありまして、
工場の
生産能力というものは、先ほど申しましたような事情によりまして、まだ正確にはとらえ得ない現状にあるわけでございます。それから資金の点でありまするが、資金の点につきましては、これも今後の需要と申しますか、逆に申せば、発注量如何によ
つて整備をしなければならん施設というものが、その
範囲が変
つて参るわけでありまするが、差当りのこととしましては、大体設備の改善等に要する費用が十億円
程度ではなかろうかというふうに一応の目安を置いているわけであります。これが調達につきましても、
只今のところにおきましては、
政府が直接これに金を出すという
立場にはありません。ただ自己調達というものを
中心といたしまして、要すれば開銀等の資金の斡旋ということが必要なるものにつきましては、
当局も努力をいたして参りたい、かような
考えで
只今のところ進んでいるわけであります。それからこの
能力等につきましては、大体
武器等製造法案参考資料というのがお手許に配布されていると思いますが……(「いない」と呼ぶ者あり)これから配布をいたします。
なお次に
小滝委員の需要の見通しでありますが、これは先ほども申しましたが、従来のところは大体では駐留軍からの発注でありまして、それが現
アメリカの会計年度を通じまして、大体五千万ドル
程度ではなかろうかという一応の目安を持
つている
程度なんであります。そのほかとしましては、国警から薬莢
程度のものが若干あるようでございます。保安庁からはまだありません。かようなわけで、現状におきましてはもう九分九厘が、或いはそれ以上も米軍の発注にかか
つている、こういうのが実情であります。更に今後これがどう変
つて行くかということにつきましても、これは勿論
業者らの
立場におきましても、十分知りたいでありましようし、
当局におきましても、成るべく確実な情報をキヤツチしまして、
業者にも提供したい、こういう気持はあるのでありますが、何と申しましても、米軍の発注にかかるものであり、それが究極するに
アメリカの予算に
関係をいたすというようなことでもございますので、なかなか具体的にこれが正確な予測をつけるということは困難な実情下にあるわけであります。
海外からの引合等の
関係につきましては、従来まだ輸出をいたしました
実績はございません。ただ従来タイ或いはパキスタン或いは仏印、これらから引合の話を聞いたという
程度のものでありまして、まだ具体的には運んでおらないわけであります。
大体概略以上の
通りでありますが、或いは落した点もあるかと思いますが、御
質問に応じてお答えいたします。