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1953-03-11 第15回国会 参議院 地方行政委員会 第21号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年三月十一日(水曜日) 午後一時五十四分開会
━━━━━━━━━━━━━
出席者
は左の
通り
。
委員長
菊田
七平君 理事 石村 幸作君 館 哲二君
委員
西郷吉之助
君
高橋進太郎
君 加賀 操君
小笠原二三男
君 岩男
仁藏
君
衆議院議員
公職選挙法改正
に関する
調査特
別
委員長
大村
清一
君
政府委員
法務政務次官
押谷
富三
君
事務局側
常任委員会専門
員
福永與一郎
君
━━━━━━━━━━━━━
本日の会議に付した事件 ○
消防施設強化促進法案
(
内閣送付
) ○
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
(
衆議院提出
)
━━━━━━━━━━━━━
菊田七平
1
○
委員長
(
菊田
七平君) それでは
只今
から
委員会
を開会いたします。 先ず第一に、
消防施設強化促進法案
の
説明
を求めます。
押谷富三
2
○
政府委員
(
押谷富三
君)
只今
提案
いたしました
消防施設強化促進法案
の
提案
の
理由
並びにその
内容
につきまして御
説明
申上げます。 この
法律案
を
提案
いたしました
理由
は、
消防施設
を購入し、又は設置しようとする
市町村
に対し、その
費用
の一部を国において
補助
する途を開きまして、
消防施設
の
強化促進
を図るためであります。 御
承知
の
ごと
く
昭和
二十二年
消防組織法
が
制定
され、
消防
は
市町村
の
責任
において管理されることになつたのでありますが、同法はその
制定
の
頭初
から第二十五条におきまして、「
市町村
の
消防
に要する
費用
に対する
補助金
に関しては
法律
でこれを定める」旨の
規定
を設け、
補助金法制定
の途を開いていたのでありますが、現在まで未だその運びに至らなかつたのであります。一方
消防
の
財源措置
につきましては必ずしも十分ではなく、あまつさえ
市町村
の
財政状態
は窮迫いたしております
関係
上、
消防施設
は
整備
強化
される術もなくして極めて劣弱な
状態
のまま今日に及んでいるような次第であります。
翻つて火災
による
損害
の状況を見ますに、逐年増加の一途を辿り、
昭和
二十七年の
年間統計
によりますと、
火災件数
二万二千余件、
焼失坪数
約七十二万坪、
損害見積額
は実に三百八十六億円の多きに及んでいるのであります。 右のような
事情
にありますので、この際速かなる
消防施設
の
強化
を図る必要がありまして、今回国庫から
補助金
を
市町村
に交付する
措置
を講じ、その
消防施設
の
整備
を促進し、
火災
による
損害
の軽減に万全を期するため本
法案
を
提出
した次第であります。 次にこの
法律案
の
内容
について御
説明
申上げます。この
法案
は、本文七条及び
附則
一項から成
つて
おります。先ず第一条においてこの
法律
の
目的
について定め、第二条におきましては
消防施設
を購入し又は設置しようとする
市町村
に対し国はその
費用
の一部を
補助
することができる旨を定めております。 次に第三条におきましては、
補助
すべき対象を
消防
の用に供する
機械器具
及び設備とし、政令で定めることとしたのであります。 第四条は、
補助基本額
及び
補助率
について定めております。即ち
消防施設
の種類及び
規格ごと
に
内閣総理大臣
が
基準額
を定め、予算の
範囲
内でその三分の一以内を
補助
することといたしました。 次に第五条は、
補助
の
申請
について
規定
してあります。即ち、
市町村長
は
都道府県知事
を経由して
内閣総理大臣
に
申請書
を
提出
することとし、
申請書
の様式、
添付書類等
は
総理府令
で定めることとしたのであります。この場合
都道府県知事
は必要な
意見
をつけることができることといたしました。 次に第六条でありますが、これは
補助金
の使途を適正ならしめるために、正当な
理由
がなくて
施設
の購入又は設置の全部又は一部を行わないこととなつたとき、
補助
の
目的
以外に使用したとき、又は
内閣総理大臣
の
指示
に
違反
したと認められるときのいずれかに該当しますときは、
内閣総理大臣
は
補助金
の交付を取り消し、停止し又は交付した
補助金
を返還させることができる旨を
規定
しました。この場合、
市町村長
に事前に釈明の
意見
を述べ、証拠を
提出
する機会を与えることとしております。 次に第七条におきましては、更に一層
補助金
を有効適切に使用するため、
内閣総理大臣
が
目的達成
のため必要な限度において
市町村長
に対し必要な
指示
を行い、
報告書
の
提出
を命じ、又は職員に実地検査させることができるように定めたのであります。
最後
に
附則
においてこの
法律
は公布の日から施行することといたしました。 以上がこの
法律案提出
の
理由
及びその
内容
の大要であります。 何とぞよろしく御
審議
のほどをお願い申上げます。
菊田七平
3
○
委員長
(
菊田
七平君) 次に
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
について、去る三月十日附を以て
衆議院
より
提出
され、本
委員会
に付託されましたので、改めて
衆議院公職選挙法改正
に関する
調査特別委員長
より
提案
の
理由
を伺います。
大村清一
4
○
衆議院議員
(
大村清一
君)
只今議題
となりました
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
提案
の
理由
とその
要旨
を御
説明
申上げます。
衆議院
におきましては、昨年十二月に
委員
二十五名よりなる
特別委員会
を設置し、
公職選挙法
の
改正
に関する
調査
を進めて参つたことは御
承知
の
通り
であります。
特別委員会
におきましては、発足当初数回に亘り
委員
間の自由な
意見
の交換を行い、
関係
各方面から寄せられました
資料
や
意見
をも参酌いたしまして、慎重に
改正点
を選択し、次いで各派の
委員
より構成せられた小
委員会
を設け、前後十数回に亘り極めて熱心且つ慎重に
審議
を重ねました結果、去る三日
委員会
において
改正案要綱
の作成を得、これに基いて
法文化
を行い、六日に
委員会
の成案を決定し、本案の
提出
を見るに
至つた
次第であります。 本
改正案
の眼目といたしまするところは、昨年十月の
衆議院議員
の総
選挙
の経験に鑑み、
選挙運動
の
適正化
を図り、
選挙運動費用
に関する
規定
を実情に即せしめ、その他
選挙
の
管理執行
に関する
規定
及び
罰則
の
整備
をいたしたのでありまして、本
改正案
の
提案
の
理由
はここにある次第であります。以下簡単に
改正案
の主要な部分について、その
要旨
を御
説明
申上げます。
改正
の第一は、
選挙運動
に関してでありまして、先ず
国会議員等
の
選挙
におきましては、
選挙事務所
を表示するために
当該選挙管理委員会
又は
中央選挙管理委員会
が交付する一定の標札を常に
選挙事務所
の入口に
掲示
しなければならないものとし、これに
違反
するときは閉鎖を命ずべきものといたしました。 次は
飲食物
の提供についてでありますが、
選挙運動員
及び
労務者
に対し、
選挙事務所
において、又は
街頭演説
及び
連呼行為
に従事する場合において、
弁当料
の支給に代え一日につき三十人分九十食を超えない
範囲
内で
現物給与
ができるものとして、併せて
現行法
の湯茶を茶菓に改めることといたしました。 次に、
選挙運動
のために使用する
自動車
、
拡声機
又は
船舶
についての
証明書
と表示のうち
証明書
はこれを必要としないことと改め、
自動車
についての
警察許可
もまた必要としないように
法定
いたしました。 次は
文書図画
の
掲示
についてでありますが、
衆議院選挙
の特例として
公営
により交付される
個人演説会告知用ポスター
の
枚数
を
現行
千二百枚から三千枚に増加すると共に、これを他の
一般
の
選挙運動用ポスター
にも転用することができるようにいたしました。 次は
新聞紙
、
雑誌
の
報道
及び
評論
に関してでありますが、
法定
以外の
新聞紙
、
雑誌
及び
法定
以外の
政党
その他の
政治団体
の
機関新聞紙
、
雑誌
であ
つて
も
選挙運動
の
期間
中
選挙
の
期日
その他
選挙
の
執行
、棄権及び
違反
の防止に関する記事を掲載することができるように緩和いたしますると共に、一方、
法定
以外の
新聞紙
、
雑誌
に対する
規制
は
選挙
の当日にも及ぼすことといたしたのであります。 次は
立会演説会
についてでありますが、
演説者
の
便宜
を図るため、従来の方法以外に
班別編成
によ
つて
も実施することができる旨の
規定
を新設いたしました。 次は
個人演説会
についてでありますが、その
使用施設
として新たに公民館を加えますと共に、
個人演説会
の
制限
につきましては、六十回の
回数制限
はそのままといたしましたが、その外、次の
条件
を具備する場合には
個人演説会
(
演説
を含む)を
開催
することは自由といたしました。その
条件
は、
標旗
を掲げその場所に駐
つて
演説
すること、
公営施設
以外の
施設
を使用する場合に限ること、
演説会場外
における
文書図画
の
掲示
は
ちよ
うちん一個及び
選挙運動用ポスター
又は
個人演説会告知用ポスター
以外は認めないこと、夜間の時間
制限等
については屋内において
開催
する場合を除き
街頭演説
と同様に取扱うこと、以上であります。このようにいたしました結果、おのずから
婦人会
、
青年会等
の集会、映画、
演劇等
の
幕合
又は会社、
工場等
の休憩時間等を利用して行う
演説
についても前述の
条件
を具備した場合には自由と相成る次第であります。但し、これは
標旗
を掲げて
戸別訪問
の
禁止
に該当する
行為
を許す趣旨ではないので、その旨を明定することといたしました。 次に、
立会演説会
におきましては、
録音盤
を使用して
演説
をすることを
禁止
し、
個人演説会
については従来
通り
とし、
街頭演説
におきましては新たにこれを認めることといたし、又、
街頭演説
の際必要な
標旗
及び
証明書
のうち
証明書
は廃止することといたしました。なお、
連呼行為
に使用される諸車につきましては、その
台数
について疑義を生ずる向もありましたので、一台に限られている旨の
規定
を設けることといたしました。 次に、
選挙運動用
の
船舶
を使用して行う
街頭演説
及び
連呼行為
につきましては、
船舶
の運行に従事する船員は
選挙運動
に従事する者の
制限
即ち十五人から除外することといたしました。 次に、
立会演説会開催
当日その
演説会場
から三町以内の
区域
における他の
演説会等
の
制限
につきましては、
立会演説会
の
開催
時間中及びその前後二時間の間に限り
禁止
するように緩和いたしましたが、一方、
連呼行為
及び
演説
についても新たに同様の
禁止
をすることといたしました。 次に、一の
選挙
の
選挙運動
の
期間
が他の
選挙
の
選挙期日
にかかる場合におきまして、
選挙
当日、その
投票
の終るまでの間は
投票所
から三町以内の
区域
におきましては、
演説会
(
演説
を含む)の
開催
、
街頭演説
及び
連呼行為
ば
禁止
することといたし、又、
地方公共団体
が所有し又は管理する建物については
現行法
では
選挙運動
のための
演説
が
禁止
されておりますが、このうち
公営住宅
を除外することといたしました。 次に、
衆議院議員
の総
選挙
においてはその
選挙運動
の
期間
中、
政党
その他の
政治団体
の
政治活動
に関して
規制
をいたしておりますが、今回これを
参議院議員
の
通常選挙
にも及ぼすこととし、その場合における有
資格政党等
の
所属候補者数
は
全国選出
及び
地方選出
を通じて十人以上とし、
政談演説会
の
開催回数
は
衆議院議員
の
選挙
区
ごと
に一回とし、
街頭演説
(
連呼行為
を含む)は
衆議院
の場合と
同様自動車
上とし、
自動車
の
台数
につきましては、
候補者
が十人以上五十人
未満
の場合は三台以内、五十人以上百人
未満
の場合は五台以内、百人以上の場合は八台以内とし、
ポスター
の
枚数
は、
衆議院議員
の
選挙
区
ごと
に千枚としこの
政党等
の
政治活動
の
規制
は、
選挙
の当日にも行うこととし、なお
候補者
の
所属
につきましては、一の党派に限る旨を明確にすることといたしました。追
つて政党
その他の
政治団体
の発行する
機関新聞紙
又は
機関雑誌
に関する
制限
も、又
参議院
の
通常選挙
にも及ぼすこととすると共に、これらの
報道
及び
評論
は、
一般
の
新聞紙
及び
雑誌
に関する
法定条件
に該当すると否とにかかわらず、すべて本条の要件に該当する
機関新聞紙
及び
機関雑誌
、各一に限り認めることといたしたのであります。
改正
の第二は
選挙運動
に関する収入及び
支出
に関してでありまして、先ず
出納責任者
の選任及び
職務代行者
の就任の
届出
については
発信主義
を採用することとし、又
職務代行者
の
職務権限
は
出納責任者
と同一であることを明確にすると共に、その
違反行為
に対しても
出納責任者
と同様の
罰則
を科することといたしました。
選挙運動
に関する
支出金額
の算出の
基準額
につきましては、
経済事情
に即せしめるため、
衆議院議員
の
選挙
につきましては
現行
四円から五円に引き上げ、
参議院議員
の
選挙
につきましても
衆議院議員
の引上率の
程度
に応じて、
地方選出
は
定数
一人の場合は一円を一円三十銭に、
定数
二人以上の場合及び
全国選出
は一円五十銭を一円九十銭にそれぞれ引き上げることとし、これを
法定
することといたしました。 次に
選挙運動
のための
船舶
に要する
支出
は
自動車
と
同様選挙運動
に関する
支出
とみなさないことといたしました。又
選挙運動
に関する
実費弁償
及び報酬の額の
基準
につきましてはこれを
法定
することとし、
弁当料
は
現行
二百四十円を三百円に引き上げ、
労務者
の
基本日額
は三百五十円以内、
超過勤務手当
はその五割以内、
弁当
を提供したときはその
相当額
を差引くことと改めた次第であります。
改正
の第三は、
選挙犯罪
と
当選
無効についてでありますが、いわゆる
連座制
に関しましては、特に熱心且つ慎重に論議を尽しました結果、
免責規定
は一応従来
通り
とし、新たに
出納責任者
が
買収
に関する罪を犯し、刑に処せられたときも、
免責条項
に該当しない限り
当選人
の
当選
を無効とする
規定
を加えると共に、
候補者
は
選挙運動
を総括主宰する者として、
選挙事務長
一人を選任しこれを届け出ることとし、そのほか事実上
選挙運動
を総括主宰した者が
買収
に関する罪を犯し、刑に処せられた場合については従来
通り
とすることといたした次第であります。その他
罰則
につきましては、
禁止規定
の新設に伴い
所要
の
整備
をいたしました。
改正
の第四は、
選挙
の
管理執行
に関してでありますが、先ず
候補者
は
選挙
の当日には
立候補
を辞退することはできないものとし、次に
立候補
の
制限
を受けている公務員が
立候補
した場合には、その
届出
と同時に何らの手続を要せずして当然に退職したものとみなすこととし、又
兼職禁止
の職にある者が
当選
の
告知
を受けたときもその
告知
と同時に当然その職を辞したものとみなしてその
当選
を有効とすることとし、その他各般の
規定
の整理を行うと共に、
選挙公営
に関する
規定
の
改正
に伴う
選挙管理費用
について
所要
の
改正
を加えたのであります。
最後
に、本
改正法
の
施行期日
につきましては、本年六月一日から施行することといたしましたが、
衆議院議員
の
選挙
に関しましては、同日前に総
選挙
の公示がなされたときはその総
選挙
から施行し、
参議院議員
の
選挙
に関しましては、次の
通常選挙
から施行することといたしました。その他本
改正
に伴う
所要
の
経過措置
を定めた次第であります。 以上が本
改正案
の
要旨
でありますが、その詳細はお
手許
に差上げてありまする
改正案要綱
によ
つて
御
承知
を願いたいと存じます。 何とぞ慎重御
審議
の
上速
かに御可決あらんことを切望する次第であります。 なお私の
説明
の不十分な点につきましては、
法制専門家
の
三浦衆議院法制局部長
に立案に参画をして頂いておりますので、御
質問等
によりましてお答えいたしたいと、そのように考えておるのであります。御了承を願います。
菊田七平
5
○
委員長
(
菊田
七平君) 御質疑があれば、どうぞ御
質問
をして頂きたい。
福永與一郎
6
○
専門員
(
福永與一郎
君) お
手許
に
資料
として
公職選挙法
の一部を
改正
する
法律案
の
資料
が差上げてございます。前書にもありますように、法文は
御覧
の
通り
何々を何々と改めるというようなことで、非常に読みにくい個所がございますので、
御覧
になる上に
便宜
のようにと思いまして書直し、
改正
すればこうなるという結果の形をとりまして、書流し風に条文を改めて書いて見たのでありますが、御参考までに御利用願います。
菊田七平
7
○
委員長
(
菊田
七平君)
ちよ
つと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
菊田七平
8
○
委員長
(
菊田
七平君)
速記
を始めて下さい。 本日はこの
程度
を以て散会いたします。 午後二時三十九分散会